JP2916131B1 - 閉空間殺菌方法 - Google Patents

閉空間殺菌方法

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JP2916131B1 JP10029766A JP2976698A JP2916131B1 JP 2916131 B1 JP2916131 B1 JP 2916131B1 JP 10029766 A JP10029766 A JP 10029766A JP 2976698 A JP2976698 A JP 2976698A JP 2916131 B1 JP2916131 B1 JP 2916131B1
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Abstract

【要約】 【課題】 本発明は、ホルムアルデヒドガスによる、閉
空間の殺菌方法を提供することを目的とする。 【課題手段】 本発明に係る閉空間内を殺菌する方法
は、該閉空間内の温度を20〜50℃の範囲内に、かつ
該閉空間内の湿度を相対湿度50%〜90%の範囲に維
持しつつ、該閉空間内にホルムアルデヒドを少なくとも
2000ppm以上の濃度に維持することを特徴とす
る。さらに、ホルムアルデヒドは、メタノール又はパラ
ホルムアルデヒドから発生させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、閉空間内をホルム
アルデヒドガスで殺菌する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】製薬工場工室、病院手術室等のバイオク
リーンルーム内の環境殺菌の方法としては、ホルマリン
ガスを用いることが従来から行われている。
【0003】しかし、係るホルマリンガスは、通常ホル
マリン水溶液の加熱下で、適当なキャリアーガスにより
発生供給するものが多い。この際、主にホルマリンガス
の制御が困難であることから、十分な濃度のホルムアル
デヒドを十分な時間発生維持することが困難となる。従
って、望ましい殺菌効果を十分な再現性をもって発揮さ
せることが困難であった。さらに、殺菌処理後にパラホ
ルムアルデヒドやギ酸が残留汚染するという問題もあっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ホルムアル
デヒドガスによる、残留汚染の少ない閉空間の殺菌方法
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来のホル
マリンによる殺菌方法の問題点を解決し、再現性よく、
十分な濃度のホルムアルデヒドガスを十分な時間発生維
持する方法を見出し、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、閉空間内を殺菌する
方法であって、該閉空間内の温度を20〜40℃の範囲
内に、かつ該閉空間内の湿度を相対湿度50%〜90%
の範囲に維持しつつ、該閉空間内にホルムアルデヒドを
少なくとも2000ppm以上の濃度に維持することを
特徴とする方法を提供するものである。
【0007】さらに、本発明は、上記記載の方法であっ
て、前記ホルムアルデヒドを、メタノール又はパラホル
ムアルデヒドから発生させることを特徴とする方法を提
供するものである。
【0008】上記記載の本発明に係る方法は、殺菌効果
として、バイオロジカルインジケータ(BI)(ISO規
格:B.Stearo:106、B.Subt:106)において滅菌効果を示
すものである。
【0009】以下、本発明を実施の形態に即し詳細に説
明する。
【0010】
【発明の実施の形態】図1には、本発明に係る方法を実
施する形態の概略が示されている。ここで、閉空間11
は、本発明に係る方法により殺菌される部屋を示し、そ
の空間の体積や形状には制限されない。具体的には、該
部屋として、製薬又は製剤用のクリーンルーム、病院の
手術室、解剖室、研究室等が挙げられる。
【0011】また、該空間は実質的に密閉されているこ
とが好ましい。すなわち、該空間が実施的に密閉するこ
とが、以下説明する本発明による十分なかつ安定した殺
菌効果が得るために好ましい。該空間を密閉する方法は
特に限定されず、室内空気調節系(図1においては室内
空気調節系の吸排気系12、13)を閉じ、かつ該部屋
の出入口等のすきまを目張りする等により可能である。
【0012】該空間内には、該空間内の温度、湿度、及
びホルムアルデヒド等の濃度をモニターするセンサー1
5、16、17が設けられている。これらのセンサーの
設置の数及び設置場所については特に制限はなく、該空
間の体積、又は内部の形状等により適当数設けることが
好ましい。
【0013】これらセンサーからのデータは、制御系1
