JP4988991B2 - 小型試験装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、植物や家畜糞等のコンポスト化の過程を試験するための小型試験装置に関し、例えば大型のコンポスト化プラント等におけるコンポスト化過程を自在にシミュレーションすることができる小型試験装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
大型のコンポスト化プラントにおけるコンポスト化過程をシミュレーションするためには、コンポスト原料の中心部分における温度変化等を再現する必要がある。少量のコンポスト原料により大型のコンポスト化装置と同様の発酵過程を再現するためには、その熱容量の小ささのため、環境より意図しない放熱や吸熱が起こり、細菌相が変わってしまい再現性に問題があった。これを解決するために、小型の反応容器にコンポスト原料を収容し、この反応容器を擬似的に断熱して、反応容器内におけるコンポスト化の過程を再現する小型試験装置が存在する。
【0003】
この種の小型試験装置では、反応容器を温度調節用の水槽に浸漬する構造を有し、水槽に満たした水の温度を反応容器内部に設けた温度計の指標値に近づける制御を行う。これにより、反応容器が周囲から擬似的に断熱され、反応容器では、大型のコンポスト化プラントにおけるコンポスト化過程と同様のコンポスト化過程が進行するというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記小型試験装置では、熱容量が大きな熱媒体を使用しているため、擬似断熱効果を達成できるだけであり、コンポスト化プラント等におけるコンポスト化過程を様々な温度条件下でシミュレーションすることができない。
【0005】
また、上記小型試験装置では、擬似断熱の試験に際して反応容器に供給する空気の状態に配慮がされていないため、空気の供給に起因する外乱の影響を把握することができない。
【0006】
この発明課題は、コンポスト化過程を様々な温度条件下でシミュレーションすることができる小型試験装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の小型試験装置は、発酵体を収容する反応容器と、この反応容器を気体層を隔てて収容する温度調節用の外側容器とを備える小型試験装置であって、反応容器中の発酵体の温度に従って外側容器の温度を逐次変化させる温度追従手段と、外側容器の温度を調節することにより、予め指定した時刻に反応容器中の発酵体の温度を所定の温度に保持する温度保持手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
上記小型試験装置では、温度追従手段が反応容器中の発酵体の温度に従って外側容器の温度を逐次変化させるだけでなく、温度保持手段が、外側容器の温度を調節することにより、予め指定した時刻に反応容器中の発酵体の温度を所定の温度に保持するので、反応容器中の発酵体の温度を一定時間だけ所定の温度に保持する定値制御試験を行ったり、このような定値制御後に温度追従手段を利用して擬似断熱試験を行うことができる。
【0009】
また、請求項2記載の小型試験装置は、発酵体を収容する反応容器と、この反応容器を気体層を隔てて収容する温度調節用の外側容器とを備える小型試験装置であって、反応容器中の発酵体の温度に従って外側容器の温度を逐次変化させる温度追従手段と、外側容器の温度を調節することにより、予め指定した第1時刻から第2時刻の間に、反応容器中の発酵体の温度を第1温度から第2温度に徐々に変化させる温度強制手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
上記小型試験装置では、温度追従手段が反応容器中の発酵体の温度に従って外側容器の温度を逐次変化させるだけでなく、温度強制手段が、外側容器の温度を調節することにより、予め指定した第1時刻から第2時刻の間に、反応容器中の発酵体の温度を第1温度から第2温度に徐々に変化させるので、反応容器中の発酵体の温度を第1温度から第2温度に所望の曲線で連続的に変化させることができる。つまり、温度追従手段を利用して擬似断熱試験を行った際の温度変化曲線を利用して、再現性を試験したり、発酵量や発酵生物を最適化する温度パターンを決定することができる。
【0011】
