JP4995431B2 - 除染システム、及び除染方法 - Google Patents

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Description

本発明は、過酸化水素ガス等の除染ガスを用いて、除染対象となる密閉室を除染する除染システム、及び除染方法に関する。
チャンバ等の密閉室を、除染効果をもつ除染ガスにより除染する除染システムは、既に良く知られている(例えば、特許文献1参照。)。具体的には、除染ガスとしての過酸化水素ガスを発生させるガス発生装置をチャンバの外に備え、このガス発生装置が発生させた過酸化水素ガスを、密閉室内に連通するガス導入管を介してチャンバ内に導入する構成である。
ところで、上記除染システムにあっては、過酸化水素ガスが密閉室内に到達する前に、ガス導入管内で凝縮してしまい、供給効率が悪くなるということがあった。このため、従来から、ガス導入管内で過酸化水素ガスが凝縮してしまうことを防止する措置がされている。具体的には、雰囲気より高温なキャリアガスをガス導入管内に供給し、このキャリアガスに過酸化水素ガスを供給するようにしている。また、ガス導入管を加熱・保温することにより、凝縮を防止している構成もある。
特表2003−527211号公報
しかしながら、これまでに述べた従来構成は、キャリアガス、又はガス導入管を高温の状態に維持するのに多大な費用を要することがよく知られており、除染システム全体としてコストが高騰してしまう問題があった。このため、かかる問題を改善できる新しい除染システムの提案が強く求められていた。
そこで本発明は、上記問題を解決することができる除染システムを提供することを目的とする。
本発明は、室内と室外とが気密的に遮断された密閉室を備え、該密閉室に除染ガスを投入して、当該密閉室内を除染する除染システムであって、前記密閉室内に設けられた、表面が所定温度となる蒸発面を上面に備える蒸発プレートと、除染剤が水に溶解してなる除染剤水溶液を貯蔵する除染剤水溶液貯蔵部と、前記除染剤水溶液貯蔵部に貯蔵される除染剤水溶液を前記蒸発面上に滴下して、当該蒸発面と除染剤水溶液とを接触させる除染剤水溶液供給手段と、除染剤水溶液供給手段が供給する除染剤水溶液の供給量を調節する供給量制御手段と、前記供給量制御手段により、蒸発面と接触させる除染剤水溶液の供給量を調節しながら、密閉室を除染管理する除染管理手段と、前記蒸発プレートの蒸発面を、当該蒸発面に接触した除染剤水溶液が蒸発することとなる温度に設定し、除染剤水溶液が蒸発することにより生成される除染ガスを当該密閉室内で発生させる除染ガス投入制御手段
とを備えたことを特徴とする除染システムである。ここで、除染とは、化学T期除染、無菌、殺菌、滅菌等が含まれる。また、除染剤としては、例えば過酸化水素があり、除染剤水溶液としては、過酸化水素水がある。
かかる構成は、密閉室内に少なくとも蒸発面を設置し、当該密閉室内で除染ガスを発生させることを特徴としている。このような構成とすることにより、密閉室外から除染ガスを導入する必要がないから、従来構成では必要なガス導入管が本発明では不要となる。これに伴い、ガス導入管内で除染ガスが凝縮することを防ぐ必要がなくなり、ガス導入管に供給する高温化したキャリアガスも不要となる。また、ガス導入管を加熱・保温することも不要となる。したがって、従来構成で問題となっていたキャリアガスの高温化、又はガス導入管の加熱・保温に必要なコストを、本発明では確実に削減することが可能となる。なお、除染剤水溶液貯蔵部、又は除染剤水溶液供給手段を構成する装置等は、密閉室内に設けられても良いし、密閉室外に設けられても良い。
なお、上記構成にあっては、蒸発面を、当該蒸発面に接触した除染剤水溶液が蒸発することとなる温度に設定して、除染剤水溶液が蒸発することにより生成される除染ガスを当該密閉室内で発生させる除染ガス投入制御手段を備えた構成としても良い。
