JP2002355278A - 閉空間内雰囲気保持装置 - Google Patents

閉空間内雰囲気保持装置

Info

Publication number
JP2002355278A
JP2002355278A JP2001167604A JP2001167604A JP2002355278A JP 2002355278 A JP2002355278 A JP 2002355278A JP 2001167604 A JP2001167604 A JP 2001167604A JP 2001167604 A JP2001167604 A JP 2001167604A JP 2002355278 A JP2002355278 A JP 2002355278A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
closed space
pressure
gas
air
outside
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001167604A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomohiko Hashiba
智彦 羽柴
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bio Media Co Ltd
Original Assignee
Bio Media Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bio Media Co Ltd filed Critical Bio Media Co Ltd
Priority to JP2001167604A priority Critical patent/JP2002355278A/ja
Publication of JP2002355278A publication Critical patent/JP2002355278A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 殺菌室等の閉空間に充満させたホルムアルデ
ヒドガス等のガスまたはバイオクリーンルーム等の閉空
間における細菌が、この閉空間から洩れないようにする
ことである。 【解決手段】 第1微差圧検出器36によって検出され
た第1圧力差に基づいて第1閉空間2aの第1圧力を調
整する第1室圧調整装置6と、第2微差圧検出器64に
よって検出された第2圧力差に基づいて第2閉空間4a
の第2圧力を調整する第2室圧調整装置38とを、コン
トロールユニット12によって制御し、第2閉空間4a
の第2圧力を大気圧よりも低く設定し、また第1閉空間
2aの第1圧力を前記第2圧力よりも高く設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、殺菌室等の閉空間
に充満させたホルムアルデヒドガス等のガスまたはバイ
オクリーンルーム等の閉空間における細菌が、この閉空
間から洩れないようにした閉空間内雰囲気保持装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、使用済みの介護用品や医療用具は
殺菌室へ搬入され、この殺菌室に殺菌ガス(例えば、ホ
ルムアルデヒドガス等)を供給して殺菌している。この
殺菌ガスの殺菌効果は、このガス濃度のほかに、室内の
湿度や温度等に大きく依存している。ここで、殺菌室に
充満させた殺菌ガスは、この殺菌室から漏れないように
しなければならない。一方、殺菌処理を施したバイオク
リーンルームで、細菌等の実験を行う場合にあってはバ
イオクリーンルーム外に細菌等が洩れないようにしなけ
ればならない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな殺菌室やバイオクリーンルームは完全に密閉するこ
とが困難であり、この殺菌室またはバイオクリーンルー
ムからホルムアルデヒドガス等の殺菌ガスまたは細菌等
が大気に洩れてしまう虞があった。
【0004】本発明の課題は、殺菌室等の閉空間に充満
させられたホルムアルデヒドガス等の殺菌ガスまたはバ
イオクリーンルーム等の閉空間における細菌等が、この
閉空間から洩れないようにした閉空間内雰囲気保持装置
を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の閉空間内
雰囲気保持装置は、第1閉空間を画成する閉空間画成手
段と、閉空間画成手段を外側から囲んで第1閉空間の外
側に第2閉空間を画成し、第2閉空間の外側には大気が
存在する囲み手段と、第1閉空間と第2閉空間との第1
圧力差を検出する第1差圧検出器と、第1差圧検出器に
よって検出された第1圧力差に基づいて第1閉空間の第
1圧力を調整する第1圧力調整手段と、第2閉空間と大
気との第2圧力差を検出する第2差圧検出器と、第2差
圧検出器によって検出された第2圧力差に基づいて第2
閉空間の第2圧力を調整する第2圧力調整手段と、第2
圧力調整手段により第2閉空間の第2圧力を大気圧より
も低く制御すると共に、第1圧力調整手段により第1閉
空間の第1圧力を第2圧力よりも高く制御する制御手段
とを備えることを特徴とする。
【0006】この請求項1記載の閉空間内雰囲気保持装
置によれば、第1閉空間内にガス等を充満させた場合
に、この第1閉空間からガスが洩れるようなことがあっ
ても、第1圧力調整手段によって第1閉空間内の第1圧
力を第2閉空間の第2圧力よりも高くしているので、こ
のガスは第2閉空間に流れ込む。この第2閉空間に流れ
込んだガスは、第2圧力調整手段によって第2閉空間内
の第2圧力が第2閉空間外の大気圧よりも低く設定され
ているので、圧力に抗して第2閉空間外に洩れることは
ない。したがって、第1閉空間にガスを充満させても、
このガスが第1閉空間から第2閉空間外の大気に洩れな
いようにすることができる。
【0007】また、請求項2記載の閉空間内雰囲気保持
装置は、第1閉空間内に搬入された物体を殺菌するため
に、第1閉空間に殺菌ガスを供給する殺菌ガス供給手段
を更に備えることを特徴とする。
【0008】この請求項2記載の閉空間内雰囲気保持装
置によれば、第1閉空間内に使用済みの介護用品や医療
用具などを搬入し、これら介護用品や医療用具等を第1
閉空間内に殺菌ガス供給手段から殺菌ガスを供給して殺
菌することができる。この場合に殺菌ガスは第2閉空間
外の大気に洩れないようにすることができる。
【0009】また、請求項3記載の閉空間内雰囲気保持
装置は、第1閉空間からの排ガスを処理する第1排ガス
処理器と、第2閉空間からの排ガスを処理する第2排ガ
ス処理器を更に備えることを特徴とする。
【0010】この請求項3記載の閉空間内雰囲気保持装
置によれば、第1閉空間に充満させたガスは第1排ガス
処理器によって排ガス処理を施されてから第2閉空間外
の大気に排気され、またこの第1閉空間内のガスが第2
