JPH11169440A - 液体原料を貯蔵する貯蔵タンクの殺菌方法及び殺菌装置 - Google Patents

液体原料を貯蔵する貯蔵タンクの殺菌方法及び殺菌装置

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JPH11169440A
JPH11169440A JP9345238A JP34523897A JPH11169440A JP H11169440 A JPH11169440 A JP H11169440A JP 9345238 A JP9345238 A JP 9345238A JP 34523897 A JP34523897 A JP 34523897A JP H11169440 A JPH11169440 A JP H11169440A
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liquid
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ultraviolet
tank
irradiation
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Takayuki Kamura
隆之 加村
Shunjiro Sarutani
俊二郎 猿谷
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Lion Corp
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  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 界面活性剤、水溶性高分子含有液体などの液
体原料を貯蔵する貯蔵タンクの殺菌方法及びその殺菌装
置を提供する。 【解決手段】 液体原料10を貯蔵するタンク11と、
該タンク11の内壁面11a及び液体表面10aに紫外
線を照射する紫外線照射手段20と、紫外線の照射強度
を制御する制御手段30と、液体表面の高さを検出する
検出手段40とを備え、該検出手段40と上記制御手段
30とにより液体表面の高さに応じて上記液体表面にお
ける紫外線照射の紫外線照射強度を1.5〜50μW/
cm2とすることを特徴とする液体原料を貯蔵する貯蔵
タンクの殺菌装置A。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、界面活性剤、水溶
性高分子含有液体などの液体原料を貯蔵する貯蔵タンク
の殺菌方法及び殺菌装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、シャンプー、リンス、香粧品
関係の液体原料、特に、界面活性剤、水溶性高分子含有
水溶液原料においては、原料メーカー出荷時及び原料納
入時には菌等の微生物汚染は認められていないものであ
るが、防腐剤等を添加した水溶液原料等においても経時
で菌等の微生物が増殖するものがあり、最終製品の防腐
力アップだけでは、汚染リスク回避が、難しいことが分
かってきている。
【0003】例えば、保管時に微生物的注意を要する原
料としては、〔テトラデセンスルホン酸ナトリウム(3
5%溶液):AOS−Na〕、〔塩化ジメチルジアリル
アンモニウム・アクリルアミド共重合体(5.5%溶
液):カヤクリルレジン〕、〔アルカンスルホン酸ソー
ダ(30%):PS−Na〕、〔ラウロイルメチル−β
−アラニントリエタノールアミン液(30%):エナジ
コール L−30ANT〕、〔N−ヤシ油脂肪酸アシル
−L−グルタミン酸トリエタノールアミン(30%):
アミソフトCT−12S〕、〔シリコンエマルジョン
(40%)〕などが挙げられる。従って、これらの原料
等に対しては、品質低下等を防止する観点から原料保管
時の除菌・殺菌方法の探索と、適応出来る条件を検討す
る必要がある。
【0004】上記シャンプー、リンス、香粧品関係の液
体原料の汚染原因ついて、原料保管時、特に、貯蔵タン
ク保管時に経時で菌等の微生物が増殖する場合について
調査を行ったところ、タンク上部壁面に液滴・浮遊塵等
が付着し汚染されるケースが多いことが最近分かってき
