JP2006074024A - 炭化珪素半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

炭化珪素半導体装置及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】微細化に適したゲート構造と生産性の高いその製造方法を提供する
【解決手段】ゲート窓6を開口したフィールド絶縁膜3が表面に形成された炭化珪素基板1と、多結晶シリコンからなるゲート電極7との間に、ゲート窓6の底を覆うように設けられた酸化シリコン膜10と窒化シリコン膜11と窒化シリコン熱酸化膜12の三層構造からなるゲート絶縁膜9が挟持され、ゲート電極7と窒化シリコン膜11の側壁にはそれぞれ、多結晶シリコン熱酸化膜8と窒化シリコン側面熱酸化膜13とが設けられ、窒化シリコン膜11の外縁端がゲート電極7の外縁端より外側に位置するように窒化シリコン膜11とゲート電極7とが設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高密度化に適した炭化珪素半導体装置及びその製造方法に関する。
炭化珪素(以下、SiCと略記)半導体は、pn接合の形成が可能で、珪素(シリコン:Si)や砒化ガリウム(GaAs)等の他の半導体に比べて禁制帯幅が広く、3C−SiCで2.23eV、6H−SiCで2.93eV、4H−SiCで3.26eVである。よく知られているように、パワーデバイスのオン抵抗と逆方向耐電圧との間には、原理的に禁制帯幅で規定されるトレードオフ関係があるから、現行のSiパワーデバイスで、Siの禁制帯で決まる物性限界を超えて高性能を得ることは困難である。しかし、禁制帯幅の広いSiCでパワーデバイスを構成すれば、従来のトレードオフ関係が大きく緩和され、オン抵抗あるいは逆方向耐電圧を著しく向上させたデバイス、または、両方をかなりな程度向上させたデバイスが実現できる。これはオン抵抗と逆方向耐電圧とを一定に保ったまま、チップサイズを極端に小さくできると言い換えることもできる。
SiCは禁制帯幅の広い半導体の中で、唯一、Siと同じように、熱酸化で酸化シリコン(SiO)を生成できる半導体である。このため、パワーデバイスの中でも、特にノーマリオフ型のMOS駆動型パワーデバイス、例えば、パワーMOSFET(金属−酸化物−半導体構造電界効果トランジスタ)やパワーIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)の実現が大いに期待されている。
しかし、SiC熱酸化膜の信頼性については、(1)SiO/半導体界面において、原理的にSiより小さな電子エネルギー障壁になる、(2)酸化の残留物として不純物であるC(炭素)が相当量含有しているがために、Si熱酸化膜に比べ本質的にリーク電流が高く、いかに改善してもSi熱酸化膜なみの(真因性の)信頼性を獲得することはとうてい困難だという悲観的な見通しがなされている。
さらに欠陥性の絶縁破壊は、今日的にもっと深刻な問題である。Siデバイスでは、転位などの結晶の不完全性が熱酸化膜の中に取り込まれると、(メカニズムは様々であるが)低電界で絶縁破壊を起こしたり、経時絶縁破壊(TDDB)寿命が著しく低下することが広く知られている。本発明者等は、最近、今日市販されているSiC基板の表面には、エピタキシャル基板でさえも、10−4個/cm台の大量の転位が存在するため、実用的面積をもつパワーMOSFETのゲート絶縁膜をSiC熱酸化膜で構成する場合、ゲート酸化膜のTDDB寿命は取込まれた欠陥に支配され、結果として、欠陥が存在しない場合に比べ、少なくとも1桁以上短命化する事実を報告した(下記非特許文献1参照)。
積層(ゲート)絶縁膜の使用は、上記SiC熱酸化膜の問題に解を与える可能性の高い方法であろう。しかし、SiC基板上で積層絶縁膜を用いたゲート電極の金属−絶縁膜−半導体(MIS)構造体の信頼性の検討はまだ始まったばかりで、報告自体が非常に少ない。その中でもっとも良い結果を与えているのがONO積層膜である。ここで「O」とはSiO、「N」とはSi膜(窒化シリコン。SiNとも略記)のことである。
Lipkin等は、下記非特許文献2の中で、上表面にn型エピタキシャル層を成長させたn型4H−SiC基板とMo/Auゲート電極との間に、SiC熱酸化膜とLPCVD(減圧化学的気相成長法)で形成したSiN膜とこのSiN膜の表面を熱酸化したSiO膜とからなるONO膜を挟持したゲート電極の金属−絶縁膜−半導体(MIS)構造体の信頼性を検討し、最大絶縁破壊強度BEox=約13.1MV/cm(SiO換算値)、最大ストレス電流強度BJox=約0.25mA/cmを得ている。なお、半導体の伝導型記号nやpの上に付した「+」や「−」の記号はそれぞれ高濃度、低濃度を意味する補助記号である。
一方、Wang等も下記非特許文献3の中で、6H−SiC基板とAlゲート電極との間にJVD(ジェット気相成長法)で積層したSiO/SiN膜の表面を熱酸化して形成したONO膜を挟持したMIS構造体で信頼性評価を行い、BEox=約12.5MV/cm(SiO換算値)、BJox=3mA/cmを得ている。
谷本ほか、2004年第51回応用物理学関係連合講演会(東京工科大)講演予稿集434ページ、講演番号29p−ZM−5 L.A. Lipkin el al, IEEE Transactions on Electron Devices, Vol. 46, (1999) p. 525. X.W. Wang el al, IEEE Transactions on Electron Devices, Vol. 47, (2000) p. 458. S. Tanimoto et al, Mater. Sci. Forum, Vols. 433-436, (2003) p. 725.
しかしながら、上記従来のONO膜を用いたMIS構造体(上記非特許文献2と非特許文献3)にあっては、次のような問題があり、改善が必要である。
最初の問題は、熱酸化膜を凌駕するようなONO膜MOS構造体の信頼性向上がまだ得られていないということである。例えば、本発明者等は上記非特許文献4の中で、4H−SiC基板の熱酸化膜で構成したMOS構造体でBEox=13.1MV/cm、BJox>100mA/cmを達成したことを報告している。上記のONO膜を用いたMIS構造体のBEoxやBJoxはSiC熱酸化膜を用いたMOS構造体のBEoxやBJoxを越えられない低いレベルである。
第2の問題点は基板(裏面)に低抵抗のオーム性接触を形成する技術(構造と製造方法)を確立していないという問題である。MIS構造体を適用する実デバイスがパワーMOSFETであっても、パワーIGBTであっても、基板の表裏に少なくとも1つ以上の低抵抗のオーム性接触電極の配備は不可欠であるが、上記従来技術はこの懸案に対して示唆すらしていない。上記非特許文献2と非特許文献3では、基板の裏面にオーム性接触電極を形成しないまま、MIS構造体の絶縁破壊等の信頼性試験を行っている。これは驚くべきことである。一般に、SiC基板に低抵抗のオーム性接触電極を形成する手段は、伝導不純物を高濃度に添加した領域にNiなどの接触金属を成膜し、1000℃の高温で熱処理する方法であるが、高温加熱と金属汚染を伴うこの処理を、MIS構造体(とくにONOのN膜)の信頼性を損なうことなく、同構造体の製造方法に取り込む必要がある。
第3の問題点は、ゲート領域外に不要なONO膜が残っていることである。ゲート領域外のONO膜が残っていると、後続のコンタクト孔の開口エッチング工程が複雑になるので、MOSFETなどの実デバイスに適用するにあたっては形成後に速やかに除去する構成が望ましい。この目的のために容易に適用できる周知の方法は、上述した上記非特許文献2の構造を形成した後、フォトリソグラフィーとドライエッチングを用いて、ゲート電極周辺のONO膜を選択的に除去し、ONO膜の両端よりもゲート電極の両端を引っ込ませた構造にする方法である(ONO膜端とゲート電極端とのそれぞれの距離は、露光合せマージン)。しかし、この方法はゲート電極端とONO膜端との間や(MOSFETなどの場合には)ONO膜端とコンタクトと孔との間に一定の露光合わせマージンを必要とするので微細化の障害となる。また、ONO膜の選択的除去にフォトリソグラフィーが使われるので製造工程が長くなる。
本発明は、炭化珪素半導体装置及びその製造方法において、上記従来技術の第1乃至第3の問題点を解決するとともに、微細化に適したゲート構造と生産性の高いその製造方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、炭化珪素基板と多結晶シリコンからなるゲート電極との間に、酸化シリコン膜と窒化シリコン膜と窒化シリコン熱酸化膜の三層構造からなるゲート絶縁膜を挟持し、ゲート電極と窒化シリコン膜の少なくとも側壁にそれぞれ、多結晶シリコン熱酸化膜と窒化シリコン側面熱酸化膜とを設けたという構成になっている。
本発明によれば、生産性が高く微細化に適したゲート構造を有する炭化珪素半導体装置を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明のいくつかの実施の形態について具体的に詳細に説明する。特に断らない場合は、SiC基板にエピタキシャル層やその他の膜や電極が形成されたものを基板と呼んでいる。
以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付し、一度行った説明は繰り返さずに、簡略化するか、省略することにする。図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
《第1の実施の形態》
〈構造〉
図1は、本発明に基づく高信頼性ONO積層膜MIS構造体を有する炭化珪素半導体装置(MOS(金属−酸化物−半導体構造)キャパシタ)の要部断面図である。1は、上表面にn型エピタキシャル層をホモエピタキシャル成長させた高不純物濃度(窒素>1×1019/cm)のn型4H−SiCエピタキシャル基板である。6H、3C、15Rなど他の晶系(Hは六方晶、Cは立方晶、Rは菱面体晶を意味する)の基板を用いることもできる。エピタキシャル基板1の上には厚み数100nm以上のフィールド絶縁膜3が配設されている。フィールド絶縁膜3はSiC基板(正確にはエピタキシャル層)の熱酸化で形成した薄い下部絶縁膜4の上にSiCの熱酸化以外の手段(例えば減圧CVD法など)で形成した厚い上部絶縁膜5を積層した構造になっている。フィールド絶縁膜3にはゲート窓6が開口されている。
7は多結晶Siからなるゲート電極で、ゲート窓6を覆うように設けられている。多結晶Siゲート電極7の少なくとも側面には、熱酸化で成長させた多結晶Si熱酸化膜8が形成されている。ゲート窓6の底部のSiCエピタキシャル基板1とゲート電極7との間に挟持されているのが、3層構造を有するONOゲート絶縁膜9である。この3層構造の一番下(基板側)は、SiCエピタキシャル基板1の表面を熱酸化して形成した所定の厚み(例えば10nm)のSiC熱酸化膜(酸化シリコン膜)10で、ゲート窓6の底部領域に局在して形成されている。
