JP6835904B2 - 二酸化塩素ガス発生システム、二酸化塩素ガス発生装置及び二酸化塩素ガス発生方法 - Google Patents
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ClO2+タンパク質のNa→酸化されたタンパク質+NaCl
る汚れと反応してNaClのような塩類を生成して分解する。そのため、長期にわたって一定濃度で保管することが困難と言われている。一方で、二酸化塩素ガスは、分解に要する時間が長いことが報告されている。例えば、非特許文献1には、燻蒸消毒の必要な密閉された空間に発生したピーク濃度が100ppmを超える二酸化塩素ガスは、そのまま放置しておくと10時間から15時間を要して分解し、WHOが定める1日8時間作業者が許容される安全な最大濃度0.1ppm以下に達することが記載されている。そのため、製薬施設、食品製造施設、バイオ研究施設、医療手術室などの空間において、仮に二酸化塩素ガス消毒殺菌を実施した場合には、二酸化塩素ガスを発生させてから安全な濃度になって消毒殺菌された空間で製造、実験、手術を再開するまで半日以上を要することになる。その間、上記空間内での生産活動、研究活動、医療行為は中断せざるを得ない。そこで、従来、ガス発生後対象空間の消毒殺菌に必要な時間、例えば3時間を経過した後は、上記空間内で活性炭フィルタにより二酸化塩素ガスを吸着分解し、上記空間を室外の二酸化塩素ガスを含まない空気で置換希釈し、できるだけ短時間で空間内の残存二酸化塩素濃度を安全濃度0.1ppm以下にできるような工夫をして、対象空間の利用の再開を早めることがなされてきた。しかし、この場合でも、残存ガスの濃度低減に数時間を要していた。
2ClO2+H2O → HClO2+HClO3
が流れ、第二経路の二酸化塩素ガス分解装置よりも下流側には、二酸化塩素ガス分解装置によって二酸化塩素ガスが分解された空気が流れる。第二経路は分解後の空気を室内に戻す場合、一端を上記取込口に設け、他端を上記送風口に設けることができる。すなわち第一経路と第二経路は、取込口側又は送風口側の一部を共有経路によって構成してもよい。
を加熱する加熱装置と、前記加熱装置によって加熱された前記容器から発生する二酸化塩素ガスに含まれる不純物を捕捉するフィルタ装置と、を有し、前記二酸化塩素ガス発生システムは、前記フィルタ装置を通過した二酸化塩素ガスを前記室内に送るファンを更に備える構成としてもよい。
間で分解できる技術を提供することができる。
<<二酸化塩素ガス発生システムの構成>>
図1は、第一実施形態に係る二酸化塩素ガス発生システム(以下、単にガス発生システムともいう。)100の概略構成の側面図を示す。図2は、第一実施形態に係る二酸化塩素ガス発生システム100の概略構成の上面図を示す。
。取込口11から取込まれる空気を性状別にみると、運転態様によりガス発生装置2稼働前の滅菌室7内の空気(二酸化塩素ガスを含まない空気)、ガス発生装置2の稼働中の二酸化塩素ガスを含む空気、ガス発生装置2の稼働後の空気(残存ガスを含む空気)、加湿器3によって加湿された空気が含まれる。送風口12から送り出される空気には、ガス発生装置2の稼働前、かつ、加湿器3の稼働中の加湿された空気(ここでは循環空気)、ガス発生装置2の稼働中の二酸化塩素ガスを含む空気が含まれる。なお、送風口12、取込口11は滅菌室7の壁71に設けた開口と、ダクトを用いて連通させてもよい。また、ガス発生システム100は、使用するときのみ設置する構成としてもよく、取り外す際には壁71の開口を閉塞できるようにしておけばよい。例えば壁71の開口にダンパなどの開閉可能な装置を設けておけば、ガス発生システム100を使用するときには送風口12、取込口11を壁71の開口に接続してダンパを開状態とし、使用しないときにはガス発生システム100を壁71から取り外しダンパを閉状態とすることもできる。また、二酸化塩素ガス発生システム100は室内に設置してもよい。この場合、送風口12を上記のようにガス発生システム100の上部の側面に設けてもよいし、ガス発生システム100の上面に設けて上方にガスを送風する構成としてもよい。
次に、図1、図2に加え、図3、図4も参照しながら、第一実施形態に係るガス発生装置2について説明する。図3は、第一実施形態に係る二酸化塩素ガス発生装置2の概略構成の斜視図を示す。図4は、第一実施形態に係る二酸化塩素ガス発生装置2の概略構成の分解斜視図を示す。ガス発生装置2は、台座21、ヒータ22、容器23、タンク24、ファンフィルタユニット25、遮蔽体26、ヒータの制御装置27を備える。
。バインダとして、水溶性高分子化合物であるカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコールなどが利用できる。ペレット状亜塩素酸ナトリウムは、固体であるため、保管や運搬等が容易であり、人体に付着しても肌を荒らす心配が少ない。なお、容器23内への酸性液の供給に先立って、ペレット状亜塩素酸ナトリウムを予め容器23内に配置しておいてもよい。
