JP4995028B2 - スプライン、スプライン連結構造、動力伝達軸及び等速自在継手 - Google Patents

スプライン、スプライン連結構造、動力伝達軸及び等速自在継手 Download PDF

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Description

本発明は、例えば自動車のドライブシャフトやプロペラシャフト等の軸部材に形成され、他の部材とトルク伝達可能に連結するスプラインに関するものである。
自動車のドライブシャフトの両端には、タイヤの上下動に追従しながら回転力を伝達するために等速自在継手が接続されており、シャフトの端部の外周面に形成されたスプラインと、等速自在継手の内輪の中心孔に形成されたスプラインとが嵌合している。また、等速自在継手の外輪には軸部材が一体に形成されており、この軸部材の端部に、ハブやディファレンシャルギヤの有孔部材と嵌合するスプラインが形成されている。
上記ドライブシャフトや軸部材にスプラインを形成する方法には様々なものがあるが、塑性加工による形成法は、加工能率が高く、多量生産に向いていること、切削加工と違い、切りくずの発生しないこと、また、形成されたスプラインは、ひび割れなどの破損が生じにくく、強度的にも有利であること等の特徴を有するため、広く実用されている。
このスプラインの塑性加工の代表的なものとして、転造加工やプレス加工がある。プレス加工では、内周面にスプライン成形部が形成されたダイス孔を有する金型を、ワークとしての軸部材に外挿して軸線方向に相対移動させることにより、軸部材にスプラインを形成している。プレス加工によりドライブシャフトにスプラインを形成する技術としては、特許文献1に記載されたものがある。
プレス加工は、金型のスプライン成形部の精度を向上させることによってスプラインの形状のばらつきを低減できるため、転造と比べて、各スプライン間のピッチやOPDのばらつきを低減できる。ここで、OPDとは、180°対向した2つのスプラインの歯溝に所定の径のピンを夫々嵌合し、両ピンの外径を測定した値である。
特開2003−094141号公報
図8は、プレス加工によりスプラインが形成された軸部材の先端部を示す部分断面図である。図8は、軸線に関して一方の側の断面を示しており、軸部材112の外周面の先端から根元側に向かってスプライン113が形成されている。このスプライン113は、軸部材112の先端から根元側に向かって順にスプライン形成部S1とスプライン逃げ部S2を有する。スプライン形成部S1は歯底と歯頂がいずれも軸線と略並行であり、他のスプラインと嵌合して締代を形成する部分である。スプライン逃げ部S2は、スプライン形成部S1の根元側の端である端点Peよりも根元側に形成され、歯溝が切り上り形状となる部分である。すなわち、スプライン逃げ部S2ではスプライン113の歯底が根元側に向かうにつれて外径側に傾斜していると共に、歯頂が根元側に向かうにつれて内径側に傾斜している。
図9(a)はスプライン形成前の軸部材112を示す側面図である。スプライン形成前の軸部材112は、スプライン形成予定部の外径を単一に形成した円筒状である。一般的に、図9(b)に示すスプライン113の大径Dmaxは、図9(a)に示すスプライン形成前の下径D0と比例関係を示すことから、スプライン形成前の軸部材112の外径を大径Dmaxに基づいた値で軸方向に単一に形成している。図10は、スプライン113の大径Dmaxと、スプライン形成前の下径D0との関係の一例を示す図である。
スプライン113は、図9(a)に示すような円筒状の軸部材112の先端に金型を外挿し、この金型を根元側に向かって圧入して、軸部材112の外周部を塑性流動させて形成している。このため、スプライン形成部S1の端点Peよりも先端側の所定範囲(以下、スプラインの根元部Prという)において、OBDの拡径が発生する。ここで、OBDとは、図11(a)に示すように、180°対向したスプライン113の歯溝に所定の径のボール120を嵌合し、その外径を測定した値である。このOBDが、図11(b)に示すように、端点Peから先端側に向かう距離Lの範囲において、最大で約60μmに達する拡径量Hが生じる。なお、図11(b)において、横軸(x軸)は端点Peから先端側に向かう距離であり、縦軸は端点Pe(x=0)におけるOBDに対するOBDの変化量である。
このスプライン根元部PrのOBDの拡径量が大きいと、このスプラインを有する軸部材と嵌合する相手部材のスプラインに対する締代が大きくなり、軸部材を相手部材に嵌合させたとき、相手部材の強度が低下して破損するおそれがある。
