JP2009162335A - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】寿命の向上を図ることができて高品質となる車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】内周に複列の外側転走面26,27が形成された外輪25と、外周に外輪の外側転走面に対向する内側転走面28,29が形成された一対の内輪24A、24Bと、外輪25の外側転走面26,27と内輪24A、24Bの内側転走面28,29との間に転動自在に収容された転動体30とを有する転がり軸受2を備えた車輪用軸受装置である。アウタ側の転動体30のピッチ円直径とインナ側の転動体30のピッチ円直径とを相違させた。外輪25と内輪24A、24Bとの少なくとも一方を、プレス加工又はローリング加工を含む塑性加工品にて成形した。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車両において車輪を車体に対して回転自在に支持するための車輪用軸受装置に関する。
車輪用軸受装置には、第1世代と称される複列の転がり軸受を単独に使用する構造から、外方部材に車体取付フランジを一体に有する第2世代に進化し、さらに、車輪取付フランジを一体に有するハブ輪の外周に複列の転がり軸受の一方に内側転走面が一体に形成された第3世代、さらには、ハブ輪に等速自在継手が一体化され、この等速自在継手を構成する外側継手部材の外周に複列の転がり軸受の他方の内側転走面が一体に形成された第4世代のものまで開発されている。
第1世代と呼ばれる車輪用軸受装置(例えば、特許文献1)は、図14に示すように、外径方向に延びるフランジ101を有するハブ輪102と、このハブ輪102に外側継手部材103が固定される等速自在継手104と、ハブ輪102の外周側に配設される軸受100とを備える。
等速自在継手104は、前記外側継手部材103と、外側継手部材103に配設される内側継手部材(図示省略)と、この内側継手部材と外側継手部材103との間に配設されるボール(図示省略)と、このボールを保持する保持器(図示省略)とを備える。外側継手部材103は、内側継手部材が収納される椀形のマウス部107と、このマウス部107から突設される軸部(ステム部)123とからなる。
また、ハブ輪102は、筒部113と前記フランジ101とを有し、フランジ101の外端面114(反継手側の端面)には、大径の第1部115aと小径の第2部115bとが形成され、第1部115aにブレーキロータ140が外嵌され、第2部115bにホイール(図示省略)が外嵌される。
軸受100は、図15に示すように、内周に複列の外側転走面120、121が形成された外輪105と、外周に外側転走面に対向する内側転走面118、119が形成された一対の内輪108,109と、外輪105の外側転走面120、121と内輪108,109の内側転走面118、119との間に転動自在に収容された複列の転動体122とを備える。ハブ輪102の筒部113の外周面に切欠部116が設けられ、この切欠部116に内輪108、109が嵌合されている。また、ハブ輪102のフランジ101にはボルト装着孔112が設けられて、ホイールおよびブレーキロータ140をこのフランジ101に固定するためのハブボルト141がこのボルト装着孔112に装着される。
ハブ輪102の筒部113に外側継手部材103の軸部123が挿入される。軸部123は、その反マウス部の端部にねじ部124が形成され、このねじ部124とマウス部107との間にスプライン部125が形成されている。また、ハブ輪102の筒部113の内周面(内径面)にスプライン部126が形成され、この軸部123がハブ輪102の筒部113に挿入された際には、軸部123側のスプライン部125とハブ輪102側のスプライン部126とが係合する。
そして、筒部113から突出した軸部123のねじ部124にナット部材127が螺着され、ハブ輪102と外側継手部材103とが連結される。この際、ナット部材127の内端面(裏面)128と筒部113の外端面129とが当接するとともに、マウス部107の軸部側の端面130と内輪109の端面131とが当接する。すなわち、ナット部材127を締付けることによって、ハブ輪102が内輪108,109を介してナット部材127とマウス部107とで挟持される。この際、ハブ輪102の切欠端面132と、内輪108の端面133とが当接するとともに、マウス部107の端面130と内輪109の端面131とが当接した状態で、内輪108,109の突合面135,136が突き合される。この場合、外輪105の外径面が嵌合面105aとなって、車体側のナックル145の内径面145aに圧入される。
近年、軸受の内輪や外輪は、板材またはパイプ材等からプレスで製作するものがある(特許文献1)。この特許文献1に記載の車輪用軸受装置はいわゆる第1世代と称されるものである。この場合、第1世代であるので、各列の転動体の径、数、及びP.C.D.(ピッチ円直径)等が等しく設定されている。
特開平1−210612号公報
ところで、この種の車輪用軸受装置では、車両諸元(ホイールベース、重心高さ、車両の総重量、車両の前後輪の重量配分等)やタイヤのオフセットによって、いずれかの列の軸受構造部の寿命が短くなる。しかしながら、特許文献1に記載の車輪用軸受装置では、前記したように、各列の転動体の径、数、及びP.C.D.(ピッチ円直径)等が等しく設定されている。このため、寿命要件を満足するために軸受全体のサイズアップを必要としていた。