4へ送られ以下説明するデータ処理が行われる。
【0014】また、該空間内には、ホルムアルデヒド発
生装置18と、湿度調節装置19と、さらに温度調節装
置20が設けられている。これらの装置の設置の数及び
設置場所については特に制限はなく、該空間の体積、又
は内部の形状等により適当数設けることが好ましい。係
る装置は、前記制御装置14により、適当な濃度のホル
ムアルデヒドを発生し、また設定された範囲の相対湿度
になるように加除湿し、さらに設定された範囲の温度に
なるように加熱冷却するものである。
【0015】従って、本発明に係る方法によれば、制御
装置14、温度センサー15及び温度調節装置20によ
り、該空間内の温度が所定の設定温度範囲に維持される
こととなる。また、本発明に係る方法によれば、制御装
置14、湿度センサー16及び湿度調節装置19によ
り、該空間内の湿度(前記温度に対する相対湿度)が所
定の設定湿度範囲に維持されることとなる。係る所定の
範囲内の温度及び湿度の条件下で、制御装置14、ホル
ムアルデヒドセンサー17及びホルムアルデヒド発生装
置18により、該空間内のホルムアルデヒド濃度が所定
の設定範囲に維持されることとなる。さらに、本発明に
係る制御条件下においては、特定の範囲の温度、湿度、
及びホルムアルデヒド濃度を維持する時間的制限はな
い。
【0016】以下それぞれの装置について詳しく説明す
る。
【0017】(ホルムアルデヒドの発生)多量の水分を
同時に含むホルマリンガスの場合には、係る水分の凝集
により結露が発生し易く、ホルムアルデヒドが容易に酸
化されギ酸等の不純物を生じ易い。この際生じる結露に
含有されるギ酸等は、室内の壁や器物に付着し、汚染の
問題を生じる可能性がある。
【0018】一方、ホルムアルデヒドによる殺菌効果
は、湿度の上昇にも相関していることが知られているこ
とから、最適な湿度を保持しつつホルムアルデヒドを発
生させることが好ましい。
【0019】本発明に係る方法において、好ましく使用
可能なホルムアルデヒド発生手段は、いわゆるドライな
ホルムアルデヒドガスを発生可能な手段である。すなわ
ち、ホルムアルデヒドが、制御可能な程度の少量の水分
の発生のみを伴う手段である。
【0020】具体的には、メタノールから、(1)触媒を
用いて発生させる手段、(2)超音波処理して発生させる
手段、(3)紫外線照射して発生させる手段等が挙げられ
る。本発明においては、特に(1)が好ましい。この際、
同時に水が副生成するが極めて少量である。
【0021】係るメタノールの触媒分解反応については
すでに知られており、本発明において必要な量及び純度
のホルムアルデヒドの発生条件については、容易に最適
化することが可能である。
【0022】具体的に、図2に触媒を用いる発生系の装
置の1つの概略を示した。触媒21として、白金、銅、
アルミニウム、又は炭素等、又それらの混合物が挙げら
れる。係る触媒を円筒状の容器22に充填し、該円筒状
容器22には温度調節装置23が設けられている。従っ
て、該触媒は所定の温度に加熱、冷却される。所定の量
のメタノール24がまず気化部26に送られる。気化部
26は加熱冷却装置27によりメタノールを気化し該触
媒部分21へ送られ、前記温度調節装置23により触媒
反応を開始する。メタノールは以下の一般式で表される
反応によりホルムアルデヒド25と水になるとされる。
【0023】 CH3OH −−−−−−> HCHO + H2O ここで、ホルムアルデヒドの発生量の制御については、
該温度調節装置による触媒の温度の制御、及び供給する
メタノールの量、又は該気化部での気化量に依存する。
係る反応条件の最適化は、実際の装置によりホルムアル
デヒドを発生させ、かつ適当なホルムアルデヒド濃度測
定により可能である。具体的には、所定のメタノール供
給量に対し、触媒反応温度と、ホルムアルデヒドガスの
発生量の測定データから検量線を作成することが可能で
ある。例えば触媒として銅を用いた場合、メタノール1
000g使用した場合、ホルムアルデヒドガス750g
を約30分間で発生させることが可能である。なお、メ
タノールを気化させるために図2では加熱冷却装置27
が示されているが、超音波処理等による気化方法を用い
ることも可能である。
【0024】さらに、ホルムアルデヒドを発生させる手
段として、メタノールに超音波照射処理、又は紫外線照
射処理が可能であるが、係る場合には、メタノールを適
当な反応容器に入れ、該反応容器の外周又は内部に超音
波照射処理、又は紫外線照射処理装置を設けることによ
り可能である(図示せず)。
【0025】図1で示した制御系14は、該閉空間の濃
度をモニターし、予め設定された濃度範囲より高い場合
には、前記発生装置の温度調節装置23を制御し、触媒
を冷却等し、反応を抑制する。