た。すなわち、図8(a)に示すように、貯蔵タンク1
に液体原料〔塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アク
リルアミド共重合体(5.5%溶液)〕2を貯蔵した場合
の菌kを測定した結果、タンク天面1bでは、一般生菌
数は106個/g以上であり、タンク上部1aでは105
個/g、水滴・浮遊塵(露結)状態では、106個/g
以上であった。このような条件下では、図8(b)に示
すように、菌kが増殖して、液体原料2を汚染すること
となり、液体原料の殺菌の必要性が生じることとなり、
貯蔵タンク1保管時に菌等の微生物の汚染・増殖を防ぐ
必要がある。
【0005】上記液体原料等を殺菌する方法としては、
例えば、下記表1に示すように、熱処理により殺菌す
る方法、オゾン殺菌方法、紫外線殺菌方法、ろ過
除菌方法などを挙げることができるが、夫々下記表1に
記載のデメリットを有している。また、薬剤使用による
殺菌方法では、殺菌後、薬剤が液体原料に残留し、液体
原料が劣化するという課題があり、また、耐性菌の出現
が生じ、好ましくないものである。
【0006】
【表1】
【0007】上記表1に記載の熱処理による殺菌方
法、オゾン殺菌方法、紫外線殺菌方法、ろ過除菌
方法、並びに、上述の薬剤殺菌方法について検討すると
共に、更に、耐性菌の出現が生じないこと、薬剤が残留
しないこと、使用方法が簡便・容易で設置費用及びラン
ニングコストなどの点を勘案して総合的に検討したとこ
ろ、種・属の異なる微生物に対して殺菌効果がある紫外
線殺菌方法が一番有用であることが判明したが、上記表
1に記載の課題があるのも現状である。
【0008】一方、紫外線殺菌方法は、これまで各種産
業分野において数多くの技術が知られている。例えば、
特開平7−953号公報には、天然水貯水槽と、天然水
貯水槽内の天然水中に没入されて配設される紫外線殺菌
灯と、前記天然水貯水槽中の紫外線殺菌灯付近の天然水
とその他の天然水とを常時循環させる循環手段と、紫外
線殺菌済み天然水の導出口から構成されてなることを特
徴とする天然水貯蔵・供給装置が開示されており、ま
た、特開平7−308117号公報には、穀物の乾燥と
貯蔵とを同一の槽内で行うようにされた穀物乾燥貯蔵装
置の前記槽の上方部に殺菌殺虫作用のある紫外線放射装
置を取り付けたことを特徴とする穀物乾燥貯蔵装置が開
示されており、更に、特開平8−229550号公報に
は、紫外線殺菌槽内の水中に紫外線ランプが配置されて
いる紫外線殺菌装置において、紫外線殺菌槽内が複数の
区画に分画され、最大必要紫外線量に見合う数の複数の
紫外線ランプが、被処理水が導入される流入側に近い区
画内では紫外線量が多く、処理済の処理水が排出される
放流側に近い区画に行くに従って紫外線量が少なくなる
ように、各区画に分散して配置されていることを特徴と
する紫外線殺菌装置が開示されている。
【0009】これらの公報に開示される紫外線殺菌方法
等は、シャンプー、リンス、香粧品関係等の液体原料の
殺菌方法に適用できるものではなく、技術思想も相違す
るものである。すなわち、上記特開平7−953号公報
に開示の天然水貯蔵・供給装置は、飲食用の天然水等を
殺菌するものであるので、紫外線照射強度が高く、ま
た、紫外線殺菌灯が天然水貯水槽内の天然水中に没入さ
れて配設される構造であるので、当該装置を本発明の液
体原料の殺菌に適用した場合は液体原料の品質劣化を招
く場合があり、更に、粘度の高い液体原料を対象とする
場合は、紫外線殺菌灯の周囲に液体原料等が付着し、紫
外線照射が効率よく行われないという課題を有するもの
である。また、上記特開平7−308117号公報に開
示の穀物乾燥貯蔵装置の紫外線放射装置は、燻蒸剤又は
殺虫剤を用いることなく貯槽穀物に対する殺菌殺虫処理
を行うものであるので、紫外線照射強度が高く、当該装
置を本発明の液体原料の殺菌に適用した場合には液体原
料の品質劣化を招くという課題を有するものであり、し
かも、当該殺菌殺虫処理は微生物学的見地からの処理を
行うものではないものである。更に、上記特開平8−2
29550号公報に開示の紫外線殺菌装置も紫外線殺菌
槽内の水中に紫外線ランプが配置されている構造となる
