JP4999040B2 - 圧電膜積層構造体およびその製造方法 - Google Patents

圧電膜積層構造体およびその製造方法 Download PDF

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本発明は、金属基板に圧電セラミックス層を形成してなる圧電膜積層構造体に関し、特に圧電アクチュエータや圧電センサー等の圧電デバイスに好適な圧電膜積層構造体およびその製造方法に関する。
ジルコン酸チタン酸鉛系の磁器組成物(以下、PZTという)は、優れた圧電特性を有するため、従来からアクチュエータ、センサー、フィルタ等の圧電デバイスとして幅広い分野で利用されている。また、Pb(Ni1/3Nb2/3)O3やPb(Sb1/2Nb1/2)O3あるいはPb(Zn1/3Nb2/3)O3などの複合ペロブスカイト化合物をPZTに固溶させることで、圧電特性をさらに向上させることができることも広く知られており、PZTを始めとする、鉛を含有する圧電セラミックスは、現在の電子部品を構成する主要な材料の一つとなっている。
近年、シリコンを初めとする金属、ガラス、あるいはセラミックスの基板を、エッチング法等により微細加工するとともに、PZTの圧電特性を複合してマイクロセンサーやマイクロアクチュエータ等を微小なデバイスとするMicro Electro Mechanical Systems(以下、MEMSという)を開発しようとする試みが活発に行われている。
圧電セラミックスをMEMSに応用するためには、金属やセラミックスの基板上に圧電セラミックス層を形成する技術が必要になる。現在、この圧電セラミックス層の形成方法としては、スパッタリング法、ゾルゲル法、MOCVD法等の技術が実用化されている。これらの方法で圧電セラミックス層を形成する場合には、形成中、もしくは形成後に700℃程度で加熱する必要がある。このとき、圧電セラミックス層の鉛成分と基板材料との反応を抑制する技術や、基板材料と圧電セラミックス層との密着強度を上げるために、Pt/Ti/SiO2等の複合層を基板材料と圧電セラミックス層の間に、中間層として形成する技術が知られている。
また、前記基板に形成した圧電セラミックス層を、アクチュエータとして利用する場合には、アクチュエータの発生力や変位量を大きくするために、約10μm以上の圧電セラミックス層の厚さが必要となる。しかし、前述のスパッタリング法、ゾルゲル法、MOCVD法等では、成膜速度が遅く、量産性、経済性を考慮すると、数μm程度の厚さの圧電セラミックス層しか得られず、主にセンサーやフィルタ用振動子として使用されるに止まり、アクチュエータとして応用することはできなかった。
そこで、10μm以上の圧電セラミックス層を成形する技術として、エアロゾルデポジション法(以下、AD法とよぶ)と呼ばれる成膜方法の検討がなされている。そして、このAD法を用いて、粒子径、噴射速度などを制御し、基板材料と圧電セラミックス層の界面にアンカーを形成して、常温で緻密な膜を形成し、基板材料と圧電セラミックス層とを強固に接合する提案や、10μm以上の圧電セラミックス層を、Pt/Ti/SiO2/Si基板や安価なステンレス基板の上に高速かつ常温で形成する提案がなされている。このようなAD法を用いて形成する圧電膜積層構造体およびその製造方法は特許文献1に開示されている。
しかしながら、AD法による圧電セラミックス層の形成は、亜音速まで加速された超微粒子あるいは微粒子が基板に衝突することで、運動エネルギーが熱エネルギーに変換され、この熱エネルギーにより粒子が一体化するという原理に基づいている。そのため、成膜時に発生する内部応力や各種損傷が原因で、成膜後のPZT厚膜の圧電特性は、通常の焼結法による圧電セラミックスに比べて非常に劣るという問題点がある。
この問題点を解決するために、AD法により圧電セラミックス層を形成した後に熱処理を加えることが有効であり、Pt/Al23基板に厚さ30μmの圧電セラミックス層を形成後、大気中で600℃以上の熱処理を加えることで、圧電特性を向上させ、850℃の熱処理で焼結セラミックスと同等の圧電特性を得る提案がなされている。このようなAD法を用いて圧電セラミックス層を形成する圧電膜積層構造体およびその製造方法は、非特許文献1に開示されている。
特開2002−235181号公報 ULVAC TECHNICAL JOURNAL No.57.p
前述の方法によれば、圧電特性の優れた圧電セラミックス層を基板上に形成することが可能ではあるが、ステンレスなどの安価な金属材料を基板とした場合、熱処理中に基板が酸化し、基板材料と鉛とが反応するなどして圧電特性が低下する。そのため、600℃以上の温度で熱処理する場合にはステンレスなどの基板と圧電膜の間に拡散バリア層としてAl23、ZrO2、MgOなどの酸化膜を形成しさらにその上に電極として金属膜を形成するのが一般的である。