【0026】また、本発明において、ホルムアルデヒド
ガスを発生させる方法として、パラホルムアルデヒドを
加熱して発生させる方法も好ましい。この場合加熱手段
は特に制限はない。また、発生ガスの量は係る加熱時
間、加熱温度を制御することで容易に制御可能となる。
パラホルムアルデヒドは通常市販品として入手可能であ
る。
【0027】(閉空間内のホルムアルデヒド濃度)本発
明において閉空間内のホルムアルデヒド濃度の測定は、
通常公知の分析手段によることが可能である。具体的に
は、化学分析法、又は物理化学分析法が挙げられる。本
発明においては、特にホルムアルデヒドガスの濃度の測
定をオンタイムに行う必要があり、ホルムアルデヒドセ
ンサーによることが好ましい。又は、該空間内の空気サ
ンプリングによるガスクロマトグラフ分析、又はイオン
クロマトグラフ分析が好ましい。
【0028】上記メタノールの分解によるホルムアルデ
ヒドガス発生手段によれば、短時間内に高濃度のホルム
アルデヒドを発生可能である。具体的には、殺菌処理す
るべき空間の容積、形状に応じて、適当な台数のホルム
アルデヒドガス発生器を設置することにより可能であ
る。
【0029】本発明に係る方法において発生させるホル
ムアルデヒドガスの濃度は、上記発生器を使用すること
で容易に2000ppm以上に維持することが可能であ
る。さらに、以下に説明する殺菌効果(若しくは滅菌効
果)を得るためにはより高濃度で発生させることも可能
である。具体的には3000ppm以上、さらには40
00ppm以上(さらには5000ppm以上)が可能
である。
【0030】(閉空間内の温度調節手段)本発明におい
て、適当な濃度のホルムアルデヒドガス濃度を、適当な
温度の範囲内で長時間維持するために、該閉空間内の温
度を調節することが好ましい。係る目的で設けられる温
度調節手段は特に制限はなく、通常公知の加熱、または
冷却装置が使用可能である。この際空間の容積及びその
形状にも依存するが、十分な熱交換容量を有する装置を
用いることにより実質的に温度のバラツキを無視できる
程度に調節可能である。本発明に係る方法において好ま
しい温度範囲は、20℃から50℃であり、より好まし
くは25℃から35℃の範囲である。
【0031】(閉空間内の湿度調節手段)本発明におい
て、適当な濃度のホルムアルデヒドガス濃度を、適当な
湿度の範囲内で長時間維持するために、該閉空間内の湿
度を調節することが好ましい。係る目的で設けられる湿
度調節手段は特に制限はなく、通常公知の加湿、または
除湿装置が使用可能である。この際空間の容積及びその
形状にも依存するが、十分な加湿、または除湿容量を有
する装置を用いることにより実質的に湿度のバラツキを
無視できる程度に調節可能である。
【0032】ホルムアルデヒドガスによる殺菌効果が湿
度に依存することが知られているが、相対湿度が有る程
度以上高くなると、露結現象により結露が発生し、該空
間内に凝集することによりホルムアルデヒド、又はその
酸化物であるギ酸等が壁等に付着することとなる。この
場合、該空間内を汚染することとなる。
【0033】従って、本発明においては、ホルムアルデ
ヒドの殺菌効果を十分発揮させ、かつ上記結露の現象が
起こらない程度の湿度を維持することが重要となる。係
る湿度の範囲は、温度に依存するが、温度範囲が20℃
から〜50℃の範囲において、好ましくは相対湿度50
%から90%の範囲(より好ましくは80%から90
%)であることが好ましい。係る範囲より低い湿度では
十分な殺菌効果がえられず、また、係る範囲より高い場
合(90%以上)は結露の発生により汚染が生じる可能
性がある。
【0034】上記湿度調節方法は特に制限はなく通常市
販の加湿器、及び除湿器又はそれらを組合せて使用する
ことが可能である。さらに、係る装置の制御方法につい
ても特に制限はなく、手動で又は自動制御可能である。
図1に示す制御系14によりあらかじめ設定された湿度
範囲に維持されるように制御することも可能である。
【0035】(温度モニター手段)閉空間の室内温度の
モニターする方法には特に制限はなく、通常の温度計を
用いることが可能である。また、モニターされた温度を
制御系14に入力するためには、手動で入力、又は自動
で入力することが可能である。従って、該制御系14に
おいて、特定の時間における該空間内の温度が記憶され
ることとなる。
【0036】該モニターされる温度の精度についても特
に制限はないが、約±1℃の測定精度があればよい。さ
らに、複数の該モニター手段を設けることも可能であ
り、この場合は、該室内での温度のバラツキがモニター
可能であり、より正確な温度調節が可能となる。
【0037】(湿度モニター手段)閉空間の室内湿度の
モニターする方法には特に制限はなく、通常の湿度計を
用いることが可能である。また、モニターされた湿度を
