以下、本発明をパチンコ遊技機に適用した一実施形態を、図1〜図15に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10(以下、単に、遊技機10という。)では、遊技板11の前面に、ガイドレール12で囲まれた略円形の遊技領域R1が設けられている。
遊技板11の前面は、遊技機10の前面に開閉可能に取り付けられた前面枠10Zにて覆われ、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して遊技領域R1の全体が視認可能となっている。ガラス窓10Wの周囲には、装飾ランプ22が設けられ、ガラス窓10Wの上方の両側には、スピーカ25,25が備えられている。また、ガラス窓10Wより下方には、上皿26及び下皿27が上下2段にして設けられ、下皿27の右端部には操作ノブ28が設けられている。そして、操作ノブ28を回動操作すると、上皿26に収容された遊技球が遊技領域R1に向けて弾き出される。
遊技板11のうち遊技領域R1の中央には、異形の遊技板表示窓11Hが貫通形成されており、その遊技板表示窓11Hに遊技板11の裏面側から液晶表示装置30の表示画面30Gが対向している。
遊技板11の前面中央には、表示画面30Gを囲むように表示装飾枠23が取り付けられている。表示装飾枠23は、遊技板11の前面側から遊技板表示窓11Hに嵌め込まれ、遊技板表示窓11Hの内側に張り出すと共に、遊技板11の前面から突出している。そして、遊技領域R1を流下する遊技球が、表示装飾枠23の外側を通過して表示装飾枠23の内側に進入しないように構成されている。
遊技領域R1のうち表示装飾枠23の下方における左右方向の中央部には、第1と第2の始動入賞口14A,14Bが、上下に間隔を開けて並べて設けられている。第1の始動入賞口14Aの右側には、大入賞口15が備えられ、その大入賞口15のさらに右側には、サイド入賞口21が設けられている。また、第1の始動入賞口14Aの左側には、ガイドレール12に沿って一般入賞口20が複数設けられている。各入賞口14A,14B,15,20,21の何れにも入賞しなかった遊技球は、遊技領域R1の下端に配置されたアウト口16に全て取り込まれる。
表示装飾枠23の右側には、始動ゲート18が設けられている。なお、図示はしないが、遊技領域R1には多数の障害釘が植設されている。
次に所要の各部位についてさらに詳説する。一般入賞口20及びサイド入賞口21は、所謂、ポケット構造をなして、遊技板11の前面から突出した部材上面に開放しており、遊技球が丁度1つ入球可能な大きさで上方に開口している。そして、一般入賞口20又はサイド入賞口21に遊技球が入ると、例えば、4個の遊技球が賞球として上皿26に払い出される。
始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなし、始動ゲート18を遊技球が通過すると、普通図柄当否判定が行われ、普通図柄表示装置18X(図2参照)にて普通図柄が変動表示後に停止表示される。
第1の始動入賞口14Aは、一般入賞口20やサイド入賞口21と同様に、ポケット構造になっていて、遊技球が1つずつ入ることが可能な大きさで上方に開口している。また、第2の始動入賞口14Bは、遊技球が1つずつ入ることが可能な大きさで前方に開口し、通常は、回動扉14Tにて前方が閉塞されることで、遊技球の入球が規制されている。回動扉14Tは、上述した普通図柄当否判定の結果が当たりとなったときに、所定時間だけ前側に倒される。このとき、回動扉14Tは、第2の始動入賞口14Bの側方から流下してきた遊技球を上面で受け止めて、第2の始動入賞口14Bへと誘導可能となる。
各始動入賞口14A,14Bに遊技球が入球すると、例えば、4個の遊技球が賞球として上皿26に払い出されると共に、特別図柄当否判定が行われる。特別図柄当否判定が行われると、その判定結果に基づく図柄変動演出が表示画面30Gに表示されると共に、判定結果が特別図柄表示装置14X(図2参照)に表示される。そして、判定結果が当りの場合には、大当り遊技状態となって大当り遊技が実行される。これに対し、判定結果が外れの場合には、大当り遊技状態ではない通常遊技状態が続く。
なお、図柄変動演出の詳細は、以下のようになっている。即ち、表示画面30Gの中央部には、通常、3つの特別図柄(図示せず)が横並びに停止表示されている。これら各特別図柄は、例えば、「0」〜「11」の数字を表記した複数種類のもので構成されており、通常は、各特別図柄ごと、所定の種類のものが停止表示されている。そして、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞したことを条件として、これら3つの特別図柄が、変動表示(例えば、上下方向にスクロール表示)され、所定時間後に停止表示される。そして、停止した特別図柄の組合せにより、特別図柄当否判定の結果を表示するようになっていて、例えば、特別図柄が全て同じ図柄(ゾロ目)の場合に、当りであることを示し、ゾロ目以外の組み合わせの場合に、外れであることを示すようになっている。
