JP2021052675A - 除染効果の判定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】短時間かつ高感度に除染効果を判定する方法を提供することを課題とする。【解決手段】除染中に除染対象空間に設置していたバイオロジカル・インジケーター(BI)を除染後に回収する工程、前記BIに含まれる生菌を培養する工程、前記培養液中の、生菌外のATPを除去する工程、前記生菌内のATPを抽出する工程、及び抽出したATPを発光させ発光量を測定する工程を含む、除染効果の判定方法。【選択図】図12

Description

本発明は、細菌の除染効果を判定する方法に関する。
医薬品や化粧品等の製造施設や、臨床医学や基礎生化学の実験施設等では、厳密な細菌の除染が求められている。
一般に、二酸化塩素やホルムアルデヒド等のガスを用いて、殺菌・滅菌対象の物を密閉空間に入れたり、実験室や手術室等の空間そのものを殺菌・滅菌対象として閉鎖したりした後、該空間内に前記ガスを発生させて充満させる、燻蒸消毒が行われている。
通常、バイオロジカル・インジケーター(BI)という細菌を担持したものを除染対象空間に設置しておいて、除染後に回収したBI中の生菌数を計測することにより、除染効果を判定する。
生菌数の測定方法としては、日本薬局方に規定されている培養法や蛍光活性染色法が行われている(非特許文献1)。
培養法では、培養によって1個の菌が1個のコロニーを形成することを利用して、培養した試料中のコロニー数を試料中の菌数として定量する。しかしながら、検出感度が高い一方、培養時間に約1週間を要するという難点がある。
蛍光活性染色法では、1個の菌をそのまま用いて蛍光染色により検出・定量するため1時間程度で判定ができる。しかしながら、除染現場で実施する方法としては現実的ではない。
また、ガス測定法も生菌の有無を判定する方法として用いられているが(非特許文献1)、培養液の色の変化を確認することにより生菌の有無を判定するにとどまり、生菌数の定量には適さないうえ、2日から2週間程度の培養期間を要するという難点がある。
除染後の効果判定に時間がかかると、除染対象の施設や設備の稼働再開に悪影響が生じるリスクがある。すなわち、判定結果を待っている間は施設や設備の稼働を停止することになり機会損失が生じるし、一方で判定結果を待たずに稼働を再開すると、その後に陽性判定が出た場合に製品を廃棄するなどの損失が生じうる。
これまで、短時間で感度良く除染効果を判定することは需要がありながらも実現されてこなかった。
ところで、医薬品原料などの生細胞数を高感度に測定する方法として、ATP発光計測法が開示されている(特許文献1)。この方法では、生細胞を含みうる試料中の、死細胞に由来するATPを分解により排除し、かつ生細胞に由来するATPを増殖させた後に抽出し、蛍光発光を用いてATP量を測定することにより、生細胞を計測するものである。
特許5960421号
第17改正日本薬局方「生物発光・蛍光法」
本発明は、短時間にかつ高感度に除染効果を判定する方法を提供することを課題とする
上記課題を解決するため鋭意研究をしたところ、本発明者らは、除染後に回収したBI中の生菌の有無をATP発光計測法を用いて測定することにより、短時間にかつ高感度に除染効果を判定できることに想到し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]除染中に除染対象空間に設置していたバイオロジカル・インジケーター(BI)を除染後に回収する工程、
前記BIに含まれる生菌を培養する工程、
前記培養液中の、生菌外のATPを除去する工程、
前記生菌内のATPを抽出する工程、及び
抽出したATPを発光させ発光量を測定する工程
を含む、除染効果の判定方法。
[2]前記生菌外のATPを除去する工程が、ATP分解酵素の添加により行われる、[1]に記載の方法。
[3]前記生菌を培養する工程の後、かつ生菌内のATPを抽出する工程の前に、生菌内のATPを増加させる工程を含む、[1]又は[2]に記載の方法。
[4]前記生菌を培養する工程と同時及び/又は後に、芽胞の発芽を促進させる工程を含む、[1]又は[2]に記載の方法。
[5]前記生菌を培養する工程において、予め定めておいた陰性・陽性の統計的有意差が表れる時間培養する、[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6]BIに担持された菌が芽胞形成菌である、[1]〜[5]のいずれかに記載の方法。
[7]前記芽胞形成菌が、バチルス(Bacillus)属細菌及びゲオバチルス(Geobacillus)属細菌からなる群より選択される、[6]に記載の方法。
[8]BIを設置した除染対象空間に対して、二酸化塩素、過酸化水素、酸化エチレン、ホルムアルデヒド、蒸気、乾熱、及びガンマ線からなる群より選択されるいずれかを用いて除染を行う工程、及び
前記工程の後に、[1]〜[7]のいずれかに記載の方法により除染効果を判定する工程を含む、除染方法。
[9]前記除染を行う工程が酸化エチレン、二酸化塩素、又は乾熱を用いて行われる場合に、BIに担持された菌がBacillus atrophaeousであり、
前記除染を行う工程が低温蒸気を用いて行われる場合に、BIに担持された菌がBacillus subtillusであり、
前記除染を行う工程がガンマ線を用いて行われる場合に、BIに担持された菌がBacillus pumilusであり、
前記除染を行う工程が高温蒸気、過酸化水素、又はホルムアルデヒドを用いて行われる場合に、BIに担持された菌がGeobacillus stearothermophilusである、[8]に記載の除染方法。
