しかし、画像上いかに3次元的に表示したとしても、立体物と比べた場合のリアリティ不足や迫力不足は否めなかった。なお、パチンコ機などのような弾球遊技機においても、レーダーを模した画像を表示するものが従来存在しており、同様の問題を有していた。即ち、リアリティや迫力が不足しているため、今ひとつ遊技者の興趣を向上させることができない状況にあった。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、立体物を用いることにより、立体的かつ迫力のある遊技機用可動体を提供することにある。本発明の別の目的は、簡単な構成でありかつ小型化が容易であって、しかも安価な遊技機用可動体を提供することにある。
上記の課題を解決するための手段(手段1)としては、複数の第1発光体と、前記第1発光体の前方に配置される第2発光体とを有し、前記第1発光体及び前記第2発光体の少なくとも一方を旋回可能にしたことを特徴とする遊技機用可動体をその要旨とする。
従って、上記手段1の発明によると、現実の物体である複数の第1発光体、及び、これまた現実の物体である第2発光体の少なくとも一方を旋回させることにより、立体的かつ迫力のあるレーダーを模した演出を行うことができる。また、基本的に第1発光体及び第2発光体からなる本発明によれば、例えば本物のレーダー自体を使用するような場合とは異なり、簡単な構成でありかつ小型化が容易であって、しかも安価な遊技機用可動体とすることができる。
本発明の可動体は、遊技機における任意の箇所に設置されることが可能である。この場合、好適な態様としては、可動体を遊技盤面上に設置した態様や、可動体をガラス保持枠(前枠)前面に設置した態様などを挙げることができる。なお、可動体を遊技盤面内に設置した態様を採用した場合、遊技盤面上にある既存の構造物(装飾役物、センター役物、入賞装置など)に可動体を取り付けてもよい。即ち、遊技盤面上にある既存の構造物を、可動体が取り付けられる被取付部材としてもよい。このような構造であると、部品点数の増加を回避でき、その分だけ遊技盤面内の煩雑化を回避することができる。また、遊技機を遊技盤面上に設置した態様の場合、遊技者が遊技中に可動体の変化の様子を見やすいというメリットがある。
前記第1発光体及び前記第2発光体としては、電気エネルギーを光エネルギーに変換する発光体のうちから、任意に選択することが可能である。ここで、かかる発光体の例としては、エネルギー変換部としてフィラメントなどのような抵抗体の発熱発光現象を利用した小型電球(ランプ)がある。このほかにも好適な発光体として、放電現象を利用した蛍光管や、エレクトロルミネッセンス現象を利用したエレクトロルミネッセンス素子(EL素子)、半導体の性質を利用した発光ダイオード(LED)などを挙げることができる。ただし、第1発光体及び第2発光体は、小型かつ低消費電力であることが好ましい。従って、第1発光体及び第2発光体として発光ダイオードなどを選択すべきである。
また、第1発光体及び第2発光体の一方のみを旋回させるようにしてもよいし、第1発光体及び第2発光体の両方を旋回させるようにしてもよいが、第1発光体及び第2発光体の一方のみを旋回させるようにすることが好ましく、第2発光体のみを旋回させるようにすることがより好ましい。その理由は、第1発光体及び第2発光体の一方のみを旋回させることで可動体の構造が簡略化できるからである。しかも、第1発光体の前方に配置された第2発光体のみを旋回させる態様であると、複数の発光体からなる第1発光体を旋回させる場合に比して第2発光体のみを旋回させることで可動体の構造を簡略化できる。また、第1発光体をなす複数の発光体によって、第2発光体の視認が妨げられることもない。この場合、第2発光体の旋回方向は1方向のみであってもよいほか、2方向であってもよい。
例えば、第2発光体は、発光源と、発光源の発した光を伝達する光伝達部材とによって構成されていてもよい。この場合、発光源を固定して配設する一方、光伝達部材のみを旋回可能に配設することが好ましい。この構成によると、通電部分が固定側となるため構成しやすくなる。
また、複数の第1発光体の配置の仕方は特に限定されないが、不規則に配置されていることが好ましい。このように構成すれば、点灯する複数の第1発光体を接近する複数の対象物(例えば魚群)に見立てた場合に、リアリティが増すからである。さらに、第2発光体としては、棒状をなす指示針であることが好ましい。このように構成すれば、より立体的かつ迫力のあるレーダーに模した演出を行うことができるからである。
手段2に記載の発明は、上記手段1において、前記複数の第1発光体のそれぞれの明暗を変化可能としたことをその要旨とする。
従って、上記手段2の発明によると、例えば第1発光体をそれぞれ前後方向にずらして配置したりしなくても、第1発光体のそれぞれの明暗を変化させることにより、第1発光体相互間に遠近感を持たせることができる。この遠近感の付与によって、さらに立体的かつ迫力のあるレーダーを模した演出を行うことができる。
第1発光体の明暗を変化させる方法としては、複数の第1発光体のそれぞれの単位時間当たりの点灯時間の割合を変化させる方法や、複数の第1発光体のそれぞれの点灯時間を一定にして消灯間隔を変化させる方法などが考えられる。しかし、第1発光体として発光ダイオードを用いる場合、前者のほうが好ましい。仮に後者であると、発光ダイオードが点滅するように見えてしまう場合があるからである。
手段3に記載の発明は、上記手段1において、前記複数の第1発光体を、それぞれ前後方向にずらして配置したことをその要旨とする。
従って、上記手段3の発明によると、例えば第1発光体のそれぞれの明暗を変化させたりしなくても、第1発光体相互間に容易に遠近感を持たせることができる。この遠近感の付与によって、さらに立体的かつ迫力のあるレーダーを模した演出を行うことができる。なお、この構成によれば、第1発光体の明暗制御を行う必要がなく制御回路を簡略化することができる。
手段4に記載の発明は、上記手段1乃至3のいずれか1つにおいて、前記第2発光体の前側に配置された凸型レンズ状の光透過部と、前記光透過部の外周部にて目盛り状に配置された複数の第3発光体とを有する保護部材を備えることをその要旨とする。