大入賞口15は、横長矩形に形成されて、常には、可動扉15Tにて閉塞されている。そして、大当り遊技が行われると、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒されて大入賞口15が開放し、可動扉15Tを案内にして、大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能となる。なお、大入賞口15に遊技球が入賞すると、例えば、1個の入賞につき15個の遊技球が賞球として上皿26に払い出される。
ところで、遊技機10では、遊技の進行に応じて、種々の演出が行われる。具体的には、表示装飾枠23の上辺部分には、駆動役物装置35が設けられていて、特定の役物演出条件が成立したときに、駆動役物装置35による役物演出が行われる。詳細には、駆動役物装置35は、表示装飾枠23の上辺部に上下動可能に取り付けられた可動演出部材36と、可動演出部材36を駆動する駆動モータ37(図2参照。本発明の「駆動源」に相当する。)とを有し、上述した役物演出条件が成立すると、可動演出部材36が、駆動モータ37により駆動されて表示装飾枠23の上辺部から下方へ移動し、液晶表示装置30の表示画面30Gの前方に配置される。
また、液晶表示装置30の表示画面30Gには、上述した図柄変動演出と合わせて、遊技に関する特殊演出が表示されることがある。特殊演出の例としては、表示画面30Gに表示されるキャラクターがミッションを達成するか否かによって大当りへの期待度を示すミッション演出や、上記キャラクターが敵キャラクターと対戦するバトル演出等が挙げられる。なお、以下では、図柄変動演出と特殊演出とを合わせて、適宜、「表示演出」と呼ぶことにする。
また、本実施形態では、液晶表示装置30の表示態様として、表示画面30Gの表示を遊技者に平面的に見せることが可能な2D表示モードと、立体的に見せることが可能な3D表示モードの2種類が設けられ、それら表示モードが、表示画面30Gに表示される演出や遊技状態等に応じて適宜変更されるようになっている。なお、3D表示モードでは、2D表示モードのときよりも液晶表示装置30の消費電力が大きくなっている。
また、本実施形態の遊技機10では、駆動役物装置35による役物演出や液晶表示装置30による表示演出が実行されるときに、それら演出と共に、複数のLEDランプ40(図2及び図3を参照。本発明の「演出用発光部」に相当する。)によるランプ演出が行われることがある。なお、複数のLEDランプ40は、上述したサイドランプ22,22、表示装飾枠23、可動演出部材36等に実装されている。
次に、図2に基づいて、遊技機10の電気的な構成を説明する。同図における符号50は、主制御回路50であって、CPU51A、RAM51B、ROM51C及び複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータとサブ制御回路52を結ぶ入出力回路と、大入賞口15等が接続された中継回路57及び払出制御回路58等を結ぶ入出力回路とを備え、遊技に関わる主制御を行う。CPU51Aは、当否判定部、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、特別図柄当りや普通図柄当りに関する乱数等も生成し、制御信号をサブ制御回路52等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM51Bは、特別図柄用保留球数及び普通図柄用保留球数の記憶領域、CPU51Aで生成される各種乱数値用の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、CPU51Aの作業領域を備える。ROM51Cには、後述する主制御回路メインプログラムPG1(図9参照)や制御データ、特別図柄及び普通図柄の変動表示に関する図柄変動データ等が書き込まれている他、特別図柄当り及び普通図柄当りの判定値等が書き込まれている。
サブ制御回路52は、主制御回路50と同様に、CPU52A、RAM52B、ROM52C及び複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、前記マイクロコンピュータと主制御回路50を結ぶ入出力回路と、表示制御回路54、音声制御回路55及びランプ制御回路56等を結ぶ入出力回路を備えている。CPU52Aは、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、制御信号を表示制御回路54及びランプ制御回路56、音声制御回路55等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM52Bは、各種データの記憶領域とCPU52Aによる作業領域を有している。ROM52Cには、後述するサブ制御回路メインプログラムPG2(図11参照)、特別図柄の変動パターンテーブル、各種演出のデータ等が記憶されている。