本発明によれば、除染後に回収したBI中の生菌の有無を短時間にかつ高感度に測定することにより除染効果を判定できる。特に、12時間以内という早期判定が実現されることにより、除染対象施設や設備の稼働を妨げて損失が生じることを避けられる。
二酸化塩素ガス発生システムの概略構成の側面図を示す。 二酸化塩素ガス発生システムの概略構成の上面図を示す。 二酸化塩素ガス発生装置の概略構成の斜視図を示す。 二酸化塩素ガス発生装置の概略構成の分解斜視図を示す。 二酸化塩素ガス発生装置の容器の一例を示す。 二酸化塩素ガ分解生装置の概略構成の透視図を示す。 ガス発生システムの動作フローを示す。 加湿空気の流れを説明する図を示す。 二酸化塩素ガスの流れを説明する図を示す。 残留ガスの処理の流れを説明する図を示す。 培養時間の経過により陽性を説明する図を示す。 死菌のみを担持したBI(●)と、死菌と生菌とを担持したBI(△)とで、ATP発光計測法により測定したATP量を比較するグラフ(n=3)。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、本発明の実施形態を例示するものであり、本発明の技術的範囲を以下の形態に限定するものではない。
本発明の方法は、除染中に除染対象空間に設置していたバイオロジカル・インジケーター(BI)を除染後に回収する工程、前記BIに含まれる生菌を培養する工程、前記培養液中の、生菌外のATPを除去する工程、前記生菌内のATPを抽出する工程、及び抽出したATPを発光させ発光量を測定する工程を含む。
<BIの回収工程>
本発明の方法では、まず除染中に除染対象空間に設置していたバイオロジカル・インジケーター(BI)を除染後に回収する。
除染対象空間は、実験室や製造施設、あるいは除染対象設備を格納した空間等であり、通常は密閉空間で、その中にBIが除染中を通して設置される。
<除染方法>
除染法は、特に限定されないが、例えば、二酸化塩素、過酸化水素、酸化エチレン、ホルムアルデヒド、高温蒸気、低温蒸気、乾熱、及びガンマ線からなる群より選択されるいずれかを用いてたものが挙げられる。例えば、二酸化塩素ガスを用いる除染方法では、密閉空間に濃度10〜300ppmの二酸化塩素ガスを導入して1〜5時間燻煙する。
なお、本明細書において、「除染」の語は「除菌」「滅菌」「減菌」の何れかを指すものであってよい。
除染法の一例として、二酸化塩素ガスを用いる除染方法について、図面に基づいて説明する。なお、除染方法は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。例えば以下の説明では、滅菌室を例に説明するが、二酸化塩素ガス発生システムは、胞子、カビ、バクテリアなどの殺菌や滅菌、ウイルスの不活化のみならず、チャタテムシなどのような微小昆虫を殺虫する方法であってもよい。この場合、二酸化塩素ガス発生システムはチャタテムシ自体のみならず、その食料源であるカビも殺菌対象とするため、その除染効果をも判定することができる。
(二酸化塩素ガス発生システムの構成)
図1は、二酸化塩素ガスを用いる除染方法の一例に係る二酸化塩素ガス発生システム(以下、単にガス発生システムともいう)100の概略構成の側面図を示す。図2は、二酸化塩素ガス発生システム100の概略構成の上面図を示す。
ガス発生システム100は、箱型の筐体1内に、二酸化塩素ガス発生装置(以下、単にガス発生装置ともいう)2、加湿器3、ファン4、二酸化塩素ガス分解装置(以下、単にガス分解装置ともいう)5、制御装置6を備える。ガス発生システム100は、燻蒸消毒
の必要な密閉された空間である滅菌室7の壁71の外側に設けられており、筐体1の下部に設けられた取込口11から滅菌室7内の空気を取込み、筐体1の上部に設けられた送風口12から二酸化塩素ガスを滅菌室7に送り出す。滅菌室7の壁71には、取込口11及び送風口12に対応する位置に開口が設けられている。これにより、滅菌室7とガス発生システム100は、取込口11及び送風口12によって連通している。取込口11から取込まれる空気を性状別にみると、運転態様によりガス発生装置2稼働前の滅菌室7内の空気(二酸化塩素ガスを含まない空気)、ガス発生装置2の稼働中の二酸化塩素ガスを含む空気、ガス発生装置2の稼働後の空気(残存ガスを含む空気)、加湿器3によって加湿された空気が含まれる。送風口12から送り出される空気には、ガス発生装置2の稼働前、かつ、加湿器3の稼働中の加湿された空気(ここでは循環空気)、ガス発生装置2の稼働中の二酸化塩素ガスを含む空気が含まれる。なお、送風口12、取込口11は滅菌室7の壁71に設けた開口と、ダクトを用いて連通させてもよい。また、ガス発生システム100は、使用するときのみ設置する構成としてもよく、取り外す際には壁71の開口を閉塞できるようにしておけばよい。例えば壁71の開口にダンパなどの開閉可能な装置を設けておけば、ガス発生システム100を使用するときには送風口12、取込口11を壁71の開口に接続してダンパを開状態とし、使用しないときにはガス発生システム100を壁71から取り外しダンパを閉状態とすることもできる。また、二酸化塩素ガス発生システム100は室内に設置してもよい。この場合、送風口12を上記のようにガス発生システム100の上部の側面に設けてもよいし、ガス発生システム100の上面に設けて上方にガスを送風する構成としてもよい。
(ガス発生装置)
次に、図1、図2に加え、図3、図4も参照しながら、ガス発生装置2について説明する。図3は、二酸化塩素ガス発生装置2の概略構成の斜視図を示す。図4は、二酸化塩素ガス発生装置2の概略構成の分解斜視図を示す。ガス発生装置2は、台座21、ヒータ22、容器23、タンク24、ファンフィルタユニット25、遮蔽体26、ヒータの制御装置27を備える。