しかしながら金属基板上に、Al23、ZrO2、MgOなどの酸化膜を中間層として形成した場合には、600℃以上の熱処理により界面の密着力が低下してハクリや、クラックが発生してしまうという問題点がある。
また、このような中間層を形成した基板上に、圧電セラミックス層を形成したアクチュエータでは連続駆動により界面の強度低下によるハクリやクラックなどが発生して信頼性が低下するという問題点がある。
従って、本発明は、上記従来技術の問題点を解決することを課題とする。具体的には圧電セラミックス層形成時の熱処理時や、アクチュエータとしての連続駆動時に、基板材料と圧電セラミックス層との接合界面の強度低下によるハクリやクラックなどが発生しない、高信頼性を有する圧電特性の優れた圧電膜積層構造体とその製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、前記課題を解決するために、以下の手段を採用した。即ち、本発明は、基板材料として、耐蝕性に優れたFeとCrを主成分として含む金属材料に、500℃以上1000℃以下において一般に知られている、酸化物の標準生成自由エネルギーがCrよりも小さい元素(以下、添加元素という)を1種類以上含有させた金属基板を使用し、熱処理によって、前記金属基板の上に前記添加元素を含有する拡散層を形成することにより、前記金属材料に含有するCrの拡散が抑えられ、圧電セラミックス層への特性劣化の影響が抑制される、圧電膜積層構造体とすることをその要旨とする。
本発明によれば、金属基板と、第1の中間層と、圧電セラミックス層とからなる圧電膜積層構造体であって、前記金属基板は、FeとCrを主成分とし、且つ、添加元素を1種類以上含有し、前記添加元素の含有率が3〜10%であり、前記第1の中間層は、前記金属基板と前記圧電セラミックス層との間にあって、前記金属基板から拡散してなる前記添加元素を少なくとも1種類以上含有する拡散層であることを特徴とする圧電膜積層構造体が得られる。
本発明は、金属基板として、FeとCrを主成分として含有する金属材料からなり、例えば、ステンレス鋼等に既に含有されているFeとCr等の元素以外であって、前記添加元素を1種類以上含有させた金属材料を用いる。前記添加元素は、前記金属基板を熱処理することにより、その他の元素や酸素と結合しやすく、Crと較べて、表面に拡散しやすい性質があり、前記第1の中間層を形成するのに適している。
FeとCrを主成分とする金属材料に添加する元素は、金属の特性の1つである、酸化物の標準生成自由エネルギーが、500℃以上1000℃以下において、Crよりも小さく、かつ母材に固溶し圧電セラミックス層中のPbと反応しないことが望ましく、具体的にはAl、Mg、Zrなどが適している。
圧電セラミックス層は圧電性を有する磁器組成物であって、特に鉛を含有するPZTが適している。本発明による圧電膜積層構造体は、前記金属基板と圧電セラミックス層との間に、熱処理によって拡散する前記添加元素を含有する拡散層を第1の中間層として、3層構造を成す。
一般に、FeとCrを主成分とするが、前記添加元素を含まない金属を熱処理すると、Crがその他の元素や酸素と結合して表面に拡散する。このCrは圧電セラミックス層が鉛を含んでいる場合、その鉛と結合して圧電セラミックス層の圧電特性を著しく劣化させる。本発明では、前記添加元素を使用する金属基板の金属材料に含ませることで、前記元素がCrの拡散を抑制し、圧電セラミックス層の圧電特性の劣化も抑えられる。
前記第1の中間層は、前記添加元素を含有する化合物からなる層を前記添加元素を含まない金属基板上に独立形成した層とは違い、前述の如く金属基板内部から表面に熱処理によって前記添加元素を拡散させて形成した層である。この層は金属基板上に熱処理によって成長させる層であるため、従来技術に較べて密着強度が高い。従って、圧電セラミックス層の圧電特性の劣化を抑えるだけでなく、金属基板と圧電セラミックス層との結合力も向上する。
また、前記第1の中間層は、熱処理によって前記金属基板の表面から外に向かって前記添加元素の酸化物が次第に増加し、前記添加元素の酸化物が主となる部分が形成される。なお、前記金属基板に予め熱処理をして第1の中間層を形成した金属基板の上に圧電セラミックス層を形成しても、圧電セラミックス層を金属基板上に形成してから熱処理しても、同様の効果が得られるが、第1の中間層における前記添加元素の酸化物を主とする部分の分布は変化する。即ち、前者の場合、第1の中間層は、金属基板近傍に拡散した前記添加元素の酸化物の分散部と、圧電セラミックス層近傍に拡散した前記添加元素の酸化物の分散部との間に、前記添加元素の酸化物が主となる部分が形成され、拡散層を形成する。