表示制御回路54は、サブ制御回路52からの制御信号に基づきCPUがROMから所定の表示制御データを読み出し、RAMの記憶領域で制御用データを生成してVDP(図示せず)に出力する。VDPは、CPUからの指令に基づいてROMから必要なデータを読み出し、表示画面30Gで表示する表示画像(特別図柄、背景画像、キャラクター画像、文字画像、演出画像、客待ち画像等)のマップデータを作成し、VRAMに格納する。VRAMに格納記憶された画像データは、入出力回路に備えるD/A変換回路にてRGB信号に変換されて表示画面30Gに出力される。なお、本実施形態では、表示制御回路54は、液晶表示装置30の一部を構成している。
ランプ制御回路56は、サブ制御回路52から出力される制御信号に基づいて、装飾ランプ22等に実装された複数のLEDランプ40をオンオフ制御する。言い換えれば、サブ制御回路52は、ランプ制御回路56に制御信号を出力することにより、ランプ制御回路56を介して複数のLEDランプ40をオンオフ制御している。
音声制御回路55は、サブ制御回路52から出力される制御信号に基づき、スピーカ25,25から発生されるBGMや演出時の音声の選択を行い、その音声を制御する。
駆動制御回路59は、サブ制御回路52から出力される制御信号に基づき、駆動役物装置35の駆動モータ37やその他の演出に用いられる駆動源を制御する。
なお、各制御回路50,52,54〜59は、電源基板60からの電源供給を受けて作動する。
ところで、遊技機10では、ランプ演出での複数のLEDランプ40による消費電力が大きいと、役物演出での駆動役物装置35の消費電力や、表示演出での液晶表示装置30の消費電力が制限されてしまい、役物演出や表示演出の設計の自由度が低くなるという問題が生じ得る。そこで、本実施形態の遊技機10では、以下に説明するように、LEDランプ40による消費電力の低減が図られている。
即ち、本実施形態では、図3に示すように、複数のLEDランプ40が、4つの区分A1〜A4に分けられていて、それら4つの区分A1〜A4は、一定周期毎に一部の区分が強制的に消灯される(即ち、残りの区分のみが点灯可能となる)ようにオンオフ制御される。
具体的には、遊技機10では、上述したサブ制御回路52において2ms周期で実行される2msタイマ割込み処理(図11のステップS30を参照)で、区分A1〜A4の点灯パターンの基本となる分割基礎データテーブル(図4(B)参照)を作成する。詳細には、分割基礎データテーブルは、サブ制御回路52において10ms周期で実行される10msタイマ割込み処理(図11のステップS31を参照)で作成された基準データテーブル(図4(A)参照)をそのまま用いて作成される。即ち、分割基礎データテーブルの元となる基準データテーブルは、10ms周期で更新されることになる。なお、図4(A)及び図4(B)の各データテーブルにおいて、出力データ[0]〜[3]がそれぞれ、区分A1〜A4の点灯制御データ(オンオフ情報)となっている。また、本実施形態では、10msタイマ割込み処理(S31)が実行される周期(10ms)が本発明に係る基準周期Tとなっていて、2msタイマ割込み処理(S30)が実行される周期(2ms)が本発明に係る分割期間tとなっている。
サブ制御回路52は、2msタイマ割込み処理(S31)で、分割基礎データテーブルを作成すると、複数の区分A1〜A4のうち一部の区分を強制オフ区分として選択し、分割基礎データテーブルにおける強制オフ区分の点灯制御データをオフに再設定する(図4(C)参照)。なお、以下では、強制オフ区分の点灯制御データをオフに再設定する処理のことを、適宜、「強制オフ処理」と呼ぶことにする。
ここで、本実施形態では、2msタイマ割込み処理が実行される度に、複数の区分A1〜A4のうちの1つの区分が強制オフ区分として選択される。また、図4(C)において、「LED出力カウンタ」の値は、強制オフ区分の選択パターンを示し、例えば、LED出力カウンタが「0」であると、区分A1が強制オフ区分に選択される。LED出力カウンタは、2msタイマ割込み処理が実行される度に、「0」→「1」→「2」→「3」というように1つずつ増加し、強制オフ区分として選択される区分が区分A1→区分A2→区分A3→区分A4と変化する。そして、LED出力カウンタが「3」の状態で2msタイマ割込み処理が実行されると、再び、「0」に戻る。このように、本実施形態の遊技機10では、2ms周期で、複数の区分A1〜A4のうち1つの区分を所定の順序で強制オフ区分として選択し、その強制オフ区分の点灯制御データを強制的にオフに設定する。
