JP2002272317A - 種卵の保存方法及びその装置 - Google Patents

種卵の保存方法及びその装置

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JP2002272317A
JP2002272317A JP2001083935A JP2001083935A JP2002272317A JP 2002272317 A JP2002272317 A JP 2002272317A JP 2001083935 A JP2001083935 A JP 2001083935A JP 2001083935 A JP2001083935 A JP 2001083935A JP 2002272317 A JP2002272317 A JP 2002272317A
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JP2001083935A
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Toshiaki Tatsumi
俊彰 巽
Hiroyuki Sawa
裕之 澤
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Iwatani International Corp
Mie Prefecture
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Iwatani International Corp
Mie Prefecture
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分高い孵化率を確保することができるもの
でありながら、種卵の保存期間を延長できる方法及び装
置を提供することを目的とする。 【解決手段】 採卵後消毒した種卵を貯卵庫に収容す
る。この貯卵庫内を室温10±3℃で温度変動幅±0.
5℃、かつ湿度70%以上の高湿度に維持するとととも
に、貯卵庫内のオゾンガス濃度が2〜3ppmの濃度と
なる状態にオゾンガスを庫内に噴射し、貯卵庫内の雰囲
気を残存酸素5±1%の低酸素雰囲気に維持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鶏卵を孵化させる
にあたり、種卵の保存期間を延長させることのできる保
存方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】鶏卵を孵化させる場合、孵卵器に入卵あ
るいは、抱鶏に抱卵後させて21日で孵化する。このた
め、養鶏農家や雛供給業者は、雛の供給時期を調整する
為に、種鶏から生産される種卵を保存して孵化の時期を
調整している。
【0003】鶏卵の場合、受精卵の胚子は20℃で発育
を開始することから、種卵を貯蔵する際の温度は10〜
16℃程度に維持しておくことが望ましいとされてい
る。しかし、このような温度管理をしただけの保存期間
は7日程度であり、それ以上長く保存した種卵の孵化率
は80%を維持することが困難である。
【0004】そこで、貯卵庫内の空気雰囲気や保管時で
の貯卵庫の内圧を制御することにより保存期間の延長を
図ることができることが学術的に発表されている。これ
らの研究によれば、温度を10℃程度、卵内部からの水
分蒸散を抑制する為に湿度を高湿度に設定し、酸素濃度
を5%程度にすると2週間程度の保存期間が見込めると
されている。また、貯卵庫の内圧を減圧雰囲気にし、酸
素5〜10%の雰囲気にすると4週間経過後の孵化率は
53〜60%程度になるという報告もなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、貯卵庫内の湿
度を70%以上に保持した場合には、卵内部からの水分
蒸散は抑制できるが、卵殻表面で黴や細菌が増殖し、そ
の黴や細菌が卵殻の気孔から卵殻内に入り込み、その菌
由来の毒素で胚が死滅するものがあり、高い孵化率を維
持することができないという問題がある。孵化率が低い
と、孵化過程に入る種卵の量を多めに設定しなければな