また、本発明によれば、金属基板と第1の中間層と第2の中間層と圧電セラミックス層からなる圧電膜積層構造体であって、前記金属基板は、FeとCrを主成分とし、且つ、添加元素を1種類以上含有し、前記添加元素の含有率が3〜10%であり、前記第1の中間層は、前記金属基板と第2の中間層との間にあって、前記金属基板から拡散してなる前記添加元素を少なくとも1種類以上含有する拡散層からなり、前記第2の中間層は前記第1の中間層と前記圧電セラミックス層との間にあって、銅または白金族金属のいずれかからなることを特徴とする圧電膜積層構造体が得られる。
本発明は、第2の中間層として、銅または白金族金属のいずれかの層を、圧電セラミックス層と前記添加元素を含有する拡散層である第1の中間層との間に形成することにより、電極として使用できるようにするものである。もちろん、前述の如く、第2の中間層を設けない場合でも前記添加元素を含有する拡散層自体が電極として利用できるが、別に第2の中間層を設けて、電気抵抗の小さい金属層を設けたほうがより好ましい。また、第2の中間層には、銅の他に、金、銀、パラジウム等の白金族金属や白金族金属の合金等が適している。
本発明によれば、金属基板と第1の中間層と第2の中間層と第3の中間層と圧電セラミックス層からなる圧電膜積層構造体であって、前記金属基板は、FeとCrを主成分とし、且つ、添加元素を1種類以上含有し、前記添加元素の含有率が3〜10%であり、前記第1の中間層は、前記金属基板と第3の中間層との間にあって、前記金属基板から拡散してなる前記添加元素を少なくとも1種類以上含有する拡散層からなり、前記第3の中間層は前記第1の中間層と前記第2の中間層との間にあって、金属酸化物からなり、前記第2の中間層は前記第3の中間層と前記圧電セラミックス層との間にあって、銅または白金族金属のいずれかからなることを特徴とする圧電膜積層構造体が得られる。
本発明は、第3の中間層を前記第1の中間層と前記第2の中間層の間に設ける。前記第3の中間層は、前記第1の中間層と前記第2の中間層をより強固に結合させるための層であり、膜の形成がしやすい金属酸化物が適している。さらにAl23、ZrO2、MgO等は、前記第1の中間層と前記第2の中間層と結合しやすい金属酸化物としてより適している。
本発明によれば、金属基板と第1の中間層と圧電セラミックス層からなる圧電膜積層構造体であって、前記金属基板は、FeとCrを主成分とし、且つ、添加元素を1種類以上含有し、前記添加元素の含有率が3〜10%であり、前記第1の中間層は、前記金属基板と前記圧電セラミックス層との間にあって、前記金属基板から拡散してなる前記添加元素を少なくとも1種類以上含有する拡散層からなる圧電膜積層構造体の製造方法であって、前記金属基板上に、前記圧電セラミックス層を形成した後に、前記金属基板が含有する前記元素を熱処理により拡散させ前記第1の中間層を形成することを特徴とする圧電膜積層構造体の製造方法が得られる。
本発明による圧電膜積層構造体の製造方法は、前記金属基板上にAD法により、前記圧電セラミックス層を形成する。その後、熱処理を行うことで、前記金属基板に含有している前記添加元素を拡散させることで、前記添加元素を含有する拡散層となる前記第1の中間層を形成することができ、三層構造を成す圧電膜積層構造体が製造できる。
本発明によれば、金属基板と第1の中間層と圧電セラミックス層からなる圧電膜積層構造体であって、前記金属基板は、FeとCrを主成分とし、且つ、添加元素を1種類以上含有し、前記第1の中間層は、前記金属基板と前記圧電セラミックス層との間にあって、前記金属基板から拡散してなる前記添加元素を少なくとも1種類以上含有する拡散層からなる圧電膜積層構造体の製造方法であって、前記金属基板が含有する前記添加元素を熱処理により拡散させ前記第1の中間層を形成した後、前記第1の中間層上に、前記圧電セラミックス層を形成し、さらにその後、熱処理をすることを特徴とする圧電膜積層構造体の製造方法が得られる。
本発明による圧電膜積層構造体の製造方法では、前記金属基板に予め熱処理を施すことにより、前記金属基板に含有している前記添加元素を拡散させて、第1の中間層となる前記添加元素を含有する拡散層を形成する。その後、拡散層の上に前記AD法により、前記圧電セラミックス層を形成し、再度熱処理を施すことで、三層構造を成す圧電膜積層構造体が製造できる。
