JP5000513B2 - プレッシャーレスポリマーパイプ、そのための組成物およびその製造方法 - Google Patents

プレッシャーレスポリマーパイプ、そのための組成物およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、プレッシャーレスポリマーパイプ、そのようなパイプのためのポリマー組成物、およびそのようなパイプのためのポリマー組成物を製造する方法に関する。
ポリマー材料のパイプはしばしば、種々の目的のために、例えば流体輸送のために、すなわち気体または液体の輸送のために使用される。流体は、例えば天然ガスもしくは水道水を輸送するときには加圧されることができ、または、例えば嵐の際の水の適用のため、もしくは屋内の土および廃物のために、下水(廃水)、排水(土地および道路の排水)を輸送するときには加圧されないことができる。さらには、輸送される流体は、通常約0〜約50℃の温度範囲内で、種々の温度を有し得る。プレッシャーレス(無圧)パイプはまた、ケーブルおよびパイプ保護のために使用することができる。
そのようなプレッシャーレスパイプを、本明細書ではまた、交換可能に、下水管およびプレッシャーレス下水管と称する。
本明細書において使用される「パイプ」という語は、広い意味でのパイプならびに、補足部分、たとえば取付け部品、弁、室および、例えば下水配管系に通常必要である全ての部分を含むことを意味する。
本発明のパイプは、例えば1つ以上の層が金属層であり、接着層を含むことができる、単層または多層のパイプを含む。構造壁(耐力壁)パイプ、例えば波形パイプ、中空部分があるかまたはない二重壁パイプがまた、本発明に含まれる。
異なる必要条件が、加圧流体の輸送のためのパイプ(いわゆる圧力管)および、非加圧流体、例えば下水の輸送のためのパイプ(いわゆるプレッシャーレスパイプ)に課せられる。圧力管は、内部の正の圧力、すなわちパイプの外の圧力より大きいパイプの内部の圧力に耐えることができなければならないが、一方、プレッシャーレスパイプは、内部の正の圧力に耐える必要はないが、その代わり、外部の正の圧力、すなわちパイプ内部の圧力より高いパイプの外部の圧力に耐えることが必要とされる。この高い外部圧力は、土中に埋められた時のパイプにかかる地面の荷重、地下水圧、輸送機関の負荷、または屋内での適用の際の締付け力によるものであり得る。かくして、一方で圧力管と他方でプレッシャーレスパイプとの間に明確な区別がある。上記したように、本発明は、プレッシャーレスパイプに関する。
プロピレンポリマーおよびポリプロピレンのパイプについての従来技術に関して、以下の参考文献を挙げることができる。
欧州特許第1,028,985号は、例えば管、パイプおよび取付け部品のための有核のプロピレンホモポリマーおよびコポリマーに関する。プロピレンポリマーは、主としてフタル酸エステル-低級アルコールの対でエステル交換され、ドナーを含む触媒系および、核形成剤として、重合されたビニル化合物、例えばビニルシクロヘキサン(VCH)の存在下での重合によって製造される。
国際特許出願公開WO97/13790号は、超臨界温度および圧力の条件下にてプロピレン媒体中でプロピレンポリマーまたはコポリマーを製造する方法に関する。
欧州特許第0,808,870号は、ポリプロピレンおよび、エチレン含量0.1〜2重量%を有するエチレン-プロピレンコポリマーの高分子量反応器ブレンドに関する。このブレンドは、最大で5dg/分のMFR(5/230)および6〜20の広い分子量分布(Mw/Mn)を有する。
欧州特許第0,791,609号は、広い分子量分布を有する高分子量ポリプロピレンに関する。このポリプロピレンは、1〜10%のエチレンを有し、5 dg/分未満のMFR(5/230) および6〜20のMw/Mnを有する、エチレンおよびプロピレンの高分子量コポリマーである。
国際特許出願公開WO99/35430号(米国特許第6,433,087号)は、プロピレンホモポリマーマトリックスおよび、分散されたエラストマー成分としてエチレン-プロピレンコポリマーを有する異相プロピレンコポリマーに関する。この異相プロピレンコポリマーは、1300〜2300 N/mm2の引張り弾性率および60〜110kJ/m2の23℃での衝撃強度を有する。
欧州特許第0,877,039号は、自動車の部品、例えばバンパー、計器板等のための成形組成物として使用することができる、プロピレンホモポリマーおよびエチレン-プロピレンコポリマーの反応器ブレンドに関する。この反応器ブレンドは、0.5〜25重量%のエチレン含量、少なくとも5dg/分のMFR(5/30)を有し、コポリマーは、13〜40重量%のエチレン繰返し単位を含む。
プレッシャーレスパイプ、例えば下水管は、約0.1〜約3mの口径の種々の寸法で、かつ種々の材料、例えばセラミックス(主にガラス化された粘度)、コンクリート、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)で作られる。セラミックスおよびコンクリートは低費用の材料であるが、あいにく重く、砕けやすい。したがって、セラミックスまたはコンクリートの下水管をポリマー材料、例えばPVC、PEまたはPPの管で置き換えることが近年の傾向であった。PVCの単位重量当たりの費用はPPより安いが、PPは、密度が低く、かくして管1m当たりの重量が低いこと、優れた高温および低温特性を有すること、溶接できることによって、他の点でPVCにまさる利点を有する。
PPの下水管は、内部圧力からの助けなしに地面の荷重に耐えるのに十分な剛性を示さなければならない。パイプの剛性は、主としてパイプ材料から導かれ、剛性の指標として、パイプ材料の弾性率(elasticity modulus)(または略して、弾性率(modulus))が採用され得る。パイプ材料の弾性率が高ければ高いほど、パイプは堅い。パイプの剛性は、管壁のデザインによって、例えばパイプに波形をつけることによってさらに高めることができる。
さらに、プレッシャーレスパイプはしばしば、高温ならびに低温にさらされる。したがって、広い範囲の温度内で耐久性がなければならず、このことは、プレッシャーレスパイプが、特に低温での高い衝撃強度を示さなければならないことを意味する。
パイプはもろくてはならない。というのは、もろすぎると、パイプは脆性亀裂により破損する。パイプの脆性の尺度は、遅い亀裂の成長(slow crack growth)に対する耐性である。遅い亀裂の成長に対する耐性が高ければ高いほど、良い。
高い弾性率を有する材料が使用されると、厚い管壁を有する低い弾性率のパイプと同じかそれより高い(環)剛性を得ながら、より薄い管壁を使用することができる。
薄い管壁は、亀裂に対してより敏感である。というのは、パイプ表面への損傷またはノッチは、容易に管壁を通って広がるからである。構造化壁パイプ(波形をつけたパイプ、助材を付けたパイプ、双壁パイプ等)は、構造化壁パイプのデザインがしばしば薄い部分からなるので、材料の亀裂および遅い亀裂の成長特性に対して最も敏感である。