また、請求項3記載の小型試験装置は、発酵体を収容する反応容器と、この反応容器を気体層を隔てて収容する温度調節用の外側容器とを備える小型試験装置であって、反応容器中の発酵体の温度に従って外側容器の温度を逐次変化させる温度追従手段と、反応容器に気体を供給する気体供給手段と、気体の温度、成分、及び流量の少なくとも1つを調節する気体供給調節手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
上記小型試験装置では、温度追従手段が反応容器中の発酵体の温度に従って外側容器の温度を逐次変化させる擬似断熱試験に際して、反応容器に供給する気体の温度、成分、及び流量の少なくとも1つを調節することができるので、反応容器に供給する気体の条件を様々に変化させて、発酵量や発酵生物を最適化する気体条件を決定することができる。
【0013】
また、請求項4記載の小型試験装置では、気体供給調節手段を制御して、反応容器中の発酵体の温度に従って反応容器に供給する気体の温度を逐次変化させる気体温度追従手段を更に備えることを特徴とする。
【0014】
上記小型試験装置では、擬似断熱試験に際して、反応容器に供給する気体による熱的外乱を低減して、より実際のコンポスト化プラント等に近い条件を設定することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態に係る小型試験装置について、図面を参照しつつ説明する。
【0016】
図1は、実施形態の小型試験装置の全体構造を説明するブロック図である。この小型試験装置は、反応容器11及び外側容器13による二重構造となっている試験装置本体10と、試験装置本体10の重量を計測する電子天秤20と、反応容器11の内部温度を計測する第1温度計30と、外側容器13の外周に設けたヒータ13aに適宜通電して外側容器13を加熱するヒータ駆動装置40と、外側容器13自体の温度を計測する第2温度計50と、反応容器11に空気等を含むガスを供給するガス源60と、反応容器11から出るガスを分析するガス分析装置70と、小型試験装置全体を統括的に制御する主制御装置90とを備える。なお上記のうち、ヒータ駆動装置40と主制御装置90は、温度制御回路を構成する。
【0017】
試験装置本体10は、反応容器11内部にふすまや家畜糞といった発酵物質COを収容する。反応容器11には、下部に入口部19aが設けられており、ガス源60から酸素、水分等を含む空気であるガスが供給される。発酵物質COから発生し或いはこれを通過したガスは、反応容器11上部の出口部19bを経てガス分析装置70に導入される。なお、反応容器11は、熱的な緩衝材として機能する空気層ARを介して外側容器13に収容される。この場合、反応容器11と外側容器13の間を空気層ARとしているが、この空間に空気以外の各種気体を収容しても同様の効果を得ることができる。
【0018】
電子天秤20は、試験装置本体10の質量を計測することができ、反応容器11中における発酵物質COの質量や、発酵物質COのコンポスト化に伴う質量変化を精密に逐次検出することができ、その結果をデジタルデータとして主制御装置90に出力する。
【0019】
第1温度計30は、測温抵抗体等の感熱素子からなり、温度計駆動装置32に駆動されて反応容器11の内部、すなわち発酵物質COの温度を精密に逐次検出することができ、その結果をデジタルデータとして主制御装置90に出力する。
【0020】
ヒータ駆動装置40は、外側容器13の外周に設けたヒータ13aに供給する電力を調節することができ、ヒータ13aによって外側容器13全体を適当に加熱させることができる。
【0021】
第2温度計50は、測温抵抗体等の感熱素子からなり、温度計駆動装置52に駆動されて外側容器13自体、すなわち外側容器13を構成する壁体の温度を精密に逐次検出することができ、その結果をデジタルデータとして主制御装置90に出力する。
【0022】
ガス源60は、図示を省略するが、空気を圧縮供給するコンプレサと、コンプレサからの空気の供給量を調節する流量計と、コンプレサからの空気の温度を調節する温度調節素子とを備える。なお、ガス源60には、成分添加装置62が接続されており、反応容器11の入口部19aに供給する空気に酸素、水蒸気、二酸化炭素等を適宜添加することができる。
【0023】
ガス分析装置70は、図示を省略するが、アンモニア、水蒸気等のトラップ、酸素センサ等を備え、反応容器11の出口部19bから排出されるガスの成分や量を分析することができ、その結果をデジタルデータとして主制御装置90に出力する。
【0024】
