JP4997829B2 - 半導体素子の製造方法 - Google Patents

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本発明は、半導体素子製造方法に関する。
スイッチングなどで使用され、MOSゲートで制御されるバイポーラデバイスである半導体素子として、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)が知られている。このIGBTは、MOS型の電界効果トランジスタ(MOSFET)のドレーン層のN+型層の更に下層部にP+型層が積層され、このP+型層がコレクタとなっている構成である。このIGBTには、N+型層に重金属が多数含まれていると、例えば150℃程度の高温状態で動作した際に、N+型層の重金属のプロファイルが変化し、飽和電圧が上昇するという問題がある。
一般に、このN+型層の重金属を不活性化させるゲッタリング処理方法として、イントリシックゲッタリング(以下、IG処理)が知られている。このIG処理とは、P+型層の酸素を析出して複数の析出核からなる微小欠陥層(以下、IG層)をP+型層に生成し、このIG層にN+型層の重金属をゲッターして不活性化する方法である。IG処理としては、特公平7−50713号公報(特許文献1)や、特公平2−63296号公報(特許文献2)などの技術が知られている。
ここで、従来のIGBTの製造工程の一例を示す。第一工程では、P+型層を形成する。第二工程では、P+型層の上にN+型層をエピタキシャル成長させる。第三工程では、N+型層の上にN-型ドリフト層をエピタキシャル成長させる。第四工程では、酸化膜をN-型ドリフト層の上に熱形成する。第五工程では、酸化膜の所定場所を除去して、N-型ドリフト層の一部にP+拡散層を熱形成する。第六工程では、N-型ドリフト層およびP+拡散層の上にゲート絶縁膜(酸化膜)を熱形成する。第七工程では、650[℃]程度の温度でポリシリコン層を生膜した後にパターニングを行い、ゲート電極を形成する。第八工程では、P型ベース領域を形成する。第九工程では、1000[℃]程度の環境で、P型ベース領域の内部にN+拡散層を形成するとともに、N-型ドリフト層に逆導通電極に電気的に接続するN+型層を形成する。そして、第九工程以降の工程では、BPSG層や電極を形成し、P+型層を研磨するなどの処理を行っている。
ところで第七工程は、650[℃]程度の温度で行われるため、この工程でP+型層に析出核が形成される。そして、第九工程が1000[℃]程度で行われるため、析出核が成長してIG層が形成され、このIG層がN+型層の重金属をゲッターする。すなわち、従来のIGBTの製造工程の中では、IG処理を行うための工程は設けず、通常の工程の中で生成されるIG層を利用してゲッタリングを行っている。
特公平7−50713号公報 特公平2−63296号公報
IG処理を行ってより多くの重金属をゲッタリングするには、微小欠陥層に存在する析出核が多数必要であるため、IG層を形成する時点でP+層内の酸素濃度が高いことが望ましい。
ところが、一般に1200[℃]程度の高温処理、例えばエピタシシャル成長の際などには、酸素が拡散され酸素濃度が低下することが知られている。すなわちIGBTを製造する際の第二工程乃至第六工程が、高温状態で実施される工程であるため、各工程を経るに従ってP+層の酸素濃度が低下する。このため、P+型層に析出核を形成する第七工程の時点では、既にP+型層内の酸素濃度が低くなっており、析出核を多数生成することが出来ず十分なゲッタリング効果を得られないという問題があった。
本発明は、上記点に鑑み、十分なゲッタリングを可能とする半導体素子製造方法を提供することを目的とする。
請求項に記載の発明は、第1導電型の第1半導体層(11)と、前記第1半導体層(11)に積層され、第2導電型で高不純物濃度の第2半導体層(31)と、前記第2半導体層(31)に積層され、第2導電型で低不純物濃度の第3半導体層(12)と、前記第3半導体層上に構成された素子部とからなる半導体素子の製造方法において、前記第1半導体層(11)の片面に、DZ層(11a)を生成するDZ層生成工程と、前記DZ層(11a)生成工程後に、前記第1半導体層(11)を第一温度まで冷却する冷却工程と、前記冷却工程の後に、第二温度まで前記第1半導体層(11)を加熱し、該第1半導体層(11)に酸素の析出核を析出する析出工程と、前記析出工程の後、前記第1半導体層(11)を第二温度で保温し、前記析出核を成長させて、前記DZ層(11a)となっていなかった部分に、IG層(11b)を形成する成長工程と、前記成長工程後に、前記DZ層(11a)に前記第2半導体層(31)を積層する工程と、前記第2半導体層(31)を積層する工程の後に、前記第2半導体層(31)に前記第3半導体層(12)を積層し、さらに該第3半導体層(12)に前記素子部を形成することを特徴とする。
