JP2006275207A - 転がり軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】玉の肩乗り上げを防止することができると共に、転がり軸受部における軸受剛性が損なわれるのを防ぐことのできる転がり軸受装置を提供する。
【解決手段】内側部材30と、この内側部材30の径方向外方に設けられた外輪2と、内側部材30と外輪2とにアンギュラコンタクトとなるよう内側部材30と外輪2との間に設けられた軸方向インナ側の複数個の玉4と軸方向アウタ側の複数個の玉5とを備えている。軸方向インナ側の玉4と接触する軌道面側の肩部の肩径と、軸方向アウタ側の玉5と接触する軌道面側の肩部の肩径とが相違している。
【選択図】 図1
【解決手段】内側部材30と、この内側部材30の径方向外方に設けられた外輪2と、内側部材30と外輪2とにアンギュラコンタクトとなるよう内側部材30と外輪2との間に設けられた軸方向インナ側の複数個の玉4と軸方向アウタ側の複数個の玉5とを備えている。軸方向インナ側の玉4と接触する軌道面側の肩部の肩径と、軸方向アウタ側の玉5と接触する軌道面側の肩部の肩径とが相違している。
【選択図】 図1
Description
この発明は、自動車等の車両の車輪が取り付けられる転がり軸受装置に関する。
自動車等の車両の車輪が取り付けられる転がり軸受装置として従来知られるものに、内輪と、この内輪の径方向外方に設けられた外輪と、内輪と外輪とにアンギュラコンタクトとなるよう内輪と外輪との間に設けられた軸方向インナ側の複数個の玉と軸方向アウタ側の複数個の玉とを備えたものがある(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載されている転がり軸受装置は、内輪が車両本体側に取り付けられ、外輪に車輪側部材が取り付けられ、外輪が内輪に対して回転自在とされた外向き複列アンギュラ玉軸受を構成している。
特許文献1に記載されている転がり軸受装置は、内輪が車両本体側に取り付けられ、外輪に車輪側部材が取り付けられ、外輪が内輪に対して回転自在とされた外向き複列アンギュラ玉軸受を構成している。
一般に車両が旋回する際には、旋回方向の反対側(右旋回の場合は車両の左側)の車軸により大きな荷重が負荷される。従って、特許文献1に記載されている軸受装置のように、車輪側部材が外輪に取り付けられて複列アンギュラ玉軸受を構成している場合、車両が旋回する際に軸方向インナ側(車両の左右方向内側)の玉に大きな荷重が作用して、インナ側の玉が肩部に乗り上げやすくなる。なお、肩部とは、外輪の場合、軸方向インナ側・アウタ側の一対の軌道面間の内周面と断面凹湾曲状の軌道面との交差部であり、内輪の場合の肩部は、内輪の外周面と軌道面との交差部である。さらに、肩径とは、外輪の場合は肩部における内径であり、内輪の場合は肩部における外径となる。
また、特許文献1に記載されている転がり軸受装置は、外輪について見ると、インナ側の軌道面の曲率半径(溝半径)がアウタ側の軌道面の曲率半径よりも小さくされている。つまり、この軸受装置は、車両が旋回する際にインナ側において荷重が大きく作用することでインナ側の玉が肩部へ乗り上げやすくなっており、さらに、インナ側の軌道面の曲率半径がアウタ側よりも小さくされていることによりインナ側の玉がさらに肩部へ乗り上げやすくなってしまうという問題点を有している。
また、特許文献1に記載されている転がり軸受装置は、外輪について見ると、インナ側の軌道面の曲率半径(溝半径)がアウタ側の軌道面の曲率半径よりも小さくされている。つまり、この軸受装置は、車両が旋回する際にインナ側において荷重が大きく作用することでインナ側の玉が肩部へ乗り上げやすくなっており、さらに、インナ側の軌道面の曲率半径がアウタ側よりも小さくされていることによりインナ側の玉がさらに肩部へ乗り上げやすくなってしまうという問題点を有している。
