JP4996388B2 - ジメチルスルホキシド含有水の処理方法及びジメチルスルホキシド含有水の処理装置 - Google Patents

ジメチルスルホキシド含有水の処理方法及びジメチルスルホキシド含有水の処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、有機硫黄化合物含有水の処理方法及び有機硫黄化合物含有水の処理装置に関する。
近年、半導体製造工程や液晶パネル製造工程等でジメチルスルホキシド(DMSO)等の有機硫黄化合物が多く使用されるようになってきている。例えば、液晶パネル製造分野では、ジエチレングルコールモノブチルエーテル、2−アミノエタノール、2,2−アミノエチルアミノエタノール等の有機溶媒にジメチルスルホキシド等を添加した洗浄剤が用いられている。このため、これらジメチルスルホキシド含有水等の有機硫黄化合物含有水の処理方法が重要となっている。
ジメチルスルホキシドは生物分解が可能であるため、生物処理を行うことが経済的な処理に繋がる。ジメチルスルホキシド含有水を生物処理すると、ジメチルスルホキシド((CHSO)は、一般に下記式のように硫化メチル(DMS:(CHS)、メチルメルカプタン(MM:CHSH)、硫化水素(HS)を経由して硫酸(HSO)に、またメチル基は、ホルムアルデヒド(HCHO)、蟻酸(HCOOH)を経由して炭酸ガス(CO)及び水(HO)に分解される。ジメチルスルホキシドの生分解の過程で発生する代謝物のうち、硫化メチルやメチルメルカプタン等の臭気物質が残留し、曝気槽や処理水から臭気が発生する問題があった。
Figure 0004996388
そこで、硫化メチルやメチルメルカプタン等の残留が少なく、これらの悪臭対策を十分に行えるジメチルスルホキシド含有水の活性汚泥処理装置として、処理水を循環して活性汚泥処理装置内のpHを中性に調整すると共に溶存酸素濃度を2mg/L以上に維持する方法(特許文献1、非特許文献1参照)や、ジメチルスルホキシドで馴養した微生物をPVAゲルに包括固定して生物処理する方法(特許文献2参照)や、直列に連結された2槽以上の好気性生物反応槽において原水を2槽以上の曝気槽に分注する方法(特許文献3参照)が提案されている。
特許第2769973号公報 特開平7−31991号公報 特開2006−142192号公報 シャープ技報、73号、1999年4月
生物処理は、基本的に経済性の良い処理方法として広く普及しているが、処理時間を数時間以上要することが多く、設置スペースが大きいことが課題となっている。このため、できる限り高負荷で生物処理を実施することがスペース、コストの面でも強く求められている。特に有機硫黄化合物含有水等の生物処理においては臭気発生のリスクが高いため、特許文献1〜3、非特許文献1のような提案がされているものの、通常の生物処理よりも低い負荷、例えば0.3〜0.4kgBOD/m/day程度の範囲(特許文献3)や15時間以上の長い滞留時間(非特許文献1)で運用する必要があった。また、特許文献1の方法でも高い負荷で運用するのは困難であった。
さらに、特許文献2のようなジメチルスルホキシドで馴養した微生物をPVAゲルに包括固定する方法では、大量に馴養した微生物を用意することや大量に包括固定することが実機規模では困難であり、コストがかかり実用的ではないという問題がある。
また、ジメチルスルホキシド含有水等の有機硫黄化合物含有水の生物処理、特に有機硫黄化合物に他の生分解性の高い有機物が共存した場合、例えばジメチルスルホキシドのTOC比率が50%以下では、増殖速度が遅いジメチルスルホキシド分解菌が優占種となりにくいことから、処理水にジメチルスルホキシドが残存することや上記臭気物質による臭気が発生することが課題となっていた。
本発明は、有機硫黄化合物含有水を生物処理により処理するにあたり、臭気発生量が少なく高い処理効率で、コンパクトな生物処理を行うことができる有機硫黄化合物含有水の処理方法および有機硫黄化合物含有水の処理装置である。
本発明は、ジメチルスルホキシドを含有する原水を浸漬膜活性汚泥法で処理するジメチルスルホキシド含有水の処理方法であって、前記処理におけるBOD負荷が1.5〜5kgBOD/m 3 /dayの範囲内であるジメチルスルホキシド含有水の処理方法である。
また、前記ジメチルスルホキシド含有水の処理方法において、前記原水における有機硫黄化合物のTOC比率が50%以下のときに本発明がより好適に適用でき効果が高い。
また、前記ジメチルスルホキシド含有水の処理方法において、前記処理を行った処理水を回収するときに本発明がより好適に適用でき効果が高い。