従って、上記手段4の発明によると、第2発光体が目盛り状に配置された複数の第3発光体を指し示すように見えるため、さらに迫力のあるレーダーを模した演出を行うことができる。しかも、光透過部が凸型レンズ状をなしているため、さらに立体的かつ迫力のあるレーダーを模した演出を行うことができる。
ここで、第3発光体は2つ以上の任意の数であれば足りるが、レーダーの目盛りに見えるようにするためには3つ以上にすることが望ましい。なお、複数の第3発光体を光透過部の外周部に設ける場合、光透過部の中心を基準として各第3発光体がほぼ等しい角度をなすように配置されることが好ましい。
また、複数の第3発光体の前面は、保護部材の外周部の前面よりも後方に位置していることが好ましい。このように構成した場合、第3発光体が光透過部に映り込むことにより光透過部にて乱反射が起こることを防止できる。
前記保護部材の光透過部は、例えば樹脂やガラスなどによって形成されることが好ましく、特に割れにくい光透過性樹脂によって形成されることが好適である。
手段5に記載の発明は、上記手段4において、前記保護部材と前記第2発光体との間に、着色されるとともに光透過性を有する第1遮蔽板を設け、前記第1発光体と前記第2発光体との間に、着色されるとともに光透過性を有する第2遮蔽板を設けたことをその要旨とする。
従って、上記手段5の発明によると、非発光時には第1遮蔽板により第2発光体及び第1発光体が隠されるため、非発光時に余分なものが見えてしまうことによるリアリティの低下を未然に防止することができる。また、通常内部が見えない箇所が突然発光したり、さらに発光して旋回すれば、遊技者は意外性を感じることができ、興趣の向上を図ることができる。さらに、第2発光体の発光時においては、前方にある第2発光体の光によって第1発光体が照らされて見えるおそれがあり、この場合にも時に余分なものが見えてしまうことによるリアリティの低下が考えられる。しかし本発明では、第2遮蔽板によって、第2発光体の発光時における第1発光体の可視化を防止することができる。
なお、第1遮蔽板及び第2遮蔽板は、灰色などの濃い色に着色されることが好ましい。このようにすれば、第1遮蔽板により、非発光状態にある第2発光体をより確実に隠すことができるとともに、第2遮蔽板により、第2発光体の光によって第1発光体が照らされて見えてしまうのをより一層防止できるからである。
請求項1に記載の発明は、遊技盤の遊技領域の略中央部において図柄表示装置を取り囲むように配置された枠状のセンター役物に取り付けられる遊技機用可動体において、回路基板の表面側に設けられた複数の発光体と、前記発光体の前方にて旋回する部分を有する回転体とを有し、前記回転体は、前記回路基板を挿通する回転軸と、前記回転軸の径方向に延出形成された針部と、前記発光体からの光を、前記回転体の回転方向とは反対方向に反射させ、かつ前方に反射させる反射手段とを備え、前記反射手段は、前記針部の裏面側に切欠形成され、前記針部のほぼ真裏にある前記発光体からの光を前記回転体の回転方向とは反対方向に反射させる反射面と、前記回転軸の径方向に前記針部とほぼ同じ長さだけ延出形成され、先端に行くに従って徐々に幅広になる略扇形状をなし、前記回転体の回転方向とは反対方向に行くに従って前方に曲げられており、前記反射面によって反射された光を前方に反射させる羽根部とからなることを特徴とする遊技機用可動体をその要旨とする。
従って、請求項1に記載の発明によると、現実の物体である回転体を旋回させることにより、立体的かつ迫力のあるレーダーを模した演出を行うことができる。また、反射手段によって発光体からの光を回転体の回転方向とは反対方向に反射させることができるため、尾を引くように回転体を光らせることができる。よって、より立体的かつ迫力のあるレーダーを模した演出を行うことができる。さらに、回転体の回転方向とは反対方向に反射された光が反射手段によって前方に反射されるため、回転体自体が発光しているように見せることができる。よって、回転体を発光させるための発光体を、他の発光体とは別々に設ける必要がなくなるため、可動体の小型化を図ることができる。
また、本発明によれば、例えば本物のレーダー自体を使用するような場合とは異なり、簡単な構成でありかつ小型化が容易であって、しかも安価な遊技機用可動体とすることができる。
前記発光体としては、電気エネルギーを光エネルギーに変換する発光体のうちから、任意に選択することが可能である。ここで、かかる発光体の例としては、小型電球(ランプ)、蛍光管、エレクトロルミネッセンス素子(EL素子)、発光ダイオード(LED)などを挙げることができる。ただし、発光体は、小型かつ低消費電力であることが好ましい。従って、発光体として発光ダイオードなどを選択すべきである。
また、複数の発光体の配置の仕方は特に限定されないが、不規則に配置されていることが好ましい。このように構成すれば、点灯する複数の発光体を接近する複数の対象物(例えば魚群)に見立てた場合に、リアリティが増すからである。
ここで、反射手段の具体例としては、例えば、鉄やアルミニウムなどの金属材料からなるものを挙げることができる。そのほか、軽量化及び低コスト化の観点からすれば、樹脂材料によって形成された回転体の内面にメタリック塗装を施したものや、樹脂材料によって形成された回転体の内面にめっきを施したものなどが好適である。