本発明は、上記課題に鑑みて、寿命の向上を図ることができて高品質となる車輪用軸受装置を提供する。
本発明の第1の車輪用軸受装置は、内周に複列の外側転走面が形成された外輪と、外周に外輪の外側転走面に対向する内側転走面が形成された一対の内輪と、外輪の外側転走面と内輪の内側転走面との間に転動自在に収容された転動体とを有する転がり軸受を備え、アウタ側の転動体のピッチ円直径とインナ側の転動体のピッチ円直径とを相違させた車輪用軸受装置であって、前記外輪と内輪との少なくとも一方を、プレス加工又はローリング加工を含む塑性加工品にて成形したものである。車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウタ(アウトボード側)と呼び、中央寄りをインナ側(インボード側)と呼ぶ。
本発明の第1の車輪用軸受装置によれば、アウタ側の転動体の径寸法とインナ側の転動体の径寸法とが同一であれば、ピッチ円直径が大きい側において、転動体の数を多く配置することができる。また、アウタ側の転動体の数とインナ側の転動体の数とが同一であれば、ピッチ円直径が大きい側において、転動体の径寸法を大きくすることができる。
塑性加工品は塑性加工前に球状化焼鈍が施されてなるのがより好ましい。ここで、球状化焼鈍とは、鉄鋼の炭化物を球状にし、均一に分散させる熱処理である。このため、球状化焼鈍を行うことによって、塑性加工や機械加工を容易にし、あるいは機械的性質を改善することができる。
アウタ側の転動体のピッチ円直径をインナ側の転動体のピッチ円直径よりも大きく設定するとともに、外輪のアウタ側の転走面における溝底から肩部までの高さを、外輪のインナ側の転走面における溝底から肩部までの高さよりも大きく設定することができる。
ところで、車輪用軸受装置において、静止時の車重は複列の転がり軸受の略中央に作用するように車輪との位置関係が決められているが、旋回時には、旋回方向の反対側(右旋回の場合は車両の左側)の車軸に、より大きなラジアル荷重やアキシアル荷重が負荷される。したがって、旋回時には、インナ側の軸受列よりもアウタ側の軸受列の剛性を高めることが有効とされている。車輪用軸受装置において、アウタ側の転動体のピッチ円直径をインナ側の転動体のピッチ円直径よりも大きく設定すれば、アウタ側の剛性を高めることができる。
しかも、外輪のアウタ側の転走面における溝底から肩部までの高さを、外輪のインナ側の転走面における溝底から肩部までの高さよりも大きく設定することによって、アウタ側の転動体の肩部への乗り上げを有効に防止できる。
ハブ輪と複列の転がり軸受とがユニット化された車輪用軸受装置であって、前記転がり軸受の内輪がハブ輪の軸部に外嵌されるとともに、ハブ輪の軸部のインナ側の端部を外径側へ加締めてその加締部をインナ側の内輪のインナ側端面に係合させるのが好ましい。
ハブ輪の軸部の加締部をインナ側の内輪のインナ側端面に係合させることによって、内輪に予圧を付与することができ、しかも、内輪の抜け止めを構成することができる。
外輪の外径面をナックルに圧入される嵌合面とするとともに、圧入力でもって外輪をナックルに固定するようにできる。このようにすれば、ボルト部材等の固定具を使用する必要がない。
外輪の外径面のナックルへの圧入前に装着されて外輪の抜けを規制する規制手段を設けてもよい。規制手段にて外輪の抜けを規制することができるので、抜け防止の信頼性が向上する。
本発明の車輪用軸受装置では、アウタ側の転動体のピッチ円直径とインナ側の転動体のピッチ円直径とを相違させることによって、軸方向寸法の増大なしに、軸受スパン(両転走面に加わる力の作用方向の作用線と軸心との交点の間隔)の増大を図ることができ、また、インナ側のボール径とアウタ側のボール径とが同一であれば、ピッチ円直径が大きい側のボール数を増加させることができる。このため、軸受剛性の増大及び寿命の増大を図ることができる。また、ボールの数が増加することによって、軸受の負荷荷重容量が増大し、軸受の長寿命化を図ることができる。
外輪と内輪との少なくとも一方を、プレス加工又はローリング加工を含む塑性加工品にて成形することによって、生産性の向上及びコスト低減を図ることができる。
球状化焼鈍を行うことによって、塑性加工や機械加工を容易にし、あるいは機械的性質を改善することができる。このため、この車輪用軸受装置の生産性の向上を一層図ることができ、しかも製品として安定する。
アウタ側の転動体のピッチ円直径をインナ側の転動体のピッチ円直径よりも大きく設定することによって、アウタ側の剛性を高めることができる。このため、車両の静止だけでなく、旋回時において剛性が向上し、装置の長寿命化を図ることができる。しかも、外輪のアウタ側の転走面の肩高さを高くすることによって、転動体の肩部への乗り上げを回避することができ、安定した機能を長期にわたって発揮することができる。
ハブ輪の軸部の加締部をインナ側の内輪のインナ側端面に係合させることによって、内輪に予圧を付与することができ、組立作業の簡略化を達成できる。しかも、内輪の抜け止めを構成することができ、装置として安定する。
圧入力でもって外輪をナックルに固定するようにできるものでは、ボルト部材等の固定具を使用する必要がないので、車体への装着作業の簡略化を図ることができるとともに、装着工具の減少を図ることができ、コストの低減および部品の管理の容易化を図ることができる。