そこで本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、スプライン根元部に生じるOBDの拡径量が小さくて精度の高いスプラインを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明に係るスプラインは、軸部材の先端部の外周面に塑性加工によって形成され、モジュールが0.7以上2.0以下であるスプラインであって、スプライン形成前の軸部材が、スプライン形成予定部の根元側の端点から軸部材の先端に向かって外径が増大するテーパ部を有し、上記スプライン形成前の軸部材のテーパ部は、上記端点から先端側に5mm以上7mm以下の範囲に形成され、上記端点における軸部材の外径は、スプライン形成後の大径が基準円径よりも大きくなる値に設定されていることを特徴としている。
上記構成によれば、軸部材のスプライン形成予定部の根元側の端点から軸部材の先端に向かって外径が増大するテーパ部を設けることにより、このテーパ部に対応するスプライン根元部の径を予め小さくするので、塑性加工によるスプラインの形成に伴ってスプライン根元部にOBD拡径が生じても、この拡径量を従来よりも少なくできる。したがって、この軸部材のスプラインに相手部材のスプラインが嵌合したとき、両スプライン間の締代が過大となって相手部材の強度が低下する不都合を防止できる。なお、軸部材の根元側とは、軸部材の先端から軸線に沿って遠ざかる側をいう。
ここで、モジュールが0.7よりも小さい場合、スプライン形成前の下径がスプライン形成後の大径に及ぼす影響が大きくなるので、テーパ部に対応するスプラインの大径が規定寸法を下回る恐れがある。一方、モジュールが2.0よりも大きい場合、OBD拡径量が比較的少ないので相手部材の強度低下の問題は実質的に生じない。
また、OBDとは、180°対向したスプラインの歯溝に所定の径のボールを嵌合し、その外径を測定した値である。また、モジュールとは、ピッチ円径を歯数で除した値である。
請求項2の発明のスプラインは、上記スプライン形成前の軸部材のテーパ部は、上記端点から先端側に5mm以上7mm以下の範囲に形成され、上記端点における軸部材の外径は、スプライン形成後の大径が基準円径よりも大きくなる値に設定されている。
請求項2の発明によれば、スプライン形成前の軸部材に、スプライン形成予定部の根元側の端点から先端側に5mm以上7mm以下の範囲のテーパ部を形成することにより、適切な軸線方向の範囲においてスプラインの形成に伴うOBD拡径量を低減できる。また、端点における軸部材の外径を、スプライン形成後の大径が基準円径よりも大きくなるように設定することにより、相手部材のスプラインに対して十分な締代を確保することができる。
ここで、テーパ部の形成範囲が、スプライン形成予定部の根元側の端点から5mmよりも小さい場合、スプラインのOBD拡径量の低減が不十分となり、相手部材のスプラインと嵌合した際に締代が過大となる。一方、テーパ部の形成範囲が、スプライン形成予定部の根元側の端点から7mmよりも大きい場合、スプラインのOBD拡径量が比較的少ない部分の径までも縮小することとなり、テーパとすることの効果が小さくなり、また形成後のスプラインの外径が規定寸法を下回る恐れがある。
請求項3の発明のスプラインは、上記スプライン形成前の軸部材テーパ部は、上記端点から5mm以上7mm以下の範囲に形成され、上記端点における軸部材の外径は、上記軸部材のスプライン形成予定部に隣接するスプライン非形成部の外径と同一に設定されている。
請求項3の発明によれば、スプライン形成前の軸部材に、スプライン形成予定部の根元側の端点から先端側に5mm以上7mm以下の範囲にテーパ部を形成することにより、適切な軸線方向の範囲においてスプラインの形成に伴うOBD拡径量を低減できる。また、端点におけるスプライン形成前の軸部材の外径を、上記軸部材のスプライン形成部に隣接するスプライン非形成部の外径と同一に設定することにより、端点近傍におけるOBD拡径量を低減すると共に、スプライン非形成部における軸部の外径を規定寸法に確保することができる。
ここで、テーパ部の形成範囲が、スプライン形成予定部の根元側の端点から5mmよりも小さい場合、スプラインのOBD拡径量の低減が不十分となり、相手部材のスプラインと嵌合した際に締代が過大となる。一方、テーパ部の形成範囲が、スプライン形成予定部の根元側の端点から7mmよりも大きい場合、スプラインのOBD拡径量が比較的少ない部分の径までも縮小することとなり、テーパとすることの効果が小さくなり、また形成後のスプラインの外径が規定寸法を下回る恐れがある。
請求項4の発明のスプラインは、上記塑性加工は、プレス加工である。