具体的に除染ガス投入制御手段としては、蒸発面の温度を測定する温度測定手段と、蒸発面の温度を調整する温度調整手段と、前記温度測定手段が測定した蒸発面の温度が当該蒸発面に接触した除染剤水溶液が蒸発することとなる温度でない場合に、前記温度調整手段に蒸発面の温度を除染剤水溶液が蒸発する温度に調整するよう指令する温度設定指令手段とを備えた構成が提案される。かかる構成とすることにより、蒸発面を所要温度に設定して、除染ガスを密閉室内で発生させることを自動制御することが可能となる。
また、除染剤水溶液供給手段が供給する除染剤水溶液の供給量を調節する供給量制御手段と、前記供給量制御手段により、蒸発面と接触させる除染剤水溶液の供給量を調節しながら、密閉室を除染管理する除染管理手段とを備えた構成が提案される。
具体的に除染管理手段としては、密閉室の雰囲気を検知する雰囲気検知手段と、該雰囲気検知手段の検知結果に基づいて供給量制御手段に調節指令する供給量調節指令手段とを備えた構成が提案される。このように除染剤水溶液の供給量を調節する構成とすることにより、密閉室に投入される除染ガスの投入量等を調節することが可能となる。これにより、状況に応じて最適な除染管理を実行することが可能となる。なお、除染管理とは、除染対象を除染するために必要な行為が全て含まれ、様々な方策が提案され得る。例えば、除染対象となる表面に除染ガスを凝縮させて当該表面を除染する構成がある。さらに、かかる凝縮をモニタリングする構成としては、凝縮液が形成されることとなる透明板に光を照射させて受光量を測定する構成等がある。また、除染対象となる表面に除染ガスを接触させて当該表面を除染する構成もある。また、かかる構成にあって、密閉室内のガス状態をモニタリングする構成としては、密閉室内に超音波、光等の測定波を伝播させて密閉室内のガス密度、濃度、湿度等を測定する構成が例示されうる。
また、内部空間を備えた外筐体を備え、密閉室を、前記外筐体の内部空間とした構成が提案される。
かかる構成とすることにより、除染対象となる密閉室と、除染ガスを発生させる機構とを備えた除染システムが一体的に構成されることとなり、除染システム全体がコンパクトに構成されることとなる。
また、蒸発面が、密閉室内に複数設けられてなる構成が提案される。
ここで、通常、密閉室内には、除染ガスが行き渡り難いコールドスポットがいくつか存在する。そこで、本発明は、例えば複数の蒸発面のうちいずれかを、除染ガスが行き渡り難いコールドスポット付近に設けることにより、当該コールドスポットで除染ガスを発生させることができる。かかる構成とすることにより、密閉室内の除染管理を精度良く行うことが可能となり、コールドスポットへ優先的に除染ガスを導入して、密閉室内に除染ガスを充分に行き渡らせることが可能となる。
また、密閉室内に設けられた、当該密閉室に内在するガスを一方向に流動させて当該密閉室内に一方向流を形成する送風装置を備え、蒸発面が、密閉室内に形成される一方向流の基端部に配置されてなる構成が提案される。
換言すれば、送風装置がガスを送風する送風口を備え、蒸発面が該送風口の対向位置に配設されてなる構成である。かかる構成とすることにより、蒸発面で発生した除染ガスが、一方向流に乗ることとなり、除染ガスを一方向流に乗せて密閉室内に充分に行き渡らせることが可能となる。
また本発明は、室内と室外とが気密的に遮断された密閉室に、除染ガスを投入して、当該密閉室内を除染する除染方法であって、表面が所定温度となる蒸発面を上面に備える蒸発プレートを密閉室内に設け、その蒸発プレートの蒸発面を、当該蒸発面に接触した除染剤水溶液が蒸発して除染ガスが生成されることとなる温度に設定する工程を備えてなると共に、該蒸発面上に、除染剤が水に溶解してなる除染剤水溶液を、その供給量を調整しながら滴下する工程を備えてなり、当該蒸発面上で除染剤水溶液を蒸発させて当該密閉室内で除染ガスを発生させることを特徴とする除染方法である。


