JP4996439B2 - 歩行型田植機 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載された歩行型田植機では、エンジンが上面に取付く伝動ケースと該伝動ケースの左右端部から後方に延びる左右一対の中空状サイドフレームにて構成された車体フレームと、前記伝動ケースに一体形に設けた走行ミッションケースにスイングケースを介して支持された走行車輪と、前記両サイドフレームの後端に固着した苗植付ケースから後方に延びる操縦ハンドルとを備え、前記両植付ケースに設けた苗植機構と、両操縦ハンドル間に装架したガイドレールとレール機構とによって左右の横方向に移動自在に支持した苗載台とを備えている。
すなわち、横送り機構は、苗載台の移動方向と平行に配設した横送り軸と、この横送り軸に摺動自在に被嵌した摺動ボス体とを備えている。
横送り軸の両端は、操縦ハンドルの上面に取付く軸受けにて軸支されている。摺動ボス体には、横送り軸が有する往復ねじ溝に係合する舟形キーを設けてある。摺動ボス体に一体形に造形した係合片を、苗載台の裏面に取付く筒型受金に連結しており、横送り軸の回転で苗載台を左右に往復して横送りする。
つまり、上記した従来の技術を採用すると、苗横送り機構が苗載せ台よりも車体後方側に位置し、走行車輪の車軸芯から苗横送り機構の設置箇所までの距離が大になる。これにより、田植機の車軸芯から車体後方側に遠く離れた部位での重量が大となって田植機全体としての前後重量のバランスが悪くなりがちであった。また、前後重量のバランスをよくするには、車体前方側に設ける装置の設置箇所の車軸芯からの距離を大にする必要があり、田植機全体の前後長さが長くなりがちであった。
車体横向きのガイド軸と、前記ガイド軸に相対回転及び相対摺動自在に係合した移送体とが相対回転するよう駆動されることにより、前記苗載せ台に横移送力を付与して、前記苗載せ台を前記苗植付け機構の苗植え運動に連動させて車体横方向に往復移送する苗横送り機構を、前記苗載せ台よりも車体前方側に、前記走行車輪の車軸芯を通る鉛直線よりも車体後方側で、かつ前記走行車輪の外周よりも外側に配置して設け、
前記走行車輪が揺動昇降自在に支持され、
前記走行車輪の最上昇状態で、前記ガイド軸が前記走行車輪の最後端部位よりも車体前方側に位置し、
前記ガイド軸が回転駆動され、前記移送体が前記ガイド軸に沿わせて移動操作されるように構成し、
前記移送体と前記苗載せ台とを一体移動自在に連結する連結板体を、前記苗載せ台の車体前方側に設け、
前記連結板体に、この連結板体の車体横方向での両端側が前記苗載せ台の横端部に連結された組み付け姿勢を備えてある。
本第1発明によると、苗横送り機構による横移送力が連結板体によって苗載せ台の両端側に分散させて伝達されるとともに、苗載せ台が連結板体によって変形しにくいように補強され、苗載せ台をスムーズに横移動させることができる。
本第2発明では、前記ガイド軸に一体回転自在に設けた縦送り駆動アームと、前記苗載せ台が備える苗縦送り体に連動ロッドを介して連動されるとともに前記苗載せ台と共に横移動する縦送り操作部材とを備えるとともに、前記苗載せ台が横移動ストロークエンドに到達すると、前記縦送り操作部材が前記縦送り駆動アームに当接してこの縦送り駆動アームによって揺動駆動されることによって前記苗縦送り体を操作するよう構成し、前記連結板体の車体横方向での中央部に、前記連動ロッドが挿通する貫通孔を設けてある。
これに対し、本第4発明の構成によると、移送体に対する苗載せ台の苗載せ台横方向での連結位置を調節部によって調節し、苗載せ台の苗植付け機構に対する横移動範囲を適切な横移動範囲になるよう調節することができる。すなわち、苗載せ台が横移動のストロークエンドに到達した際、苗植付け機構が苗載せ台の苗に対して適切に位置し、苗植付け機構による苗取り出しが前記した取り残しや取り出しミスが発生しない状態で行われるよう調節することができる。