請求項4の発明によれば、塑性加工としてのプレス加工によりスプラインを形成する際、スプラインの根元部のOBD拡径を効果的に低減できる。
請求項5の発明のスプライン連結構造は、スプライン形成後の軸部材に、スプラインよりも根元側の位置から、スプラインの根元側の端点を越えて先端側の所定距離までの範囲に、高周波焼入れによる焼入れ部が形成されている。
請求項5の発明によれば、スプラインの根元部を含む範囲に焼入れ部を形成することにより、スプラインの全域にわたってOBD変化量を低減することができる。
請求項6の発明のスプライン連結構造は、上記スプラインを有する軸部材と、内周面にスプラインが形成された孔を有する有孔部材とを、互いのスプラインを嵌合させて連結する。
請求項6の発明によれば、根元部のOBD拡径が低減された軸部材のスプラインと、有孔部材の内周面のスプラインとの嵌合により、適切な締代を生成して有孔部材の部材強度を確保しつつ、軸部材と有孔部材を連結することができる。
請求項7の発明の動力伝達軸は、上記スプラインが形成されている。
請求項7の発明によれば、上記スプラインを介して、動力伝達軸を他の動力伝達部材に連結すると共に、上記他の動力伝達部材の強度を確保することができる。
請求項8の発明の等速自在継手は、上記スプラインが形成された軸部材を有する外輪を含む。
請求項8の発明によれば、上記スプラインを介して、等速自在継手の外輪の軸部材を他の動力伝達部材に連結して他の動力伝達部材との間で回転力を等速で伝達すると共に、上記他の動力伝達部材の強度を確保することができる。
本発明によれば、塑性加工によるスプラインの形成に伴ってスプライン根元部にOBD拡径が生じても、この拡径量を従来よりも少なくしてスプラインの寸法精度を向上でき、この軸部材のスプラインに相手部材のスプラインが嵌合したとき、両スプライン間の締代が過大となって相手部材の強度が低下する不都合を防止できる。
以下、本発明の実施形態を、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態は、接続するシャフト間に角度変位及び軸方向変位を許容する摺動型等速自在継手の一つであるトリポード型等速自在継手について、このトリポード型等速自在継手の外輪の軸部に本発明のスプラインを形成したものである。図1(a)は、軸部材としての外輪1の軸部12のスプライン形成前の形状を示す部分側面図であり、図1(b)は、比較例としての従来の軸部112のスプライン形成前の形状を示す部分側面図である。図2(a)は本実施形態のトリポード型等速自在継手の外輪1を示す側面図であり、図2(b)は外輪1の軸部12を拡大して示す側面図であり、図3はトリポード型等速自在継手を示す側面図である。
このトリポード型等速自在継手は、自動車のディファレンシャルギヤの出力軸に取り付けられて、車輪側に回転力を伝達するものである。この等速自在継手は、図3に示すように、カップ部11と軸部12とを有する外輪1と、この外輪1のカップ部11内に収容され、半径方向に突出した3本の脚軸21を有するトリポード部材2を備える。トリポード部材2の脚軸21の外周面には、複数の針状ころ22を介して、トルク伝達部材としての円環状のローラ3が回転可能に外嵌されている。このトリポード部材2の3つのローラ3が、外輪1のカップ部11の内周面に形成された3つのトラック溝13に各々挿入されている。トリポード部材2は軸線に沿って貫通孔が設けられており、この貫通孔の内周面に形成されたスプラインに、シャフト23の先端部に形成されたスプラインが嵌合してスプライン連結が形成されている。
外輪1の軸部12の先端部には、図2(a)及び(b)に示すようにスプライン13が形成されている。この外輪1の軸部12は炭素を0.3wt(従量)%以上0.6wt%以下含む鋼で形成されており、スプライン13のモジュールは0.7以上2.0以下である。軸部12には、根元側からスプライン形成範囲の根元側の端点Peを越えて先端側の所定距離までの範囲に、高周波焼入れが施された焼入部12aが設けられている。具体的には、端点Peから軸部12の先端までが31mmであるうち、Peから20mmまでの範囲に焼入部Pqを形成している。なお、根元側とは、軸部12の先端から遠い側をいう。また、端点Peとは、軸部12に形成されるスプライン13のうち、歯底と歯頂がいずれも軸線と略並行であって、他のスプラインと嵌合して締代を形成する部分の根元側の端をいう。このスプライン13は、基準円径が28.0mmに、大径Dmaxが28.9±0.15mmに、小径Dminが26.85mmに、OPDが31.38±0.015に設定されている。この軸部12のスプライン13は、塑性加工としてのプレス加工により形成されている。