規制手段にて外輪の抜けを規制することができるものでは、抜け防止の信頼性が向上して、高品質の製品を提供することができる。
以下本発明の実施の形態を図1〜図13に基づいて説明する。図2に第1実施形態の車輪用軸受装置(駆動車輪用軸受装置)を示し、この車輪用軸受装置は、ハブ輪1と、複列の転がり軸受(軸受構造部)2と、等速自在継手3とが一体化されてなる。
等速自在継手3は、外側継手部材としての外輪5と、外輪5の内側に配された内側継手部材としての内輪6と、外輪5と内輪6との間に介在してトルクを伝達する複数のボール7と、外輪5と内輪6との間に介在してボール7を保持するケージ8とを主要な部材として構成される。内輪6はその軸孔内径6aに図示省略のシャフトの端部を圧入することによりスプライン嵌合してシャフトとトルク伝達可能に結合されている。
等速自在継手3の外輪5及び内輪6は、例えば、S53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼からなり、トラック溝14、16及び外輪5のマウス部11の肩部(底壁外面11a)から軸部12の外周面(外径面)に高周波焼入れ等によって硬さが58〜64HRC程度となる硬化処理が施されている。
外輪5はマウス部11とステム部(軸部)12とからなり、マウス部11は一端にて開口した椀状で、その内球面13に、軸方向に延びた複数のトラック溝14が円周方向等間隔に形成されている。そのトラック溝14はマウス部11の開口端まで延びている。内輪6は、その外球面15に、軸方向に延びた複数のトラック溝16が円周方向等間隔に形成されている。
外輪5のトラック溝14と内輪6のトラック溝16とは対をなし、各対のトラック溝14,16で構成されるボールトラックに1個ずつ、トルク伝達要素としてのボール7が転動可能に組み込んである。ボール7は外輪5のトラック溝14と内輪6のトラック溝16との間に介在してトルクを伝達する。この場合の等速自在継手は、ツェパー型を示しているが、各トラック溝の溝底に直線状のストレート部を有するアンダーカットフリー型等の他の等速自在継手であってもよい。
ハブ輪1は、軸部(筒部)20と、筒部20の反継手側の端部に設けられるフランジ部21とを有する。ハブ輪1のアウトボード側の端面に図示省略のホイールおよびブレーキロータが装着される短筒状のパイロット部45が突設されている。ハブ輪1のフランジ部21にはボルト装着孔32が設けられて、ホイールおよびブレーキロータをこのフランジ部21に固定するためのハブボルト33がボルト装着孔32に装着される。車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウタ側(アウトボード側)(図面左側)と呼び、中央寄りをインナ側(インボード側)(図面右側)と呼ぶ。
また、ハブ輪1の筒部20の孔部22に外輪5の軸部12が挿入される。軸部12は、その反マウス部の端部にねじ部40が形成され、このねじ部40とマウス部11との間にスプライン部41が形成されている。また、ハブ輪1の筒部20の内周面(内径面)にスプライン部42が形成され、この軸部12がハブ輪1の筒部20に挿入された際には、軸部12側のスプライン部41とハブ輪1側のスプライン部42とが係合する。なお、ハブ輪1は、例えば、S53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼からなり、少なくとも軸部20の外径面20a乃至端面70に高周波焼入れ等によって硬さが58〜64HRC程度となる硬化処理が施されている。
転がり軸受2は、図1に示すように、内周に複列の外側転走面26,27が形成された外輪25と、外周に外輪25の外側転走面26,27に対向する内側転走面28,29が形成された一対の内輪24A、24Bと、外輪25の外側転走面26,27と内輪24A、24Bの内側転走面28,29との間に転動自在に収容された複列の転動体30とを備える。転動体30は外輪25と内輪24A、24Bとの間に介在される保持器31に保持される。転がり軸受2の両開口部(外輪25と内輪24A、24Bとの間の開口部)には図2に示すように、シール部材Sが装着されている。
外輪25は、旋削加工にて成形され、大径部25aと小径部25bとを備え、大径部25aの内径面に外側転走面26が形成され、小径部25bの内径面に外側転走面27が形成されている。なお、外輪25に内径面の開口部にはシール装着溝54,55が形成されている。また、大径部25aの外径面および小径部25bの外径面は、それぞれナックル嵌合面50a、50bとなる。このため、大径部25aのナックル嵌合面50aを径寸法(直径)をD1とし、小径部25bのナックル嵌合面50bを径寸法(直径)をD2とした場合に、D1>D2となる。
アウトボード(アウタ)側の内輪24Aと、インボード(インナ)側の内輪24Bとは外径寸法が相違する。なお、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウトボード(アウタ)側(図面左側)と呼び、中央寄りをインボード(インナ)側(図面右側)と呼ぶ。