これに対し、本第5発明の構成によると、苗取り量調節手段による苗取り量調節を行った際、前記融通の作用により、苗横送り機構の移送体に対して苗載せ台が苗載せ台縦方向に移動する。これにより、苗取り量調節手段による苗取り量調節を行うのに、苗載せ台の横移動を伴わないで行うことができる。
図1は、本発明の実施例に係る歩行型田植機の全体側面図である。図2は、本発明の実施例に係る歩行型田植機の全体平面図である。これらの図に示すように、本実施例に係る歩行型田植機は、一つの駆動自在な走行車輪1によって自走するよう構成され、かつ車体前端部に設けたエンジン2と、車体後端部に設けた操縦ハンドル3が装備された操縦部4とを有した自走車を備え、前記走行車輪1の後部付近で車体フレーム5に車体横方向に並べて支持させた二つの苗植付け機構6,6と、前記車体フレーム5の下部に車体横方向に並べて支持させた二つの接地フロート7,7とを有した苗植付け部8を備えている。
すなわち、前記走行車輪1は、前記車体フレーム5に上下揺動自在に支持された車輪駆動ケース10の遊端部に駆動自在に支持されており、前記車輪駆動ケース10が油圧シリンダ11によって揺動操作されることによって車体フレーム5に対して昇降操作される。走行車輪1が昇降操作されると、車体フレーム5が地面に対して昇降操作され、苗植付け部8は、前記二つの接地フロート7,7が田面に接地した下降作業状態と、前記接地フロート7が田面から上昇した上昇非作業状態とに昇降する。苗植付け部8を下降作業状態にして自走車を走行させると、苗植付け部8は、前記エンジン2の出力によって駆動され、前記二つの苗植付け機構6,6によって苗植付けを行う。
すなわち、ミッションケース15は、車輪駆動ケース10の基部10aの両端部に支持部15dが支持作用するという両持ち支持で、車輪駆動ケース10を上下揺動自在に支持している。
すなわち、左右一対の接地フロート7,7は、フロート後端側で、かつ苗植付け機構6の苗植付け箇所の近くに位置する前記連結ピン53の車体横向き軸芯まわりに車体フレーム5に対して上下揺動するよう支持されており、走行車輪1が耕盤凹部に入り込み、車体フレーム5が田面に対して下降して苗植付け機構6の植付け深さが設定深さよりも深くなると、接地フロート7の前端側が接地反力によって上昇する。走行車輪1が耕盤突部に乗り上がり、車体フレーム5が田面に対して上昇して苗植付け機構6の植付け深さが設定深さよりも浅くなると、接地フロート7の前端側がフロート重量によって下降する。
すなわち、ボンネット13は、自走車の後方の操縦位置から前記左右一対の苗載せ台支柱70,70の間と、前記貫通孔13aとを介して田面の走行車輪接地箇所の前方近くを見通すことを可能にしている。
これにより、各苗植付け機構6は、前記苗取り出し口85において苗載せ台80のマット状苗の下端部から一株分のブロック苗を切断して取り出し、取り出したブロック苗を苗取り出し口85から下降搬送して田面の前記接地フロート7によって整地された箇所に植え付ける。
すなわち、苗載せ台80は、左右の横移動ストロークエンドに到達すると、各苗載置部80aのマット状苗を上段側と下段側との苗縦送り体120,121によって前記苗取り出し口85に向けて縦送りし、後に苗載せ台80が横移送された際の各苗植付け機構6によるマット状苗下端部からのブロック苗の取り出しを可能にする。
すなわち、縦送り操作部材131は、前記移送体101によって苗載せ台80と共に車体横方向に往復移送され、苗載せ台80が左右の横移動ストロークエンドに到達した際、縦送り操作部材131に板金部材を取り付けて設けてある左右一対の車体横向きの受動アーム134,134のうちの苗載せ台80の横移動ストロークエンドに対応する側の受動アーム134が前記縦送り駆動アーム132のローラで成る駆動部132aに当接し、この縦送り駆動アーム132によって前記連結ピン133の車体横向き軸芯まわりに揺動駆動される。