サブ制御回路52は、強制オフ区分の点灯制御データについて強制オフ処理を実行すると、ランプ制御回路56(図3参照)に点灯制御データを送信(出力)する。ここで、本実施形態では、サブ制御回路52は、強制オフ処理が実行された後の分割基礎データテーブル(図4(C)参照)のうち、強制オフ区分を含む一部複数の区分の点灯制御データのみを送信する。具体的には、図4(D)に示すように、強制オフ区分と、それ以外の1つの区分との2つの区分についてのみ点灯制御データを送信する。これにより、強制オフ区分に含まれるLEDランプ40については、確実に消灯することが可能となり、複数のLEDランプ40により消費電力の低減が図られる。
図5(A)には、10ms周期毎に、10msタイマ割込み処理で作成される基準データテーブル(図4(A)参照)に従って複数のLEDランプ40を点灯制御した場合の、各区分A1〜A4の点灯パターンが示されている。また、図5(B)には、図4(D)の送信データに従ってオンオフ制御された各区分A1〜A4の点灯パターンが示されている。
ここで、本実施形態では、任意の分割期間tにおいて、複数の区分A1〜A4のうち送信データが送信されない区分については、その前の分割期間tのオンオフ状態が維持される。また、本実施形態のサブ制御回路52は、ある分割期間tで強制オフ区分として選択されていた区分には、その次の分割期間tで制御信号を出力しないように構成されている(図4(D)参照)。従って、例えば、区分A1については、LED出力カウンタが「0」のときの分割期間tで、強制オフ処理が実行されて強制的に消灯されると、その後、LED出力カウンタが「3」となって点灯されるまで、消灯状態が維持される(図5(B)参照)。このように、本実施形態によれば、オフの制御信号を再度出力することなく、LEDランプ40を消灯させることが可能となる。
なお、図5(A)と図5(B)の比較から明らかなように、図5(A)の例では、任意の分割期間tで、全ての区分A1〜A4がオンされているのに対し、図5(B)の例では、任意の分割期間tで、4つの区分A1〜A4のうち1つの区分のみがオンされている。このことから、本実施形態の遊技機10では、複数のLEDランプ40による消費電力の低減が図られていることが分かる。
ところで、図5(B)のように、任意の分割期間tで1つの区分のみを点灯させることは、以下の構成によっても実現可能である。即ち、サブ制御回路52が、10msタイマ割込み処理(図11のステップS31参照)において、図4(A)と同様の基準データテーブルを作成すると共に(図6(A)参照)、2msタイマ割込み処理(図11のステップS30)において、図4(B)と同様の分割基礎データテーブル(図6(B)参照)を作成し、4つの区分A1〜A4のうち3つの区分を強制オフ区分として選択して、それら3つの強制オフ区分について強制オフ処理を行う(図6(C)参照)。そして、4つ全ての区分A1〜A4について、点灯制御データを送信する(図6(D)参照)。
しかしながら、分割期間t(2ms)毎に、全ての区分A1〜A4について点灯制御データを送信すると、図6(A)の基準データテーブルに従って複数のLEDランプ40を基準周期T(10ms)で制御する場合と比較して、基準周期Tあたりの点灯制御データの量が約5倍に増加する。このため、複数のLEDランプ40を制御するために必要な通信負荷が大きくなるという問題が生じてしまう。
これに対し、本実施形態の遊技機10では、図4(D)に示すように、サブ制御回路52は、区分A1〜A4のうち一部の区分(例えば、2つの区分)についてのみ点灯制御データを送信するので、図4(A)の基準データテーブルに従って複数のLEDランプ40を基準周期T(10ms)で制御する場合と比較して、基準周期Tあたりの点灯制御データの量が約2倍程度に抑えられ、通信負荷を抑えることが可能となる。しかも、点灯制御データを送信する区分に、点灯制御データがオフに再設定された強制オフ区分が含まれているので、強制オフ区分に選択された区分については、確実に消灯させることが可能となっている。
なお、図7(A)〜図7(D)には、10msタイマ割込み処理で作成される基準データテーブルが、図4(A)とは異なる点灯パターンである場合の例が、図4(A)〜図4(D)と同様にして、示されている。また、図8(A)には、図7(A)で示した基準データテーブルに従って複数のLEDランプ40を点灯制御した場合の、各区分A1〜A4の点灯パターンが示されている。また、図8(B)には、図7(D)の送信データに従って点灯制御された各区分A1〜A4の点灯パターンが示されている。
また、本実施形態の遊技機10では、サブ制御回路52は、2msタイマ割込み処理(S30)において、役物演出の内容に合わせて駆動役物装置35の駆動モータ37を制御する処理も実行する。言い換えれば、分割期間tは、サブ制御回路52が駆動モータを制御する周期に一致している。従って、サブ制御回路52は、駆動モータ37を制御する周期に合わせて、複数のLEDランプ40のオンオフ制御をすることが可能となり、可動演出部材36の駆動に必要な消費電力に合わせて、複数のLEDランプ40の消費電力を抑えることが可能となる。