なお、透明な樹脂材料で回転体を形成することで、発光体からの光を前方に透過させるように構成してもよい。このようにすれば、複数の対象物(例えば魚群)に見立てられる発光体からの光が回転体によって遮られるのを防止できる。またこの場合、反射手段を構成する羽根部の傾斜角度(前方に曲げる度合い)を調整することで、回転体を光らせるのに用いられる発光体からの光を前方に反射させるように構成することが好ましい。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記針部及び前記羽根部の前側に、前記複数の発光体が発光していないときに前記羽根部及び前記複数の発光体を隠すとともに、前記複数の発光体が発光したときに前記羽根部及び前記複数の発光体の光を透過できる程度に着色される第1遮蔽板を設けたことをその要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2において、貫通孔を有する円環状の装飾カバーと、前記発光体の前側に配置され、前記貫通孔を介して露出する凸型レンズ状の光透過部と、前記光透過部の外周部にて目盛り状に配置された複数の第3発光体とを有する保護部材を備え、前記装飾カバーの外周部に、複数の発光部挿入孔が配置され、それぞれの前記発光部挿入孔に、それぞれの前記第3発光体からの光によって発光する発光部が挿入され、それぞれの前記発光部の先端面は、前記保護部材の外周部の前面よりも後側に位置していることをその要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項において、遊技機全体を制御するとともに、制御コマンドを所定の制御信号として出力する主制御基板と、前記主制御基板からの制御信号に基づいて、前記複数の発光体を点灯させるとともに、前記複数の発光体の発光態様を制御する発光制御基板とを設け、前記発光制御基板のROMに、複数種類の発光演出用の発光演出パターンが記憶されるとともに、1つの発光演出パターンが1つの実行パターンに対応付けられて記憶され、前記発光制御基板は、前記主制御基板から実行パターンを示す前記制御コマンドが入力されたことを契機として、入力された実行パターンに対応する発光演出パターンを選択し、選択した発光演出パターンに基づいて所定の発光制御を実行することにより、前記複数の第1発光体のそれぞれの明暗を変化可能とするとともに、前記回転体の旋回に同期させて、前記回転体の真裏にある前記発光体を点灯させることをその要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項において、前記回路基板と、前記針部及び前記羽根部との間に、前記複数の発光体が発光していないときに前記複数の発光体を隠すとともに、前記複数の発光体が発光したときに前記複数の発光体の光を透過できる程度に着色される第2遮蔽板を設けたことをその要旨とする。
請求項6に記載の発明は、遊技盤の遊技領域の略中央部において図柄表示装置を取り囲むように配置された枠状のセンター役物に取り付けられる遊技機用可動体において、前側開口及び後側開口を有する略円筒状のケースと、前記前側開口に設けられる保護部材と、前記後側開口に設けられ、前面側が開口された略円筒状のベースとを重ね合わせることによって構成され、前記ケース及び前記ベースからなる空間内に、回路基板と、前記回路基板の表面側に設けられた複数の発光体と、前記発光体の前方にて前記回路基板の略中心部を中心として旋回する部分を有する回転体とが収容され、前記回転体は、前記回路基板を挿通する回転軸と、前記回転軸の径方向に延出形成された針部と、前記発光体からの光を、前記回転体の回転方向とは反対方向に反射させ、かつ前方に反射させる反射手段とを備え、前記反射手段は、前記針部の裏面側に切欠形成され、前記針部のほぼ真裏にある前記発光体からの光を前記回転体の回転方向とは反対方向に反射させる反射面と、前記回転軸の径方向に前記針部とほぼ同じ長さだけ延出形成され、先端に行くに従って徐々に幅広になる略扇形状をなし、前記回転体の回転方向とは反対方向に行くに従って前方に曲げられており、前記反射面によって反射された光を前方に反射させる羽根部とからなり、前記回路基板の裏側に、前記ベースの裏側に取り付けられた駆動源と、前記駆動源の力を前記回転軸に伝達して前記針部及び前記反射手段を旋回させる駆動機構とからなる駆動手段を設けたことを特徴とする遊技機用可動体をその要旨とする。
以上詳述したように、請求項1〜6に記載の発明によれば、立体物を用いることにより、立体的かつ迫力のある遊技機用可動体を提供することができる。また、簡単な構成でありかつ小型化が容易であって、しかも安価な遊技機用可動体を提供することができる。
[第1の実施形態]
以下、本発明を具体化した一実施形態のパチンコ機用可動体21(以下、単に「可動体21」とする。)を図1〜図8に基づき詳細に説明する。図1は、本実施形態の可動体21を備えるパチンコ機の遊技盤11を示す正面図である。図2は、可動体21を示す全体斜視図である。図3は、可動体21を示す分解斜視図である。図4は、可動体21を示す正面図及び断面図である。図5は、レンズカバーユニット71を示す断面図である。図6は、外側スモークレンズ81を示す正面図である。図7は、パチンコ機における電気的構成を示すブロック図である。図8は、魚群用発光ダイオード45の階調制御方法を示す説明図である。
図1に示される遊技盤11は、略正方形状の外形を有しており、その前面側の中央部には略円形状の遊技領域12が設定されている。遊技領域12は、円弧状に湾曲形成されたレール13によって部分的に囲まれている。この遊技盤11は、始動入賞具14、液晶式図柄表示装置15、普通案内車16、大型電動式の入賞装置17、電飾装置18及びセンター役物(役物)22などを遊技領域12内に備えている。図示していないが、遊技領域12のほぼ全域には釘が打ち付けられている。
始動入賞具14は、遊技領域12の中央部下方寄りの位置に配設されている。始動入賞具14内に配設された図示しない始動スイッチは、始動入賞具14内に入った各セーフ球の検出毎に液晶式図柄表示装置15を1回ずつ作動スタートさせる。その結果、液晶式図柄表示装置15にて図柄組み合わせゲームが展開されるようになっている。液晶式図柄表示装置15は始動入賞具14のすぐ上方の位置(即ち遊技領域12の略中央部)に配置されており、枠状に形成されたセンター役物22はその液晶式図柄表示装置15を取り囲むようにして配置されている。風車とも称される普通案内車16は、遊技球の流下方向を任意に変向する役割を果たすものであって、センター役物22の両脇において左右対称に配設されている。