これによれば、第2半導体層エピタキシャル成長によって第1半導体層の酸素濃度が下がるに、第1半導体層にDZ層IG層を生成することができ、しかも、先に第1半導体層にDZ層を生成しておくことでDZ層の上に第2半導体層をエピタキシャル成長させることができる。このエピタキシャル成長中には、IG層が第2半導体層に含まれる重金属をゲッタリングする。
請求項に記載の発明は、前記第一温度は、500[℃]〜600[℃]の範囲に設定されることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、前記第二温度は、800[℃]〜1050[℃]の範囲に設定されることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、前記析出工程における温度上昇は、1[℃/分]以下の上昇速度に設定されることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、前記成長工程は、30[分]以上行われることを特徴とする。
以下、本発明の基礎とする参考例1から参考3及び本発明に係る実施例1を用いて、本発明を実施するための最良の形態を述べる。
参考例1〕
本発明の基礎とする参考例1では、図1から図8を用いて説明を行う。
図1はIGBTの概要図、図2は図1のA−A線における断面図、図3は図2の枠Bの拡大図である。これらの図1から図3に示すように、IGBTはエミッタ端子とゲート端子とを同じ側の面に備えている。また、図2に示すように、コレクタ端子は、エミッタ端子およびゲート端子とは反対側の面に備えられている。
図2に示すように半導体基板1は、第1導電型の第1半導体層であるP+型層11と、P+型層11の上に形成された第2導電型の第2半導体層であるN+型層31と、第1導電型の第3半導体層であるN+型層31の上に形成されたN-型ドリフト層12とにより構成されている。さらに、このP+型層11は、N+型層31に隣接するDZ層11aと、DZ層11aを介してN+型層31に対向するIG層11bとからなる。なお、図4から図8を用いて後述する製造工程を経ることで、DZ層11aは10〜25[μm]の範囲(望ましくは0〜15[μm])の厚みとなっている。また、IG層11bのBMD密度が3〜5×109[cm-3](望ましくは4×109[cm-3]以上)の範囲となっている。なお、DZ層11aとは、結晶欠陥の少ない(または存在しない)層である。また、BMD密度とは、酸素が析出したことにより発生する結晶欠陥の密度(濃度)を表す。
次に、半導体基板1を、素子領域2と外周領域3とに領域分けして説明する。IGBT素子(素子部)は、素子領域2に形成されている。すなわち、素子領域2では、N-型ドリフト層12の内部に、第1導電型の第4半導体層である複数のP型ベース領域13が互いに離間した状態で設置され、これら複数のP型ベース領域13が、N-型ドリフト層12の表面で、N-型ドリフト層12とのPN接合部を形成している。
さらに図3の拡大図に示すように、これら複数のP型ベース領域13の内部には、第2導電型の第5半導体層である複数のN+型エミッタ領域14が形成され、これら複数のN+型エミッタ領域14が、P型ベース領域13の表面で、P型ベース領域13とのPN接合部を形成している。
また、素子領域2の半導体基板1の表面上には、ゲート絶縁膜15を介して、ゲート電極16が形成されている。さらに、ゲート電極16の上には、層間絶縁膜17を介して、エミッタ電極18が形成されている。このエミッタ電極18は、図1に示すように、略四角形状で半導体基板上に露出していて、内部にエミッタ用ボンディングパッド32を備える。一方、ゲート電極16に電気的に接続するゲート電極用ボンディングパッド33が、エミッタ電極18に隣接して配置されている。
