JP2003319731A - 鶏卵の殺菌方法 - Google Patents

鶏卵の殺菌方法

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JP2003319731A JP2002129513A JP2002129513A JP2003319731A JP 2003319731 A JP2003319731 A JP 2003319731A JP 2002129513 A JP2002129513 A JP 2002129513A JP 2002129513 A JP2002129513 A JP 2002129513A JP 2003319731 A JP2003319731 A JP 2003319731A
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Tomohiko Hashiba
智彦 羽柴
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鶏卵の殺菌方法の提供を目的とする。 【解決手段】 ホルムアルデヒドガスを含有するガスで
鶏卵を処理することで、外卵殻膜より内部には影響せず
に、鶏卵の外殻と、外殻と外卵殻膜との空間とを殺菌す
る。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ホルムアルデヒド
含有ガスにより鶏卵を殺菌する方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来鶏卵を殺菌して細菌汚染の問題を解
消する方法として、薬液による殺菌法や、オゾン含有ガ
スや、過熱蒸気による方法、また紫外線の照射によるも
のが知られている。しかし、これらの方法によると鶏卵
のどの部分がどの程度で殺菌されているのか明確でな
く、不十分な殺菌による細菌汚染の問題や、過剰な殺菌
に基づく鶏卵の損傷による孵化率低下や死卵化が問題と
なっていた。 【0003】そこで細菌汚染の可能性のもっとも大きい
鶏卵の表面(外殻表面)と、さらには外殻気孔を通じる
呼吸により細菌汚染の可能性のある外殻と外卵殻膜との
間の空間のみを安全に効率的かつ完全に殺菌する方法が
求められている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、鶏卵の外殻
と、外殻と外卵殻膜との空間とをホルムアルデヒド含有
ガスにより殺菌することにより、鶏卵を安全確実に殺菌
する方法を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意研究した
結果、ホルムアルデヒドガスを含有するガスで鶏卵を処
理することで、鶏卵の外殻と、外殻と外卵殻膜との空間
とを殺菌し、かつ外卵殻膜より内部には影響しないこと
を見いだし本発明を完成した。 【0006】すなわち、本発明は、ホルムアルデヒド含
有ガスで鶏卵を処理することにより、鶏卵の外殻と、外
殻と外卵殻膜との空間とを殺菌する方法である。ここで
殺菌とは、以下に説明する試験方法において「滅菌」と
されることをも含むものである。また、ここで鶏卵に
は、通常の鶏卵の他、ウズラ、ダチョウ等の種々の鳥類
の卵であって、外殻(気孔を有する)、その内部に外卵
殻膜、内卵殻膜を有する卵を含むものとする。以下、本
発明を実施の形態に即して詳細に説明する。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明は、ホルムアルデヒド含有
ガスにより鶏卵を処理し、鶏卵の外殻表面を殺菌し、か
つ外殻と外卵殻膜との空間とを殺菌することを特徴とす
る。さらには、ホルムアルデヒド含有ガスによる処理を
制御することにより、内卵膜よりも内部には全く影響を
与えることなく、鶏卵の外殻表面と、外殻と外卵殻膜と
の空間のみを殺菌することを特徴とする。 【0008】具体的には、本発明にかかる方法は、密閉
性のあるハウジング内に、ホルムアルデヒド(又はホル
マリンという)含有ガスを発生させ、前記ハウジング内