閉空間に洩れたとしても、このガスは第2排ガス処理器
によって排ガス処理を施されてから第2閉空間外の大気
に排気される。
【0011】また、請求項4記載の閉空間内雰囲気保持
装置は、第2圧力調整手段を、第2閉空間内の空気を第
2閉空間外に排気する排気ユニットおよび第2閉空間外
の空気を第2閉空間内に給気する給気ユニットとで構成
し、排気ユニットと給気ユニットの間の個所に隔壁を設
け、給気ユニットから第2閉空間に給気された空気を、
第2閉空間内を循環させて排気ユニットから第2閉空間
外に排気させることを特徴とする。
【0012】この請求項4記載の閉空間内雰囲気保持装
置によれば、給気ユニットと排気ユニットとの間には隔
壁が設けられているので、給気ユニットによって第2閉
空間内に給気された空気は、第2閉空間内において隔壁
の給気ユニット側へ給気される。また、第2閉空間内か
ら排気ユニットによって排気される空気は、第2閉空間
内において隔壁の排気ユニット側から排気される。この
ため、第2閉空間内に給気された空気は、第2閉空間内
を循環した後、排気ユニットによって排気される。従っ
て、第1閉空間内にガス等を充満させた場合に、この第
1閉空間から第2閉空間内にガスが洩れるようなことが
あっても、このガスは第2閉空間内を循環しながら排気
ユニットによって排気される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施の形態にかかる閉空間内雰囲気保持装置を用いた
ホルムアルデヒドガス殺菌装置について説明する。
【0014】図1において、符号2は物体の殺菌を行う
ための殺菌室(閉空間画成手段)であり、この殺菌室2は
例えば使用済みの介護用品や医療用具等を搬入して殺菌
するための安全キャビネットであり、他にはバイオクリ
ーンルーム、試料調整クリーンルーム、手術室等のよう
に室内に固定された形態のもの、また救急車内、移動式
クリ−ンルーム、移動式手術室、テント式手術室等のよ
うに戸外に臨時的に固定された形態のものが考えられ
る。また、この殺菌室2の中は第1閉空間2aとなって
いる。殺菌室2の外側には、ビニールシート等からなる
囲いシート4(囲み手段)がこの殺菌室2を囲むようにし
て設けられている。この囲いシート4と殺菌室2との間
には第2閉空間4aが画成され、この第2閉空間4aは
第1閉空間2aの周囲に位置している。
【0015】殺菌室2の壁には第2閉空間4aの圧力
(第2圧力)に対して第1閉空間2aの圧力(第1圧
力)を所定の圧力に調整する第1室圧調整装置6が設け
られている。この第1室圧調整装置6は、第1閉空間2
aに第2閉空間4a外の空気を給気する給気ユニット8
と、第1閉空間2a内の空気を第2閉空間4a外に排気
する排気ユニット10とを備え、給気ユニット8および
排気ユニット10はコントロールユニット12(制御手
段)よって制御される。また、給気ユニット8および排
気ユニット10は、それぞれ第1閉空間2aに対して給
気を行う給気口8a、第1閉空間2aから排気を行う排
気口10aを有している。給気ユニット8は、第2閉空
間4a外の空気を取り込むための給気グリル14を有
し、この給気グリル14の下流側には、第2閉空間4a
外から第1閉空間2aに供給される空気量を調整するた
めの給気量調整電磁弁16が三つ設けられている。ま
た、給気量調整電磁弁16の下流側の空気通路内には送
風機18、HEPA(high efficiency particulate
air)フィルタ20が順次設けられている。
【0016】排気ユニット10は、排気通路内にHEP
Aフィルタ22を有し、このHEPAフィルタ22の下
流側に向けて第2閉空間4a外に排気される空気量を調
整するための排気量調整電磁弁24が三つ設けられてい
る。また、排気量調整電磁弁24の下流側には、白金触
媒およびヒータからなるエアー処理装置26が設けられ
ている。HEPAフィルタ20,22は、給気ガスおよ
び排気ガスがこの中を通過する際に、この給気ガスおよ
び排気ガス中に存在する細菌を除去する。しかし、HE
PAフィルタ22は排気ガス中のウィルスまでは除去す
ることができず、エアー処理装置26によってこのウィ
ルスを焼き殺して殺菌する。
【0017】ここで、このエアー処理装置26には、電
磁弁28を介して第2閉空間4a外の空気が供給され
る。この第2閉空間4a外の空気の供給により触媒の温
度を一定に保つことができる。さらに、排気量調整電磁
弁24の下流側には、送風機32及び第1排ガス処理器
34が設けられている。この第1排ガス処理器34は第
1閉空間2aからの排気ガス中におけるホルムアルデヒ
ドガス等の濃度を所望する程度に低くするものである。
送風機32は、エアー処理装置26を通過した空気およ
び給気グリル30から取り込んだ空気を第1室圧調整装
置6の外に排気するためのものである。
【0018】また、殺菌室2の壁には、第1閉空間2a
と第2閉空間4aとの圧力差を検出する第1微差圧検出
器36(第1差圧検出器)が設けられ、この第1微差圧検
出器36は信号線を介してコントロールユニット12に
接続されている。この第1微差圧検出器36によって検
出された圧力差の検出値は、検出信号としてコントロー
ルユニット12に出力される。
【0019】コントロールユニット12は、信号線を介
して給気ユニット8の給気量調整電磁弁16および送風
機18に接続され、また排気ユニット10の排気量調整
電磁弁24、電磁弁28および送風機32に接続されて
いる。コントロールユニット12は、第1微差圧検出器
36の検出値に基づいて、給気量調整電磁弁16、送風
機18、排気量調整電磁弁24および送風機36などの
制御を行い、第1閉空間2aの圧力を第2閉空間4aの
圧力よりも少し高く制御する。このように第1閉空間2
aの圧力を制御することにより殺菌されていない空気が
第1閉空間2a内に侵入するのを防止することができ
る。また、コントロールユニット12は、第1微差圧検
出器36による検出値を常時記憶する記憶部および記憶
部に記憶されている検出値を出力するプリンタなどの出
力部を有している。
【0020】囲いシート4には第2閉空間4a外の大気
の圧力に対して第2閉空間4aの圧力を所定の圧力にす
る第2室圧調整装置38が設けられ、この第2室圧調整
装置38は前記第1室圧調整装置8と同じ構成からなっ
ている。そこで、この第2室圧調整装置38を簡略に説
明する。第2室圧調整装置38は第2閉空間4aに第2
閉空間4a外の空気を給気する給気ユニット40と、第
2閉空間4a内の空気を第2閉空間4a外に排気する排
気ユニット42とを備え、この給気ユニット40および
排気ユニット42はコントロールユニット12によって
制御される。また、給気ユニット40および排気ユニッ
ト42は、それぞれ第2閉空間4aに対して給気を行う
給気口40a、第2閉空間4aから排気を行う排気口4
2aを有している。給気ユニット40は、第2閉空間4
a外の空気を取り込むための給気グリル43を有し、第
2閉空間4a外から第2閉空間4aに供給される空気量