構造化壁パイプは、例えば単層の波形をつけたパイプ、助材を付けたパイプ、中空部分を有する双壁パイプ、中空部分もしくは発泡層を有するかまたは有さない多層パイプおよび、平坦もしくは波形を付けられたパイプデザインを有する、中空部分を有するかまたは有さない、螺旋に曲げられたパイプを包含する。
基本的には、薄い部分を有するパイプ、小さい口径の平坦な固体壁パイプまたは薄い部分を有する構造化壁パイプは、亀裂に対してより敏感である。構造化壁パイプの高いおよび3次元構造のために、応力がまた、平坦な固体壁パイプに比べて、外部負荷条件にさらした時に局部的に高い。すなわち亀裂に対する感受性がより大きい。
高い剛性を有する材料を使用するとき、管壁における応力は、パイプの高い負荷を支える能力および一定の偏り状態のために、地下に埋設されたときに高い。
剛性および脆性は、2つの両立しない特性である。したがって、パイプが堅ければ堅いほど、通常はより脆くなる。かくして、高い弾性率は通常、遅い亀裂の成長に対する低い耐性を伴う。
これゆえに、高い剛性、高い衝撃強度および、好ましくまた低い脆性を併せ持つ改善されたポリマー材料のプレッシャーレスパイプについての必要性がある。すなわち、パイプは、高い弾性率を有し、低温で特に耐久性で、かつ遅い亀裂の成長に対する高い耐性を有していなければならない。
発明の概要
本発明の目的は、高い剛性および低い脆性を併せ持つ、すなわち高い弾性率および低温にて高い衝撃強度を有するプレッシャーレスポリマーパイプを提供することである。
本発明のさらなる目的は、遅い亀裂の成長に対する高い耐性を有するプレッシャーレスポリマーパイプを提供することである。
本発明の別の目的は、そのようなプレッシャーレスパイプのためのポリマー組成物を提供することである。
本発明のなお別の目的は、そのようなプレッシャーレスパイプのためのポリマー組成物を製造する方法を提供することである。
かくして本発明は、プレッシャーレスポリマーパイプにおいて、
該ポリマーパイプが、プロピレンベースポリマーを含むプロピレンポリマー組成物により製造され、
プロピレンベースポリマーが、
2以上の連続段階において製造された多峰形のプロピレンホモポリマーのマトリックスおよびプロピレンと少なくとも1種のオレフィンコモノマーとのエラストマーコポリマーの分散相を有する異相プロピレンコポリマーであり;
該異相プロピレンコポリマーの重量に基づき2〜7重量%のコモノマー含量を有し
ISO 1133 C4に従って決定されるメルトフローレートMFR(2/230) 0.1〜2.0g/10分を有し;
200℃で測定されるレオロジー剪断減粘性指数(SHI0/50)9〜30により定義される広い分子量分布を有し;
1mm/分および23℃にて、ISO 527-2/1Bにしたがって決定される引張り弾性率少なくとも1800MPaを有し;
ISO 179/1eAに従って決定される衝撃強度が0℃にて少なくとも6kJ/m2および-20℃にて少なくとも2 kJ/m2の値を有し、
プロピレンポリマー組成物が、核形成剤を含み、
該異相プロピレンコポリマーが、4〜10重量%のキシレン可溶性物質含量(XS)を有し、かつ
パイプが、直径110mmおよび壁厚4mmを有するパイプについて23℃にてENISO 9969に従い決定される環剛性から計算される、少なくとも1800MPaのE弾性率を有し、該計算が、式(I):
[数1]
E = 環剛性 x 12 x [(D−t) /t] 3 (I)
(ここで、EはMPaで表した弾性率であり、
Dはmmで表したパイプの外径であり、かつ
tは、mmで表したパイプの壁厚である)
に従ってなされる、
ことを特徴とするプレッシャーレスポリマーパイプを提供する。
本発明はさらに、
プレッシャーレスポリマーパイプのためのプロピレンポリマー組成物において、
該プロピレンポリマー組成物が、プロピレンベースポリマーを含み、
プロピレンベースポリマーが、
2以上の連続段階において製造された多峰形のプロピレンホモポリマーのマトリックスおよびプロピレンと少なくとも1種のオレフィンコモノマーとのエラストマーコポリマーの分散相を含む異相プロピレンコポリマーであり;
該異相プロピレンコポリマーの重量に基づき2〜7重量%のコモノマー含量を有し;
ISO 1133 C4に従って決定されるメルトフローレートMFR(2/230) 0.1〜2.0g/10分を有し;
200℃で測定されるレオロジー剪断減粘性指数(SHI0/50)9〜30により定義される広い分子量分布を有し;
1mm/分および23℃にて、ISO 527-2/1Bにしたがって決定される引張り弾性率少なくとも1800MPaを有し;
ISO 179/1eAに従って決定される衝撃強度が0℃にて少なくとも6kJ/m2および-20℃にて少なくとも2kJ/m2である値を有し、
プロピレンポリマー組成物が、核形成剤を含み、かつ
異相プロピレンコポリマーが、4〜10重量%のキシレン可溶性物質含量(XS)を有する
ことを特徴とする、プレッシャーレスポリマーパイプのためのプロピレンポリマー組成物を提供する。
本発明はなおさらに、プレッシャーレスポリマーパイプのためのポリマー組成物を製造する方法であって、電子ドナーを含む立体特異的なチーグラー-ナッタ触媒の存在下で、
(i) 少なくとも1つのループ反応器中で、少なくとも80℃の温度および4600〜10,000kPaの圧力にてプロピレンホモポリマーマトリックスを、かつ
(ii) 少なくとも1つの気相反応器中で、工程(i)より低い温度で、プロピレンおよび少なくとも1種のオレフィンコモノマーのエラストマーコポリマーを
重合して、該プロピレンホモポリマーのマトリックスおよび該エラストマープロピレンコポリマーの分散相を含む異相プロピレンコポリマーのベースポリマーを得、ここで(i)の段階は2以上の連続段階において行われ、製造されたプロピレンホモポリマーは多峰形である;該異相プロピレンコポリマーが、
異相プロピレンコポリマーの重量に基づいて2〜7重量%のコモノマー含量を有し、
ISO 1133 C4に従って決定されるメルトフローレートMFR(2/230)0.1〜2.0g/10分を有し;
200℃で測定されるレオロジー剪断減粘性指数(SHI0/50)9〜30により定義される広い分子量分布を有し;
1mm/分および23℃にて、ISO 527-2/1Bにしたがって決定される引張り弾性率少なくとも1800MPaを有し;
ISO 179/1eAに従って決定される衝撃強度が0℃にて少なくとも6kJ/m2および-20℃にて少なくとも2kJ/m2の値を有し、
プロピレンポリマー組成物が、核形成剤を含み、かつ
異相プロピレンコポリマーが、4〜10重量%のキシレン可溶性物質含量(XS)を有する
ことを特徴とする方法
を提供する。