ので、上記特開平7−953号公報に記載のものと同様
の課題を有するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来の課
題に鑑み、これを解消しようとするものであり、微生物
学的見地からシャンプー、リンス、香粧品関係等の貯蔵
液体原料の品質を劣化させずに、かつ、使用方法が簡便
・容易で設置費用及びランニングコストが低く、しか
も、効率的に確実な殺菌ができる液体原料を貯蔵する貯
蔵タンクの殺菌方法及び殺菌装置を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
の課題を解消しようとするものであり、微生物学的見地
からシャンプー、リンス、香粧品関係等の液体原料の殺
菌方法及び殺菌装置について鋭意検討した結果、液体原
料の品質を劣化させずに、菌等の微生物汚染の原因とな
る貯蔵タンク内壁面の付着物への雑菌繁殖等を防止する
ために、貯蔵タンク内壁面及び液体原料の液体表面に特
定範囲となる照射強度の紫外線を照射して殺菌すること
で、液体原料中への菌等の微生物の混入を防止できる上
記目的の液体原料を貯蔵する貯蔵タンクの殺菌方法及び
殺菌装置を得ることに成功し、本発明を完成するに至っ
たのである。
【0012】すなわち、本発明の液体原料を貯蔵する貯
蔵タンクの殺菌方法及び殺菌装置は、下記の(1)及び(2)
に存する。 (1) 液体原料を貯蔵する貯蔵タンクの殺菌方法におい
て、貯蔵タンク内壁面及び液体原料の液体表面に紫外線
を照射し、液体表面における紫外線照射強度が、1.5
〜50μW/cm2となるように、液体表面の高さに応
じて、紫外線の照射強度を制御することを特徴とする液
体原料を貯蔵する貯蔵タンクの殺菌方法。 (2) 液体原料を貯蔵するタンクと、該タンク内壁面及び
液体表面に紫外線を照射する紫外線照射手段と、紫外線
の照射強度を制御する制御手段と、液体表面の高さを検
出する検出手段とを備え、該検出手段と上記制御手段と
により液体表面の高さに応じて上記液体表面における紫
外線照射の照射強度を1.5〜50μW/cm2とする
ことを特徴とする液体原料を貯蔵する貯蔵タンクの殺菌
装置。
【0013】なお、本発明で規定する「液体原料」と
は、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオ
ン界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤な
どの各種界面活性剤、シリコンエマルジョン、カチオン
化セルロースなどの水溶性高分子、その他有機物や無機
物を含有する水性の液体原料をいい、シャンプー、リン
スなどの洗浄剤及びその関連製品、香料、化粧品関係に
使用される液体原料をいう。また、本発明で殺菌できる
対象物としては、例えば、枯草菌(胞子)などの細菌胞
子類、黄色ブドウ球菌などの球菌類、大腸菌、緑膿菌等
の桿菌類、酵母類、リゾープスなどのカビ類等の微生物
が挙げられるが、上記特定範囲となる照射強度の紫外線
照射で死滅できるものであれば、上記微生物に限定され
るものではない。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面などを参照して詳細に説明する。図1は、本発明の液
体原料を貯蔵する貯蔵タンクの殺菌装置の一実施形態を
示す概略図である。本実施形態の殺菌装置Aは、液体原
料10を貯蔵するタンク11と、該タンク11の内壁面
11a及び液体表面10aに紫外線(以下、「UV」と
いう)を照射する紫外線照射手段20と、UVの照射強
度を制御する制御手段30と、液体表面の高さを検出す
る検出手段40とを備えたものである。
【0015】タンク11には、上部に液体原料導入口部
12と下部に図示しない導出口部を有している。また、
紫外線照射手段20は、タンク11の上部に取り付けら
れた2基のUVランプ21、21を備え、該UVランプ
21、21はタンク11の内壁面11a及び液体表面1
0aにUVを照射するものとなっている。なお、UVラ
ンプ21、21は、UVをタンク11の内壁面11aの
全面及び液体表面10aの全面に行きわたるように球面
状UVランプ又はUVランプ周囲がレンズ面で構成され
ている。また、UVの照射強度を制御する制御手段30