制御系14に入力するためには、手動で入力、又は自動
で入力することが可能である。従って、該制御系14に
おいて、特定の時間における該空間内の湿度が記憶され
ることとなる。
【0038】該モニターされる測定精度についても特に
制限はないが、20℃から50℃の温度範囲で、約±1
%の測定精度があればよい。さらに、複数の該モニター
手段を設けることも可能であり、この場合は、該室内で
の湿度のバラツキがモニター可能であり、より正確な湿
度調節が可能となる。
【0039】(ホルムアルデヒド濃度モニター手段)閉
空間の室内ホルムアルデヒド濃度をモニターする方法に
は特に制限はなく、通常の分析手段を用いることが可能
である。具体的には、ホルムアルデヒド用センサーを用
いる方法や、空気サンプリングによるガスクロマトグラ
フ、イオンクロマトグラフによる方法が挙げられる。モ
ニターされた該濃度を制御系14に入力するためには、
手動で入力、又は自動で入力することが可能である。従
って、該制御系14において、特定の時間における該空
間内の該濃度が記憶されることとなる。
【0040】該モニターされる測定精度についても特に
制限はないが、上記使用濃度範囲で、約±10ppmの
測定精度があればよい。さらに、複数の該モニター手段
を設けることも可能であり、この場合は、該室内での該
濃度のバラツキがモニター可能であり、より正確な該濃
度調節が可能となる。
【0041】(制御手段)本発明においては、閉空間内
の温度、湿度及びホルムアルデヒド濃度を所定の範囲
で、所定の時間維持する必要がある。該空間内で発生し
たホルムアルデヒドガスの濃度は、該空間内で殺菌反応
などの種々の反応により減少する。従って、ホルムアル
デヒドガスの濃度を一定に維持するためには、設定時間
内において、温度、湿度、ホルムアルデヒド濃度データ
を取込み、かつ特定範囲になるように、ホルムアルデヒ
ド発生手段を制御する必要がある。この目的のための制
御方法については特に制限はないが、手動による方法、
又はコンピュータプログラムを用いた自動制御が挙げら
れる。本発明においては、高いホルムアルデヒド濃度を
長時間維持する必要があることから、オンタイムに最適
化しつつホルムアルデヒド発生装置を制御可能な自動制
御方法が好ましい。
【0042】係る自動制御装置の構成についても特に制
限はないが、好ましくは、(1)設定温度、設定湿度、設
定ホルムアルデヒド濃度等の入力手段(キーボード
等)、(2)温度、湿度、ホルムアルデヒド濃度モニター
からの測定データを記憶する手段(メモリー等)、(3)
それらの値の出力手段(スクリーン表示又は印刷)、
(4)該測定データと該設定値の差を判別する手段、(5)温
度調節系、湿度調節系、及びホルムアルデヒドガス発生
系への制御信号出力を有するものである。ここで、上記
(4)の手段により、ホルムアルデヒド濃度が設定値より
低い場合には、上記(5)の手段によりホルムアルデヒド
発生装置に制御信号を送り、原料メタノールを供給し、
又は触媒反応温度を上昇させて該ガス発生量を増加させ
ることを可能とする。
【0043】(殺菌効果測定方法)本発明に係る方法に
よる殺菌効果の測定方法、さらに対象となる細菌も特に
制限はなく、種々の公知の方法が適用可能である。具体
的にはISO規格のものが挙げられる。本発明において
は、特に市販の種々の形状のバイオロジカルインジケー
ターが、簡便でありかつ再現性良く使用可能である。具
体的にはストリップス型(試験紙タイプ)のものや、プ
ルーフ型のものが使用可能であり、使用可能な細菌とし
ては、Bacillus subtilis, var.niger(ATCC No 9372)
や、Bacillus stearothemophilus (ATCC No 7953)が好
ましく使用可能である。
【0044】また、殺菌効果を判定するために、通常
は、(1)上記試験紙等を閉空間内の複数の選択された場
所に設置し、(2)本発明に係る方法を用いてホルムアル
デヒドガス殺菌処理した後に、(3)該試験紙を適当な培
地を用いて培養し、その生存細菌の有無で、陰性(生存
細菌なし)又は陽性(生存細菌あり)を判別する。従っ
て、係る判別方法は殺菌効果を示すと同時に滅菌効果を
も示すものである。
【0045】該培養条件は、具体的には、細菌Bacillus
subtilis, var.niger(ATCC No 9372)の場合は、トリプ
ソウヤブイオン培地(30〜35℃±1.0℃)で7日間の培
養、また細菌Bacillus stearothemophilus (ATCC No 79
53)の場合は、トリプソウヤブイオン培地(55〜60℃±
1.0℃)で7日間以上の培養が好ましく使用可能である。
【0046】本発明に係る方法を用いた場合の上記判別