を調整するための給気量調整電磁弁44、送風機46、
HEPAフィルタ48が上流側から順次設けられてい
る。
【0021】排気ユニット42は、HEPAフィルタ5
0を有し、その下流側に向けて第2閉空間4a外に排気
される空気量を調整するための排気量調整電磁弁52、
白金触媒およびヒータからなるエアー処理装置54が順
次設けられ、エアー処理装置54の下流側には送風機5
8及び第2排ガス処理器60が設けられている。この第
2排ガス処理器60は、第2閉空間4aからの排気ガス
中のホルムアルデヒドガス等の濃度を所望する程度に低
くするものである。送風機58は、エアー処理装置54
を通過した空気および給気グリル56から取り込んだ空
気を第2室圧調整装置38の外に排気するためのもので
ある。またこのエアー処理装置54は、電磁弁62を介
して供給される第2閉空間4a外の空気により触媒の温
度を一定に保つことができる。
【0022】第2閉空間4aにおいて、第2閉空間4a
外の空気を第2閉空間4a内に給気する給気口40a
と、第2閉空間4a内の空気を第2閉空間4a外に排気
する排気口42aとの間の個所には、第2閉空間4a内
を給気口40a側と排気口42a側とで分離するための
隔壁41が設けられている。
【0023】囲いシート4の壁には、第2閉空間4aと
第2閉空間4a外の大気との圧力差を検出する第2微差
圧検出器64(第2差圧検出器)が設けられ、この第2微
差圧検出器64は信号線を介して前記コントロールユニ
ット12に接続されている。この第2微差圧検出器64
によって検出された圧力差の検出値は、検出信号として
コントロールユニット12に出力され、このコントロー
ルユニット12によって第2閉空間4aの圧力を第2閉
空間4a外の大気圧よりも低く制御する。
【0024】ところで、殺菌室2には使用済みの介護用
品や医療器具等が搬入されるが、これら介護用品や医療
器具等を殺菌するためにこの殺菌室2の壁にはホルムア
ルデヒドガス殺菌装置66(殺菌手段)が設けられてい
る。ホルムアルデヒドガス殺菌装置66は、図2に示す
ようにハウジング68を有し、このハウジング68の図
2中左端側には第1閉空間2aにホルムアルデヒドガス
を供給して殺菌可能な状態(第1雰囲気)とするためのガ
ス入り口70が取りつけられ、また第1閉空間2aから
ホルムアルデヒドガスを排出するためのガス出口72が
取り付けられている。ハウジング68内には制御器74
が設けられ、この制御器74には第1閉空間2aに設け
られたホルムアルデヒド濃度センサ76、湿度センサ7
8、温度センサ80によってモニタされた値が制御ライ
ンを介して伝達される。
【0025】ハウジング68内には一対のポンプ84,
86が設けられ、一方のポンプ84は第2閉空間4a外
の空気をガス入り口70から第1閉空間2aへ導入する
ためのものであり、また他方のポンプ86は第1閉空間
2a内のガスを第1閉空間2a内から第2閉空間4a外
へ排出するためのものである。一対のポンプ84,86
間は環流通路88によって接続されており、ポンプ86
から出た排気ガスをこの還流通路88を通じて再びポン
プ84に導入することで第1閉空間2a内のガスを還流
させている。ハウジング68内には制御器74のほか
に、湿度調節器90、温度調節器92が設けられてお
り、この湿度調節器90、温度調節器92は制御器74
からの指示に基づいて第1閉空間2a内を温度20〜4
0℃、湿度50〜90%(相対湿度)となるように調節す
るためのものである。
【0026】また、ハウジング68内には、使用済みの
介護用品や医療用器具等を殺菌するために、ホルムアル
デヒドガスを発生させるホルムアルデヒドガス発生器9
4が設けられている。このホルムアルデヒドガス発生器
94は、制御器74の指示に基づきポンプ84,86等
と協働して第1閉空間2a内のホルムアルデヒドガス濃
度をガス濃度160ppm以上の状態で、所定時間(5
時間)維持する。なお、上述のホルムアルデヒド濃度
は、JIS K303に液体クロノトグラフ分析を組合
わせて測定したホルムアルデヒド自体の濃度である。ま
た、ハウジング内には排ガス処理器96が設けられてお
り、この排ガス処理器96は第1閉空間2a内のホルム
アルデヒドガスを処理してその濃度を低くする。
【0027】このホルムアルデヒドガス殺菌装置におい
て、使用済みの介護用品や医療用具等を殺菌する場合に
は、まずこれら介護用品や医療用具等を殺菌室2に搬入
する。第1閉空間2a内のホルムアルデヒドガス濃度、
湿度、温度を濃度センサ76、湿度センサ78、温度セ
ンサ80によりモニタし、これから得られた値により制
御器74で演算を行い、この制御器74によってホルム
アルデヒドガス発生器94、温度調節器92、湿度調節
器90等を制御し、第1閉空間2a内を所望する雰囲気
の状態にする。即ち、室内の温度、湿度、ホルムアルデ
ヒドガスの濃度がそれぞれ温度20〜40℃の範囲、湿
度50〜90%(相対湿度)の範囲、ホルムアルデヒド
ガス濃度160ppm以上とし、この状態を所定時間
(5時間)維持している間に、使用済みの介護用品や医
療用具を殺菌する。
【0028】ここで、第1閉空間2aを画成している殺
菌室2は密閉された構造になっているが、完全な密閉構
造にすることは難しい。第1閉空間2aにホルムアルデ
ヒドガスを充満させた場合に、殺菌室2からホルムアル
デヒドガスが洩れ出てしまう虞がある。このとき、第1
閉空間2a内の殺菌を完全に行うとともに第1閉空間2
aからホルムアルデヒドガスが第2閉空間4a外の大気
に洩れないようにしなければならず、そのために以下の
処理を行う。
【0029】即ち、図3のフローチャートに示す処理に
より、第1閉空間2a内の圧力を第2閉空間4a内の圧
力よりも10〜20Paだけ高い圧力に維持する。この
ように第1閉空間2aの圧力を制御することにより殺菌
されていない空気が第1閉空間2a内に侵入するのを防
止することができる。なお、このフローチャートに基づ
く制御は、コントロールユニット12により微小時間間
隔ごとに繰り返して行われる。
【0030】まず、コントロールユニット12は、第1
微差圧検出器36により検出された第1閉空間2aと第
2閉空間4aの圧力差(第1閉空間2a内の圧力から第
2閉空間4aの圧力を引いた圧力差)を取得し(ステッ
プS10)、コントロールユニット12の記憶部に記憶
する(ステップS11)。次に、第1微差圧検出器36に
よって検出された圧力差が10〜20Paの場合には
(ステップS12)正常な圧力であることから、ステップ
S10の処理に戻って、圧力差を検出し(ステップS1
0)、検出値を記憶する(ステップS11)などの処理を
続行する。
【0031】一方、第1微差圧検出器36によって検出
された圧力差が10Pa以下の場合には(ステップS1
2)、第1閉空間2a内の圧力が低すぎることからこの
第1閉空間2aへの給気を行う(ステップS14)。即
ち、給気量調整電磁弁16及び送風機18に制御信号を
送り給気量調整電磁弁16を所定時間開くと共に送風機