内輪24A,24Bは、大径部60A、60Bと、小径部61A、61Bと、大径部60A、60Bと小径部61A、61Bとの間の連設部62A、62Bとからなる。この場合、大径部60A、60Bの外径面がシール装着面63A、63Bとなり、連設部62A、62Bの外径面が転走面28、29となる。また、内輪24A,24Bの内径面がハブ輪嵌合面64A、64Bとなる。
この場合、アウタ側の内輪24Aの肉厚をインナ側の内輪24Bよりも大きく(厚く)している。このため、アウタ側の転動体30のピッチ円直径をインナ側の転動体30のピッチ円直径よりも大きく設定している。アウタ側のピッチ円直径をPCDoとし、インナ側のピッチ円直径をPCDiとした場合に、PCDo>PCDiとしている。
次に、前記のように構成される車輪用軸受装置の組立方法を説明する。まず、ハブ輪1に軸受2が組み込まれたユニット体を構成する。すなわち、組立てられた状態の軸受2の内輪24A,24Bの嵌合面64A,64Bをハブ輪1の筒部20の外径面20aに圧入する。この際、図2に示すように、内輪24Aの端面65Aがハブ輪1のボス部端面70に当接する。
このように組立てられたユニット体と、等速自在継手3の外輪5とを連結する。この際、外輪5のステム軸部12をハブ輪1の孔部22に挿入し、孔部22からアウトボード側に突出したねじ部40にナット部材43を螺着する。これによって、マウス部11の底壁外面11aがインボード側の内輪24Bの端面65Bに当接する。
このため、一対の内輪24A、24Bが、その端面(突合面)66A、66Bが突合わされた状態で、ボス部端面70とマウス部11の底壁外面11aとの間に挟まれ、内輪24A、24Bに予圧を付与することができる。なお、内輪24Aの内径面のアウタ側には内径側に凸状となるアール状の切欠部71が設けられている。これは、ハブ輪1のボス部端面70と軸部外周面20aとの間の湾曲コーナ部72に対応して設けられ、この湾曲コーナ部72と切欠部71内径面との間に隙間73が設けられる。
このように構成された車輪用軸受装置は、転がり軸受2の外輪25のナックル嵌合面50aを、ナックルNの内径面80に圧入することになる。この場合、ナックルNの内径面80は、大径部80aと小径部80bとを備え、外輪25の大径部25aの嵌合面50aが大径部80aに圧入され、外輪25の小径部25bの嵌合面50bが小径部80bに圧入される。
ナックル嵌合面50aの外径寸法D1を、ナックルNの内径面80の大径部80aの内径寸法D11よりも僅かに大きく設定するとともに、ナックル嵌合面50bの外径寸法D2を、ナックルNの内径面80の小径部80bの内径寸法D12よりも僅かに大きく設定する。すなわち、ナックル嵌合面50a、50bとナックル内径面80a,80bとの締代によって、ナックルNと外輪25との相対的な軸方向及び周方向のずれを規制するように設定する。
この場合、例えば、外輪25とナックルNとの間のハメアイ面圧/ハメアイ面積をハメアイ荷重としたときに、このハメアイ荷重をこの転がり軸受の等価ラジアル荷重で割った値をクリープ発生限界係数とし、このクリープ発生限界係数を予め考慮して、外輪25の設計仕様が設定される。
このため、ナックル嵌合面50aとナックル内径面80との締代によって、外輪25の軸方向の抜け及び周方向のクリープを防止できる。ここで、クリープとは、嵌合締代の不足や嵌合面の加工精度不良等により軸受が周方向に微動して嵌合面が鏡面化し、場合によってはかじりを伴い焼き付きや溶着することをいう。
また、ナックル内径面80に、内径側に突出する膨出部81が設けられ、アウトボード側から軸受2を圧入することによって、外輪25のインボード側の端面が膨出部81に当接している。ナックル内径面80のアウタ側に止め輪82が装着され、外輪25は止め輪82と膨出部81とで挟持された状態で維持される。
本発明では、アウタ側の転動体30のピッチ円直径をインナ側の転動体30のピッチ円直径よりも大きく設定しているので、軸方向寸法の増大なしに、軸受スパン(両転走面に加わる力の作用方向の作用線と軸心との交点の間隔)の増大を図ることができ、また、インナ側のボール径とアウタ側のボール径とが同一であれば、ピッチ円直径が大きい側のボール数を増加させることができる。このため、軸受剛性の増大及び寿命の増大を図ることができる。しかも、ボールの数が増加することによって、軸受の負荷荷重容量が増大し、軸受の長寿命化を図ることができる。このため、車両の静止だけでなく、旋回時において剛性が向上し、装置の長寿命化を図ることができる。
圧入力でもって外輪25をナックルNに固定することができる。このため、ボルト部材等の固定具を使用する必要がなく、車体への装着作業の簡略化を図ることができるとともに、装着工具の減少を図ることができ、コストの低減および部品の管理の容易化を図ることができる。
次に図3に示す第2実施形態の車輪用軸受装置の軸受2では、前記図1に示す外輪25が旋削加工にて成形したのに対して冷間ローリング加工にて成形している。ここで、冷間ローリングとは、冷間ローリング(冷間転造)とは、熱を加えずに冷たいまま(常温)で素材(ブランク)を回転させながら圧延していく加工方法である。すなわち、内外径がワーク(加工後の完成品)より小さな、基本的に内外径ストレートなブランク(素材)を、加工したい形状に設計された2つの治具(内径用と外径用)にはさんで回転させながら圧延(転造)し、ワークを形成する加工方法である。
この場合、図5に示すように、外輪25は大径部25a1と小径部25b1とを備え、大径部25a1と小径部25b1との間に中間湾曲部25cが形成されている。大径部25a1の内径面に転走面26が形成され、小径部25b1の内径面に転走面27が形成されている。