主制御装置90は、コンピュータ等からなり、電子天秤20、第1温度計30、第2温度計50、ガス分析装置70等から計測結果をデジタルデータとして受信し、その結果を経時変化として保存したり、統計的に分析することができる。さらに、主制御装置90は、第1温度計30や第2温度計50の計測結果をヒータ駆動装置40の出力制御に活用することができる。
【0025】
図2は、試験装置本体10の詳細な構造を説明する側方断面図である。試験装置本体10は、既述のように反応容器11を外側容器13に収容した二重槽となっている。
【0026】
内側の反応容器11は、ポリプロピレン等の樹脂材からなり、下部で窄まった円筒状の形状を有している。反応容器11の下端に設けた空気導用の入口部19aは、チューブ14に着脱自在に接続されており、このチューブ14を介して、図1のガス源60からの空気等が供給される。反応容器11の上部は、アルミニュウムで形成された封止部材15によって蓋がされており、OリングOL1によって反応容器11内の気密性が保たれている。この封止部材15は、外部容器13と熱的に結合されており、熱伝導率の高い材料で製作されているため、外部容器13の温度に十分追随する。この封止部材15には、反応容器11内部の堆肥化空間CSに延びる第1温度計30が固定されており、堆肥化空間CSの温度を計測することができる。また、封止部材15には、堆肥化空間CSのガスを採取する出口部19bが形成されており、堆肥化空間CSから排出されたガスを配管15cを介して図1のガス分析装置70に供給する。さらに、封止部材15の中央部には、反応容器11内の発酵物質を採取、観察等するためのサンプリング窓15aが設けられている。このサンプリング窓15aは、蓋部材16によって開閉可能になっており、OリングOL2によって反応容器11内の気密性を保つことができる。反応容器11内の底に近い部分には、発酵物質を収容する堆肥化空間CSの底となる多孔の底板部材17が固定されている。底板部材17の下側空間は、ガス供給ポートGPとなっており、入口部19aから供給されたガスを一旦貯留する。ガス供給ポートGPに供給されたガスは、底板部材17に設けた多数の通気口17aを介して堆肥化空間CSに供給される。
【0027】
外側容器13は、円柱状の内部空間に反応容器11を空気層ARを介して収容している。外側容器13の側壁は、ヒータ13aによって全体が被覆されている。外側容器13の本体13bは、アルミニュウム等の材料からなり、周囲のヒータ13aによって全体がほぼ均一に加熱される。本体13bの側壁内部には、第2温度計50が埋め込まれており、本体13bの温度を計測することができる。本体13bの底部には、開口13cが形成されており、反応容器11下端の突起である入口部19aが挿入されて外部に露出する。なお、開口13cにはOリングOL3が埋め込まれており、外側容器13の内部空間すなわち空気層ARの気密性を保つ。外側容器13の上端は、反応容器11の蓋を兼ねる封止部材15によって封止されている。さらに、反応容器11全体は、本体13bの下部から延びる支柱18を介して図1の電子天秤20に固定されている。
【0028】
図2の試験装置本体10を簡単化した熱系として考えると、発熱体である発酵物質を収容する堆肥化空間CSと、反応容器11と、空気層ARと、外側容器13の本体13bと、熱源であるヒータ13aとを直列に接続したものと考えることができる。例えば、堆肥化空間CSの温度を第1温度計30で計測しつつ、第2温度計50によって検出した本体13bの温度が第1温度計30の計測結果と等しくなるようにヒータ13aを駆動すれば、堆肥化空間CSと本体13bとの温度がほぼ等しくなり、熱的な均衡が保たれるので、堆肥化空間CSから空気層ARや外側容器13への熱の流出や、外側容器13から堆肥化空間CSへの熱の流入がほとんど相殺され、反応容器11が周囲から熱的に孤立する擬似断熱効果が得られる。この際、空気層ARがバッファとなって反応容器11が周囲温度の強い作用を受けることを防止することができる。すなわち、ヒータ13aの制御遅れやオーバーシュートによる熱の過剰な流入・流出が適度な時間遅れで作用する。これにより、反応容器11の熱的な安定性を高め、擬似断熱効果の精度をより高めることができる。なお、本体13bの肉厚をある程度厚くしているので、外側容器13がある程度の熱容量を持つことになり、ヒータ13aによる不均一な加熱を回避することができる。また、ヒータ13aと第2温度計50とを適度に離しているので、外側容器13の本体13bの温度をより正確に測定することができる。