本発明によれば、金属基板と第1の中間層と第2の中間層と圧電セラミックス層からなる圧電膜積層構造体であって、前記金属基板は、FeとCrを主成分とし、且つ、添加元素を1種類以上含有し、前記第1の中間層は、前記金属基板と第2の中間層との間にあって、前記金属基板から拡散してなる前記添加元素を少なくとも1種類以上含有する拡散層からなり、前記第2の中間層は前記第1の中間層と前記圧電セラミックス層との間にあって、銅または白金族金属のいずれかからなる圧電膜積層構造体の製造方法であって、前記金属基板が含有する前記添加元素を熱処理により拡散させ前記第1の中間層を形成した後、前記第1の中間層上に、前記第2の中間層を形成しさらに、前記第2の中間層上に前記圧電セラミックス層を形成し、その後熱処理をすることを特徴とする圧電膜積層構造体の製造方法が得られる。
本発明による圧電膜積層構造体の製造方法では、前記金属基板に予め熱処理を施すことにより、前記金属基板に含有している前記添加元素を拡散させて、第1の中間層となる前記添加元素を含有する拡散層を形成する。その後、前記拡散層の上に前記第2の中間層を形成し、さらに前記第2の中間層の上に、AD法を用いて、前記圧電セラミックス層を形成し、再度熱処理を施すことで、四層構造を成す圧電膜積層構造体が製造できる。
本発明によれば、金属基板と第1の中間層と第2の中間層と第3の中間層と圧電セラミックス層からなる圧電膜積層構造体であって、前記金属基板は、FeとCrを主成分とし、且つ、添加元素を1種類以上含有し、前記第1の中間層は、前記金属基板と第3の中間層との間にあって、前記金属基板から拡散してなる前記添加元素を少なくとも1種類以上含有する拡散層からなり、前記第3の中間層は前記第1の中間層と前記第2の中間層との間にあって、金属酸化物からなり、前記第2の中間層は前記第3の中間層と前記圧電セラミックス層との間にあって、銅または白金族金属のいずれかからなる圧電膜積層構造体の製造方法であって、前記金属基板が含有する前記添加元素を熱処理により拡散させ前記第1の中間層を形成した後、前記第1の中間層上に、前記第3の中間層を形成し、続けて前記第3の中間層上に前記第2の中間層を形成し、さらに、前記第2の中間層上に前記圧電セラミックス層を形成し、その後熱処理をすることを特徴とする圧電膜積層構造体の製造方法が得られる。
本発明による圧電膜積層構造体の製造方法では、前記金属基板に予め熱処理を施すことにより、前記金属基板に含有している前記添加元素を拡散させて、第1の中間層となる前記添加元素を含有する拡散層を形成する。その後、前記拡散層の上に前記第3の中間層を形成し、さらに前記第3の中間層の上に前記第2の中間層を形成する。その後、AD法を用いて、前記第2の中間層の上に前記圧電セラミックス層を形成し、再度熱処理を施すことで、五層構造を成す圧電膜積層構造体が製造できる。
本発明によれば、前記添加元素がAlであることを特徴とする圧電膜積層構造体が得られる。本発明は、FeとCrを主成分とする前記金属基板に含有させる前記添加元素をAlとすることにより、その他の元素以上に、よりCrの拡散を抑制し、圧電セラミックス層の圧電特性の劣化が少ない圧電膜積層構造体となる。
本発明によれば、前記添加元素がAlであることを特徴とする圧電膜積層構造体の製造方法が得られる。前記添加元素をAlとすることで、前記第1の中間層の形成がその他の元素に比べより容易となり、製造しやすい製造方法となる。
本発明によれば、前記圧電セラミックス層をAD法により形成することを特徴とする圧電膜積層構造体の製造方法が得られる。圧電セラミックス層の形成には、スパッタリング法、ゾルゲル法、MOCVD法或いは印刷法等も利用できるが、厚さが10μm以上の圧電セラミックス層が短時間に形成できる点ではAD法が適している。
前記の如く、本発明によれば、PZT膜形成時の熱処理時やアクチュエータとしての連続駆動時に、基板材料とPZT膜との接合界面の強度低下によるハクリやクラックなどが発生しない、高信頼性を有する圧電特性の優れた圧電膜積層構造体とその製造方法の提供が可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明による圧電膜積層構造体を示す概略図である。本発明による圧電膜積層構造体5は、金属基板1の上に第1の中間層2を形成し、その上に圧電セラミックス層3を形成して、3層構造にする。さらにアクチュエータとして、駆動する際の電力を供給するための電極4を圧電セラミックス層3の上に形成する。
金属基板1はFeとCrを主成分とし、その他の成分の中に、添加元素である、Alを3〜10%含有する材料を使用する。FeとCrを主成分とする金属材料に添加する元素は、500℃以上1000℃以下における酸化物の標準生成自由エネルギーがCrよりも小さく、かつ母材に固溶し圧電膜中のPbと反応しないことが望ましく、具体的にはAlの他にもMg、Zr等が適している。
