以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としてのプリンタについて説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概略図、図2は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの要部を示す斜視図、図3は本発明の第1の実施の形態におけるサーミスタの位置を示す概略図、図4は本発明の第1の実施の形態における制御部の動作を示すフローチャート、図5は本発明の第1の実施の形態における感光体ドラムの表面温度と搬送部材としての搬送ベルトの表面温度との関係を示す図である。
図において、11は、図示されない駆動部によって駆動され、媒体積載部としての給紙カセット12に載置された媒体としての図示されない用紙を搬送路23に供給、すなわち、給紙する媒体供給装置としての給紙ローラであり、該給紙ローラ11によって給紙された用紙は、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像形成部(画像形成ユニット)13Bk、13Y、13M、13Cに送られる。該画像形成部13Bk、13Y、13M、13Cにおいて、用紙は、搬送部材としての搬送ベルト24が走行させられるのに伴って、該搬送ベルト24によって搬送され、画像形成部13Bk、13Y、13M、13Cと転写部材としての転写ローラ22Bk、22Y、22M、22Cとの間を通過する。
なお、前記搬送ベルト24は、第1のローラとしての駆動ローラr1と第2のローラとしての従動ローラr2との間に張設され、駆動ローラr1を回転させることによって走行させることができる。
本実施の形態において、用紙は、中央揃えで搬送される。すなわち、用紙の幅方向における中央部と搬送路23の幅方向における中央部とを一致させて用紙が搬送される。
前記画像形成部13Bk、13Y、13M、13Cは、画像形成部13Bk、13Y、13M、13Cの本体、すなわち、画像形成部本体14Bk、14Y、14M、14C、及び該画像形成部本体14Bk、14Y、14M、14Cに対して着脱自在に配設された現像剤収容部としてのトナーカートリッジ91Bk、91Y、91M、91Cから成り、画像形成部本体14Bk、14Y、14M、14C内に像担持体としての感光体ドラム20、帯電装置としての図示されない帯電ローラ、現像器としての図示されない現像ローラ等を備える。
また、前記感光体ドラム20の表面を露光して潜像としての静電潜像を形成するために露光装置としての各LEDヘッド21Bk、21Y、21M、21Cが、感光体ドラム20と対向させて配設される。
したがって、各感光体ドラム20の表面が、帯電ローラによって一様に、かつ、均一に帯電させられた後、各LEDヘッド21Bk、21Y、21M、21Cによって露光され、各感光体ドラム20の表面に静電潜像が形成される。続いて、前記現像ローラは、各静電潜像を現像して各色の現像剤像としてのトナー像を形成し、転写ローラ22Bk、22Y、22M、22Cは、トナー像を順次用紙に重ねて転写し、カラーのトナー像を形成する。
続いて、用紙は、定着装置としての定着器15に送られ、該定着器15において、カラーのトナー像が第1のローラとしての加熱ローラ15aによって加熱され、第2のローラとしての加圧ローラ15bによって加圧され、用紙に定着させられ、カラーの画像が形成される。そして、定着器15から排出された用紙は、排出ローラ対16によって搬送された後、第1、第2の排出口17a、17bからプリンタの装置本体10外に排出され、第2の排出口17bから排出された用紙は、スタッカ25aに積載される。なお、25bは上面カバーであり、前記スタッカ25a及び上面カバー25bによって、プリンタの外周を覆う外装部材25が構成される。
前記各画像形成部13Bk、13Y、13M、13Cは、装置本体10に対して着脱自在に配設され、画像形成部13Bk、13Y、13M、13Cの着脱を行うために、装置本体10の上部に画像形成部上面カバー19が配設される。また、前記各LEDヘッド21Bk、21Y、21M、21Cは画像形成部上面カバー19によって保持される。