は、UVランプ21、21の出力等を制御、例えば、点
灯、消灯の制御又は出力数を制御することにより、UV
の照射強度を制御するものである。本実施形態では、2
基のUVランプ21、21を使用するものであるので、
使用用途等に応じて、1基のUVランプ21を点灯し、
1基のUVランプ21を消灯して使用することもでき
る。検出手段40は、タンク11内に貯蔵される液体原
料10の液体表面10aの高さを検出するものであり、
液面感知レベル計から構成されたものである。
【0016】紫外線照射手段20によるUV照射強度
は、1.5〜50μW/cm2、好ましくは、2〜30
μW/cm2であることが望ましい。UV照射は、5h
r以上で殺菌効果があり、1W照射しても原料の劣化は
ないものである。UV照射強度が1.5μW/cm2
満であると、殺菌効果が不十分となり、UV照射強度が
50μW/cm2を越えると、原料が劣化することがあ
り、好ましくない。なお、UV照射強度と照射距離
(L)は、一般に、強度∝1/L2であるが、タンク1
1内は壁面(反射もあるが)で仕切られており、距離の
2乗に比例して照射面積が増加しないので、強度は、上
式より大となる。
【0017】また、上記紫外線照射手段20によるUV
照射量〔(UV照射強度)×(照射時間)〕は、0.5
〜500mW・min/cm2、好ましくは、1〜30
0mW・min/cm2とすることが望ましい。UV照
射量が0.5mW・min/cm2未満であると、殺菌
不十分となり、また、500mW・min/cm2を越
えると、液体原料が劣化することがあり、好ましくな
い。従って、紫外線照射強度の上限値、すなわち、タン
ク内の液体表面が更新されずに1W紫外線の照射を受け
る場合の液体が変質しない紫外線強度の上限値(タンク
に新原料が導入されるので1W以上液体が滞留すること
はない)は、(500mW・min/cm2)/(7日
×24hr×60min)=49.6μW/cm2であ
り、また、紫外線照射強度の下限値は、菌数が5時間で
10個/g以下(菌の増殖を抑制する程度)、すなわ
ち、(0.5mW・min/cm2)/(5hr×60
min)=1.7μW/cm2となる。この下限値及び
上限値の範囲(1.7〜49.6μW/cm2)は計算
値であり、殺菌対象とする微生物の種類、温度、湿度等
により若干変動するものである。当該計算値の範囲、並
びに、各種試験等により、紫外線強度を1.5〜50μ
W/cm2とすることにより本発明の目的を達成するこ
とができる。なお、上記紫外線照射強度1.5〜50μ
W/cm2は、液中照射タイプの水の殺菌用紫外線ラン
プ、紫外線強度0.1W以上/cm2より、かなり小さ
いものである。
【0018】このように構成される本発明範囲となる殺
菌装置では、タンクの寸法、紫外線照射手段に用いる紫
外線ランプの出力数(W数)、その数(基)が判れば、
紫外線強度を算出することができるものとなる。例え
ば、図2は、タンク10の内容積が30KL、高さ7m、
直径2.4mで、紫外線ランプが110W、2基を使用す
る場合において、紫外線強度Xとしたときに、液体原料
の液面が天井面から40cmのときの紫外線強度X1、液
体原料の液面が1/2のときの紫外線強度X2、液体原
料の液面がタンクの底のときの紫外線強度X3は、夫々
次の強度となる。 液体表面の面積:(2.4/2)2×3.14=4.52m2 槽壁面の面積:2.4×3.14×1=7.54m2/高さ1m当たり 液表面が上から40cmのとき 紫外線照射面積(天井除く):4.52+7.54×0.4=7.54
2 紫外線強度(ランプ1基):X1=6μW/cm2 なお、上記X1=6μW/cm2は、1カ月のUV照射量を200
mW・min/cm2になるように設定した場合の値4.63μW/cm2
に、ランプの経日劣化等を考慮して、安全率1.3倍と
して計算した値(4.63×1.3=6.019)である。 液面がタンク高さの1/2のとき 紫外線照射面積(天井除く):4.52+7.54×3.5=30.91
2 紫外線強度X2(ランプ1基):6×7.54/30.91=1.46