かかる構成は、密閉室内に蒸発面を設置し、当該密閉室内で除染ガスを発生させることを特徴としている。すなわち、密閉室外から除染ガスを導入する必要がないから、上記した従来のような除染ガス導入時の凝縮の問題がない。したがって、従来構成で問題となっていたキャリアガスの高温化、又はガス導入管の加熱・保温に必要なコストを、本発明では確実に削減することが可能となる。
また、上述の構成にあって、蒸発面に供給する除染剤水溶液の供給量を調節することによって密閉室を除染管理する構成が提案される。
かかる構成とすることにより、密閉室に投入される除染ガスの投入量等を調節することが可能となる。これにより、状況に応じて最適な除染管理を実行することが可能となる。なお、除染管理とは、上述の通りである。
また、蒸発面を、密閉室内に複数設けて、複数箇所から除染ガスを発生させる構成が提案される。
かかる構成とすることにより、例えば、除染ガスが行き渡り難いコールドスポットで除染ガスを発生させることができる。したがって、本発明は、コールドスポットへ優先的に除染ガスを導入して、密閉室内に除染ガスを充分に行き渡らせることができる。
また、密閉室内に、当該密閉室に内在するガスを一方向に流動させて一方向流を形成すると共に、蒸発面を、密閉室内に形成される前記一方向流の基端部に配置する構成が提案される。
かかる構成とすることにより、蒸発面で発生した除染ガスが、一方向流に乗ることとなる。したがって、本発明は、除染ガスを密閉室内に充分に行き渡らせることができる。
本発明にかかる除染システムは、蒸発面を、当該蒸発面に接触した除染剤水溶液が蒸発することとなる温度に設定し、除染剤水溶液が蒸発することにより生成される除染ガスを当該密閉室内で発生させる構成としたため、密閉室外から除染ガスを導入する必要がない。したがって、従来構成では必要なガス導入管と、ガス導入管に供給する高温化したキャリアガスとが不要となり、従来構成で問題となっていたキャリアガスの高温化、又はガス導入管の加熱・保温に必要なコストを、確実に削減することができる利点がある。
また、上記構成にあって、蒸発面を、当該蒸発面に接触した除染剤水溶液が蒸発することとなる温度に設定して、除染剤水溶液が蒸発することにより生成される除染ガスを当該密閉室内で発生させる除染ガス投入制御手段を備えた構成とした場合は、蒸発面を所要温度に設定して、除染ガスを密閉室内で発生させることを自動制御することが可能となる利点がある。
また、上記構成にあって、除染剤水溶液供給手段が供給する除染剤水溶液の供給量を調節する供給量制御手段を備え、供給量制御手段によって、蒸発面と接触させる除染剤水溶液の供給量を調節することにより、密閉室を除染管理する構成とした場合は、密閉室に投入する除染ガス量を管理制御することができるため、状況に応じて適正に除染管理することができる効果がある。
また、密閉室を外筐体の内部空間とした構成とした場合は、除染対象となる密閉室と、除染ガスを発生させる機構とを備えた除染システムが一体的に構成されることとなり、除染システム全体がコンパクトとなる効果がある。
また、蒸発面を密閉室内に複数設けた構成とした場合は、密閉室内に除染ガスを充分に行き渡らせることができる利点がある。
また、蒸発面を、密閉室内に形成される一方向流の基端部に配置した、換言すれば、蒸発面を送風口に対向させてなる構成とした場合は、蒸発面で発生した除染ガスが一方向流に乗ることとなるため、除染ガスを密閉室内に充分に行き渡わせることができる効果がある。
また本発明に係る除染方法は、蒸発面を密閉室内に設け、その蒸発面を、当該蒸発面に接触した除染剤水溶液が蒸発して除染ガスが生成することとなる温度に設定する工程と、該蒸発面上に、除染剤が水に溶解してなる除染剤水溶液を供給する工程とを備えてなり、当該蒸発面上で除染剤水溶液を蒸発させて当該密閉室内で除染ガスを発生させる構成としたため、密閉室外から除染ガスを導入する必要がなくなり、除染ガス導入時の凝縮の問題が生じない。したがって、本発明は、従来構成で問題となっていたキャリアガスの高温化、又はガス導入管の加熱・保温に必要なコストを、確実に削減することができる優れた効果がある。