の湿度と温度を調節しつつ前記ハウジング内に置かれた
鶏卵を処理することによる。また、ガスの処理は連続的
に行っても、断続的に行ってもよい。 【0009】本発明にかかる方法の他の特徴は、殺菌の
程度が完全に制御されることである。すなわち、ハウジ
ング内に、種々のインジケータ(例えばバイオロジカル
インジケータ、や化学的インジケータ)を同時に設ける
ことにより、ホルムアルデヒド(又はホルマリンとい
う)含有ガスの処理による殺菌の程度が定量的に制御で
きるものである。 【0010】ホルムアルデヒド(又はホルマリンとい
う)ガスが含有されたガスとは、空気や窒素などの不活
性気体で希釈されたホルムアルデヒドガスをも意味す
る。 【0011】さらに、ハウジング内のガス濃度、湿度、
および温度の制御については、内部に設置されたモニタ
ーからハウジング内のガス濃度、湿度、および温度の値
に基づき、ホルマリン含有ガス発生器においてホルマリ
ン含有ガスを所定の範囲の濃度で発生させ、前記湿度調
節器により前記ハウジング中の湿度を所定の範囲に制御
し、前記温度調節器により前記ハウジングの温度を所定
の範囲に制御し得る。具体的にはホルマリン含有ガス濃
度と、湿度と、温度とをそれぞれ、2000ppm、50
〜90相対湿度%、20〜40℃の範囲に制御すること
が好ましい。 【0012】本発明において使用可能なホルマリン含有
ガス発生装置は特に限定はないが、湿度、温度の制御の
下で高い濃度のホルマリン含有ガスを発生可能であれば
よい。多量の水分を同時に含むホルマリン含有ガスの場
合には、係る水分の凝集により結露が発生し易く、ホル
ムアルデヒドが容易に酸化されギ酸等の不純物を生じ易
い。この際生じる結露に含有されるギ酸等は、室内の壁
や器物に付着し、汚染の問題を生じる可能性がある。一
方、ホルムアルデヒド含有ガスによる殺菌効果は、湿度
の上昇にも相関していることが知られていることから、
最適な湿度を保持しつつホルムアルデヒド含有ガスを発
生させることが好ましい。本発明に係る方法において、
好ましくはいわゆるドライなホルムアルデヒド含有ガス
を発生可能な手段である。すなわち、ホルムアルデヒド
が、制御可能な程度の少量の水分の発生のみを伴う手段
である。具体的には、メタノールから、(1)触媒を用い
て発生させる手段、(2)超音波処理して発生させる手
段、(3)紫外線照射して発生させる手段等が挙げられ
る。本発明においては、特に(1)が好ましい。この際、
同時に水が副生成するが極めて少量である。係るメタノ
ールの触媒分解反応についてはすでに知られており、本
発明において必要な量及び純度のホルムアルデヒド含有
ガスの発生条件については、容易に最適化することが可
能である。 【0013】具体的な触媒として、白金、銅、アルミニ
ウム、又は炭素等、又それらの混合物が挙げられる。係
る触媒を円筒状の容器に充填し、該円筒状容器を温度調
節して、該触媒を所定の温度に加熱、冷却する。所定の
量のメタノールがまず気化させ、該触媒部分へ送られ、
触媒反応を開始する。メタノールは反応によりホルムア
ルデヒド含有ガスと水になるとされる。 【0014】ホルムアルデヒド含有ガスの発生量の制御
については、触媒の温度の制御、及び供給するメタノー
ルの量、又は気化量に依存する。反応条件の最適化は、
実際ホルムアルデヒド含有ガスを発生させ、かつ適当な
ホルムアルデヒド濃度測定により可能である。具体的に
は、所定のメタノール供給量に対し、触媒反応温度と、
ホルムアルデヒド含有ガスの発生量の測定データから検
量線を作成することが可能である。例えば触媒として銅
を用いた場合、メタノール1000g使用した場合、ホ
ルムアルデヒド含有ガス750gを約30分間で発生さ
せることが可能である。なお、メタノールを気化させる
ために加熱冷却装置のみならず超音波処理等による気化
方法を用いることも可能である。 【0015】さらに、ホルムアルデヒド含有ガスを発生
させる手段として、メタノールに超音波照射処理、又は
紫外線照射処理が可能であるが、係る場合には、メタノ
ールを適当な反応容器に入れ、該反応容器の外周又は内