また、一般にこのような軸受装置を設計する際、玉の肩部への乗り上げが最も起こりやすい危険側の箇所において安全となるよう肩径や軌道面の曲率半径を設定し、その肩径や曲率半径の値をインナ側とアウタ側との双方に適用している。即ち、例えば外輪において、玉の肩部への乗り上げが比較的起こりにくい側の軌道面についても肩径が小さくされ、軌道面を径方向に深くしている。そして、軌道面を径方向に深くすると軌道面の研磨作業に時間を費やし、製作工数を増加させてしまう。つまり、図5に示すように、軌道面を研磨する場合(二点鎖線が研磨後の軌道面)、砥石eを半径方向から接近させて行うため、軌道面が径方向に深くなると軌道面の底部の研磨代の径方向寸法aに比べて肩部付近における軌道面の研磨代の径方向寸法bが増大し、研磨工数が多く必要となる。従って、玉の肩乗り上げが生じにくい部位においても軌道面を径方向に深くすることで、研磨工数が増加してしまうという問題点を有している。
さらに、肩径と軌道面の曲率は、軸方向インナ側とアウタ側とにおいて同一とされており、玉の肩部への乗り上げが比較的起こりにくい安全側の軌道面においても危険側の値が適用されているため、安全側の箇所においては過剰品質とされている。
そこで、この発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、軌道面の研磨工数の増加を抑えつつ、肩乗り上げを防止することができる転がり軸受装置を提供することを目的とする。
さらに、肩径と軌道面の曲率は、軸方向インナ側とアウタ側とにおいて同一とされており、玉の肩部への乗り上げが比較的起こりにくい安全側の軌道面においても危険側の値が適用されているため、安全側の箇所においては過剰品質とされている。
そこで、この発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、軌道面の研磨工数の増加を抑えつつ、肩乗り上げを防止することができる転がり軸受装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するためのこの発明は、内側部材と、この内側部材の径方向外方に設けられた外側部材と、前記内側部材と前記外側部材とにアンギュラコンタクトとなるよう当該内側部材と外側部材との間に設けられた軸方向インナ側の複数個の玉と軸方向アウタ側の複数個の玉とを備えた転がり軸受装置において、前記軸方向インナ側の玉と接触する軌道面側の肩部の肩径と、前記軸方向アウタ側の玉と接触する軌道面側の肩部の肩径とが相違していることを特徴としている。
このような構成の転がり軸受装置によれば、例えば外側部材において、軸方向インナ側とアウタ側のうち、玉の肩乗り上げが起こりやすい側の肩径(内径)を、肩乗り上げが起こりやすい側と反対側の肩径(内径)よりも小さくすれば、肩径を小さくした側において玉の肩乗り上げを防止することができる。これにより、軸受装置の寿命を延ばすことができる。
さらに、例えば外側部材において、肩乗り上げが起こりやすい側と反対側(肩乗り上げが生じにくい側)の肩部については肩径を小さくしていないので、つまり、凹周溝から成る軌道面を径方向に深くしていないため、軌道面における研磨作業を行いやすくなる。即ち、軌道面が径方向に深くなると、肩部付近において軌道面の研磨代が多くなるので研磨仕上げに時間を要するが、これを抑えることができる。
このような構成の転がり軸受装置によれば、例えば外側部材において、軸方向インナ側とアウタ側のうち、玉の肩乗り上げが起こりやすい側の肩径(内径)を、肩乗り上げが起こりやすい側と反対側の肩径(内径)よりも小さくすれば、肩径を小さくした側において玉の肩乗り上げを防止することができる。これにより、軸受装置の寿命を延ばすことができる。
さらに、例えば外側部材において、肩乗り上げが起こりやすい側と反対側(肩乗り上げが生じにくい側)の肩部については肩径を小さくしていないので、つまり、凹周溝から成る軌道面を径方向に深くしていないため、軌道面における研磨作業を行いやすくなる。即ち、軌道面が径方向に深くなると、肩部付近において軌道面の研磨代が多くなるので研磨仕上げに時間を要するが、これを抑えることができる。