らなくなり、その分貯卵する量も増加することになる。
さらに、貯卵する量を確保するために、種鶏の数も多く
しなければならない。
【0006】本発明は、このような点に着目し、十分高
い孵化率を確保することができるものでありながら、種
卵の保存期間を延長できる方法及び装置を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載した本発明方法は、採卵後消毒した種
卵を貯卵庫に収容し、この貯卵庫内を室温10±3℃で
温度変動幅±0.5℃、かつ湿度70%以上の環境に維
持するととともに、貯卵庫内を残存酸素5±1%の低酸
素雰囲気に維持し、貯卵庫への種卵搬入作動に連動して
庫内が2〜3ppmの濃度となる状態にオゾンガスを貯
卵庫内に噴射することを特徴としている。
【0008】また請求項2に記載した発明は、パージガ
スを窒素ガスとしたものであり、請求項3に記載した発
明は、パージガスを窒素ガスと酸素ガスの混合ガスある
いは窒素ガスと空気の混合ガスで構成したものである。
【0009】さらに、請求項4に記載した発明は、貯卵
庫への種卵搬入作業に連動して、貯卵庫内にオゾンガス
を噴射するようにしたものであり、請求項5に記載した
発明は、貯卵庫へ新たな種卵搬入がない場合にも、所定
の間隔で貯卵庫内にオゾンガスを噴出するようにしたあ
る。
【0010】請求項6に記載した本発明装置は、庫内の
温度と湿度とを制御可能に構成した種卵を貯蔵する貯卵
庫にパージガス供給路を連通接続するとともにオゾンガ
ス噴出口を配置し、貯卵庫内に酸素センサーを配置し、
貯卵庫内を室温10±3℃で温度変動幅±0.5℃、湿
度70%以上の低温高湿度の環境状態に制御する環境制
御手段と、酸素センサーの検出作動に基づき貯卵庫内を
酸素濃度5±1%の低酸素雰囲気に制御する雰囲気制御
手段と、オゾンガス噴出口から貯卵庫内が2〜3ppm
の濃度となる状態にオゾンガスを貯卵庫内に噴出するよ
うに制御するオゾンガス供給制御手段を貯卵庫に付設し
たことを特徴としている。
【0011】請求項7に記載した発明は、貯卵庫を区画
された前室と保管室とで構成し、前室に搬入口、保管室
に搬出口をそれぞれ開閉可能に形成するとともに、前室
と保管室との区画壁に連通口を開閉可能に形成し、前室
と保管室にそれぞれパージガス供給路を連通接続すると
ともにオゾンガス噴出口を形成したことを特徴としてい
る。
【0012】また、請求項8に記載した発明は、パージ
ガスを窒素ガスで構成したものであり、請求項9に記載
した発明は、パージガスを窒素ガスと酸素ガスとの混合
ガスあるいは窒素ガスと空気の混合ガスで構成したもの
である。
【0013】さらに、請求項10に記載した発明は、貯
卵庫への種卵搬入作業に連動して、貯卵庫内にオゾンガ
スを噴射するように構成したものであり、請求項11に
記載した発明は、貯卵庫へ新たな種卵搬入がない場合に
も、所定の間隔で貯卵庫内にオゾンガスを噴出する用に
構成したものである。
【0014】
【発明の作用】本発明では、貯卵庫内のガス雰囲気と、
温度・湿度等の環境条件を種卵の貯蔵に最適の条件を特
定したうえで、貯卵庫内にオゾンガスを噴射するように
していることから、貯卵庫への搬入時に卵の表面に付着
していたり貯卵庫外の大気中に存在している黴や細菌が
貯卵庫内に侵入することによる貯卵庫内の汚染を抑制す
ることができることになる。
【0015】
【発明の実施の形態】図は本発明装置の一例を示す概略
構成図であり、図中符号(1)は処理室内に設置した貯卵
庫である。この貯卵庫(1)は断熱構造に形成した恒温庫
で形成してあり、内部を前室(2)と保管室(3)とに区画
してあり、その区画壁(4)に開口形成した連通口(5)を
連通扉(6)で開閉可能に構成してある。なお、前室(2)
は種卵を複数行複数列に載置してなるトレーを上下複数
段に配置してなる保持台(7)を一基だけ収容できる大き
さに形成してあり、保管室(3)はその保持台(7)を複数
行複数列に整列させて収容できる大きさに形成してあ
る。また、前室(2)及び保管室(3)内には保持台(7)を
移送するためのコンベア装置(8)が配置してある。