上記した本実施形態の遊技機10の動作を実現するため、主制御回路50、サブ制御回路52等(図2参照)は、上記した主制御回路メインプログラムPG1、サブ制御回路メインプログラムPG2等を実行して、情報を処理している。以下、主制御回路50及びサブ制御回路52における情報処理について説明する。
主制御回路50に備えたワンチップマイコンは、遊技機10の電源をオンすると、ROM51Cから図9に示した主制御回路メインプログラムPG1を取り出してランする。同図に示すように、主制御回路メインプログラムPG1がランされると、まずスタックの設定、定数設定、CPU51Aの設定、SIO、PIO、CTCの設定等を行う初期設定が行われる(S1)。なお、初期設定(S1)は、主制御回路メインプログラムPG1が、電源オン後の1回目にランされたときだけ実行され、それ以降は実行されない。
図9に示すように、初期設定(S1)に次いで、後述する主制御回路割り込み処理(S5)が実行されるまでの残余時間には、以下のステップS2〜S4の各処理がループして行われる。具体的には、まず、割り込みが禁止され(S2)、タイマ割り込みが入って来ても割り込み許可となるまで割り込み処理を行わないようにさせる。続いて、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)が実行される。この処理(S3)では、大当り判定等に用いられる乱数カウンタが更新され、更新されたカウンタ値は主制御回路50のRAM51Bの記憶領域に逐一記憶される。普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)が終了すると、割り込みが許可され(S4)、主制御回路割り込み処理(S5)が実行可能となる。
主制御回路割り込み処理(S5)は、CPU51Aに割り込みパルスが入力すると、例えば、4ms周期で繰り返して実行される。そして、主制御回路割り込み処理(S5)が終了してから、次に主制御回路割り込み処理(S5)が開始されるまでの残余処理期間中に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)による各種カウンタ値の更新処理が複数回に亘って繰り返し実行される。また、割り込み禁止状態のときにCPU51Aに割り込みパルスが入力した場合は、主制御回路割り込み処理(S5)はすぐには開始されず、割り込み許可(S4)がされてから開始される。
次に、主制御回路割り込み処理(S5)について説明する。図10に示すように、主制御回路割り込み処理(S5)では、まず、出力処理(S10)が行われる。出力処理(S10)では、以下説明する各処理により主制御回路50の出力バッファに記憶された各コマンド(制御信号)等が、サブ制御回路52へ出力される。ここで出力されるコマンド(制御信号)には、変動パターンコマンド等が挙げられる。
出力処理(S10)に次いで、入力処理(S11)が行われる。入力処理(S11)では、主に遊技機10に取り付けられている各種センサ(例えば、普通図柄始動スイッチ、始動口センサ、その他センサ、スイッチ類等)が検知した場合の信号入力が行なわれる。続いて行われる動作タイマ減算処理(S12)では、動作タイマを減算する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S13)は、上記した主制御回路メインプログラムPG1のループ処理内で行われている普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同じである。即ち、乱数カウンタの更新処理は、主制御回路割り込み処理(S5)の実行期間と、その残余処理期間(主制御回路割り込み処理(S5)の終了後、次の主制御回路割り込み処理(S5)が開始されるまでの期間)の両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S13)に次いで、入賞検出処理(S15)が実行される。入賞検出処理(S15)では、始動入賞口14A,14Bに遊技球に入賞したかどうかを判断して、入賞した場合には、特別図柄保留球数を適宜更新する。
入賞検出処理(S15)が終了すると、普通動作処理(S16)が行われる。主制御回路50は、この処理(S16)によって、普通図柄当りの判定や普通図柄表示装置18X(図2参照)での普通図柄の変動及び停止表示、普通図柄当りに基づく始動入賞口14Bにおける回動扉14Tの開閉を、サブ制御回路52を介さずに直接制御して、普通図柄当りに関する処理を行う。
普通動作処理(S16)に次いで行われる特別動作処理(S17)は、特別図柄表示装置14X(図2参照)の表示状態を直接制御する一方、サブ制御回路52を介して表示画面30G、装飾ランプ22、スピーカ25等を間接的に制御する。