【0029】
一方、図2の試験装置本体10では、反応容器11と外側容器13とを分離することができるので、反応容器11を熱変形に比較的弱い材料で形成することができる。また、反応容器11に発酵物質を充填した状態で別の装置にて事前に殺菌等の熱処理を施したり、反応容器11を複数準備してこれらを交換しつつコンポスト化の試験を行うことができる。また、試験後に反応容器11のみを洗浄したり、反応容器11を発酵物質とともに廃棄することもできる。さらに、反応容器11と外側容器13が構造上分離しているので、反応容器11とヒータ13aも分離され、漏電事故を未然に防止することができる。なお、反応容器11に収容される発酵物質は水分を多量に含むものも多く、発酵過程でも水分を発生するので、反応容器11と不可分にヒータ13aを設けた場合、漏電防止に配慮する必要が生じる。
【0030】
特に反応容器11をポリプロピレンで形成しているので、反応容器11を別のオートクレーブ殺菌装置で殺菌処理することができ、装置内を無菌状態にしてから、実験を開始することができる。なお、上記のようなオートクレーブ殺菌が行えない場合、アルコール等を用いた殺菌が必要になるが、このような殺菌剤は外乱要素となる可能性がある。また、反応容器11がポリプロピレン製であるので、金属材料で形成した場合のようにイオン(例えば銅イオンには殺菌効果があるといわれる)の流出がななく、反応系である発酵物質に影響を与える心配がない。さらに、金属容器と比較して不要な熱流が発生しにくく、擬似熱系の安定性をより高めることができる。
【0031】
以下、図1の小型試験装置の動作を説明する。まず、反応容器11の温度制御について説明する。
【0032】
反応容器11については、温度追従手段によって実現される温度追従モードと、温度保持手段によって実現される温度保持モードと、温度強制手段によって実現される温度強制モードとを含む3つのモードで温度調節が行われる。これらの動作モードは、主制御装置90にプログラムされており、オペレータの指示に従い、これらモードを単独で或いは適宜組み合わせて反応容器11の温度管理を行うことができる。反応容器11の温度管理に際して、主制御装置90は、第1及び第2温度計30、50の計測結果に基づいてヒータ駆動装置40を制御し、ヒータ13aによる外側容器13の加熱量を制御する。
【0033】
上記温度制御において、温度追従モードでは、反応容器11中の発酵物質CO温度計測結果に従って外側容器13の温度を逐次変化させる。具体的には、ヒータ13aの通電量をPID制御等の手法を利用して調節し、第2温度計50の計測値を第1温度計30の計測値(変動する目標値)に一致させる。
【0034】
温度保持モードでは、予め指定した時刻に反応容器11中の発酵物質COの温度を所望の温度値に保持する。具体的には、ヒータ13aの通電量をPID制御等の手法を利用して調節し、第1温度計30の計測値を一定の目標値に一致させる。この場合、第2温度計50の計測値は、第1温度計30の計測値よりもある程度小さくなり、反応容器11で発生した熱が外側容器13に流出することになる。
【0035】
温度強制モードでは、予め指定した時刻t1から時刻t2までの間に、反応容器11中の発酵物質COの温度を温度T1から温度T2に徐々に変化させる。具体的には、第1温度計30の計測値が所望の曲線を描くように、PID制御等の手法を利用してヒータ13aの通電量を調節する。なお、外側容器13の温度に対応する第2温度計50の計測値が所望の曲線を描くようにヒータ13aの通電量を調節することもできる。この場合、厳密には反応容器11の温度を制御することはできない。
【0036】
以上のような温度管理により、図1の小型試験装置を用いて以下に例示するような各種条件で実験を行うことができる。
【0037】
まず、実験の再現性を確保するため、温度保持モードで反応容器11を一定時間一定の温度に保ち、その後、温度追従モードで反応容器11を擬似断熱して発酵物質COの温度を自然に上昇させる。この場合、サンプルである発酵物質COを一定温度に保った後、発酵物質COの温度変化に伴って外側容器13の温度を逐次変化させる。このように、擬似断熱の前工程として温度を一定にする定値制御工程を設けることにより、発酵物質COの発酵過程における初期条件をほぼ一致させることができ、再現性の高い実験が可能になる。
【0038】