第1の中間層2は、金属基板1との境界面近傍のAl23やその他の成分が混在する部分Aと、圧電セラミックス層3との界面近傍のAl23を主とする部分Bとに大別される。第1の中間層2の厚さは20nm以上、200nm以下であることが望ましく、50nm前後が適している。圧電セラミックス層3は、AD法により形成することが望ましい。圧電セラミックス層3及び金属基板1の厚さは、例えば、アクチュエータとして使用する場合には、要求される変位量や発生力を考慮し、適宜設計すれば良い。
図2は、本発明による圧電膜積層構造体を示す概略図である。図2に示す本発明による圧電膜積層構造体7は、金属基板1の上に第1の中間層2を形成し、その上に第2の中間層6を形成し、その上に圧電セラミックス層3を形成して、4層構造にする。さらにアクチュエータとして、駆動する際の電力を供給するための電極4を圧電セラミックス層3の上に形成する。
第2の中間層6は、電極4と共に、アクチュエータとして使用する場合には、駆動する際の電力を供給するための電極となり、或いはセンサーとして使用する場合には信号を検出する際に用いる電極となる。そのため、第2の中間層6には、抵抗値の小さい金属が適しており、Cuや、金、白金、パラジウム等の白金族金属がより適している。図2示す圧電膜積層構造体7では、第2の中間層6以外の金属基板1、第1の中間層2、圧電セラミックス層3及び電極4は図1に示した圧電膜積層構造体5に使用した各々同じ材料を使用する。
図3は、本発明による圧電膜積層構造体を示す概略図である。図3に示す本発明による圧電膜積層構造体9は、金属基板1の上に第1の中間層2を形成し、その上に第3の中間層8を形成し、その上に第2の中間層6を形成し、さらにその上に圧電セラミックス層3を形成して、5層構造にする。さらにアクチュエータとして、駆動する際の電力を供給するための電極4を圧電セラミックス層3の上に形成する。
第3の中間層8は、第1の中間層2と第2の中間層6との結合力を上げるために設ける層であり、形成することが容易な金属酸化物が適しており、Al23、ZrO2、MgO等の金属酸化物がより適している。図3示す圧電膜積層構造体9では、第3の中間層8以外の金属基板1、第1の中間層2、第2の中間層6、圧電セラミックス層3及び電極4には、図2で示した圧電膜積層構造体7に使用した各々同じ材料を使用する。
以下、具体的な例を挙げ、本発明の圧電膜構造体及びその製造方法についてさらに詳しく説明する。
(実施例1)
実施例1は、図1に示す構造の圧電膜積層構造体5を作製した。実施例1では、FeとCrを主成分とし、Crを18%、Alを1%、3%、5%、8%、10%含有する長さ25mm、幅1.5mm、厚さ50μmの5種類の金属材料を金属基板1として使用した試料を作製した。また、比較するために、Alを含まず、FeとCrを主成分とし、Crを18%含有する、長さ25mm、幅1.5mm、厚さ50μmの通常のステンレス材料を金属基板1に使用した従来例となる試料も製作した。まず、それぞれの金属基板1をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄し、その表面にAD法で圧電セラミックス層3を10μmの厚さで形成した。
さらに、前記試料を600℃、700℃、800℃、900℃の各水準の温度で熱処理を行いハクリ、クラック発生の有無を確認した。ハクリやクラックの発生がなかった試料に対しては、表面にAuを蒸着でして電極4とし、圧電特性の評価を行った。圧電特性の評価には、圧電セラミックス層3に200℃で40kV/cmの電界を15分間印加して分極処理を施した試料で行った。
図4は、圧電特性の評価方法を示す説明図である。前記試料11の長手方向の端部近傍の固定部15の位置を固定し、カンチレバーの状態にして、発信器14から出力される1Hzのsin波の信号をアンプ13で50V0-Pに増幅し、試料11の電極4に入力する。このとき、矢印16に示す方向に生じる試料11の先端の変位量を一般的なレーザー変位計12を用いて測定した。評価は圧電特性である圧電定数で行い、圧電定数は測定した前記変位量と数1及び数2を用いて計算で求めた。
Figure 0004999040
Figure 0004999040
さらに、実施例1で得られた試料に、前記変位量の測定の状態で、駆動の周波数を1kHzにして各試料に50V0-pの電圧を109回印加して耐久試験を行った。
(実施例2)