図1に示されるように、入賞装置17は始動入賞具14の直下に配設されている。入賞装置17には、液晶式図柄表示装置15の大当り成立時に対する特別遊技状態として、開成作動条件が付与される。入賞装置17は、前記開成作動条件が付与されたことに基づき、図示しない電磁ソレノイドにより通常の閉鎖状態から開放状態に変化するように構成されている。入賞装置17の内部には、セーフ球用のカウントスイッチ(図示略)と、開放作動継続用の特別スイッチ(図示略)とが組み込まれている。なお、入賞装置17の直下の位置(即ち遊技領域12の中央部最下部付近)には、アウト球が入り込むアウト口20が形成されている。電飾装置18は、遊技状態に応じて照射パターンが変更制御される小型電球(図示略)を内部に備えており、遊技領域12の左右両側に一対配設されている。
図1に示されるように、センター役物22は、枠状樹脂成形品の表面にめっきを施して金属光沢を付与した部材である。センター役物22における上部中央の部位には、可動体21が取り付けられている。
図2,図3などに示されるように、可動体21は、前面側が開口されたモータベース23を備えている。モータベース23の右端部及び左端部には、それぞれ右側突片23a及び左側突片23bが突設されている。右側突片23a及び左側突片23bには、図示しないネジを挿通するためのネジ孔24が設けられている。
また、モータベース23の裏側にはモータ25が取り付けられている。モータ25の回転軸25aの先端部は、モータベース23の底部26に設けられた貫通孔26aを挿通して、前面側に突出するようになっている。回転軸25aの先端部にはピニオンギヤ27が固定されており、ピニオンギヤ27には軸部28を中心として回転する平歯車29が噛み合っている。そして、モータ25、ピニオンギヤ27、軸部28及び平歯車29により、駆動手段が構成される。駆動手段は、後記する回路基板41の裏面43側に設けられている。
図2,図3などに示されるように、可動体21は、略円筒状をなすケース30を備えている。ケース30の右端部及び左端部には、それぞれケース30の前後方向に延びる右側突部30a及び左側突部30bが設けられている。右側突部30a及び左側突部30bには、前記ネジ孔24に挿通されたネジを螺着させるための貫通孔31が設けられている。
図3,図4(b)に示されるように、ケース30内には、発光体支持部材である回路基板41が収容されている。本実施形態の回路基板41は略円板状の部材であって、片方の面または両方の面には銅パターンからなる電気回路が形成されている。回路基板41の中心には、前記軸部28が挿通される軸部挿通孔41aが設けられている。また、回路基板41の裏面43にはメス型コネクタ44が設けられている。このメス型コネクタ44には、別の基板に接続する配線ケーブルの先端に設けられたオス型コネクタ(いずれも図示略)が装着されるようになっている。一方、回路基板41の表面42には、複数の魚群用発光ダイオード45(第1発光体)がはんだ付けによって固定されている。
複数の魚群用発光ダイオード45の発光色は、赤色、青色、白色などの他の色であってもよいが、本実施形態では緑色となっている。また、複数の魚群用発光ダイオード45は、回路基板41上の軸部挿通孔41aの周囲に配置されている。軸部挿通孔41aの中心からそれぞれの魚群用発光ダイオード45の中心までの距離は、互いに異なっている。つまり、複数の魚群用発光ダイオード45は不規則に配置されている。これにより、点灯する複数の魚群用発光ダイオード45を規則性を持たずに接近する複数の対象物(本実施形態では魚群探知機に探知された魚群)に見立てた場合に、リアリティがより一層増すようになる。
図3に示されるように、回路基板41の前面には、前面側が開口された皿部材46が取り付けられている。皿部材46の底部47には、前記軸部28が挿通される円筒部48と、複数の電気部品挿通孔49とが設けられている。これにより、皿部材46の底部47は、軸部28や魚群用発光ダイオード45などの電気部品の干渉を受けることなく、回路基板41の前面に密着する。この状態において、皿部材46は、回路基板41とともに前記モータベース23に対してネジ止めされている。
図3,図4に示されるように、前記可動体21は、第2発光体としての指示針51を備えている。指示針51は、発光源としての4個の針用発光ダイオード52と、光伝達部材53とを備えている。4個の針用発光ダイオード52は、回路基板41の裏面43側に設けられた基板54に配置されている。基板54は、図示しないネジによってモータベース23に固定されている。針用発光ダイオード52は、基板54の表面において軸部28が挿通される挿通孔55の近傍かつその周囲に配置されている。また、4個の針用発光ダイオード52は、軸部28を基準として互いに90°をなす位置関係にある。4個の針用発光ダイオード52の発光色は、赤色、青色、白色などの他の色であってもよいが、本実施形態では魚群用発光ダイオード45と同じ緑色となっている。
光伝達部材53は、回路基板41の表面42側、即ち前記複数の魚群用発光ダイオード45の前方に配置されている。つまり、光伝達部材53は、4個の針用発光ダイオード52とは別々の箇所に配置されている。光伝達部材53は、軸部28の先端部分が挿通される筒部56と、棒状をなす針部57とを備えている。筒部56の前面側は、光が筒部56から漏れるのを防止するキャップ58によって覆われるようになっている。また、筒部56の基端部には、前記平歯車29の中心部に形成された係合突起29aが係合する係合溝59が設けられている(図3参照)。従って、係合溝59に係合突起29aが係合することにより、光伝達部材53は、前記モータ25の駆動によって平歯車29とともに旋回するようになる。
図4に示されるように、針部57は、筒部56の先端部の外周面に設けられた接続部60から延出形成されている。針部57の長さは、回路基板41の半径よりもやや短くなっている。針部57は、基端から先端まで同一の幅を有しているが、先端に行くに従って板厚が徐々に薄くなっている。針部57は、複数の魚群用発光ダイオード45の前方において、回路基板41の略中心(軸部28)を中心として旋回するようになっている。
また、光伝達部材53は、光透過性を有する合成樹脂によって形成されており、全体が前記4個の針用発光ダイオード52からの光を導くための光通路となっている。光伝達部材53は、針用発光ダイオード52の発した光を、接続部60から針部57の先端側に伝達させるようになっている。針部57は、裏面側に形成された着色層によって、光伝達部材53内を伝達する光が回路基板41側に漏れるのを防止するように構成されている。これにより、光伝達部材53を伝達されてきた光は、針部57の前面側から前方に照射されるようになっている。針部57の前面側は、針用発光ダイオード52と同じ緑色に発光するように構成されている。よって、点灯して旋回する光伝達部材53を、魚群探知機の画面上にて旋回する針に見立てた場合に、リアリティが増すようになる。