また、本発明は、ジメチルスルホキシドを含有する原水を活性汚泥処理する生物処理槽と、前記生物処理槽または膜分離槽に浸漬されて、前記活性汚泥処理された生物反応水を固液分離して処理水を得るための分離膜と、を有し、前記生物処理槽におけるBOD負荷が1.5〜5kgBOD/m 3 /dayの範囲内となジメチルスルホキシド含有水の処理装置である。
本発明では、有機硫黄化合物を含有する原水を浸漬膜活性汚泥法で処理することにより、臭気発生量が少なく高い処理効率で、コンパクトな生物処理を行うことができる。
また、本発明では、有機硫黄化合物を含有する原水を活性汚泥処理する生物処理槽と、生物処理槽または膜分離槽に浸漬されて、活性汚泥処理された生物反応水を固液分離して処理水を得るための分離膜と、を備えることにより、臭気発生量が少なく高い処理効率で、コンパクトな生物処理を行うことができる有機硫黄化合物含有水の処理装置を提供することができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本発明者らは、ジメチルスルホキシド含有水等の有機硫黄化合物含有水、特にジメチルスルホキシド及びその他の分解性の良い有機物を含む水について、流動床式生物処理を行い処理速度と臭気の発生について検討した。この結果、0.5kgBOD/m/dayでは臭気を発生せずに処理も良好であったが、通常の排水処理で実施されているような負荷(1kgBOD/m/day)では硫化メチル等による臭気を発生することを確認した。次に、本発明者らは、同じジメチルスルホキシド含有水を用いて浸漬膜活性汚泥法を行い、処理速度と臭気の発生について検討した。この結果、2.5kgBOD/m/dayの負荷をかけた条件においても、臭気を抑制しながら良好に処理できることが判明した。当初、生物処理槽内に保持される汚泥濃度の差の3倍程度は臭気を抑えながら処理可能と予測をしていたが、本実験結果から5倍以上の処理速度の差が得られることが判明し、浸漬膜活性汚泥処理がジメチルスルホキシド含有水等の有機硫黄化合物含有水の処理において予測以上に有効な手段であることが明らかとなった。本結果は、おそらくジメチルスルホキシド分解菌が他の細菌より増殖速度が遅い上に、担体や活性汚泥のフロックには捕捉されにくく、浮遊細菌として系外に流出しやすいのではないかと推測される。また、担体法などでは担体表面において生物膜の増殖等により一部に嫌気部位が形成されるために、より臭気が発生しやすい可能性があるが、本方法ではそのような局所的な嫌気部位の形成を抑制することができると考えられる。いずれにしても、当業者が予測する範囲を超えて浸漬膜活性汚泥法が臭気を抑制しながら高速処理に有効であることが明らかとなった。
本発明の実施形態に係る有機硫黄化合物含有水の処理装置の一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。有機硫黄化合物含有水処理装置1は、生物処理槽10と、分離膜14を有する膜分離槽12とを備える。
図1の有機硫黄化合物含有水処理装置1において、原水供給配管がポンプ24を介して生物処理槽10の上部に接続され、生物処理槽10の上部の出口から膜分離槽12に越流するようになっている。生物処理槽10の上部にはポンプ26を介してpH調整剤供給配管が接続され、pH測定手段であるpH測定装置28が設置されている。膜分離槽12には、分離膜14が浸漬されており、分離膜14にはポンプ18を介して処理水配管が接続されている。また、膜分離槽12にはレベルスイッチ30が設置されている。処理水配管は処理水槽16に接続されており、処理水槽16の下部は逆洗配管によりポンプ22を介して処理水配管途中のポンプ18の上流側に接続されている。生物処理槽10の下部及び膜分離槽12の下部で分離膜14の下方には空気供給配管が接続されている。また、膜分離槽12の下部は、生物反応水返送配管によりポンプ20を介して生物処理槽10の下部に接続されている。なお、図1の有機硫黄化合物含有水処理装置1では、生物処理槽10と分離膜14を有する膜分離槽12とを備えるが、図2のように膜分離槽12を設けずに生物処理槽10に分離膜14を浸漬させても良い。
本実施形態に係る有機硫黄化合物含有水の処理方法及び図1の有機硫黄化合物含有水処理装置1の動作について説明する。
原水である有機硫黄化合物含有水は、ポンプ24により生物処理槽10へ送液される。生物処理槽10において好気性の活性汚泥により生物処理が行われ、原水中の有機硫黄化合物が分解される(生物処理工程)。生物処理槽10には、空気等が曝気される。生物処理槽10においてポンプ26によりpH調整剤として水酸化ナトリウム等のアルカリまたは塩酸等の酸が供給され、pH調整が行われる。生物処理槽10のpH調整は、pH測定装置28によりpHが測定され、その測定値に基づいて図示しない制御手段等によりポンプ26の供給量を調整して行われてもよい。また、原水の供給は、レベルスイッチ30により測定された液量に基づいて、図示しない制御手段等によりポンプ24の供給量を調整して行われてもよい。生物処理槽10において、後述するように栄養源として窒素、リン等を添加してもよい。