特別動作処理(S17)が終了すると、保留球数処理(S18)と、本発明に深く関連しないその他の処理(S19)とを実行して、主制御回路割り込み処理(S5)から抜ける。そして、図9に示したように、次にCPU51Aに割り込みパルスが入力するまで、ステップS2〜ステップS4の処理が繰り返し実行され、割り込みパルスの入力を起因(約4ms後)に、再度、主制御回路割り込み処理(S5)が実行される。すると、上述の如く、前回、主制御回路割り込み処理(S5)が実行されたときにRAM51Bの出力バッファにセットされた制御データが、次に実行された主制御回路割り込み処理(S5)の出力処理(S10)において出力される。以上が、主制御回路50が実行する主制御回路メインプログラムPG1についての説明である。
次に、サブ制御回路52が実行するサブ制御回路メインプログラムPG2の処理について説明する。図11に示すように、サブ制御回路メインプログラムPG2では、まず、CPU初期化処理(S20)が行われ、スタックの設定、定数設定、CPU52Aの設定、SIO、PIO、CTCに電源をオンすると、電源基板60から電源断信号がサブ制御回路52に送信される。この電源断信号が送信されたときに、RAM52Bのバックアップデータの内容が正常かどうか判断する(S21)。正常であれば(S21でyes)、ステップS23へ進み、RAM52Bの内容が正常でなければ(S21でno)、RAM52Bを初期化し、各種フラグ及びカウンタ値がリセットされ(S22)、ステップS23へ進む。ステップS23では、ウォッチドッグタイマカウンタが初期化される(S23)。なお、これらステップS20〜S23は、サブ制御回路メインプログラムPG2が、電源投入後の1回目にランされたときだけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS20〜S23によって初期設定が終了すると、割込みが禁止され(S24)、乱数シード更新処理(S25)が実行される。この処理(S25)では、表示画面30Gで行われる演出を、複数の演出候補の中から選択する際に必要な乱数値が更新される。なお、この乱数値によって、上述の図柄変動演出及び特殊演出の内容が決定される。
次いで、表示制御回路54、音声制御回路55、ランプ制御回路56(図2参照)に各種コマンドを送信するコマンド送信処理(S26)を実行し、ウォッチドッグタイマカウンタの初期化(S27)、割込み許可(S28)を行う。そして、これら処理(S24〜S28)を無限ループで繰り返す。
サブ制御回路メインプログラムPG2では、上述したステップS24〜S28の無限ループに対して、受信割り込み処理(S29)、2msタイマ割込み処理(S30)、10msタイマ割込み処理(S31)が割り込んで実行される。サブ制御回路52が主制御回路50からストローブ信号を受けると、他の割込み処理(S30,S31)に優先して受信割込み処理(S29)が実行される。また、2msタイマ割込み処理(S30)は、10msタイマ割込み処理(S31)より優先して実行され、10msタイマ割込み処理(S31)は、2msタイマ割り込み処理(S30)間の残余時間に割り込んで実行される。
図12に示すように、受信割込み処理(S29)では、まず、ストローブ信号をチェックし(S291)、ストローブ信号がONでなければ(S291でNo)、そのままこの処理(S29)を抜ける。ストローブ信号がONであれば(S291でYes)、主制御回路50からサブ制御回路52に送信された制御信号(変動態様や特別図柄当否判定に関するデータ、コマンド等)を取り込み、RAM52Bに格納する(S292)。
2msタイマ割り込み処理(S30)は、サブ制御回路52に2ms周期の割り込みパルスが入力する度に実行する。図13に示すように、この処理(S30)では、入力処理(S301)、ランプデータ出力処理(S302)、駆動出力処理(S303)、3D変換IC処理(S304)、ウォッチドッグタイマ処理(S305)を行う。
入力処理(S301)では、10msタイマ割込み処理(S31)でスイッチ状態に基づく処理を実行するためのスイッチデータを作成して、そのスイッチデータをRAM52Bに入力する。駆動出力処理(S303)では、可動演出部材36(図1参照)等を駆動するための駆動用データを作成し、駆動制御回路59に出力する。3D変換IC処理(S304)では、3D表示モード用の画像データの作成、出力等を行う。ウォッチドッグタイマ処理(S305)では、ウォッチドッグタイマを初期化する。ランプデータ出力処理(S302)については、後に詳説する。なお、駆動出力処理(S303)を実行しているときのサブ制御回路52が本発明の「駆動制御手段」に相当する。