ここからは、半導体基板1の外周領域3について説明する。図2に示すように、N-型ドリフト層12の内部には、逆導通ダイオード22のカソードとなるN+型層20(第6半導体層)が形成されている。このN+型層20は、逆導通電極19を介してコレクタ電極21と電気的に接続されている。この逆導通電極19は、図1に示すように、エミッタ電極18の周囲に、例えば、四角形の枠状に配置されている。
このようにして、N-型ドリフト層12とP型ベース領域13とにより構成された逆導通ダイオード22が、IGBTのエミッタ電極18とコレクタ電極21との間に電気的に接続されている。
また、外周領域3では、N-型ドリフト層12の内部表面側における、素子領域近傍に、P型ベース領域13よりも半導体基板表面からの深さが深いP拡散層38が形成されている。このP拡散層38を設けることにより、P拡散層38が設けられていない場合と比べて、逆導通ダイオード22の耐圧が向上されている。本参考例1では、このP拡散層38とN-型ドリフト層12とによっても、逆導通ダイオード22が構成されている。
このような構成を備えるIGBTは、ゲート電極とコレクタ電極とに正の電圧が印加された際に、コレクタ・エミッタ間がPN接合となり、エミッタからコレクタへ電流が流れる。
次に、上記した構造のIGBTの製造方法について、図4から図8を用いて説明する。なお、図4と、図6から図8は、図2に対応した断面図である。また、本参考例1の製造方法の中では、図5および図6を用いて説明するIG処理工程が、特に大きな特徴がある。なお、IGBT素子(素子部)は、周知の製造方法により製造することができる。
まず、図4(a)および図4(b)に示すように、基板を用意する工程を行う。図4(a)に示す第一工程では、抵抗率が0.001〜0.1[Ω・cm]程度のP+型層11からなる基板をCZ法により生成する。続く、図4(b)に示す第二工程では、窒素ガス雰囲気中で、P+型層11の表面上に、抵抗率が0.02〜0.5[Ω・cm]程度で、厚みが4〜40[μm]程度のN+型層31を、約1200[℃]程度の温度でエピタキシャル形成する。このエピタキシャル形成時に、結晶欠陥の無いDZ層11aが、P+型層11のN+型層31側に15[μm]以下で形成される。
次に、P+型層11の内部にIG層11bを形成し、N+型層31に含まれる重金属をゲッタリングするIG処理工程について説明する。図5は、本IG処理工程における処理温度の時系列変化を表す。この図5に示すように、本IG処理工程は、550[℃]程度で行われる図4(b)のエピタキシャル形成の後に開始される。そして、開始後は、窒素ガス雰囲気中で、P+型層11およびN+型層31を、1[℃/分]の上昇速度で350[分]間加熱し、温度を900[℃]まで上昇させる。すなわち、この350[分]の間に、P+型層11の酸素を析出させ、析出核を生成する。
そして、P+型層11およびN+型層31の温度が900[℃]に到達したら、30[分]の間、温度を900[℃]で維持する。析出した析出核は、この30[分]の間に成長する。そして、図6に示すように、成長した析出核がIG層11bとなり、N+型層31内の重金属をゲッターして不活性化する。なお、IG処理工程は、図4(b)の第二工程に引き続いて、窒素ガス雰囲気中で行われる。また、IG処理工程後に、P+型層11およびN+型層31からなる基板を冷却する必要がある場合には、3[℃/分]の下降速度で冷却する。これにより、基板が急速な収縮によって破損することなく、冷却することができる。
IG処理工程に続く第三工程では、図7(a)に示すように、N+型層31の表面上にN-型ドリフト層12を、1100[℃]〜1200[℃]程度の温度で形成する。
第三工程に続く第四工程では、図7(b)に示すように、800[℃]〜1100[℃]程度の温度で、酸化膜をN-層の上に熱形成する。
第五工程では、図7(c)に示すように、N-型ドリフト層12の内部表面側にP拡散層38をイオン注入法により熱形成する。
第六工程では、図7(d)に示すように、半導体基板1の表面上のうち、素子領域2の形成予定領域上に、ゲート絶縁膜15を形成し、一方、外周領域3の形成予定領域上に、絶縁膜36を形成する。このとき、ゲート絶縁膜15は、少なくともチャネルの形成予定領域上に形成され、絶縁膜36は、少なくともチャネルの形成予定領域とは異なる領域に形成される。また、絶縁膜36は、ゲート絶縁膜15よりも厚くなっており、例えば、LOCOS法により形成される。また、絶縁膜36のうち、N+型層20の形成予定領域上に位置する部分36aを他の部分よりも薄くする。