台座21は、ヒータ22や容器23を支持する。台座21は、四角形であり、全体として直方体を形成するガス発生装置2の底面を形成する。なお、台座21の対向する二つの辺には、ガス発生装置2を把持するための把持部28が設けられている。
ヒータ22は、台座21の中央部に設けられ、載置される4つの容器23を加熱する。ヒータ22は、ガス発生装置の制御装置27からの電力供給を受け、ガス発生装置の制御装置27の指示に従って稼働する。ガス発生装置の制御装置27は、電源、CPU、メモリを含み、CPUがメモリに格納された制御プログラムを実行して、ヒータ22を制御する。ヒータ22は、外部からの電力供給を受けるようにし、ガス発生システム100を制御する制御装置6によって制御してもよい。
容器23には、ペレット状亜塩素酸ナトリウムが投入され、後述するタンク24を介して酸性液が供給される。なお、ペレット状亜塩素酸ナトリウムは予め容器23に入れておいてもよいし、電子制御で容器23に投入される装置を用いてもよい。容器23が加熱され、容器23の内部でペレット状亜塩素酸ナトリウムと酸性液とが化学反応し、二酸化塩素ガスが発生する。ここで、図5は、二酸化塩素ガス発生装置の容器の一例を示す。図5に示す容器23は、仕切り材231により、容器23の内部が複数の部屋232に仕切られている。図5では、容器23は、中央に位置する上面視四角形の中央の部屋232aと、この中央の部屋232aの周囲に位置する4つの周囲の部屋232bとを備える。仕切り材231は、容器23から取り外し自在である。また、仕切り材231には、複数の円形の貫通孔233が設けられ、各部屋は連通している。円形の貫通孔233は、矩形状、スリットとすることができるが、ペレット状亜鉛酸ナトリウムが通過しない大きさとする
ことが好ましい。ペレット状亜鉛酸ナトリウムは、例えば円柱形状のペレットとすることができる。ペレット状亜鉛酸ナトリウムは、他の形状でもよい。ペレット状亜塩素酸ナトリウムは、亜塩素酸ナトリウム粉末にバインダを混合してペレット錠剤またはタブレット錠剤に加工することにより、任意の大きさ、形状とすることができる。バインダとして、水溶性高分子化合物であるカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコールなどが利用できる。ペレット状亜塩素酸ナトリウムは、固体であるため、保管や運搬等が容易であり、人体に付着しても肌を荒らす心配が少ない。なお、容器23内への酸性液の供給に先立って、ペレット状亜塩素酸ナトリウムを予め容器23内に配置しておいてもよい。
タンク24は、酸性液を貯留する。貯留された酸性液は、ノズル29を介して、容器23に供給される。酸性液は、例えば、リンゴ酸、クエン酸、酢酸などの食用有機酸を用いることができる。これにより、塩酸や硫酸などの酸を用いる場合と比較して、より安全かつ容易に二酸化塩素ガスを発生させることができる。酸性液には、食用の酸性水溶液、例えば、酒石酸、フマル酸、コハク酸、グルコン酸、乳酸、酢酸、アジピン酸、フィチン酸、アスコルビン酸、あるいはこれらの混合物を用いることができる。なお、塩酸や硫酸などの酸を用いる場合には、pHが3以下の酸性液を用いた方がよく、これにより確実かつ迅速に二酸化塩素を発生させることができる。
ファンフィルタユニット25は、容器23の上方に設けられ、容器23から発生する二酸化塩素ガスを濾過して粒子状の物質を捕捉し、二酸化塩素ガスを送り出す。ファンフィルタユニット25は、側面から見ると上からHEPAフィルタ、内蔵ファンの順に配置され、内蔵ファンは上向き気流が形成されるような羽根形状で設置されている。
遮蔽体26は、四角形の遮蔽体(例えばビニールカーテンなど)が4枚組み合わされることで容器23の周囲を囲み、台座21及びファンフィルタユニット25とともにガス発生装置2の内部空間を形成する。遮蔽体26の3方向の下部には、ガス発生装置2の内部に周囲の空気を取り込むための隙間30が設けられている。ファンフィルタユニット25の内蔵ファンが稼働すると、隙間30を介して、周囲の空気が取り込まれる。ガス発生装置2で発生した二酸化塩素ガスやミストが隙間30から漏えいするのを抑制する必要があることから、隙間30からの空気を取り込む速度を所定以上にする必要がある。例えば、吸引速度は、15cm/s以上とすることが好ましく、このような吸引速度を実現できるように、ファンフィルタユニット25の内蔵ファンの風量、隙間30の総面積を設定することが好ましい。滅菌室7から取込まれた空気が、取込口11、ガス発生装置2、ファンフィルタユニット25、送風口12を流れる経路は、後述の第一経路に相当する。
(加湿器)
加湿器3は、ガス発生装置2の背面に設けられ、滅菌室7から取込まれた空気を加湿する。ここでは、ガス発生装置2への導入空気と加湿器2への導入空気が仕切りで区画され、両者が各々の流路を形成している。滅菌室7の相対湿度は、取込口11近傍に設置された湿度センサ9より取得することができる。加湿器3は、外部からの電力供給を受け、制御装置6の指示に従って稼働する。制御装置6は、CPU、メモリを含み、CPUがメモリに格納された制御プログラムを実行し、湿度センサ9で検知された相対湿度に基づいて、加湿器3を制御する。なお、加湿器3を制御する加湿器の制御装置を別途設けてもよい。滅菌室7から取込まれた空気が、取込口11、加湿器3、送風口12を流れる経路は、後述の第三経路に相当する。
(ファン)
