JP4996558B2 - 可変減衰力ダンパ - Google Patents

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本発明は可変減衰力ダンパに関し、例えば、道路車両等の振動を減衰させるために用いられる可変減衰力ダンパに関する。
分散媒としての一様な鉱物油等のオイルに、分散質として真球状で平均粒径が数μm程度の強磁性を有する微粒子(以下「磁性粒子」という)を分散させたMR流体(Magneto-Rheological Fluid)を用いた可変減衰力ダンパが知られている。
MR流体は、磁場を受けていないときは一般的な油圧作動油と同様に液状であり、ニュートン流体としての挙動を示すが、外部から磁場が加えられた場合には、MR流体中に均一に分散していた磁性粒子が磁場方向に沿って連結し、鎖状のクラスタを形成する。このクラスタが変形(流れ)に対して抵抗するために、見かけの粘度が急激に大きくなり、流動時には降伏応力を有する塑性流体の挙動を示す。MR流体の磁場によるこのような粘性変化は可逆的であり、磁場を除くことにより速やかに元の状態に戻る。また、磁場の強さを調節することにより粘度変化の程度を調節することができる。このMR流体の状態変化は極めて高速で生じ、磁場の変化に対する応答性は、数ミリ秒のレベルである。
MR流体を用いた可変減衰力ダンパは、一般的に、MR流体をシリンダチューブに充填し、このシリンダチューブの内部を第1油室(第1の室)と第2油室(第2の室)とに区画するようにピストンを配置し、第1油室と第2油室との間でMR流体が流通できるようにピストンに連通孔を設け、さらに連通孔内のMR流体に磁場を印加するコイルをピストンに内蔵させた構造となっている(例えば、特許文献1、2参照)。そして、コイルへの給電(すなわち、MR流体への磁場の印加)による連通孔内のMR流体の粘性変化を利用して、減衰力を可変に制御する。ピストンは、シリンダチューブに対して摺動する機械構造部材であると共に、MR流体に磁場を印加する機能部材でもあるために、その構造は複雑である。
可変減衰力ダンパに用いられているピストンの一例に係る概略構造を表した部分断面図を図5に示す。ピストン501は、コイル512を捲回形成するためのピストンコア511を備えており、ピストンコア511にはピストンロッド503が嵌挿されている。ピストンコア511の外周を囲繞するように一定の間隙517をもってピストンリング513が配設されており、このピストンリング513がシリンダチューブ502に対して摺動する。ピストンコア511の軸方向端には一対のサイドカバー514が配置されており、各サイドカバー514には孔部518が設けられている。間隙517と孔部518とが連通して、第1油室504と第2油室505との間でMR流体を流通させるための連通孔が形成されている。
ピストンリング513は、加締め加工により、サイドカバー514に取り付けられている(特許文献1参照)。コイル512へは、ピストンロッド503を通して配置された絶縁被覆線(導線)507が接続されており、所定の電流が供給されるようになっている。
また、図示はしないが、ピストンリングのサイドカバーへの取り付けを、上述した加締め加工に依らずに、通電による抵抗加熱を利用した焼嵌めによって行う技術も知られている(特許文献2参照)。この場合のピストンリング、サイドカバー及びピストンロッドの位置関係は、図5に示される位置関係と同様であり、サイドカバーの外周をピストンリングの内周に接触させた配置形態を取る。サイドカバーの位置決めはサイドカバーに取り付けられているピストンロッドを用いて行われ、ピストンリングの位置決めは所定の治具を用いて行われ、この治具が通電のための電極を兼ねる。
米国特許第6260675号明細書 米国特許第6525289号明細書
しかしながら、ピストンリング513を加締め加工によりサイドカバー514に取り付ける方法では、専用の治具や工具(機械)を用いる必要があり、大きさ(形状)の異なるピストン501ごとに治具等が必要になるため、設備コストが高くなる。また、治具の形状精度(寸法、角度及び公差等を含む)や工具の動作精度が、ピストン501を構成する部品同士の組み付け精度に大きな影響を与える。例えば、ピストンコア511とピストンリング513との同軸度が、治具の精度に依存する。この同軸度は、ピストンリング513とシリンダチューブ502との間のクリアランスを管理し、シリンダチューブ502に対するピストン501の摺動性能や耐久性能を決定する重要な因子である。そのため、極めて高い形状精度を有する治具等を用いる必要があり、設備コストが高くなる。
ピストンリングを焼嵌めによりサイドカバーに取り付ける方法では、ピストンリングに熱変形が生じる程度にまで温度を上昇させる必要があるために、ピストンを構成する各種部品間のシール材(図5には図示せず)として、シール性に優れたゴム等を使用することは困難である。この場合には、作動流体に含まれるオイル(分散媒)が、ピストンロッド内に形成された管部へ浸入し、そこから外部へ漏洩するおそれがある。また、ピストンコア、ピストンリング及びピストンロッドが加熱によって変形するおそれがあり、その場合には、各部品の組み付け精度も低下する。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、部品同士の組み付け精度を向上させながら、容易に組み立てを行うことができ、作動流体に対するシール性に優れたピストンを備えた可変減衰力ダンパを提供することを目的とする。