加湿器3は、ガス発生装置2の背面に設けられ、滅菌室7から取込まれた空気を加湿する。ここでは、ガス発生装置2への導入空気と加湿器2への導入空気が仕切りで区画され
、両者が各々の流路を形成している。滅菌室7の相対湿度は、取込口11近傍に設置された湿度センサ9より取得することができる。加湿器3は、外部からの電力供給を受け、制御装置6の指示に従って稼働する。制御装置6は、CPU、メモリを含み、CPUがメモリに格納された制御プログラムを実行し、湿度センサ9で検知された相対湿度に基づいて、加湿器3を制御する。なお、加湿器3を制御する加湿器の制御装置を別途設けてもよい。滅菌室7から取込まれた空気が、取込口11、加湿器3、送風口12を流れる経路は、本発明の第三経路に相当する。
ファン4は、ファンフィルタユニット25と加湿器3の上方(下流)に設けられ、二酸化塩素ガス又は加湿された空気を滅菌室7に向けて水平方向に送り出す。ファン4は、外部からの電力供給を受け、制御装置6の指示に従って稼働する。制御装置6は、CPU、メモリを含み、CPUがメモリに格納された制御プログラムを実行して、ファン4を制御する。
次に、図1、図2に加え、図6も参照しながら、第一実施形態に係るガス分解装置5について説明する。図6は、第一実施形態に係る二酸化塩素ガス分解装置の概略構成の透視図を示す。ガス分解装置5は、箱型のガス分解装置の筐体51内に、入口52、パンチング板などで形成された整流板56、プレフィルタ53、メインフィルタ54、アフターフィルタ55、整流板56、ガス分解装置のファン58、出口57を空気の流れる順に配置して備え、ガス発生装置2から滅菌室7内に放出された二酸化塩素ガスの残留ガスを取込み、分解する。この入口52から出口57までが本願の第二経路を形成する。
58には二酸化塩素ガスが分解された空気が流れるので、ファン58が二酸化塩素ガスにより腐食することを防止することができる。
制御装置6は、ガス発生システム100の外側に設けられ、操作パネル、ディスプレイ、CPU、メモリを含み、CPUがメモリに格納された制御プログラムを実行して、ガス発生システム100を制御する。
次に、第一実施形態に係るガス発生システムの動作について説明する。図7は、第一実施形態に係るガス発生システムの動作フローを示す。以下の説明では、動作に対応する制御プログラムを制御装置6のメモリに格納しておき、CPUが制御プログラムを実行し、ガス発生システムを制御する場合を例に説明する。但し、ガス発生システム100は、ガス発生システムの管理者からの指示をCPUが受け付け、指示に従って、ガス発生システム100を制御してもよい。
タユニット25は、滅菌室7の使用状況に応じて継続して稼働することができる。
次に、空気の流れについて説明する。図8は、加湿空気の流れを説明する図を示す。図8(A)は、ガス発生システム100の正面図、図8(B)は、ガス発生システム100の側面図、図8(C)は、ガス発生システム100の背面図を示す。図8(a)は図8(A)に対応する上面図、図8(b)は図8(B)に対応する上面図、図8(c)は図8(C)に対応する上面図である。
以上、説明した第一実施形態に係る二酸化塩素ガス発生システム100は、ガス発生装置2を備えることで、他の塩素、次亜塩素酸ソーダ、過酸化水素と比較して、殺菌や滅菌をより安全に実施することができる。また、二酸化塩素ガスは、塩素のような強い臭いが
しないことから、殺菌や滅菌を実施する際の臭いの不快感を低減することができる。更に、二酸化塩素ガスは、単位重量当たりの殺菌力が高く、胞子、かび、バクテリア、ウイルス等に優れた滅菌および殺菌効果を発揮し、発がん性物質を生成することもない。また、第一実施形態に係るガス発生システム100は、ガス分解装置5を備えることで、二酸化塩素ガスを従来よりも短時間で分解することができる。メインフィルタ54に酸化マンガン粉末や過マンガン酸塩を含有させた活性炭やゼオライトの多孔質の粉末を含んだ濾材を用いることで、従来の活性炭と比較して、二酸化塩素ガスの分解性能をより向上し、安全濃度になるまでの分解時間をより短くすることができる。
図11は、第二実施形態に係る湿度センサ9の構成を説明する図を示す。第二実施形態では、湿度センサ9が、サンプリングチューブ91内に設けられ、サンプリングチューブ91に設けられた電磁バルブ92によってサンプリングチューブが開閉自在に構成されている。サンプリングチューブ91及び電磁バルブ92は、本発明の隔離装置に相当する。また、湿度センサ9は、ケーブルを介して制御装置6に接続されている。なお、湿度センサ9は、温度センサ表示ロガーに接続してもよい。また、サンプリングチューブ91の基端には、吸引ポンプ93が接続されており、滅菌室7内の空気をサンプリングチューブ91内に吸引することができるよう構成されている。吸引ポンプ93からの排気は、滅菌室7へ排出可能に構成されている。なお、電磁バルブ92や吸引ポンプ93を制御装置6と電気的に接続することで、これらを制御装置6によって制御することができる。