図3,図4に示されるように、前記複数の魚群用発光ダイオード45と針部57との間には、第2遮蔽板としての内側スモークレンズ61が設けられている。内側スモークレンズ61は、灰色に着色されるとともに、魚群用発光ダイオード45の光を透過できる程度の光透過性を有している。内側スモークレンズ61の中心部には係合孔62が設けられている。係合孔62の周縁部には、前記円筒部48の先端に突設された一対の係合凸部48aが係合可能な一対の係合凹部62aが設けられている。よって、係合凹部62aに係合凸部48aが係合することにより、内側スモークレンズ61の裏面と、それぞれの魚群用発光ダイオード45の先端との間隔が一定に保持される。
図2,図3,図5に示されるように、前記可動体21は、保護部材であるレンズカバーユニット71を備えている。レンズカバーユニット71と針部57との間には、第1遮蔽板としての外側スモークレンズ81が設けられている。つまり、内側スモークレンズ61と外側スモークレンズ81とは、互いに離間した状態に配置されている。外側スモークレンズ81は、灰色に着色されるとともに、針部57からの光と、内側スモークレンズ61を透過してきた魚群用発光ダイオード45の光とを透過できる程度の光透過性を有している。また、外側スモークレンズ81の外周部には、前記ケース30の前面側に設けられた突起32が係合される切欠部82が複数設けられている。よって、それぞれの切欠部82に突起32が係合されることにより、外側スモークレンズ81がケース30の前面に装着される。また、外側スモークレンズ81の前面側には、複数の同心円と十字状の線とを組み合わせた模様のシールS1(図6(a)参照)が貼り付けられている。シールS1の中心には、外側スモークレンズ81の中心に設けられた突部81aを避けるための孔(図示略)が設けられている。これにより、外側スモークレンズ81を魚群探知機の画面に見立てた場合に、リアリティが増すようになる。なお、図6(b)に示されるように、シールS1は、格子状の模様が描かれたものであってもよい。また、シールS1は必須ではないので省略してもよい。
図2,図3,図5に示されるように、外側スモークレンズ81の前側にはレンズカバーユニット71が配置されている。レンズカバーユニット71は、基本的に2つの部材(レンズ72及びカバー部73)を重ね合わせることにより構成されている。レンズ72は、光透過性樹脂からなる樹脂成形品であって、中央部に凸型レンズ状の光透過部72aを有している。なお、光透過部72aは、表面が平坦であってもよい。
カバー部73は、レンズ72の外周部を覆う状態でその前側に配置されている。カバー部73は、基板部74及び光伝導部材75を装飾カバー76の裏面側に取り付けることによって構成されている。基板部74は、円環状をなしており、表面には第3発光体としての目盛り用発光ダイオード77が8個実装されている。目盛り用発光ダイオード77は、基板部74の周方向において互いに等間隔に配置されている。光伝導部材75は、円環状をなしており、赤色に着色された光透過性樹脂からなる樹脂成形品である。よって、光伝導部材75は、目盛り用発光ダイオード77からの光によって赤色に発光するようになっている。光伝導部材75の前面には8個の発光部75aが突設されている。発光部75aは、光伝導部材75の周方向において互いに等間隔に配置されている。図2に示されるように、光伝導部材75が基板部74の表面に取り付けられたとき、発光部75aは、それぞれ目盛り用発光ダイオード77の前側に配置されるとともに、光透過部72aの中心を基準としてほぼ等しい角度をなすように配置される。また、それぞれの発光部75aの先端の高さは、光伝導部材75の内側に行くに従って徐々に低くなっている。
図2,図3,図5に示されるように、装飾カバー76は、貫通孔76aを有する円環状の樹脂成形品であって、その表面全体にはめっきが施されている。よって、図2に示す組み立て完了後の状態では、レンズ72の前記光透過部72aが貫通孔76aを介して露出するようになっている。貫通孔76aの深さは、光透過部72aの外周縁における突出高さと同一になっている。また、装飾カバー76の外周部78は、貫通孔76aの開口端縁から外周部78の外周側に行くに従って徐々に前方に突出している。装飾カバー76の外周部78には、8個の発光部挿入孔78aが設けられている。発光部挿入孔78aは、装飾カバー76の周方向において互いに等間隔に配置されている。それぞれの発光部挿入孔78aに挿入される発光部75aの先端面は、レンズカバーユニット71の外周部78の前面よりも後側に位置している。また、装飾カバー76の外周部78にて互いに隣り合う発光部挿入孔78aの間には、それぞれ3本の突条79が突設されている。よって、8個の発光部75aは、複数の突条79とともに装飾カバー76の外周部78にて目盛り状に配置されている。これにより、8個の発光部75a及び複数の突条79を魚群探知機の画面の周囲にある目盛りに見立てた場合に、リアリティが増すようになる。
図2,図3に示されるように、装飾カバー76のカバー右端部及びカバー左端部には、それぞれ右側係止片76b及び左側係止片(図示略)が突設されている。右側係止片76b及び左側係止片には、それぞれネジ挿通穴76cが設けられている。これらのネジ挿通穴76cに図示しないネジを挿通し、ネジの先端部を前記ケース30の前記貫通孔31に螺着させることにより、レンズカバーユニット71がケース30に固定される。また、右側係止片76bは、前記センター役物22に形成された右側係止凹部(図示略)に対して係脱可能になっており、左側係止片は、センター役物22に形成された左側係止凹部(図示略)に対して係脱可能になっている。これにより、前記可動体21が前記センター役物22に取り付けられる。本実施形態の可動体21は、中央部に針を有するレーダー(魚群探知機(ソナー))を模したデザインとなる。