本発明に係る可変減衰力ダンパは、磁性粒子を含む磁性流体または磁気粘性流体である作動流体が充填されるシリンダチューブと、前記シリンダチューブの内部を第1の室と第2の室とに区画するように配置されるピストンと、を具備し、前記ピストンは、前記作動流体を前記第1の室と前記第2の室との間で流通させる連通孔と、前記連通孔内の作動流体に磁場を印加するコイルとを備えて、前記コイルへの給電によって前記連通孔内の作動流体の粘性を変化させて減衰力を制御する可変減衰力ダンパであって、
前記ピストンは、外周に前記コイルが巻装されたピストンコアと、前記ピストンコアの外周との間に前記連通孔の一部が形成されるように前記ピストンコアの外周を所定の間隔を取って囲繞するように配置されるピストンリングと、前記ピストンコアの軸方向端に配置され、前記連通孔の一部を形成する孔部を有する一対のサイドカバーと、を備え、
前記ピストンリングと前記一対のサイドカバーとは、前記ピストンリングの軸方向端が前記サイドカバーの外側に位置するようにして隙間嵌めによって嵌合され、
前記サイドカバーは、前記孔部の内側に位置して前記ピストンコアに当接するカバー基体部と、前記孔部の外側に位置して前記ピストンリングと隙間嵌めによって嵌合されるカバー側嵌合部と、を有し、
前記ピストンリングは、前記カバー側嵌合部と隙間嵌めにより嵌合されるリング側嵌合部と、前記リング側嵌合部よりも軸方向外側の内周面に設けられた第1ネジ溝部と、を有し、
前記ピストンは、さらに、環状で、その外周面に前記第1ネジ溝部と螺合する第2ネジ溝部が形成された環状部材を備え、
前記カバー側嵌合部とリング側嵌合部との隙間嵌めによって前記サイドカバーと前記ピストンリングとが嵌合された状態において前記環状部材を前記第1ネジ溝部と前記第2ネジ溝部とを螺合させて前記ピストンリングに取り付けた際に、前記環状部材が前記サイドカバーの前記孔部を塞ぐことなく、前記サイドカバーを押止することを特徴とする。
このような構成によれば、ピストンリングのサイドカバーへの取り付け及びサイドカバーのピストンコアへの取り付けの際に、専用の治具や工具等を必要としないため、ピストン製造のための設備コストを低く抑えることができると共に、ピストンを構成する部品同士の組み付け精度を高く向上させ、しかも、容易にピストンを組み立てることができる。また、ピストンリングをサイドカバーへ取り付ける際に加熱を要しないために、ピストン内の所望部位に樹脂材料を用いることができると共に、シール性に優れるゴム材料からなるシール材を用いることができる。これにより、作動流体の漏洩が抑制された信頼性に優れる可変減衰力ダンパを実現することができる。
また、このようにピストンコアとサイドカバーとをネジ止めしない構成とすることにより、ピストンコア内部におけるコイルや導線等のレイアウトに関して、ネジ穴位置に起因する制限が無くなるために、その自由度が大きくなる。
本発明に係る可変減衰力ダンパの好適な構成は、前記ピストンが前記シリンダチューブの長手方向においてスライド自在となるように前記ピストンコアに嵌挿されるピストンロッドをさらに具備し、前記ピストンロッドは、前記ピストンコアに嵌挿される側の外径が前記ピストンコアに嵌挿されない側の外径よりも短くなるように形成された段差部を有し、前記一対のサイドカバーの一方は前記ピストンロッドの短径部に挿通されて前記段差部に係止され、前記一対のサイドカバーの他方は前記ピストンコアにネジ止めされている構成である。
このような構成により、ピストンロッドに対するピストンコア、サイドカバー及びピストンリングの位置決めを容易に行うことができる。
前記環状部材を使用する構成の場合には、前記ピストンは、前記第1ネジ溝部と前記第2ネジ溝部とが螺合されて前記ピストンリングに前記環状部材が取り付けられた状態において前記環状部材の回転が抑制されるように、前記環状部材の露出面を押下する回り止め部をさらに備えていることが好ましい。
この回り止め部を設けることにより、環状部材のピストンリングへの取り付け状態が緩むことが防止される。これによってサイドカバーの動きは、軸方向と径方向とでより厳しく制限されるようになるため、減衰力特性にばらつきが発生することを抑制することができる。
なお、本発明に係る可変減衰力ダンパでは、ピストンリングとシリンダチューブとの間に作用する摩擦力や、ピストンコアとピストンリングとの間に形成されている間隙部(ギャップ)を流れる作動流体の流路抵抗によって、ピストンリングとサイドカバーとの間には軸方向の力が作用する。この力によってサイドカバーとピストンリングとの間の軸力が低下し、サイドカバーによるピストンリングの径方向での移動制限が弱くなった場合でも、作動流体に含まれる磁性粒子がサイドカバーとピストンリングの径方向の隙間に侵入することによって、ピストンリングの径方向での移動が制限される。これによって、減衰力特性のばらつきを抑えることができる。