18の運転を行う。これにより第2閉空間4a外の空気
が給気量調整電磁弁16、HEPAフィルタ20を介し
て給気口8aから第1閉空間2a内に供給され、第1閉
空間2a内の圧力が給気量調整電磁弁16の開時間に対
応する値だけ上昇する。なお、第1閉空間2a内への給
気終了後、第1微差圧検出器36により検出された第1
閉空間2aと第2閉空間4aとの圧力差が、まだ10P
a以下の場合には、更に給気処理を行う (ステップS1
0〜ステップS12、ステップS14)。
【0032】また、第1微差圧検出器36により検出さ
れた第1閉空間2aと第2閉空間4aとの圧力差が20
Pa以上の場合には(ステップS12)、第1閉空間2
aの圧が高すぎることから第2閉空間4a外への排気を
行う(ステップS13)。即ち、排気量調整電磁弁24
及び送風機32に制御信号を送り排気量調整電磁弁24
を所定時間開くと共に送風機32の運転を行う。これに
より第1閉空間2a内の空気が排気口10aからHEP
Aフィルタ22、排気量調整電磁弁24、エアー処理装
置26を通じて第2閉空間4a外に排気され、第1閉空
間2a内の圧力が排気量調整電磁弁24の開時間に対応
する値だけ降下する。なお、第2閉空間4a外への排気
終了後、第1微差圧検出器36により検出された第1閉
空間2aと第2閉空間4aとの圧力差が、まだ20Pa
以上の場合には、更に排気処理を行う(ステップS10
〜ステップS13)。
【0033】排気を行う際に、排気ガス中に存在する細
菌はHEPAフィルタ22によって除去し、排気ガス中
のウィルスはエアー処理装置26によって焼き殺して殺
菌している。また、排気ガス中のホルムアルデヒドガス
は第1排ガス処理器34によってその濃度を所望する程
度に低くしている。
【0034】また、図4のフローチャートに示す処理に
より、第2閉空間4a内の圧力を第2閉空間4a外の大
気圧に対して−10〜−20Paに維持する。なお、こ
のフローチャートに基づく制御は、前記同様コントロー
ルユニット12により微小時間間隔ごとに繰り返して行
われる。
【0035】また、第2閉空間4aには、常に少量の空
気が給気ユニット40から供給されると共に、排気ユニ
ット42から排気されることにより、第2閉空間4a内
の空気を循環させている。即ち、給気ユニット40の給
気量調整電磁弁44及び送風機46に制御信号を送り給
気量調整電磁弁44及び送風機46の制御を行うと共
に、排気ユニット42の排気量調整電磁弁52及び送風
機58に制御信号を送り排気量調整電磁弁52及び送風
機58の制御を行うことにより、第2閉空間4a内の空
気を循環させている。
【0036】まず、コントロールユニット12は、第2
微差圧検出器64により検出された圧力差(第2閉空間
2a内の圧力から大気圧を引いた圧力差)を取得し(ス
テップS20)、コントロールユニット12の記憶部に
記憶する(ステップS21)。次に、圧力差が−20〜−
10Paの場合には(ステップS22)正常な圧力である
ことから、ステップS20の処理に戻って、圧力差を検
出し(ステップS20)、検出値を記憶する(ステップS
21)などの処理を続行する。
【0037】一方、第2微差圧検出器64によって検出
された第2閉空間4aと第2閉空間4a外との圧力差が
−20Pa以下の場合には(ステップS22)、第2閉空
間4a内の圧力が低すぎることからこの第2閉空間4a
への給気量を増大する(ステップS24)。即ち、給気ユ
ニット40の給気量調整電磁弁44に制御信号を送り給
気量調整電磁弁44を開く所定時間を長くする。これに
より第2閉空間4a外から供給される空気量が増大し、
第2閉空間4a内の圧力が上昇する。なお、第2閉空間
4a内への給気量を増大した後、第2微差圧検出器64
により検出された第2閉空間4a内と大気圧の圧力差
が、まだ−20Pa以下の場合には、更に給気量の増大
を続行する (ステップS20〜ステップS22、ステッ
プS24)。
【0038】また、第2微差圧検出器64により検出さ
れた圧力差が−10Pa以上の場合には(ステップS2
2)、第2閉空間4aの圧力が高すぎることから第2閉
空間4a外への排気量を増大する(ステップS23)。
即ち、排気ユニット42の排気量調整電磁弁52に制御
信号を送り排気量調整電磁弁52を開く所定時間を長く
する。これにより第2閉空間4a内から排気される空気
量が増大し第2閉空間4a内の圧力が降下する。なお、
第2閉空間4a外への排気量を増大した後、第2微差圧
検出器52により検出された第2閉空間4a内と第2閉
空間4a外の大気圧との圧力差が、まだ−10Pa以上
の場合には、更に排気量の増大を続行する(ステップS
20〜ステップS23)。
【0039】第2閉空間4a外から給気口40aを通し
て給気される空気は、給気口40aと排気口42aとの
間には隔壁41が設けられているので、第2閉空間4a
内において矢印方向へ圧送され、第2閉空間4a内を循
環して排気口42aを通して第2閉空間4a外へ排気さ
れる。
【0040】ここで、殺菌室2に充満させられているホ
ルムアルデヒドガスがこの殺菌室2から洩れた場合であ
っても、殺菌室2の外側には第1閉空間2a内の圧力よ
りも低く設定されている第2閉空間4aが位置している
ために、洩れたホルムアルデヒドガスはこの第2閉空間
4a内に流れ込む。囲いシート4によって画成される第
2閉空間4aは囲いシート4の外の大気圧よりも少し低
く設定されており、また第2閉空間4a内が循環させら
れる構造とあいまって、第2閉空間4a内のホルムアル
デヒドガスまたは細菌やウィルス等は圧力に抗して外に
洩れ出すようなことはない。
【0041】第2閉空間4aに洩れ出たホルムアルデヒ
ドガスまたは細菌やウィルス等は、第2閉空間内を循環
して排気口42aへ流れ込む。排気口42aへ流れ込ん
だホルムアルデヒドガスまたは細菌やウィルス等は、空
気とともにHEPAフィルタ50、排気量調整電磁弁5
2、エアー処理装置54、第2排ガス処理器60を介し
て第2閉空間4a外の大気に排気される。このとき、ホ
ルムアルデヒドガスは、第2排ガス処理器60によって
所望する濃度に処理されて第2閉空間4a外の大気に排
気される。また、排気ガス中に存在する細菌はHEPA
フィルタ50によって除去し、排気ガス中のウィルスは
エアー処理装置54によって焼き殺して殺菌する。
【0042】このホルムアルデヒドガス殺菌装置におい
ては、第1閉空間2a内の温度、湿度、ホルムアルデヒ
ドガスの濃度をそれぞれ温度20〜40℃の範囲、湿度
50〜90%(相対湿度)の範囲、ホルムアルデヒドガ
ス濃度160ppm以上で、かつ第1閉空間2aを第2
閉空間4aよりも10〜20Paだけ高い圧力に所定時
間維持して、使用済みの介護用品や医療用具等の殺菌が
終了すると、ホルムアルデヒドガス発生器94の作動を
停止させる。次に、ハウジング68内の排ガス処理器9
6によって第1閉空間2a内のホルムアルデヒドガス濃
度が所定の値よりも低くなるようにする。即ち、ポンプ