3層構造の中間層と最上層(=ON部分)は、それぞれLPCVD法で堆積したSiN膜11とこのSiN膜の表面を酸化して成長させたSiN熱酸化膜(すなわち、SiO膜)12であり、フィールド絶縁膜3上に延伸し、かつ、ゲート電極7と外縁端を密に共有する(外縁端の位置を同じくする)ように形成されている。SiN膜11とSiN熱酸化膜12の厚みの一例を挙げると、それぞれ、53nm、5nmである。SiN膜11の外縁部側面には、SiN膜11の熱酸化によって成長された薄いSiN側面熱酸化膜(すなわち、SiO膜)13が配設されている。このSiN側面熱酸化膜13は本発明のすべての実施の形態に共通して欠かしてはならない重要な要素である。図2は、多結晶Siゲート電極7の外縁部を拡大して示したものである。同図からわかるように、多結晶Siゲート電極7は、その外縁端Gが必ず、ONOゲート絶縁膜9のSiN膜11の外縁端Nに内包される(内側に位置する)ように配置されなければならない。これは本発明のすべての実施の形態に共通して適用される重要な要件である。この外縁端Gと外縁端Nの位置関係が崩れると、ONO膜MIS構造体の信頼性(絶縁破壊強度など)が著しく低下するので細心の注意が必要である。
上記ゲート電極7及びフィールド絶縁膜3の上には層間絶縁膜14が成膜されている。15はゲート電極7に貫通するように層間絶縁膜14に開口されたゲートコンタクト窓である。ゲートコンタクト窓15は、図1のようにゲート窓内にではなく、フィールド絶縁膜3上に設ける構成にしても良い。16はゲートコンタクト窓15を介してゲート電極7と同一基板上の他の回路要素や外部回路に接続するための内部配線である。
SiC基板1の裏面には、極めて低抵抗のオーム性接触電極17が配設されている。このオーム性接触電極17は、Niなどの接触金属を基板1の裏に蒸着した後、前記ONOゲート絶縁膜9のSiC熱酸化膜10の熱酸化温度より低い温度(例えば熱酸化が1100℃なら1000℃)の急速過熱処理でSiCと合金化させことによって形成される。
〈製造方法〉
次に、本発明第1の実施の形態に基づいたONO膜MIS構造体(図1)の製造方法を、図3(a)〜図6(i)を用いて説明する。
(a)高品質n型エピタキシャル層を上表面に成長させた(0001)Si終端面8°OFFカットn型4H−SiCエピタキシャル基板1を、RCA洗浄(H+NHOH混合液洗浄とH+HCl混合液洗浄を組み合わせた半導体基板の洗浄法)などで十分洗浄する。その後、ドライ酸化して、図3(a)のように、基板1の上表面に、薄い下部絶縁膜4と厚い上部絶縁膜5からなるフィールド絶縁膜3を成膜する。下部絶縁膜4は、エピタキシャル基板1の表面を酸素雰囲気でドライ酸化して形成した約10nmのSiC熱酸化膜、上部絶縁膜5は、熱酸化以外の方法で形成した所望の厚みの絶縁膜、例えば、酸素とシランを用いた常圧CVDで形成した400nm厚のSiO膜などを使用することができる。下部絶縁膜4の熱酸化はドライ酸化に限定されるものではなく、ウェット酸化や他の酸化ガスを用いた熱酸化でもよい。下部絶縁膜4の厚みは50nm未満、好ましくは5〜20nmが望ましい。上述のように、エピタキシャル基板1の表面に下部絶縁膜4を成長させてから、上部絶縁膜5を成膜してもいい。逆に、上部絶縁膜5を成膜してから熱酸化して、エピタキシャル基板1と上部絶縁膜5との間に下部絶縁膜4を成長させてもよい。図中201は下部絶縁膜4を形成するとき基板1の裏面に自動的に形成される第1の一過性のSiC熱酸化膜であるが、これは無意味なものではなく、基板1の裏面にある相当深い研削損傷層を効果的に取り除く作用を有している。
(b)次に、SiC基板1の表面にフォトレジストを塗布し、露光し、現像し、SiC基板1を緩衝フッ酸溶液(NHF+HF混合液)に浸漬し、ウェットエッチングすることで、図3(b)のように、フィールド絶縁膜3の所定の位置にゲート窓6を形成する。第1の一過性のSiC熱酸化膜201はこのウェットエッチングで消失する。微細なゲート窓6を形成するときは、CFガスプラズマなどを用いた反応性イオンエッチング等のドライエッチングを用いることができるが、この場合、最初にドライ・エッチングを行い、フィールド絶縁膜を数10nm残したところで、必ず、上記緩衝フッ酸溶液を用いたウェット・エッチングに切り換えるようにする。ドライエッチングで貫通させては、SiC表面がプラズマ損傷で荒れて、次の工程で形成するゲート絶縁膜9の特性劣化の要因となるからである。ゲート窓6のエッチングが済んだら、フォトレジストを剥離する(図3(b))。
(c)次に、SiCエピタキシャル基板1を再び、RCA洗浄で洗浄する。洗浄の最終段階において、RCA洗浄で開口部の表面に生成した化学的酸化膜を除去するために、緩衝フッ酸溶液に5秒〜10秒間浸漬した後、超純水で緩衝フッ酸溶液を完全にすすぎ落とし、乾燥する。
SiCエピタキシャル基板1を乾燥させたら直ちに熱酸化して、ゲート窓6の底部のエピタキシャル層の表面にONOゲート絶縁膜9の第1層目、すなわち、SiC熱酸化膜10を成長させる。この酸化の条件としては、例えば、温度1100℃でのドライ酸化がよい。
実は、後続のコンタクト・アニールほかの高温熱処理でも信頼性を劣化させないONO膜MIS構造体を実現するための重要なポイントがここにある。すなわち、SiC熱酸化膜10の酸化温度を後続の全ての工程のどの熱処理温度よりも高く設定するということである。後に、基板1の裏面にオーム性接触電極を形成するために1000℃の急速加熱処理を実施するため、ここでは1100℃という熱酸化温度を選んだ。
202は上記SiCの熱酸化で基板1の裏面に自動的に形成される第2の一過性のSiC熱酸化膜であるが、前述の第1の一過性のSiC熱酸化膜201と同様に研削損傷層を取り除く効果のほかに、後の工程で説明する裏面の多結晶Siの除去のドライエッチングダメージから基板1の裏面を保護する重要な機能がある。この酸化膜保護がないと、基板1の裏面の結晶性が乱れて、裏面電極10の接触抵抗が増大するという問題が起こる。
ゲート窓6の底部にSiC熱酸化膜10を形成したところで、次にエピタキシャル基板1の表全面にSiHClとOを用いたLPCVD法でSiN膜11(=ONO膜の第2層目)を堆積する。堆積し終ったら直ちに、基板1を950℃でパイロジェニック酸化し、SiN膜11の表面に所定の厚みのSiN熱酸化膜12(=ONO膜の第3層目)を成長させる。図3(c)はこの段階での基板1の断面構造を示している。基板1の裏面の203と204は前記SiN膜11の堆積とSiN熱酸化膜12の成長で自動的に形成された一過性のSiN膜とSiN熱酸化膜である。
(d)次に、SiCエピタキシャル基板1の表裏全面に、シラン原料を用いた減圧CVD法(成長温度600℃〜700℃)で厚み300〜400nmの多結晶シリコン膜を成膜する。その後、塩素酸リン(POCl)と酸素を用いた周知の熱拡散法(処理温度900℃〜950℃)で多結晶シリコン膜にP(リン)を添加し、導電性を付与する。
続いて、エピタキシャル基板1の表面にフォトレジストと塗布して、露光してマスクを形成し、SFを用いた反応性イオンエッチング(RIE)を用いて、多結晶Si膜とSiN熱酸化膜12、SiN膜11を連続的にエッチングし、多結晶Siゲート電極7とONOゲート絶縁膜のON層の外縁端を略定義(前定義)する。こうして、ON層の不要部分は、多結晶Siゲート電極7と同じレジストマスクで外縁を共有するように精密に(自己整合的に)エッチングされる。なお、SiN熱酸化膜12のRIEの時にエッチング速度が高く、SiNに対して選択比の高いCHFなどのエッチャントガスを用いると、RIEの均一性が改善される。
RIEエッチングに使用したレジストを完全に除去した後、再びSiC基板1の表全面に厚み1μm以上のレジスト材(フォトレジストでよい)を塗布して表面を保護しながら、ドライエッチングを行い、裏面側に堆積した多結晶Si膜と一過性SiN熱酸化膜204、一過性のSiN膜203を順に除去し、表面保護のレジスト材を剥離すると、図4(d)に示した断面構造になる。
(e)次に、SiCエピタキシャル基板1を再びRCA洗浄して、清浄化・乾燥したところで、950℃でウェット酸化(パイロジェニック酸化)して、図4(e)に示したように、多結晶Siゲート電極7の側面及び上部とSiN膜11の側面に多結晶Si熱酸化膜8とSiN側面熱酸化膜13を同時に成長させる。ここで、ONO膜MIS構造体の信頼性を向上させる上で極めて重要なポイントが3つある。1つ目は、上記ゲートエッチングで損傷を受けたリーク性のSiN膜の外縁部をSiN側面熱酸化膜13に転換することによって除去していることである。2つ目は、多結晶Siの外縁端GをSiN膜の外縁端Nより僅かに後退させて、SiN膜外縁のゲート電界を緩和していることである。多結晶Siの外縁端Gを後退させるために、多結晶Siの酸化速度がSiN膜の酸化速度より高い性質を利用する。3つ目は、多結晶Si熱酸化膜8及びSiN側面熱酸化膜13を付加することによって、ONOゲート絶縁膜9を熱的に安定な材料、すなわち、多結晶SiとSiCと、熱酸化膜で完封する構造を樹立したことである。この構造樹立は、後続の高温コンタクトアニール(1000℃、2分)でONOゲート絶縁膜8が劣化するのを防止するのに重要な役割を果たす。
(f)多結晶Si熱酸化膜8とSiN側面熱酸化膜13を形成したところで、エピタキシャル基板1の表全面に層間絶縁膜14を堆積する(図5(f))。シランと酸素を原料とした常圧CVD法で堆積した約1μm厚のSiO膜あるいは更にリン(P)を添加したリン珪酸ガラス(PSG)などが層間絶縁膜材として適しているが、これに限定されるものではなく、後続の各種熱処理工程に耐えられるものなら、他の材料でも構わない。この後、基板1を通常の拡散炉に入れ、N雰囲気で数10分の穏やかな熱処理を行い、層間絶縁膜14を高密度化する。このときの熱処理温度はSiC熱酸化1100℃より低い温度、例えば、900℃〜1000℃の範囲で適宜選ばれる。
(g)次に、エピタキシャル基板1の表面にフォトレジストを塗布して、十分にポストベークを行い、レジストの揮発性成分を完全に蒸発させてから、エピタキシャル基板1を緩衝フッ酸溶液に浸漬し、基板1の裏面に残っている第2の一過性SiC熱酸化膜202を完全に除去し、超純水で緩衝フッ酸溶液を洗い流す。このようにして露出したSiC基板1の裏面のC終端面はダメージや汚染のないクリーンな面である。
超純水で濡れたエピタキシャル基板1を乾燥させ、間髪を置かず高真空に維持された蒸着装置の中に据え付け、基板1の裏面に所望のオーム性接触母材を蒸着する。オーム性接触母材としては、例えば、50〜100nm厚のNi膜を用いることができる。
オーム性接触母材を蒸着したら、基板1の表面のレジストを専用ストリッパ液で完全に剥離し、基板1を十分すすいでから乾燥させ、直ちに急速加熱処理装置に設置して、100%高純度Ar雰囲気で、1000℃、2分のコンタクト・アニールを実施する。この熱処理によって、図5(g)のように、Ni膜は低抵抗のSiC基板と合金化(シリサイド化)し、少なくとも10−6Ωcm台の接触抵抗を示す極めて低抵抗のオーム性接触電極17ができあがる。