本発明によれば、可変減衰力ダンパに用いられるピストンを、治具等を用いずに製造することができるために、設備コストを低く抑えることができる。また、治具等の形状精度の影響を受けることがないために、ピストンを構成する各部品の組み付け精度の高いピストンを、隙間嵌めにより容易に製造することができる。さらに、シール性に優れたゴム等を用いたピストン構造とすることが容易であり、作動流体に対するシール性が高められた信頼性に優れる可変減衰力ダンパを実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
《第1実施形態に係る可変減衰力ダンパの全体構造》
図1に本発明の第1実施形態に係る可変減衰力ダンパの概略構造を表した断面図を示す。可変減衰力ダンパ10は、所謂、モノチューブ式(ド・カルボン式)の構造を有しており、作動流体であるMR流体が充填された円筒状のシリンダチューブ12と、シリンダチューブ12内を第1油室(第1の室)14と第2油室(第2の室)15とに区画するピストン16と、ピストン16がシリンダチューブ12の軸方向(長手方向)においてシリンダチューブ12に対して摺動自在となるようにピストン16に取り付けられるピストンロッド13と、シリンダチューブ12内を第2油室15と高圧ガス室17とに区画するフリーピストン18と、を備えている。
シリンダチューブ12において、ピストンロッド13を挿通させるための孔部が形成されていない方の端部(高圧ガス室17側の端部)には、アイピース12aが設けられている。例えば、可変減衰力ダンパ10を車両のサスペンションに用いる場合には、アイピース12aに図示しないボルトが嵌挿され、このボルトが車輪側部材であるトレーリングアームと連結される。また、ピストンロッド13の図示しない端部が車体側部材であるダンパベース(ホイールハウス上部)に連結される。車両の走行中には、ピストン16とフリーピストン18のそれぞれの外周面がシリンダチューブ12の内周面に対して摺動しながらシリンダチューブ12の軸方向に動くことにより、車輪側から車体側へ伝達される振動が減衰される。
<ピストン16及びピストンロッド13の構造>
図2に第1実施形態に係る可変減衰力ダンパを構成するピストン及びピストンロッドの概略断面図を示す。ピストン16は、ピストンロッド13の先端が嵌挿されるピストンコア21を備えている。ピストンコア21には機械構造用炭素鋼等の加工性のよい強磁性金属が好適に用いられる。ピストンコア21は、その軸中心に中心孔27を備えた略円筒状の形状を有している。ピストンコア21の外周面には、周方向に一定幅かつ一定深さの条溝22が形成されている。ピストンコア21の外周面にはさらに、条溝22の一部と連通する溝が軸方向(長手方向)に形成され、かつ、この溝と中心孔27とを連通させる溝がピストンコア21の端面において径方向に形成されている。これらの溝と条溝22の全部及び中心孔27の一部には絶縁性で熱硬化性の樹脂等が充填されており、これにより絶縁封止部24が形成されている。
条溝22には、導線が巻回されてなるコイル23が配設されており、このコイル23は絶縁封止部24に埋設されている。コイル23から延びる導線26(すなわち、コイル23への給電を行うための電線)は、絶縁封止部24に埋設された状態で、ピストンコア21に形成された前記した溝とピストンコア21の中心孔27を通り、さらにピストンロッド13に形成された管部36を通って、ピストンロッド13の他端(図示せず)から取り出され、図示しない電源装置等に接続される。
ピストンロッド13の先端には凸部31が形成されている。絶縁封止部24においてピストンコア21の中心孔27内に位置する部分には、この凸部31と嵌合する凹部29が形成されている。
絶縁封止部24に形成された凹部29の上面とピストンロッド13の先端部に形成された凸部31の床面との間には、アクリルゴムやフッ素ゴム等のゴム製のOリング35が配設されている。このOリング35は、例えば、MR流体の成分であるオイル(分散媒)が、ピストンコア21と絶縁封止部24との間に浸透してピストンロッド13に形成された管部36へ漏れることや、ピストンロッド13の外周に沿って浸入してピストンロッド13に形成された管部36へ漏れることを防止する機能を有する。Oリング35がこのようなシール性を発揮することができるように、Oリング35は一定の力で押し潰されている。Oリング35を押し潰す力は、段差部25の位置や凸部31の高さ、凹部29の深さの設定により、調節することができる。
ピストンコア21の中心孔27の内周には、一定幅かつ一定深さの条溝28が周方向に形成されている。一方、ピストンロッド13の外周には、ピストンロッド13をピストンコア21に挿入した際に条溝28と対向する位置に、一定幅かつ一定深さの条溝33が周方向に形成されている。ピストンロッド13をピストンコア21に嵌挿した際に条溝28と条溝33とが連通して形成される環状空間に、Cリング34が配設されている。