また、軸方向インナ側とアウタ側とにおいて前記肩部の肩径を、前記内側部材と前記外側部材のいずれか片方のみ相違させているのが好ましい。この構成によれば、軸方向インナ側とアウタ側との肩径を相違させて軌道面を径方向に深くしている部材が、内側部材と外側部材のうちのいずれか片方のみとされていることにより、軌道面の研磨代を少なくし、軌道面の研磨工数が増えるのを抑えることができる。
また、前記軸方向インナ側の玉と接触する軌道面の曲率半径と、前記軸方向アウタ側の玉と接触する軌道面の曲率半径とが相違しているのが好ましい。この構成によれば、軸方向インナ側とアウタ側のうち玉の肩乗り上げが起こりやすい側の軌道面の曲率半径を、その反対側の軌道面の曲率半径よりも大きくすれば、曲率半径を大きくした側において玉の肩乗り上げをより効果的に防止することができ、より大きな荷重が作用しても肩乗り上げが生ずるのを防止することができる。
またこの場合において、軸方向インナ側とアウタ側とにおいて前記軌道面の曲率半径を、前記内側部材と前記外側部材のいずれか片方のみ相違させているのが好ましい。この構成によれば、軸方向インナ側とアウタ側のうち玉の肩乗り上げが起こりやすい側の軌道面の曲率半径を、その反対側の軌道面の曲率半径よりも大きくすれば、曲率半径を大きくした側において玉の肩乗り上げを防止することができる。そして、一般に軌道面の曲率半径を大きくすると軸受剛性が低下してしまうが、この構成によれば、外側部材の軌道面の曲率半径と内側部材の軌道面の曲率半径のうちの片方のみを大きくするので、転がり軸受部全体としての剛性が低下するのを抑制することができる。
また、前記外側部材において、前記軸方向インナ側の軌道面と前記軸方向アウタ側の軌道面との間の内周面が、前記肩部の肩径が小さくされた側から前記肩部の肩径が大きくされた側へ向かって拡径するテーパ面とされているのが好ましい。この構成によれば、簡単な構成により軸方向インナ側とアウタ側とで肩径を相違させることができる。つまり、簡単な構成により玉の肩乗り上げを防ぐことができる。
本発明の転がり軸受装置によれば、玉の肩乗り上げを防止して軸受寿命を延ばすことができ、また、軌道面の研磨工数が増加するのを抑制することができる。
以下、この発明の実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1はこの発明の実施の一形態に係る転がり軸受装置(以下、単に軸受装置ともいう)を示す縦断面図である。この軸受装置は自動車等の車両の車輪用として用いられ、車輪側部材10が取り付けられるフランジ部3を軸方向アウタ側(外側)端部21に有する内軸1と、この内軸1の径方向外方に設けられた外輪2とを備えている。なお、フランジ部3に取り付けられる車輪側部材10としては車輪のホイール、ディスクブレーキ用のブレーキロータがある。また、図1に示している軸受装置はいわゆる第3世代の車輪用軸受装置と呼ばれるものである。
図1はこの発明の実施の一形態に係る転がり軸受装置(以下、単に軸受装置ともいう)を示す縦断面図である。この軸受装置は自動車等の車両の車輪用として用いられ、車輪側部材10が取り付けられるフランジ部3を軸方向アウタ側(外側)端部21に有する内軸1と、この内軸1の径方向外方に設けられた外輪2とを備えている。なお、フランジ部3に取り付けられる車輪側部材10としては車輪のホイール、ディスクブレーキ用のブレーキロータがある。また、図1に示している軸受装置はいわゆる第3世代の車輪用軸受装置と呼ばれるものである。
内軸1のインナ側(内側)端部22には内輪部材12が外嵌して取り付けられており、内軸1と内輪部材12とによりこの軸受装置の内側部材30とされている。外輪2は、この内側部材30(内軸1と内輪部材12)の径方向外方に、軸方向インナ側の第1の転動体と軸方向アウタ側の第2の転動体とを介在させて設けられている。つまり、外輪2が外側部材となる。