(h)次に、基板1の表面1にフォトレジストと塗布し、露光装置で露光・現像して、層間絶縁膜にゲートコンタクト窓15を開口するためのレジストマスクを形成する。その後、基板1の裏全面に保護膜としてのフォトレジストを塗布して、十分乾燥させてから、緩衝フッ酸溶液を用いてエッチングして層間絶縁膜14と多結晶Si熱酸化膜8(上面部)にゲートコンタクト窓15を開ける。裏面のフォトレジストは、オーム性接触電極17が緩衝フッ酸溶液に溶出して、消失したり劣化したりするのを防ぎ、また、基板1の裏面から溶出したオーム性接触材料がエピタキシャル基板1の表面を汚染するのを防止する役割を担っている。フォトレジストを専用ストリッパ液で完全に剥離したら、図6(h)のような構造になる。
(i)続いて、基板1を十分洗浄し、すすいだ後、乾燥させたら、速やかに、高真空に維持されたマグネトロンスパッタリング装置の中に据え付け、エピタキシャル基板1の表全面に所望の配線材料、例えば1μm厚のAlを蒸着する。
この後、Al膜を成膜した基板1の表面にフォトレジストと塗布し、露光し、現像して、レジストマスクを形成した後、再度、基板1の裏面に裏面電極保護用のフォトレジストを塗布して、このレジストを十分乾燥させてから、リン酸系のエッチング液を用いてAl膜をパターン化し、内部配線16を形成する。基板1の裏面のレジストは、裏面のオーミック電極10がリン酸系のエッチング液に溶出して、消失したり変質したりするのを防止する目的で形成される。しかし、裏面電極にこの恐れがない場合やAl膜をRIEでエッチングするときには、省略することができる。最後に、レジストマスクと裏面電極保護に使用したレジストを専用ストリッパ液で完全に除去し、基板を十分すすいだ後、乾燥させたら、図6(i)に示した最終構造になる。このようにして本発明の第1の実施の形態に基づくONO膜MIS構造体を有する炭化珪素半導体装置が完成する。
上記のように本発明の第1の実施の形態の炭化珪素半導体装置は、炭化珪素基板1と、多結晶シリコンからなるゲート電極7との間に、酸化シリコン膜10と窒化シリコン膜11と窒化シリコン熱酸化膜12の三層構造からなるゲート絶縁膜9が挟持され、ゲート電極7と窒化シリコン膜11の少なくとも側壁にそれぞれ、多結晶シリコン熱酸化膜8と窒化シリコン側面熱酸化膜13とが設けられている。
また、多結晶シリコン熱酸化膜8と窒化シリコン側面熱酸化膜13とは互いに外縁端の位置が同じであり、窒化シリコン膜11の外縁端がゲート電極7の外縁端より外側に位置している。
また、炭化珪素基板1と、多結晶シリコンからなるゲート電極7との間に、酸化シリコン膜10と窒化シリコン膜11と窒化シリコン熱酸化膜12の三層構造からなるゲート絶縁膜9が挟持され、ゲート電極7と窒化シリコン膜11の側壁にはそれぞれ、多結晶シリコン熱酸化膜8と窒化シリコン側面熱酸化膜13とが設けられ、窒化シリコン膜11の外縁端がゲート電極7の外縁端より外側に位置するように窒化シリコン熱酸化膜11とゲート電極7とが設けられている。
また、炭化珪素半導体装置の表面には、ゲート電極7の上部の少なくとも一部を被覆するように層間絶縁膜14が設けられ、炭化珪素半導体装置の裏面または表面の所定領域には、炭化珪素基板1に対するオーム性接触電極17が設けられている。
また、ゲート窓6を開口したフィールド絶縁膜3が表面に形成された炭化珪素基板1と、多結晶シリコンからなるゲート電極7との間に、ゲート窓6の底を覆うように設けられた酸化シリコン膜10と窒化シリコン膜11と窒化シリコン熱酸化膜12の三層構造からなるゲート絶縁膜9が挟持され、ゲート電極7と窒化シリコン膜11の側壁にはそれぞれ、多結晶シリコン熱酸化膜8と窒化シリコン側面熱酸化膜13とが設けられ、窒化シリコン膜11の外縁端がゲート電極7の外縁端より外側に位置するように窒化シリコン膜11とゲート電極7とが設けられている。
また、本発明の第1の実施の形態の炭化珪素半導体装置の製造方法は、酸化シリコン膜10は、炭化珪素基板1を熱酸化して形成する。なお、酸化シリコン膜10は、化学的気相成長法で酸化シリコン膜を堆積した後、酸素雰囲気または不活性雰囲気で熱処理してもよい。
また、多結晶シリコン熱酸化膜8と窒化シリコン側面熱酸化膜13とを熱酸化によって同時に形成する工程を有する。
また、ゲート電極7と窒化シリコン膜11とを同一のマスクで連続エッチングして両者の外縁端を前定義する工程と、その後、両者を同時に熱酸化して両者の外縁端を最終確定する工程とを有する。
また、ゲート電極7と窒化シリコン膜11とを同一のマスクで連続エッチングする工程は、酸化シリコン膜10を貫通させることなく停止する工程である。
また、炭化珪素基板1上に酸化シリコン膜10と窒化シリコン膜11と窒化シリコン熱酸化膜12を順に積層して三層構造からなるゲート絶縁膜9を形成する工程と、窒化シリコン熱酸化膜12の上に多結晶シリコンからなるゲート電極7を積層する工程と、同一のマスクを用いて炭化珪素基板1上から不要なゲート電極7の部分と不要な窒化シリコン膜11の部分を連続して除去し、ゲート電極7と窒化シリコン膜11の外縁端を前定義する工程と、ゲート電極7と窒化シリコン膜11とを熱酸化して両側壁に多結晶シリコン熱酸化膜8と窒化シリコン側面熱酸化膜13を形成し、ゲート電極7の外縁端を窒化シリコン膜11の外縁端より内側に位置させる工程とを有する。
また、炭化珪素基板1上にゲート窓6を開口したフィールド絶縁膜3を形成する工程と、ゲート窓6の底を覆うように酸化シリコン膜10と窒化シリコン膜11と窒化シリコン熱酸化膜12を順に積層して三層構造からなるゲート絶縁膜9を形成する工程と、窒化シリコン熱酸化膜12の上に多結晶シリコンからなるゲート電極7を形成する工程と、同一のマスクを用いて炭化珪素基板1上から不要なゲート電極7の部分と不要な窒化シリコン膜11の部分を連続して除去し、ゲート電極7と窒化シリコン膜11の外縁端を前定義する工程と、ゲート電極7と窒化シリコン膜11とを熱酸化して両側壁に多結晶シリコン熱酸化膜8と窒化シリコン側面熱酸化膜13を形成し、ゲート電極7の外縁端を窒化シリコン膜11の外縁端より内側に位置させる工程とを有する。
また、炭化珪素基板1上に酸化シリコン膜10と窒化シリコン膜11と窒化シリコン熱酸化膜12を順に積層して三層構造からなるゲート絶縁膜9を形成する工程と、窒化シリコン熱酸化膜12の上に多結晶シリコンからなるゲート電極7を形成する工程と、同一のマスクを用いて炭化珪素基板1上から不要なゲート電極7の部分と不要な窒化シリコン膜11の部分を連続して除去し、ゲート電極7と窒化シリコン膜11の外縁端を前定義する工程と、ゲート電極7と窒化シリコン膜11とを熱酸化して両側壁に多結晶シリコン熱酸化膜8と窒化シリコン側面熱酸化膜13を形成し、ゲート電極7の外縁端を窒化シリコン膜11の外縁端より内側に位置させる工程と、多結晶シリコン熱酸化膜8を被覆するように層間絶縁膜14を堆積する工程と、炭化珪素基板1の所定領域を露出させる工程と、少なくとも炭化珪素基板1の露出領域にオーム性接触母材を設ける工程と、炭化珪素基板1を熱処理して、オーム性接触母材を低抵抗のオーム性接触電極17に転化させる工程とを有する。
図7は、このようにして作製したONO膜MIS構造体の50のサンプルの絶縁破壊強度BEox(MV/cm)をヒストグラム(#ONO)で示したものである。比較のために、上記非特許文献4で本発明者等が報告したSiC熱酸化膜単独でゲート絶縁膜を構成したMOS構造体の結果(#SIO)も同時に示している。ゲート窓の面積(開口部)は3.14×10−4cm、ONOゲート絶縁膜及び比較のゲート熱酸化膜のSiO膜換算膜厚はともに42nmである。
MOS構造体(#SIO)のBEoxは、平均値が12MV/cm以上で、極めて急峻な分布をしている。最大13.1MV/cmである。この値は上記非特許文献2と3で報告されたONO膜MIS構造体のBEoxと同等か良い値を示している。これに対して、上記本発明の第1の実施の形態に基づく、ONO膜MIS構造体のBEox分布(#ONO)は平均値が21MV/cm以上と驚くほど高い値を示し、従来のMOS構造体やONO膜MIS構造体に比べて著しい絶縁破壊強度の向上が達成されたことが理解される。しかも、サンプルのばらつきも半分以下に低減されている。
図8は、従来のMOS構造体と本実施の形態のMIS構造体のリーク電流密度−電界(J−Eox)特性である。Eox=7.5MV/cm以上の電界領域で、本発明のMIS構造体は、MOS構造体に対してリーク電流が4桁以上も低減されたことがわかる。また、同図から抽出した本発明のONO膜MIS構造体の最大ストレス電流強度(=絶縁破壊する直前の電流密度)は40A/cmである。この値は比較のための従来のMOS構造体(#SIO)より2桁以上高く、上記非特許文献2と3に記されたONO膜MIS構造体の値よりも4桁以上優れた値である。
図9に示したグラフは、低電流ストレスを印加したとき、従来のMOS構造体と本発明のONO膜MIS構造体が経時絶縁破壊(TDDB)に至るまでにゲート絶縁膜を通過した単位面積あたりの電荷密度QBD(C/cm)の分布をワイブル図にプロットして示している。ここで、サンプル数は約50点である。QBDは寿命に対応する信頼度を測る重要な指標である。本発明のONO膜MIS構造体は従来のMOS構造体に比べ、2桁〜3桁高いQBDを持つことから、TDDB耐性(寿命)が大幅に改善されたことがわかる。全てのQBDが10C/cm以上であり、この値はSi基板に形成した同じ膜厚を持つ熱酸化膜MOS構造体のQBDに匹敵する良好な値である。QBDの分布は従来のMOS構造体が2〜3桁に跨っているの対して、本発明のOMO膜MIS構造体は約半桁に収まっている。寿命が向上した事実と併せてこのことは、熱酸化膜MOS構造体で顕在化していたSiC基板の不完全性による寿命の劣化とバラツキが本発明のONO膜構造体の適用でほぼ解消したことを意味している。
以上、説明した信頼性試験結果から明らかなとおり、本発明のONO膜のMIS構造体を有する炭化珪素半導体装置及びその製造方法は、従来のONO膜MIS構造体が陥っていた、従来のSiC熱酸化膜MOS構造体を凌駕するような信頼性向上がまだ得られていないという問題を完全に解決し、格段に高い絶縁破壊耐性やTDDB耐性を実現できるという効果を有している。
また、上記説明から明らかなように、本発明の炭化珪素半導体装置及びその製造方法は、ONOゲート絶縁膜の信頼性や歩留まりの低下を招くことなく、基板1の裏面に少なくとも10−6Ωcm台の極めて低抵抗のオーム接触を実現している。すなわち、本発明の炭化珪素半導体装置及びその製造方法は、従来のONO膜MIS構造体が抱えていた、SiC基板に低抵抗のオーム性接触を形成する技術(構造と製造方法)を確立していないという問題を解決する効果を有している。