生物処理が行われた生物反応水は膜分離槽12へ送液される。膜分離槽12において分離膜14により生物反応水の固液分離が行われる(固液分離工程)。固液分離は、ポンプ18による吸引ろ過等により行われる。また、膜分離槽12の分離膜14には、膜の洗浄と微生物への酸素供給のために空気等が供給される。固液分離されたろ液である処理水はポンプ18により処理水槽16へ送液され、処理水槽16に貯水された処理水の一部はポンプ22により分離膜14の逆洗水として利用されてもよい。また、膜分離槽12の生物反応水は、ポンプ20により生物処理槽10へ送液され、汚泥が循環される。排出された処理水はそのまま廃棄してもよいが、純水、超純水、工業用水、冷却水等として回収、再利用することが好ましい。
本実施形態に係る有機硫黄化合物含有水の処理方法では、有機硫黄化合物含有水を生物処理により処理するにあたり、臭気発生量が少なく高い処理効率で、コンパクトな生物処理を行うことができる。特に、他の有機物とジメチルスルホキシド等の有機硫黄化合物とが混合している水処理や、今後需要が増加すると見込まれるTOC(全有機炭素)が100mg/L以下の水回収において、特に有効な手段である。
また、本実施形態に係る有機硫黄化合物含有水の処理装置は、ジメチルスルホキシド等の有機硫黄化合物含有水を生物処理する装置であり、特に、有機硫黄化合物を生物処理する際に発生する臭気を低減すると共に、コンパクトな装置で良好な処理水を安定に得ることができる。
(処理対象水)
処理対象とするジメチルスルホキシド等の有機硫黄化合物含有水は、半導体工場、液晶工場、その他の分野から排出される有機硫黄化合物を含む水であって、ジメチルスルホキシド、スルホン酸類、スルホキシド類等の有機硫黄化合物を含む場合のほか、2−アミノエタノール(MEA)、2−プロパノール(イソプロピルアルコール)、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、酢酸、ジエチレングルコールモノブチルエーテル、2,2−アミノエチルアミノエタノール等の他の有機物を含んだ水でもよい。また、ジメチルスルホキシド含有水と他の有機物、窒素化合物等とを混合した水でも良い。また有機硫黄化合物含有水中の有機硫黄化合物濃度は1mg/L程度の低濃度から数千mg/L程度の高濃度までどの場合も適用可能である。特に有機硫黄化合物に他の生分解性の高い有機物が共存した場合、例えばジメチルスルホキシドのTOC比率が50%以下、さらには35%以下でも、増殖速度が遅いジメチルスルホキシド分解菌が優占種となりやすく、処理水にジメチルスルホキシドが残存することや臭気物質による臭気が発生することが抑制される。
(栄養源)
ジメチルスルホキシド等の有機硫黄化合物を分解する微生物がジメチルスルホキシドその他の有機物を分解し、増殖していくためには栄養源として、窒素、リンのほか、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ金属類や鉄、マンガン、亜鉛等の金属類といった微量金属類が存在することが好ましい。窒素源としては、外部から尿素、アンモニア塩等を添加することができる。リン源としては、外部からリン酸塩、リン酸等を添加することができる。また、窒素源、リン源としては、原水中に十分量含まれていれば外部から添加する必要はなく、また、窒素、リンを含む他の原水を有機硫黄化合物含有水に添加することでも対応することができる。微量金属類は、半導体工場や液晶工場等での有機硫黄化合物含有水では、不足することが多い。そのため、水道水、工業用水等の微量金属類を含む水を導入する、微量元素を含む製剤を添加する等の方法で補給してもよい。
(生物処理条件)
浸漬膜活性汚泥法における生物処理槽10の処理条件としては、好気性の生物処理槽のBOD(生物化学的酸素要求量)負荷が0.5〜5kgBOD/m/dayの範囲で運転することが好ましい。0.5kgBOD/m/day未満であれば通常の浮遊式活性汚泥法を工夫して処理することも可能なため、分離膜の導入コスト等を考慮して0.5kgBOD/m/day以上が好ましい。また、5kgBOD/m/day以上の場合、臭気を発生するリスクが高くなる。原水のTOC濃度が100mg−C/L以下の場合、膜フラックスも考慮して、コスト等の点から0.5〜2.5kgBOD/m/dayの範囲がより好ましく、1.5〜2.5kgBOD/m/dayの範囲がさらに好ましい。この場合、分離膜のフラックスを例えば0.4〜0.8m/dayの範囲にすることが好ましく、0.4〜0.6m/dayの範囲にすることがより好ましい。