つまり、操作具140は、前記ハンドルフレーム17に回転自在に支持された車体横向きの苗取り量調節軸144から一体回転自在に延出しており、前記苗取り量調節軸144の軸芯まわりに前記操作ガイド142のガイド溝145に沿わせて揺動調節されることにより、前記各苗植付け機構6のマット状苗縦方向での苗取り量を変更する。
これにより、前記連結板体93は、走行車輪1によって跳ね上げられた泥土を苗載せ台80に向かって飛散することを防止するよう受け止め、苗載せ台80のマット状苗の泥土付着を防止する泥除けカバーを構成している。この連結板体93は、苗載せ台80の各苗載置部80aに載置されたマット状苗の苗葉を苗横送り機構100と苗縦送り機構130とに倒れ込まないように受け止め、苗葉の苗横送り機構100及び苗縦送り機構130との接触による損傷を回避する苗ステーを構成している。
前記調節部95は、前記連結体92と前記連結板体93とを連結する連結ボルト96を装着するように構成し、かつ車体横方向に沿った長孔に構成したボルト孔によって構成してあり、連結枠体91と連結体92との車体横方向での連結位置を調節させ、これによって苗載せ台80の前記移送体101に対する苗載せ台横方向での連結位置を調節させる。
すなわち、前記調節部95は、苗載せ台80が横移動のストロークエンドに到達し際の苗植付け機構6による苗取り出しがマット状苗の横一端側に取り残しを発生させない状態で行われるよう、苗載せ台80の移送体101に対する苗載せ台横方向での連結位置を調節させる。
前記融通97は、前記移送体101の前記連結板部101bと前記連結体92とを連結する連結ピン98を摺動自在に装着するように構成し、かつ苗載せ台80の前記苗取り量調節軸144による移動方向に沿った長孔に構成したピン孔によって構成してあり、前記操作具140による苗取り量調節が行われた際の苗載せ台80の移送体101に対する相対移動を許容している。
つまり、苗取り量調節に伴う苗載せ台80の移動が移送体101に伝達されると、移送体101がガイド軸102に対して回転する。すると、係合爪105の送り溝104に対する係入のために移送体101がガイド軸102に対してガイド軸102の軸芯方向に移動し、苗載せ台80の横移動が発生してマット状苗の苗取り出し口85に対する移動が発生する。前記融通97は、操作具140による苗取り量調節を前記した苗移動を発生させないで行わせる。
つまり、株間変速部30の変速を行う際、ギヤカバー30bを取り外すと、大径ギヤ34と小径ギヤ33とが全体にわたってミッションケース15から露出してギヤ34,33の取扱が容易にとなり、ギヤ33,34の入力軸31と出力軸32とに対する付け替えを迅速に行うことができる。
すなわち、図23(a)は、横送り変速部110の高速状態での側面図である。この図に示すように、横送り変速部110は、駆動軸39に歯数が多い入力ギヤ112aを取り付けられると、入力ギヤ112aと出力軸ギヤ113とによって低減速比を設定し、駆動軸39の駆動力を設定低減速比で減速して出力軸111から出力するよう高速状態になる。横送り変速部110は、高速状態に切り換えられると、苗横送り機構100の移送体101の移送速度を速くし、各苗植付け機構6のマット状苗横方向での苗取り回数を少なくする。