そして、90は、装置本体10内において、特に、前記定着器15によって発生した余分な熱を装置本体10外に排気し、画像形成部13Bk、13Y、13M、13Cへの熱の影響を抑える排気装置としての排気ファンである。
また、26は、前記画像形成部13Bk、13Y、13M、13Cのうちの最も定着器15に近い位置に配設された画像形成部13Cの画像形成部本体14Cと定着器15との間の上方に配設された送風装置支持部としての送風ファンフォルダであり、該送風ファンフォルダ26は、装置本体10の正面側から背面側へかけての主走査方向であるプリンタの幅方向(用紙の搬送面に平行、かつ、用紙の搬送方向に対して直交する方向)におけるほぼ中央部に配設され、送風装置としての送風ファン27を保持する。なお、送風ファンフォルダ26の側面には、開口部26aが形成される。また、送風ファン27の駆動部としてDC−ファンモータ、AC−ファンモータ等が使用される。
前記送風ファンフォルダ26は、下面に、画像形成部本体14Cと定着器15との間に形成された第1の空間部としての吹出部28に向けて形成された送風口29を備える。そして、前記送風ファン27が、図示されない電源部から供給された電流によって駆動されると、送風ファンフォルダ26の周辺の空気が開口部26aを介して送風ファン27に取り込まれ、該送風ファン27は、送風口29から吹出部28に送風する。
ところで、前記プリンタにおいて、印刷速度を高くしたり、多様な用紙を使用したりしようとすると、定着器15に必要とされる熱量が多くされ、しかも、プリンタを小型化するために、定着器15と画像形成部13Cとを近接させると、定着器15の熱を受けて、画像形成部13C内のトナーが溶融してしまうことがある。そこで、前記送風ファン27は、画像形成部本体14C内の感光体ドラム20の表面温度が高くなると駆動されるようになっている。
その場合、トナーの温度又は感光体ドラム20の表面温度が高くなるのを抑制することが望ましいが、画像形成部13C内に、例えば、トナーの温度又は感光体ドラム20の表面温度を検出するためのサーミスタを配設することは困難であり、また、感光体ドラム20の表面には特殊な感光材料が薄膜状に塗布され、デリケートな感光層が形成されているので、仮に、サーミスタを直接押し当てて感光体ドラム20の表面温度を検出すると、感光体ドラム20の表面に傷が付き、画像形成プロセスに支障をきたしてしまう。また、非接触方式で感光体ドラム20の表面温度を検出する方法が考えられるが、その場合、センサのコストが高くなってしまうだけでなく、センサを取り付けるためのスペースを確保することができない。
そこで、本実施の形態においては、搬送ベルト24の表面温度を検出することによって、感光体ドラム20の表面温度を推定し、搬送ベルト24の表面温度に基づいて送風ファン27の制御を行うようにしている。
そのために、前記搬送ベルト24の下方に、各画像形成部13Bk、13Y、13Mにわたって平板状の形状を有する制御部121が配設される。該制御部121は、演算装置としての図示されないCPU、記憶装置としての図示されないメモリ等を備える。また、図3に示されるように、前記搬送ベルト24の下方の画像形成部13Cにおける感光体ドラム20の一方の端部側に、搬送ベルト24の表面温度を検出するための温度検出部としてのサーミスタ120が、搬送ベルト24と接触させて配設され、前記サーミスタ120は前記制御部121と接続される。
この場合、該制御部121は、前述されたように、感光体ドラム20の一方の端部側に配設されるので、搬送ベルト24の表面温度を検出するに当たり、定着器15の輻射熱の影響を受けることが少なく、かつ、トナー像を転写する際に転写に影響を与えることが少ない。
次に、送風ファン27の動作について説明する。
前記構成のプリンタの電源をオンにすると、定着器15において加熱ローラ15a内の加熱体、例えば、ハロゲンヒータの通電が開始され、定着器15の温度が高くなり始める。このとき、同時に排気ファン90が駆動され、定着器15の周囲の空気が排出される。また、制御部121において、CPUの温度検出処理手段は、温度検出処理を行い、サーミスタ120のセンサ出力を読み込み、搬送ベルト24の表面温度を検出する。