86から出た排ガスを還流通路88を通じて再びポンプ
84に導入して、第1閉空間2a内のホルムアルデヒド
ガスを循環させることにより、このガス濃度を徐々に低
下させ、所定の濃度よりも低くする。
【0043】ところで、第1閉空間2aと第2閉空間4
aとの圧力差及び第2閉空間4aとの圧力差と大気圧と
の圧力差は時系列的にコントロールユニット12の記憶
部に記憶されていることから、この記憶部に記憶されて
いる検出値を出力部により出力することができる。この
出力結果に基づいて第1閉空間2a、第2閉空間4a内
の圧力が常に所定の圧力に維持できていたことを保証す
ることができる。従って、ホルムアルデヒドガスが未処
理のまま外に漏れ出していないことの保証を行うことが
可能になる。
【0044】次に、本発明をバイオクリーンルームに適
用する場合、即ち殺菌室2としてバイオクリーンルーム
を用いる場合にについて説明する。
【0045】このバイオクリ−ンルーム2においては、
細菌を扱った実験等が行われるため、細菌がバイオクリ
−ンルーム2から第2閉空間4a外に洩れないようにす
る必要がある。そのために、例えば、第2閉空間4a内
の圧力を第2閉空間4a外の大気圧よりも40〜30P
aだけ低く制御し、第1閉空間2a内の圧力を第2閉空
間4aよりも10〜20Paだけ高い圧力、即ち第2閉
空間4a外の大気圧よりも10〜20Paだけ低い圧力
に制御する。
【0046】この場合には、第1閉空間2a内の圧力が
第2閉空間4a外の大気圧よりも低い圧力に制御されて
いるため、第1閉空間2a内の細菌等が第2閉空間4a
外に漏れ出すことを防止することができる。また、第2
閉空間4aには給気口40aから給気された空気を循環
させ、細菌の除去、排気処理を行った後に、第2閉空間
4a外に排出させているため、細菌等が第2閉空間4a
外に漏れ出すことを防止することができる。
【0047】なお、上述の実施の形態においては、ホル
ムアルデヒドガス濃度160 ppm以上の状態を5時
間維持することにより第1閉空間2(被殺菌空間)内の殺
菌を行っているが、この条件が最も実用的な条件であ
る。しかしながらホルムアルデヒドガス濃度300pp
m以上の状態を2時間維持することによっても、またホ
ルムアルデヒドガス濃度60ppm以上の状態を12時
間維持することによっても被殺菌空間2a内を殺菌する
ことができる。
【0048】この実施形態にかかるホルムアルデヒドガ
ス殺菌装置66のホルムアルデヒドガス発生器94には
特に限定はないが、湿度、温度の制御の下で高い濃度の
ホルムアルデヒドガスを発生可能であればよい。
【0049】ホルムアルデヒドガスによる殺菌効果は、
湿度の上昇に相関していることが知られていることか
ら、最適な湿度を保持しつつホルムアルデヒドを発生さ
せることが好ましい。具体的には、メタノールから、
(1)触媒を用いて発生させる手段、(2)超音波処理して
発生させる手段、(3)紫外線照射して発生させる手段等
が挙げられる。このホルムアルデヒドガス殺菌装置66
においては、特に(1)が好ましい。この際、同時に水が
副生成するが極めて少量である。
【0050】上述の触媒を用いて発生させる手段で用い
られる具体的な触媒として、白金、銅、アルミニウム、
又は炭素等、又それらの混合物が挙げられる。この触媒
を円筒状の容器に充填し、円筒状容器を温度調節して該
触媒を所定の温度に加熱、冷却する。所定の量のメタノ
ールをまず気化させ、触媒部分へ送り、触媒反応を開始
する。
【0051】ホルムアルデヒドガスの発生量の制御につ
いては、触媒の温度の制御、及び供給するメタノールの
量、又は気化量に依存する。反応条件の最適化は、実際
にホルムアルデヒドガスを発生させ、かつ適当なホルム
アルデヒド濃度測定を行うことにより可能である。具体
的には、所定のメタノール供給量に対し、触媒反応温度
と、ホルムアルデヒドガスの発生量の測定データから検
量線を作成することが可能である。例えば触媒として銅
を用いメタノール1000g使用した場合、ホルムアル
デヒドガス750gを約30分間で発生させることが可
能である。なお、メタノールを気化させるために加熱冷
却装置のみならず超音波処理等による気化方法を用いる
ことも可能である。
【0052】さらに、ホルムアルデヒドガスを発生させ
る手段として、メタノールに超音波照射処理、又は紫外
線照射処理をする手段がある。この場合には、メタノー
ルを適当な反応容器に入れ反応容器の外周又は内部に超
音波照射処理装置又は紫外線照射処理装置を設けること
により可能である。また、このホルムアルデヒドガス殺
菌装置66におけるホルムアルデヒドガスを発生させる
方法として、パラホルムアルデヒドを加熱して発生させ
る方法も好ましい。この場合加熱手段は特に制限はな
い。また、発生ガスの量は、加熱時間、加熱温度を制御
することで容易に制御可能となる。パラホルムアルデヒ
ドは通常市販品として入手可能である。発生したホルム
アルデヒドガスはそのまま若しくは外部からの適当なキ
ャリアガス(空気、不活性ガス)で希釈して用いること
も可能である。
【0053】ホルムアルでヒドガス殺菌装置66におい
て発生させるホルムアルデヒドガスの濃度は、このホル
ムアルでヒドガス殺菌装置66の発生器94を使用する
ことで容易に160ppm以上に維持することが可能で
ある。さらに、以下に説明する殺菌効果(若しくは滅菌
効果)を得るためにはより高濃度で発生させることも可
能である。
【0054】ホルムアルデヒドガス殺菌装置66におい
て、適当な濃度のホルムアルデヒドガス濃度を、適当な
温度の範囲内で長時間維持するために、被殺菌空間2a
内の温度を調節することが好ましい。この目的で設けら
れる温度調節手段は特には、制限はなく、通常公知の加
熱、または冷却装置が使用可能である。この際空間の容
積及びその形状にも依存するが、十分な熱交換容量を有
する装置を用いることにより実質的に温度のバラツキを
無視できる程度に調節可能である。ホルムアルデヒドガ
ス殺菌装置66の殺菌方法において好ましい温度範囲は
20〜40℃であり、より好ましくは常温である25〜
35℃の範囲である。しかしながら、この温度以外の温
度でも被殺菌空間2a内の殺菌は可能である。
【0055】ホルムアルデヒドガス殺菌装置66におい
て、適当な濃度のホルムアルデヒドガス濃度を、適当な
湿度の範囲内で長時間維持するために、この第1閉空間
2a内の湿度を調節することが好ましい。この目的で設
けられる湿度調節手段は特に制限はなく、通常公知の加
湿、または除湿装置が使用可能である。この際空間の容
積及びその形状にも依存するが、十分な加湿、または除
湿容量を有する装置を用いることにより実質的に湿度の
バラツキを無視できる程度に調節可能である。
【0056】ホルムアルデヒドガスによる殺菌効果が湿
度に依存することが知られているが、相対湿度が有る程
度以上高くなると、露結現象により結露が発生し、被殺
菌空間内に凝集することによりホルムアルデヒド、又は
その酸化物であるギ酸等が壁等に付着することとなる。