本発明のさらなる特有の特徴および利点は、以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲から明らかであろう。
発明の詳細な説明
上記したように、本発明のパイプおよびポリマー組成物の重要な特性は、その弾性率(elasticity modulus)(または略して、弾性率(modulus))である。本明細書において述べる弾性率は、1mm/分および23℃にて、ISO527-2/1Bにしたがって、4mm厚の試験片で決定された引張り弾性率を意味する。圧縮成形された試験片は、ISO 1873-2に従って押込式金型で作られる。先に述べたように、本発明のプロピレンポリマーの弾性率は、ベースポリマー(すなわち、補助剤、例えば他の添加剤、充填剤および強化剤を有していないポリマー組成物それ自体(プロセスおよび熱安定化のみを有する))について少なくとも1800 MPaである。好ましくは弾性率は少なくとも1900 MPaである。さらに、弾性率が1800〜2500 MPaの範囲にあるのが好ましく、より好ましくは1850〜2100 MPaである。これらの値は非常に高い剛性を示し、一般的に最大で約1700 MPaの従来技術のPP材料の弾性率と比較すべきである。
その弾性率に関連するポリマーパイプの特性は、パイプの環剛性である。環剛性は、EN ISO 9969に従い決定される。
23℃における直径110mmおよび壁厚4mmを有するパイプについての、EN ISO 9969に従い決定される環剛性は、式(I):
[数1]
E = 環剛性 x 12 x [(D−t) /t]3 (I)
(ここで、EはMPaで表した弾性率であり、
Dはmmで表したパイプの外径であり、かつ
tは、mmで表したパイプの壁厚である)
に従うE弾性率に関連する。
口径は、以下のようにして測定される:パイプの外径は、0.1mmの精度にて、3つの異なる点で「円周テープ」を用いて測定される。3つの測定値の平均値が計算され、結果は、mmにて小数第1位まで与えられる。
壁厚は、間60度で等間隔にされた6点で、精度0.01mmにて測定される。6個の測定値の平均値が計算され、結果は、mmにて小数第3位まで与えられる。
環剛性の測定値から計算されるE弾性率はしばしば、パイプ用途に意図される材料の剛性を評価するのによりよい方法である。というのは、環剛性は、最終用途のために重要性を有する、最終的な剛性/弾性率特性であるからである。材料の剛性の計算のために環剛性値を使用することによって、パイプの形態および加工処理条件(慣用のパイプの押し出し)の影響がまた、測定される値に含まれる。すなわち、用途のために適当な値を与える。
本発明において、環剛性の測定値から計算されるE弾性率は、好ましくはまた、少なくとも1800 MPa、より好ましくは少なくとも1900 MPaの値を有するべきである。
本発明のパイプおよびポリマー組成物の別の重要な特性は、衝撃強度、特に低温での衝撃強度である。衝撃強度は、EN ISO 1873-2に記載された圧縮成形された試験片(80 x 10 x 4 mm)を用いて、ISO 179/leAに従って決定される。0℃における衝撃強度は、少なくとも6kJ/m2、好ましくは少なくとも7kJ/m2である。-20℃における衝撃強度は、少なくとも2kJ/m2、好ましくは少なくとも4kJ/m2である。
本発明のポリマーパイプの衝撃強度を規定する別の方法は、EN 1411に従って決定される、いわゆる落錘衝撃である。EN 1411に従い、4kgのハンマーを用いた、外径110mmおよび壁厚4mmを有するパイプのH50値(50%の試料が破損する高さ)は、少なくとも1mで、0℃にて0.5mより下で最大1回の破壊でなければならない。本発明のパイプは典型的には、ずっと低い温度-20℃にて少なくとも1m、より好ましくは少なくとも2m、最も好ましくは少なくとも4mのH50値で、はるかに良好な落錘衝撃特性を有する。
本発明は、プレッシャーレスまたは無圧のパイプに関するが、本発明のポリマーパイプは、内部圧力に対する良好な耐性を有するべきであることが望ましい。好ましくは、本発明のポリマーパイプは、EN 1852(EN 1852-1/A1を含む)に従う必要条件より上の良好な耐圧性を有する。かくして、本発明のポリマーパイプは好ましくは、32mm/3.0mmまたは110mm/4.0mmの外径/壁厚パイプにて、水条件下で、EN 921に従い決定される、4.2MPa/80℃で200時間より上、より好ましくは400時間より上で、かつ2.5 MPa/95℃で1500時間より上、より好ましくは2000時間より上の内部圧力に対する耐性を有する。
先に述べたように、本発明のポリマーは、異相プロピレンコポリマーまたはプロピレン衝撃コポリマー(またプロピレンブロックコポリマーもしくはPP-Bとして知られる)である。このことは、プロピレンポリマーが、ホモポリマーマトリックスおよび、エラストマー(「ゴム状の」)プロピレンコポリマーを含む包含物を有する多相構造を有することを意味する。
ホモポリマーマトリックスは、もっぱら、または実質的にもっぱら、プロピレン繰り返し単位からなる。ホモポリマーマトリックスは、単峰形または多峰形、好ましくは2峰形のプロピレンホモポリマーである。
本明細書において使用される「実質的にもっぱら」という表現は、プロピレンホモポリマーが、最大で約1重量%まで、好ましくは最大で0.5重量%までの、他のモノマーから誘導される繰り返し単位を含み得ることを意味する。そのような他のモノマーは、エチレンおよびC4〜C10-αオレフィンからなる群より選択され、好ましくはエチレンである。
本明細書において使用される「多峰形」という表現は、ポリマーの様式、すなわち、その分子量の関数としてのポリマー重量画分のグラフであるその分子量分布曲線の形態をいう。連続して結合された反応器を使用し、各反応器において異なる条件を使用して、ポリマーが連続工程のプロセスで製造されるなら、異なる反応器で製造される異なる画分はそれぞれ、それら独特の分子量分布を有する。これらの画分からの分子量分布曲線が、全部の得られるポリマー生成物についての分子量分布曲線に重ね合わされるときには、その曲線は、2個以上の極大を示すか、または少なくとも、個々の画分についての曲線と比べて明確に広がり得る。2つ以上の連続工程で製造されるそのようなポリマー生成物は、工程の数に依存して、2峰形または多峰形と呼ばれる。以下においては、2つ以上の連続工程でかくして製造される全てのポリマーは、「多峰形」と呼ばれる。またその画分の化学組成が異なり得ることを、ここで注意すべきである。
本発明のプロピレンホモポリマーマトリックスは、FTIRにより決定されるタクチシティー98%より上、好ましくは99%より上を有する、高アイソタクチシティーポリマーである。この高いアイソタクチシティーは、マトリックスについて50%より上、好ましくは52〜53%の(DSCにより測定される)結晶化度を生じる。