実施例2は、図1に示す構造の圧電膜積層構造体5を作製した。実施例2では、実施例1と同じく、FeとCrを主成分とし、Crを18%、Alを1%、3%、5%、8%、10%含有する長さ25mm、幅1.5mm、厚さ50μmの5種類の金属材料を金属基板1として使用した試料を作製した。また、比較するために、Alを含まず、FeとCrを主成分とし、Crを18%含有する長さ25mm、幅1.5mm、厚さ50μmの通常のステンレス材料を金属基板1に使用した従来例となる試料も製作した。実施例2では、実施例1と違い、金属基板1を先に熱処理して、圧電セラミックス膜をその後形成した。まず、それぞれの基板をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄し、大気中で700℃の熱処理を行った。その後、金属基板1の表面にAD法を用いて、圧電セラミックス膜3を10μmの厚さで形成し、圧電膜積層構造体5とした。
上記の実施例2で作製した試料をさらに600℃、700℃、800℃、900℃の各水準の温度で熱処理を行い、ハクリ、クラック発生の有無を確認した。ハクリやクラックの発生がなかった試料に対しては、表面にAuを蒸着で形成し電極4とした。圧電セラミックス層3に200℃で40kV/cmの電界を15分間印加して分極処理を施した試料で、実施例1と同様に、変位量を測定し、圧電定数を前記変位量と数1及び数2を用いて計算で求めた。さらに、実施例1同様に変位量の測定の状態で、駆動の周波数を1kHzにして、各試料に50V0-pの電圧を109回印加して耐久試験を行った。
実施例1及び実施例2で得られた圧電膜積層構造体の、ハクリやクラックの有無、圧電定数及び耐久試験の結果を表1に示す。表1には、使用した金属基板に含有するAlの量と、熱処理温度をパラメータとして示している。また、製作段階でハクリやクラックが発生した試料には×を、発生しなかった試料には○を記した。圧電定数の単位は×10-12m/Vで絶対値を示している。耐久試験の結果は、試験後にハクリやクラックが発生した試料には×を、発生しなかった試料には○を記した。
Figure 0004999040
表1に示す結果から、従来例であるAlを含有しない金属基板を使用した試料は600℃以上の熱処理温度で特性劣化や、ハクリなどが発生したが、FeとCrを主成分としAlを3〜10%含有している金属基板を使用した実施例1及び実施例2による圧電膜積層構造体は、600〜800℃の熱処理でのハクリは起こらず、特性も向上していることがわかる。また、熱処理温度を最適化することで、金属基板に圧電セラミックス層を形成しから熱処理しても、予め金属基板に熱処理を施してから圧電セラミックス層を形成しても、同様の特性が得られることが解る。
さらに、実施例2による圧電膜積層構造体の断面構造観察を行い、Crの拡散、皮膜の組成の分析を行った。図5は、実施例2による圧電膜積層構造体の断面写真であり、図5(a)は電子顕微鏡写真であり、図5(b)は、エネルギー分散型X線組成分析による組成マップ像(EDX)の写真である。また、図6は実施例2による圧電膜積層構造体の断面の組成分析結果を示すグラフである。図5(a)に示す、金属基板1と圧電セラミックス層3の間にある第1の中間層2の近傍をさらに拡大した図5(b)に示すように、第1の中間層2は拡散によるAlの成分を多く含む層が存在していることが確認できる。
図6に示すグラフには、図5(a)に図示した1〜6の各点における成分の分析結果を主要元素ごとにその含有率(%)を縦軸で示している。横軸は1〜6の各点の位置を4を基準にして4からの距離をnm単位で示している。グラフから解るように、金属基板1の表面から圧電セラミックス層3に向かって、Al元素が増加するに従い、Cr元素が減少している。そして圧電セラミックス層3近傍でAl元素の含有量が最大となっている。この第1の中間層2に存在するAl元素は、本実施例1で使用した金属基板1に含有させたAl元素が熱処理によってAl化合物として金属基板1から拡散した層であり、Crの拡散を抑制していることが解る。
(実施例3)
実施例3では、図2に示す構造の圧電膜積層構造体7を作製した。実施例3は、FeとCrを主成分とし、Crを18%、Alを1%、3%、5%、8%、10%含有する長さ25mm、幅1.5mm、厚さ50μmの5種類の金属材料を金属基板1として使用した試料を作製した。また、比較するために、Alを含まず、FeとCrを主成分とし、Crを18%含有する、長さ25mm、幅1.5mm、厚さ50μmの通常のステンレス材料を金属基板1に使用した従来例となる試料も製作した。まず、それぞれの基板をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄し、大気中で750℃、850℃、950℃の熱処理を行った。その後、表面に第2の中間層として、スパッタ法でPt層を形成し、その表面にAD法を用いて、圧電セラミックス層を10μmの厚さで形成した。