この場合、被殺菌空間内を汚染することとなる。
【0057】従って、このホルムアルデヒドガス殺菌装
置66においては、ホルムアルデヒドの殺菌効果を十分
発揮させ、かつ上記結露の現象が起こらない程度の湿度
を維持することが重要となる。この湿度の範囲は、温度
に依存するが、温度範囲が20〜40℃の範囲におい
て、相対湿度50〜90%の範囲(より好ましくは80
〜90%)である。この範囲より低い湿度では十分な殺
菌効果がえられず、また、この範囲より高い場合(90
%以上)は結露の発生により汚染が生じる可能性があ
る。
【0058】被殺菌空間2aの室内温度をモニタする方
法には特に制限はなく、通常の温度計を用いることが可
能である。また、モニタされた温度を制御器74に入力
するためには、手動で入力、又は自動で入力することが
可能である。従って、この制御器74において、特定の
時間における被殺菌空間2a内の温度が記憶されること
となる。
【0059】モニタされる温度の精度についても特に制
限はないが、約±1℃の測定精度があればよい。さら
に、複数のモニタ手段を設けることも可能である。この
場合は、室内での温度のバラツキがモニタ可能であり、
より正確な温度調節が可能となる。
【0060】被殺菌空間2aの室内湿度をモニタする方
法には特に制限はなく、通常の湿度計を用いることが可
能である。また、モニタされた湿度を制御器74に入力
するためには、手動で入力、又は自動で入力することが
可能である。従って、制御器74において、特定の時間
における被殺菌空間2a内の湿度が記憶されることとな
る。
【0061】モニタされる測定精度についても特に制限
はないが、20〜40℃の温度囲で、約±1%の測定精
度があればよい。さらに、複数のモニタ手段を設けるこ
とも可能である。この場合は、被殺菌空間2a内での湿
度のバラツキがモニタ可能であり、より正確な湿度調節
が可能となる。
【0062】被殺菌空間2a内のホルムアルデヒド濃度
をモニタする方法には特に制限はなく、通常の分析手段
を用いることが可能である。具体的には、ホルムアルデ
ヒド用センサを用いる方法や、空気サンプリングによる
ガスクロマトグラフ、イオンクロマトグラフによる方法
が挙げられる。モニタされた濃度を制御器74に入力す
るためには、手動で入力、又は自動で入力することが可
能である。従って、この制御器74において、特定の時
間における被殺菌空間2a内の濃度が記憶されることと
なる。
【0063】モニタされる測定精度についても特に制限
はないが、上記使用濃度範囲で、約±10ppmの測定
精度があればよい。さらに、複数のモニタ手段を設ける
ことも可能である。この場合は、被殺菌空間2a内での
濃度のバラツキがモニタ可能であり、より正確な濃度調
節が可能となる。
【0064】ホルムアルデヒドガス殺菌装置66におい
ては、被殺菌空間2a内の温度、湿度及びホルムアルデ
ヒド濃度を所定の範囲で、所定の時間維持する必要があ
る。被殺菌空間2a内のホルムアルデヒドガスの濃度
は、第1閉空間2a内で殺菌反応などの種々の反応によ
り減少する。従って、ホルムアルデヒドガスの濃度を一
定に維持するためには、設定時間内において、温度、湿
度、ホルムアルデヒド濃度データを取込み、かつ特定範
囲になるように、ホルムアルデヒドガス発生器94を制
御する必要がある。この目的のための制御方法、制御器
74については特に制限はないが、手動による方法、又
はコンピュータプログラムを用いた制御器が挙げられ
る。ホルムアルデヒドガス殺菌装置66においては、高
いホルムアルデヒド濃度を長時間維持する必要があるこ
とから、オンタイムに最適化しつつホルムアルデヒドガ
ス発生器94、ポンプ40,41、温度調節器92、湿
度調節器90に信号を送り、制御する機能を有するもの
が好ましい。
【0065】この制御器74の構成についても特に制限
はないが、好ましくは、(1)設定温度、設定湿度、設定
ホルムアルデヒド濃度等の入力手段(キーボード等)、
(2)温度、湿度、ホルムアルデヒド濃度モニタからの測
定データを記憶する手段(メモリ等)、(3)それらの値
の出力手段(表示又は印刷)、(4)測定データと設定値
の差を判別する手段、(5)温度調節系、湿度調節系、
及びホルムアルデヒドガス発生系への制御信号出力を有
するものである。ここで、上記(4)の手段により、ホル
ムアルデヒド濃度が設定値より低い場合には、上記(5)
の手段によりホルムアルデヒド発生装置に制御信号を送
り、原料メタノールを供給し、又は触媒反応温度を上昇
させてホルムアルデヒドガス発生量を増加させることを
可能とする。
【0066】ホルムアルデヒドガス殺菌装置66による
殺菌効果の測定方法、さらに対象となる細菌も特に制限
はなく、種々の公知の方法が適用可能である。具体的に
はISO規格のものが挙げられる。このホルムアルデヒ
ドガス殺菌装置66においては、特に市販の種々の形状
のバイオロジカルインジケータが、簡便でありかつ再現
性良く使用可能である。具体的にはストリップス型(試
験紙タイプ)のものや、プルーフ型のものが使用可能で
あり、使用可能な細菌としては、Bacillus subtilis, v
ar. niger(ATCC No.9372)や、Bacillus stearothemop
hilus(ATCC No.7953)が好ましく使用可能である。
【0067】また、殺菌効果を判定するために、通常
は、(1)上記試験紙等を被殺菌空間2a内の複数の選択
された場所に設置し、(2)本発明に係る方法を用いてホ
ルムアルデヒドガス殺菌処理した後に、(3)該試験紙を
適当な培地を用いて培養し、その生存細菌の有無で、陰
性(生存細菌なし)又は陽性(生存細菌あり)を判別す
る。従って、係る判別方法は殺菌効果を示すと同時に滅
菌効果をも示すものである。
【0068】この培養条件は、具体的には、細菌Bacill
us subtilis, var.niger(ATCC No.9372)の場合は、ト
リプソウヤブイオン培地(30〜35℃±1.0℃)で7日間
の培養、また細菌 Bacillus stearothemophilus (ATCC
No.7953)の場合は、トリプソウヤブイオン培地(55〜60
℃±1.0℃)で7日間以上の培養が好ましく使用可能で
ある。
【0069】ホルムアルデヒドガス発生装置66に係る
方法を用いた場合の上記判別方法による殺菌効果は、具
体的には、Bacillus subtilis, var.niger(ATCC No.93
72)106オーダーのものを使用し、またBacillus stear
othemophilus (ATCC No.7953) 106オーダーのものを
使用した場合に陰性(すなわち滅菌を意味する)を示す
ものである。
【0070】また、ホルムアルデヒドガス発生装置66
において使用可能なホルムアルデヒドガスを含む排ガス
の処理方法、処理器についても特に制限はない。通常公
知の処理方法である、スクラバによる洗浄方法、吸収剤
による吸収方法、適当な触媒を用いた分解反応による除