軸方向インナ側の第1の転動体は複数の玉4からなり、軸方向アウタ側の第2の転動体は複数の玉5からなり、第1の玉4と第2の玉5は夫々、内側部材30及び外輪2にアンギュラコンタクトとなるよう設けられている。つまり、この軸受装置は外向き複列アンギュラ玉軸受を構成している。
軸方向インナ側の第1の転動体は複数の玉4からなり、軸方向アウタ側の第2の転動体は複数の玉5からなり、第1の玉4と第2の玉5は夫々、内側部材30及び外輪2にアンギュラコンタクトとなるよう設けられている。つまり、この軸受装置は外向き複列アンギュラ玉軸受を構成している。
内軸1のフランジ部3は内軸1の軸方向アウタ側端部21において径方向外方向きに形成されており、フランジ部3の軸方向アウタ側となる車輪側部材10用の取り付け面3aは、軸受の中心線(軸心)Cに直交する面となるよう形成されている。また、内軸1のインナ側端部22には前記内輪部材12を外嵌させるための小径部13が形成されている。小径部13の軸方向アウタ側には環状の段付き面(突き当て面)14が形成されており、段付き面14の外周縁から軸方向アウタ側に向かって中径部15が形成されている。中径部15のさらに軸方向アウタ側は大径部16が形成されており、大径部16の外周面は内軸1と外輪2との間に設けられたシール部材17のシール面とされている。
内輪部材12は、内軸1のインナ側端部22に形成されている小径部13に外嵌しかつ段付き面14に突き当てられて内軸1に取り付けられている。さらに、内軸1のインナ側端部22の外周側部が径方向外向きに広げられて形成されたかしめ部18により、内輪部材12は軸方向に圧縮され、内輪部材12は軸力を持って内軸1に外嵌固定されている。
図2はこの軸受装置の要部を説明する説明図であり、図2において、内輪部材12の外周面には軸方向インナ側の玉4用の単一の軌道面6が形成されている。そして、内軸1の中径部15の外周面に軸方向アウタ側の玉5用の単一の軌道面8が形成されている。従って、内輪部材12の外周面と軌道面6との交差部が軸方向インナ側の肩部28とされ、内軸1の大径部16の外周面と軌道面8との交差部が軸方向アウタ側の肩部27とされている。
図1と図2において、外輪2は内軸1と同軸となるよう設けられており、外輪2は円筒部19とフランジ部20とを有している。そして、円筒部19の内周面の軸方向インナ側に第1の玉4用の単一の軌道面7が形成され、アウタ側に第2の玉5用の単一の軌道面9が形成されている。
外輪2のフランジ部20は円筒部19の外周面側に設けられており、このフランジ部20を図外の車体側部材と連結させることによりこの転がり軸受装置は車両本体と固定される。図1の軸受装置は、外輪2が車両本体と固定される固定側部材とされ、内側部材30(内軸1と内軸1に外嵌させた内輪部材12)が回転側部材とされている。そして、この軸受装置が車両本体に固定されると、内軸1のフランジ部3側が軸方向アウタ側となり、内軸1に外嵌させた内輪部材12側が軸方向インナ側となる。
外輪2のフランジ部20は円筒部19の外周面側に設けられており、このフランジ部20を図外の車体側部材と連結させることによりこの転がり軸受装置は車両本体と固定される。図1の軸受装置は、外輪2が車両本体と固定される固定側部材とされ、内側部材30(内軸1と内軸1に外嵌させた内輪部材12)が回転側部材とされている。そして、この軸受装置が車両本体に固定されると、内軸1のフランジ部3側が軸方向アウタ側となり、内軸1に外嵌させた内輪部材12側が軸方向インナ側となる。
一般に車両が旋回する際には車両に大きなモーメント荷重が負荷され、図1に示した転がり軸受装置においてもこれによりモーメント荷重、軸方向荷重が大きく作用し、玉4,5において肩乗り上げが生じやすくなる。そこで、本発明において、軸方向インナ側の玉4と接触する軌道面側の肩径と、軸方向アウタ側の玉5と接触する軌道面側の肩径とを相違させている。例えば、外輪2において、軸方向インナ側の肩部26と軸方向アウタ側の肩部25のうち、荷重が大きく作用して玉の肩乗り上げが起こりやすい軌道面側の肩径を、肩乗り上げが起こりやすい側と反対側の肩径よりも小さくしている(例えばD1<d1)。また、内側部材30においては、軸方向インナ側とアウタ側のうち荷重が大きく作用して玉の肩乗り上げが起こりやすい軌道面側の肩径を、肩乗り上げが起こりやすい側と反対側の肩径よりも大きくしている(D2>d2)。