ファン4は、ファンフィルタユニット25と加湿器3の上方(下流)に設けられ、二酸化塩素ガス又は加湿された空気を滅菌室7に向けて水平方向に送り出す。ファン4は、外
部からの電力供給を受け、制御装置6の指示に従って稼働する。制御装置6は、CPU、メモリを含み、CPUがメモリに格納された制御プログラムを実行して、ファン4を制御する。
(ガス分解装置)
次に、図1、図2に加え、図6も参照しながら、ガス分解装置5について説明する。図6は、二酸化塩素ガス分解装置の概略構成の透視図を示す。ガス分解装置5は、箱型のガス分解装置の筐体51内に、入口52、パンチング板などで形成された整流板56、プレフィルタ53、メインフィルタ54、アフターフィルタ55、整流板56、ガス分解装置のファン58、出口57を空気の流れる順に配置して備え、ガス発生装置2から滅菌室7内に放出された二酸化塩素ガスの残留ガスを取込み、分解する。この入口52から出口57までが後述の第二経路を形成する。
入口52は、ガス分解装置の筐体51の滅菌室7側の一方の角部近傍に設けられ、ここではガス発生装置2と上端を接してその下方に配置され、取込口11と連通しており、滅菌室7の空気を取り込む。
プレフィルタ53は、取込まれた空気の流れにおいて、プレフィルタ53、メインフィルタ54、アフターフィルタ55の中で最上流側に設けられ、取込まれた空気に含まれる埃やごみを捕捉する。プレフィルタ53は、例えば所謂重量法において捕集率70%程度の性能を有するものによって構成することができる。
メインフィルタ54は、プレフィルタ53とアフターフィルタ55との間、換言すると取込まれた空気の流れにおいて、プレフィルタ53よりも下流側、かつアフターフィルタ55よりも上流側に設けられ、取込まれた空気に含まれる二酸化塩素ガス(残存ガス)を分解する。図6に示す例では、メインフィルタ54は、酸化マンガン粉末や過マンガン酸塩を含有させた活性炭やゼオライトの多孔質の粉末をバインダで粒状ペレットに固めたものが通気性のある板状の基材(ウレタンフォームなど)の表面に固着させたものが、角度を交互に変えて積層され、横断面視において、直線がくり返し屈曲するプリーツ構造を有している。なお、メインフィルタ54は、通気性のあるハニカム構造体の接ガス表面にバインダで酸化マンガン粉末や過マンガン酸塩を含有させた活性炭やゼオライトの多孔質の粉末を固着したハニカムフィルタとしてもよい。
アフターフィルタ55は、取込まれた空気の流れにおいて、プレフィルタ53、メインフィルタ54、アフターフィルタ55の中で最下流側に設けられ、メインフィルタ54の粉じん等の飛散を抑制する。二酸化塩素ガス分解装置がクリーンルーム仕様の滅菌室に適用される場合には、アフターフィルタ55には、HEPA仕様または準HEPA仕様の高性能フィルタが使用することが望ましい。しかし、クリーンルーム以外の低い清浄度の滅菌室に適用する場合には、アフターフィルタ55は、例えば所謂比色法において捕集率65%程度の性能を有するものによって構成することができる。
整流板56は、メインフィルタ54の入口側及びアフターフィルタ55の出口側に設けられ、取込まれた空気の流れを均一化する。これにより、メインフィルタ54による二酸化塩素ガスの分解性能がより向上する。なお、整流板56を入口52側のみに設置し、ガス分解装置5は、より簡易な構成としてもよい。
出口57は、平面視において、上記入口52と対角の角部近傍で同一平面に設けられ、加湿器3が設けられた経路と連通している。入口52と出口が対角に位置することで、所謂ショートサーキットが抑制される。
ガス分解装置のファン58は、滅菌室7の残存ガスをガス分解装置5に引き込み、プレフィルタ53、メインフィルタ54、アフターフィルタ55を通過させる。なお、滅菌室7から取込まれた空気が、入口52、ガス分解装置5、出口57を流れる経路は、後述の第二経路に相当する。ファン58は、ガス分解装置5の下流側に設けることで、ファン58には二酸化塩素ガスが分解された空気が流れるので、ファン58が二酸化塩素ガスにより腐食することを防止することができる。
なお、ガス発生システム100は、上記に加えて、ガス発生システム100を移動させるキャスタ、各フィルタの点検、又は交換などのメンテナンスを行う点検扉を更に備える構成としてもよい。
(制御装置)
制御装置6は、ガス発生システム100の外側に設けられ、操作パネル、ディスプレイ、CPU、メモリを含み、CPUがメモリに格納された制御プログラムを実行して、ガス発生システム100を制御する。
(ガス発生システムの動作)
次に、ガス発生システムの動作について説明する。図7は、ガス発生システムの動作フローを示す。以下の説明では、動作に対応する制御プログラムを制御装置6のメモリに格納しておき、CPUが制御プログラムを実行し、ガス発生システムを制御する場合を例に説明する。但し、ガス発生システム100は、ガス発生システムの管理者からの指示をCPUが受け付け、指示に従って、ガス発生システム100を制御してもよい。
ステップS01では、加湿器3、ファンフィルタユニット25、ファン4が稼働する。これら各装置の稼働は、CPUが、管理者からの指示を受け付けて実行してもよく、また、制御装置6にタイマを内蔵し、所定時間になると自動的に各装置を稼働してもよい。加湿器3などの各装置が稼働するとステップS02へ進む。
ステップS02では、滅菌室7内が所定の相対湿度に達すると加湿器3が停止され、ガス発生装置2が稼働する。具体的には、CPUは、滅菌室7内の相対湿度に関する情報を取得し、既定の相対湿度に達したか否か判断する。例えば、滅菌室7内の相対湿度が55%〜65%に達すると、既定の相対湿度に達したと判断される。滅菌室7内の相対湿度が既定の相対湿度に達すると、CPUは加湿器3を停止させ、ガス発生装置2を稼働させる。具体的には、CPUは、タンク24に貯留された酸性液をノズル29を介して容器23に供給し、かつ、ヒータ22を稼働させ、容器23を加熱する。ガス発生装置2が稼働すると、ステップS03へ進む。