ところで、前述されたように、搬送ベルト24は感光体ドラム20と接触しながら走行させられるので、図5に示されるように、感光体ドラム20の表面温度が変化すると、搬送ベルト24の表面温度も追随して変化する。例えば、搬送ベルト24の表面温度が48〔℃〕以上になると、感光体ドラム20の表面温度は50〔℃〕以上になっていることが推定される。そして、一般的に、感光体ドラム20の表面温度が50〔℃〕以上になると、画像形成部本体14Bk、14Y、14M、14C内のトナーの劣化が始まる。
そこで、本実施の形態においては、感光体ドラム20の表面温度が50〔℃〕以上にならないように制御を行うようにしている。
すなわち、前記温度検出処理手段によって検出された搬送ベルト24の表面温度が、第1の閾値である48〔℃〕以上になると、前記CPUの送風制御処理手段は、送風制御処理を行い、送風ファン27を駆動し、吹出部28に送風する。
これに伴い、送風ファン27及び排気ファン90の動作によって、前記画像形成部本体14Cから定着器15に向けて矢印で示されるような風の流れを作ることができるので、定着器15で発生した熱が空気に乗って、画像形成部本体14Cの方向に流出するのを防止することができる。
また、前記画像形成部本体14Cから定着器15の方向への風の流れによって、画像形成部本体14C自体を冷却することもでき、画像形成部本体14C自体を冷却した風は、矢印で示されるように定着器15の上方を流れ、排気ファン90によって装置本体10外に排出される。なお、一部の風は画像形成部本体14C内に進入し、直接感光体ドラム20を冷却する。
そして、搬送ベルト24の表面温度が46〔℃〕以下になると、感光体ドラム20の表面温度は48〔℃〕以下になったことが推定される。そこで、搬送ベルト24の表面温度が46〔℃〕以下になると、送風制御処理手段は、送風ファン27の駆動を停止させる。その後、再び搬送ベルト24の表面温度が48〔℃〕以上になると、送風ファン27が駆動される。このようにして、感光体ドラム20の表面温度を50〔℃〕以下に保ちながら、印刷を継続することができる。
このように、本実施の形態においては、前述されたように、送風ファン27及び排気ファン90の動作によって、前記画像形成部本体14Cから定着器15に向けて矢印で示されるような風の流れを作ることができるので、定着器15で発生した熱が空気に乗って、画像形成部本体14Cの方向に流出するのを防止することができる。
また、前記画像形成部本体14Cから定着器15の方向への風の流れによって、画像形成部本体14C自体を冷却することもでき、画像形成部本体14C自体を冷却した風は、矢印で示されるように定着器15の上方を流れ、排気ファン90によって装置本体10外に排出される。
したがって、印刷速度を高くしたり、多様な用紙を使用したりすることができるように、定着器15に必要とされる熱量が多くされ、しかも、プリンタを小型化するために、定着器15と画像形成部本体14Cの感光体ドラム20とを近接させる必要があっても、定着器15の熱を受けて、画像形成部13C内のトナーが溶融してしまうことがない。
しかも、印刷速度を高くするために、溶融温度の低いトナーが使用されても、画像形成部13C内のトナーが溶融するのを防止することができる。
その結果、印刷結果である画像品位を向上させることができる。
そして、前記送風ファン27がプリンタの幅方向の端部に配設されず、ほぼ中央部に配設されるので、画像形成部本体14Cの幅方向における冷却効果にばらつきが発生するのを防止することができ、バランスのよい冷却を行うことができる。
また、設定時間だけ定着器15の加熱源による加熱を停止させたり、定着器15の加熱ローラ15a及び加圧ローラ15bのほかに他のローラ類を空回りさせたりして、間欠的に印刷動作を行う必要がないので、印刷に必要な時間を短くすることができ、高速で印刷を行うことができる。
そして、定着器15から画像形成部13Cに熱が伝達されて、画像形成部13C内の温度センサによって温度の上昇が検出される前に、画像形成部本体14C及びトナーカートリッジ91Cに熱が伝わることがないので、トナーの融着が起こるのを防止することができる。
さらに、搬送ベルト24の表面温度を検出することによって感光体ドラム20の表面温度を推定するようにしているので、感光体ドラム20にサーミスタ等の温度検出部を直接押し当てて感光体ドラム20の表面温度を検出する必要がない。したがって、感光体ドラム20の表面に傷が付くのを防止することができ、画像形成部13Cの耐久性を向上させることができる。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 搬送ベルト24の表面温度が48〔℃〕以上であるかどうかを判断する。搬送ベルト24の表面温度が48〔℃〕以上である場合はステップS2に進み、搬送ベルト24の表面温度が48〔℃〕より低い場合は処理を終了する。