部に超音波照射処理、又は紫外線照射処理装置を設ける
ことにより可能である。また、本発明において、ホルム
アルデヒド含有ガスを発生させる方法として、パラホル
ムアルデヒドを加熱して発生させる方法も好ましい。こ
の場合加熱手段は特に制限はない。また、発生ガスの量
は係る加熱時間、加熱温度を制御することで容易に制御
可能となる。パラホルムアルデヒドは通常市販品として
入手可能である。発生したホルマリン含有ガスはそのま
ま若しくは外部からの適当なキャリアガス(空気、不活
性ガス)で希釈して用いることも可能である。 【0016】ホルムアルデヒド濃度の測定は、通常公知
のモニター手段によることが可能である。具体的には、
化学分析法、又は物理化学分析法が挙げられる。本発明
においては、特にホルムアルデヒドガスの濃度の測定を
オンタイムに行う必要があり、ホルムアルデヒドセンサ
ーによることが好ましい。又は、被殺菌空間内の空気サ
ンプリングによるガスクロマトグラフ分析、又はイオン
クロマトグラフ分析が好ましい。 【0017】本発明に係る方法において発生させるホル
ムアルデヒド含有ガスの濃度は、上記発生器を使用する
ことで容易に2000ppm以上に維持することが可能で
ある。さらに、以下に説明する殺菌効果(若しくは滅菌
効果)を得るためにはより高濃度で発生させることも可
能である。具体的には3000ppm以上、さらには40
00ppm以上(さらには5000ppm以上)が可能であ
る。 【0018】本発明において、適当な濃度のホルムアル
デヒド含有ガス濃度を、適当な温度の範囲内で長時間維
持するために、被殺菌空間内の温度を調節することが好
ましい。係る目的で設けられる温度調節手段は特に制限
はなく、通常公知の加熱、または冷却装置が使用可能で
ある。この際空間の容積及びその形状にも依存するが、
十分な熱交換容量を有する装置を用いることにより実質
的に温度のバラツキを無視できる程度に調節可能であ
る。本発明に係る方法において好ましい温度範囲は、2
0〜50℃であり、より好ましくは25〜37℃の範囲
である。 【0019】本発明において、適当な濃度のホルムアル
デヒド含有ガス濃度を、適当な湿度の範囲内で長時間維
持するために、該閉空間内の湿度を調節することが好ま
しい。係る目的で設けられる湿度調節手段は特に制限は
なく、通常公知の加湿、または除湿装置が使用可能であ
る。この際空間の容積及びその形状にも依存するが、十
分な加湿、または除湿容量を有する装置を用いることに
より実質的に湿度のバラツキを無視できる程度に調節可
能である。 【0020】ホルムアルデヒドガスによる殺菌効果が湿
度に依存することが知られているが、相対湿度が有る程
度以上高くなると、露結現象により結露が発生し、ハウ
ジング内や鶏卵の表面に凝集することによりホルムアル
デヒド、又はその酸化物であるギ酸等が付着することと
なる。この場合は鶏卵表面を汚染することとなる。 【0021】従って、本発明においては、ホルムアルデ
ヒド含有ガスの殺菌効果を十分発揮させ、かつ上記結露
の現象が起こらない程度の湿度を維持することが重要と
なる。係る湿度の範囲は、温度に依存するが、温度範囲
が20〜50℃の範囲において、好ましくは相対湿度5
0〜90%の範囲(より好ましくは80〜90%)であ
ることが好ましい。係る範囲より低い湿度では十分な殺
菌効果がえられず、また、係る範囲より高い場合(90
%以上)は結露の発生により汚染が生じる可能性があ
る。 【0022】上記湿度調節方法は特に制限はなく通常市
販の加湿器、及び除湿器又はそれらを組合せて使用する
ことが可能である。さらに、係る装置の制御方法につい
ても特に制限はなく、手動で又は自動制御可能である。 【0023】ハウジング内の温度のモニターする方法に
は特に制限はなく、通常の温度計を用いることが可能で
ある。また、モニターされた温度を制御系に入力するた
めには、手動で入力、又は自動で入力することが可能で
ある。従って、該制御系において、特定の時間における
被殺菌空間内の温度が記憶されることとなる。 【0024】該モニターされる温度の精度についても特