図3(a)は、上記の温度制御を概念的に説明するグラフであり、横軸は時間、縦軸は温度を示す。グラフからも明らかなように、時刻t0まで反応容器11中の発酵物質COの温度をT0に保持する。その後、反応容器11を擬似断熱して、反応容器11を自然な温度上昇に任せる。
【0039】
別の実験として、予め温度追従モードで反応容器11を擬似断熱して発酵物質COの温度を自然に上昇させ、その際の温度履歴を記憶しておく。次に、反応容器11中の発酵物質COを交換するなどして、温度強制モードで反応容器11の温度を調節する。この場合、温度追従モードで反応容器11を擬似断熱した際の温度履歴に一致するように反応容器11の温度を強制的に変化させる。このような実験では、当初の擬似断熱試験の再現性を確認することができる。
【0040】
さらに別の実験として、予め温度追従モードで反応容器11を擬似断熱して発酵物質COの温度を自然に上昇させ、その際の温度履歴を記憶しておく。このような温度履歴を温度的、時間的に変形した変形パターンをオペレータ側で設定し、この変形パターンに基づいて反応容器11の温度を強制的に調節する。このような実験では、発酵物質COの発酵パターンの最適化や発酵生成物の最適化を図る各種シミュレーションが可能になり、多様な実験結果を収集することが可能になる。
【0041】
図3(b)は、上記の温度制御を概念的に説明するグラフである。時刻t1に温度T1であった反応容器11中の発酵物質COの温度を、徐々に上昇させて時刻t2に温度T2としている。なお、一点鎖線は、予め行った擬似断熱試験の温度履歴を示しており、実線の変形パターンでは、擬似断熱の場合の温度変化に対してΔTだけ発酵物質COの温度を上昇させた条件で試験を行っている。
【0042】
さらに別の実験として、実際のコンポスト化プラントの外界条件等を考慮して任意の温度上昇パターンを設定し、この温度上昇パターンに基づいて反応容器11の温度を強制的に調節することもできる。このような実験では、実プラントの環境条件を考慮したシミュレーションが可能になる。
【0043】
以下、反応容器11へのガス供給の制御について説明する。反応容器11に供給されるガスの温度や流量は、ガス源60や成分添加装置62の制御によって適宜調節される。例えば、反応容器11に供給する空気等に含まれる水分量を調節するとともに、ガス分析装置70で排気ガス中の水分量を計測することにより、発酵物質COから発生した水分を計測することができる。同様にして、酸素の吸収量、アンモニアの発生量等を監視することができる。反応容器11に供給するガスは、パルス状に増減させることができる。これにより、実際のコンポスト化プラント等で外気を定期的に供給して換気を行う場合のシミュレーションが可能になる。
【0044】
反応容器11に供給するガスの温度は、気体温度追従手段によって実現される気体温度追従モードと、気体温度保持手段によって実現される気体温度保持モードと、気体温度強制手段によって実現される気体温度強制モードとを含む3つのモードで管理される。これらの動作モードは、主制御装置90にプログラムされており、オペレータの指示に従い、これらモードを単独で或いは適宜組み合わせて反応容器11の温度管理を行うことができる。
【0045】
気体温度追従モードでは、反応容器11中の発酵物質CO温度計測結果に従って反応容器11に供給するガスの温度を逐次変化させる。また、気体温度保持モードでは、予め指定した時刻、期間において反応容器11に供給するガスの温度を所望の温度値に保持する。さらに、気体温度強制モードでは、予め指定した時刻t1から時刻t2までの間に、反応容器11に供給するガスの温度を温度T1から温度T2に徐々に所望の率で変化させる。
【0046】
以上の気体温度追従モードでは、熱の漏洩が無くなり擬似断熱の効果を高めることができる。これにより、反応容器11内における熱収支を正確に測定することができる。また、気体温度保持モードや気体温度強制モードでは、供給ガスの温度を一定値にしたり所望の温度に時事刻々変化させることができるので、実際のコンポスト化プラント等の外気条件等を考慮して任意の温度上昇パターンを設定することができる。このような実験では、実プラント等の環境条件を考慮したシミュレーションが可能になる。
【0047】
以上、実施の形態に即して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、外側容器13の温度を調節するため、ヒータ13aとともにペルチエ素子やウォータジャケットを外側容器13の周囲に設けることができる。この場合、外側容器13のさらに自在な温度調節が可能になり、反応容器11を自在に温度制御することができる。