具体的には、ほぼ外輪25の形状となった素形状の外輪素材を、冷間ローリングにより成形する。この場合、外輪素材(ブランク)は、球状化焼鈍を行って、硬度をロックウェル硬さHRB100以下、好ましくはHRB94以下とする。なお、焼鈍(焼なまし)とは、金属材料が加工工程で不安定な状態になっている時、それを熱処理で安定な状態にすることである。ある温度まで加熱しその後徐冷する(ゆっくり冷やす)ことになる。焼鈍された状態では、その金属が最も安定した状態になるだけでなくその金属が柔らかい状態となる。この焼鈍の時、鋼の中の炭化物(Fe3C)を微細な球状にする組織調整を球状化焼鈍と言う。
外輪25の材質、すなわちブランクの材質を軸受鋼又は中炭素鋼とすることができ、球状化焼鈍としては、1回に限るものではなく、複数回行ってもよい。また、ブランクは炭素量が0.77%以上の高炭素鋼であってもよい。この場合も球状化焼鈍が施される。
そして、この冷間ローリングによって成形されたものを、加熱炉等で焼入して表面硬化させた後、切削加工を行う。この場合、内径面の軸方向端部のシール装着溝54,55、転走面26,27、両端面56,57、及び外径面の嵌合面50a,50aの切削を行う。このため、これらの切削を焼入鋼切削と呼ぶことができる。すなわち、焼入鋼切削は、単に切削のことであり、切削は通常生材の状態で行うので、熱処理後(焼入れ後)の切削であることを明確にするために焼入鋼切削と称した。焼き入れ後に切削を行うため、素材の熱処理変形をこの切削過程で除去することができる。焼入れを行うと、引張残留応力が残り易く、そのままでは疲労強度が低下する。このため、表面を切削すれば、最表面部に圧縮残留応力を付与させることができ、これにより疲労強度が向上する。なお、焼入れとは、鋼の硬度や強度を増加させる為に、変態点以上の適当な温度まで加熱した後、水、油などに入れて急冷する熱処理である(変態点とはそれ以上加熱すると金属の組織が変化する温度である)。また、通常の軸受製作の工程と同じように、冷間ローリング、旋削、熱処理、研磨の順序で加工しても良い。このように成形された外輪25は、組立てられて軸受2を構成できる。組立てられた軸受2は、図4に示すように、ハブ輪1に装着され、ナックルNに嵌合される。
このため、外輪25の嵌合面50aがナックルNの大径部80aに圧入され、外輪25の嵌合面50bがナックルNの小径部80bに圧入される。この場合も、ナックル嵌合面50aの外径寸法D1を、ナックルNの内径面80の大径部80aの内径寸法D11よりも僅かに大きく設定するとともに、ナックル嵌合面50bの外径寸法D2を、ナックルNの内径面80の小径部80bの内径寸法D12よりも僅かに大きく設定している。
ところで、図5に示すように、外輪25のアウタ側の転走面26における溝底26aから肩部26bまでの高さを、外輪25のインナ側の転走面27における溝底27aから肩部27bまでの高さよりも大きく設定している。すなわち、溝底26aから肩部26bまでの高さをH1とし、溝底27aから肩部27bまでの高さをH2としたときに、H1>H2としている。
図3に示す軸受2及びこの軸受2を組み込んだ図4に示す車輪用軸受装置の他の構成は、前記図1に示す軸受2及びこの軸受2を組み込んだ図2に示す車輪用軸受装置と同様であるので、図1及び図2と同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
このため、図3に示す軸受2及びこの軸受2を組み込んだ図4に示す車輪用軸受装置は、前記図1に示す軸受2及びこの軸受2を組み込んだ図2に示す車輪用軸受装置と同様の作用効果を奏する。しかも、外輪25が冷間ローリング(冷間転造)にて成形されるので、外輪25の材料の歩溜まりの向上等を図ることができる。すなわち、冷間ローリングは、素材の余計な部分を削り落としていく切削加工とは異なり、製品外径より細い素材を盛り上げて成形することができ、材料のムダが生じない。また、加工時間が短いことと、工具が長寿命であることなどから、切削加工と比べて生産性が高くなる。さらに、使用する工具(ダイス)は加工品に応じて取り替える必要があるが、安定した加工精度を得ることができる。さらには、切削加工とは異なり、ファイバーフロー(繊維状金属組織)が切断されず、塑性変形によって被加工面が組成硬化する。そのため、加工製品は強い強度を得ることができる。
また、球状化焼鈍を行うことによって、塑性加工や機械加工を容易にし、あるいは機械的性質を改善することができる。このため、この車輪用軸受装置の生産性の向上を一層図ることができ、しかも製品として安定する。
外輪25のアウタ側の転走面26の肩高さを高くすることによって、転動体30の肩部への乗り上げを回避することができ、安定した機能を長期にわたって発揮することができる。
この外輪25として、冷間ローリング以外のプレス加工等の塑性加工を行ってもよい。
プレス加工であっても、歩溜まり及び生産性の向上を図るとともに、安定した加工精度を得ることができる。
また、図6に示す軸受2は、内輪24A、24Bを冷間ローリングにより成形している。この場合の内輪24A、24Bは、大径部60A1,60B1と、小径部61A1、61B1と、大径部60A1、60B1と小径部61A1、61B1との間のテーパ部62A1、62B1とを備える。テーパ部62A1の外径面に転走面28が形成され、テーパ部62B1の外径面に転走面29が形成される。