さらに、上記説明から明らかなように、本発明の炭化珪素半導体装置及びその製造方法は、ONOゲート絶縁膜の信頼性や歩留まりの低下を招くことなく、ONOゲート絶縁膜周辺の不要なSiN膜をゲート電極の外縁端に自己整合させて、基板1の表面から過不足なく除去する技術を提供している。すなわち、本発明の炭化珪素半導体装置及びその製造方法は、従来技術が直面していた、ゲート領域外に不要なONO膜が残っている、という問題を解決する効果を有している。この点に関してさらに付言すれば、本発明の炭化珪素半導体装置及びその製造方法は、標準的なフォトリソグラフィーとドライエッチングの単純な組み合わせで実現される、上記不要なSiN膜の除去方法に比べて、工程が短く、デバイスサイズの縮小に適した構成をしている、ということができる。
《第2の実施の形態》
前述の第1の実施の形態は、ゲート領域の両脇の基板1上にフィールド絶縁膜3を配設するONOゲート絶縁膜MIS構造体の構成例であったが、本発明はこのようなフィールド絶縁膜3を有するMIS構造体に限定されるものではなく、以下に説明するようにこのようなフィールド絶縁膜3のない構造体にも適用可能であり、同様の効果が得られる。
〈構造〉
図10は、本発明に基づく第2の実施の形態の高信頼性ONO積層膜MIS構造体を有する炭化珪素半導体装置の要部断面図である。同じ番号を付したものは前記第1の実施の形態と同じ構成物であり、冗長を避けるために、説明を簡略にするか、場合によっては省略することにする。
1は、上表面にn型エピタキシャル層をもつn型SiCエピタキシャル基板である。7は多結晶Siからなるゲート電極で、その少なくとも側面には熱酸化で成長させた多結晶Si熱酸化膜8が形成されている。エピタキシャル基板1とゲート電極7との間に挟持されているのが3層構造を有するONOゲート絶縁膜9である。この3層構造の一番下(基板1側)は、エピタキシャル基板1の表面を熱酸化して形成した所定の厚み(例えば10nm)のSiC熱酸化膜10である。中間層と最上層(=ゲート電極7側)はそれぞれLPCVD法で堆積したSiN膜11と、このSiN膜の表面を酸化して成長させたSiN熱酸化膜12であり、両者はゲート電極7と外縁端を密に共有する(外縁端の位置を同じくする)ように形成されている。一例としてSiN膜11とSiN熱酸化膜12の厚みの例を挙げると、それぞれ、53nm、5nmである。SiN膜11の外縁部側面には、SiN膜11の熱酸化によって成長された薄いSiN側面酸化膜13が配設されている。SiN側面酸化膜12は、前記第1実施の形態と同様、欠かしてはならない極めて重要な要素である。また、本実施の形態も図2のように、多結晶Siゲート電極7の外縁端GがSiN膜11の外縁端Nに内包される(外縁端Gが外縁端Nより内側に位置する)ように、配置されなければならない。外縁端Gが外縁端Nに外包されるか、一致する場合には、得られたONO膜MIS構造体の信頼性が劇的に低下するので外縁端の厳重なる位置管理が必要である。
上記ゲート電極7及びその周辺のSiC熱酸化膜10の上には層間絶縁膜14があり、層間絶縁膜14にはゲート電極7に貫通するようにゲートコンタクト窓15が開口されている。16はゲートコンタクト窓15を介してゲート電極7と同一基板上の他の回路要素や外部回路に接続するための内部配線である。
SiC基板1の裏面には、極めて低抵抗のオーム性接触電極17が配設されている。このオーム性接触電極17は、Niなどの接触金属を基板1の裏に蒸着した後、前記ONOゲート絶縁膜9のSiC熱酸化膜10の熱酸化温度より低い温度(例えば熱酸化が1100℃なら1000℃)の急速過熱処理でSiCと合金化させことによって形成される。
〈製造方法〉
次に、本発明の第2の実施の形態に基づいたONO膜MIS構造体(図10)の製造方法を、図11(a)〜図13(f)を用いて説明する。
(a)高品質n型エピタキシャル層を上表面に成長させた(0001)Si終端面8°OFFカットn型4H−SiCエピタキシャル基板1を、RCA洗浄などで十分洗浄する。その後、ドライ酸化して、約10nmのSiC熱酸化膜を成長させ、直ちにSiC基板1を緩衝フッ酸溶液(NHF+HF混合液)に浸漬し、除去する。この犠牲工程で基板1の表面の汚染物や結晶不完全性がSiC熱酸化膜10に取り込まれるを一定程度防ぐことができる。
犠牲酸化したエピタキシャル基板1を再びRCA洗浄し、洗浄の最終段階でエピタキシャル基板1の表面に生成した化学的酸化膜を除去するために、緩衝フッ酸溶液に5秒〜10秒間浸漬する。これが済んだら超純水で緩衝フッ酸溶液を完全にすすぎ落とし、エピタキシャル基板1を乾燥する。
直ちに熱酸化して、図11(a)のように、エピタキシャル基板1の表全面にONOゲート絶縁膜9のSiC熱酸化膜10を成長させる。この酸化の条件としては、例えば、温度1100℃でのドライ酸化を挙げることができるが、これ以外の酸化法や酸化温度を用いてもよい。ただし、酸化温度は後続の全ての工程のどの熱処理温度よりも高く設定することが肝要である。
202は、このとき基板1の裏面に自動的に形成される一過性のSiC熱酸化膜であるが、エピタキシャル基板1の裏面の研削損傷層を取り除く効果のほかに、後の工程で説明する裏面の多結晶Siの除去のドライエッチングダメージから基板1の裏面を保護する重要な機能がある。
(b)SiC熱酸化膜10を形成したところで、次に、エピタキシャル基板1の表全面にSiHClとOを用いたLPCVD法でSiN膜11(=ONO膜の第2層目)を堆積する。堆積し終ったところで直ちに、エピタキシャル基板1を950℃でパイロジェニック酸化し、前述のSiN膜11の表面に所定の厚みのSiN熱酸化膜12(=ONO膜の第3層目)を成長させる。図11(b)はこの段階での基板1の断面構造を示している。基板1の裏面の203と204は、前記SiN膜11の堆積とSiN熱酸化膜12の成長で自動的に形成された一過性のSiN膜とSiN熱酸化膜である。
(c)次に、SiCエピタキシャル基板1の表裏全面にシラン原料を用いた減圧CVD法(成長温度600℃〜700℃)で厚み300〜400nmの多結晶シリコン膜を成膜する。その後、塩素酸リン(POCl)と酸素を用いた周知の熱拡散法(処理温度900℃〜950℃)で多結晶シリコン膜にP(リン)を添加し、導電性を付与する。
続いて、エピタキシャル基板1の表面にフォトレジストを塗布し、露光してマスクを形成し、SFを用いた反応性イオンエッチング(RIE)を用いて、多結晶Si膜とSiN熱酸化膜12、SiN膜11を連続的にエッチングし、多結晶Siゲート電極7とONOゲート絶縁膜のON層の外縁端を略定義する。こうして、ON層の不要部分は多結晶Siゲート電極7と同じレジストマスクで外縁端を共有するように精密に(自己整合的に)エッチングされる。この時点で、多結晶Siゲート電極7とSiN膜11の外縁端の位置関係は、RIE装置や使用するエッチャントガスに依存し、不定である。多結晶Siゲート電極7の外縁端がSiN膜11の外縁端の外側に来ることもあるし、その逆になることもある。
ここでひとつ重要なポイントがある。エピタキシャル基板1の表面からSiC熱酸化膜を完全に消失させないで、この連続エッチングを終了させるということである。SiC熱酸化が完全になくなるまでRIEを行うと、露出したエピタキシャル基板1の表面にプラズマ損傷が入る。このため、SiN膜11のRIEにおいては、SiOに対して選択比の高いエッチャントガスを使用するとともに、エッチングの終点検出を精密に行い、過剰なエッチングがなされないように留意する。
連続エッチングが終了したら、使用したレジストを完全に除去し、再びSiC基板1の表全面に厚み1μm以上のレジスト材(フォトレジストでよい)を塗布して表面を保護しながら、基板1の裏側をドライエッチングし、裏側に堆積した一過性の多結晶Si膜(その熱酸化膜を含む)と一過性SiN熱酸化膜204、一過性のSiN膜203を順に除去し、表面保護のレジスト材を剥離すると、図12(c)に示した断面構造になる。
(d)次に、SiCエピタキシャル基板1を再びRCA洗浄して、清浄化・乾燥したところで、950℃でウェット酸化(パイロジェニック酸化)して、図12(d)のように、結晶Siゲート電極7の側面及び上部とSiN膜11の側面に多結晶Si熱酸化膜8とSiN側面熱酸化膜13を同時に成長させる。ここでONO膜MIS構造体の信頼性を向上させる上で極めて重要なのポイントが3つある。1つ目は、上記ゲートエッチングで損傷を受けたリーク性のSiN膜外縁部をSiN側面熱酸化膜13に転換することによって除去していることである。2つ目は、多結晶Siの外縁端GをSiN膜の外縁端Nより僅かに後退させて、SiN膜外縁のゲート電界を緩和していることである。多結晶Siの外縁端Gを後退させるために、本発明の製造方法では、多結晶Siの酸化速度がSiN膜の酸化速度より高い性質を利用している。3つ目は、多結晶Si熱酸化膜8及びSiN側面熱酸化膜13を付加することによって、ゲート電極下に局在するONOゲート絶縁膜9を熱的に安定な材料、すなわち、多結晶SiとSiCと、熱酸化膜で包囲して保護する構造にしたということである。この構造樹立は、後続の高温コンタクトアニール(1000℃、2分)などでONOゲート絶縁膜8が周辺部材や環境と相互作用して劣化するのを防止するのに重要な役割を果たす。
(e)多結晶Si熱酸化膜8とSiN側面熱酸化膜13を形成したところで、エピタキシャル基板1の表全面に層間絶縁膜14を堆積する(図13(e))。シランと酸素を原料とした常圧CVD法で堆積した約1μm厚のSiO膜あるいは更にP(リン)を添加したリン珪酸ガラス(PSG)などが層間絶縁膜材として適しているが、これに限定されるものではなく、後続の各種熱処理工程に耐えられるものなら、他の材料でもよい。この後、基板1を通常の拡散炉に入れ、N雰囲気で数10分の穏やかな熱処理を行い、層間絶縁膜14を高密度化する。このときの熱処理温度はゲート酸化1100℃より低い温度、例えば、900℃〜1000℃の範囲で適宜選ばれる。
(f)次に、エピタキシャル基板1の表面にフォトレジストを塗布して、十分にポストベークを行い、レジストの揮発性成分を完全に蒸発させてから、エピタキシャル基板1を緩衝フッ酸溶液に浸漬し、裏面に残っている第2の一過性SiC熱酸化膜202を完全に除去し、超純水で緩衝フッ酸溶液を洗い流す。このようにして露出したSiC基板1の裏面のC終端面はダメージや汚染のないクリーンな面である。このような面はオーム性接触の低抵抗化に大いに寄与する。
次に、超純水で濡れたエピタキシャル基板1を乾燥させ、間髪を置かず高真空に維持された蒸着装置の中に据え付け、基板1の裏面に所望のオーム性接触母材を蒸着する。オーム性接触母材としては、例えば、50〜100nm厚のNi膜を用いることができる。
オーム性接触母材を蒸着したら、基板1の表面のレジストを専用ストリッパ液で完全に剥離し、基板を十分すすいでから乾燥させ、直ちに急速加熱処理装置に設置して、100%高純度Ar雰囲気で1000℃、2分のコンタクト・アニールを実施する。この熱処理によって、図13(f)のように、Ni膜は低抵抗のSiC基板と合金化(シリサイド化)し、極めて少なくとも10−6Ωcm台の接触抵抗を示す極めて低抵抗のオーム性接触電極17ができあがる。