この軸部12は、図1(a)に示すように、スプライン形成前の形状が、スプライン形成予定部Psの端点Peから先端側に向かって外径が増大するテーパ部Ptを有する。このテーパ部Ptは、端点Peから先端側に5以上7mm以下の範囲に形成されている。この範囲は、プレス加工によりスプラインを形成する際にOBD拡径が生じる範囲が端点Peから5mm程度であることから設定されている。この軸部12の端点Peにおける外径は、スプラインの形成後にスプラインと隣接してスプラインが形成されない部分(スプライン非形成部)の外径Dと同一に設定されている。なお、軸部12のスプラインが形成されない部分の径が規定されていない場合、軸部12の端点Peにおける外径は、スプラインの基準円が得られる最小径まで小さくすることができる。
図1(b)は、比較例としての外輪1の軸部112のスプライン形成前の形状を示す部分側面図である。この軸部112は、スプライン形成前の形状が、スプライン形成予定部Psの全域において外径D0が同一の円筒形状である。この外径D0は、本実施形態の軸部12のテーパ部Ptよりも先端側の外径D0と同一寸法である。図1(a)の実施形態の軸部12と、図1(b)の比較例の軸部112とに、夫々同一の金型を用いたプレス加工によりスプラインを形成し、高周波焼入れを行って、各スプライン形状の比較を行う。スプライン形状の比較は、軸線方向におけるOBDの分布と、軸線方向における大径Dmaxの分布を測定して行う。また、スプラインの形状の測定は、プレス加工後と、高周波焼入れを施した後との両方の時点で行う。プレス加工に用いる金型は、内周面にスプライン成形部が形成されたダイス孔を有するものを用い、この金型をワークとしての軸部12,112に外挿して軸線方向に相対移動させることによりスプラインを形成する。実施形態の軸部12については、下記の表1に示すように、スプライン形成部の根元側に隣接するスプライン非形成部の外径Dが異なる3つの実施例を設定した。なお、表1には、比較例の寸法を併せて記載している。
Figure 0004995028
上記表1において、D0はスプライン形成予定部Ps(実施例1〜3においてはスプライン形成予定部Psのうちテーパ部Pt以外の部分)の外径であり、Dはスプライン非形成部の外径であり、Lはスプライン形成予定部Psの軸線方向長さであり、bはテーパ部Ptの軸線方向長さである。
図4は、プレス加工を行った後のスプラインのOBDの分布を示した図である。図4において、横軸はスプライン形成範囲の根元側の端点Peから先端側に向かう距離であり、縦軸はOBDの値である。図4から分かるように、実施例1〜3のいずれも、端点Peから先端側の約1mmまでの範囲において、比較例よりもOBD拡径を低減することができる。これにより、実施例1〜3のいずれも、OBD拡径量を30μm以下に低減できる。これに対して、比較例では、OBD拡径量が約60μmに達する。
図5は、プレス加工を行った後のスプラインの大径Dmaxの分布を示した図である。図4において、横軸はスプライン形成範囲の根元側の端点Peから先端側に向かう距離であり、縦軸は大径Dmaxの値である。図5から分かるように、実施例1〜3のいずれも、端点Peから先端側の約5mmまでの範囲において、大径Dmaxを先端側よりも小さく形成することができる。実施例1,3は端点Pe付近で、大径Dmaxが規定寸法28.9±0.15mmを下回っているが、基準円径28.0mmを上回っており、機能上問題無い。これに対して、比較例では端点Pe近傍の大径Dmaxが先端側よりも大きく形成される。
図6は、高周波焼入れを行った後のスプラインのOBDの分布を示した図である。図6において、横軸はスプライン形成範囲の根元側の端点Peから先端側に向かう距離であり、縦軸はOBDの値である。図6から分かるように、実施例1〜3のいずれも、端点Peから先端側の約1mmまでの範囲において、比較例よりもOBD拡径を低減することができる。特に、実施例1は、端点Peから先端側の約5mmまでの範囲において、比較例よりもOBD拡径を低減することができる。
図7は、高周波焼入れを行った後のスプラインの大径Dmaxの分布を示した図である。図7において、横軸はスプライン形成範囲の根元側の端点Peから先端側に向かう距離であり、縦軸は大径Dmaxの値である。図7から分かるように、実施例1〜3のいずれも、端点Peの近傍部分において、大径Dmaxを先端側よりも小さく形成することができる。実施例1は端点Pe付近で、大径Dmaxが規定寸法28.9±0.15mmを下回っているが、基準円径28.0mmを上回っており、機能上問題無い。これに対して、比較例では端点Pe近傍の大径Dmaxが先端側よりも大きく形成される。