方法による殺菌効果は、具体的には、Bacillus subtili
s, var.niger(ATCC No 9372)、106オーダーのものを
使用し、またBacillus stearothemophilus (ATCC No 79
53)、106のオーダーのものを使用した場合に陰性(す
なわち滅菌を意味する)を示すものである。
【0047】(後処理方法)本発明に係る方法は、温
度、湿度およびホルムアルデヒドガス濃度を制御し、特
に湿度を適当な範囲内に制御することにより結露の発生
を防止することにより、ホルムアルデヒド等が部屋の壁
等へ付着すること、またホルムアルデヒドのギ酸等への
酸化分解を防止するものである。従って、本発明に係る
方法を使用した後は、ホルムアルデヒドガスの発生を停
止し、該空間内の空気を単に換気することにより、該閉
空間内に残留物による汚染を生じることなく終了するこ
とが可能である。
【0048】また、外気へ排気する際には、別途手段に
より排気ガスの無害処理を行い排出することが好まし
い。
【0049】以下本発明に係る方法を実施例に基づいて
説明する。ただし、本発明が、係る実施例に制限される
ことはない。
【0050】
【実施例】面積約250m2、容積約1000m3の立方
体閉空間内に、上記発生装置(ホルムアルデヒドガス7
50g/時間)を5台設置した。また、殺菌効果測定用
に、BI(B.Stearo 106, B.Subt 106)約150本を各
所に設置した。ホルムアルデヒドガス濃度を8箇所(床
面、天井面、ブース内)でモニターし、その平均値をホ
ルムアルデヒドガス濃度とした。該空間内温度は30℃
〜35℃、相対湿度を70%〜80%の範囲に制御し
た。
【0051】ホルムアルデヒドガス発生開始後約2時間
30分で空間濃度は2000ppm以上に達し、約3時
間後に2500ppm以上になった。以後ホルムアルデ
ヒド濃度を約3000ppm程度に約7時間以上維持し
た。温度、湿度及びホルムアルデヒド濃度の時間変化を
図3に示した。
【0052】ホルムアルデヒドガスの発生を停止した
後、室内換気した。その後、BIの検査を行った結果、
150本すべて陰性の結果を得た。
【0053】さらに、殺菌処理後の培地充填試験(約6
000本/バッチ)を3回すべてクリアー(陰性との判
断を意味する)した。その他、付着菌、浮遊菌の検査を
クリアーした。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、閉空間内でホルムアル
デヒドガスを、最適の湿度で、高濃度で、かつ安定的に
長時間維持することが可能となる。従って、再現性よ
く、十分な殺菌効果を発揮するものである。さらには、
本発明の係る方法によれば、最適の温度及び湿度を調節
可能であるため、該殺菌処理後に該閉空間内にはパラホ
ルムアルデヒドやギ酸等の汚染残留物が実質的に存在し
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る方法を模式的に示した図で
ある。
【図2】図2は本発明に係る方法で使用するホルムアル
デヒド発生装置の概略を示した図である。
【図3】図3は本発明の実施例において、20〜50℃
で測定された、湿度、ホルムアルデヒド濃度を示した図
である。
【符号の説明】
11…閉空間、12、13…吸排気管、14…制御装
置、15…温度モニター、16…湿度モニター、17…
ホルムアルデヒド濃度モニター、18…ホルムアルデヒ
ド発生装置、19…加除湿装置、120…加熱冷却装
置、121…後処理装置、21…触媒、22…円筒状容
器23…温度調節装置、24…メタノール供給系、25
…ホルムアルデヒド、26…気化装置、27…気化用加
熱冷却装置

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 閉空間内の温度を20℃〜40℃の範囲
    に、かつ該閉空間内の湿度を50%〜90%の範囲に維
    持しつつ、該閉空間をホルムアルデヒドガスを少なくと
    も2000ppm以上の高濃度に維持することにより、
    ISO基準の滅菌レベルである106オーダーのBacillu
    s subtilis, var.niger(ATCC No9372)およびBacillus s
    tearothermophilus(ATCC No7953)に対して陰性を示すこ
    とを特徴とする閉空間殺菌方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の方法であって、前記ホル
    ムアルデヒドを、メタノール又はパラホルムアルデヒド
    から発生させることを特徴とする方法。
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