ステップS03における動作は、以下のように行ってもよい。具体的には、CPUは、ノズル29を開いてタンク24に貯留されている酸性液を容器23に供給後、所定時間経過した後、ヒータ22を稼働してもよい。所定時間は、亜塩素酸ナトリウムの形状や大きさに応じて決定することができる。例えば、ペレット状亜塩素酸ナトリウムと酸性液とを反応させる場合には、所定時間は10分程度とすることができる。
液の反応では、室温状態では混合後10分程度までは管理者や作業員に安全な濃度(例えば、WHOの15分間の一時的短期曝露の安全指針300ppb=0.3ppm)以下であることが確認された。但し、加熱した場合は2分〜3分間経過すると安全な濃度を上回ることが確認された(図12参照)。したがって、酸性液を投入後、例えば5分以上経過してから加熱することで、管理者や作業員の退避時間に余裕を持たせることができる。また、酸性液投入後10分以上経過してから加熱することで、図12に示すように10分程度までは安全濃度な濃度以下となり、より十分に退避時間を確保することができる。
第一実施形態では、第一経路、第二経路、第三経路が何れもガス発生システム100内に収容されていたが、図13に示すように、第二経路の一部をガス発生システム101の外側に設けられたダクト(ガス分解装置5の上流側のダクト81、ガス分解装置5の下流側のダクト82)によって構成してもよいし、さらに分解装置のファン58を当該ダクト内(例えば、ガス分解装置5の下流側のダクト82内)に設けてもよい。これにより、ガス分解装置5内の空間をより大きく確保することができるので、メインフィルタ54を大きくすることができ、ガス分解装置5による二酸化塩素ガスの分解性能を高めることができる。
第四実施形態では、ガス発生装置2、及びガス分解装置5を食品用粉体輸送系200の滅菌消毒に適用した場合について説明する。図14は、二酸化塩素ガス発生装置2、及び二酸化塩素ガス分解装置5を備える食品用粉体輸送系200の概略構成を示す。なお、既に説明した実施形態と同様の構成については、同一符号を付し、説明は割愛する。
傍のバルブ208、及び粉体輸送出口205の近傍のバルブ209が閉状態とされ、分岐管203に設けられたバルブ206,207が開状態とされた状態では、粉体輸送入口204の近傍のバルブ208よりも下流側から粉体輸送出口205の近傍のバルブ209まで、及び分岐管203で一つの閉鎖空間が形成される。この閉鎖空間は、本発明の「室」に相当し、第四実施形態では、この閉鎖空間内の殺菌消毒を実行するため、分岐管203にガス発生装置2、及びガス分解装置5が設置されている。
てもよい。また、第四実施形態に係る食品用粉体輸送系200には、第一実施形態に係るガス発生システム100を接続してもよい。
2・・・二酸化塩素ガス発生装置
3・・・加湿器
4・・・ファン
5・・・二酸化塩素ガス分解装置
6・・・制御装置
7・・・滅菌室
52・・・入口
53・・・プレフィルタ
54・・・メインフィルタ
55・・・アフターフィルタ
56・・・整流板
57・・・出口
11・・・取込口
12・・・送風口
100・・・二酸化塩素ガス発生システム
Claims (3)
- 二酸化塩素ガスを発生する二酸化塩素ガス発生装置と、
前記二酸化塩素ガス発生装置から室内に放出された二酸化塩素ガスの残留ガスを取込み、分解する二酸化塩素ガス分解装置と、を備える二酸化塩素ガス発生システムであって、
前記二酸化塩素ガス発生装置は、亜塩素酸ナトリウムと酸性液との化学反応によって二酸化塩素ガスを発生させ、
前記亜塩素酸ナトリウムと前記酸性液とを収容する容器と、
前記容器の周囲を囲み、前記二酸化塩素ガス発生装置の内部空間を形成し、前記内部空間内に空気を取り込む隙間が前記容器を囲むように設けられている遮蔽体と、
前記内部空間内の空気および発生した二酸化塩素ガスを吸引して前記室内に送るファンと、を備える
二酸化塩素ガス発生システム。 - 亜塩素酸ナトリウムと酸性液との化学反応によって二酸化塩素ガスを発生させ、
前記亜塩素酸ナトリウムと前記酸性液とを収容する容器と、
前記容器の周囲を囲み、二酸化塩素ガス発生装置の内部空間を形成し、前記内部空間内に空気を取り込む隙間が前記容器を囲むように設けられている遮蔽体と、
前記内部空間内の空気および発生した二酸化塩素ガスを吸引して室内に送るファンと、を備える二酸化塩素ガス発生装置。 - 亜塩素酸ナトリウムと酸性液とを収容する容器内において、当該亜塩素酸ナトリウムと酸性液との化学反応によって二酸化塩素ガスを発生させることと、
前記容器を囲むように設けられている隙間から、二酸化塩素ガス発生装置の内部空間内に空気を取り込むことと、
前記容器に設けられたファンによって、前記内部空間内の空気および発生した二酸化塩素ガスを吸引して室内に送ることと、を含む二酸化塩素ガス発生方法。
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