この内輪24A、24Bも、図3に示す外輪25と同様、ほぼ内輪24A、24Bの形状となった素形状の内輪素材を、冷間ローリングにより成形する。この素材を、加熱炉等で焼入して表面硬化させた後、切削加工を行う。すなわち、焼入鋼切削を行う。この場合、ハブ輪嵌合面64A1、64B1、両端面65A1,66A1、65B1,66B1、シール装着面63A1、63B1、及び転走面28(29)が焼入鋼切削される。内輪24Bの材質も、外輪25と同様のものが使用される。内輪24A、24Bとしては、冷間ローリング以外のプレス加工にて成形してもよい。
この24A、24Bを使用した場合、図7に示すような組立状態では、内輪24Bの端面65B1にマウス部11の底壁外面11aが当接することによって、予圧が付与される。すなわち、内輪24Aと内輪24Bとが、ハブ輪1の外径面20aに圧入されて端面70と底壁外面11aとの間に挟持された状態で、内輪24Aの端面66A1と内輪24Bの端面66B1とが突合せされてハブ輪1に装着される。
この場合も、図6に示すように、アウタ側のピッチ円直径をPCDoとし、インナ側のピッチ円直径をPCDiとした場合に、PCDo>PCDiとしている。
図6に示す軸受2及びこの軸受2を組み込んだ図7に示す車輪用軸受装置の他の構成は、前記図1に示す軸受2及びこの軸受2を組み込んだ図2に示す車輪用軸受装置と同様であるので、図1及び図2と同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
このため、図6に示す軸受2及びこの軸受2を組み込んだ図7に示す車輪用軸受装置は、前記図1に示す軸受2及びこの軸受2を組み込んだ図2に示す車輪用軸受装置と同様の作用効果を奏する。しかも、内輪24A、24Bを冷間ローリング(冷間転造)にて成形しているので、内輪24A、24Bの材料の歩溜まりの向上等を図ることができる。
次に図8に示す第4実施形態の車輪用軸受装置は、図6に示す軸受2において、外輪25として図3に示す軸受2の外輪25を使用したものである。他の構成は、図7に示す車輪用軸受装置と同様であるので、図7と同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
このため、図8に示す車輪用軸受装置は、図7に示す車輪用軸受装置と同様の作用効果、及び外輪25、内輪24A、24Bを冷間ローリング(冷間転造)にて成形した作用効果を奏することができる。
次に、図9に示す第5実施形態の車輪用軸受装置は、図3に示す軸受2を使用した車輪用軸受装置であって、ハブ輪1の軸部(筒部)20のインナ側の端部を外径側へ加締めてその加締部75をインナ側の内輪24Bのインナ側端面65Bに係合させている。
図9では、加締部75にマウス部11の底壁外面11aを当接させているが、当接させることなく、加締部75の外端面75aと底壁外面11aとの間に隙間を設けてもよい。隙間を設けることによって、マウス部とハブ輪との接触による異音の発生を防止できる。
ところで、前記各実施形態では、駆動輪用であったが、図10に示す第6実施形態のような従動輪用であってもよい。図10では、軸受2として図9に示す軸受2を使用した。この場合のハブ輪1は、中実の軸部20Aと、この軸部20Aのアウタ側に設けられるフランジ部21Aとを備え、軸部20Aのアウタ側の端面にパイロット部45Aが設けられている。そして、ハブ輪1の軸部20Aの外径面20Aaに内輪24A、24Bを圧入される。
また、軸部20Aのインナ側の端部に円筒部76が設けられ、この円筒部76が外径方向へ加締られ、この加締部77をインナ側の内輪24Bのインナ側端面65Bに係合させている。これによって、アウタ側の内輪24Aの端面65Aがハブ輪1の端面70に当接するとともに、インナ側の内輪24Bの端面65Bが加締部77に当接して、内輪24Aの端面66Aと内輪24Bの端面66Bとが突合わされる。
次に図11に示す第7実施形態では、インナ側の転動体30のピッチ円直径PCDiをアウタ側の転動体30のピッチ円直径PCDoよりも大きく設定している。
この場合の外輪25は、図3に示す軸受2の外輪25と同様、冷間ローリングにて成形されるが、図3の場合と相違して、アウタ側が小径部25dとされ、インナ側が大径部25eとされる。このため、アウタ側の小径部25dの外径寸法をD3とし、インナ側の大径部25eの外径寸法をD4とした場合、D3<D4となる。
また、小径部25dの内径面に転走面26が形成され、大径部25eの内径面に転走面27が形成されている。外輪25の内径面の開口部にはシール装着溝54、55が設けられている。なお、小径部25dと大径部25eとの間には、内径側へ凸状となる湾曲部25fが設けられている。
内輪24C、24Dは、図1に示す軸受2の内輪24A、24Bと同様、大径部60C、60Dと、小径部61C、61Dと、大径部60C、60Dと小径部61C、61Dとの間の連設部62C、62Dとからなる。この場合、大径部60C、60Dの外径面がシール装着面63C、63Dとなり、連設部62C、62Dの外径面が転走面28、29となる。また、内輪24C,24Dの内径面がハブ輪嵌合面64C、64Dとなる。