MLSS(活性汚泥浮遊物)は、通常の活性汚泥法(3000〜5000mg/L程度)より高くてもよく、5000〜20000mg/L程度とすることができる。反応時間は1時間以上であることが好ましい。pHは活性汚泥の生物活性を維持するために6.5〜8.5の範囲、特に7.0〜8.0の範囲となるように調整することが好ましい。
ジメチルスルホキシド含有水等の有機硫黄化合物含有水の処理では、有機硫黄化合物が分解するに従ってpHが低下する場合、アルカリ等のpH調整剤を添加することにより、上記pH範囲に調整することで、有機硫黄化合物の分解速度を高く維持することができる。pH調整の方法としては、生物処理槽10内に設置したpH測定手段であるpH測定装置28の指示値に基づいて、制御手段等によりpHが適正な範囲になるようにpH調整剤を適量添加する方法が好ましい。
DO(溶存酸素)濃度は生物処理槽10で0.5mg/L以上、特に1.5mg/L〜3.5mg/L以上の範囲であることが好ましい。溶存酸素濃度が低下すると、ジメチルスルホキシド含有水の場合、ジメチルスルホキシドの中間代謝物である硫化メチル、メチルメルカプタン等の分解速度が低下して、臭気が発生することがある。DO濃度調整の方法としては、生物処理槽10内に設置したDO測定手段であるDO測定装置の指示値に基づいて、制御手段等によりDOが適正な範囲になるように曝気量を調整する方法が好ましい。
(他の有機物含有水)
本実施形態では、ジメチルスルホキシド含有水等の有機硫黄化合物含有水と共に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド含有水、2−アミノエタノール含有水、酢酸含有水等、半導体製造工程や液晶パネル製造工程の他工程からの排水といった、他の有機物含有水を導入して同時に処理し、有機硫黄化合物と共に他の有機物も分解することができる。
(浸漬膜)
分離膜14としての浸漬膜は、図1のように膜分離槽12を設けて膜分離槽12内に浸漬してもよいし、図2のように生物処理槽10内に浸漬してもよい。分離膜14を使用して吸引ろ過等によって処理水を得ることができる。分離膜14は、平膜、中空糸膜、管状膜等任意の形式を用いることができ、精密ろ過膜あるいは限外ろ過膜等が用いられる。分離膜14の材質は、酢酸セルロース、ポリスルフォン酸、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアミド等を使用することができる。フラックス(膜透過流束)は、0.1〜1m/hr程度で運転することができ、より好ましくは0.4〜1.0m/hrで運転することが目詰まりなく膜コストを下げるために好ましい。特に低濃度大水量の水回収向けにはこのような透過流速範囲であることが好ましい。
本実施形態に係る有機硫黄化合物含有水の処理方法では、例えば、ジメチルスルホキシド等の有機硫黄化合物を含む水を、中和処理し、窒素、リン、その他の生物処理に不可欠な物質を添加したのち、生物処理層または分離膜を浸漬させた生物処理槽に導入して、pHや溶存酸素(DO)濃度を適正に制御した条件で好気性処理し、処理水を分離膜からのろ過水として得ることができる。
本実施形態により、従来臭気発生を抑制するために低負荷で運転する必要のあった有機硫黄化合物含有水を高負荷で処理することが可能となった。これにより、従来の装置に比較して設置面積、コストが大幅に低減可能である。特に、100mg−C/L以下の低濃度原水、有機硫黄化合物のTOC比率が50%以下の原水の水処理、水回収において非常に有効である。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1、参考例1
以下の条件で図1に示す浸漬膜活性汚泥装置を使用してDMSO含有水の処理を行った。結果を表2に示す。
[通水条件]
原水濃度:原水BOD濃度 330mg/L(原水TOC濃度89.5mg−C/L、DMSOのTOC比率34.6%)
原水組成:表1参照
原水にはリン、微量元素(オルガミン10(オルガノ(株)製)を必要量添加した。
[実験装置]
浸漬膜活性汚泥装置として、以下のような実験装置を用いて実施した。
生物処理槽:容量7.5L、MLSS:7500〜12000mg/L
膜分離槽:容量2.5L
浸漬膜:旭化成製中空糸膜、材質PVDF、平均孔径0.1μm、フラックス0.8m/day