去方法、若しくはそれらの組み合わせ方法が挙げられ
る。処理の程度、処理の容量については、処理するホル
ムアルデヒドガスの濃度、混在する不純物、被殺菌空間
2aの容量、排出基準値を考慮して適当に選択すること
は容易である。
【0071】ホルムアルデヒドガス殺菌装置66のハウ
ジング68は特に制限はなく、この装置を設置し、また
は取り外し、搬送する際に容易に一体して取り扱うこと
が可能である。また移動手段を備えているものも含まれ
る。
【0072】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、第1閉空
間内にガス等を充満させた場合に、この第1閉空間から
ガスが洩れるようなことがあっても、このガスは第1閉
空間よりも圧力が低い第2閉空間に流れ込み、この流れ
込んだガスは第2閉空間内の圧力が第2閉空間外の大気
圧よりも低く設定されているので、圧力に抗して第2閉
空間外に洩れるようなことはない。したがって、第1閉
空間にガスを充満させても、このガスが第1閉空間から
第2閉空間外の大気に洩れるようなことはない。
【0073】請求項2記載の発明によれば、第1閉空間
内に使用済みの介護用品や医療用具などを搬入し、これ
ら介護用品や医療用具等を第1閉空間内に殺菌ガスを供
給して殺菌することができ、このとき殺菌ガスは第2閉
空間外の大気に洩れるようなことはない。
【0074】請求項3記載の発明によれば、第1閉空間
に充満させたガスは排ガス処理を施してから第2閉空間
外の大気に排気され、またこの第1閉空間内のガスが第
2閉空間に洩れ出たとしても、このガスは排ガス処理を
施してから第2閉空間外の大気に排気される。
【0075】請求項4記載の発明によれば、第2閉空間
外から給気ユニットによって給気される空気は、給気ユ
ニットと排気ユニットとの間には隔壁が設けられている
ために、第2閉空間内を循環する。このため、第1閉空
間内にガス等を充満させた場合に、この第1閉空間から
第2閉空間内にガスが洩れるようなことがあっても、こ
のガスは第2閉空間内を循環しながら排気ユニットによ
って排気される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる閉空間内雰囲気保
持装置の概略全体図である。
【図2】ホルムアルデヒドガス殺菌装置のブロック図で
ある。
【図3】この閉空間内雰囲気保持装置の作動を示すフロ
ーチャートである。
【図4】この閉空間内雰囲気保持装置の作動を示すフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
2…殺菌室、2a…第1閉空間、4…囲いシート、4a
…第2閉空間、6…第1室圧調整装置、12…コントロ
ールユニット、34…第1排ガス処理器、36…第1微
差圧検出器、38…第2室圧調整装置、60…第2排ガ
ス処理器、64…第2微差圧検出器、66…ホルムアル
デヒドガス殺菌装置。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1閉空間を画成する閉空間画成手段
    と、前記閉空間画成手段を外側から囲んで前記第1閉空
    間の外側に第2閉空間を画成し、前記第2閉空間の外側
    には大気が存在する囲み手段と、前記第1閉空間と前記
    第2閉空間との第1圧力差を検出する第1差圧検出器
    と、前記第1差圧検出器によって検出された前記第1圧
    力差に基づいて前記第1閉空間の第1圧力を調整する第
    1圧力調整手段と、前記第2閉空間と大気との第2圧力
    差を検出する第2差圧検出器と、前記第2差圧検出器に
    よって検出された前記第2圧力差に基づいて前記第2閉
    空間の第2圧力を調整する第2圧力調整手段と、前記第
    2圧力調整手段により前記第2閉空間の前記第2圧力を
    大気圧よりも低く制御すると共に、前記第1圧力調整手
    段により前記第1閉空間の前記第1圧力を前記第2圧力
    よりも高く制御する制御手段とを備えることを特徴とす
    る閉空間内雰囲気保持装置。
  2. 【請求項2】 前記第1閉空間内に搬入された物体を殺
    菌するために、前記第1閉空間に殺菌ガスを供給する殺
    菌ガス供給手段を更に備えることを特徴とする請求項1
    記載の閉空間内雰囲気保持装置。
  3. 【請求項3】 前記第1閉空間からの排ガスを処理する
    第1排ガス処理器と、前記第2閉空間からの排ガスを処
    理する第2排ガス処理器を更に備えることを特徴とする
    請求項1又は請求項2記載の閉空間内雰囲気保持装置。
  4. 【請求項4】 前記第2圧力調整手段を、前記第2閉空
    間内の空気を前記第2閉空間外に排気する排気ユニット
    および前記第2閉空間外の空気を前記第2閉空間内に給
    気する給気ユニットとで構成し、前記排気ユニットと前
    記給気ユニットの間の個所に隔壁を設け、前記給気ユニ
    ットから前記第2閉空間に給気された空気を、前記第2
    閉空間内を循環させて前記排気ユニットから前記第2閉
    空間外に排気させることを特徴とする請求項1〜請求項
    3の何れか1項に記載の閉空間内雰囲気保持装置。
JP2001167604A 2001-06-04 2001-06-04 閉空間内雰囲気保持装置 Pending JP2002355278A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001167604A JP2002355278A (ja) 2001-06-04 2001-06-04 閉空間内雰囲気保持装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001167604A JP2002355278A (ja) 2001-06-04 2001-06-04 閉空間内雰囲気保持装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002355278A true JP2002355278A (ja) 2002-12-10

Family

ID=19009966

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001167604A Pending JP2002355278A (ja) 2001-06-04 2001-06-04 閉空間内雰囲気保持装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002355278A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012035013A (ja) * 2010-08-11 2012-02-23 Miura Co Ltd ガス滅菌装置
JP2012231917A (ja) * 2011-04-28 2012-11-29 Panasonic Healthcare Co Ltd アイソレータ