異相プロピレンコポリマーの他の成分、エラストマーまたはゴム状プロピレンコポリマーは、プロピレンと、エチレンおよびC4〜C10-αオレフィンからなる群より選択される少なくとも1種のオレフィンコモノマー、好ましくはエチレンとのコポリマーである。コモノマー含量は、異相プロピレンコポリマーの重量に基づき、2〜7重量%、好ましくは3〜4重量%である。
プロピレンコポリマーは、プロピレン衝撃コポリマーの重量に基づいて4〜10重量%、好ましくは6〜8重量%の、25℃でキシレンに可溶性のポリマーの含量(XS)を有する。このXSは、135℃にてポリマーをキシレンに溶かし、溶液を25℃に冷却し、不溶性部分をろ別することによって測定される。
さらに、プロピレンコポリマーは好ましくは、上記のキシレン可溶性画分を分離し、アセトンで無定形部分を沈殿させることによって測定される、プロピレン衝撃コポリマーの重量に基づいて4〜10重量%、より好ましくは5〜8重量%の無定形含量(AM)を有する。
異相プロピレンコポリマーの、230℃および負荷2.16kgにてISO1133 C4に従って決定されるメルトフローレート(MFR) (MFR(2/230))は、0.1〜2.0g/10分、好ましくは0.1〜1.5 g/10分、さらに好ましくは0.2〜0.9 g/10分、最も好ましくは0.2〜0.5 g/10分である。
本発明の異相プロピレンコポリマーは、200℃にてレオロジーにより測定される剪断減粘性指数(SHI)により規定される広い分子量分布を有する。SHIは、2つの異なる剪断応力での複素粘度(complex viscosity)(η*)の比であり、分子量分布の広さ(または狭さ)の尺度である。本発明によれば、異相プロピレンコポリマーは、9〜30、好ましくは10〜20の剪断減粘性指数SHI0/50、すなわち、200℃および0kPaの剪断応力での複素粘度(η*0)と200℃および50kPaの剪断応力での複素粘度(η*50)との比を有する。
η*0の決定のために、動的レオロジー測定が、レオメトリクス(Rheometrics)RDA-IIQCにて、窒素雰囲気下、200℃で、25mm-直径のプレートおよびプレート配置を用いて、圧縮成形試料について行われた。振動剪断実験が、0.01〜500ラジアン/秒の振動数で線状粘弾性範囲の歪にて行われた(ISO6721-1)。
貯蔵弾性率(G')、損失弾性率(G'')、複素弾性率(G*)および複素粘度(η*)の値は、振動数(ω)の関数として得られた。
ゼロ剪断粘度(η0)は、複素粘度の逆数として定義される複素流動率(complex fluidity)を用いて計算された。実部および虚部はかくして、次のように定義される:
[数2]
Figure 0005000513
および
[数3]
Figure 0005000513
以下の等式から、
[数4]
Figure 0005000513
および
[数5]
Figure 0005000513
[数6]
Figure 0005000513
[数7]
Figure 0005000513
1/η0のゼロ縦座標値で、f'とf''との間に直線状の相関関係がある(「ポリエチレン画分のレオロジー特性決定(Rheological characterization of polyethylene fractions)」、ヘイノ(Heino), E.L.;レーティネン(Lehtinen), A.; タンナー(Tanner), J.; Seppala, J. Neste, Oy, Porvoo, Finland. Theor. Appl. Rheol., Proc. Int. Congr. Rheol.,第11版(1992年)、1360-362頁)。ポリプロピレンについては、これは低振動数で有効であり、5個の最初の点(5点/10個)が、η0の計算に使用される。
MWDと相関しており、MWとは独立している、弾性指数(G')および剪断減粘性指数(SHI)は、「ポリエチレン画分のレオロジー特性決定(Rheological characterization of polyethylene fractions)」、ヘイノ(Heino), E.L.;レーティネン(Lehtinen), A.; タンナー(Tanner), J.; Seppala, J. Neste, Oy, Porvoo, Finland. Theor. Appl. Rheol., Proc. Int. Congr. Rheol.,第11版(1992年)、1360-362頁および「ポリエチレンの幾つかのレオロジー特性に対する分子構造の影響(The influence of molecular structure on some rheological porperties of polyethylene)」、ヘイノ(Heino)、イーヴァ-リーナ(Eeva-Leena)、Borealis Polymers Oy, Porvoo, Finland. Annual Transactions of the Nordic Rheology Society, 1995年に従って計算された。
SHIは、ゼロ剪断粘度を、ある一定の剪断応力値、G*で得られる複素粘度値で割ることによって計算される。略語SHI(0/50)は、ゼロ剪断粘度と50,000Paの剪断応力での粘度との比である。
異相プロピレンコポリマーの密度は、0.900〜0.906g/cm3である。
本発明はまた、異相プロピレンコポリマーの改善された重合方法を含む。
重合のための触媒として、任意の、プロピレン重合のために立体特異的な触媒を使用することができ、これは、500〜10,000kPa、特に2,500〜8,000kPaの圧力で、40〜110℃、特に60〜110℃の温度でプロピレンおよびコモノマーの重合および共重合を触媒することができる。好ましくは触媒は、80℃以上の高い重合温度で使用することができる、高収率のチーグラー-ナッタタイプの触媒を含む。
一般に、本発明において使用されるチーグラー-ナッタ触媒は、触媒成分、助触媒成分、外部ドナーを含み、触媒系の触媒成分は、主としてマグネシウム、チタン、ハロゲンおよび内部ドナーを含む。電子ドナーは、立体特異的特性を制御し、および/または触媒系の活性を改善する。エーテル、エステル、ポリシラン、ポリシロキサンおよびアルコキシシランを含む多くの電子ドナーが従来知られている。
触媒は好ましくは、遷移金属化合物を、前触媒(procatalyst)成分として含む。遷移金属化合物は、酸化度3または4を有するチタン化合物、バナジウム化合物、ジルコニウム化合物、コバルト化合物、ニッケル化合物、タングステン化合物および希土類金属化合物からなる群より選択され、3塩化チタンおよび4塩化チタンが特に好ましい。
ループ反応器において普通である、高温に耐えることができる触媒を使用するのが好ましい。プロピレンのアイソタクチック重合のために慣用のチーグラー-ナッタ触媒は一般に、約80℃の運転温度限界を有し、それより上では、不活化されるか、またはその立体選択性を失うようになる。この低い重合温度は、ループ反応器の熱除去効率に実施上の限界を与え得る。