[運転負荷]
表1に示す原水を用いてBOD負荷が0.5、1.5、2.5kgBOD/m3/dayになるように運転した。
[運転条件]
DO:1.5〜2.0mg/L、pH:7.0〜7.5となるように苛性ソーダ(NaOH)、塩酸(HCl)を使って調整した。
Figure 0004996388
[評価]
得られた処理水の水質(TOC)を測定した。また、処理水の臭気を官能評価により以下の基準で評価した。それぞれの条件におけるコストを試算した。結果を表2に示す。
○:臭気感じられず
×:強い臭気を感じた
<比較例1>
図3に示す流動床式活性汚泥装置50を使用して、表1に示すDMSO含有水の処理を実施例1と同様の運転条件で行った。流動床52として、7mm角のポリウレタンスポンジを反応槽(容量2L)54の20容量%充填した。結果を表2に示す。
Figure 0004996388
表2に示すように、比較例1と比べて、実施例1は2.5kgBOD/m/dayまで処理水水質が良好であった。また、臭気発生に関しても抑制することが可能であった。
<実施例2>
実施例1と同じ浸漬膜活性汚泥装置を使用して、表3に示す原水について以下の条件にて実験を実施した。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表4に示す。
[通水条件]
原水濃度:原水BOD濃度 290mg/L(原水TOC濃度87mg−C/L、DMSOのTOC比率17.8%)
原水組成:表3参照
原水にはリン、微量元素(オルガミン10(オルガノ(株)製)を必要量添加した。
[運転負荷]
表3に示す原水を用いてBOD負荷が1.5kgBOD/m/dayになるように運転した。
[運転条件]
DO:1.5〜2.0mg/L、pH:7.0〜7.5となるように苛性ソーダ(NaOH)、塩酸(HCl)を使って調整した。
Figure 0004996388
(比較例2)
図4に示す固定床式活性汚泥装置56を用いて、表3に示すDMSO含有水の処理を実施例2と同様の運転条件で行った。固定床58として、繊維状の不織布の成型品の充填材を反応槽(容量2L)60の70%容量充填した。結果を表4に示す。
Figure 0004996388
表4に示すように、比較例2と比べて、実施例2は1.5kgBOD/m/dayの負荷運転においても、処理水質が良好かつ臭気の発生を抑制できた。
このように、従来臭気発生を抑制するために低負荷で運転する必要のあったジメチルスルホキシド含有水を高負荷で処理することが可能となった。これにより、従来の装置に比較して設置面積が大幅に低減可能となった。特に、100mg−C/L以下の低濃度原水、ジメチルスルホキシドのTOC比率が50%以下の原水の水処理、水回収において非常に有効であった。
本発明の実施形態に係る有機硫黄化合物含有水処理装置の構成の一例を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る有機硫黄化合物含有水処理装置の構成の他の例を示す概略図である。 本発明の比較例1において使用した流動床式活性汚泥装置の構成を示す概略図である。 本発明の比較例2において使用した固定床式活性汚泥装置の構成を示す概略図である。
符号の説明
1 有機硫黄化合物含有水処理装置、10 生物処理槽、12 膜分離槽、14 分離膜、16 処理水槽、18,20,22,24,26 ポンプ、28 pH測定装置、30 レベルスイッチ、50 流動床式活性汚泥装置、52 流動床、54,60 反応槽、56 固定床式活性汚泥装置、58 固定床。

Claims (3)

  1. ジメチルスルホキシドを含有する原水を浸漬膜活性汚泥法で処理するジメチルスルホキシド含有水の処理方法であって、前記処理におけるBOD負荷が1.5〜5kgBOD/m 3 /dayの範囲内であることを特徴とするジメチルスルホキシド含有水の処理方法。
  2. 請求項1に記載のジメチルスルホキシド含有水の処理方法であって、
    前記原水におけるジメチルスルホキシドのTOC比率が50%以下であることを特徴とするジメチルスルホキシド含有水の処理方法。
  3. ジメチルスルホキシドを含有する原水を活性汚泥処理する生物処理槽と、
    前記生物処理槽または膜分離槽に浸漬されて、前記活性汚泥処理された生物反応水を固液分離して処理水を得るための分離膜と、
    有し、
    前記生物処理槽におけるBOD負荷が1.5〜5kgBOD/m 3 /dayの範囲内となることを特徴とするジメチルスルホキシド含有水の処理装置。
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