また、蒸発面に供給する除染剤水溶液の供給量を調節することによって密閉室を除染管理することとした場合は、状況に応じて適正に密閉室を除染管理することができる。
また、蒸発面を、密閉室内に複数設けて、複数箇所から除染ガスを発生させる構成とした場合は、密閉室内に除染ガスを充分に行き渡らせることができる利点がある。
また、密閉室内に、当該密閉室に内在するガスを一方向に流動させて一方向流を形成すると共に、蒸発面を、密閉室内に形成される前記一方向流の基端部に配置する、換言すれば、送風口に蒸発面を対向させた構成とした場合は、蒸発面で発生した除染ガスを、一方向流に乗せて密閉室内に行き渡らせることができる利点がある。
本発明に係る除染システムの第一実施例を、図1,2に従って説明する。
図1に示すように、除染システムとしてのアイソレータ装置Aは、外筐体1を具備している。さらに、この外筐体1は、内部空間を備え、この内部空間が、除染対象である密閉室20となる。すなわち、この密閉室20は、外筐体1が壁を構成することにより、室外と気密的に遮断されることとなる。そして、この密閉室20に、除染ガスである過酸化水素ガスが投入されることにより、当該密閉室20の内壁、又は密閉室20に内在する除染対象物Xの表面が除染されることとなる。なお、外筐体1は、底面の四隅に設けられた支持脚15を介して床面Gに設置される。
密閉室20内には、仕切り板4が鉛直方向に設けられている。そして、この仕切り板4と、外筐体1の内壁との間に形成された隙間が、ガス通過可能な周回路6となっている。また、仕切り板4の下端には、密閉室20の中央と前記周回路6とを連通する開口部16が設けられている。
また、密閉室20の中央には、ガスを清浄化するためのHEPAフィルタ3が、水平状に架け渡されている。さらに、HEPAフィルタ3の下には、気流を整える整流板14が、水平状に架け渡されている。
また、密閉室20内の上部には、エアーを一方向に送風可能な送風装置2が三つ横並びに設置されている。本実施例にあっては、各送風装置2の送風口2aが、下方に向けられて下方へエアーを送風するように設置されている。かかる構成により、密閉室20に内在するガスが一方向に流動することとなって、密閉室20内に一方向流が形成される。さらに詳述すると、送風装置2により送風されたガスは、HEPAフィルタ3と整流板14とを上方から下方に流通する。そしてさらに、密閉室20の中央を通過したガスは、外筐体1の底部で前記開口部16を通じて周回路6内に進入し、周回路6内を上昇する。そして、該ガスは、送風装置2に到達し、再び気流に乗って密閉室20の中央を流下することとなって、密閉室20内を循環する。すなわち、前記一方向流は、送風装置2が配置される箇所を基端部として、密閉室20内を循環している。
また、アイソレータ装置Aには、触媒25、調整バルブ26、排気回路用HEPAフィルタ27、及び排気ファン28を備えた排気回路24が接続されている。さらに詳述すると、この排気回路24は、密閉室20側から順に、触媒25、調整バルブ26、排気回路用HEPAフィルタ27、及び排気ファン28と配設されており、一端が密閉室20に連通し、他端が室外に開口している。そして、排気ファン28が駆動することにより、密閉室20内のガスが、触媒25により分解され、さらに排気回路用HEPAフィルタ27によって清浄化されて室外に排気される。なお、調整バルブ26は、ガスの排気量を調節するために用いられる。
また、アイソレータ装置Aには、給気回路用HEPAフィルタ22、及び給気ファン23を備えた給気回路21が接続されている。さらに詳述すると、この給気回路21は、室外側から順に、給気ファン23、給気回路用HEPAフィルタ22と配設されており、一端が室外に開口し、他端が密閉室20に連通している。そして、給気ファン23が駆動することにより、外気が、給気回路用HEPAフィルタ22を介して密閉室20内に給気される。