10msタイマ割込み処理(S31)は、サブ制御回路52に10ms周期の割り込みパルスが入力する度に実行される。図14に示すように、10msタイマ割込み処理(S31)では、まず、メインコマンド解析処理(S311)を行う。この処理(S311)では、上述の受信割込み処理(S30)で受信したコマンドの解析処理及び動作の設定を行う。メインコマンド解析処理(S311)が終了すると、次いで、本発明に深く関連しないその他の処理(S312)を実行した後、ウォッチタイマカウンタを初期化して(S313)、この処理(S31)を抜ける。なお、本実施形態では、メインコマンド解析処理(S312)で、図4(A)に示した基準データテーブルが作成される。また、このメインコマンド解析処理(S312)では、液晶表示装置30の表示態様を、2D表示モードと3D表示モードの何れかに設定する。
図15には、2msタイマ割込み処理(S30)において実行されるランプデータ出力処理(S302)の詳細が示されている。ランプデータ出力処理(S302)では、まず、分割基礎データテーブル(図4(B)参照。図15では、「出力データ[4]」と表されている。)を作成する(S401)。なお、この分割基礎データテーブルは、上述したように、10msタイマ割込み処理(S31)で作成された基準データテーブル(図4(A)参照)をそのまま用いて作成される。
分割基礎データテーブルを作成したら、LED出力カウンタが「0」であるか否かを判断し(S402)、「0」であれば(S402でYes)、区分A1についての出力データ[0]をオフに設定して(S403)、その出力データ[0]を送信する(S404)。次いで、区分A2についての出力データ[1]をそのまま送信し(S405)、LED出力カウンタを「1」にセットして(S406)、このランプデータ出力処理(S302)を抜ける。
LED出力カウンタが「0」でない場合には(ステップS402でNo)、LEDカウンタが「1」であるか否かを判断し(S407)、「1」であれば(S407でYes)、区分A2についての出力データ[1]をオフに設定して(S408)、その出力データ[1]を送信する(S409)。次いで、区分A3についての出力データ[2]をそのまま送信し(S410)、LEDカウンタを「2」にセットして(S411)、このランプデータ出力処理(S302)を抜ける。
LED出力カウンタが「1」でない場合には(ステップS407でNo)、LEDカウンタが「2」であるか否かを判断し(S412)、「2」であれば(S412でYes)、区分A3についての出力データ[2]をオフに設定して(S413)、その出力データ[2]を送信する(S414)。次いで、区分A4についての出力データ[3]をそのまま送信し(S415)、LED出力カウンタを「3」にセットして(S416)、このランプデータ出力処理(S302)を抜ける。
LED出力カウンタが「2」でない場合には(S412でNo)、区分A4についての出力データ[3]をオフに設定して(S417)、その出力データ[3]を送信する(S418)。次いで、区分A1についての出力データ[0]をそのまま送信し(S419)、LED出力カウンタを「0」にセットして(S420)、このランプデータ出力処理(S302)を抜ける。
なお、ランプデータ出力処理(S302)において、ステップS408〜S411の処理は、ステップS406でLEDカウンタが「1」にセットされた後、次に実行される2msタイマ割込み処理(S30、図11参照)において実行され、ステップS413〜S416の処理は、ステップS411でLEDカウンタが「2」にセットされた後、次に実行される2msタイマ割込み処理(S30)において実行され、ステップS417〜S420の処理は、ステップS416でLEDカウンタが「3」にセットされた後、次に実行される2msタイマ割込み処理(S30)において実行され、ステップS403〜S406の処理は、ステップS420でLEDカウンタが「0」にセットされた後、次に実行される2msタイマ割込み処理(S30)において実行される。
このように、本実施形態では、ランプデータ出力処理(S302)が2msごとに4回繰り返されることで、区分A1〜A4の出力データ[0]〜[3]が順番にオフに設定される。即ち、強制的にオフに設定される強制オフ区分が、分割期間(2ms)毎に、所定の順序で選択されている。即ち、ステップS403,S408,S423,S417の処理が上述した強制オフ処理に相当し、これらの処理によって、図4(C)に示した強制オフ処理後の分割基礎データテーブルが作成される。また、本実施形態では、サブ制御回路52がステップS404〜S405,S409〜S410,S414〜S415,S418〜419の処理を実行することで、図4(D)で示したように、強制オフ区分を含む一部の区分についてのみ制御信号を送信するようになっている。なお、ランプデータ出力処理(S302)を実行しているときのサブ制御回路52が本発明の「電飾制御手段」に相当する。
本実施形態に係る遊技機10の構成に関する説明は以上である。次に、遊技機10の作用効果について説明する。本実施形態の遊技機10では、遊技の進行に応じて、駆動役物装置35による役物演出、液晶表示装置30による表示演出、複数のLEDランプ40によるランプ演出が行われる。