また、ナックルNの内径面80は、アウタ側が小径部80cとされ、インナ側が大径部80dとされる。このため、外輪25の小径部25dがナックルNの小径部80cに圧入され、外輪25の大径部25eがナックルNの大径部80dに圧入される。ナックルNの内径面80のアウタ側の端部には内鍔部83が設けられるとともに、ナックルNの内径面80の大径部80dのインナ側には止め輪84が嵌着される。このため、外輪25がこの止め輪84と内鍔部83とで挟持された状態で固定される。
このため、ナックル嵌合面50dの外径寸法D3を、ナックルNの内径面80の大径部80aの内径寸法D13よりも僅かに大きく設定するとともに、ナックル嵌合面50eの外径寸法D4を、ナックルNの内径面80の小径部80bの内径寸法D14よりも僅かに大きく設定している。
この場合、アウタ側の内輪24Cの肉厚をインナ側の内輪24Dよりも小さく(薄く)している。このため、アウタ側の転動体30のピッチ円直径をインナ側の転動体30のピッチ円直径よりも小さく設定している。すなわち、アウタ側のピッチ円直径をPCDoとし、インナ側のピッチ円直径をPCDiとした場合に、PCDo<PCDiとしている。
図11の他の構成は、図4に示す車輪用軸受装置と同様である。このため、図4と同一部材は同一の符号を附してこれらの説明を省略する。
図11の車輪用軸受装置では、インナ側の転動体30のピッチ円直径をアウタ側の転動体30のピッチ円直径よりも大きく設定しているので、軸方向寸法の増大なしに、軸受スパン(両転走面に加わる力の作用方向の作用線と軸心との交点の間隔)の増大を図ることができる。加えて、インナ側のボールの個数がアウタ側の個数よりも多く設定されるので、軽量・コンパクト化を図ることができると共に、軸受剛性の増大が図れる。また、インナ側のボールの個数が多くなることで、軸受の負荷容量が増大し、軸受の長寿命化を図ることができる。
次に図12に示す第8実施形態では、内輪24C、24Dが冷間ローリング加工にて成形されている。内輪24C、24Dは、大径部60C1,60D1と、小径部61C1、61D1と、大径部60C1、60D1と小径部61C1、61D1との間のテーパ部62C1、62D1とを備える。テーパ部62C1の外径面に転走面28が形成され、テーパ部62D1の外径面に転走面29が形成される。また、内輪24C、24Dの内径面がハブ輪1の軸部(筒部)20の外径面20aに嵌合するハブ輪嵌合面64C1、64D1となる。
この内輪24C、24Dも、ほぼ内輪24C、24Dの形状となった素形状の内輪素材を、冷間ローリングにより成形する。この素材を、加熱炉等で焼入して表面硬化させた後、切削加工を行う。すなわち、焼入鋼切削を行う。この場合、ハブ輪嵌合面64C1、64D1、両端面65C1,66D1、65C1,66D1、シール装着面63C1、63D1、及び転走面28(29)が焼入鋼切削される。また、通常の軸受製作の工程と同じように、冷間ローリング、旋削、熱処理、研磨の順序で加工しても良い。
この場合も図11に示す車輪用軸受装置と同様、アウタ側の内輪24Cの肉厚をインナ側の内輪24Dよりも小さく(薄く)している。このため、アウタ側の転動体30のピッチ円直径をインナ側の転動体30のピッチ円直径よりも小さく設定している。アウタ側のピッチ円直径をPCDoとし、インナ側のピッチ円直径をPCDiとした場合に、PCDo<PCDiとしている。
図12の他の構成は、図11に示す車輪用軸受装置と同様である。このため、図11と同一部材は同一の符号を附してこれらの説明を省略する。
このため、図12に示す車輪用軸受装置は、図11に示す車輪用軸受装置と同様の作用効果を奏する。
次に図13に示す第9実施形態の車輪用軸受装置は、外輪25の外径面のナックルNへの圧入前に装着されて外輪25の抜けを規制する規制手段90を設けている。規制手段90は、外輪25のアウタ側の端部に装着される装着体91にて構成される。この装着体91は、外輪25のアウタ側の端部に圧入によって外嵌固定される短筒部91aと、この短筒部91aのアウタ側の端縁部から内径側へ延びる内鍔部91bと、短筒部91aから外径方向へ傾斜状に突設される起立片部91cとを備える。起立片部91cは短筒部91aの周壁に周方向に沿って略U字状の切り込みを所定ピッチで複数個形成し、この切り込みの内部を外径方向へ起立させたものである。
このため、起立片部91cは、周方向に沿って所定ピッチで複数本設けられることになる。各起立片部91cは図13(a)に示すような自由状態では、短筒部91aから所定角度で傾斜するように突出している。この状態から起立片部91cに外径方向から内径方向への外力が作用すれば、起立片部91cは、その基端部(インナ側端部)を中心にその先端側(アウタ側)が、図13(b)に示す矢印Bのように、内径側へ揺動する。そして、その外力が解除されれば、図13(a)に示す状態に復帰する。
この場合、ナックルNの内径面80のアウタ側の端部には凹溝92が設けられ、この凹溝92に、図13(c)に示すように、起立片部91cが係合する。すなわち、凹溝92は、アウタ側の第1傾斜面92aと、第1傾斜面92aからアール状コーナ部92bを介して連設される第2傾斜面92cと、第2傾斜面92cからアール状コーナ部92dを介して連設される鉛直面92eと、鉛直面92eに連設される面取り部92fとからなる。第1傾斜面92aは、アウタ側からインナ側に向かって拡径するように傾斜し、第2傾斜面92cは、アウタ側からインナ側に向かって縮径するように傾斜する。