ステップS03では、滅菌室7内が所定の二酸化塩素ガス濃度、例えば400ppmに達すると、ガス発生装置2が停止(すなわちガス発生装置2のヒータ22を停止)され、所定時間例えば3時間だけ放置される。室内が所定の二酸化塩素濃度に達したことを判定する方法としては、市販の二酸化塩素濃度計を用いることができる。また、室の容積別に予め試験的に求めたガス発生装置を稼働させてから所定の濃度に達するまでの時間に基づいて、ガス発生装置を稼働させてから当該時間が経過したら所定の二酸化塩素濃度に達したと判定してもよい。
次に、ステップS04では、分解装置のファン58が稼働する。具体的には、CPUは、ガス分解装置のファン58を所定時間稼働させる。ガス分解装置のファン58を稼働させる所定時間は、ガス分解装置のファン58の稼働時間と、二酸化塩素ガスの濃度の減少速度との関係に基づいて、安全濃度になる時間を予め算出することで得ることができる。安全濃度には、WHOが定める1日8時間作業者が許容される安全な最大濃度0.1pp
mが例示される。例えば、ガス発生システム100によれば、300ppm以上の濃度の二酸化塩素を30分程度で0.1ppm以下まで低減することができる。以上により、ガス発生システムの動作が終了する。なお、ファン4及びファンフィルタユニット25は、滅菌室7の使用状況に応じて継続して稼働することができる。
(空気の流れ)
次に、空気の流れについて説明する。図8は、加湿空気の流れを説明する図を示す。図8(A)は、ガス発生システム100の正面図、図8(B)は、ガス発生システム100の側面図、図8(C)は、ガス発生システム100の背面図を示す。図8(a)は図8(A)に対応する上面図、図8(b)は図8(B)に対応する上面図、図8(c)は図8(C)に対応する上面図である。
図8は、上述したステップS01における状態を示し、加湿器3、ファンフィルタユニット25、ファン4が稼働している。そのため、滅菌室7内から取込まれた空気は、取込口11、非稼働のガス発生装置2、ファンフィルタユニット25、送風口12を流れる第一経路と、取込口11、加湿器3、送風口12を流れる第三経路を循環する。第一経路では、ファンフィルタユニット25の内蔵ファンが稼働すると、3方向に形成された隙間30を介して、周囲の空気が取り込まれ、滅菌室7からの空気が第一経路を通る。第一経路を通る空気は、ファンフィルタユニット25を通過することで不純物が捕捉される。また、第三経路を通る空気が、第一経路のうちガス発生装置2の外側と空気取り入れ流路を共有し、加湿器3によって加湿されることで、滅菌室7内の相対湿度が徐々に高まる。
図9は、二酸化塩素ガスの流れを説明する図を示す。図9(A)は、ガス発生システム100の正面図、図9(B)は、ガス発生システム100の側面図、図9(C)は、ガス発生システム100の背面図を示す。図9(a)は図9(A)に対応する上面図、図9(b)は図9(B)に対応する上面図、図9(c)は図9(C)に対応する上面図である。
図9は、上述したステップS02における状態を示し、ファンフィルタユニット25、ファン4に加えて、ガス発生装置2が稼働している。図8の例と同様に、滅菌室7内から取込まれた空気は、第一経路と、第三経路を循環する。但し、ガス発生装置2が稼働しているため、ガス発生装置2で発生した二酸化塩素ガスが第一経路を通る。また、ファンフィルタユニット25では、二酸化塩素ガスに含まれる不純物も捕捉される。また、加湿器3が停止しているため、第三経路を通る空気は、加湿されることなく、第三経路を単に通過する。
図10は、残留ガスの処理の流れを説明する図を示す。図10(A)は、ガス発生システム100の正面図、図10(B)は、ガス発生システム100の側面図、図10(C)は、ガス発生システム100の背面図を示す。図10(a)は図10(A)に対応する上面図、図10(b)は図10(B)に対応する上面図、図10(c)は図10(C)に対応する上面図である。
図10は、上述したステップS04における状態を示し、ファンフィルタユニット25、ファン4に加えて、ガス分解装置のファン58が稼働している。そのため、滅菌室7内から取込まれた空気は、第一経路と、取込口11、第一経路の入口側と連通した入口52、ガス分解装置5、第三経路の入口近くと連通した出口57を流れる第二経路を循環する。但し、ガス発生装置2が非稼働であるため、第一経路を通る空気は、新たな化学物質を付与されずファンフィルタユニット25を通過することで不純物が捕捉される。また、第二経路を通る空気は、ガス分解装置5を通過することで、残存ガスが分解される。
(効果)
以上、説明した二酸化塩素ガス発生システム100は、ガス発生装置2を備えることで、他の塩素、次亜塩素酸ソーダ、過酸化水素と比較して、殺菌や滅菌をより安全に実施することができる。また、二酸化塩素ガスは、塩素のような強い臭いがしないことから、殺菌や滅菌を実施する際の臭いの不快感を低減することができる。更に、二酸化塩素ガスは、単位重量当たりの殺菌力が高く、胞子、かび、バクテリア、ウイルス等に優れた滅菌および殺菌効果を発揮し、発がん性物質を生成することもない。また、ガス発生システム100は、ガス分解装置5を備えることで、二酸化塩素ガスを従来よりも短時間で分解することができる。メインフィルタ54に酸化マンガン粉末や過マンガン酸塩を含有させた活性炭やゼオライトの多孔質の粉末を含んだ濾材を用いることで、従来の活性炭と比較して、二酸化塩素ガスの分解性能をより向上し、安全濃度になるまでの分解時間をより短くすることができる。