本発明に従い使用されるべき1つの好ましい触媒は、欧州特許第591,224号に開示され、これは、2塩化マグネシウム、チタン化合物、低級アルコールおよび、少なくとも5個の炭素原子を含むフタル酸のエステルからの、前触媒組成物の製造方法を開示する。欧州特許第591,224号によれば、エステル交換反応が、低級アルコールとフタル酸エステルとの間で、高められた温度で行われ、それによって、低級アルコールおよびフタル酸エステルからのエステル基が交換する。
2塩化マグネシウムはそれ自体で使用することができるか、または、例えば2塩化マグネシウムを含む溶液もしくはスラリーにシリカを吸収させることによってシリカと組み合わせることができる。使用される低級アルコールは好ましくは、メタノールまたはエタノールであり、特にエタノールである。
前触媒の製造において使用されるチタン化合物は好ましくは、有機もしくは無機のチタン化合物であり、3または4の酸化状態のものである。また他の遷移金属、例えばバナジウム、ジルコニウム、クロム、モリブデンおよびタングステン化合物を、チタン化合物と混合することができる。チタン化合物は通常、ハロゲン化物もしくはオキシハロゲン化物、有機金属ハロゲン化物または、有機リガンドのみが遷移金属に結合された純金属有機化合物である。特に好ましくは、ハロゲン化チタン、特に4塩化チタンである。
使用されるフタル酸エステルのアルコキシ基は、少なくとも5個の炭素原子、好ましくは少なくとも8個の炭素原子を含む。かくして、エステルとして、例えばフタル酸プロピルヘキシル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソデシルおよびフタル酸ジトリデシルを使用することができる。フタル酸エステルおよびハロゲン化マグネシウムのモル比は、好ましくは約0.2:1である。
エステル交換は、例えば、フタル酸エステル-低級アルコールの組を選択し、自発的に、または前触媒組成物に損傷を与えない触媒の助けを借りて、高められた温度で触媒をエステル交換することによって、行うことができる。110〜150℃、好ましくは120〜140℃の温度にてエステル交換を行うのが好ましい。
触媒はまた、欧州特許1,028,985号に記載されたように変性することができる。
上記の方法により製造される触媒は、有機金属助触媒と一緒に、かつ外部ドナーと一緒に使用することができる。一般に、外部ドナーは、式:
Figure 0005000513
(ここで、RおよびR'は同じまたは異なることができ、線状、分岐もしくは環状の脂肪族または芳香族基であり、;
R''はメチルまたはエチルであり;
nは0〜3の整数であり;
mは0〜3の整数であり;かつ
n+mは1〜3である)
を有する。
特に、外部ドナーは、シクロヘキシルメチルメトキシシラン(CHMMS)、ジシクロペンチルジメトキシシラン(DCPDMS)、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジ-イソブチルジメトキシシランおよびジ-t-ブチルジメトキシシランからなる群より選択される。
有機アルミニウム化合物は、助触媒として使用される。有機アルミニウム化合物は好ましくは、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムクロリドおよびアルキルアルミニウムセスキクロリドからなる群より選択される。
本発明によれば、そのような触媒は典型的には、第1の反応器のみに導入される。触媒の成分は、反応器に別々に、もしくは同時に供給することができるか、または触媒系の成分は、反応器の前に予め接触させることができる。
そのような予備接触はまた、適正な重合反応器への供給の前の触媒予備重合を含むことができる。予備重合において、触媒成分は、短期間モノマーと接触され、その後、反応器へ供給される。
本発明の重合プロセスは、2つの主な工程:プロピレンホモポリマーマトリックスを製造する1工程(i)、およびエラストマー(ゴム状)プロピレン-オレフィンコモノマーコポリマーを製造する別の工程(ii) に分けられる。工程(i)は好ましくは、プロピレンホモポリマーマトリックスの適正な重合前の予備重合工程を含むことができる。予備重合反応器中の重合は、プロピレンを用いて、通常主重合より低い温度で行われる。好ましくは重合プロセスにおいて使用される触媒の全てが、予備重合反応器に添加される。
予備重合後、プロピレンホモポリマーの重合を、1工程で行うことができるが、多峰形好ましくは2峰形のプロピレンホモポリマーを得るために、好ましくは少なくとも2工程で行う。工程(i)の重合系は、1個以上の慣用のループ反応器または1個以上の気相反応器を含むことができる。好ましくは反応器は、ループ反応器および気相反応器の中から選択され、特に、工程(i)は、2個のループ反応器または、1個のループ反応器および1個の気相反応器を連続して使用する。これは、2峰形のポリプロピレンを製造するのに特に適当である。異なる量の水素の存在下で異なる重合反応器で重合を行うことによって、生成物の分子量分布を広くすることができ、その機械的特性および成形加工性を改善することができる。各タイプの数個の反応器、例えば1個のループ反応器および2個もしくは3個の気相反応器または、2個のループ反応器および1個の気相反応器を連続して使用することがまた可能である。
一般に、ループ反応器の温度は、少なくとも80℃であり、圧力は少なくとも4,600〜10,000kPaである。
本発明の特に好ましい実施態様は、工程(i)の重合を、ループ反応器が液体プロピレン中で、少なくとも80℃の高い重合温度で、最も好ましくは超臨界温度および圧力条件下で稼動する、ループおよび気相反応器を段階的に含むプロセスにおいて行うことを含む。第2の重合工程は、工程(i)のポリマーの分子量分布を広くするために、気相反応器において行われる。
「超臨界」条件という語は、反応器中の温度および圧力の両方が、反応媒体の対応する超臨界温度および圧力より上であることを意味する。プロピレンの反応媒体について、これは、少なくとも92℃の温度および少なくとも4,600kPaの圧力を意味する。温度の最上限は、得られるポリマーの融点であるが、不必要に高い温度は、ポリマーの溶解性の増加を引き起こす。したがって、好ましい温度は、92〜110℃の範囲、特に最大で100℃である。好ましい圧力は、4,600〜10,000kPa、より好ましくは5,000〜7,000kPaの範囲にある。
工程(i)の気相反応器における次の重合は、50〜115℃、好ましくは60〜110℃、より好ましくは80〜105℃の温度および500〜5,000kPa、好ましくは1,500〜3,500kPaの圧力で行われる。好ましくは、工程(i)のループ重合段階が超臨界条件下で行われるときは、気相反応器の温度は85〜95℃であり、圧力は2,000〜3,000kPaである。