例えば、条溝33にCリング34を強制的に収容した状態でピストンロッド13をピストンコア21に挿入すると、条溝28と条溝33とが連通した状態になった時点で、Cリング34が自然に広がるため、それ以上はピストンロッド13をピストンコア21に挿入することができなくなると共に、ピストンロッド13をピストンコア21から引き抜くことができなくなる。すなわち、条溝28,33とCリング34は、ロッド抜け防止の機構であり、ピストンロッド13に対してピストンコア21を位置決めする機構でもある。
図2に示されるように、ピストン16は、ピストンコア21の外周を所定の間隔を取って囲繞するように配置されるピストンリング41を備えている。ピストンコア21の外周とピストンリング41の内周との間に形成される間隙部(ギャップ)51が、MR流体を流通させるための連通孔の一部となる。ピストンリング41としては、例えば、機械構造用炭素鋼等からなるものが用いられる。ピストンリング41の材料選択には、シリンダチューブ12の材質及びシリンダチューブ12に対する摩擦摺動性能が考慮される。
ピストンコア21の軸方向端にはそれぞれ、サイドカバー42,43が配置されている。サイドカバー42,43にはそれぞれ孔部52,53が設けられており、ピストンコア21の外周とピストンリング41の内周との間に形成されている間隙部51とこれらの孔部52,53とが連通することによって、第1油室14と第2油室15とを連通させる連通孔が形成され、この連通孔をMR流体が流通自在となる。つまり、孔部52,53はMR流体を流通させるための連通孔の一部である。図示しない電源装置(制御装置)から導線26を通してコイル23に電流が供給されると、主に間隙部51を流通しているMR流体に磁場が印加されて、MR流体に含まれる磁性粒子が鎖状クラスタを形成し、見かけ上の粘度を増大させる。MR流体に印加する磁場の大きさを制御することにより、減衰力を可変に制御することができる。
図2に示されるように、ピストン16は、サイドカバー43を挟んでピストンコア21と対向する位置に、スペーサ44が配置された構造を有している。スペーサ44は、サイドカバー43の機械的強度を補強する機能を有する。但し、スペーサ44は必ずしも必要な部材ではない。また、サイドカバー43とスペーサ44とは一体構造を有するもの(例えば、一体成形されたもの)であってもよい。サイドカバー42,43は、アルミニウム等の非磁性材料からなり、加工性に優れる材料が好適に用いられる。スペーサ44には、サイドカバー42,43と同じ材料を用いることができる。
ピストンロッド13には、ピストンコア21側の外径が短くなるように段差部32が形成されており、この段差部32にスペーサ44が係止される。これにより、サイドカバー43のスペーサ44側への動きが制限される。さらに前記した通り、ピストンコア21の動きはCリング34によって制限されているため、サイドカバー43のピストンコア21側への動きも制限されるようになっている。
なお、ピストンロッド13に設けられた段差部32の位置と、サイドカバー43及びスペーサ44の厚さと、ピストンコア21の位置の適切な設定により、実質的にサイドカバー43がピストンロッド13の軸方向において動くことができない構造を実現することができる。
ピストンリング41とサイドカバー42,43とは、ピストンリング41の軸方向端がサイドカバー42,43の外側に位置するようにして、径方向に隙間嵌めによって嵌合されている。また、サイドカバー42はネジ45によってピストンコア21に固定されている。ピストンコア21とサイドカバー43とは、ここでは好ましい形態である隙間嵌めにより嵌合されている。これらの各部品の隙間嵌めの条件について、以下に詳細に説明する。
[ピストンリング41とサイドカバー42,43との隙間嵌め]
ピストンリング41とサイドカバー42,43とは、隙間嵌めにより嵌合される。図2に示されるように、ピストンリング41の軸方向端がサイドカバー42,43の外側に位置するようにしてこれらを隙間嵌めするために、ピストンリング41の軸方向端には、嵌合段部(サイドカバー42,43を嵌合して位置決めするために、内径に差を設けることにより形成される段差部)46が形成されている。
例えば、ピストンリング41とサイドカバー42との隙間嵌めにおいて、ピストンリング41に形成された嵌合段部46の内径(以下「リング内径」という)の基準値をAとすれば、サイドカバー42の外径(以下「カバー外径」という)の基準値もAとされて、隙間嵌めのための公差が定められる。
ピストンリング41に形成されている嵌合段部46の内周面とサイドカバー42の外周面との間のクリアランスは、ピストンリング41とサイドカバー42との組み付けが容易な限りにおいて、できる限り狭いことが好ましい。例えば、隙間嵌めの基準穴のクラスをH6としてリング内径をφAH6とすると、軸の公差域クラスとしてはh5を採用して、カバー外径をφAh5とすることが好ましい。例えば、基準値Aをφ40mmとした場合、前記したクリアランスは0〜27μmとなる。ピストンリング41とサイドカバー43との隙間嵌めは、ピストンリング41とサイドカバー42との隙間嵌めと同等の条件にて、行うことができる。