第七工程では、図8(a)に示すように、半導体基板1の表面上に、ポリシリコンを成膜した後でパターニングし、さらに、パターニングされたポリシリコンに不純物を導入する。これにより、ゲート絶縁膜15の素子領域2の形成予定領域外に、ゲート電極16を形成する。
第八工程では、図8(b)に示すように、ゲート電極16をマスクとしたイオン注入法により、素子領域2の形成予定領域において、N-型ドリフト層12の内部表面側に、P型ベース領域13を形成する。
第九工程では、図8(c)に示すように、Pをイオン注入後、温度を1000[℃]程度として拡散を行う。そして、素子領域2の形成予定領域では、P型ベース領域13の内部表面側にN+型エミッタ領域14を形成するとともに、外周領域3の形成予定領域では、絶縁膜36のうちの薄い部分36aの下側に、N+型層20を形成する。
第九工程以降の工程では、図8(d)に示すように、ゲート電極16の表面上に、BPSG等で構成された層間絶縁膜17を形成するとともに、BPSG等で構成された層間絶縁膜37を形成する。さらに、層間絶縁膜37に、N+型層20の上側部分を形成する。さらに、半導体基板1の表面上に、Al金属膜を成膜し、パターニングすることにより、P型ベース領域13およびN+型エミッタ領域14と接続されたエミッタ電極18と、N+型層20に接続された逆導通電極19を形成する。その後、半導体基板1の裏面側にコレクタ電極21を形成して、図2に示すIGBTを製造することができる。
次に、本参考例1の主な特徴を説明する。第一の効果として、第二工程の後にIG処理工程を設けることで、P+型層11に含まれる酸素が多い段階で、析出核を形成することができる。換言すれば、第三工程などの1100[℃]以上の高温で行われる処理で、P+型層11の酸素が外方拡散してしまう前に、IG処理を行っている。これにより、析出核を多数形成することができるため、BMD密度が4×109[cm-3]以上のIG層11bを形成することができる。また、あわせて、P+型層11の酸素が外方拡散してしまう前にIG処理を行うことで、DZ層11aを15[μm]以下の厚さとすることができ、IG層11bをゲッタリング対象であるN+型層31に近づけることができる。
これらにより、N+型層31の重金属を多数ゲッターでき、ゲッタリング効果が高くなる。
さらに、N+型層31の重金属を多数ゲッターすることができれば、IGBT素子を高温状態(例えば150[℃])で動作する場合において、バルク内部(N+型層31やN-型ドリフト層12)の重金属プロファイルが変化しにくいため、IGBT素子の飽和電圧の上昇を抑制することができる。
また、本参考例1では、ライフタイムコントロールに関して、特段に説明を行わなかったが、ライフタイムコントロールを行う工程を設けても、ライフタイムコントロールを行う工程を設けなかった場合であっても良い。なお、本参考例1ではライフタイムを、P+型層11に入ったホールが、N+型層31において、N-型ドリフト層12からの電子と結合消滅するまでの時間としている。
参考例2〕
図9を用いて本発明の基礎とする参考例2について説明する。この参考例2は、IG処理工程が、参考例1の第四工程に含まれている点で、参考例1と異なる。なお、前述の参考例1と同等の構成については、参考例1と同様の符号を付し、本参考例2における説明を省略する。
第一工程から第三工程を行って、P+型層11にN+型層31が積層され、このN+型層31の上にN-型ドリフト層12が積層された半導体基板1を得る。ただし、この半導体基板1はIG処理を施されていないため、P+型層11にIG層11bを備えていない。
参考例では、この半導体基板1に対して図9に示す処理を行い、N+型層31に含まれる重金属をゲッタリングする。この図9は、本IG処理工程における処理温度の時系列変化を表す。工程開始後は、窒素ガス雰囲気中で、半導体基板1を1[℃/分]の上昇速度で250[分]間加熱し、温度を800[℃]まで上昇させる。すなわち、この250[分]の間に、P+型層11の酸素を析出させ、析出核を生成する。
そして、半導体基板1の温度が800[℃]に到達したら、窒素ガスだけでなく酸素ガスも加えた雰囲気の中で、40[分]の間、温度を800[℃]で維持する。析出した析出核は、この40[分]の間に成長する。そして、成長した析出核がIG層11bとなる。これと同時に、雰囲気中に酸素ガスが含まれるため、N-型ドリフト層12に酸化膜15が積層される。以降の工程は、参考例1の第五工程以降の工程と同一である。