具体的に説明すると、軸方向アウタ側の第2の玉5とこの玉5と接触する軌道面8,9との間において、軸方向インナ側よりも肩乗り上げが起こりやすいとした場合、図2の外輪2において、軸方向アウタ側の肩部25の肩径D1を、軸方向インナ側の肩部26の肩径d1よりも小さくしている(D1<d1)。言い換えると、軸方向アウタ側の軌道面9の径方向の深さをインナ側の軌道面7の径方向の深さよりも深くしている。
さらに、図2の内側部材30においては、軸方向アウタ側の肩部27の肩径D2を、軸方向インナ側の肩部28の肩径d2よりも大きくしている(D2>d2)。つまり、軸方向アウタ側の軌道面8の径方向の深さをインナ側の軌道面6の径方向の深さよりも深くしている。
これにより、軸方向アウタ側の軌道面8,9を径方向に深くすることができ、この軌道面8,9と第2の玉5との間において、肩乗り上げが生ずるのを防止することができる。さらに、軸方向インナ側においては軌道面6,7の研磨工数が増加するのを抑えることができる。
さらに、図2の内側部材30においては、軸方向アウタ側の肩部27の肩径D2を、軸方向インナ側の肩部28の肩径d2よりも大きくしている(D2>d2)。つまり、軸方向アウタ側の軌道面8の径方向の深さをインナ側の軌道面6の径方向の深さよりも深くしている。
これにより、軸方向アウタ側の軌道面8,9を径方向に深くすることができ、この軌道面8,9と第2の玉5との間において、肩乗り上げが生ずるのを防止することができる。さらに、軸方向インナ側においては軌道面6,7の研磨工数が増加するのを抑えることができる。
また図示しないが、軸方向インナ側とアウタ側とにおいて肩径を大小相違させるのは、内側部材30と外輪2のいずれか片方のみとされているのが好ましい。つまり、図2を参考にして説明すると、内軸1に形成されているアウタ側の軌道面8側の肩部27の肩径D2と、内輪部材12に形成されているインナ側の軌道面6側の肩部28の肩径d2とは同一寸法(D2=d2)とされているが、外輪2において、アウタ側の軌道面9側の肩部25の肩径D1がインナ側の軌道面7側の肩部26の肩径d1よりも小さくされている(D1<d1)。または、これとは逆に、外輪2においては軸方向アウタ側の肩径D1とインナ側の肩径d1とを同一寸法とし(D1=d1)、内側部材30において軸方向アウタ側の肩径D2をインナ側の肩径d2よりも大きく(D2>d2)してもよい。つまり、外輪2と内側部材30とのうち、玉の肩乗り上げがさらに起こりやすい側の部材においてのみその肩径を、軸方向反対側の肩径と相違させている。これにより、軸方向アウタ側の両軌道面8,9の一方のみがその径方向に深くされるのみであり、研磨工数が増加するのを抑えることができる。
また、玉の肩乗り上げは、例えば、車両重量が重い場合、旋廻加速度が大きい場合、タイヤ中心と軸受中心とが軸方向に大きくずれている場合において生じやすく、これらの要素により肩乗り上げが生じやすい側がインナ側となったりアウタ側となったりする。
さらに、図4に示すように、外輪2が車輪側部材10を取り付けるためのフランジ部3を有している転がり軸受装置において、玉の肩乗り上げが起こりやすい側が、図1に示した軸受装置とインナ側とアウタ側とで反対となることもある。なお、図4に示している軸受装置においては、インナ側の第1の玉4側が、アウタ側の第2の玉5よりも肩乗り上げが生じやすい場合の構成を示している。
さらに、図4に示すように、外輪2が車輪側部材10を取り付けるためのフランジ部3を有している転がり軸受装置において、玉の肩乗り上げが起こりやすい側が、図1に示した軸受装置とインナ側とアウタ側とで反対となることもある。なお、図4に示している軸受装置においては、インナ側の第1の玉4側が、アウタ側の第2の玉5よりも肩乗り上げが生じやすい場合の構成を示している。