に制限はないが、約±1℃の測定精度があればよい。さ
らに、複数の該モニター手段を設けることも可能であ
り、この場合は、該ハウジング内での温度のバラツキが
モニター可能であり、より正確な温度調節が可能とな
る。 【0025】ハウジング内湿度のモニターする方法には
特に制限はなく、通常の湿度計を用いることが可能であ
る。また、モニターされた湿度を制御系に入力するため
には、手動で入力、又は自動で入力することが可能であ
る。従って、該制御系において、特定の時間における湿
度が記憶されることとなる。 【0026】該モニターされる測定精度についても特に
制限はないが、20〜50℃の温度範囲で、約±1%の
測定精度があればよい。さらに、複数の該モニター手段
を設けることも可能であり、この場合は、ハウジング内
での湿度のバラツキがモニター可能であり、より正確な
湿度調節が可能となる。 【0027】ハウジング内ホルムアルデヒド濃度をモニ
ターする方法には特に制限はなく、通常の分析手段を用
いることが可能である。具体的には、ホルムアルデヒド
用センサーを用いる方法や、空気サンプリングによるガ
スクロマトグラフ、イオンクロマトグラフによる方法が
挙げられる。モニターされた該濃度を制御系に入力する
ためには、手動で入力、又は自動で入力することが可能
である。従って、該制御系において、特定の時間におけ
るハウジング内の該濃度が記憶されることとなる。 【0028】該モニターされる測定精度についても特に
制限はないが、上記使用濃度範囲で、約±10ppmの測
定精度があればよい。さらに、複数の該モニター手段を
設けることも可能であり、この場合は、ハウジング内で
の該濃度のバラツキがモニター可能であり、より正確な
該濃度調節が可能となる。 【0029】本発明においては、ハウジング内の温度、
湿度及びホルムアルデヒド濃度を所定の範囲で、所定の
時間維持する必要がある。ハウジング内ホルムアルデヒ
ドガスの濃度は、ハウジング内で殺菌反応などの種々の
反応により減少する。従って、ホルムアルデヒドガスの
濃度を一定に維持するためには、設定時間内において、
温度、湿度、ホルムアルデヒド濃度データを取込み、か
つ特定範囲になるように、ホルムアルデヒド発生手段を
制御する制御が必要がある。この目的のための制御方
法、制御器については特に制限はないが、手動による方
法、又はコンピュータプログラムを用いた制御器が挙げ
られる。本発明においては、高いホルムアルデヒド濃度
を長時間維持する必要があることから、オンタイムに最
適化しつつホルムアルデヒド発生装置、ポンプ、温度調
節器、湿度調節器に信号を送り、制御する機能を有する
ものが好ましい。 【0030】係る制御器の構成についても特に制限はな
いが、好ましくは、(1)設定温度、設定湿度、設定ホル
ムアルデヒド濃度等の入力手段(キーボード等)、(2)
温度、湿度、ホルムアルデヒド濃度モニターからの測定
データを記憶する手段(メモリー等)、(3)それらの値
の出力手段(スクリーン表示又は印刷)、(4)該測定デ
ータと該設定値の差を判別する手段、(5)温度調節
系、湿度調節系、及びホルムアルデヒドガス発生系への
制御信号出力を有するものである。ここで、上記(4)の
手段により、ホルムアルデヒド濃度が設定値より低い場
合には、上記(5)の手段によりホルムアルデヒド発生装
置に制御信号を送り、原料メタノールを供給し、又は触
媒反応温度を上昇させて該ガス発生量を増加させること
を可能とする。 【0031】本発明に係る方法による殺菌効果の測定方
法、さらに対象となる細菌も特に制限はなく、種々の公
知の方法が適用可能である。具体的にはISO規格のも
のが挙げられる。本発明においては、特に市販の種々の
形状のバイオロジカルインジケーターが、簡便でありか
つ再現性良く使用可能である。具体的にはストリップス
型(試験紙タイプ)のものや、プルーフ型のものが使用
可能であり、使用可能な細菌としては、Bacillus subti
lis, var. niger(ATCC No 9372)や、Bacillus stearo