また、アイソレータ装置Aは、凝縮センサー13を備えている。この凝縮センサー13は、密閉室20に投入された過酸化水素ガスが当該密閉室20内で凝縮したことを検知するものである。さらに詳述すると、この凝縮センサー13は、凝縮液が密閉室20の内壁又は密閉室20に内在する除染対象物X表面に薄膜状に形成されたことを検知すると共に、その凝縮液の凝縮量を測定することができる。なお、この凝縮センサー13としては、公知品が好適に用いられ、例えば、PCT/JP/03/05646号公報に記載される構成が用いられ得る。なお、前記凝縮量としては、凝縮液の膜厚であっても良いし、質量であっても良く、適宜選択されうる。なお、この凝縮センサー13により、密閉室20の雰囲気を検知する雰囲気検知手段が構成される。
次に、本発明の要部について説明する。
図1に示すように、アイソレータ装置Aは、外筐体1の側面に除染剤貯蔵部5が付設されている。この除染剤貯蔵部5は、内部空間を備えた貯蔵部用ケース17によって構成されている。さらに詳述すると、貯蔵部用ケース17内には、過酸化水素が水に溶解してなる過酸化水素水が入った液体タンク7、過酸化水素水の流量を測定する流量計9、及び液体タンク7の過酸化水素水を吸引する送液ポンプ8が収容されている。なお、本実施例に係る液体タンク7により、本発明に係る除染剤水溶液貯蔵部が構成される。また、本実施例に係る過酸化水素により、本発明に係る除染剤が構成される。また、本実施例に係る過酸化水素水により、本発明に係る除染剤水溶液が構成される。
一方、密閉室20のHEPAフィルタ3の直上位置には、蒸発プレート10が横並びに三つ設けられている。さらに詳述すると、各蒸発プレート10は、各送風装置2の送風口2aに対向させて配置される。また、当該蒸発プレート10の上面には、蒸発面11を備えている。なお、蒸発プレート10には、蒸発面11を所定温度に設定するヒーター機能を備えている。さらに、蒸発プレート10には、蒸発面11の温度を測定する温度センサー12が設けられている。なお、前記蒸発プレート10の蒸発面11以外には、断熱材(図示省略)が被着されており、蒸発プレート10は、前記断熱材を介して密閉室20の室壁に取り付けられている。これにより、蒸発プレート10の熱が室壁に伝わらないようにできる。なお、温度を測定する温度センサー12により、温度測定手段が構成される。また、温度を調整する蒸発プレート10により、温度調整手段が構成される。
また、アイソレータ装置Aには、前記送液ポンプ8により吸引された過酸化水素水を、各蒸発プレート10の蒸発面11上に導くための案内管18が設けられている。すなわち、液体タンク7内に貯蔵された過酸化水素水は、送液ポンプ8が駆動すると、流量計9により流量を管理されながら、案内管18を介して密閉室20内に導かれ、蒸発面11に滴下されることとなる。なお、送液ポンプ8、及び案内管18により、本発明に係る除染剤水溶液供給手段が構成される。
また、図2に示すように、アイソレータ装置Aは、制御装置30を備えている。この制御装置30は、中央制御装置CPU40、並びに、中央制御装置CPU40にそれぞれ接続された記憶装置ROM41、及び記憶装置RAM42を備えている。ここで、中央制御装置CPU40は、所定のプログラムを実行するものである。また、記憶装置ROM41は、演算処理に用いる動作プログラムやデータを格納するものである。また、記憶装置RAM42は、データを随時読み書きできるものである。
さらに、この制御装置30には、送風装置2、蒸発プレート10、温度センサー12、凝縮センサー13、送液ポンプ8、及び流量計9がそれぞれ接続されている。そして、送風装置2、蒸発プレート10、及び送液ポンプ8へは、所定態様で駆動させるための制御指令信号が制御装置30からそれぞれ出力される。これに対し、制御指令信号が入力された送風装置2、蒸発プレート10、及び送液ポンプ8は、その制御指令信号に従って所定態様で駆動することとなる。また、温度センサー12、凝縮センサー13、及び流量計9からは、測定データが制御装置30へそれぞれ送信され、記憶装置RAMに順次記憶保持される。そして、制御装置30の中央制御装置CPU40は、記憶保持された測定データに基づいて順次制御処理を行う。