工程(i)のループ反応器および気相反応器間の製造の重量比(いわゆる「分配(split)」)は、20:80〜80:20、好ましくは30:70〜70:30、より好ましくは40:60〜60:40である。
先に記載されたように、ホモポリマーマトリックスは、もっぱら、または実質的にもっぱらプロピレン繰り返し単位から成る。これは、好ましくはないが、エチレンおよび/またはC4〜C10-αオレフィンからなる群より選択される少量のコモノマー、例えばエチレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン等、好ましくはエチレンを工程(i)の重合反応器に添加することが可能であることを意味する。
工程(i)の気相反応器は、他のタイプの気相反応器を使用することができるが、通常の流動床反応器であることができる。流動床反応器においては、床は、形成されたポリマー粒子および成長しているポリマー粒子ならびに、ポリマー画分と一緒にもたらされたなお活性な触媒からなる。床は、気体成分、例えばモノマーを、粒子を流体として振舞わせるような流速で導入することによって、流動状態に保持される。流動する気体はまた、不活性な担体気体、例えば窒素、およびまた変性剤として水素を含むことができる。流動気相反応器は、機械的な撹拌器を備えることができる。
上記のプロセスは、高い剛性および増加された全般的結晶化度を有するプロピレンホモポリマーマトリックスの製造を可能にする。プロピレンホモポリマーマトリックスの、DSC(示差走査熱量計)によって測定される結晶化度は、一般に50%より上、好ましくは52〜53%である。
重合プロセスの工程(ii)においては、工程(i)の生成物が、本発明の異相プロピレンコポリマーのエラストマープロピレンコポリマーを得るために、1個以上の反応器でのさらなる重合に供される。
工程(ii)の重合は、1個以上の気相反応器において、気相重合として行われる。工程(ii)の重合が、工程(i)の生成物がプロピレン、コモノマーおよび必要なら水素と一緒に供給される1個の気相反応器において行われることが、特に好ましい。
先に記載したように、コモノマーは、エチレンおよびC4〜C10-αオレフィンからなる群より選択される少なくとも1種のオレフィン、例えば、エチレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン等、好ましくはエチレンである。
工程(ii)のエラストマープロピレンコポリマーは、異相プロピレンコポリマーに改善された衝撃強度を与える。共重合の条件は、慣用のエチレン-プロピレンゴム(EPM)の製造条件の制限内にあり、例えば、それらは、例えばポリマーの科学および工学の辞典(Encyclopedia of Polymer Science and Engineering)、第2版、第6巻、545-558頁に開示されている。ポリマー中のコモノマー(好ましくはエチレン)含量がある範囲内にあるなら、ゴム状生成物が形成される。かくして、好ましくはエチレンおよびプロピレンは、コポリマーの無定形部分が10〜70重量%のエチレン単位を含むような比で、エラストマーへと共重合される。
工程(ii)のエラストマープロピレンコポリマーおよび、かくしてまた全般的な異相プロピレンコポリマーが、異相プロピレンコポリマーの目標とされる高い弾性率に悪影響を与えないために、低量の「ゴム」を有していなければならない、すなわちXS値が低くなければならないことが望ましい。他方では、XS値として表されるゴムの量は、低すぎてはならないが、ポリマーに十分な衝撃強度を与えるのに十分でなければならない。したがって、エチレン-プロピレン衝撃コポリマーのXSは、エチレン-プロピレン衝撃コポリマーの重量に基づいて4〜10重量%、好ましくは6〜8重量%の範囲になければならない。
所望の低いXSは、重合プロセスの工程(ii)において、比較的低い割合の、低含量のエチレンを有するエラストマーエチレン-プロピレンコポリマーが製造されなければならないことを意味する。そのような低い割合の低エチレン含量のエラストマーエチレン-プロピレンコポリマーの安定な重合は一般に困難であると考えられる。しかしながら、本発明は、工程(ii)の重合を低い触媒活性で行うことによってこの問題を扱う。工程(ii)における低い触媒活性は、工程(i)における温度を増加させ、したがって、工程(i)における触媒活性を増加させ、よって工程(ii)において触媒活性を低下させることによって達成される。工程(ii)における触媒活性は、工程(ii)の温度を下げることによってさらに低下される。かくして、工程(ii)における重合の温度は、40〜90℃、より好ましくは60〜70℃でなければならない。工程(ii)における重合の圧力は、500〜3,000kPa、好ましくは1,000〜2,000kPaでなければならない。
工程(ii)におけるエチレン分圧は、コモノマーを与えるのに十分でなければならない。すなわち、好ましくは異相プロピレンコポリマーに基づいて、エチレン含量は2〜7重量%、好ましくは3〜4重量%である。
異相プロピレンコポリマーの他に、本発明のベースポリマー組成物は、慣用の補助剤、例えば添加剤、充填剤および強化剤を含むことができる。
添加剤の例を挙げることができ、核形成剤、プロセスおよび熱安定剤、顔料およびカーボンブラックを含む他の着色剤である。添加剤のタイプに依存して、添加剤を一般に、0.01〜5重量%の量で含むことができる。
かくして、好ましくはポリマー組成物は、0.05〜3重量%の1種以上のα-核形成剤、例えばタルク、重合したビニル化合物、例えばポリビニルシクロヘキサン(ポリ-VCH)、ジベンジリデンソルビトール(DBS)、安息香酸ナトリウムおよびジ(アルキルベンジリデン)ソルビトールを含む。α-核形成剤は、ポリマー組成物の高い引張り弾性率、かくして高い剛性を生じさせる。タルクを除いて、α-核形成剤は通常、0.0001〜1重量%、好ましくは0.001〜0.7重量%の少量で添加される。タルクは独特な場合である。というのはタルクは、核形成剤として、かつ充填剤としての両方で添加することができるからである。核形成剤として添加されるときには、タルクは0.05〜3重量%、好ましくは0.1〜2重量%の量で添加される。
充填剤の例を挙げることができ、例えばタルク、雲母、炭酸カルシウム、カオリンおよびクレーである。一般に充填剤は、3より上〜60重量%の量で添加される。詳細には、タルクは好ましくは3より上〜30重量%の量、炭酸カルシウムは10〜50重量%の量、カオリンおよびクレーは10〜50重量%の量で添加される。