ここで、ランプ演出は、役物演出や表示演出と同時に行われることがあり、複数のLEDランプ40による消費電力が大きいと、役物演出や表示演出の消費電力が制限されてしまい、それら役物演出及び表示演出の設計の自由度が低くなるという問題が生じ得る。この問題を解決するため、遊技機10は、複数のLEDランプ40を複数の区分A1〜A4に分け、それら区分A1〜A4の一部の区分を強制的に消灯する構成となっている。
具体的には、区分A1〜A4について、基準周期T(10ms)毎のオンオフ情報を含む点灯制御データからなる基準データテーブルを作成する。また、基準周期Tを分割してなる分割期間t(2ms)毎に、基準データテーブルから分割期間tに対応した分割基礎データテーブルを作成すると共に、複数の区分A1〜A4のうち一部を強制オフ区分として選択し、その強制オフ区分の点灯制御データをオフに再設定する。そして、再設定後の分割基礎データテーブルに基づいて強制オフ区分のLEDランプ40を制御する。これにより、強制オフ区分のLEDランプ40については、確実に消灯させることが可能となり、複数のLEDランプ40の消費電力を抑えることが可能となる。
また、本実施形態では、再設定後の分割基礎データテーブルに基づく制御信号を、複数の区分A1〜A4のうち強制オフ区分を含む一部の区分にのみ出力するので、分割期間t毎に、全ての区分A1〜A4に制御信号を出力する場合と比較して、通信負荷を抑えることが可能となる。このように、本実施形態の遊技機10によれば、複数のLEDランプ40による消費電力を抑えつつ通信負荷を抑えることが可能となる。
しかも、本実施形態では、任意の分割期間tにおいて、強制オフ区分として選択された区分は、次の分割期間tにおいてもオフ状態が維持される(図4(D)及び図5(B)参照)。これにより、オフの制御信号を再度出力することなく、演出用発光部を消灯させることが可能となる。
また、強制オフ区分は、所定の順序で選択されるので、基準周期T全体で、強制的に消灯される区分に偏りが生じることを抑制可能となる。しかも、強制オフ区分は、一定数ずつ選択されるので、任意の分割期間tで、強制的に消灯されるLEDランプ40の数のばらつきを抑えることが可能となる。
[他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、本発明をパチンコ遊技機に適用した例を示したが、スロットマシンに適用してもよい。
(2)上記実施形態では、10msの基準周期に対して、分割期間が2msとなっていたが、例えば、2.5msや1msであってもよい。なお、本構成は、サブ制御回路52にて実行されるサブ制御回路メインプログラムPG2に、2.5ms周期や1ms周期で実行される割込み処理を設けることにより実現可能となる。
(3)上記実施形態では、複数のLEDランプ40が4つの区分A1〜A4に分けられていたが、図16(A)に示すように、5つの区分A1〜A5に分けられてもよいし、図16(B)に示すように、3つの区分A1〜A3に分けられてもよい。なお、図17(A)には、図16(A)に示した点灯パターンを実現するためにサブ制御回路52が区分A1〜A5に送信する送信データの一例が示されている。また、図17(B)には、図16(B)に示した点灯パターンを実現するためにサブ制御回路52が区分A1〜A3に送信する送信データの一例が示されている。なお、これらの送信データは、上記第1実施形態と同様にして作成される。
(4)図18(D)に示すように、ある2msタイマ割込み処理(S30)で強制オフ区分に選択された区分は、1回後の2msタイマ割込み処理(次の2msタイマ割込み処理)では、点灯制御データが送信されず、2回後の2msタイマ割込み処理(次の次の2msタイマ割込み処理)で、強制オフ区分に選択されず、且つ、点灯制御データが送信されるように構成されてもよい。具体的には、図18(D)において、区分A1(出力データ[0])は、LEDカウンタ[0]のときに強制オフ区分に選択され、LEDカウンタ[2]のときに強制オフ区分に選択されている。このような構成としても、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。なお、図18(A)〜図18(D)は、上記実施形態における図4(A)〜図4(D)に対応し、図19(A)〜図19(B)は、上記実施形態における図5(A)〜図5(B)に対応している。
(5)上記実施形態では、分割期間(2ms)毎に、複数の区分A1〜A4から強制オフ区分が1つ選択されていたが、図20(A)〜図20(D)に示すように、複数選択されてもよい。また、本構成は、上記(2)の図16(A)の例に適用されてもよい。なお、図20(A)〜図20(D)は、上記実施形態における図4(A)〜図4(D)に対応し、図20(D)の送信データに基づいて点灯制御された区分A1〜A4の点灯パターンは、上記実施形態の図5(B)で示した点灯パターンと同じになる。