このように、第四工程にIG処理工程を組み込むことで、第五工程以降でIG処理を行う場合に比べて、P+型層11の酸素濃度が高い段階でIG処理を行うことができる。さらに、酸化膜15を積層する時間を利用して析出核を成長させるため、参考例1に比べて全工程に要する時間を短縮することができる。
なお、参考例1のように、半導体基板1を1[℃/分]の上昇速度で350[分]間加熱し、温度を900[℃]まで上昇させ、900[℃]の状態で30[分]の間保温しても良い。
参考例3〕
図10を用いて本発明の基礎とする参考例3について説明する。この参考例3は、IG処理工程が、参考例1の第二工程に含まれている点で、参考例1と異なる。なお、前述の各参考例と同等の構成については、各参考例と同様の符号を付し、本参考例3における説明を省略する。
第一工程でP+型層11を準備した後、エピタキシャル成長炉にて、P+型層11にN+型層31をエピタキシャル成長させる。このエピタキシャル形成時に、結晶欠陥の無いDZ層11aが、P+型層11のN+型層31側に15[μm]以下で形成される。そして、P+型層11とN+型層31とからなる基板をエピタキシャル成長炉に入れたまま、図10に示すように、−1[℃/分]〜−20[℃/分]の冷却速度で、基板の温度を550[℃]程度まで低下させる。その後、窒素ガス雰囲気中で、P+型層11およびN+型層31を、1[℃/分]の上昇速度で500[分]間加熱し、温度を1050[℃]まで上昇させてP+型層11に析出核を生成する。なお、冷却時に、基板の温度を550[℃]よりも低い温度(例えば20[℃])まで冷却しても良いが、一般に析出核は550[℃]程度より高い温度で析出されるため、冷却は550[℃]程度までとしておくことが望ましい。
そして、P+型層11およびN+型層31の温度が1050[℃]に到達したら、30[分]の間、温度を1050[℃]で維持する。析出した析出核は、この30[分]の間に成長する。そして、図6に示すように、成長した析出核がIG層11bとなり、N+型層31内の重金属をゲッターして不活性化する。なお以降の工程は、参考例1の第三工程以降の工程と同一である。
このような工程を経ることで、P+型層11とN+型層31とからなる基板をエピタキシャル成長炉に入れたままIG処理を行うことができる。
なお、本参考例3では、半導体基板1の温度を1050[℃]まで上昇させ、さらに1050[℃]で維持するため、維持時間を30[分]よりも短い時間(例えば25[分])としても、参考例1と同様の作用効果を奏することが可能である。
〔実施例
図11を用いて本発明に係る実施例について説明する。この実施例は、IG処理工程が、参考例1の第二工程の前に行われる点で、参考例1と異なる。なお、前述の各参考例と同等の構成については、各参考例と同様の符号を付し、本実施例における説明を省略する。
第一工程でP+型層11を準備した後、図11に示すDZ層生成工程を行って、P+型層11にDZ層11aを生成する。以下、第一工程が約800[℃]程度で終了したと仮定し、具体的な工程を示す。
第一工程終了後、P+型層11を、9[℃/分]の上昇速度で1150[℃]まで加熱する。その後、1150[℃]の状態を30〜240[分]維持することで、P+型層11の表面にDZ層11aを生成する。その後は、3[℃/分]の下降速度で800[℃]まで冷却する。これにより、表面にDZ層11aが生成されたP+型層11が生成される。
DZ層生成工程の後は、参考例1において図5を用いて説明したIG処理を行い、P+型層11でDZ層11aとなっていなかった部分に、IG層11bを生成する。
IG層11bが生成された後は、参考例1の第二工程を行って、P+型層11の一部であるDZ層11aの上に、N+型層31をエピタキシャル成長させる。第二工程の開始時点で、IG層11bが生成されているため、エピタキシャル成長中にも、IG層11bがN+型層31に含まれる重金属をゲッタリングする。
これにより、P+型層11の酸素濃度が高い段階でIG処理を行うことができる。
〔その他の実施例〕
前述の参考例1から参考3及び実施例1では、第一工程においてP+型層11からなる基板をCZ法により生成していた。CZ法により生成すると、酸素が多数含まれたP+型層11が生成されるため、後工程のIG処理で多数の析出核を生成することができるという効果がある。しかし、結晶欠陥となる酸素がP+型層11に含まれるような方法であれば良いため、CZ法以外の方法、例えばFZ法などで生成されても良い。また、第一工程とIG処理工程との間に、P+型層11に酸素を注入するような工程を設けても良い。この場合、IG処理工程において、多数の析出核を生成することができ、高いBMDのIG層11bを生成することができる。