次に、上記構成による除染態様について説明する。
まず、未だ除染されていない状態の密閉室20について、漏れテストを実行する。具体的には、漏れテスト用エアーを給気回路21を介して外筐体1内に供給し、当該外筐体1内を陽圧状態とした後、流量計(図示省略)で密閉室20への流量変動を測定し、判定する。
次に、湿度調整を実行する。これは、過酸化水素ガスを供給する前に予め給気回路21により低湿度エアーを供給して、密閉室20内を可及的に除湿(0%<W≦40%)しておき、除染環境を良好とするものである。なお、密閉室20が除湿されると、後で過酸化水素ガスを供給した際に、密閉室20内における過酸化水素ガスの占有率を高くすることができる。
密閉室20の除湿が終了すると、制御装置30は、送風装置2に制御指令信号を出力して、密閉室20内に一方向流を形成する。また、蒸発プレート10に制御指令信号を出力して、蒸発面11を130℃から200℃とする。この温度は、蒸発面11と過酸化水素水が接触した際に過酸化水素水が蒸発して、過酸化水素ガスが生成される温度である。なお、蒸発面11の温度は、温度センサー12により測定される。さらに、制御装置30は、送液ポンプ8に制御指令信号を出力して、過酸化水素水を吸引すると共に、案内管18を介して蒸発面11上に供給する。
ここで、蒸発面11上に過酸化水素水が供給されると、過酸化水素水が蒸発面11上で蒸発することとなって、過酸化水素ガスが生成される。そして、生成された過酸化水素ガスは、直上位置に配置された送風装置2によって送風されて下方に流動し、密閉室20の中央へ送られる。このように、送風装置2により形成された一方向流の基端部に、蒸発面11が配置される構成とすることにより、過酸化水素ガスが一方向流に乗ることとなって、過酸化水素ガスが密閉室20内に充分に行き渡ることとなる。なお、温度センサーで蒸発面11の温度をモニタリングしながら、蒸発プレート10により蒸発面11を過酸化水素ガスが発生する温度に設定する制御内容を実行する制御装置30により、温度設定指令手段が構成される。また、このように蒸発面11を、適正温度に設定して、過酸化水素ガスを発生させる自動制御内容を実行する制御装置30により、本発明に係る除染ガス投入制御手段が構成される。
これまで述べたように、過酸化水素ガスを密閉室20内で発生させることにより、密閉室20外から過酸化水素ガスを導入する必要がないから、上記した従来のような過酸化水素ガス導入時の凝縮の問題がない。したがって、従来構成で問題となっていたキャリアガスの高温化、又はガス導入管の加熱・保温に必要なコストを、本除染システムでは確実に削減することができる。
ところで、密閉室20内で過酸化水素ガスが飽和状態となると、密閉室20の内壁、又は密閉室20に内在する除染対象物X表面に凝縮液が形成される。ここで、凝縮センサー13が凝縮液の形成を検知すると共に、当該凝縮液の凝縮量が、記憶装置ROMに予め記憶保持された最適凝縮量と等しい場合は、制御装置30は、凝縮センサー13からの測定データ、及び流量計9から送信される流量に関する測定データを記憶装置RAMに記憶保持しながら、送液ポンプ8の供給能を調節して蒸発面11への過酸化水素水の滴下量を調整する。具体的には、凝縮センサー13により測定される凝縮量が最適凝縮量より小さいと、蒸発面11への過酸化水素水の滴下量を現状より増大させる。これに対し、凝縮センサー13により測定される凝縮量が最適凝縮量より大きいと、蒸発面11への過酸化水素水の滴下量を現状より減少させる。