【0016】前室(2)の外壁には搬入口(9)が開口形成
してあり、この搬入口(9)は入口扉(10)で開閉可能に構
成してある。また、この前室(2)にはパージガス供給口
(11)とオゾンガス噴出口(12)が形成されるとともに、パ
ージガス排出口(13)が形成してある。
【0017】保管室(3)の外壁には搬出口(14)が開口形
成してあり、この搬出口(14)は出口扉(15)で開閉可能に
構成してある。また、この保管室(3)にはパージガス供
給口(11)とオゾンガス噴出口(12)が形成されるととも
に、雰囲気ガス排出口(16)が形成してあり、保管室(3)
の内部には酸素センサー(17)、温度センサー(18)、湿度
センサー(19)が配置してある。
【0018】前室(2)及び保管室(3)に形成されている
パージガス供給口(11)にはパージガス供給路(20)が連通
接続してある。このパージガス供給路(20)は室内温度及
び湿度の室内環境を設定する系路をかねている。このた
め、パージガス供給路(20)は空調装置(21)から導出され
た配管路中に加湿器(22)を介装し、この加湿器(22)より
も上流側にパージガス供給源(23)からのパージガス注入
路(24)が接続している。そして、パージガス供給源(23)
としては、窒素ガス貯蔵容器やPSA等の窒素ガス生成
装置が使用される。
【0019】保管室(3)に形成されている雰囲気ガス排
出口(16)から導出した雰囲気ガス排出路(25)は空調装置
(21)に接続されており、保管室(3)内の雰囲気ガスを循
環させるように構成してある。また、雰囲気ガス排出路
(25)中に活性炭等の吸着剤を充填した吸着器(26)が介装
してあり、保管中の種卵から吐き出される二酸化炭素ガ
スを回収除去するようにしてある。
【0020】前室(2)及び保管室(3)に形成されている
オゾンガス噴出口(12)にオゾンガス供給路(27)が連通接
続してある。このオゾンガス供給路(27)はオゾン生成の
原料となる酸素ガス貯蔵容器(28)に接続してあり、上流
側からオゾン発生装置(29)と流量計(30)、流量調節弁(3
1)とが装着してある。オゾン発生装置(29)はオゾンガス
供給制御手段(32)からの指令で作動を開始し、発生オゾ
ンを供給するようにしてある。
【0021】保管室(3)内に配置した酸素センサー(17)
で保管室(3)内の雰囲気ガス中の酸素量を検出し、その
検出信号を酸素濃度計(33)に伝達し、酸素濃度計(33)出
の検出値が5±1%となるように、パージガス注入路(2
4)に介装した流量制御弁(34)を制御装置(35)に組込んだ
雰囲気制御手段(36)で開閉制御するように構成してあ
る。
【0022】また、保管室(3)内の温度と湿度からなる
環境条件を温度センサー(18)と湿度センサー(19)とで検
出し、この温度センサー(18)及び湿度センサー(19)の検
出作動に基づき制御装置(35)に組込んだ環境制御手段(3
7)で空調装置(21)や加湿器(22)の出力を調整するように
してある。
【0023】オゾンガスの供給系では、入口扉(10)並び
に連通扉(6)の搬入作業に伴う開閉時の閉扉動作に連動
してオゾンガス発生装置(29)を作動させてオゾンガスを
発生させ、前室(2)内及び保管室(3)内でのオゾンガス
濃度が2〜3ppmとなるようにオゾンガス供給路(27)
から供給されるオゾンガス流量をオゾンガス供給制御手
段(32)で制御するようにしてある。オゾンガスを噴出す
るようにしてある。また、このオゾンガス供給制御手段
(32)は扉の開閉作動がない場合でも一定時間ごと(例え
ば24時間ごと)に保管室(3)内でのオゾンガス濃度が
2〜3ppmとなるようにオゾンガスを噴出するように
構成してある。この場合、前室(2)あるいは保管室(3)
の内容積とオゾン発生装置(29)で生成されるオゾンガス
濃度とから前室(2)あるいは保管室(3)に噴出するオゾ
ンガス量を算出して、そのオゾンガス量を前室(2)ある
いは保管室(3)に噴出する。
【0024】なお、上述の実施態様では、パージ用ガス
として窒素ガス貯蔵容器からの窒素ガスやPSA装置等
の窒素ガス生成装置からの窒素ガスを使用したが、酸素