(実施例4)
また、実施例4では、図3に示す構造の圧電膜積層構造体9を作製した。実施例4は、FeとCrを主成分とし、Crを18%、Alを1%、3%、5%、8%、10%含有する長さ25mm、幅1.5mm、厚さ50μmの5種類の金属材料を金属基板1として使用した試料を作製した。また、比較するために、Alを含まず、FeとCrを主成分とし、Crを18%含有する、長さ25mm、幅1.5mm、厚さ50μmの通常のステンレス材料を金属基板1に使用した従来例となる試料も製作した。まず、それぞれの基板をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄し、表面に第3の中間層としてZrO2層をスパッタ法で0.3μmの厚さで形成した。その表面に第2の中間層として、スパッタ法でPtを形成し、その後、その表面にAD法を用いて圧電セラミックス層を10μmの厚さで形成した。
上記の実施例3及び実施例4にて作製した試料を600℃、700℃、800℃、900℃の各水準の温度で熱処理を行い、ハクリ発生の有無、およびハクリしなかった試料に関しては表面にAuを蒸着して電極4とし、電気的特性の評価を行った。評価は、実施例1及び実施例2でおこなった評価と同様に、圧電定数は圧電セラミックス層に200℃で40kV/cmの電界を15分間印加して分極処理を施した試料を作製し、試料の片側を固定し、図4に示すようなカンチレバーの状態で先端変位を測定し、数1及び数2を用いて算出した。また、実施例3及び実施例4で得られた試料に、前記変位量の測定の状態で、駆動の周波数を1kHzにして、各試料に50V0-pの電圧を109回印加して耐久試験を行った。
実施例3及び実施例4で得られた圧電膜積層構造体の、ハクリやクラックの有無、圧電定数及び耐久試験の結果を表2に示す。表2には、使用した金属基板に含有するAlの量と、熱処理温度をパラメータとして示している。また、製作段階でハクリやクラックが発生した試料には×を、発生しなかった試料には○を記した。圧電定数の単位は×10-12m/Vで絶対値を示している。耐久試験の結果は、試験後にハクリやクラックが発生した試料には×を、発生しなかった試料には○を記した。尚、表2には、金属基板1の熱処理温度を850℃としたときの結果のみを示す。
Figure 0004999040
表2からわかるように、従来例では600℃以上の熱処理温度で特性劣化や、ハクリなどが発生しているが、FeとCrを主成分としAlを3〜10%含有している金属基板を使用した本発明による圧電膜積層構造体は、600℃以上の熱処理を施しても、圧電特性が劣化せず、耐久性に優れた圧電膜積層構造体となっていることが確認できた。また、金属基板1の熱処理温度を750℃或いは950℃としたときでも同様の結果がえられた。
また、実施例3及び実施例4で得られた圧電膜積層構造体の断面構造の観察及び成分分析をおこなった結果、FeとCrを主成分としAlを3〜10%含有している金属基板を使用した実施例3及び実施例4による圧電膜積層構造体は、金属基板とPt層、或いは、金属基板とZrO2層の間にある第1の中間層にはAlの成分を多く含む層が拡散していることが確認でき、金属基板の表面から外に向かって、Al元素が増加するに従いCr元素が減少し、Crの拡散を抑制してAl23を主とする部分が拡散により形成されることが確認できた。さらに、金属基板とPt層、金属基板とZrO2との密着強度も優れていることが確認でき、特性及び信頼性に優れた圧電膜積層構造体が得られていることが確認できた。
前述の実施例4では、基板上の第3の中間層としてZrO2を選択したが、Al23,MgOでも原理的に同様の効果が期待できる。また、第3の中間層の形成方法としてスパッタ法を選択したがゾルゲル法、CVD法など他の方法で形成しても構わない。
また、本発明による圧電膜積層構造体をアクチュエータとしてではなく、センサー、フィルタ等のデバイスと使用する場合において、圧電セラミックス層の厚さが10μm以下の薄い層でも良い場合には、圧電セラミックス層の形成方法はAD法以外のゾルゲル法、CVD法、印刷法等の工法で形成しても良い。