図4の軸受装置を簡単に説明すると、これはいわゆる第2世代の車輪用軸受装置であり、車輪側部材10が取り付けられるフランジ部3を有しかつ2列の軌道面を内周面に形成している外輪2と、内周面側に図示しない車体側の軸部材が挿入されかつ外周面側に2列の軌道面を形成している2つの内輪部材24,24と、外輪2と内輪部材24,24にアンギュラコンタクトしているインナ側の第1の玉4とアウタ側の第2の玉5とを備えている。つまり、外輪2が外側部材であり、2つの内輪部材24,24が内側部材30となる。
さらに、本発明の軸受装置は、軸方向インナ側の玉4と接触する軌道面の曲率半径と、軸方向アウタ側の玉5と接触する軌道面の曲率半径とを相違させている。具体的には、軸方向インナ側とアウタ側とのうち、肩乗り上げが起こりやすい側の軌道面の曲率半径が、肩乗り上げが起こりやすい側と反対側の軌道面の曲率半径よりも大きくされている。つまり、図2に示す軸受装置においては、軸方向アウタ側の玉5が肩乗り上げしやすい側とされているため、軸方向アウタ側の外輪2の軌道面9の曲率半径Rを、インナ側の外輪2の軌道面7の曲率半径rよりも大きくしている(R>r)。
また、一般的に軌道面の曲率半径は玉の半径よりも大きく設定されている。従って、本発明の軸受装置は、図2に示すように、肩乗り上げが起こりやすい側と反対側の軌道面の曲率半径rは、玉の半径r0よりも大きくかつ肩乗り上げが起こりやすい側の軌道面の曲率半径Rよりも小さくされることとなる(r0<r<R)。
また、一般的に軌道面の曲率半径は玉の半径よりも大きく設定されている。従って、本発明の軸受装置は、図2に示すように、肩乗り上げが起こりやすい側と反対側の軌道面の曲率半径rは、玉の半径r0よりも大きくかつ肩乗り上げが起こりやすい側の軌道面の曲率半径Rよりも小さくされることとなる(r0<r<R)。
さらに、この場合において、軸方向インナ側とアウタ側とにおいて軌道面の曲率半径を相違させるのは、内側部材30と外輪2のいずれか片方のみとされている。具体的には、軸方向インナ側とアウタ側とで肩乗り上げが起こりやすい軸方向一方側において、内側部材30の軌道面と外輪2の軌道面のいずれか一方のみの軌道面の曲率半径が、軸方向において肩乗り上げが起こりやすい側と反対側の軌道面の曲率半径よりも大きくされている。つまり、図2において、例えば、内軸1の軌道面8と内輪部材12の軌道面6とは同一の曲率半径とされているが、外輪2において、アウタ側の軌道面9の曲率半径Rがインナ側の軌道面7の曲率半径rよりも大きくされている(R>r)。
そしてこの構成は、軸方向インナ側の内外軌道面6,7とアウタ側の内外軌道面8,9のうち、肩乗り上げが最も起こりやすい1箇所の軌道面のみの曲率半径を、他の部分よりも大きくしているのが好ましい。
そしてこの構成は、軸方向インナ側の内外軌道面6,7とアウタ側の内外軌道面8,9のうち、肩乗り上げが最も起こりやすい1箇所の軌道面のみの曲率半径を、他の部分よりも大きくしているのが好ましい。
そして、本発明の軸受装置は、図1と図2に示す外輪2のように、軸方向インナ側の軌道面7側の肩部26の肩径d1とアウタ側の軌道面9側の肩部25の肩径D1とが相違するよう構成されている場合、インナ側の軌道面7とアウタ側の軌道面9との間の内周面が、肩径が小さくされた側(肩部25側)から肩径が大きくされた側(肩部26側)へ向かって直線的に拡径するテーパ面11とされている。
つまり、玉の肩乗り上げが起こりやすい側からその反対側へ向かって直線的に拡径するテーパ面11とされている。
つまり、玉の肩乗り上げが起こりやすい側からその反対側へ向かって直線的に拡径するテーパ面11とされている。