themophilus (ATCC No 7953)が好ましく使用可能であ
る。 【0032】また、殺菌効果を判定するために、通常
は、(1)上記試験紙等をハウジング内の複数の選択され
た場所に設置し、(2)本発明に係る方法を用いてホルム
アルデヒドガス殺菌処理した後に、(3)該試験紙を適当
な培地を用いて培養し、その生存細菌の有無で、陰性
(生存細菌なし)又は陽性(生存細菌あり)を判別す
る。従って、係る判別方法は殺菌効果を示すと同時に滅
菌効果をも示すものである。 【0033】該培養条件は、具体的には、細菌Bacillus
subtilis, var. niger(ATCC No 9372)の場合は、トリ
プソウヤブイオン培地(30〜35℃±1.0℃)で7日間の
培養、また細菌Bacillus stearothemophilus (ATCC No
7953)の場合は、トリプソウヤブイオン培地(55〜60℃
±1.0℃)で7日間以上の培養が好ましく使用可能であ
る。 【0034】本発明に係る方法を用いた場合の上記判別
方法による殺菌効果は、具体的には、Bacillus subtili
s, var. niger(ATCC No 9372)、106オーダーのものを
使用し、またBacillus stearothemophilus (ATCC No 79
53)、106オーダーのものを使用した場合に陰性(すな
わち滅菌を意味する)を示すものである。 【0035】本発明に係る方法は、温度、湿度およびホ
ルムアルデヒド含有ガス濃度を制御し、特に湿度を適当
な範囲内に制御することにより結露の発生を防止するこ
とにより、ホルムアルデヒド等が鶏卵表面等へ付着する
こと、またホルムアルデヒドのギ酸等への酸化分解を防
止するものである。 【0036】また、本発明において使用可能なホルマリ
ン含有ガスを含む排ガスの処理方法、処理器についても
特に制限はない。通常公知の処理方法である、スクラバ
ーによる洗浄方法、吸収剤による吸収方法、適当な触媒
を用いた分解反応による除去方法、若しくはそれらの組
み合わせ方法が挙げられる。処理の程度、処理の容量に
ついては、処理するホルマリンガスの濃度、混在する不
純物、被殺菌空間の容量、排出基準値を考慮して適当に
選択することは容易である。 【0037】本発明にかかる方法で使用する鶏卵の設置
方法や装置は特に制限はなく、鶏卵を必要な数ハウジン
グ内に設置できればよい。金属製、プラスチック製のカ
ゴ状や、棚状にして鶏卵を設置できる。また移動手段を
備えているものも含まれる。以下、本発明を実施例に基
づきさらに詳細に説明する。 【0038】 【実施例】(実施例1)ホルムアルデヒド含有ガスによ
る鶏卵の殺菌条件を日本薬局方の無菌試験法に準じて決
定した。検体としては、受精鶏卵を金網籠1ケージあた
り100個入れたものを2ゲージ用意した。これを密閉
式のハウジング(50m3)に設置した。殺菌処理後1
時間、および2時間にそれぞれ取り出した。殺菌状態を
確認するために生物学的インジケータ(BI)(Bacill
us subtilis, var. niger(ATCC No.9372)(2×106 cell
cfu)(セルテック社))をハウジング内の数箇所に設
置して使用した。 【0039】滅菌条件は、メタノールの白金触媒による
分解のより発生させたホルムアルデヒド含有ガスを前記
ハウジング内の温度30〜37℃、相対湿度80〜90
%の範囲を維持するように通じた。ハウジングの床面に
対し約135°の角度でファンを作動させてハウジング
内のガスを撹拌した。ホルムアルデヒド含有ガスを約1
時間通じた後、1時間および2時間の時点で鶏卵を回収
した。 【0040】ハウジング内のBIインジケータを用いた
試験により、反応開始から反応終了後、並びに滅菌処理
1時間および2時間において、ハウジング内は全て無菌
であることが示され、このことから受精卵の外殻も完全
に滅菌されたことが証明された。 【0041】ここで、残存生菌数試験法は、Bacillus s
ubtilis, var. niger(ATCC No 9372)菌の2×106CF