次に、この規制手段90を使用した装着方法を説明する。まず、装着体91を外輪25のアウタ側の端部に図13(a)に示すように装着する。その後、外輪25を矢印AのようにナックルNの内径面80に圧入していく。この際、図13(c)に示すように、起立片部91cがナックルNの内径面80のアウタ側の端面93に達すれば、この端面93によって、内径側へ押圧されて矢印Bのように揺動する。そして、起立片部91cが端面93を通過すれば、図13(c)に示すように、起立片部91cは矢印Cのように揺動して自由状態に戻り、起立片部91cの端面95が第1傾斜面92aに当接する。
このように、起立片部91cの端面95が第1傾斜面92aに当接すれば、外輪25のナックルNからの抜けが規制される。したがって、抜け防止の信頼性が向上して、高品質の製品を提供することができる。なお、ナックルNの内径面のアウタ側の端縁に切欠面96が設けられ、この切欠面96が起立片部91cの揺動のガイドとなる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、図1等に示す車輪用軸受装置において、前記実施形態では、軸受2のトルク伝達手段としての転動体をボール30にて構成したが、円錐ころを使用するものであってもよい。また、図11と図12に示す軸受2において、外輪25を図1に示すような旋削加工等によって成形したものであっても、内輪24C,24Dを、冷間ローリング等の塑性加工によって成形したものであってもよい。各実施形態において、一対の内輪のうち、いずれか一方を冷間ローリング等の塑性加工で成形し、他方の旋削加工等によって成形したものであってもよい。
本発明の第1実施形態を示す車輪用軸受装置の軸受の拡大断面図である。 前記図1に示す車輪用軸受装置の断面図である。 本発明の第2実施形態を示す車輪用軸受装置の軸受の拡大断面図である。 前記図3に示す車輪用軸受装置の断面図である。 前記図3に示す軸受の外輪の拡大断面図である。 本発明の第3実施形態を示す車輪用軸受装置の軸受の拡大断面図である。 前記図6に示す車輪用軸受装置の断面図である。 本発明の第4実施形態を示す車輪用軸受装置の軸受の拡大断面図である。 本発明の第5実施形態を示す車輪用軸受装置の軸受の拡大断面図である。 本発明の第6実施形態を示す車輪用軸受装置の軸受の拡大断面図である。 本発明の第7実施形態を示す車輪用軸受装置の軸受の拡大断面図である。 本発明の第8実施形態を示す車輪用軸受装置の軸受の拡大断面図である。 本発明の第9実施形態を示す車輪用軸受装置のナックルへの装着方法を示す要部拡大断面図である。 従来の車輪用軸受装置の断面図である。 前記図14に示す車輪用軸受装置の軸受の拡大断面図である。
符号の説明
20 軸部(筒部)
20A 軸部
24A,24B 内輪
24C,24D 内輪
25 外輪
26,27 外側転走面
26a 溝底
26b 肩部
27a 溝底
27b 肩部
28,29 内側転走面
30 転動体
50a ナックル嵌合面
50b ナックル嵌合面
75 加締部
77 加締部
80 内径面
90 規制手段

Claims (6)

  1. 内周に複列の外側転走面が形成された外輪と、外周に外輪の外側転走面に対向する内側転走面が形成された一対の内輪と、外輪の外側転走面と内輪の内側転走面との間に転動自在に収容された転動体とを有する転がり軸受を備え、アウタ側の転動体のピッチ円直径とインナ側の転動体のピッチ円直径とを相違させた車輪用軸受装置であって、前記外輪と内輪との少なくとも一方を、プレス加工又はローリング加工を含む塑性加工品にて成形したことを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 前記塑性加工品は塑性加工前に球状化焼鈍が施されてなることを特徴とする請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. アウタ側の転動体のピッチ円直径をインナ側の転動体のピッチ円直径よりも大きく設定するとともに、外輪のアウタ側の転走面における溝底から肩部までの高さを、外輪のインナ側の転走面における溝底から肩部までの高さよりも大きく設定したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車輪用軸受装置。
  4. ハブ輪と複列の転がり軸受と等速自在継手とがユニット化された車輪用軸受装置であって、前記転がり軸受の内輪がハブ輪の軸部に外嵌されるとともに、ハブ輪の軸部のインナ側の端部を外径側へ加締めてその加締部をインナ側の内輪のインナ側端面に係合させたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車輪用軸受装置。
  5. 前記外輪の外径面をナックルに圧入される嵌合面とするとともに、圧入力でもって外輪をナックルに固定したことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の車輪用軸受装置。
  6. 前記外輪の外径面のナックルへの圧入前に装着されて外輪の抜けを規制する規制手段を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の車輪用軸受装置。
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