前述の参考例1から参考3及び実施例1では、窒素ガス雰囲気中でIG層11bを生成したが、真空中でIG層11bを生成しても良い。
本発明の基礎とする参考例1を示すIGBTの平面図である。 参考例1を示す図1のA−A線におけるIGBTの断面図である。 参考例1を示す図2のB枠の拡大図である。 参考例1を示すIGBTの製造工程を示す断面図であり、図4(a)は第一工程、図4(b)は第二工程を表す。 参考例1を示すIG処理工程における処理温度の時系列変化を表す。 参考例1を示すIG処理工程後のP+型層11とN+型層31とからなる基板の断面図である。 参考例1を示すIGBTの製造工程を示す断面図であり、図7(a)は第三工程、図7(b)は第四工程、図7(c)は第五工程、図7(d)は第六工程を表す。 参考例1を示すIGBTの製造工程を示す断面図であり、図8(a)は第七工程、図8(b)は第八工程、図8(c)は第九工程、図8(d)は第九工程以降の工程を表す。 本発明の基礎とする参考例2を示すIG処理工程における処理温度の時系列変化を表す。 本発明の基礎とする参考例3を示すIG処理工程における処理温度の時系列変化を表す。 本発明に係る実施例を示すDZ層生成工程における処理温度の時系列変化を表す。
符号の説明
1 半導体基板
2 素子領域
3 外周領域
11 P+型層
11a DZ層
11b IG層
12 N-型ドリフト層
13 P型ベース領域
14 N+型エミッタ領域
15 ゲート絶縁膜
16 ゲート電極
17 層間絶縁膜
18 エミッタ電極
19 第1逆導通電極
20 N+型層
21 コレクタ電極
22 逆導通ダイオード
31 N+型層
32 エミッタ用ボンディングパッド
33 ゲート電極用ボンディングパッド
36 絶縁膜
37 層間絶縁膜
38 P型領域

Claims (5)

  1. 第1導電型の第1半導体層(11)と、
    前記第1半導体層(11)に積層され、第2導電型で高不純物濃度の第2半導体層(31)と、
    前記第2半導体層(31)に積層され、第2導電型で低不純物濃度の第3半導体層(12)と、
    前記第3半導体層上に構成された素子部とからなる半導体素子の製造方法において、
    前記第1半導体層(11)の片面に、DZ層(11a)を生成するDZ層生成工程と、
    前記DZ層(11a)生成工程後に、前記第1半導体層(11)を第一温度まで冷却する冷却工程と、
    前記冷却工程の後に、第二温度まで前記第1半導体層(11)を加熱し、該第1半導体層(11)に酸素の析出核を析出する析出工程と、
    前記析出工程の後、前記第1半導体層(11)を第二温度で保温し、前記析出核を成長させて、前記DZ層(11a)となっていなかった部分に、IG層(11b)を形成する成長工程と、
    前記成長工程後に、前記DZ層(11a)に前記第2半導体層(31)を積層する工程と、
    前記第2半導体層(31)を積層する工程の後に、前記第2半導体層(31)に前記第3半導体層(12)を積層し、さらに該第3半導体層(12)に前記素子部を形成することを特徴とする半導体素子の製造方法。
  2. 前記第一温度は、500[℃]〜600[℃]の範囲に設定されることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の製造方法。
  3. 前記第二温度は、800[℃]〜1050[℃]の範囲に設定されることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の半導体素子の製造方法。
  4. 前記析出工程における温度上昇は、1[℃/分]以下の上昇速度に設定されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の半導体素子の製造方法。
  5. 前記成長工程は、30[分]以上行われることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の半導体素子の製造方法。
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