[ピストンコア21とサイドカバー43との隙間嵌め]
ピストンコア21とサイドカバー43とを隙間嵌めするために、図2に示されるように、ピストンコア21におけるサイドカバー43側の軸方向端には、凸部62が形成されており、サイドカバー43にはこの凸部62と嵌合する凹部48が形成されている。サイドカバー43に形成された凹部48の内径(以下「カバー内径」という)の基準値をAとすれば、ピストンコア21に形成された凸部62の外径(以下「コア外径」という)の基準値もAとされて、隙間嵌めのための公差が定められる。
サイドカバー43に形成されている凹部48の内周面とピストンコア21に形成されている凸部62の外周面との間のクリアランスは、ピストンコア21とサイドカバー43との組み付けが容易な限りにおいて、できる限り狭いことが好ましい。例えば、隙間嵌めの基準穴のクラスをH6として、カバー内径をφAH6とすると、軸の公差域クラスとしてはh5を採用してコア外径をφAh5とすることが好ましい。例えば、基準値Aをφ30mmとすれば、前記したクリアランスは0〜22μmとされる。
なお、ピストンリング41とサイドカバー42,43との隙間嵌めとは異なり、サイドカバー43はピストンコア21に対して隙間嵌めにより嵌合されなければならないものではない。前記したように、サイドカバー43の軸方向での動きは、条溝28,33、Cリング34、スペーサ44及び段差部32を組み合わせた構造により制限されており、サイドカバー43とピストンコア21とが隙間嵌めにより嵌合されることによって、サイドカバー43の動きをさらに制限することができる。ピストンコア21に対するピストンリング41とサイドカバー42,43の位置合わせにおいては、1つの部材の位置決め精度が他の部材の位置決め精度に影響を与えるため、サイドカバー43とピストンコア21とを隙間嵌めにより嵌合することは、ピストンリング41とサイドカバー42の位置合わせと組み付けの精度の向上に寄与する。
[サイドカバー42のピストンコア21への固定]
ピストンコア21におけるサイドカバー42側の軸方向端には、凸部61が形成されており、サイドカバー42にはこの凸部61と嵌合可能な凹部47が形成されている。前記した通り、サイドカバー42はネジ45によってピストンコア21に固定されるため、これら凸部61と凹部47とを高精度な隙間嵌めにより嵌合させる必要はない。
上述の通り、ピストン16を構成するピストンコア21、ピストンリング41及びサイドカバー42,43の所定位置を隙間嵌めにより嵌合するため、これらの部品同士の組み付け精度を向上させることができ、これにより、ピストン16全体の形状精度をも向上させることができる。例えば、ピストンコア21とピストンリング41との同軸度が高められ、これによって、MR流体の流路である間隙部51の幅(径方向の幅)の軸方向及び径方向でのばらつきが小さくなり、第1油室14と第2油室15の間の圧力差を一定とすることができる。これにより、数多くの可変減衰力ダンパ10について、その減衰力特性のばらつきを小さく抑えることができる。
また、加締め加工を行う場合のように専用の治具や工具を必要としないため、ピストン16を製造するための設備コストを低く抑えることができる。さらに、ピストン16を構成する各部品は、ピストン16の製造過程で高温にさらされることがないために、熱による変形の発生がなく、これにより各部品の組み付け精度が高く維持される。また、絶縁封止部24を形成し、Oリング35等の樹脂材料を用いることができるために、コイル23からピストンロッド13の管部36への導線25の引き回しと封止が容易となり、MR流体の成分であるオイル(分散媒)の漏れを防止することができる。
なお、可変減衰力ダンパ10では、ピストンリング41とシリンダチューブ12との間の摩擦力や間隙部51を流れるMR流体の流路抵抗に起因してピストンリング41とサイドカバー42,43との間に軸方向の力が作用する。この力によって、サイドカバー42,43とピストンリング41との間の軸力が低下し、サイドカバー42,43によるピストンリング41の径方向での移動制限が弱くなった場合でも、MR流体に含まれる磁性粒子がその隙間に侵入することによって、ピストンリング41の径方向での移動が制限されるようになる。こうして、間隙部51の幅の径方向での均一性が維持される。
このような磁性粒子の機能に着目すれば、ピストンリング41とサイドカバー42,43とを隙間嵌めし、ピストンコア21とサイドカバー43とを隙間嵌めした際に、これらの部品間に微少な隙間が生じていても、MR流体に含まれる磁性粒子がこの隙間に侵入することによって、各部品の自由な動きは制限されることとなる。こうして、間隙部51の幅の径方向での均一性が維持される。
《第2実施形態に係る可変減衰力ダンパの全体構造》