<培養工程>
次いで、BIに含まれる生菌を培養する工程を行う。培養は、通常用いられる、培地、温度、時間等の条件で行うことができる。
培養時間は、後述のATP発光量の測定において陰性と陽性とに統計的有意差が表れる時間を、予め調整して定めておいて、その時間培養することが好ましい。
図11を参照して説明すると、ある時点でのATP発光量は、正規分布の出現確率(出現割合)となる。培養時間が短い段階では、生菌の増加が十分ではないため、正規分布の山が陰性と陽性とで重なり、偽陽性や偽陰性が生じる場合がある。培養時間を長くすることにより、陰性と陽性とで正規分布の山が分離し、陰性・陽性判定の精度が上がる。一方で、培養時間を長く設けることで、迅速な効果判定が達成されない場合がある。そこで、予め、十分なサンプル数の陽性対照及び陰性対照のサンプルで、培養時間ごとのATP発光量の検量線を作成し、適切な統計処理を行って、所望の精度で陰性と陽性が統計的有意差をもって区別されるのに必要な培養時間(最小時間)を算出しておく。
本発明の方法における培養工程を行うに際しては、少なくともかかる最小時間培養すればよい。
また、複数のBIを用いて、かかる最小時間の経過前から、後述の培養工程以降の工程から測定工程までを経時的に行ってもよい。ATP発光量が上昇傾向の場合は陽性の可能性が高く、一定または下降傾向の場合は、陰性の可能性が高い。それにより、統計的有意差が表れるのに必要な培養時間が経過するよりも前に、いち早く陰性・陽性の判定結果を手に入れることができる。
なお、出現確率(出現割合)の正規分布の山をシャープにすることにより、陰性と陽性との山の裾野が重なりにくくなり明確に区別しやすくなる。測定サンプル数(n数)を多くすることにより、正規分布の山をシャープにすることができる。
<生菌外ATP除去工程>
前記培養工程と同時に、又は前記培養工程に次いで、前記培養液中の、生菌外のATPを除去する工程を行う。
生菌外のATPの除去は、ATP分解酵素の添加により行うことが好ましい。分解酵素は、当技術分野で公知であり、公知のATP分解酵素を単独で又は組み合わせて、適当な反応条件(時間、温度及びpH)で使用することができる。具体的には、特許第3547882号に記載のATP分解酵素、例えばアデノシンリン酸デアミナーゼ、アピラーゼ、アルカリホスファターゼ、酸性ホスファターゼ、ヘキソキナーゼ、アデノシントリホスファターゼなどが挙げられる。また、ATP発光計測法を実施するためのキットが市販されており、キット添付のATP分解酵素を使用することができる。
酵素反応は、使用するATP分解酵素の種類、測定対象の菌種などに応じて異なるが、
25〜50℃、好ましくは30〜45℃において、1分以上、好ましくは1分〜6時間、より好ましくは5分〜2時間かけて行う。
<生菌内ATP増加工程>
好ましい態様では、生菌を培養する工程の後、かつ生菌内のATPを抽出する工程の前に、生菌内のATPを増加させる工程を行う。より好ましい態様では、生菌内のATPを増加させる工程は、生菌外のATPを除去する工程と同時に行われる。
ATPの増加は、メタノール、糖、アラニン、硝酸カリウム、又はこれらの組み合わせ等を添加することにより行うことができる。
添加するメタノールの濃度は、最終濃度50%未満、好ましくは0.1〜30%、より好ましくは0.1〜5%、例えば1%である。
糖としては、グルコース、フルクトース及びスクロースからなる群より選択される少なくとも1つを用いることができる。糖は、最終濃度が0.8 mM以下、好ましくは0.1 mM以下となるように添加する。
アラニンは、最終濃度が0.5 mM以下、好ましくは0.1 mM以下となるように添加する。
好ましい実施形態では、メタノールの最終濃度が1%であり、糖の最終濃度が0.1 mMであり、アラニンの最終濃度が0.1 mMである。
<発芽促進工程>
好ましい態様では、生菌を培養する工程と同時及び/又は後に、発芽を促進させる工程を行う。
発芽の促進は、糖、アラニン、硝酸カリウム、又はこれらの組み合わせ等を添加することにより行うことができる。
糖としては、グルコース、フルクトース及びスクロースからなる群より選択される少なくとも1つを用いることができる。糖は、最終濃度が0.8 mM以下、好ましくは0.1 mM以下となるように添加する。
アラニンは、最終濃度が0.5 mM以下、好ましくは0.1 mM以下となるように添加する。
硝酸カリウムは、最終濃度が0.5 mM以下、好ましくは0.1 mM以下となるように添加する。
好ましい実施形態では、糖の最終濃度が0.1 mMであり、アラニンの最終濃度が0.1 mMであり、硝酸カリウムの最終濃度が0.1 mMである。
また、培養工程で使用する培地(SCD培地など)に、グルコースなどの糖が既に含まれている場合は、発芽促進工程において糖を添加しなくてもよい。
なお、前述のATP増加工程と発芽促進工程においては、一方の工程の操作により、他方の工程の効果が得られることは妨げられない。
これらの工程の後、メタノール、糖、アラニン、硝酸カリウム等をフィルタでろ過して除く工程を行ってもよい。
<ATP抽出工程>
次いで、前記生菌内のATPを抽出する工程を行う。この工程は、生菌の細胞壁を破壊して生菌内からATPを遊離させるものである。