すなわち、図25(a)は、株間変速部30の高速状態での側面図である。この図に示すように、株間変速部30は、入力軸31に歯数が多い入力軸ギヤ150aを取り付けられると、入力軸ギヤ150aと出力軸ギヤ151とによって低減速比を設定し、入力軸31の駆動力を設定低減速比で減速して出力軸32から出力するよう高速状態になる。株間変速部30は、高速状態に切り換えられると、各苗植付け機構6の駆動速度を速くし、各苗植付け機構6の植付け苗の自走車走行方向での間隔(株間)を小にする。
1b 走行車輪の最後端部位
3 操縦ハンドル
6 苗植付け機構
8 苗植付け部
19 伝動ケース
80 苗載せ台
90 連結手段
93 連結板体
95 調節手段
97 融通
100 苗横送り機構
101 移送体
102 ガイド軸
120,121 苗縦送り体
126 連動ロッド
127 貫通孔
131 縦送り操作部材
132 縦送り駆動アーム
140 苗取り量調節手段
A 鉛直線
D ガイド軸の直径
W 連結板体の大きさ
X 車軸芯
Claims (7)
- 一つの走行車輪と、前記走行車輪よりも車体後方側に設けた操縦ハンドルとを有した自走車を備え、前記走行車輪よりも車体後方側に上端側ほど車体後方側に位置する傾斜姿勢で車体横方向に移動自在に設けた苗載せ台と、車体横方向に並んだ二つの苗植付け機構とを有した苗植付け部を備えた歩行型田植機であって、
車体横向きのガイド軸と、前記ガイド軸に相対回転及び相対摺動自在に係合した移送体とが相対回転するよう駆動されることにより、前記苗載せ台に横移送力を付与して、前記苗載せ台を前記苗植付け機構の苗植え運動に連動させて車体横方向に往復移送する苗横送り機構を、前記苗載せ台よりも車体前方側に、前記走行車輪の車軸芯を通る鉛直線よりも車体後方側で、かつ前記走行車輪の外周よりも外側に配置して設け、
前記走行車輪が揺動昇降自在に支持され、
前記走行車輪の最上昇状態で、前記ガイド軸が前記走行車輪の最後端部位よりも車体前方側に位置し、
前記ガイド軸が回転駆動され、前記移送体が前記ガイド軸に沿わせて移動操作されるように構成し、
前記移送体と前記苗載せ台とを一体移動自在に連結する連結板体を、前記苗載せ台の車体前方側に設け、
前記連結板体に、この連結板体の車体横方向での両端側が前記苗載せ台の横端部に連結された組み付け姿勢を備えてある歩行型田植機。 - 前記ガイド軸に一体回転自在に設けた縦送り駆動アームと、前記苗載せ台が備える苗縦送り体に連動ロッドを介して連動されるとともに前記苗載せ台と共に横移動する縦送り操作部材とを備えるとともに、前記苗載せ台が横移動ストロークエンドに到達すると、前記縦送り操作部材が前記縦送り駆動アームに当接してこの縦送り駆動アームによって揺動駆動されることによって前記苗縦送り体を操作するよう構成し、
前記連結板体の車体横方向での中央部に、前記連動ロッドが挿通する貫通孔を設けてある請求項1記載の歩行型田植機。 - 前記苗横送り機構に動力伝達する伝動ケースを、車体側面視で前記走行車輪と重合する配置で備えている請求項1又は2記載の歩行型田植機。
- 前記苗載せ台の前記移送体に対する苗載せ台横方向での連結位置を調節する調節部を備えてある請求項1〜3のいずれか一項に記載の歩行型田植機。
- 前記苗載せ台を前記苗植付け機構に対して苗載せ台縦方向に移動調節する苗取り量調節手段を備え、
前記移送体と前記連結板体とを一体移動自在に連結する連結手段に、前記苗載せ台の前記移送体に対する苗載せ台縦方向での相対移動を許容する融通を備えてある請求項1〜4のいずれか一項に記載の歩行型田植機。 - 前記連結板体に、前記ガイド軸の直径よりも大の車体上下方向での大きさを備え、かつ、前記連結板体が車体側面視で前記走行車輪の外周に沿った組み付け姿勢を備えてある請求項1〜5のいずれか一項に記載の歩行型田植機。
- 前記縦送り操作部材が前記移送体に揺動自在に支持されている請求項2記載の歩行型田植機。
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