図3に本発明の第2実施形態に係る可変減衰力ダンパの概略構造を表した断面図を示す。この可変減衰力ダンパ100が第1実施形態に係る可変減衰力ダンパ10と異なっている点は、ピストン16に代えてピストン116を、ピストンロッド13に代えてピストンロッド113をそれぞれ備えている点のみである。そこで、以下、ピストン116とピストンロッド113について詳細に説明することとし、可変減衰力ダンパ100のその他の構成要素についての説明は省略することとする。
<ピストン116及びピストンロッド113の構造>
図4(a)に第2実施形態に係る可変減衰力ダンパを構成するピストン及びピストンロッドの概略断面図を示し、図4(b)に図4(a)に示す矢印Aの方向からみたピストンの概略正面図を示し、図4(c)に図4(a)中の領域Cの部分拡大図を示す。なお、図4(a)は図4(b)のB−B断面図である。
ピストン116は、ピストンロッド113の先端が嵌挿されるピストンコア121を備えている。ピストンコア121は、その軸中心に中心孔127を備えた略円筒状の形状を有している。ピストンコア121の外周面には、周方向に一定幅かつ一定深さの条溝122が形成されている。ピストンコア121の外周面にはさらに、条溝122の一部と連通する溝122aが軸方向に形成され、かつ、この溝122aと中心孔127とを連通させる溝122bがピストンコア121の端面において径方向に形成されている。これらの溝122a,122bと条溝122の全部及び中心孔127の一部には、絶縁性で熱硬化性の樹脂等が充填され、絶縁封止部124が形成されている。
条溝122にはコイル123が配設されており、コイル123は絶縁封止部124に埋設されている。コイル123から延びる導線126は絶縁封止部124に埋設された状態で、ピストンコア121に形成された溝122a,122bと中心孔127を通り、ピストンロッド113に形成された管部136を通って、ピストンロッド113の他端(図示せず)から取り出され、図示しない電源装置等に接続される。
ピストンロッド113の先端には凸部131が形成されており、この凸部131を囲繞するようにOリング135が配置されている。ピストンコア121の中心孔127内において、絶縁封止部124の先端は平坦面となっており、この平坦面に凸部131の先端面が当接している。このとき、Oリング135が一定の力で押し潰されることによって、MR流体の成分であるオイル(分散媒)がピストンロッド113に形成された管部136へ浸入するのを防止している。ピストンロッド113の固定方法については後記する。
ピストン116は、ピストンコア121の外周を所定の間隔を取って囲繞するように配置されるピストンリング141を備えている。ピストンコア121の外周とピストンリング141の内周との間に形成される間隙部(ギャップ)151が、MR流体を流通させるための連通孔の一部となる。
ピストンコア121の軸方向端にはそれぞれ、サイドカバー142が配置されている。2つのサイドカバー142は同じ形状を有している。同形状の部品を用いることによって、生産性の向上が図られ、また、生産コストを低減することができる。サイドカバー142には孔部152が設けられており、間隙部151と孔部152とが連通することによって、第1油室14(図3参照)と第2油室15(図3参照)とを連通させる連通孔が形成され、この連通孔をMR流体が流通自在となる。
サイドカバー142は、孔部152の内側に位置してピストンコア121に当接するカバー基体部144と、孔部152の外側に位置してピストンリング141と隙間嵌めによって嵌合されるカバー側嵌合部145を有している。サイドカバー142に設けられている中心孔142aは、第1油室14側(図3参照)に配置される際にピストンロッド113を挿通させるためのものである。中心孔142aは、ピストンコア121の第2油室15側(図3参照)に取り付けられるサイドカバー142にも形成されることとなるが、何ら悪影響を生じさせるものではない。
ピストンリング141の軸方向端近傍には、カバー側嵌合部145と隙間嵌めにより嵌合する嵌合段部(リング側嵌合部)146と、嵌合段部146よりも軸方向外側の内周面に設けられた第1ネジ溝部147(詳しくは図4(c)参照)とが形成されている。この第1ネジ溝部147には、ナット(環状部材)148が取り付けられる。そのために、ナット148の外周面には、第1ネジ溝部147と螺合する第2ネジ溝部149(詳しくは図4(c)参照)が形成されている。
ピストンリング141の軸方向端には爪部154が形成されている。図4(a)〜(c)には、爪部154がピストンリング141の軸方向に対して略垂直に折り曲げられた形態が示されているが、この爪部154は、ピストン116の製造工程において、サイドカバー142とナット148とがピストンリング141に固定されるまでの間は、ピストンリング141の端面においてピストンリング141の軸方向と平行な状態にあり、ナット148の取り付け後にピストンリング141の中心軸側に折り曲げることによって、図4(a)〜(c)に示される状態となる。
[ピストンリング141とサイドカバー142との固定の形態]