図7に示されるように、このパチンコ機は、主制御基板91、図柄制御基板92、音声制御基板93及び発光制御基板94を備えている。主制御基板91には、図柄制御基板92、音声制御基板93及び発光制御基板94がそれぞれ接続されている。図柄制御基板92、音声制御基板93及び発光制御基板94には、主制御基板91から出力された制御信号が入力されるようになっている。
主制御基板91はメインCPU91aを備えており、メインCPU91aにはROM91b及びRAM91cが接続されている。ROM91bには、パチンコ機を制御するための制御プログラム等が記憶されている。また、RAM91cには、パチンコ機の動作に必要な各種の情報が一時的に記憶されるようになっている。
図7に示されるように、図柄制御基板92はサブCPU92aを備えており、このサブCPU92aにはROM92b及びRAM92cが接続されている。ROM92bには、複数種類の表示演出用の演出実行データや各種の画像情報(図柄の画像情報、背景画像、文字画像、登場キャラクタの画像など)が記憶されている。RAM92cには、パチンコ機の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が一時的に記憶(設定)されるようになっている。前記表示演出用の演出実行データとは、サブCPU92aが、前記液晶式図柄表示装置15の表示内容(図柄変動、キャラクタの動作など)を制御するための情報である。また、メインCPU91aから制御コマンドが入力されると、サブCPU92aは、前記モータ25を駆動させる制御を行うようになっている。なお、本実施形態では、図柄制御基板92によってモータ25を駆動させる制御が行われるようになっていたが、主制御基板91、音声制御基板93または発光制御基板94によってモータ25を駆動させる制御を行うようにしてもよい。
図7に示されるように、前記音声制御基板93はサブCPU93aを備えており、サブCPU93aにはROM93b及びRAM93cが接続されている。ROM93bには、各種の制御プログラム、複数種類の音声演出用の演出実行データなどが記憶されている。RAM93cには、パチンコ機の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が一時的に記憶(設定)されるようになっている。前記音声演出用の演出実行データとは、サブCPU93aが、スピーカ95の音声出力態様(効果音の種類、音声言語の種類、音声出力時間など)を制御するための情報である。
そして、メインCPU91aから制御コマンドが入力されると、サブCPU93aは、それに対応する音声演出用の演出実行データに基づいて音声制御を実行するようになっている。より詳しくは、音声制御基板93は、音声演出用の演出実行データを音声信号に変換し、スピーカ95に出力するようになっている。その結果、スピーカ95が音声信号に基づき音声を出力する。
図7に示されるように、発光制御基板94は、主制御基板91からの制御信号に基づいて、前記4個の針用発光ダイオード52及び前記8個の目盛り用発光ダイオード77を点灯させるとともに、前記複数の魚群用発光ダイオード45の発光態様を制御する役割を有している。本実施形態の発光制御基板94は、サブCPU94a、ROM94b、RAM94c及びインターフェース部96を備えている。発光制御基板94のROM94bには、複数種類の発光演出用の演出実行データ(発光演出パターン)が記憶されている。RAM94cには、パチンコ機の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が一時的に記憶(設定)されるようになっている。そして、ROM94bには、1つの実行パターンについて1つの発光演出パターンが対応付けられて記憶されている。
そして、メインCPU91aから実行パターンを示す制御コマンドが入力されると、サブCPU94aは、それに対応する発光演出パターンを選択し、その選択した発光演出パターンに基づいて所定の発光制御を実行するようになっている。より詳しくは、発光制御基板94は、選択した発光演出パターンのデータを発光制御信号に変換し、インターフェース部96を介して、複数個の魚群用発光ダイオード45に出力する。その結果、複数個の魚群用発光ダイオード45が発光制御信号に基づき点灯(点滅)または消灯するようになっている。
ここで、本実施形態における発光制御の態様を、具体例を挙げて説明する。
例えば、魚群用発光ダイオード45が16個存在する場合、16個の魚群用発光ダイオード45のそれぞれの明暗は、魚群用発光ダイオード45の単位時間当たりの点灯時間を変化させることにより、変化可能となっている。本実施形態において、魚群用発光ダイオード45の明暗は、階調制御によって変化するようになっている。
図8(a)に示されるように、階調制御による制御対象である16個の魚群用発光ダイオード45の位置関係を示すデータは、4行(com1〜com4)×4列(seg1〜seg4)の格子状をなしており、前記ROM94bに記憶されている。つまり、データには16個のマス目が示されており、それぞれのマス目は16個の魚群用発光ダイオード45にそれぞれ対応している。
それぞれの魚群用発光ダイオード45は、同じ単位時間(2ms)内において、対応するseg及びcomの両方の信号のレベルがHighである(ON状態にある)ときに点灯するようになっている。本実施形態において、segに対応する信号がON状態となる時間は、seg1において単位時間の長さと同じ2msに設定され、seg2においてseg1の場合よりも短い約1msに設定され、seg4においてseg2の場合よりも短い約0.5msに設定されている。そして、seg3における信号はON状態とならず、0msに設定されている(図8(b)参照)。また、comに対応する信号がON状態となる時間は、com1〜com4の全てにおいて単位時間の長さと同じ2msに設定されている(図8(c)参照)。
そして、segに対応する信号がON状態となる時間が長いほど、魚群用発光ダイオード45の単位時間当たりの点灯時間が長くなるために魚群用発光ダイオード45が明るくなり、segに対応する信号がON状態となる時間が短いほど、魚群用発光ダイオード45の単位時間当たりの点灯時間が短くなるために魚群用発光ダイオード45が暗くなる。