μW/cm2 紫外線強度X2(ランプ2基):1.46×2=2.92μW/cm2 液面がタンクの底のとき 紫外線照射面積(天井除く):4.52+7.54×7=57.3m2 紫外線強度X3(ランプ1基):6×7.54/57.3=0.8μW
/cm2 紫外線強度X3(ランプ2基):0.8×2=1.6μW/c
従って、本発明において、紫外線照射強度を1.5〜5
0μW/cmとするためには、液面がタンク高さの1
/2のときは紫外線ランプを2基使用することが必要と
なり、また、液面がタンクの底のときは紫外線ランプを
2基使用すると、紫外線照射強度が約1.5μW/cm
2となることが判る。
【0019】このように構成された殺菌装置Aは、上記
検出手段40と制御手段30とにより液体表面10aの
高さに応じて上記液体表面10aにおける紫外線照射の
紫外線照射強度を1.5〜50μW/cm2とすること
により、タンク11内の液体原料10の品質を劣化させ
ずに、タンク11の内壁面11aの全面及び液体表面1
0aの全面を殺菌し、菌等の微生物汚染の原因となるタ
ンク内内壁面11aの付着物への雑菌繁殖等を防止する
ものとなる。なお、本発明の殺菌装置は、上記実施形態
に限定されるものではなく、使用用途に応じて、UVラ
ンプ21の数を3基以上とすることもできる。
【0020】本発明の殺菌方法は、例えば、上記実施形
態の殺菌装置Aを使用して、タンク内壁面及び液体原料
の液体表面に紫外線を照射し、液体原料の液体表面にお
ける紫外線照射強度が、1.5〜50μW/cm2とな
るように、液体表面の高さに応じて、紫外線の照射強度
を制御するものであり、これにより、タンク内の液体原
料の品質を劣化することなく、タンクの内壁面及び液体
表面の全体を殺菌して、菌等の微生物汚染の原因となる
タンク内壁等の付着物への雑菌繁殖等を防止することが
できるものとなる。なお、本発明の殺菌方法は、タンク
内壁面及び液体原料の液体表面に紫外線を照射し、液体
原料の液体表面における紫外線照射強度が、1.5〜5
0μW/cm2となるように、液体表面の高さに応じ
て、紫外線の照射強度を制御するものであれば、上記実
施形態の殺菌装置Aに限定されるものではなく、どのよ
うな構造の殺菌装置であってもよいものである。
【0021】
【実施例】次に、実施例等により更に本発明を詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
ない。
【0022】(実施例1)試料として、〔N−ヤシ油脂
肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン
(30%)〕を液体原料とし、UV照射殺菌あり(サン
プル)とUV照射殺菌なし(ブランク)とを比較して菌
の抑制の有無試験を行った。貯蔵タンクは、140Lス
ケールタンクでモデル機を作製し、下記の試験方法
(1)〜(3)(試験条件、装置図:図3)で試験し
た。
【0023】(1)試験方法<試験条件> (a)UVランプと液対表面10aまでの距離:40cm (b)タンク内の試料の量:約40L(φ56cm、高さ
16cm) (c)サンプリング場所:天井、タンク側面、液表面。 (d)サンプリング時間:0〜30日 (e)初期菌数:枯草菌芽胞体(5×104個/メンブラン
フィルター) (f)培養方法:メンブランフィルター法により、35℃
で3日間培養後、培地上に発生した菌数を測定する。 (g)UV照射量:200mW・min/cm2(1カ月間
の照射量) UV照射強度:4.63μW/cm2
【0024】(2)タンク上部紫外線殺菌テスト結果
(菌数)を下記表2に示す。微生物(菌数)の測定は、
一般生菌数測定(個/g)で行った。 (3)UV照射量と菌の死滅と原料品質の関係を図4に
示す。なお、図4に示す原料性状変化:表面の評価基準
は、下記により行った。 (評価基準) ○:液表面に変化なく、においも変化なし。 △:液表面にごく微小の膜があるが、性状は変化なし。 ×:液表面が固化。
【0025】
【表2】
【0026】上記表2の結果から明らかなように、UV
照射殺菌なし(ブランク)の場合のタンク上部壁面は、
菌数が多過ぎてカウントできなかった。これに対して、
本発明範囲となるUV照射殺菌あり(サンプル)は、U
V照射殺菌の効果が良好であることが確認できた。ま
た、図4の結果から明らかなように、UV照射量が0.