FeとCrを主成分とする金属材料は、大気中で熱処理すると表面にその含有成分が、酸化物や窒化物の状態で拡散し拡散層を形成する。この拡散層が、金属材料表面上に後から形成したZrO2、Al23、MgOなどの拡散層との密着力を向上させる。従って、FeとCrを主成分とする金属材料に含有させる第3成分はAlに限られず、熱処理により拡散層を形成する元素であればよく、Zr、Mg等でも同様の効果が得られる。また、主成分もFe、Crに限らず、Cuなどの金属を主成分としたAl、Zr、Mgなど熱によって拡散しやすい元素を含有している金属であれば同様の効果が得られる。また、実施例では、添加元素としてAlを3〜10%の範囲で含有する金属基板を使用した例を示したが、Alを10%よりも多く含有する金属基板を使用しても、熱処理温度、時間を適宜設定すれば同様の効果が得られる。本実施例では、FeとCrを主成分とする金属材料にAlを添加元素として添加したが、前記金属材料には、その他の成分として、C,Si,Mn,P,S,Ni,Mo,N,Cu等の元素を含んでいることは言うまでもない。また、Crの量も18%に限定されるものではなく、適宜選定すれば良い。
本発明は、圧電アクチュエータ或いは圧電センサーとして特に微細な圧電デバイスが必要とされるMEMSの分野での利用や、携帯電話機、携帯端末機器等の電子機器、電子装置等に利用できる。
本発明による圧電膜積層構造体を示す概略図。 本発明による圧電膜積層構造体を示す概略図。 本発明による圧電膜積層構造体を示す概略図。 圧電特性の評価方法を示す説明図。 実施例2による圧電膜積層構造体の断面写真。図5(a)は電子顕微鏡写真、図5(b)は、エネルギー分散型X線組成分析による組成マップ像(EDX)の写真。 実施例2による圧電膜積層構造体の断面の組成分析結果を示すグラフ。
符号の説明
1 金属基板
2 第1の中間層
3 圧電セラミックス層
4 電極
5,7,9 圧電膜積層構造体
6 第2の中間層
8 第3の中間層
11 試料
12 レーザー変位計
13 アンプ
14 発信機
15 固定部
16 矢印
A,B 部分

Claims (4)

  1. 金属基板と、第1の中間層と、圧電セラミックス層とからなる圧電膜積層構造体であって、前記金属基板は、FeとCrを主成分とし、且つ、酸化物の標準生成自由エネルギーがCrよりも小さい元素を添加元素として1種類以上含有し、前記添加元素の含有率が3〜10%であり、前記第1の中間層は、前記金属基板と前記圧電セラミックス層との間にあって、前記金属基板から拡散してなる前記添加元素を少なくとも1種類以上含有する拡散層であることを特徴とする圧電膜積層構造体。
  2. 金属基板と、第1の中間層と、第2の中間層と、圧電セラミックス層とからなる圧電膜積層構造体であって、前記金属基板は、FeとCrを主成分とし、且つ、酸化物の標準生成自由エネルギーがCrよりも小さい元素を添加元素として1種類以上含有し、前記添加元素の含有率が3〜10%であり、前記第1の中間層は、前記金属基板と第2の中間層との間にあって、前記金属基板から拡散してなる前記添加元素を少なくとも1種類以上含有する拡散層からなり、前記第2の中間層は、前記第1の中間層と前記圧電セラミックス層との間にあって、銅または白金族金属のいずれかからなることを特徴とする圧電膜積層構造体。
  3. 金属基板と、第1の中間層と、第2の中間層と、第3の中間層と、圧電セラミックス層とからなる圧電膜積層構造体であって、前記金属基板は、FeとCrを主成分とし、且つ、酸化物の標準生成自由エネルギーがCrよりも小さい元素を添加元素として1種類以上含有し、前記添加元素の含有率が3〜10%であり、前記第1の中間層は、前記金属基板と第3の中間層との間にあって、前記金属基板から拡散してなる前記添加元素を少なくとも1種類以上含有する拡散層からなり、前記第3の中間層は前記第1の中間層と前記第2の中間層との間にあって、金属酸化物からなり、前記第2の中間層は前記第3の中間層と前記圧電セラミックス層との間にあって、銅または白金族金属のいずれかからなることを特徴とする圧電膜積層構造体。
  4. 金属基板と、第1の中間層と、圧電セラミックス層とからなる圧電膜積層構造体であって、前記金属基板は、FeとCrを主成分とし、且つ、酸化物の標準生成自由エネルギーがCrよりも小さい元素を添加元素として1種類以上含有し、前記添加元素の含有率が3〜10%であり、前記第1の中間層は、前記金属基板と前記圧電セラミックス層との間にあって、前記金属基板から拡散してなる前記添加元素を少なくとも1種類以上含有する拡散層からなる圧電膜積層構造体の製造方法であって、前記金属基板上に前記圧電セラミックス層を形成した後に、前記金属基板が含有する前記添加元素を熱処理により拡散させ前記第1の中間層を形成することを特徴とする圧電膜積層構造体の製造方法。
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