例えば、seg(図8(b)ではseg1)に対応する信号がON状態となる時間を、同じ単位時間内にてcom(図8(c)ではcom1)に対応する信号と同じ2msとする発光演出パターンP1の場合、seg1,com1のマス目に対応する魚群用発光ダイオード45を最も明るい階調1で点灯させることが規定されている。これにより、海面近傍にいる魚群が探知された、もしくは、大規模の魚群が探知されたという演出を行うことができる。
また、seg(図8(b)ではseg2)に対応する信号がON状態となる時間を約1msとし、同じ単位時間内にてcom(図8(c)ではcom2)に対応する信号がON状態となる時間を2msとする発光演出パターンP2の場合、seg2,com2のマス目に対応する魚群用発光ダイオード45を次に明るい階調2で点灯させることが規定されている。これにより、海面と海底との中間地点にいる魚群が探知された、もしくは、中規模の魚群が探知されたという演出を行うことができる。
また、seg(図8(b)ではseg4)に対応する信号がON状態となる時間を約0.5msとし、同じ単位時間内にてcom(図8(c)ではcom4)に対応する信号がON状態となる時間を2msとする発光演出パターンP3の場合、発光演出パターンP3として、seg4,com4に対応する魚群用発光ダイオード45をその次に明るい階調3で点灯させることが規定されている。これにより、海底付近にいる魚群が探知された、もしくは、小規模の魚群が探知されたという演出を行うことができる。
また、点灯する魚群用発光ダイオード45の点灯箇所を変化させることにより、魚群の動きを表現することができる。例えば、seg1,com1→seg1,com2→seg2,com3の順序で、対応する針用発光ダイオード52を1個ずつ順次点灯・消灯させれば、魚群が徐々に接近しつつある様子を上手く表現することが可能となる。なお、針用発光ダイオード52を点灯・消灯させる順序は異なっていてもよい。
さらに、点灯する魚群用発光ダイオード45の発光演出パターンを変化させることによっても、魚群の動きを表現することができる。例えば、P3→P2→P1の順序で発光演出パターンを変化させれば、魚群が徐々に海面側に上昇しつつある様子を上手く表現することが可能となる。なお、発光演出パターンを変化させる順序は異なっていてもよい。
なお、前記液晶式図柄表示装置15において、複数種類の図柄を複数列(例えば3列)で変動させて図柄組み合わせを導出させる図柄組み合わせゲームを行い、1本の有効ライン上に同種類の2つの図柄が停止することをもってリーチを形成させる。そして、次の段階で例えば、停止していた可動体21を動作させたり、可動体21の表示態様を変えたりする。ここで、「停止していた可動体21を動作させる」とは、消灯していた針用発光ダイオード52を点灯させ、停止していたモータ25を駆動して光伝達部材53を旋回させることをいう。この場合、魚群探知機が魚群を探知したような演出となる。また、「可動体21の表示態様を変える」とは、複数の魚群用発光ダイオード45の発光態様を制御することで、例えば、探知された魚群を画面の中央部に移動させたり、探知される魚群の数を増やしたりするような演出を行うことをいう。すると、遊技者は、リーチから大当りに至るのではないかという期待感を高めることができ、興趣の向上を図ることができる。また、前記魚群用発光ダイオード45の発光態様を、液晶式図柄表示装置15に表示される魚群の動きに合わせるように制御すれば、さらなる興趣の向上を図ることができる。
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)現実の物体である複数の魚群用発光ダイオード45の前方において、現実の物体である光伝達部材53を旋回させることにより、立体的かつ迫力のあるレーダーを模した演出を行うことができる。また、基本的に魚群用発光ダイオード45及び指示針51からなる本実施形態によれば、例えば本物のレーダー自体を使用するような場合とは異なり、簡単な構成でありかつ小型化が容易であって、しかも安価な可動体21とすることができる。
(2)魚群用発光ダイオード45のそれぞれの明暗が階調により変化するようになっているため、例えば魚群用発光ダイオード45をそれぞれ前後方向にずらして配置したりしなくても、魚群用発光ダイオード45相互間に遠近感を持たせることができる。この遠近感の付与によって、さらに立体的かつ迫力のあるレーダーを模した演出を行うことができる。
(3)4個の針用発光ダイオード52は、回路基板41の裏面43側に設けられた基板54に配置されている。つまり、4個の針用発光ダイオード52は、光伝達部材53とは別々の箇所に配置されている。よって、針用発光ダイオード52を光伝達部材53内に配置した場合と比べて、針用発光ダイオード52への給電部分の構成を簡略化することができる。
(4)指示針51が目盛り状に配置された複数の目盛り用発光ダイオード77及び複数の突条79を指し示すように見えるため、さらに迫力のあるレーダーを模した演出を行うことができる。しかも、光透過部72aが凸型レンズ状をなしているため、光透過部72aを通過する際に光が拡散される。よって、さらに立体的かつ迫力のあるレーダーを模した演出を行うことができる。
(5)非発光時には外側スモークレンズ81により指示針51及び魚群用発光ダイオード45が隠されるため、非発光時に余分なものが見えてしまうことによるリアリティの低下を未然に防止することができる。また、通常内部が見えない箇所が突然発光したり、さらに発光して旋回すれば、遊技者は意外性を感じることができ、興趣の向上を図ることができる。
さらに、指示針51の発光時においては、前方にある指示針51の光によって魚群用発光ダイオード45が照らされて見えるおそれがあり、この場合にも時に余分なものが見えてしまうことによるリアリティの低下が考えられる。しかし本実施形態では、内側スモークレンズ61によって、指示針51の発光時における魚群用発光ダイオード45の可視化を防止することができる。