濃度が5±1 vol%となるように混合した酸素ガスと窒
素ガスとの混合ガスや、酸素濃度が5±1 vol%となる
ように混合した空気と窒素ガスとの混合ガスを使用する
ようにしてもよい。
【0025】次に、上述の装置を使用しての種卵保存方
法の手順を説明する。この種卵保存方法は図2に示すよ
うに、採卵工程、消毒工程、搬入工程、保管工程、出庫
工程からなっている。採卵工程及び消毒工程は従来手順
と同じであって、種鶏が産卵した種卵を収集し、この収
集した種卵を常法に従って、ホルマリン燻蒸等の消毒を
施す。この消毒を施した種卵のうち、保存にまわす種卵
をトレーに配列して保持台(7)に支持させる。次に、こ
の複数の種卵を整列配置した保持台(7)を貯卵庫(1)の
前室(2)に搬入する搬入工程に入る。
【0026】図3は搬入工程でのフロー図である。搬入
口(9)から保持台(7)が前室(2)内に搬入され、入口扉
(10)が閉じられると、前室(2)内は外気と同じ環境条件
並びにガス雰囲気になる。そこで、空調装置(21)からの
調整風がパージガス供給路(20)から前室(2)内に吹き込
まれ、前室(2)を室温10±3℃で温度変動幅±0.5
℃、湿度70%以上の低温・高湿度の環境に設定する。
そして、前室(2)内が所定の環境に調整されると、オゾ
ン発生装置(29)を作動させてオゾンガス供給路(27)から
前室(2)内にオゾンガスを噴出する。なお、オゾン発生
装置(29)で発生するオゾンガス濃度は5 vol%程度であ
ることから、この発生オゾンガス濃度と前室(2)の内容
積から前室(2)でのオゾンガス濃度が2〜3ppmとな
るオゾンガス量を算出して、そのオゾンガス量を前室
(2)に供給する。算出したオゾンガス量を噴射した後、
前室(2)内にパージガス供給路(20)からパージガスを添
加した調整風を前室(2)内に導入して、前室(2)内のガ
ス雰囲気が酸素ガス濃度5±1 vol%の範囲に収まるよ
うにパージガスの注入量を制御して、前室(2)内を低温
・高湿度・低酸素の雰囲気及び環境条件にする。
【0027】前室(2)内の雰囲気及び環境が調整される
と、連通扉(6)を開いて、前室(2)内の保持台(7)を連
通口(5)から保管室(3)に移送する。保管室(3)への保
持台(7)の移送の場合も前述の搬入処理と同様であり、
連通扉(6)の閉扉を確認すると、空調装置(23)から低温
・高湿度の状態に調整した調整風を保管室(3)に導入
し、オゾンガスを噴出し、パージガスを添加した調整風
を導入して雰囲気及び環境条件を調整する。
【0028】この保管室(3)への搬入処理時では、保管
室(3)に先行する保持台(7)が保管されていると、保管
室(3)内の雰囲気及び環境条件と前室(2)内の雰囲気及
び環境条件は同等であることから、保持台(3)内の環境
条件・雰囲気が壊れることはなく、環境調整や雰囲気調
整を短時間に行うことができる。
【0029】一方、保管室(3)内に先行する保持台(7)
が保管されていない場合には、前室(2)ヘの保持台(7)
の搬入時での前室(2)の環境及び雰囲気調整作業と並行
して、保管室(3)内をパージガスでパージすることによ
り、環境条件及び雰囲気の調整を行っておく。
【0030】この保管室(3)への搬入作業は、保管され
る種卵の貯蔵量が所定量になるまで、数日にわたってお
こなわれる。保管室(3)での貯蔵量が所定量に達する
と、孵化処理のために出庫するまで保管する。この保管
工程は図4に示すように、保管室(3)内に配置した温度
センサー(18)及び湿度センサー(19)で保管室(3)内の環
境条件を常時監視するとともに、酸素センサー(17)で保
管室(3)内のガス雰囲気を常時監視しておき、環境条件
やガス雰囲気が所定の温度・湿度範囲から外れたり、ガ
ス雰囲気が所定の酸素濃度範囲から外れると、パージガ
ス供給路(20)から調整風を導入したり、パージガスの添
加量を調整した調整風を導入したりして、保管室(3)内
の環境条件及びガス雰囲気を一定の状況に維持してお
く。そして、保管室(3)内への搬入操作がない状態、す
なわち連通扉(6)の開閉作動がない状態で一定時間(例
えば24時間)経過すると、保管室(3)内でのオゾンガ