(g)以下は、前記第1の実施の形態とまったく同じようにして、エピタキシャル基板1にゲートコンタクト窓15と内部配線16を設け、図10に示した本発明に基づく第2の実施の形態のONO膜MIS構造体が完成する。
このようにして作製した第2の実施の形態のONO膜MIS構造体は、前記第1の実施の形態と何ら変らない信頼性(図7〜図9参照)を示した。すなわち、本発明のONO膜のMIS構造体を有する炭化珪素半導体装置及びその製造方法は、従来のONO膜MIS構造体が陥っていた、従来のSiC熱酸化膜MOS構造体を凌駕するような信頼性向上がまだ得られていないという問題を完全に解決し、格段に高い絶縁破壊耐性やTDDB耐性を実現できるという効果を有している。ところで、上記製造工程において、(d)の工程、すなわち、多結晶Si熱酸化膜8及びSiN側面熱酸化膜13を形成するとともに、ゲート電極外縁端GをSiN外縁端Nに内包させる工程を省略した場合を検討するのは興味深い。本発明者等が行った検証によれば、このような工程で作製したONO膜MIS構造体は、信頼性を急落させ、比較のために図7〜図9に示した従来のSiC熱酸化膜MOS構造体の信頼性にも及ばない水準に落ちることが確認された。
また、上記説明から明らかなように、本発明の炭化珪素半導体装置及びその製造方法は、ONOゲート絶縁膜の信頼性や歩留まりの低下を招くことなく、基板1の裏面に少なくとも10−6Ωcm台の極めて低抵抗のオーム接触を実現している。すなわち、本発明の炭化珪素半導体装置及びその製造方法は、従来のONO膜MIS構造体が抱えていた、SiC基板に低抵抗のオーム性接触を形成する技術(構造と製造方法)を確立していないという問題を解決する効果を有している。
さらに、上記説明から明らかなように、本発明の炭化珪素半導体装置及びその製造方法は、ONOゲート絶縁膜の信頼性や歩留まりの低下を招くことなく、ONOゲート絶縁膜周辺の不要なSiN膜をゲート電極の外縁端に自己整合させて、基板1の表面から過不足なく除去する提供している。すなわち、本発明の炭化珪素半導体装置及びその製造方法は、従来技術が直面していた、ゲート領域外に不要なONO膜が残っている、という問題を解決する効果を有している。この点に関してさらに付言すれば、本発明の炭化珪素半導体装置及びその製造方法は、標準的なフォトリソグラフィーとドライエッチングの単純な組み合わせで実現される、上記不要なSiN膜の除去方法に比べて、工程が短く、デバイスサイズの縮小に適した構成をしている、ということができる。
《第3の実施の形態》
本発明の第3の実施の形態は、よく知られている標準的なnチャネルタイプのプレーナ型パワーMOSFETセルに本発明を適用した例である。方形セル、六方セル、円形セル、櫛歯(リニヤ)型セルなど、どのような形態のセルでも適用できる。
〈構造〉
図14は、本発明の第3の実施の形態のパワーMOSFETセルの要部断面図である。同図において、1はn型単結晶SiC基板であり、表面(図中上面側主面)に厚み10μm、窒素を1×1016/cm添加した第1のn型エピタキシャル層2をホモエピタキシャルタキシャル成長させている。4H、6H、3C、15Rなど全ての晶系(Hは六方晶、Cは立方晶、Rは菱面体晶を意味する)の基板を用いることができる。n型エピタキシャル層2の表層部における所定領域には、所定深さを有するp型不純物をわずかに添加したp型ベース領域53a、53bが形成されている。
p型ベース領域53a、53bの表層部の所定領域には、p型ベース領域53a、53bよりも浅いn型ソース領域54a、54bが、p型ベース領域53a、53bの外縁境界から一定の距離になるように形成されている。p型ベース領域53a、53bの中央の基板表層には、p型ベース領域53a、53bよりも浅く、n型ソース領域54a、54bに挟まれるようにp型ベースコンタクト領域57が配設されている。
基板1の表面に選択的に形成された9a、9bはONOゲート絶縁膜である。ONOゲート絶縁膜9a、9bは三層構造からなり、下部(基板1側)からSiC熱酸化膜10a、10b、SiN膜11a、11b、SiN熱酸化膜12a、12bが順に積層されている。SiN膜11a、11bの側壁には同膜を熱酸化することによって形成されたSiN側面熱酸化膜13a、13bが配設されている。
ONOゲート絶縁膜9a、9bの上には、前記SiN熱酸化膜12a、12bと外縁端を共有するように導電性を付与した多結晶Siからなるゲート電極7a、7bが設けられている。多結晶Siゲート電極7a、7bの上部と側壁には多結晶Si側面熱酸化膜8a、8bが置かれている。
多結晶Si側面熱酸化膜8a、8bを含むSiC基板1上には層間絶縁膜14a、14bが成膜されている。63は層間絶縁膜14a、14bに開けられたソース窓であり、n型ソース領域54a、54b/p型ベースコンタクト領域57に貫通するように開口されている。このソース窓63の底部には、ソース電極64がある。このソース電極64は、Niなどの薄い金属膜母材を底部に選択的に配設した後、急速加熱処理でSiCと合金化させて形成する。ソース電極64は、n型ソース領域54a、54bとp型ベースコンタクト領域57とに同時にオーム性接触を実現している。基板1の裏面の17はソース電極64と同様の方法で形成されたドレイン電極である。16はソース窓63を介してソース電極64を同一基板上の他の回路要素や外部回路に接続させるための内部配線である。
〈製造方法〉
次に、本発明の第3の実施の形態のプレーナ型パワーMOSFETセルの製造方法を、図15(a)〜図18(h)の断面工程図を用いて説明する。
(a)まず、1主面にn型エピタキシャル層2をホモエピタキシャルタキシャル成長させたn型SiC基板1を用意し、n型エピタキシャル層2の表面に厚み20〜30nmのCVD酸化膜20を堆積させる。その後、この上にイオン注入マスク材としての厚み約1.5μmの多結晶SiをLPCVD(減圧化学的気相成長法)で成膜する。多結晶Siの他にCVDで形成したSiOやPSG(リン珪酸ガラス)などを用いることもできる。CVD酸化膜20は省略することもできるが、イオン注入マスク材として多結晶Siを使用するときは、以下のような有用な効果と機能を有しているので形成することが推奨される。その効果と機能とは、(1)多結晶Siとn型エピタキシャル層2が予期せぬ反応をするのを予防するための保護膜、(2)多結晶Siマスク材を異方性エッチングする際の終点検出とエッチングストッパ膜、(3)p型ベース不純物をイオン注入するときの表面保護膜である。
続いて、フォトリソグラフィーと反応性イオンエッチング(RIE)などの異方性エッチングの手段を用いて、p型ベース領域の形成予定領域の上部にある前記多結晶Si膜を垂直に除去することによって、第1のイオン注入マスク21a、21bを形成する。多結晶Si膜のRIEには、SFなどのエッチャントガスを用いると、熱酸化膜に対して選択比の高いエッチングと終点検出が可能になり、基板1の表面、特にチャネル領域へのプラズマダメージを回避することができる。
次いで、図15(a)に示すように、p型不純物のイオン注入を行い、p型ベース領域53a、53bを形成する。実際には、エピタキシャル基板1の裏面にも多結晶Siが付着しているが、同図では図示省略している。このときのイオン注入条件の一例を挙げると、
p型ベース領域53a、53bの選択イオン注入条件の一例は、
不純物:Alイオン
基板温度:750℃
加速電圧/ドース:360keV/5×10−13cm−3
である。p型ベースイオン注入が終了したら、CVD酸化膜20と第1のイオン注入マスク21a、21bをウェットエッチングで除去する、
(b)次に、上記p型ベース領域53a、53bの選択イオン注入と同様の手続きをとって、図15(b)に示すように、n型ソース領域54a、54bとp型ベースコンタクト領域57を形成する。
型ソース領域54a、54bの選択イオン注入条件の一例は、
不純物:Pイオン
基板温度:500℃
加速電圧/ドース:
160keV/2.0×1015cm−2
100keV/1.0×1015cm−2
70keV/6.0×1014cm−2
40keV/5.0×1014cm−2
である。またp型ベースコンタクト領域57の選択イオン注入条件の一例は、
不純物:Alイオン
基板温度:750℃
加速電圧/ドース
100keV/3.0×1015cm−2
70keV/2.0×1015cm−2
50keV/1.0×1015cm−2
30keV/1.0×1015cm−2
である。
すべてのイオン注入が終了したら、基板1をフッ酸と硝酸の混合液に浸漬して、使用したすべてのマスク及び基板1の裏面に付着した不要なマスク材を完全に除去する。マスクの除去には、基板を熱燐酸溶液とBHF溶液に交互に浸漬して多結晶SiとSiOを順次除く方法を用いてもよい。
次いで、マスクを除去した基板1を洗浄、乾燥した後、高純度の常圧Ar雰囲気で1700℃、1分の熱処理を行い、p型ベース領域53a、53bとn型ソース領域54a、54b、p型ベースコンタクト領域57にイオン注入されたすべての伝導不純物を一挙に活性化させる。
(c)次に、RCA洗浄などで十分洗浄した基板1をドライ酸素雰囲気で熱酸化して、基板1の表面並びに裏面に熱酸化膜を成長させ、緩衝フッ酸溶液を用いて直ちに取り除く。この犠牲酸化膜の厚みは50nm未満、好ましくは5〜20nmが望ましい。犠牲酸化が終了した基板1を再び、RCA洗浄などで十分洗浄する。その後、基板1の表面に熱酸化やCVDなどの手段を用いて厚い絶縁膜を形成し、周知のフォトリソグラフィとウェットエッチングまたはドライエッチングを用いて前記厚い酸化膜が存在するフィールド領域(図示せず)と厚い酸化膜が除去された素子領域(ユニットセル)70(図14参照)を形成する。なお、この段階での素子領域70の形状は図15(b)と変らないが、素子領域70の外の周辺部分にフィールド領域が形成されている点が相違している。
続いて、基板1を再び、RCA洗浄などで十分洗浄するとともに、この洗浄の最終段階において、素子領域70の表面に生成した化学的酸化膜(SiO)を除去するために、希釈フッ酸溶液に5秒〜10秒間浸漬し、超純水で希釈フッ酸溶液を完全にすすぎ落とした後、乾燥する。そして、直ちに熱酸化して、素子領域70の基板1の表面にONOゲート絶縁膜9a、9bの第1層を構成するSiC熱酸化膜10a、10bを成長させる。その後、その上にLPCVDで第2層のSiN膜11a、11bを堆積させ、最後にSiN膜11a、11bを熱酸化させて第3層のSiN熱酸化膜12a、12bを表面に成長させ、図15(c)のような構造を得る。エピタキシャル基板1の裏面にもONO構造の膜が形成されるが、同図では図示省略している。各膜の成膜条件は前記本発明実施の形態1と2に記載された条件と同じ条件を用いることができる。