(6)目盛り用発光ダイオード77からの光が伝達される発光部75aの先端面は、装飾カバー76の外周部78の前面よりも後側に位置している。よって、発光部75aの先端面が映り込むことで光透過部72aが乱反射するのを防止できる。
(7)魚群用発光ダイオード45、針用発光ダイオード52及び目盛り用発光ダイオード77は比較的消費電力が少ないため、本実施形態の可動体21によれば、装置全体としての消費電力を少なく抑えることができる。また、魚群用発光ダイオード45、針用発光ダイオード52及び目盛り用発光ダイオード77は概して小型電球などに比べて小型であるため、本実施形態の可動体21によれば、装置全体としての大型化も抑えることができる。
[第2の実施形態]
次に、図9〜図11に基づいて第2の実施形態のパチンコ機用可動体21について説明する。なお、第1の実施形態と共通している構成については、同一の部材番号を付す代わりに、その詳細な説明を省略する。
図9に示されるように、本実施形態では、前記第1の実施形態における魚群用発光ダイオード45及び針用発光ダイオード52の代わりに、複数の発光ダイオード101(発光体)が用いられている。複数の発光ダイオード101は、前記第1の実施形態における複数の魚群用発光ダイオード45と同様に、回路基板41の表面42にはんだ付けによって固定され、不規則に配置されている。また、本実施形態では、上記第1の実施形態における内側スモークレンズ61は省略されている。
図9〜図11に示されるように、可動体21は、回転体としての指示針102を備えている。指示針102は、樹脂成形品の表面にめっきを施して金属光沢を付与した部材である。指示針102は、複数の発光ダイオード101の前方にて旋回するようになっている。指示針102は、反射面103a及び羽根部103bからなる反射手段103を備えている。
図11に示されるように、反射面103aは、筒部56の外周面から延出形成された針部104の裏面側に切欠形成されている。反射面103aは、回路基板41の面方向に対して前方に45°傾斜した面である。反射面103aは、針部104のほぼ真裏にある発光ダイオード101からの光を、指示針102の回転方向とは反対方向に反射させるようになっている。
図10,図11に示されるように、前記羽根部103bは、筒部56の外周面から針部104とほぼ同じ長さだけ延出形成されている。羽根部103bと針部104との間には、発光ダイオード101からの光を前方に透過させるための隙間C1が設けられている。羽根部103bは、先端に行くに従って徐々に幅広になる略扇形状をなしている。また、羽根部103bは、指示針102の回転方向とは反対方向に行くに従って徐々に前方に若干曲げられているため、羽根部103bの前面は凹面状となる。このため、羽根部103bは、反射面103aによって反射された光を前方に反射させるようになっている。
発光制御基板94のサブCPU94a(図7参照)は、上記第1の実施形態のように複数の発光ダイオード101の明暗を変化させる制御だけではなく、指示針102の旋回に同期させて、指示針102の真裏にある発光ダイオード101を点灯させる制御を行っている。即ち、複数の発光ダイオード101によって、魚群を表示させる演出だけでなく、旋回する魚群探知機の針を発光させる演出も行うようになっている。
従って、本実施形態によれば、反射面103aによって発光ダイオード101からの光を指示針102の回転方向とは反対方向に反射させることができるため、尾を引くように指示針102を光らせることができる。よって、より立体的かつ迫力のあるレーダーを模した演出を行うことができる。さらに、指示針102の回転方向とは反対方向に反射された光が羽根部103bによって前方に反射されるため、指示針102自体が発光しているように見せることができる。よって、旋回する指示針102を、魚群探知機の画面上にて旋回する針に見立てた場合に、より一層リアリティが増すようになる。また、指示針102を発光させるための発光ダイオード101を、魚群を表示させる演出を行う発光ダイオード101とは別々に設ける必要がなくなるため、可動体21の小型化を図ることができる。
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記両方の実施形態では、複数の魚群用発光ダイオード45または複数の発光ダイオード101のそれぞれの単位時間当たりの点灯時間を変化させることにより、複数の魚群用発光ダイオード45または複数の発光ダイオード101のそれぞれの明暗を変化可能としていた。しかし、複数の魚群用発光ダイオード45または複数の発光ダイオード101を、それぞれ前後方向にずらして配置させることにより、複数の魚群用発光ダイオード45または複数の発光ダイオード101のそれぞれの明暗を変化可能としてもよい。
このようにすれば、例えば魚群用発光ダイオード45または発光ダイオード101のそれぞれの明暗を変化させたりしなくても、魚群用発光ダイオード45または発光ダイオード101の相互間に容易に遠近感を持たせることができる。この遠近感の付与によって、さらに立体的かつ迫力のあるレーダーを模した演出を行うことができる。なお、この構成によれば、サブCPU94aによって魚群用発光ダイオード45または発光ダイオード101の明暗を変化させる制御を行わなくても済むため、サブCPU94aにかかる負担を低減させることができる。
なお、小型電球を第1発光体及び発光体として用いた場合、小型電球の点灯時間を一定にして消灯間隔を変化させることで、小型電球の明暗を変化させるようにしてもよい。
・上記両方の実施形態では、第3発光体として8個の目盛り用発光ダイオード77が用いられていた。しかし、第3発光体として、小型電球(ランプ)、エレクトロルミネッセンス素子(EL素子)などを用いてもよい。
・なお、上記両方の実施形態では、液晶式図柄表示装置15においてリーチが形成されたことを契機として可動体21が動作するようになっていたが、可動体21が動作したことを契機として液晶式図柄表示装置15において図柄組み合わせゲームを行い、リーチを形成させるようにしてもよい。また、液晶式図柄表示装置15においてリーチが形成されるタイミングとは別のタイミングで、可動体21を動作させるようにしてもよい。