56mW・min/cm2を経過すると菌数が10個/
g以下となり、1.11mW・min/cm2付近で菌
が死滅し、300mW・min/cm2を越えると、液
体原料表面の性状に若干の変化が現れ、455mW・m
in/cm2、特に、500mW・min/cm2を越え
ると液体原料表面の性状の変化が大きくなることが判明
した。
【0027】(試験例1) (1)殺菌テスト 下記試験条件及び図5の装置図により代表菌株による殺
菌効果についてテストを行った。 <試験条件> (a)UVランプと液対表面までの距離:40cm (b)サンプリング場所:天井、タンク側面、液表面。 (c)サンプリング時間:0,2,4,6,8,12時
間 (d)初期菌数:枯草菌芽胞体(5×104個/メンブ
ランフィルター) (e)培養方法:メンブランフィルター法により、35
℃で3日間培養後、培地上に発生した菌数を測定する。 (f)UV照射強度:4.63μW/cm2 上記試験により紫外線総照射量と菌の死滅について、図
6に示す結果が得られた。図6の結果から明らかなよう
に、UV照射量が0.56mW・min/cm2を経過
すると菌数が10個/g以下となり、1.11mW・m
in/cm2を境に菌が著しく死滅することが判明し
た。
【0028】(2)UV照射による液体原料の性状変化の
有無のテスト 紫外線照射量と品質(液体原料の原料表面)についての
試験 図6の装置図及び下記表3〜表8に記載のUV照射量、
経時により下記記載の各種液体原料の性状変化、すなわ
ち、外観、におい(OKは変化なし)、主要性状(OK
は変化なし)のテストを行った。これらの結果を下記表
3〜表8及び図7に示す。 表3の液体原料:テトラデセンスルホン酸ナトリウム
(35%溶液〕、 表4の液体原料:〔カヤクリルレジン:塩化ジメチルジ
アリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体(5.5
%溶液)〕 表5の液体原料:アルカンスルホン酸ソーダ(30%) 表6の液体原料:ラウロイルメチル−β−アラニントリ
エタノールアミン液(30%) 表7の液体原料:N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタ
ミン酸トリエタノールアミン(30%) 表8の液体原料:〔シリコンエマルジョン(40%)〕
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】
【表5】
【0032】
【表6】
【0033】
【表7】
【0034】
【表8】
【0035】上記表3〜表8及び図7の結果から明らか
なように、UV照射量が500mW・min/cm2
下、特に、455mW・min/cm2以下であれば特
に問題ないことが判明した。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、微生物学的見地からシ
ャンプー、リンス、香粧品関係等の貯蔵液体原料の品質
を劣化させずに、かつ、使用方法が簡便・容易で設置費
用及びランニングコストが低く、しかも、耐性菌等の発
生を防ぎ、効率的に確実な殺菌ができ、かつ、より一層
衛生的な製造管理ができる液体原料を貯蔵する貯蔵タン
クの殺菌方法及び殺菌装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例を示す殺菌装置の概略
図である。
【図2】本発明の実施形態における殺菌装置の紫外線照
射強度を説明するための説明図である。
【図3】(a)及び(b)は、本発明の実施例に使用し
た殺菌装置の概略図と上面図である。
【図4】実施例1における紫外線照射量と菌の死滅と原
料品質の関係を示す特性図である。
【図5】試験例1において使用した概略図である。
【図6】試験例1における紫外線照射量と菌の死滅との
関係を示す特性図である。
【図7】試験例1における紫外線照射量と原料品質の関
係を示す特性図である。
【図8】(a)及び(b)は、従来の液体原料の貯蔵タ
ンクの課題を説明するための説明図である。
【符号の説明】
A 殺菌装置 10 液体原料 10a 液体表面 11 タンク 11a タンク内壁面 20 紫外線照射手段 30 制御手段 40 検出手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体原料を貯蔵する貯蔵タンクの殺菌方
    法において、貯蔵タンク内壁面及び液体原料の液体表面
    に紫外線を照射し、液体表面における紫外線照射強度
    が、1.5〜50μW/cm2となるように、液体表面
    の高さに応じて、紫外線の照射強度を制御することを特
    徴とする液体原料を貯蔵する貯蔵タンクの殺菌方法。
  2. 【請求項2】 液体原料を貯蔵するタンクと、該タンク
    内壁面及び液体表面に紫外線を照射する紫外線照射手段
    と、紫外線の照射強度を制御する制御手段と、液体表面
    の高さを検出する検出手段とを備え、該検出手段と上記
    制御手段とにより液体表面の高さに応じて上記液体表面
    における紫外線照射の照射強度を1.5〜50μW/c
    2とすることを特徴とする液体原料を貯蔵する貯蔵タ
    ンクの殺菌装置。
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