JP4999241B2 - プリント配線基板用白色積層板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、発光ダイオードを実装するプリント配線基板用白色積層板に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器は、携帯電話、カメラ一体型VTR、携帯CD、MDプレーヤー等に見られるように、軽量化、薄型化が進んでいる。
【0003】
また、外観、操作性や視認性等の付加価値が求められるようになっており、特に、青色、白色の発光ダイオードの需要が増加している。
【0004】
そして、この発光ダイオードについても、電子機器の小型、薄型化からチップLEDが使用されるようになっている。
【0005】
ところで、LED素子を載せるプリント配線基板としては、従来、熱硬化性樹脂を含浸したシート状ガラス繊維基材の層を加熱加圧成形した積層板が使用されているが、特に、青色、白色のチップLEDでは、可視短波長領域(紫〜青色)の反射が重要であり、熱硬化性樹脂に着色顔料として酸化チタンを含有させて反射率を高めた白色のものが使用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、熱硬化性樹脂に着色顔料として酸化チタンを含有させた従来のプリント配線基板用白色積層板は、使用時又は加工時の加熱による反射率低下があり、特に可視短波長領域である青色の反射率低下が大きく、チップLEDとして、青色領域の発光量が低下するという問題があった。特に、発光色が黄色味を帯びるという問題があった。
【0007】
そこで、この発明は、可視短波長領域、特に青色の反射率が高く、しかも加熱による変色が少ないプリント配線基板用白色積層板を得ることを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るプリント配線基板用白色積層板は、シート状ガラス繊維基材に、熱硬化性樹脂を含浸したプリプレグの層を加熱加圧成形した積層板からなり、上記熱硬化性樹脂に、着色顔料として酸化チタン及びアルミナを含有させたものであり、加熱加圧成形の際に、表面に銅箔等の金属箔を一体化してもよい。
【0009】
即ち、この発明は、着色顔料として、酸化チタンのみではなく、アルミナを併用するものであり、酸化チタンのみを使用する場合よりも、可視短波長領域、特に青色の反射率が高く、しかも加熱による変色が少ないということを見出したのである。
【0010】
この発明に係るプリント配線基板用白色積層板は、上記のように、熱硬化性樹脂を含浸したシート状ガラス繊維基材の層を加熱加圧成形した積層板からなるが、積層板のうち、着色顔料を含有させる層を表層だけに使用するようにしてもよい。
【0011】
上記シート状ガラス繊維基材としては、ガラスクロス、不織布のいずれでもよく、ガラスクロスと不織布とを併用してもよい。ガラスクロスの場合、平織り構造を基本とするが、ななこ織り、繻子織り、綾織り等の織物構造でもよく、経糸と緯糸の交差部の隙間が小さい織り構造を使用することが望ましい。
【0012】
また、シート状ガラス繊維基材に、シランカップリング剤等による表面処理を行ってもよい。シート状ガラス繊維基材自身が着色されたものでもよい。
【0013】
上記シート状ガラス繊維基材に含浸させる熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂を採用することができる。また、エポキシ樹脂の他、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、BT樹脂、シアネート樹脂等の熱硬化性樹脂を使用することもできるが、耐熱性の高い樹脂を使用することが好ましい。
【0014】
また、シート状ガラス繊維基材に含浸させる熱硬化性樹脂には、上記着色顔料以外に、他の充填剤を添加してもよい。
【0015】
この発明において、着色顔料の含有量は、熱硬化性樹脂に対して、10〜75重量%程度である。熱硬化性樹脂に対して10重量%未満であると、十分な反射率が得られず、反対に75重量%以上であると、銅箔との接着強度が低下する。
【0016】
また、着色顔料中のアルミナ添加量は、5〜70重量%であり、5%未満では青色に対する反射率向上の効果がなく、70重量%以上にすると、可視短波長領域全体での反射率が低下する。
【0017】
着色顔料の酸化チタンの結晶構造は、ルチル型、アナタース型のいずれでもよいが、アナタース型の方が可視短波長領域での反射率が良好である。
【0018】
【発明の実施の形態】
[実施例1]
以下の組成にて白色エポキシワニスを作成した。
Figure 0004999241
この白色エポキシワニスを日東紡製0.1mm厚ガラスクロスWEA−116Eに含浸・予備乾燥し、樹脂組成物含有量50%のプリプレグシートを得た。
このプリプレグを2枚積層し、その上下に18μm厚さの銅箔を重ね、圧力40kgf/cm2、温度170℃で加熱加圧して、0.2mm厚の銅張り積層板を得た。
【0019】
[実施例2]
白色エポキシワニスの着色顔料を次のように変え、他は実施例1と同様にして銅張り積層板を得た。
Figure 0004999241
【0020】
[実施例3]
白色エポキシワニスの着色顔料を次のように変え、他は実施例1と同様にして銅張り積層板を得た。
Figure 0004999241
【0021】
[実施例4]
白色エポキシワニスの着色顔料を次のように変え、他は実施例1と同様にして銅張り積層板を得た。
Figure 0004999241
【0022】
[比較例1]
白色エポキシワニスの着色顔料を次のように変え、他は実施例1と同様にして銅張り積層板を得た。
Figure 0004999241
【0023】
[比較例2]
白色エポキシワニスの着色顔料を次のように変え、他は実施例1と同様にして銅張り積層板を得た。
Figure 0004999241
【0024】
[比較例3]
白色エポキシワニスの着色顔料を次のように変え、他は実施例1と同様にして銅張り積層板を得た。
Figure 0004999241
【0025】
[比較例4]
白色エポキシワニスの着色顔料を次のように変え、他は実施例1と同様にして銅張り積層板を得た。
Figure 0004999241
【0026】
[効果確認試験]
上記実施例1〜4、比較例1〜4の各積層板について、470nm(青色)の光の光反射率測定を行った。光反射率は、各積層板を5×5cmにカットした試験片を、190℃の恒温槽内に2時間放置した後、分光光度計を使用してJIS
Z 8722に基づき測定した。
【0027】
その結果は、表1の通りであり、実施例1〜4は、470nm(青色)の光反射率が比較例1〜4よりも高いことが確認できた。また、実施例1〜4の積層板は、加熱後の変色も比較例1〜4に比べ少なかった。
【0028】
【表1】
Figure 0004999241
【0029】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、可視短波長領域、特に青色の反射率が高く、しかも加熱による変色が少ないプリント配線基板用白色積層板を得ることができる。

Claims (2)

  1. 熱硬化性樹脂を含浸したシート状ガラス繊維基材の層を加熱加圧成形した積層板からなり、上記熱硬化性樹脂に、着色顔料として含有させた酸化チタン及びアルミナからなる顔料中のアルミナの添加量が24〜67重量%であるプリント配線基板用白色積層板。
  2. 上記着色顔料の酸化チタンがアナタース型である請求項1記載のプリント配線基板用白色積層板。
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