ピストンリング141とサイドカバー142とは、嵌合段部146とカバー側嵌合部145との隙間嵌めにより嵌合されている。この隙間嵌めの条件は、先に図2を参照して説明したピストン16におけるピストンリング41とサイドカバー42との隙間嵌めの条件と同じである。そのため、ここでの詳細な説明は省略する。なお、カバー側嵌合部145と嵌合段部146とを嵌合するために、つまり、サイドカバー142をピストンリング141に嵌め込むために、図4(c)に示されるように、第1ネジ溝部147におけるねじ山の稜線を基準とした第1ネジ溝部147の内径は、嵌合段部146の内径以上の長さとなっている。
図4(a)に示されるように、ピストンコア121の軸方向端面には凹部が形成されており、サイドカバー142においてピストンコア121と当接する面には凸部が形成されている。これらの凹部・凸部を隙間嵌めにより嵌合させてもよい。このときには、先に図2を参照して説明したピストンコア21とサイドカバー43との隙間嵌めの条件を適用することができる。ピストンリング141とサイドカバー142とが隙間嵌めにより嵌合された後に、ピストンリング141の第1ネジ溝部147に、ナット148が取り付けられる。このナット148の取り付けによってカバー側嵌合部145は嵌合段部146に押止され、ピストンリング141とサイドカバー142とがさらに堅固に固定された状態となる。
なお、ナット148の内周面又は外周面に対して所定の摩擦力を生じさせてナット148を回転させることができる治具等を用いて、ナット148を回転させて第1ネジ溝部147に取り付けることができる。また、ナット148の内周面に一定間隔で2個以上の切り欠き部を設けておいて、この切り欠き部に係止可能な突起部を備えた治具を用いて、ナット148を回転させて第1ネジ溝部147に取り付けることができる。
図4(b)に示されるように、ナット148の内径は、MR流体の流れに悪影響を与えないように、ナット148がピストンリング141に取り付けられた状態においてピストンリング141に嵌合されているサイドカバー142の孔部152を塞ぐことのない値に設定されている。このようにピストンコア121とサイドカバー142とをネジ止めしない構成とした場合には、ピストンコア121にネジ穴を形成する必要がなくなることから、ピストンコア内部におけるコイルや導線等のレイアウトに関して、ネジ穴位置に起因する制限が無くなるため、その自由度が大きくなる。
ナット148の厚さとカバー側嵌合部145の厚さの比は、サイドカバー142に要求される機械的強度、隙間嵌めによるサイドカバー142の固定状態、ナット148によるサイドカバー142の固定状態等を考慮して、適宜、定められる。サイドカバー142において、カバー基体部144とカバー側嵌合部145とを連結している部分(孔部152同士の間の部分)の厚さは、機械的強度を確保する観点から、カバー基体部144の厚さに合わせることが好ましい。
第1ネジ溝部147と第2ネジ溝部149とが螺合されてピストンリング141にナット148が取り付けられた後に、ピストンリング141の軸方向と平行な状態にあった爪部154がピストンリング141の中心軸側に折り曲げられる。爪部154は、ナット148の露出面を押下して、ナット148の回転を抑制する回り止め部としての機能を有している。この爪部154を設けることによって、ナット148のピストンリング141に対する螺合状態に緩みが生じることをより確実に防止することができ、さらに、サイドカバー142の動きが、軸方向と径方向とでより厳しく制限されるようになる。こうして、減衰力特性にばらつきが発生することを抑制することができる。ここで、ナット148にアルミニウム等の比較的軟らかい金属が用いられている場合には、爪部154をナット148にめり込ませることで、ナット148の回転をさらに確実に防止することができる。
爪部154の配設数は4カ所に限られず、1カ所又は2カ所でもよいが、好ましくは3カ所以上に等間隔で設けられる。爪部154に代えて、例えば、溶接等によってピストンリング141とナット148とを固定してもよい。
[ピストンロッド113の位置決めと固定]
前記の通りにして、ピストンコア121の軸方向端にはそれぞれサイドカバー142が取り付けられる。ここで、第1油室14(図3参照)側において、ピストンロッド113とピストンコア121とサイドカバー142の3部品の境界となる部分では、ピストンロッド113に周方向に条溝133が形成され、ピストンコア121の中心孔127にテーパ部が形成され、サイドカバー142の中心孔142aにテーパ部が形成されていることによって、環状空間が形成されるようになっている。この環状空間にCリング134を配設することにより、ピストンロッド113を位置決めし、ピストンコア121(及びサイドカバー142)に対して固定することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は前記した形態に限定されるものではない。例えば、ピストン116(図3,4参照)では、同じ形状のサイドカバー142を用いたが、ピストンロッド113側とその反対側とで異なる形状としてもよい。例えば、ピストンロッド113が嵌挿される側の反対側では、中心孔を有さないサイドカバーを取り付けてもよい。また、ピストン116におけるピストンロッド113の位置決め、固定方法としては、ピストンロッド13及びピストンコア21と同様の固定方法を用いてもよい。
