JP2016205578A - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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直也 中西
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Abstract

【課題】車両が縁石に衝突したとき等の過大なアキシャル荷重が負荷されたときにおいて、肩乗り上げを防止するとともに、軌道面に生じる圧痕の発生を防止することである。
【解決手段】車輪用軸受装置の2列の軌道面のうち少なくとも車輪に近い側の軌道面において、外側軌道面16と内側軌道面24の少なくとも一方の軸方向断面形状が、第1円弧31と第2円弧32で形成されていて、第2円弧32は、第1円弧31より肩に近い側に形成されるとともに、第1円弧31と同じ側に曲率中心を有し、かつ、第1円弧31の曲率半径Rより大きい曲率半径Rを有しており、第1円弧31と第2円弧32とがつながる変曲点Bは、通常走行時の荷重によって形成される接触領域の範囲より外側に形成されていて、通常走行時に接触領域が第1円弧31にのみ形成され、過大なアキシャル荷重が作用したときに接触領域の一部が第2円弧32に形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、過大荷重を受けたときに軌道面に圧痕が生じにくく、走行時の異音を低減する車輪用軸受装置に関するものである。
車輪を回転可能に支持する車輪用軸受装置には、例えば、図9に示すような複列の軌道面を有する転がり軸受100が使用されている(特許文献1)。
外輪101は、図示しないナックル等の車両側の部材に固定されている。内周には、複列の外側軌道面103,103が形成されている。外側軌道面103,103は互いに肩102でつながっており、外側軌道面103の肩102とつながる箇所をエッジ部Cという。
一対の内輪105,105は、それぞれ外周に内側軌道面106を有している。外側軌道面103と内側軌道面106の間には、複数の玉109が転動自在に組み込まれており、内輪105は、玉109を介して回転可能に支持されている。一対の内輪105,105の内周には、図示しないハブシャフトが挿入されており、このハブシャフトに固定された車輪が回転可能に支持されている。
外側軌道面103は、軸方向断面の形状が円弧状である。玉109と外側軌道面103とが接触する方向は、径方向に対して傾斜しており、玉109と外側軌道面103とが接触する接触点Sの軸方向の位置は、玉109の中心より肩102の側に寄っている。2列の外側軌道面103,103では、その傾斜する向きが互いに反対向きとなっているので、車両が右旋回したり左旋回したりすることによって左右のいずれの向きの曲げモーメントが作用しても、転がり軸受100は車輪を支えることが出来る。
玉109と外側軌道面103はいずれも鋼製であり、弾性を有している。そのため、接触点Sでは接触面が弾性変形して、楕円形の接触領域Eが形成される。軌道面の法線方向からみた接触領域Eの形状を、玉109と外側軌道面103とが接触する方向の延長線上に示す。
ハブシャフトに過大な荷重が作用すると、接触領域Eが塑性変形して、外側軌道面103に窪み(圧痕)を生じる。特に、車両の運転操作を誤って車輪のホイールが縁石に衝突した場合などには、内輪105にアキシャル方向の大きな荷重が作用して、接触点Sが肩102の方に変位し、接触領域Eが外側軌道面103からはみ出す場合がある。このときは、玉109がエッジ部Cと接触するので、玉109の表面に特に大きい圧痕が生じる。このように、接触領域Eが外側軌道面103からはみ出して、玉109とエッジ部Cとが接触する状態を「肩乗り上げ」という。
玉109の表面に圧痕が生じたままで車両が走行すると、玉109の圧痕が外側軌道面103と接触し、その接触時の振動が異音として聞こえるので、搭乗者が不快感を感じるようになる。
特許文献1では、肩乗り上げによる圧痕の発生を防止するために、接触領域の範囲内からエッジ部Cに向けて外側軌道面103と滑らかにつながる「部分」を形成している。そして、その「部分」の曲率中心の位置を、外側軌道面103に対して玉109と反対側に設置することによって、接触領域Eがエッジ部Cに向けて広がり難くしている。
特開平03−96717号公報
しかし、特許文献1の方策を使用した転がり軸受100においても、ホイールが縁石に衝突する等によって過大なアキシャル荷重が作用したときには、依然として異音が発生する場合があった。発明者らが応力解析を行った結果、この異音は、玉109の圧痕によって発生するものではなく、外側軌道面103や内側軌道面106に生じた圧痕が原因で発生していることが分かった。
特許文献1の構造であれば、エッジ部Cに向かう接触領域Eの拡大を抑制することによって肩乗り上げを防止し、玉109に生じる圧痕の発生を防止することが出来る。しかし、接触領域Eの拡大を抑制すると接触領域Eの面積が減少するので、ホイールが縁石に衝突したときには接触応力が増大して、各軌道面103,106に圧痕が生じていた。