ステップS2 送風ファン27を駆動する。
ステップS3 搬送ベルト24の表面温度が46〔℃〕以下になるのを待機する。搬送ベルト24の表面温度が46〔℃〕以下になるとステップS4に進む。
ステップS4 送風ファン27を停止させ、ステップS1に戻る。
本実施の形態において、サーミスタ120は、搬送ベルト24の平坦な部分に接触させて配設されるようになっているが、搬送ベルト24における駆動ローラr1と対向する部分に配設することができる。その場合、サーミスタ120は駆動ローラr1上の湾曲部と対向させられるので、サーミスタ120を搬送ベルト24に容易に押し当てることができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
図6は本発明の第2の実施の形態におけるプリンタの概略図、図7は本発明の第2の実施の形態における送風調整器の斜視図、図8は本発明の第2の実施の形態における送風調整器の断面図である。
この場合、送風装置支持部としての送風ファンフォルダ26の送風口29に、送風の向きを調整するための送風調整器122が配設され、該送風調整器122は、プリンタの幅方向の中央部に配設された送風ファン27、及び該送風ファン27からプリンタの幅方向の両端に向けて延びるアーム部122a、122bを備え、内部の空間が仕切板123によって区画される。
前記送風ファン27が駆動されると、図8に示されるように、仕切板123によって風が分流させられ、かつ、案内され、プリンタの幅方向の全体に振り分けられる。したがって、画像形成部本体14Bk、14Y、14M、14Cの中央部だけでなく、両端も冷却することができる。また、冷却効率を高くすることができ、短時間で冷却を終了することができる。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
図9は本発明の第3の実施の形態におけるプリンタの概略図、図10は本発明の第3の実施の形態におけるサーミスタの位置を示す概略図である。
この場合、123は温度検出部としての非接触のサーミスタであり、該サーミスタ123は、搬送部材としての搬送ベルト24の幅方向の中央部に位置させられ、搬送ベルト24と1〔mm〕程度のギャップを形成して配設される。
前記サーミスタ123を使用することによって、画像形成範囲の中央部において搬送ベルト24の表面温度を検出することができるので、感光体ドラム20の表面温度を一層正確に推定することができる。
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
図11は本発明の第4の実施の形態におけるプリンタの概略図、図12は本発明の第4の実施の形態におけるプリンタの要部を示す斜視図である。
本実施の形態においては、画像形成部本体14Cと定着装置としての定着器15との間に第1の空間部としての吹出部28が、外装部材25と画像形成部上面カバー19との間に第2の空間部としての送風通路32が、吹出部28と送風通路32との間に第3の空間部としての、かつ、送風装置支持部としての送風チャンバー31が形成され、送風通路32と送風チャンバー31とが連結口としての連結開口部33によって連結される。前記送風通路32は、外装部材25の少なくとも一部の内側の画像形成部13Bk、13Y、13M、13Cの上方に形成される。
前記送風チャンバー31は、前記画像形成部13Bk、13Y、13M、13Cのうち最も定着器15に近い位置に配設された画像形成部13Cの画像形成部本体14Cと定着器15との間の上方に配設される。また、送風装置としての送風ファン27が送風チャンバー31の筐体31aによって支持される。
前記送風ファン27を動作させると、送風通路32の上流側(図11において右側)にあり、定着器15から離れた側の比較的冷えた空気が、前記送風通路32及び連結開口部33を介して送風チャンバー31内に吸引され、該送風チャンバー31内から送風口29を介して吹出部28に送られる。