生菌内ATPの抽出方法としては、公知の方法、例えば、試料にATP抽出液を添加し、生菌内ATPを菌体外に抽出する方法を用いることができる。ATP抽出液は、生菌内からATPを抽出することができるものであれば限定されるものではなく、さらにATP分解酵素を失活できるものも知られている。そのようなATP抽出液は公知であり、市販されている。例えば、トリクロロ酢酸(TCA)、界面活性剤(塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなど)、リゾチームなどが挙げられる。使用するATP抽出液の種類に応じて、試料への添加量、反応条件などを適宜選択する。
また、ATP抽出と同時または先んじて、ATP分解酵素を周知の適当な手法で除去又
は失活させることが好ましい。例えば、フィルタによるろ過で酵素を除去してもよいし、ATP分解酵素の阻害剤を添加することが挙げられる。ただし、ATP除去工程からATP抽出工程を30分以内に行えば、ATP分解酵素が生菌内ATPに作用する前に生菌内ATPの抽出を行えるので、酵素の除去工程又は失活工程を省くことができる。
<測定工程>
次いで、抽出したATPを発光させ発光量を測定する工程を行う。
抽出したATPを発光させ、測定するには、ATP発光計測法において一般的に採用されている方法、例えば、ルシフェリン−ルシフェラーゼ発光反応を利用することができる。ルシフェリン−ルシフェラーゼ発光反応は、ルシフェリン及びルシフェラーゼを含む発光試薬を試料に添加して行う。発光試薬と抽出されたATPとが反応して発光が生じるため、その発光量を測定する。発光試薬としては、天然型ルシフェラーゼ及び変異型ルシフェラーゼのいずれでもよく、市販品を用いることができる。
発光の測定は、当技術分野で公知の発光測定方法により、例えばルミノメーター、発光プレートリーダーを用いて、又は光電子増倍管を用いたフォトンカウンティングにより実施することができる。発光量を測定することにより、BI中の生菌を測定することができる。なお、本発明において「生菌の測定」とは、BI中の生菌の存在を検出すること、及び/又は生菌の数を測定することを意味する。本発明の方法により、BI中の生菌を高感度、例えば1 mol/CFUを超えるATP内包量で、測定することが可能である。
本発明において、培養工程より後の一連の工程は、1つのチューブ内で連続的に行ってもよい。例えば、上下二層に区切られたチューブの下層には発光試薬を収納し、上層にはATP抽出試薬を収納したチューブを用いる。まず、任意の時間で採取し生菌外ATP消去液を添加した培養液を、上層のATP抽出試薬に添加して抽出工程を行う。さらに、上下二層を区切る隔壁を破壊するなどして、下層の発光試薬と混和することにより発光工程を行う。そのようなチューブとしては、ルシパックPen-AQUA(キッコーマンバイオケミファ株式会社)等の市販品を用いることもできる。
このように1つのチューブ内で連続的に工程を行うことにより、本発明の方法を自動化することができる。また、これにより、培養時間の経過によるATP値の変化を効率的に観察することができる。
<対象菌>
本発明におけるBIに担持された菌は、特に限定されないが芽胞形成菌であることが好ましい。芽胞形成菌としては、例えば、バチルス(Bacillus)属細菌やゲオバチルス(Geobacillus)属細菌が挙げられ、より具体的にはBacillus atrophaeous、Bacillus subtillus、Bacillus pumilus、Geobacillus stearothermophilus等が挙げられる。例えば市販の「Mesalabs社製:ACD/6」はBacillus atrophaeousが担持されているので、これを使用してもよい。
具体的な除染方法と、その効果判定に用いるBIに担持される菌との組み合わせとしては、以下のものが挙げられるがこれらに限定されない。酸化エチレン、二酸化塩素、又は乾熱による除染方法の場合は、Bacillus atrophaeousがBIに担持されることが好ましい。低温蒸気による除染方法の場合は、Bacillus subtillusがBIに担持されることが好ましい。ガンマ線による除染方法の場合は、Bacillus pumilusがBIに担持されることが好ましい。高温蒸気、過酸化水素、ホルムアルデヒドによる除染方法の場合は、Geobacillus stearothermophilusがBIに担持されることが好ましい。
<判定>
ATP発光量により測定されたBI中の生菌量に基づき、予め定めておいた閾値を基準として、陰性/陽性の判定を行い、除染の効果を評価する。閾値は、除染対象に応じて、
任意に定めることができる。
本発明の方法を用いることにより、除染後のBIに含まれる生菌を、短時間、例えば12時間以内に高感度に検出し測定することができるため、除染効果の判定に非常に有効である。
以下に本発明を具体的に説明するために実施例を示すが、これら実施例は本発明の一例を示すものであり、本発明は実施例に限定されるものではない。
以下の操作は、コンタミネーションが起こらないように、全て安全キャビネット内で行った。
(1)バイオロジカルインジケータ(BI)作成
0.1mL当たり10CFUのBacillus atrophaeusを含む40 vol%エタノールベースの芽胞菌懸濁液(Mesalabs社製:SSGE/6)を、ポリスチレン製滅菌シャーレに0.1mL滴下し、そのまま蓋をして24±1℃で12時間乾燥することにより、BIシャーレを作製した。
(2)二酸化塩素ガスによる除染
事前評価にて、芽胞状態の3×10CFUのBacillus atrophaeusのBIにおける、芽胞菌死滅条件は、湿度60%の時二酸化塩素ガス濃度と除染時間の積の値(CT値)が1300ppm・時間であることを確認した。