ここで重要なポイントは、上記SiC熱酸化膜10a、10bの熱酸化温度は、全ての後続工程のどの熱処理温度よりも高く設定するということである。ここでは後に、表側のソース接触電極64と裏面ドレイン電極17のオーム性接触を実現するために、温度1000℃の急速加熱処理を実施するので、それより高い1100℃という酸化温度を選んだ。
(d)次に、基板1の表面及び裏面の全面にシラン原料を用いた減圧CVD法(成長温度600℃〜700℃)で厚み300〜400nm多結晶Si膜を成膜する。その後、塩素酸リン(POCl)と酸素を用いた周知の熱拡散法(処理温度900℃〜950℃)で多結晶Si膜にP(リン)を添加し、導電性を付与する。続いて、基板1の表面にフォトレジストを塗布して、フォトリソグラフィと、Cと酸素をエッチャントとした反応性イオンエッチング(RIE)を用いて、基板1の表面側の多結晶Si膜と、ONOゲート絶縁膜9a、9bのSiN熱酸化膜12a、12bとSiN膜11a、11b、の不要な部分を連続的に取り除き、レジストを除去すると図16(d)の構造になる。この工程でゲート電極7a、7bが定義される。なお、エピタキシャル基板1の裏面にも多結晶Si膜が形成されるが、同図では図示省略されている。
(e)次に、RIEが終了したSiCエピタキシャル基板1をRCA洗浄して、清浄化・乾燥した後、950℃でウェット酸化(パイロジェニック酸化)して、図16(e)のように、多結晶Siゲート電極7a、7bの側面及び上部とSiN膜11の側面に、多結晶Si熱酸化膜8a、8bとSiN側面熱酸化膜13a、13bを同時に成長させる。本工程では上記ゲートエッチングで損傷を受けたリーク電流性SiN膜の外縁部の側面を熱酸化膜13a、13bに転換することによって除去するとともに、多結晶Siの外縁端GをSiN膜の外縁端Nより僅かに後退させて、SiN膜外縁のゲート電界を緩和させ、信頼性の向上を図っている。多結晶Siの外縁端Gを後退させるために、本発明の製造方法では、多結晶Siの酸化速度がSiN膜の酸化速度より高い性質を利用している。また、本工程では、多結晶Si熱酸化膜8a、8b及びSiN側面熱酸化膜13a、13bを付加することによって、ゲート電極7a、7bの下に局在するONOゲート絶縁膜9a、9bを熱的に安定な材料、すなわち、多結晶SiとSiCと、熱酸化膜で包囲して保護する構造にしている。この構造は、後続の高温コンタクトアニール(1000℃、2分)などで、ONOゲート絶縁膜9a、9bが周辺部材や環境と相互作用して劣化するのを防止するのに重要な役割を果たす。なお、多結晶Si熱酸化膜8a、8bはゲート電極7a、7bの側壁だけでなく上面にも形成され、多結晶Siゲート電極7a、7bの厚みが目減りする。この目減り分を考慮して、結晶Siゲート電極7a、7bの初期の厚みは規定されているものとする。
(f)次に、図17(f)に示すように、基板1の表全面に層間絶縁膜14を堆積する。この層間絶縁膜14には、シランと酸素を原料とした常圧CVDで形成した約1μm厚のSiO膜(NSG)あるいは更にリン(P)を添加したリン珪酸ガラス(PSG)、更にこれにホウ素を添加したホウ素リン珪酸ガラス(BPSG)などが適しているが、これに限定されるものではい。この後、基板を通常の拡散炉に入れ、N雰囲気で数10分の穏やかな熱処理を行い、層間絶縁膜14を高密度化する。このときの熱処理温度は、ゲート絶縁膜の形成(熱酸化)温度より低い温度、例えば、900℃〜1000℃の範囲で適宜選ばれる。
(g)次に、周知のフォトリソグラフィーとドライ/ウェットエッチング手段を用いて、基板1の表面側の層間絶縁膜14と、ONOゲート絶縁膜のSiC熱酸化膜10a、10bとにソース窓63を開口する。図示していないが、素子領域周辺に形成されているゲートコンタクト窓もこのとき、同時に開口される。エッチャント溶液またはガスが基板1の裏に及ぶ場合には、裏面の一過性の多結晶Si膜上の熱酸化膜(図示省略)も同時に除去される。
エッチングが終了したら、フォトレジスト・エッチングマスクが残ったままの基板1の表全面にDCスパッタリングなどの成膜手段を用いてソース接触電極母材25を全面蒸着する。ソース接触電極母材25には、例えば、50nm厚のNi膜あるいはCo膜などを用いることができる。
蒸着が終了したら、基板1を専用のフォトレジスト・ストリッパに浸漬し、基板1の表面に残されているフォトレジストを完全に除去する。それにより、図17(g)のように、ソース窓63上とゲートコンタクト窓(引出線と符号は非表示)の底面にのみソース接触電極母材25が堆積した基板構造ができあがる。
(h)次に、基板を十分すすいで、乾燥させた後、表全面に厚み1μm以上の保護用レジスト材(フォトレジストでよい)を塗布し、ドライ・エッチングを行い、裏面側に残留している多結晶シリコン膜/SiN熱酸化膜/SiN膜を順に除去する。このドライエッチング中に起きるプラズマダメージや帯電、汚染から接触電極母材25とゲート絶縁膜10a、10bの劣化を防止するために、上記保護用レジストは必ず必要である。
次に、基板1を緩衝フッ酸溶液に浸漬してONO膜のSiC熱酸化で生じた一過性のSiC熱酸化膜(図示なし)を除去し、エピタキシャル基板1の裏面に清浄な結晶面を露出させる。緩衝フッ酸溶液を超純水で完全にすすぎ落して、乾燥させたところで、速やかに基板1を高真空に維持された蒸着装置の中に据え付け、裏面に所望のドレイン接触電極母材(図示なし)を蒸着する。この裏面の電極母材としては、例えば、50〜100nm厚のNi膜あるいはCo膜を用いることができる。
次に、表面保護に使用したレジストを専用ストリッパ液で完全に剥離し、エピタキシャル基板1を十分洗浄し、すすいでから乾燥させ、直ちに急速加熱処理装置に設置して、高純度Ar雰囲気で1000℃、2分間の急速加熱処理(コンタクト・アニール)を実施する。この熱処理によって、ソース窓63の底とゲートコンタクト窓の底ならびに裏面に堆積された各接触電極母材(Ni膜)はそれぞれ、n型ソース領域54a、54b(/p型ベースコンタクト領域57)、多結晶Siゲート電極接触領域(図示なし)、n型SiC基板1の裏面と合金化して、極めて低抵抗を示すオーム性のソース電極64、ゲート接触(図示なし)、ドレイン接触電極17となり、図18(h)に示す基板構造が形成される。
(i)最後に、コンタクト・アニールが済んだ基板1を高真空に維持されたマグネトロンスパッタリング装置に据え付け、基板1の表全面に所望の配線材料、例えばAl膜を3μm厚に蒸着する。
この後、Al膜を成膜した基板1の上面にフォトレジストを塗布し、露光し、現像して、エッチングのレジストマスクを形成した後、基板1の裏面に裏面電極保護用のフォトレジストを塗布して、このレジストを十分乾燥させてから、RIEでAl膜をパターン化し、ソース接触電極64に接続する内部配線16とゲート電極接触に接続する内部配線(図示なし)を形成する。
最後に、レジストマスクを専用ストリッパ液で完全に除去し、基板1を十分すすいでから乾燥させる。こうして、図14に示した本発明に基づくプレーナ型パワーMOSFETセルが完成する。
このようにして作製した本発明に基づくONO膜MIS構造体を取り込んだプレーナ型パワーMOSFETセルは、通常のSiC熱酸化ゲート酸化膜を有するプレーナ型パワーMOSFETセルと何ら変らない良好なトランジスタ特性を示した。
そのONO膜MIS構造体の部位は、前記第1実施の形態と何ら変らない高い信頼性(図7〜図9)を示した。すなわち、本発明のONO膜MIS構造プレーナ型パワーMOSFETセル及びその製造方法は、従来のプレーナ型パワーMOSFETのSiC熱酸化膜MOSゲート構造体のゲート絶縁膜の信頼性、すなわち絶縁破壊耐性やTDDB耐性を飛躍的に改善し、画期的な長寿命化を図れるという効果を有している。
また、上記説明から明らかなように、本発明のプレーナ型パワーMOSFETセル及びその製造方法は、ONOゲート絶縁膜の信頼性や歩留まりの低下を招くことなく、基板1の裏面に少なくとも10−6Ωcm台の極めて低抵抗のオーム接触を実現することが可能である。すなわち、本発明のプレーナ型パワーMOSFETセル及びその製造方法は、従来のONO膜MIS構造プレーナ型パワーMOSFETセル及びその製造方法が潜在的に抱えていた、ソース接触やドレイン接触を低抵抗に形成する方法を確立していないという問題を解決する効果を有している。さらには、ソース接触やドレイン接触の接触抵抗が低減されることから、同レーナ型パワーMOSFETのオン抵抗を下げられるという効果も有していると言える。
また、上記説明から明らかなように、本発明のONOゲート構造プレーナ型パワーMOSFETセル及びその製造方法は、ONOゲート絶縁膜の信頼性や歩留まりの低下を招くことなく、ONOゲート構造体周辺の不要なSiN膜をゲート電極7a、7bの外縁端に自己整合させて、基板1の表面から過不足なく除去する技術を提供している。すなわち、本発明のONOゲート構造プレーナ型パワーMOSFETセル及びその製造方法は、従来のONOゲート構造プレーナ型パワーMOSFETセル及びその製造方法が潜在的に直面していた、これが原因でゲート領域外に不要なONO膜が残り、微細化や歩留まり向上の妨げになるという問題を解決できるという効果を有している。
《第4の実施の形態》
上記第3実施の形態は、本発明のONO膜ゲート構造体を、プレーナ型パワーMOSFETセルに適用したものであるが、類似の素子構造を有するIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)セルにも適用可能であることは言うまでもない。この場合も第3の実施の形態のプレーナ型パワーMOSFETセルとまったく同様の効果が得られる。
《第5の実施の形態》
前記第1〜第4の実施の形態では、ONO膜ゲート絶縁膜の一部を構成している酸化シリコン膜(SiC熱酸化膜)10、10a、10bを、SiCエピタキシャル基板1の表面を乾燥酸素雰囲気下、1100℃で熱酸化して形成したSiC熱酸化膜で構成する例について示した。本発明者が鋭意実験検討して明らかにしたところによれば、このSiC熱酸化膜の成長方法は、ONO膜MIS構造体の信頼性と界面特性に極めて強い影響を与える。この事実から、SiC熱酸化膜の成長方法を適正化することで、ONO膜MIS構造体の信頼性を一層向上させられること、さらにMIS界面特性を改善させることもできることが明らかになった。
本第5の実施の形態では、この酸化シリコン膜10、10a、10bの適正化で一層の高信頼化が図られる具体例を示す。ただし、簡単のため、ここでは、第1の実施の形態のONO膜MIS構造体に適用した例で説明することにする。しかし、以下に説明する酸化シリコン膜の適正化技術は、前記第1〜第4の実施の形態に係る酸化シリコン膜10、10a、10bに等しく適用可能であり、その効果はすべての実施の形態において顕著である。
第5の実施の形態に係るONO膜MIS構造体の構成及びその製造方法は、シリコン酸化膜10の属性と熱酸化法を除けば前記第1実施の形態と異なるところがないので、説明を省略し、シリコン酸化膜10の属性と熱酸化法だけについて説明することにする。