ス濃度が2〜3ppmとなるオゾンガス量を算出して、
そのオゾンガス量を前室(2)に供給する。算出したオゾ
ンガス量を噴射する。この一定時間ごとのオゾンガス噴
射は出庫まで継続しておこなわれる。なお、この保管中
は種卵の胚部分に衝撃が作用しないように静置してお
く。
【0031】搬入処理時及び保管処理時でのオゾンガス
の噴出により、種卵の卵殻表面に付着している黴や細菌
を除菌するとともに、外部から前室(2)に流入する外気
中に存在している黴や細菌を除菌することができる。ま
た、入り込む外気中の黴や細菌と触れることによる貯卵
庫内壁面の汚染を抑制することができる。なお、このオ
ゾンガスの噴出を高湿度の状態で行っていることから、
オゾンガスの殺菌力を有効に利用することができ、低濃
度のオゾンガスで効率よく除菌処理することができる。
また、保管時に一定時間ごとにオゾンガス噴出を行うこ
とから、除菌作業を間歇的に継続的に行うことにより、
保管時での黴や細菌の増殖を抑制することができる。
【0032】上述の処理を行った場合と、大気圧下で庫
内温度8℃程度の冷蔵庫内に28日間保存した従来方式
の場合での孵化率は次のような結果が得られた。なお、
対象区のものは、同一ロットで産卵した種卵を24℃、
大気中で1日保存して孵卵器に入れて孵化処理したもの
である。
【0033】
【表1】
【0034】この結果、自然孵化に近い条件での対象区
のものが78〜85%程度の孵化率であるのに対し、本
発明方法を採用したものでは4週間保管後でも84〜9
0%と自然孵化と同等の孵化率を得ることができること
がわかる。一方、温度だけを調整して4週間保管した場
合の孵化率は26〜36%と自然孵化の孵化率の半分程
度しか得られない。
【0035】上記の実施態様では、貯卵庫(1)の内部を
直接的空調して、環境条件を調整しているが、貯卵庫
(1)を処理室内に設置し、この処理室の室内環境を10
±3℃で湿度を70%以上に維持しておき、搬入処理時
に貯卵庫(1)が開放されることで貯卵庫(1)内の環境条
件を処理室の環境条件と同一にするようにしてもよい。
また、パージガスとして5 vol%の酸素と95 vol%の
窒素からなる混合ガスや空気と窒素ガスとの混合ガスを
使用するようにしてもよい。
【0036】なお、貯卵にまわす種卵は、産卵後に短時
間のうちに収集したものを速やかに消毒処理したものが
適しており、種鶏としては若い鶏がより好ましい。ま
た、貯蔵していた種卵を孵化処理に入る際には、孵卵器
投入の2日前から段階的に予備加温処理をして24℃程
度まで戻しておくことが好ましい。
【0037】
【発明の効果】本発明では、貯卵庫の内部環境を室温1
0±3℃で温度変動幅±0.5℃、かつ湿度70%以上
に維持するとともに、貯卵庫内のガス雰囲気を残存酸素
5±1%の低酸素雰囲気に維持し、かつ、種卵の搬入操
作後に貯卵庫内が2〜3ppmの濃度となるようにオゾ
ンガスを噴出するようにしていることから、卵内部から
の水分の蒸散を抑制した状態で、かつ卵黄内の胚を休眠
状態に維持して貯蔵することができ、なおかつ、オゾン
ガスの殺菌作用で卵殻表面に付着したり流入空気中に含
まれている黴や細菌類を除菌することができるので、黴
や細菌が増殖しやすい多湿雰囲気でも、種卵に黴や細菌
が付着して種卵を死滅させることがなくなる。これによ
り、生命力のある状態で種卵を保存しておくことができ
ることから、孵化処理に移行しても高い孵化率を維持す
ることができる。
【0038】そして、高い孵化率を維持することのでき
る保存期間を延長することができることから、保存して
おく種卵の量を少なくしても所定数の雛鳥を得ることが
でき、雛鶏の出荷調整が行いやすくなり、種鶏場での種
鶏の数も少なくすることができ、コストを低減すること
ができる。また、優秀な雌鳥からこれまで以上に多くの
雛の増殖が可能となり、育種改良常の効果も大きいとい
う利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明方法の手順例を示すフロー図である。
【図3】搬入処理のフロー図である。
【図4】保管処理のフロー図である。
【符号の説明】