Uの懸濁液を、TSCD寒天培地に塗布し、38℃で3
6時間培養して、生物学的インジケータ(BI)を判定
した。 【0042】(実施例2)実施例1で滅菌された受精鶏
卵の孵化率を、本発明の方法で殺菌していない受精卵の
孵化率と比較した。受精鶏卵の孵化は通常の方法で行っ
た。また、孵化した場合のヒナの外観観察、および鶏卵
内部の汚染について目視で観察した。 【0043】1時間滅菌処理を行った場合の孵化率は9
5.9%であった。これは滅菌処理を実施しなかった無
処理群の89.5%とを比較すると、有意に孵化率が向
上(6.4%)したことが分かった。また、2時間滅菌
処理した場合は孵化率は90.9%であり、やや減少し
たが、無処理群と比較して孵化率は1.4%向上した。 【0044】以上の結果から、本発明による受精鶏卵の
滅菌により、孵化率が向上することが分かる。さらに、
本発明による滅菌後の孵化した鶏卵の内部は大変きれい
な状態であった。また、孵化したヒナの品質も全て一等
ヒナであった。この結果は、卵殻に付着および卵殻内に
気孔を通じて侵入した菌が完全に滅菌されていることを
意味する。また、本発明の方法によればホルムアルデヒ
ド含有ガスは外卵殻膜を通じてさらに内部へは影響を与
えないことを意味する。以下の表に、結果をまとめた。 【0045】 【表1】 【0046】(実施例3)実施例2で示唆された、本発
明によるホルムアルデヒド含有ガスは卵殻の表面および
卵殻にある気孔を通じて外卵殻膜表面には影響を与える
(すなわち殺菌効果がある)が、外卵殻膜を通じてその
内部には影響しないことを示すために以下の実験を行っ
た。 【0047】すなわち、卵殻表面、卵殻と外卵殻膜との
間、さらに外卵殻膜と内卵殻膜との間の空間(気室)に
それぞれ公知のサルモネラ菌(0.1.3.19#0209、ST#007
1、SE#0038、約106個の菌を接種)を植菌し、ホルム
アルデヒド含有ガスにより処理した。その結果卵殻表面
と卵殻と外卵殻膜との間の菌は完全に殺菌されていた
が、外卵殻膜と内卵殻膜との間の空間(気室)の菌は殺
菌されていないことが分かった。 【0048】継代用培地はSCD寒天培地を用い、37
℃で18時間培養した。菌生存可否検定培地はチオグリ
コール酸を用い、37℃で48時間培養し、日本薬局方
の無菌試験に準じた。 【0049】ここで、卵内気胞内への菌の接種は以下の
ように行った。市販の鶏卵を70%エタノール綿で殺菌
した後、ピンセットを用い、卵殻及び気胞膜を直径約2
mmの円形に剥がし、1白金耳接種した後、シリコンで封
止して固化させた。試験の結果を以下の表にまとめた。 【0050】 【表2】 【0051】 【発明の効果】本発明の方法は、密閉空間に設置された
鶏卵を、ホルマリンガスを含むガスで処理することによ
り、鶏卵の外殻と、外殻と外卵殻膜との空間とを殺菌
し、かつ外卵殻膜より内部には影響しない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 羽柴 智彦 東京都港区南青山2−5−8 南青山マン ション402号

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 ホルムアルデヒド含有ガスにより鶏卵の
    外殻と、外殻と外卵殻膜との空間とを殺菌する、鶏卵の
    殺菌方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011515108A (ja) * 2008-03-25 2011-05-19 アルベマール・コーポレーシヨン 摂取可能な卵中の細菌を低減又は除去する方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011515108A (ja) * 2008-03-25 2011-05-19 アルベマール・コーポレーシヨン 摂取可能な卵中の細菌を低減又は除去する方法

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