第5の実施の形態のシリコン酸化膜10はSiCエピタキシャル基板1の表面を乾燥酸素雰囲気で1100℃以上の温度、例えば1100℃以上1350℃未満の温度範囲、好ましくは1120℃以上1300℃未満の温度範囲で酸化した後、同前記酸化温度範囲内の不活性雰囲気(NやArなど)中で1分〜180分の範囲で熱処理して形成したSiC熱酸化膜である。1100℃以上の温度、例えば1100℃以上1350℃未満の温度範囲での熱酸化はONO膜MIS構造体の信頼性と界面特性の双方の向上に寄与する。一方、その後の不活性雰囲気での熱処理はONO膜MIS構造体の信頼性の改善に貢献する。なお、この不活性雰囲気の熱処理の前または後にウエット再酸化処理などのその他の熱処理プロセスを付加してもよい。
以上、本第5の実施の形態の構造と製造方法を説明したが、次いで本実施の形態の効果について説明する。
図19には前述の第1の実施の形態(図9)と同様の方法で実施した、第5の実施の形態に係るTDDB信頼性試験結果(=累積故障率Fのワイブルプロット)を示している。試験品のシリコン酸化膜10の熱酸化温度は1160℃、熱酸化後の熱処理は窒素雰囲気で1160℃、60分であり、ウエット再酸化処理は行っていない。シリコン酸化膜10以外の構成、シリコン酸化膜10以外の製造方法は前記第1の実施の形態と全く同じである。
同図には第1の実施の形態の結果も再度記載している。(ただし、横軸(QBD)のスケールが前図9とは異なっているので注意されたい)。本第5の実施の形態は、前記第1の実施の形態と対照してみると、寿命(QBD)分布が全体に長寿命側にシフトしているのがわかる。故障率F=50%点でQBDを比較してみると、前記第1の実施の形態がQBD=30C/cmなのに対して、本第5の実施の形態はQBD=42C/cmであった。すなわち、本第5の実施の形態は、前記第1の実施の形態に比べて、約40%のQBD寿命の改善が達成できる。
また、本第5の実施の形態の絶縁破壊試験も実施した。図7の第1の実施の形態の結果に比べて、1MV/cm高い絶縁破壊強度(BEOX)分布が得られた。
以上の試験結果から明らかなように、本第5の実施の形態においては、前記第1〜第4の実施の形態に比べて、一層高い信頼性を実現できるという効果が得られる。
図20は前記第1の実施の形態のONO膜MIS構造体(1)と本第5の実施の形態のONO膜MIS構造体(2)の高周波C−V特性、quasi-static C−V特性を示している。前記第1の実施の形態と本第5の実施の形態とで、高周波C−V特性とquasi-static C−V特性の電圧軸方向の変移量を比較すると、本第5の実施の形態の変移量が1/2以下であることがわかる。定性的に言って、高周波C−V特性に対するquasi-static C−V特性の変移は、ゲート絶縁膜/SiC界面の界面準位の量に対応していると言えるから、本第5の実施の形態は前記第1〜第4の実施の形態に比べて、より良好なゲート絶縁膜/SiC界面を実現していると言うことができる。
なお、説明するまでもないが、本第5の実施の形態の構造と製造方法は、シリコン酸化膜10の属性と形成法を除けば、基本的に前記第1〜第4の実施の形態と同様であるから、本第5実施の形態は前記第1〜第4の実施の形態が持っている『「コンタクト抵抗が高い」「ゲート領域外に不要なONO膜が残っている」という問題を解決できる』という効果を同様に具有している。
《第6の実施の形態》
前記第1〜第5の実施の形態では、ONO膜ゲート絶縁膜の一部をなす酸化シリコン膜10、10a、10bを、SiCエピタキシャル基板1のSiC熱酸化膜で形成していた。しかしながら、ある種のMIS構造デバイスにおいてはSiC熱酸化膜が使用できない場合がある。本第6の実施の形態は、このような場合に満足の行く実施の形態を与えるものである。
簡単のために、と同時に、前記実施の形態との効果の比較を容易にするために、ここでは、前記第1の実施の形態と同様のONO膜MIS構造体に適用した例を用いて説明することにする。しかし、以下に説明する酸化シリコン膜の適正化技術は、前記第2〜第4の実施の形態に係るONO膜MIS構造体(の酸化シリコン膜)にも等しく適用可能であり、すべての実施の形態において極めて効果的である。
本第6の実施の形態に係るONO膜MIS構造体の構成及びその製造方法は、酸化シリコン膜10の属性とONOゲート絶縁膜の形成法を除けば、前記第1の実施の形態となんら異ならない。故に、全体の説明を省略し、構成はシリコン酸化膜10の属性のみ、また、製造方法はONO膜の形成工程とその前後の工程だけについて説明することにする。
本第6実施の形態の酸化シリコン膜10は、SiCエピタキシャル基板1の表面に化学的気相成長法等の熱酸化以外の手段で堆積し、その後、ゲート電極7の多結晶Siを成膜するまでの工程期間に、例えば800℃以上1350℃未満の酸化雰囲気あるいは不活性ガス雰囲気で熱処理した膜であることを特徴としている。厚みは、例えば4nm〜20nmがよいが、この範囲に限定されるものではない。
〈製造方法〉
次に、製造方法について説明する。
まず、第1の実施の形態における製造方法で説明した工程(a)と(b)を実施して図3(b)に示した構造を形成する。
続いて、ゲート窓6を開口したエピタキシャル基板1をRCA洗浄で十分洗浄し、洗浄の最終段階において、RCA洗浄で開口部表面に生成した化学的酸化膜を除去するために緩衝フッ酸溶液に5秒〜10秒間浸した後、超純水で緩衝フッ酸溶液を完全にすすぎ落とし、乾燥する。
次に、熱酸化以外の堆積手段で、ゲート窓6の底部に所定の厚みの酸化シリコン膜10(=ONO膜の第1層目)を成膜する。望ましい堆積手段としては、例えば、常圧あるいは減圧CVD法を挙げることができるが、これに限定されるものではない。この成膜でエピタキシャル基板1の裏面にも一過性の酸化シリコン膜(SiC熱酸化膜)202が形成される。この酸化シリコン膜202は、後の工程で形成される基板裏面の一過性のSiN膜をドライエッチングで除去する際、エッチングダメージから基板裏表面を保護する機能がある。この酸化膜保護がないと、基板裏面の結晶性が乱れて、裏面電極17の接触抵抗が増大する。
ゲート窓6の底部に酸化シリコン膜10を形成したところで、次にエピタキシャル基板1の表全面にSiHClとNHを用いたLPCVD法でSiN膜11(=ONO膜の第2層目)を堆積し、堆積し終ったら直ちに、基板1を950℃でパイロジェニック酸化し、SiN膜11の表面に所定の厚みのSiN熱酸化膜12(=ONO膜の第3層目)を成長する。図21(c)はこの段階での基板1の断面構造を示している。基板1の裏面の203と204は前記SiN膜11の堆積とSiN熱酸化膜12の成長で自動的に形成された一過性のSiN膜とSiN熱酸化膜である。
このパイロジェニック酸化は、前述の構成の項で説明した酸化シリコン膜10に対する「800℃以上の酸化雰囲気あるいは不活性ガス雰囲気での熱処理」も兼ねている。すなわち、酸化シリコン膜10の熱処理は、後続のSiN熱酸化膜12の形成工程にて同時に実施される。酸化シリコン膜10に対する上記熱処理は酸化シリコン膜10の成膜直後に行う必要は必ずしもなく、このように、ゲート電極7用の多結晶Siの成膜までの間に実施することができる。
ところで、上記工程のようにSiN膜11のパイロジェニック酸化工程に、酸化シリコン膜10の熱処理工程を兼用させる製造方法は工程数の節約になるので、極めて合理的な手法といえるが、一般には、このパイロジェニック酸化の酸化条件が、酸化シリコン膜10の熱処理条件がその最適条件であるとは限らない。したがって、もし、本第6の実施の形態の効果の最大化を企図するなら、酸化シリコン膜10に対する熱処理は、パイロジェニック酸化工程とは独立した工程として設けるのが望ましい。
ONO膜を形成したところで、SiCエピタキシャル基板1の表裏全面にシラン原料を用いた減圧CVD法(成長温度600℃〜700℃)で厚み300〜400nm多結晶Si膜を成膜する。
これ以降の製造工程は第1の実施の形態の製造方法の説明(d)〜(i)と全く同じなので、説明を省略する。
前述の図19には、本第6の実施の形態に基づいて製造したONO膜MIS構造体のTDDB信頼性試験結果(=累積故障率Fのワイブルプロット)を示している。試験方法は同図掲載の他のデータと同じである。試験品の酸化シリコン膜10(厚み約10nm)の形成方法はシランと酸素を原料とした常圧CVD法であり、同酸化シリコン膜10に対する熱処理はSiN膜11(厚み53nm)のパイロジェニック酸化に兼ねさせている。その他の構成は前記第1の実施の形態と全く同じである。
本第6の実施の形態は、前記第1の実施の形態と比較してみると、寿命(QBD)分布が全体に長寿命側に顕著にシフトしている。故障率F=50%点でQBDを比べてみると、前記第1の実施の形態がQBD=30C/cmなのに対して、本第6実施形態はQBD=59C/cmであった。本第6の実施の形態は、前記第1の実施の形態に比べて、約2倍のQBD寿命の改善が達成できる。この値は前記第5の実施の形態のQBD寿命よりも更に高い値である。
また、絶縁破壊試験も実施した。その結果、図7の前記第1の実施の形態の結果に比べて、約1.5MV/cm高い絶縁破壊強度(BEOX)分布が得られた。
以上の試験結果から明らかなように、本第6の実施の形態は、従来技術よりもけた違いに高く、前記第1〜第5の実施の形態に比べても、一層高い信頼性を実現できるという効果が得られる。
前記第6の実施の形態の構造と製造方法は、シリコン酸化膜10の属性とONO膜の形成法を除けば、基本的に前記第1〜第4の実施の形態と同様である。したがって、本第6の実施の形態は前記第1〜第4の実施の形態が持っている『「コンタクト抵抗が高い」「ゲート領域外に不要なONO膜が残っている」という問題を解決できる』という効果を同様に具有している。
なお、以上説明した実施の形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施の形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
本発明の第1の実施の形態の半導体装置の要部断面図である。 本発明の第1の実施の形態の半導体装置の拡大要部断面図である。 本発明の第1の実施の形態の半導体装置の製造工程断面図である。 本発明の第1の実施の形態の半導体装置の製造工程断面図である。 本発明の第1の実施の形態の半導体装置の製造工程断面図である。 本発明の第1の実施の形態の半導体装置の製造工程断面図である。 本発明の第1の実施の形態を適用した半導体装置のゲート絶縁膜の特性を示す図である。 本発明の第1の実施の形態を適用した半導体装置のゲート絶縁膜の特性を示す図である。 本発明の第1の実施の形態を適用した半導体装置のゲート絶縁膜の特性を示す図である。 本発明の第2の実施の形態の半導体装置の要部断面図である。 本発明の第2の実施の形態の半導体装置の製造工程断面図である。 本発明の第2の実施の形態の半導体装置の製造工程断面図である。 本発明の第2の実施の形態の半導体装置の製造工程断面図である。 本発明の第3の実施の形態の半導体装置の要部断面図である。 本発明の第3の実施の形態の半導体装置の製造工程断面図である。 本発明の第3の実施の形態の半導体装置の製造工程断面図である。 本発明の第3の実施の形態の半導体装置の製造工程断面図である。 本発明の第3の実施の形態の半導体装置の製造工程断面図である。 図9の本発明の第1の実施の形態と同様の方法で実施した、第4の実施の形態に係るTDDB信頼性試験結果を示す図である。 本発明の第1の実施の形態のONO膜MIS構造体(1)と第5の実施の形態のONO膜MIS構造体(2)の高周波C−V特性、quasi-static C−V特性を示す図である。 本発明の第6の実施の形態の基板1の断面構造を示す工程断面図である。