【0048】
【発明の効果】
請求項1記載の小型試験装置によれば、温度追従手段が反応容器中の発酵体の温度に従って外側容器の温度を逐次変化させるだけでなく、温度保持手段が、外側容器の温度を調節することにより、予め指定した時刻に反応容器中の発酵体の温度を所定の温度に保持するので、反応容器中の発酵体の温度を一定時間だけ所定の温度に保持する定値制御試験を行ったり、このような定値制御後に温度追従手段を利用して擬似断熱試験を行うことができる。
【0049】
また、請求項2記載の小型試験装置によれば、温度追従手段が反応容器中の発酵体の温度に従って外側容器の温度を逐次変化させるだけでなく、温度強制手段が、外側容器の温度を調節することにより、予め指定した第1時刻から第2時刻の間に、反応容器中の発酵体の温度を第1温度から第2温度に徐々に変化させるので、反応容器中の発酵体の温度を第1温度から第2温度に所望の曲線で連続的に変化させることができる。つまり、温度追従手段を利用して擬似断熱試験を行った際の温度変化曲線を利用して、再現性を試験したり、発酵量や発酵生物を最適化する温度パターンを決定することができる。
【0050】
また、請求項3記載の小型試験装置によれば、温度追従手段が反応容器中の発酵体の温度に従って外側容器の温度を逐次変化させる擬似断熱試験に際して、反応容器に供給する気体の温度、成分、及び流量の少なくとも1つを調節することができるので、反応容器に供給する気体の条件を様々に変化させて、発酵量や発酵生物を最適化する気体条件を決定することができる。
【0051】
また、請求項4記載の小型試験装置によれば、擬似断熱試験に際して、反応容器に供給する気体による熱的外乱を低減して、より実際のコンポスト化プラント等に近い条件を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る小型試験装置の全体構造を説明する図である。
【図2】図1の小型試験装置を構成する試験装置本体の詳細な構造を説明する図である。
【図3】図1の小型試験装置を用いた温度制御の例を説明する図である。
【符号の説明】
10 試験装置本体
11 反応容器
13 外側容器
13a ヒータ
13b 本体
15 封止部材
15a サンプリング窓
17 底板部材
19a 入口部
19b 出口部
20 電子天秤
30 第1温度計
32 温度計駆動装置
40 ヒータ駆動装置
50 第2温度計
52 温度計駆動装置
60 ガス源
62 成分添加装置
70 ガス分析装置
90 主制御装置
AR 空気層
CO 発酵物質

Claims (4)

  1. 発酵体を収容する反応容器と、当該反応容器を気体層を隔てて収容する温度調節用の外側容器とを備える小型試験装置であって、
    前記反応容器中の前記発酵体の温度に従って前記外側容器の温度を逐次変化させる温度追従手段と、
    前記外側容器の温度を調節することにより、予め指定した時刻に前記反応容器中の前記発酵体の温度を所定の温度に保持する温度保持手段と
    を備えることを特徴とする小型試験装置。
  2. 発酵体を収容する反応容器と、当該反応容器を気体層を隔てて収容する温度調節用の外側容器とを備える小型試験装置であって、
    前記反応容器中の前記発酵体の温度に従って前記外側容器の温度を逐次変化させる温度追従手段と、
    前記外側容器の温度を調節することにより、予め指定した第1時刻から第2時刻の間に、前記反応容器中の前記発酵体の温度を第1温度から第2温度に徐々に変化させる温度強制手段と
    を備えることを特徴とする小型試験装置。
  3. 発酵体を収容する反応容器と、当該反応容器を気体層を隔てて収容する温度調節用の外側容器とを備える小型試験装置であって、
    前記反応容器中の前記発酵体の温度に従って前記外側容器の温度を逐次変化させる温度追従手段と、
    前記反応容器に気体を供給する気体供給手段と、
    前記気体の温度、成分及び流量の少なくとも1つを調節する気体供給調節手段と
    を備えることを特徴とする小型試験装置。
  4. 前記気体供給調節手段を制御して、前記反応容器中の前記発酵体の温度に従って前記反応容器に供給する気体の温度を逐次変化させる気体温度追従手段を更に備えることを特徴とする請求項3記載の小型試験装置。
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