ポリマーへの充填剤の組み込みは、剛性を増加させる。すなわち、環剛性から計算される弾性率を増加させる。かくして、10重量%のタルクの添加は、弾性率を約1000 MPa増加させ;20重量%のタルクの添加は、弾性率を約1400 MPa増加させ;25重量%のタルクの添加は、弾性率を約1800 MPa増加させる。したがって、本発明のベースポリマー(すなわち、プロセスおよび熱安定剤以外の補助剤を有していないポリマー組成物それ自体)が少なくとも1800 MPaの弾性率を有するなら、これは、10重量%のタルクの添加によって、約2300〜2500 MPaに増加される。相応じて、20重量%のタルクの添加は、約3000〜3200 MPaへ弾性率を増加させ、30重量%のタルクは、約3700〜3800 MPaの弾性率を与える。
適当な強化剤の例を挙げることができ、繊維、例えば刻んだガラス繊維もしくは連続のガラス繊維、炭素繊維、鋼繊維およびセルロース繊維である。一般に繊維は、5〜80重量%、好ましくは10〜50重量%、より好ましくは15〜40重量%の量で添加される。
補助剤は、自体公知の方法によって、例えばポリマー成分を、所望の重量関係で、バッチまたは連続プロセスを用いて、補助剤と混合することによって、ポリマー組成物に組み込むことができる。典型的なバッチミキサーの例としては、バンバリーおよび加熱ロールミルを挙げることができる。連続ミキサーは、ファレル(Farrel)ミキサー、バス(Buss)コニーダーおよび単軸もしくは2軸の押出機により例示される。
一般にポリマーパイプは、押出によって製造されるか、またはより少ない範囲には、射出成形によって製造される。ポリマーパイプのスクリュー押出のための慣用のプラントは、1軸または2軸の押出機、ノズル、寸法規制装置、冷却装置、引取装置および、パイプを切断するか、または巻き上げるための装置を含む。ポリマーは、押出機から、パイプへと押し出される。このプロセス工程は、パイプが、つぶれないように十分な溶融強度を有することを必要とする。このスクリュー押出技術は、当業者によく知られており、したがって、この点に関してここでさらなる詳細は必要でない。
かくして記載された本発明を、ここで、本発明の理解を促進するために、好ましい実施態様の限定されない例によって説明する。
実施例においては、本発明の異相プロピレンコポリマー組成物は、予備重合反応器中での予備重合、ループ反応器中での第1工程における重合および気相反応器(GPR1)での第2工程における重合を含む工程(i) におけるプロピレンホモポリマーマトリックスのパイロットプラント装置における重合;ならびに、気相反応器(GPR2)でのエラストマーエチレン-プロピレンコポリマーの工程(ii)におけるその後の重合によって、上記した好ましい実施態様に従って製造された。得られた異相プロピレンコポリマー組成物は次に、ペレット化され、110mmの外径(OD)、4mmの壁厚の滑らかなパイプへと、自体公知のやり方で、押出によって製造される。組成物は、約0.8重量%の熱およびプロセス安定剤を含んでいた。
実施例においては、重合条件ならびに得られたポリマーおよびパイプの特性が与えられる。
実施例1〜3
これらの実施例においては、ループ反応器およびGPR1における重合条件、すなわち、プロピレンホモポリマーマトリックスの重合のための条件はほぼ同じであった。GPR2におけるエラストマーエチレン-プロピレンコポリマーの重合のために、重合温度は、実施例1および2の両方において70.0℃に維持されたが、プロピレン分圧は、実施例2において上げられた。実施例3においては、GPR2における重合温度は60.0℃に下げられた。
重合条件に関する詳細は、表1に与えられる。表2においては、実施例1〜3で得られたポリマーおよびパイプの試験からの結果が与えられる。
Figure 0005000513
Figure 0005000513
表2の結果から、本発明のパイプは、約1800MPa以上の非常に高い弾性率または剛性を、低温での高い耐衝撃性および高いパイプの耐圧性、すなわち遅い亀裂の成長に対する高い耐性圧性と合わせて有することが明らかである。
実施例4〜5
これらの実施例においては、工程(ii)のための重合条件はほぼ同じであったが、ループ反応器でのプロピレンホモポリマーマトリックスの重合は、超臨界条件下で行われた。
重合条件ならびにポリマーおよびパイプの特性に関する詳細は、表3および表4にそれぞれ与えられる。
Figure 0005000513
Figure 0005000513
表3〜4の結果から、これらの実施例においてまた、非常に望ましい特性の組合せ、すなわち高い弾性率、高い耐衝撃性および高いパイプの耐圧性が得られたことが明らかである。
実施例6〜7
これらの実施例は、本発明のポリマー組成物へのタルクの添加の効果を説明する。
実施例6に従うパイプのポリマー組成物は、1重量%のタルクが組み込まれたこと以外は実施例3と同じであった。
実施例7のポリマー組成物は、実施例4〜5のポリマー組成物と同様にして製造された。重合条件を表5に与える。実施例6におけるのと同様に、1重量%のタルクが、組成物をパイプへと押し出す前に、コンパウンドによって、実施例7のポリマー組成物に組み込まれた。
ポリマーおよびパイプの特性を表6に与える。
Figure 0005000513
Figure 0005000513
表6の結果から、少量のタルクの組み込みは、パイプ特性を高め、より高い弾性率、より高い耐衝撃性およびより高いパイプの耐圧性を生じることが明らかである。
比較例1〜2
比較として、従来技術の異相プロピレンコポリマー組成物でパイプを作り、試験した。組成物の詳細を表7に与える。
Figure 0005000513
組成物をパイプへと押し出す前に、比較例2の組成物をまず2.5重量%のタルクとコンパウンドした。比較例1〜2のパイプの特性を表8に与える。
Figure 0005000513
表8の結果から、従来技術の組成物のパイプは、本発明のパイプより低い弾性率を有していたことが明らかである。タルクを組み込んでさえ、従来技術のポリマー組成物のパイプは、本発明のパイプの非常に高い弾性率を達成しなかった。

Claims (21)

  1. プレッシャーレスポリマーパイプにおいて
    該ポリマーパイプが、プロピレンベースポリマーを含むプロピレンポリマー組成物により製造され、
    プロピレンベースポリマーが、
    2以上の連続段階において製造された多峰形のプロピレンホモポリマーのマトリックスおよびプロピレンと少なくとも1種のオレフィンコモノマーとのエラストマーコポリマーの分散相を有する異相プロピレンコポリマーであり;
    該異相プロピレンコポリマーの重量に基づき2〜7重量%のコモノマー含量を有し;
    ISO 1133 C4に従って決定されるメルトフローレートMFR(2/230) 0.1〜2.0g/10分を有し;
    200℃で測定されるレオロジー剪断減粘性指数(SHI0/50)9〜30により定義される広い分子量分布を有し;
    1mm/分および23℃にて、ISO 527-2/1Bにしたがって決定される引張り弾性率少なくとも1800MPaを有し;