チャンバ内を温度23℃、湿度60%となるように調整した後、チャンバ内に(1)で作成したBIシャーレを設置した。固体と液体を混合する方式の二酸化塩素ガス発生装置を用いて、チャンバ内に二酸化塩素ガスを導入し、その後一定時間除染を行った。CT値が1300ppm・時間に到達したところで、吸着分解装置を用いてチャンバ内の二酸化塩素ガスを安全濃度である0.1ppmまで低減した後、BIシャーレを回収した。
(3)芽胞死菌の回収及び死菌液作成
回収したBIシャーレに、培養液(3mL)を投入し、シャーレ上にいる芽胞死菌をサンプルチューブに全量回収した(芽胞死菌3×10CFU/3mL)。ボルテックスミキサーを用いてサンプルチューブ内の芽胞死菌を均一撹拌後、1mLを別のサンプルチューブに分注し、「死菌サンプル」を作成した。
(4)芽胞生菌液の作成
(1)で作成したBIシャーレ(除染未実施)に、培養液(3mL)を投入し、シャーレ上にいる芽胞死菌をサンプルチューブに全量回収した(芽胞死菌3×10CFU/3mL)。これを、培養液を用いて、10倍段階希釈して10CFU/mLの芽胞生菌液を作成した。
(5)死菌+生菌サンプル作成
サンプルチューブに、(3)で作成した芽胞死菌液(0.9mL)と、(4)で作成した芽胞生菌液(0.1mL)とを添加し、1mL当たり死菌10CFUと生菌10CFUレベルとを含む試験サンプル(「死菌+生菌サンプル」)を作成した。
(6)菌培養
設定温度35℃の恒温培養器内に、「死菌サンプル」と「死菌+生菌サンプル」を所定本数投入し、培養した。
(7)ATP発光量測定
所定時間培養後、取り出した各サンプル液にATP消去試薬(キッコーマンバイオケミファ株式会社)を0.1mL添加し、撹拌後30分間放置した。
ルシパックPen-AQUA(キッコーマンバイオケミファ株式会社)を用いて、添付のプロトコルに従い操作し、ルミテスターでATP発光量を測定した。
なお、ATP消去試薬は、ATP分解酵素とMES緩衝液2−モルホリノエタンスルホン酸を含む。発光試薬は、ルシフェリン、ルシフェラーゼ、酢酸マグネシウム、ほすほえのーるピルビン酸、ピロリン酸、及びピルベートオルトホスフェートジキナーゼを含む。抽出試薬は、塩化ベンザルコニウムを含む。
図12に結果を示す。培養開始から12時間以内に、「死菌サンプル」に比べて「死菌+生菌サンプル」におけるATP量は有意に増加が認められた。生菌に由来するATPを精度よく検出することができたことから、本方法により除染後のBIに含まれる生菌を精度よく検出することで除染効果を短時間に判定できることが分かる。
1・・・筐体
2・・・二酸化塩素ガス発生装置
3・・・加湿器
4・・・ファン
5・・・二酸化塩素ガス分解装置
6・・・制御装置
7・・・滅菌室
52・・・入口
53・・・プレフィルタ
54・・・メインフィルタ
55・・・アフターフィルタ
56・・・整流板
57・・・出口
11・・・取込口
12・・・送風口
100・・・二酸化塩素ガス発生システム

Claims (9)

  1. 除染中に除染対象空間に設置していたバイオロジカル・インジケーター(BI)を除染後に回収する工程、
    前記BIに含まれる生菌を培養する工程、
    前記培養液中の、生菌外のATPを除去する工程、
    前記生菌内のATPを抽出する工程、及び
    抽出したATPを発光させ発光量を測定する工程
    を含む、除染効果の判定方法。
  2. 前記生菌外のATPを除去する工程が、ATP分解酵素の添加により行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記生菌を培養する工程の後、かつ生菌内のATPを抽出する工程の前に、生菌内のATPを増加させる工程を含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記生菌を培養する工程と同時及び/又は後に、生菌の芽胞の発芽を促進させる工程を含む、請求項1又は2に記載の方法。
  5. 前記生菌を培養する工程において、予め定めておいた陰性・陽性の統計的有意差が表れる時間培養する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. BIに担持された菌が芽胞形成菌である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記芽胞形成菌が、バチルス(Bacillus)属細菌及びゲオバチルス(Geobacillus)属細菌からなる群より選択される、請求項6に記載の方法。
  8. BIを設置した除染対象空間に対して、二酸化塩素、過酸化水素、酸化エチレン、ホルムアルデヒド、蒸気、乾熱、及びガンマ線からなる群より選択されるいずれかを用いて除染を行う工程、及び
    前記工程の後に、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法により除染効果を判定する工程を含む、除染方法。
  9. 前記除染を行う工程が酸化エチレン、二酸化塩素、又は乾熱を用いて行われる場合に、BIに担持された菌がBacillus atrophaeousであり、
    前記除染を行う工程が低温蒸気を用いて行われる場合に、BIに担持された菌がBacillus subtillusであり、
    前記除染を行う工程がガンマ線を用いて行われる場合に、BIに担持された菌がBacillus pumilusであり、
    前記除染を行う工程が高温蒸気、過酸化水素、又はホルムアルデヒドを用いて行われる場合に、BIに担持された菌がGeobacillus stearothermophilusである、請求項8に記載の除染方法。
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