このような動作によって、送風ファン27と装置本体10の上部の空間とが送風チャンバー31を介して接続されるので、前記第1の実施の形態より低い温度の風の流れを形成することができる。したがって、前記第1の実施の形態より冷却効果を高くすることができる。
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。なお、第1、第4の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
図13は本発明の第5の実施の形態におけるプリンタの概略図、図14は本発明の第5の実施の形態におけるプリンタの要部を示す斜視図である。
本実施の形態においては、第1の空間部としての吹出部28が、外装部材25と画像形成部上面カバー19との間に第2の空間部としての送風通路32が、吹出部28と送風通路32との間に第3の空間部としての、かつ、送風装置支持部としての送風チャンバー41が形成され、送風通路32と送風チャンバー41とが連結口としての連結開口部33によって連結される。前記送風チャンバー41は箱状体から成り、長辺が定着装置としての定着器15とほぼ平行に配設される。また、送風装置としての送風ファン27が送風チャンバー41の筐体41aによって支持される。
前記送風通路32は、プリンタの外装部材25における媒体供給装置としての給紙ローラ11側の側面に形成された開口部44を有する。そして、外装部材25と一体的に形成された画像形成部上面カバー19、及び送風通路32の下部を仕切る仕切り部材42によってダクト構造が構成される。
なお、前記送風通路32は、送風方向に垂直な面の断面積が送風ファン27の実効断面積、すなわち、送風ファン27によって送風可能である面積より大きくなるようにその形状が決定され、送風通路32の高さ方向の寸法が小さくなる空間32aにおいては、送風通路32の幅が大きくされる。
また、図14に示されるように、前記送風チャンバー41は、ダクト構造を構成する。したがって、仕切り部材42、画像形成部上面カバー19、及び外装部材25で仕切られる範囲の空間部である送風通路32と連結開口部33とによって連結されるので、多くの空気を送風チャンバー41に取り込むことができる。
この場合、前記送風ファン27を動作させると、プリンタの外部の空気が、開口部44を介して吸引され、前記第2の実施の形態と同様に、送風通路32を介して送風チャンバー41に導かれるので、一層低い温度の空気を利用して冷却を行うことができる。
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。なお、第1〜第5の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
図15は本発明の第6の実施の形態におけるプリンタの概略図、図16は本発明の第6の実施の形態におけるプリンタの要部を示す斜視図、図17は本発明の第6の実施の形態における吹出部の風の流れを示す図である。なお、図17は、図15におけるA−A断面方向から見たときの吹出部における風の流れを示す図である。
本実施の形態においては、送風装置支持部としての送風ファンフォルダ26の送風口29に風向規制板46が配設される。該風向規制板46は、逆「V」字形の形状を有し、第1、第2のアーム46a、46bを備え、折曲点p11を送風口29に固定することによって取り付けられ、送風装置としての送風ファン27から排出された風を、プリンタの幅方向の中央部だけでなく、両側の端部にも振り分けて向ける。
したがって、定着器15の中央部だけが過剰に冷却されるのを防止し、定着装置としての定着器15の両端部も冷却することができる。
また、前記風向規制板46は、図15に示されるように、送風口29における定着器15側に配設されるので、送風ファン27から排出される風を、定着器15側においてプリンタの幅方向における両端部に、画像形成部本体14C側において中央部に送ることができる。したがって、風をプリンタの幅方向における全体に送ることができるので、画像形成部本体14C内の全域にわたって現像剤としてのトナーが溶融するのを防止することができる。
なお、定着器15の端部の付近に、例えば、媒体としての用紙の温度を検出する温度検出部としての温度センサ47が配設されている場合には、振り分けられる風が温度センサ47に当たるように第1、第2のアーム46a、46bの角度を設定することができる。