    ISO 179/1eAに従って決定される衝撃強度が0℃にて少なくとも6kJ/m2および-20℃にて少なくとも2 kJ/m2の値を有し、
    ロピレンポリマー組成物が、核形成剤を含み、
    異相プロピレンコポリマーが、4〜10重量%のキシレン可溶性物質含量(XS)を有し、かつ
    パイプが、直径110mmおよび壁厚4mmを有するパイプについて23℃にてEN ISO 9969に従い決定される環剛性から計算される、少なくとも1800MPaのE弾性率を有し、該計算が、式(I):
    [数1]
    E = 環剛性 x 12 x [(D−t) /t]3 (I)
    (ここで、EはMPaで表した弾性率であり、
    Dはmmで表したパイプの外径であり、かつ
    tは、mmで表したパイプの壁厚である)
    に従ってなされる、
    ことを特徴とするプレッシャーレスポリマーパイプ。
  2. オレフィンコモノマーが、エチレンおよびC4〜C10-αオレフィンからなる群より選択される少なくとも1種のオレフィンである請求項1記載のパイプ。
  3. コモノマーがエチレンである請求項1または2記載のパイプ。
  4. プロピレンポリマー組成物が、添加剤、充填剤および強化剤から選択される補助剤を含む請求項1〜3のいずれか1項記載のパイプ。
  5. 組成物が、タルクを30重量%までの量で含む請求項記載のパイプ。
  6. プロピレンベースポリマーが、2500MPaまでの引張り弾性率を有する請求項1〜のいずれか1項記載のパイプ。
  7. 異相プロピレンコポリマーが、0.2〜0.5g/10分のメルトフローレートMFR (2/230) を有する請求項1〜のいずれか1項記載のパイプ。
  8. パイプが、32mm/3.0mmまたは110mm/4.0mmの外径/壁厚を有するパイプについて、水条件下で、EN 921に従い決定されるパイプの耐圧性が4.2MPa/80℃で200時間超および2.5MPa/95℃で1500時間超である値を有する請求項1〜のいずれか1項記載のパイプ。
  9. プレッシャーレスポリマーパイプのためのプロピレンポリマー組成物において、
    該プロピレンポリマー組成物が、プロピレンベースポリマーを含み、
    プロピレンベースポリマーが、
    2以上の連続段階において製造された多峰形のプロピレンホモポリマーのマトリックスおよびプロピレンと少なくとも1種のオレフィンコモノマーとのエラストマーコポリマーの分散相を含む異相プロピレンコポリマーであり;
    該異相プロピレンコポリマーの重量に基づき2〜7重量%のコモノマー含量を有し;
    ISO 1133 C4に従って決定されるメルトフローレートMFR(2/230) 0.1〜2.0g/10分を有し;
    200℃で測定されるレオロジー剪断減粘性指数(SHI0/50)9〜30により定義される広い分子量分布を有し;
    1mm/分および23℃にて、ISO 527-2/1Bにしたがって決定される引張り弾性率少なくとも1800MPaを有し;
    ISO 179/1eAに従って決定される衝撃強度が0℃にて少なくとも6kJ/m2および-20℃にて少なくとも2kJ/m2である値を有し、
    プロピレンポリマー組成物が、核形成剤を含み、かつ
    異相プロピレンコポリマーが、4〜10重量%のキシレン可溶性物質含量(XS)を有する
    ことを特徴とする、プレッシャーレスポリマーパイプのためのプロピレンポリマー組成物。
  10. オレフィンコモノマーが、エチレンおよびC4〜C10-αオレフィンからなる群より選択される少なくとも1種のオレフィンである請求項記載の組成物。
  11. オレフィンコモノマーがエチレンである請求項または10記載の組成物。
  12. 組成物が、添加剤、充填剤および強化剤から選択される補助剤を含む請求項11のいずれか1項記載の組成物。
  13. 異相プロピレンコポリマーが、0.2〜0.5g/10分のメルトフローレートMFR (2/230) を有する請求項12のいずれか1項記載の組成物。
  14. プレッシャーレスポリマーパイプのためのポリマー組成物を製造する方法であって、電子ドナーを含む立体特異的なチーグラー-ナッタ触媒の存在下で、
    (i) 少なくとも1つのループ反応器中で、少なくとも80℃の温度および4600〜10,000kPaの圧力にてプロピレンホモポリマーマトリックスを、かつ
    (ii) 少なくとも1つの気相反応器中で、工程(i)より低い温度で、プロピレンおよび少なくとも1種のオレフィンコモノマーのエラストマーコポリマーを
    重合して、該プロピレンホモポリマーのマトリックスおよび該エラストマープロピレンコポリマーの分散相を含む異相プロピレンコポリマーのベースポリマーを得、ここで(i)の段階は2以上の連続段階において行われ、製造されたプロピレンホモポリマーは多峰形である;該異相プロピレンコポリマーが、
    異相プロピレンコポリマーの重量に基づいて2〜7重量%のコモノマー含量を有し、
    ISO 1133 C4に従って決定されるメルトフローレートMFR(2/230)0.1〜2.0g/10分を有し;
    200℃で測定されるレオロジー剪断減粘性指数(SHI0/50)9〜30により定義される広い分子量分布を有し;
    1mm/分および23℃にて、ISO 527-2/1Bにしたがって決定される引張り弾性率少なくとも1800MPaを有し;
    ISO 179/1eAに従って決定される衝撃強度が0℃にて少なくとも6kJ/m2および-20℃にて少なくとも2 kJ/m2の値を有し、
    プロピレンポリマー組成物が、核形成剤を含み、かつ
    異相プロピレンコポリマーが、4〜10重量%のキシレン可溶性物質含量(XS)を有する
    ことを特徴とする方法。
  15. 該少なくとも1種のオレフィンコモノマーが、エチレンおよびC4〜C10-αオレフィンからなる群より選択される請求項14記載の方法。
  16. オレフィンコモノマーがエチレンである請求項14または15記載の方法。
  17. 工程(i)が、ループ反応器および気相反応器での逐次重合を含む請求項1416のいずれか1項記載の方法。
  18. ループ反応器での重合が、超臨界条件下で行われる請求項1417のいずれか1項記載の方法。
  19. ループ反応器での重合が、92〜100℃の温度および4,600〜10,000kPaの圧力で行われる請求項18記載の方法。
  20. 工程(ii)における重合が、40〜90℃の温度および500〜3,000kPaの圧力で行われる請求項1419のいずれか1項記載の方法。
  21. 工程(i)の気相反応器における重合が、50〜115℃の温度および500〜5,000kPaの圧力で行われる請求項1720のいずれか1項記載の方法。
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