1…貯卵庫、2…前室、3…保管室、4…区画壁、5…
連通口、9…搬入口、12…オゾンガス噴出口、14…搬出
口、17…酸素センサー、23…パージガス供給路、37…環
境制御手段、36…雰囲気制御手段、32…オゾンガス供給
制御手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 澤 裕之 大阪府大阪市中央区本町3丁目4番8号 岩谷産業株式会社内 Fターム(参考) 3L053 BC05 BD01 3L055 AA07 DA11

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 採卵後消毒した種卵を貯卵庫に収容し、
    この貯卵庫内を室温10±3℃で温度変動幅±0.5
    ℃、かつ湿度70%以上の環境に維持するととともに、
    貯卵庫内のオゾンガス濃度が2〜3ppmの濃度となる
    状態にオゾンガスを貯卵庫内に噴射し、貯卵庫内を残存
    酸素5±1%の低酸素雰囲気に維持する種卵の保存方
    法。
  2. 【請求項2】 貯卵庫内を窒素ガスでパージして残存酸
    素5±1%の低酸素雰囲気に維持する請求項1に記載し
    た種卵の保存方法。
  3. 【請求項3】 貯卵庫内を窒素ガスと酸素ガスの混合ガ
    スあるいは窒素ガスと空気の混合ガスでパージして残存
    酸素5±1%の低酸素雰囲気に維持する請求項1に記載
    した種卵の保存方法。
  4. 【請求項4】 貯卵庫への種卵搬入作業に連動して、貯
    卵庫内にオゾンガスを噴射する請求項1〜3のいずれか
    1項に記載した種卵の保存方法。
  5. 【請求項5】 貯卵庫へ新たな種卵搬入がない場合に
    も、所定の間隔で貯卵庫内にオゾンガスを噴出する請求
    項1〜4のいずれか1項に記載した種卵の保存方法。
  6. 【請求項6】 庫内の温度と湿度とを制御可能に構成し
    た種卵を貯蔵する貯卵庫(1)にパージガス供給路(20)を
    連通接続するとともにオゾンガス噴出口(12)を配置し、
    貯卵庫(1)内に酸素センサー(17)を配置し、貯卵庫(1)
    内を室温10±3℃で温度変動幅±0.5℃、湿度70
    %以上の低温高湿度の環境状態に制御する環境制御手段
    (37)と、酸素センサー(17)の検出作動に基づき貯卵庫
    (1)内を酸素濃度5±1%の低酸素雰囲気に制御する雰
    囲気制御手段(36)と、オゾンガス噴出口(12)から貯卵庫
    (1)内が2〜3ppmの濃度となる状態にオゾンガスを
    貯卵庫(1)内に噴出するように制御するオゾンガス供給
    制御手段(32)とを貯卵庫に付設した種卵の保存装置。
  7. 【請求項7】 貯卵庫(1)を区画された前室(2)と保管
    室(3)とで構成し、前室(2)に搬入口(9)、保管室(3)
    に搬出口(14)をそれぞれ開閉可能に形成するとともに、
    前室(2)と保管室(3)との区画壁(4)に連通口(5)を開
    閉可能に形成し、前室(2)と保管室(3)にそれぞれパー
    ジガス供給路(23)を連通接続するとともにとオゾンガス
    噴出口(12)を形成した請求項6に記載した種卵の保存装
    置。
  8. 【請求項8】 パージガスを窒素ガスで構成した請求項
    6または請求項7に記載した種卵の保存装置。
  9. 【請求項9】 パージガスを窒素ガスと酸素ガスとの混
    合ガスあるいは窒素ガスと空気の混合ガスで構成した請
    求項6または請求項7に記載した種卵の保存装置。
  10. 【請求項10】 貯卵庫への種卵搬入作業に連動して、
    貯卵庫内にオゾンガスを噴射するように構成した請求項
    6〜9のいずれか1項に記載した種卵の保存装置。
  11. 【請求項11】 貯卵庫へ新たな種卵搬入がない場合に
    も、所定の間隔で貯卵庫内にオゾンガスを噴出する用に
    構成した請求項6〜10のいずれか1項に記載した種卵
    の保存装置。
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