ところで、プリンタにおいて大量の印刷を行うとき、定着器15は設定された温度でカラーの現像剤像としてのトナー像の定着を行うが、このとき、用紙によって熱が奪われ、定着器15の幅方向において、用紙が通過する範囲と通過しない範囲とで、定着器15に温度差が生じる。
そして、温度がほとんど低下しない前記定着器15の端部の付近に温度センサ47を配設し、定着器15の端部の温度を検出し、検出された温度に基づいて定着器15の制御を行うと、定着器15の端部の温度が低下した定着器15の中央部、すなわち、用紙が通過する範囲の定着器15の温度は更に低下する。ところが、本実施の形態においては、風向規制板46によって振り分けられた風が定着器15及び温度センサ47に当たるので、温度を低下させるのが困難な前記定着器15の端部及びその付近を冷却することができ、用紙が通過する範囲と通過しない範囲とで定着器15に温度差が生じるのを防止することができる。したがって、定着器15の制御を適正に行うことができる。
本実施の形態においては、送風ファン27から排出された風が風向規制板46によって両側に振り分けられ、このとき、送風ファン27から排出された風は、定着器15側においてプリンタの幅方向における両端部に送られるので、定着器15の両端部を冷却することができる。
前記定着器15においては、加熱ローラ15aによってトナー像が加熱されるが、印刷可能な用紙のサイズに対応するために、定着器15に配設される加熱ローラ15aの幅は、印刷可能な最大の用紙の幅、すなわち、最大用紙幅より大きくされる。そして、印刷に使用される用紙の幅は、前記最大用紙幅以下にされる。
ところで、加熱ローラ15aにおいて、用紙が定着器15を通過するときに用紙と接触する部分、すなわち、中央部分においては熱が用紙に移動するが、用紙と接触しない部分、すなわち、端部においては熱が用紙に移動しない。したがって、連続して印刷が行われる場合、加熱ローラ15aの端部の温度が上昇してしまう。
そこで、本実施の形態のように、送風口29における定着器15側に風向規制板46を配設して、送風ファン27から排出される風を、定着器15側においてプリンタの幅方向における両端部に送り、定着器15の端部を冷却することが好ましい。
一方、送風ファン27から排出される風は、画像形成部本体14C側において、中央部に送られるので、画像形成部本体14Cの中央部を中心にして幅方向の全体にわたって画像形成部本体14Cを均一に冷却することができる。
また、定着器15からの熱が画像形成部本体14Cに伝達されなくなるので、画像形成部本体14C内のトナーが溶融するのを防止することができる。
このように、送風ファン27から排出される風を、画像形成部本体14C側において中央部に送り、画像形成部本体14Cを冷却することが好ましい。
次に、本発明の第7の実施の形態について説明する。なお、第1〜第6の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
図18は本発明の第7の実施の形態におけるプリンタの概略図、図19は本発明の第7の実施の形態におけるプリンタの要部を示す斜視図である。
本実施の形態においては、外装部材25の媒体供給装置としての給紙ローラ11側の側面に開口部44が形成され、該開口部44の内側に、送風装置としての送風ファン51が配設される。
また、50は、前記画像形成部13Bk、13Y、13M、13Cのうちの最も定着装置としての定着器15に近い位置に配設された画像形成部13Cの画像形成部本体14Cと定着器15との間の上方に配設された吹出装置であり、該吹出装置50は、装置本体10の正面側(図18において手前側)から背面側(図18において奥側)へかけてのプリンタの幅方向に全体にわたって配設される。
そのために、前記吹出装置50は、下面に、プリンタの幅方向の全体にわたって形成された送風口52を備え、前記送風ファン51は、外装部材25と画像形成部上面カバー19との間に形成された第2の空間部としての送風通路32、連結開口部33、及び画像形成部本体14Cと定着器15との間に形成された第1の空間部としての吹出部28と送風通路32との間に形成された第3の空間部としての送風チャンバー55を介して、吹出部28に送風する。