JP2014018166A (ja) * 2012-07-20 2014-02-03 Kazuo Watabe 巣板の消毒装置及びその消毒方法。
JP2014171587A (ja) * 2013-03-07 2014-09-22 Takeda Chem Ind Ltd バイオハザード施設の除染方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62132550A (ja) * 1985-12-05 1987-06-15 Shinwa Tec Kk 安全キヤビネツト
JPS62186148A (ja) * 1986-02-10 1987-08-14 Daikin Plant Kk 室圧制御システム
JPH0244135A (ja) * 1988-08-04 1990-02-14 Shimizu Corp 室圧制御システム
JPH09503704A (ja) * 1993-07-16 1997-04-15 クレフテンス・ベケンペルセ 操作の実行方法及びその装置
JP2001037851A (ja) * 1999-07-27 2001-02-13 Bosch Automotive Systems Corp オゾン殺菌装置および方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62132550A (ja) * 1985-12-05 1987-06-15 Shinwa Tec Kk 安全キヤビネツト
JPS62186148A (ja) * 1986-02-10 1987-08-14 Daikin Plant Kk 室圧制御システム
JPH0244135A (ja) * 1988-08-04 1990-02-14 Shimizu Corp 室圧制御システム
JPH09503704A (ja) * 1993-07-16 1997-04-15 クレフテンス・ベケンペルセ 操作の実行方法及びその装置
JP2001037851A (ja) * 1999-07-27 2001-02-13 Bosch Automotive Systems Corp オゾン殺菌装置および方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012035013A (ja) * 2010-08-11 2012-02-23 Miura Co Ltd ガス滅菌装置
JP2012231917A (ja) * 2011-04-28 2012-11-29 Panasonic Healthcare Co Ltd アイソレータ
JP2014018166A (ja) * 2012-07-20 2014-02-03 Kazuo Watabe 巣板の消毒装置及びその消毒方法。
JP2014171587A (ja) * 2013-03-07 2014-09-22 Takeda Chem Ind Ltd バイオハザード施設の除染方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2001026697A1 (fr) Sterilisateur au formaldehyde gazeux
JP2722228B2 (ja) 気相過酸化水素による生活細胞またはその近傍の表面の汚染除去方法
US11648327B2 (en) Apparatus and method for sterilizing endoscope
US20090081075A1 (en) Method of sterilization and sterilization apparatus
KR101465563B1 (ko) 습윤이산화염소가스를 이용한 멸균장치 및 멸균방법
EP1166802B1 (en) Method for rapidly determining the acceptability of loads to be sterilized
US7025932B2 (en) Control of gaseous sterilization
EP2517736A1 (en) Device for gas sterilization
US7858026B2 (en) Detection of sterilisation vapour condensation point
US8007717B2 (en) Method and apparatus for decontaminating a region without dehumidification
JP2006204889A (ja) 滅菌方法及び装置
US9937275B2 (en) Gas sterilization/disinfection system and method for fluid conduits
JP2007159820A (ja) オゾン殺菌方法及びその装置
JP2016154835A (ja) 除染装置および除染方法
JP2006116095A (ja) 除染用ガス投入排気システム
KR20180061014A (ko) 독립형 진공 챔버를 갖는 멸균 시스템
JP3681538B2 (ja) 滅菌方法、滅菌装置及び無菌試験装置
JP2002355278A (ja) 閉空間内雰囲気保持装置
JP2007202677A (ja) 滅菌装置
JP2008188043A (ja) 殺菌ガス浸透装置
JP4433296B2 (ja) 活性酸素殺菌装置及び活性酸素殺菌方法
US20230115895A1 (en) Sterilizing method and sterilizer
JP4174977B2 (ja) オゾン滅菌装置
US11766494B2 (en) Sterilizing method and sterilizer
JP2010057597A (ja) プレフィルドシリンジの除染方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080324

RD13 Notification of appointment of power of sub attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7433

Effective date: 20100906

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100907

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100907

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100907

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101020

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110301