符号の説明
1…SiC基板 2…n型エピタキシャル層
3…フィールド絶縁膜 4…下部絶縁膜
5…上部絶縁膜 6…ゲート窓
7、7a、7b…ゲート電極 8、8a、8b…多結晶Si熱酸化膜
9、9a、9b…ONOゲート絶縁膜 10、10a、10b…SiC熱酸化膜
11、11a、11b…SiN膜 12、12a、12b…SiN熱酸化膜
13、13a、13b…SiN側面熱酸化膜
14、14a、14b…層間絶縁膜
15…ゲートコンタクト窓 16…内部配線
17…オーム性接触電極(ドレイン電極) 20…CVD酸化膜
21a、21b…第1イオン注入マスク 25…ソース接触母材
53a、53b…p型ベース領域 54a、54b…n型ソース領域
57…p型ベースコンタクト領域 63…ソース窓
64…ソース電極 70…素子領域(ユニットセル)
201…一過性SiC熱酸化膜 202…一過性SiC熱酸化膜
203…一過性SiN膜 204…一過性SiC熱酸化膜
G…ゲート電極外縁端 N…SiN膜外縁端

Claims (20)

  1. 炭化珪素基板と、多結晶シリコンからなるゲート電極との間に、酸化シリコン膜と窒化シリコン膜と窒化シリコン熱酸化膜の三層構造からなるゲート絶縁膜が挟持され、
    前記ゲート電極と前記窒化シリコン膜の少なくとも側壁にそれぞれ、多結晶シリコン熱酸化膜と窒化シリコン側面熱酸化膜とが設けられていることを特徴とする炭化珪素半導体装置。
  2. 前記多結晶シリコン熱酸化膜と前記窒化シリコン側面熱酸化膜とは互いに外縁端の位置が同じであり、
    前記窒化シリコン膜の外縁端が前記ゲート電極の外縁端より外側に位置していることを特徴とする請求項1記載の炭化珪素半導体装置。
  3. 炭化珪素基板と、多結晶シリコンからなるゲート電極との間に、酸化シリコン膜と窒化シリコン膜と窒化シリコン熱酸化膜の三層構造からなるゲート絶縁膜が挟持され、
    前記ゲート電極と前記窒化シリコン膜の側壁にはそれぞれ、多結晶シリコン熱酸化膜と窒化シリコン側面熱酸化膜とが設けられ、
    前記窒化シリコン膜の外縁端が前記ゲート電極の外縁端より外側に位置するように前記窒化シリコン熱酸化膜とゲート電極とが設けられていることを特徴とする炭化珪素半導体装置。
  4. 前記炭化珪素半導体装置の表面には、前記ゲート電極の上部の少なくとも一部を被覆するように層間絶縁膜が設けられ、
    前記炭化珪素半導体装置の裏面または表面の所定領域には、前記炭化珪素基板に対するオーム性接触電極が設けられていることを特徴とする請求項3記載の炭化珪素半導体装置。
  5. ゲート窓を開口したフィールド絶縁膜が表面に形成された炭化珪素基板と、多結晶シリコンからなるゲート電極との間に、前記ゲート窓の底を覆うように設けられた酸化シリコン膜と窒化シリコン膜と窒化シリコン熱酸化膜の三層構造からなるゲート絶縁膜が挟持され、
    前記ゲート電極と前記窒化シリコン膜の側壁にはそれぞれ、多結晶シリコン熱酸化膜と窒化シリコン側面熱酸化膜とが設けられ、
    前記窒化シリコン膜の外縁端が前記ゲート電極の外縁端より外側に位置するように前記窒化シリコン膜と前記ゲート電極とが設けられていることを特徴とする炭化珪素半導体装置。
  6. 前記炭化珪素半導体装置がMOSFETであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の炭化珪素半導体装置。
  7. 前記炭化珪素半導体装置がIGBTであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の炭化珪素半導体装置。
  8. 前記酸化シリコン膜は、前記炭化珪素基板を熱酸化して形成することを特徴とする請求項1記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  9. 前記酸化シリコン膜は、前記炭化珪素基板を1100℃以上の温度で熱酸化して形成することを特徴とする請求項1記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  10. 前記酸化シリコン膜は、前記炭化珪素基板を熱酸化した後、1100℃以上の温度の不活性雰囲気中で1分〜180分の範囲で熱処理して形成することを特徴とする請求項1記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  11. 前記酸化シリコン膜は、化学的気相成長法で酸化シリコン膜を堆積した後、酸化雰囲気または不活性雰囲気で熱処理して形成することを特徴とする請求項1記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  12. 前記酸化シリコン膜は、化学的気相成長法で酸化シリコン膜を堆積した後、前記ゲート電極の多結晶シリコン膜を成膜するまでの工程期間に、酸化雰囲気または不活性雰囲気で熱処理して形成することを特徴とする請求項1記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  13. 前記酸化シリコン膜は、化学的気相成長法で酸化シリコン膜を堆積した後、前記ゲート電極の多結晶シリコン膜を成膜するまでの工程期間に、800℃以上1350℃未満の酸化雰囲気または不活性雰囲気で熱処理して形成することを特徴とする請求項1記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  14. 請求項11記載の前記酸化シリコン膜の熱処理は、後続の前記窒化シリコン熱酸化膜の形成工程にて同時に実施されることを特徴とする請求項1記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  15. 前記多結晶シリコン熱酸化膜と窒化シリコン側面熱酸化膜とを熱酸化によって同時に形成する工程を有することを特徴とする請求項1記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  16. 前記ゲート電極と前記窒化シリコン膜とを同一のマスクで連続エッチングして両者の外縁端を前定義する工程と、
    その後、両者を同時に熱酸化して両者の外縁端を最終確定する工程と
    を有することを特徴とする請求項2、3、または5記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  17. 前記ゲート電極と前記窒化シリコン膜とを同一のマスクで連続エッチングする工程は、前記酸化シリコン膜を貫通させることなく停止する工程であることを特徴とする請求項16記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  18. 炭化珪素基板上に酸化シリコン膜と窒化シリコン膜と窒化シリコン熱酸化膜を順に積層して三層構造からなるゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記窒化シリコン熱酸化膜の上に多結晶シリコンからなるゲート電極を積層する工程と、
    同一のマスクを用いて前記炭化珪素基板上から不要な前記ゲート電極の部分と不要な前記窒化シリコン膜の部分を連続して除去し、前記ゲート電極と前記窒化シリコン膜の外縁端を前定義する工程と、
    前記ゲート電極と前記窒化シリコン膜とを熱酸化して両側壁に多結晶シリコン熱酸化膜と窒化シリコン側面熱酸化膜を形成し、前記ゲート電極の外縁端を前記窒化シリコン膜の外縁端より内側に位置させる工程と
    を有することを特徴とする請求項3または5記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  19. 炭化珪素基板上にゲート窓を開口したフィールド絶縁膜を形成する工程と、
    前記ゲート窓の底を覆うように酸化シリコン膜と窒化シリコン膜と窒化シリコン熱酸化膜を順に積層して三層構造からなるゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記窒化シリコン熱酸化膜の上に多結晶シリコンからなるゲート電極を形成する工程と、
    同一のマスクを用いて前記炭化珪素基板上から不要な前記ゲート電極の部分と不要な前記窒化シリコン膜の部分を連続して除去し、前記ゲート電極と前記窒化シリコン膜の外縁端を前定義する工程と、
    前記ゲート電極と前記窒化シリコン膜とを熱酸化して両側壁に多結晶シリコン熱酸化膜と窒化シリコン側面熱酸化膜を形成し、前記ゲート電極の外縁端を前記窒化シリコン膜の外縁端より内側に位置させる工程と
    を有することを特徴とする請求項5記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  20. 炭化珪素基板上に酸化シリコン膜と窒化シリコン膜と窒化シリコン熱酸化膜を順に積層して三層構造からなるゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記窒化シリコン熱酸化膜の上に多結晶シリコンからなるゲート電極を形成する工程と、
    同一のマスクを用いて前記炭化珪素基板上から不要な前記ゲート電極の部分と不要な前記窒化シリコン膜の部分を連続して除去し、前記ゲート電極と前記窒化シリコン膜の外縁端を前定義する工程と、
    前記ゲート電極と前記窒化シリコン膜とを熱酸化して両側壁に多結晶シリコン熱酸化膜と窒化シリコン側面熱酸化膜を形成し、前記ゲート電極の外縁端を前記窒化シリコン膜の外縁端より内側に位置させる工程と、
    前記多結晶シリコン熱酸化膜を被覆するように層間絶縁膜を堆積する工程と、
    前記炭化珪素基板の所定領域を露出させる工程と、
    少なくとも前記炭化珪素基板の露出領域にオーム性接触母材を設ける工程と、
    前記炭化珪素基板を熱処理して、前記オーム性接触母材を低抵抗のオーム性接触電極に転化させる工程と
    を有することを特徴とする請求項4記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
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