この場合、前記送風ファン51を動作させると、プリンタ外の空気が開口部44を介して吸引され、前記第4の実施の形態と同様に、送風通路32を介して吹出装置50に導かれるので、一層低い温度の空気を利用して冷却を行うことができる。
そして、前記吹出装置50はプリンタの幅方向の全体にわたって配設されるので、定着器15の中央部だけが過剰に冷却されるのを防止し、定着器15の両端部も冷却することができる。
また、吹出装置50及び送風口52は長手方向の全体にわたって配設されているので、中央部はもちろん端部にも風が流れ、長手方向の全体を冷却することができる。したがって、定着器15の端部で温度が上昇するのを防止することができる。
なお、本実施の形態においては、吹出装置50は長手方向の全体にわたって配設されるようになっているが、中央部だけに配設することもできる。また、第6の実施の形態と同様に、風向規制板46(図15)を配設することもできる。
このように、本実施の形態においては、送風ファン51が開口部44の内側に配設されるので、送風ファン51の自由度を高くすることができ、風量の大きい送風ファンを使用することができる。したがって、定着器15の冷却効果を高くすることができる。
次に、本発明の第8の実施の形態について説明する。なお、第1〜第7の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
図20は本発明の第8の実施の形態におけるプリンタの概略図である。
本実施の形態においては、外装部材25の媒体供給装置としての給紙ローラ11側の側面に開口部44が形成され、該開口部44の内側に、送風装置としての送風ファン51が配設される。
前記吹出装置50は、下面に送風口52を備え、前記送風ファン51は、外装部材25と画像形成部上面カバー61との間に形成された第2の空間部として送風通路32、連結開口部33、及び画像形成部本体14Cと定着装置としての定着器15との間に形成された第1の空間部としての吹出部28と送風通路32との間に形成された第3の空間部としての送風チャンバー55を介して、吹出部28に送風する。
また、画像形成部13Bk、13Y間に吹出部63が、画像形成部13Y、13M間に吹出部64が、画像形成部13M、13C間に吹出部65が形成され、前記画像形成部上面カバー61における各吹出部63〜65に対応する箇所に、送風口63a〜65aが形成される。各吹出部63〜65によって、第4の空間部及び装置間空間部が構成される。
前記送風ファン51は、送風通路32、連結開口部33、及び送風チャンバー55を介して、送風口52から吹出部28に送風するほかに、各送風口63a〜65aから吹出部63〜65に送風する。
そして、各吹出部63〜65に送風された空気は、画像形成部13Bk、13Y、13M、13Cを冷却するとともに、排気装置としての排気ファン90の動作と相まって画像形成部13Bk、13Y、13M、13Cから定着器15に向かう風の流れを形成し、媒体としての用紙の搬送方向における上流から定着器15を冷却する。
次に、本発明の第9の実施の形態について説明する。
図21は本発明の第9の実施の形態におけるブロワ型の送風ファンの斜視図である。
図において、124は画像形成部本体14C(図20)及び像担持体としての感光体ドラム20を冷却する送風装置としてのブロワ型の送風ファンである。
この場合、ブロワ型の送風ファン124が使用されるので、画像形成部本体14Bk、14Y、14M、14C及び感光体ドラム20の幅方向の全体を速やかに冷却することができ、冷却むらをなくし、短時間で冷却を終えることができる。
この場合、送風ファン124の有効幅、すなわち、プリンタの幅方向における送風口29の長さを定着装置としての定着器15の幅以上にすることができる。
前記各実施の形態においては、媒体としての用紙が水平に搬送されるプリンタについて説明しているが、下部に媒体供給装置を配設し、上部に定着器を配設するようにした垂直搬送型のプリンタに適用することができる。
また、各実施の形態においては、カラーのプリンタについて説明しているが、本発明を他のプリンタに適用したり、ファクシミリ、複写機、複合機等に適用したりすることができる。
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。