さらに、ピストン116に関して、サイドカバー142としてカバー側嵌合部145の厚さがカバー本体部144の厚さよりも薄い構造のものを用い、このカバー側嵌合部145をナット148で押止する構成を取り上げたが、別の形態として、次のような構造のものを用いることもできる。すなわち、第2油室15側(図3参照)に取り付けられるサイドカバーとしては、所定位置にMR流体を流通させるための孔部が形成され、カバー側嵌合部とカバー本体部とが同じ厚さとなっている平板状のものを用いることができ、これをピストンリング141に隙間嵌めにより嵌合させる。そして、ナット148に代えて、円板状で、ピストンリング141に螺合させた際にサイドカバーに設けられた孔部と連通するように所定位置に孔部が形成されている部材を用いることができ、これをピストンリング141に螺合させる。
本発明の第1実施形態に係る可変減衰力ダンパの概略構造を示す断面図である。 図1に示す可変減衰力ダンパに用いられるピストン及びピストンロッドの構造を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る可変減衰力ダンパの概略構造を示す断面図である。 (a)は図3に示す可変減衰力ダンパに用いられるピストン及びピストンロッドの構造を示す断面図であり、(b)は(a)に示す矢印Aの方向からみたピストンの正面図であり、(c)は(a)中の領域Cの拡大図である。 可変減衰力ダンパに用いられている公知のピストンの構造の一例を示す断面図である。
符号の説明
10,100 可変減衰力ダンパ
12 シリンダチューブ
12a アイピース
13,113 ピストンロッド
14 第1油室
15 第2油室
16,116 ピストン
17 高圧ガス室
21,121 ピストンコア
23,123 コイル
24,124 絶縁封止部
27,127 中心孔
32 段差部
34,134 Cリング
35,135 Oリング
41,141 ピストンリング
42,43,142 サイドカバー
46 嵌合段部
47,48 凹部
61,62 凸部
144 カバー基体部
145 カバー側嵌合部
146 嵌合段部(リング側嵌合部)
147 第1ネジ溝部
148 ナット(環状部材)
149 第2ネジ溝部
154 爪部

Claims (2)

  1. 磁性粒子を含む磁性流体または磁気粘性流体である作動流体が充填されるシリンダチューブと、前記シリンダチューブの内部を第1の室と第2の室とに区画するように配置されるピストンと、を具備し、
    前記ピストンは、前記作動流体を前記第1の室と前記第2の室との間で流通させる連通孔と、前記連通孔内の作動流体に磁場を印加するコイルとを備えて、前記コイルへの給電によって前記連通孔内の作動流体の粘性を変化させて減衰力を制御する可変減衰力ダンパであって、
    前記ピストンは、
    外周に前記コイルが巻装されたピストンコアと、
    前記ピストンコアの外周との間に前記連通孔の一部が形成されるように前記ピストンコアの外周を所定の間隔を取って囲繞するように配置されるピストンリングと、
    前記ピストンコアの軸方向端に配置され、前記連通孔の一部を形成する孔部を有する一対のサイドカバーと、を備え、
    前記ピストンリングと前記一対のサイドカバーとは、前記ピストンリングの軸方向端が前記サイドカバーの外側に位置するようにして隙間嵌めによって嵌合され
    前記サイドカバーは、
    前記孔部の内側に位置して前記ピストンコアに当接するカバー基体部と、
    前記孔部の外側に位置して前記ピストンリングと隙間嵌めによって嵌合されるカバー側嵌合部と、を有し、
    前記ピストンリングは、
    前記カバー側嵌合部と隙間嵌めにより嵌合されるリング側嵌合部と、
    前記リング側嵌合部よりも軸方向外側の内周面に設けられた第1ネジ溝部と、を有し、
    前記ピストンは、さらに、
    環状で、その外周面に前記第1ネジ溝部と螺合する第2ネジ溝部が形成された環状部材を備え、
    前記環状部材は、前記カバー側嵌合部とリング側嵌合部との隙間嵌めによって前記サイドカバーと前記ピストンリングとが嵌合された状態において前記第1ネジ溝部と前記第2ネジ溝部とを螺合させて前記環状部材を前記ピストンリングに取り付けた際に、前記サイドカバーの前記孔部を塞ぐことなく、前記サイドカバーを押止することを特徴とする可変減衰力ダンパ。
  2. 前記ピストンはさらに、
    前記第1ネジ溝部と前記第2ネジ溝部とが螺合されて前記ピストンリングに前記環状部材が取り付けられた状態において前記環状部材の回転が抑制されるように、前記環状部材の露出面を押下する回り止め部を備えていることを特徴とする請求項に記載の可変減衰力ダンパ。
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