このように、本実施形態によれば、スプライン形成範囲の根元部において、OBDの拡径を従来よりも低減させることができ、また、大径Dmaxを先端側よりも小さく形成することができる。さらに、高周波焼入れによる焼入れ部を形成することにより、スプライン形成範囲の全域にわたってOBD変化量を低減することができる。したがって、軸部材12と相手部材の間にスプライン連結を形成する際、軸部材12のスプライン13と相手部材のスプラインとの間に形成される締代が根元部で過大となって相手部材の強度を低下させる不都合を効果的に防止できる。また、軸部材12のスプライン13に相手部材のスプラインを圧入して嵌合させるとき、締代が適切に形成されるので、圧入の作業性を向上できる。
上記実施形態において、トリポード型等速自在継手の外輪1の軸部12に本発明を適用したが、トリポード部材2とスプライン連結をするシャフト23に本発明を適用してもよい。シャフト23に本発明のスプラインを形成することにより、シャフト23とトリポード部材2とを接合する際に、互いのスプラインの締代が適切に形成されて、トリポード部材2の強度の低下を防止することができる。
上記実施形態において、トリポード型等速自在継手の外輪1の軸部12に本発明を適用したが、トリポード型等速自在継手に限られず、例えばダブルオフセット型等速自在継手のような摺動型等速自在継手や、角度変位のみを許容する固定型等速自在継手の一つであるボールフィクス型等速自在継手等の各種の等速自在継手に本発明を適用してもよい。さらに、等速自在継手の外輪の軸部に限られず、等速自在継手の内輪に連結されるシャフトに本発明を適用してもよい。
図1(a)は実施形態の軸部のスプライン形成前の形状を示す部分側面図であり、図1(b)は比較例の軸部のスプライン形成前の形状を示す部分側面図である。 図2(a)は本実施形態のトリポード型等速自在継手の外輪を示す側面図であり、図2(b)は軸部を拡大して示す側面図である。 トリポード型等速自在継手を示す側面図である。 プレス加工を行った後のスプラインのOBDの分布を示した図である。 プレス加工を行った後のスプラインの大径の分布を示した図である。 高周波焼入れを行った後のスプラインのOBDの分布を示した図である。 高周波焼入れを行った後のスプラインの大径の分布を示した図である。 従来のスプラインが形成された軸部材の先端部を示す部分断面図である。 図9(a)は従来のスプライン形成前の軸部材を示す側面図であり、図9(b)は従来のスプライン形成後の軸部材を示す側面図である。 スプラインの大径と、スプライン形成前の下径との関係の一例を示す図である。 図11(a)はOBDの測定方法を説明する断面図であり、図11(b)はスプラインの軸線方向におけるOBD変化量を示す図である。
符号の説明
12 軸部
13 スプライン
Ps スプライン形成予定部
Pt テーパ部
Pe 端点

Claims (7)

  1. 軸部材の先端部の外周面に塑性加工によって形成され、モジュールが0.7以上2.0以下であるスプラインであって、
    スプライン形成前の軸部材が、スプライン形成予定部の根元側の端点から軸部材の先端に向かって外径が増大するテーパ部を有し、上記スプライン形成前の軸部材のテーパ部は、上記端点から先端側に5mm以上7mm以下の範囲に形成され、上記端点における軸部材の外径は、スプライン形成後の大径が基準円径よりも大きくなる値に設定されていることを特徴とする、スプライン。
  2. 上記スプライン形成前の上記端点における軸部材の外径は、上記軸部材のスプライン形成予定部に隣接するスプライン非形成部の外径と同一に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のスプライン。
  3. 上記塑性加工は、プレス加工であることを特徴とする請求項1に記載のスプライン。
  4. スプライン形成後の軸部材に、スプラインよりも根元側の位置から、スプラインの根元側の端点を越えて先端側の所定距離までの範囲に、高周波焼入れによる焼入れ部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスプライン。
  5. 請求項1に記載のスプラインを有する軸部材と、内周面にスプラインが形成された孔を有する有孔部材とを、互いのスプラインを嵌合させて連結することを特徴とするスプライン連結構造。
  6. 請求項1に記載のスプラインが形成された動力伝達軸。
  7. 請求項1に記載のスプラインが形成された軸部材を有する外輪を含む等速自在継手。
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