または図3は外輪2の変形例であり、軸方向インナ側の軌道面7とアウタ側の軌道面9との間の内周面において、インナ側の軌道面7側の肩部26の肩径d1とアウタ側の軌道面9側の肩部25の肩径D1とが相違するよう構成されているが、軸方向インナ側の軌道面7とアウタ側の軌道面9との間の内周面が、アウタ側からインナ側に向かって内径寸法が段階的に拡大するよう変化する段付き面23となるようしてもよい。
また、本発明の転がり軸受装置は、図示する形態に限らずこの発明の範囲内において他の形態のものであっても良く、本発明は、図1、図4に示している転がり軸受装置の他に、図示しないが、2列の軌道面が形成された(2個の)内輪部材と、2列の軌道面が形成された外輪部材とが、車両本体と固定される車両側本体部材と、車輪側部材が取り付けられるフランジ部を有する車輪側本体部材とに、夫々別体として設けられた転がり軸受装置(いわゆる第1世代の車輪用軸受装置)においても適用できる。
1 内軸
2 外輪
4 玉
5 玉
6 内側部材の軌道面
7 外側部材の軌道面
8 内側部材の軌道面
9 外側部材の軌道面
11 テーパ面
25 外側部材の肩部
26 外側部材の肩部
27 内側部材の肩部
28 内側部材の肩部
D1 外側部材の肩径
D2 内側部材の肩径
d1 外側部材の肩径
d2 内側部材の肩径
2 外輪
4 玉
5 玉
6 内側部材の軌道面
7 外側部材の軌道面
8 内側部材の軌道面
9 外側部材の軌道面
11 テーパ面
25 外側部材の肩部
26 外側部材の肩部
27 内側部材の肩部
28 内側部材の肩部
D1 外側部材の肩径
D2 内側部材の肩径
d1 外側部材の肩径
d2 内側部材の肩径
Claims (5)
- 内側部材と、この内側部材の径方向外方に設けられた外側部材と、前記内側部材と前記外側部材とにアンギュラコンタクトとなるよう当該内側部材と外側部材との間に設けられた軸方向インナ側の複数個の玉と軸方向アウタ側の複数個の玉と、を備えた転がり軸受装置において、前記軸方向インナ側の玉と接触する軌道面側の肩部の肩径と、前記軸方向アウタ側の玉と接触する軌道面側の肩部の肩径とが相違していることを特徴とする転がり軸受装置。
- 軸方向インナ側とアウタ側とにおいて前記肩部の肩径を、前記内側部材と前記外側部材のいずれか片方のみ相違させている請求項1に記載の転がり軸受装置。
- 前記軸方向インナ側の玉と接触する軌道面の曲率半径と、前記軸方向アウタ側の玉と接触する軌道面の曲率半径とが相違している請求項1又は2に記載の転がり軸受装置。
- 軸方向インナ側とアウタ側とにおいて前記軌道面の曲率半径を、前記内側部材と前記外側部材のいずれか片方のみ相違させている請求項3に記載の転がり軸受装置。
- 前記外側部材において、前記軸方向インナ側の軌道面と前記軸方向アウタ側の軌道面との間の内周面が、前記肩部の肩径が小さくされた側から前記肩部の肩径が大きくされた側へ向かって拡径するテーパ面とされている請求項1〜4のいずれかに記載の転がり軸受装置。
Priority Applications (1)
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JP2005097528A JP2006275207A (ja) | 2005-03-30 | 2005-03-30 | 転がり軸受装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009162335A (ja) * | 2008-01-08 | 2009-07-23 | Ntn Corp | 車輪用軸受装置 |
JP2013087920A (ja) * | 2011-10-21 | 2013-05-13 | Jtekt Corp | 車輪用転がり軸受の外輪部材の製造方法 |
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-
2005
- 2005-03-30 JP JP2005097528A patent/JP2006275207A/ja active Pending
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