なお、送液ポンプ8の供給能を調節して蒸発面11への滴下量を調整する制御内容を具備する制御装置30により、本発明に係る供給量制御手段が構成される。また、凝縮センサー13の検知結果に基づいて送液ポンプ8に指令信号を送信する制御装置30により、供給量調節指令手段が構成される。また、密閉室20内に形成された凝縮液の凝縮量を維持するように、過酸化水素水の蒸発面11への滴下量を調節する制御内容を具備した制御装置30により、本発明に係る除染管理手段が構成される。
なお、これまでに述べた構成は、実施態様を適宜変更することが可能である。例えば、必ずしも外筐体1を備える必要はなく、アイソレータ装置A以外にも勿論適用することが可能である。また、密閉室20内に設けられる蒸発面11は、単一であっても勿論良い。また、制御装置30によって各装置を制御する構成は、他の構成によって実現しても良く、例えば作業者によって各装置を制御する構成としても良い。また、密閉室20の室内温度、又は室内湿度を意図的に変動させて、過酸化水素ガスの凝縮を意図的に形成しても良い。また、最適凝縮量の維持を、室内温度又は室内湿度を調整することにより行っても良い。
なお、上記構成により除染を実行することにより、蒸発面11を密閉室20内に設け、その蒸発面11を、過酸化水素ガスが生成されることとなる温度に設定する工程を備えてなると共に、該蒸発面11上に、過酸化水素水を供給する工程を備えてなる除染方法が実施できる。
アイソレータ装置Aの縦断側面図である。 アイソレータ装置Aが具備する制御装置30のブロック回路図である。
符号の説明
A アイソレータ装置(除染システム)
1 外筐体
2 送風装置
7 液体タンク
8 送液ポンプ
9 流量計
11 蒸発面
12 温度センサー
13 凝縮センサー
20 密閉室
30 制御装置

Claims (2)

  1. 室内と室外とが気密的に遮断された密閉室を備え、該密閉室に過酸化水素ガスからなる除染ガスを投入して、当該密閉室内を除染する除染システムであって、
    前記密閉室内に複数設けられた、表面が所定温度となる蒸発面を上面に備える蒸発プレートと、
    過酸化水素水からなる除染剤水溶液を貯蔵する除染剤水溶液貯蔵部と、
    前記除染剤水溶液貯蔵部に貯蔵される除染剤水溶液を、案内管により密閉室内に導入して、前記蒸発面上に滴下して、当該蒸発面と除染剤水溶液とを接触させる除染剤水溶液供給手段と、
    除染剤水溶液供給手段が供給する除染剤水溶液の供給量を調節する供給量制御手段と、
    前記供給量制御手段により、蒸発面と接触させる除染剤水溶液の供給量を調節しながら、密閉室を除染管理する除染管理手段と、
    前記蒸発プレートの蒸発面を、当該蒸発面に接触した除染剤水溶液が蒸発することとなる温度に設定し、除染剤水溶液が蒸発することにより生成される除染ガスを当該密閉室内で発生させる除染ガス投入制御手段
    とを備え
    さらに密閉室内に設けられた、当該密閉室に内在するガスを一方向に流動させて当該密閉室内に一方向流を形成する送風装置を備え、
    蒸発面が、密閉室内に形成される一方向流の基端部に配置されてなることを特徴とする除染システム。
  2. 室内と室外とが気密的に遮断された密閉室に、過酸化水素ガスからなる除染ガスを投入して、当該密閉室内を除染する除染方法であって、
    表面が所定温度となる蒸発面を上面に備える蒸発プレートを密閉室内に複数設け、その蒸発プレートの蒸発面を、当該蒸発面に接触した除染剤水溶液が蒸発して除染ガスが生成されることとなる温度に設定する工程を備えてなると共に、該蒸発面上に、過酸化水素水からなる除染剤水溶液を、その供給量を調整しながら、案内管により密閉室内に導入して、滴下する工程を備えてなり、当該蒸発面上で除染剤水溶液を蒸発させて当該密閉室内で除染ガスを発生させ、
    さらに密閉室内に、当該密閉室に内在するガスを一方向に流動させて一方向流を形成すると共に、蒸発面を、密閉室内に形成される前記一方向流の基端部に配置することを特徴とする除染方法。
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