こうして、ホイールが縁石に衝突することによって生じた圧痕が、各軌道面103,106上の玉109が転動する領域に生じたときには、通常走行時において依然として異音を発生するという問題があった。
本発明の目的は、車輪用軸受装置において、ホイールが縁石に衝突したとき等の過大なアキシャル荷重が作用した場合に、玉の肩乗り上げを防止して玉の表面に生じる圧痕を防止するとともに、軌道面における圧痕の発生を防止することである。
本発明の一実施形態は、内周に2列の外側軌道面を有する外方部材と、外周に2列の内側軌道面を有する内方部材と、前記外側軌道面と前記内側軌道面との間に転動自在に組み込まれた複数の玉と、を備える車輪用軸受装置において、前記2列の軌道面のうち少なくとも車輪に近い側の軌道面において、前記外側軌道面と前記内側軌道面の少なくとも一方の軸方向断面形状が、第1円弧と第2円弧とで形成されており、前記第2円弧は、前記第1円弧より肩に近い側に形成されるとともに、前記第1円弧と同じ側に曲率中心を有し、かつ、前記第1円弧の曲率半径より大きい曲率半径を有しており、前記第1円弧と前記第2円弧とがつながる変曲点は、通常走行時の荷重によって形成される接触領域の範囲より外側に形成されていて、通常走行時に接触領域が前記第1円弧にのみ形成され、過大なアキシャル荷重が作用したときに接触領域の一部が前記第2円弧に形成されている。
本発明の車輪用軸受装置は、ホイールが縁石に衝突したとき等の過大なアキシャル荷重が作用した場合に、玉の肩乗り上げを防止して玉の表面に生じる圧痕を防止するとともに、軌道面における圧痕の発生を防止することが出来る。
本発明の一実施形態にかかるハブユニットの軸方向断面図である。 本実施形態の外側軌道面と玉との接触状態を説明するための、図1の要部拡大図である。 比較例1から比較例3の軌道面形状を説明するための概念図である。 ホイールが縁石に衝突したときに、本実施形態の外側軌道面に生じる接触応力の分布を示すグラフである。 比較例1の外側軌道面に生じる接触応力の分布を示すグラフである。 比較例2の外側軌道面に生じる接触応力の分布を示すグラフである。 比較例3の外側軌道面に生じる接触応力の分布を示すグラフである。 変曲点Bの位置を変えたときの接触応力への影響を説明するグラフである。 従来の車輪用転がり軸受の断面図である。
本発明にかかる車輪用軸受装置の実施形態を図を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態(以下、「本実施形態」という)であるハブユニット10の軸方向断面図である。
本実施形態のハブユニット10は、外輪11(外方部材)と、回転軸12(内方部材)と、複数の玉13と、保持器14とで構成されている。
外輪11は、S55Cなどの炭素鋼で製作されている。内周には、2列のアンギュラ型の外側軌道面16,16が形成されている。外側軌道面16,16は、軸方向断面の形状が略円弧形状である。外側軌道面16,16は互いに肩17でつながっている。
玉13と外側軌道面16とが接触する方向は、径方向に対して傾斜している。この玉13と外側軌道面16とが接触する方向と径方向とのなす角度を「接触角」という。そして、2列の外側軌道面16,16の接触角θは互いに等しく、その傾斜する方向は互いに反対向きである。外側軌道面16は表面が硬さ60HRC程度に焼入れ硬化された後、研磨加工によって精密に仕上げられている。外側軌道面16の形状の詳細については後述する。
外輪11の外周には、径方向に延在する複数のフランジ19が一体に形成されている。各フランジ19には軸方向に貫通するボルト穴19aが形成されており、このボルト穴19aにボルト18を挿入して、外輪11がナックル21に固定されている。
回転軸12は、ハブシャフト22と、内輪23とで構成されている。
ハブシャフト22は、S55C等の炭素鋼で製作されている。ハブシャフト22の外周には、アンギュラ型の内側軌道面24が形成されている。ハブシャフト22の軸方向の一方の端部に、円板状のハブフランジ27が一体に形成されている。ハブシャフト22の軸方向の他方の端部には、円筒形状の内輪組付け部26が同軸に形成されている。
ハブフランジ27には、軸方向に突出したボルト20が複数個設けられている。このボルト20によって、図示しない車輪のホイールがハブフランジ27に固定されている。ホイールは、インロー28に案内されて回転軸12と同軸に固定されている。
ハブユニット10を車両に搭載したときには、ホイールが取り付けられる側が車両の外側になるので、以下の説明では、図1においてハブフランジ27側(図1の右方である)をアウター側といい、内輪23側(図1の左方である)をインナー側という。
内輪23は、SUJ2等の軸受鋼で製作されている。内輪23は、内輪組付け部26に圧入されている。圧入後、ハブシャフト22の軸端を軸方向に塑性変形させてかしめ部29が形成されており、このかしめ部29によって内輪23とハブシャフト22が強固に固定されている。内輪23の外周には、アンギュラ型の内側軌道面25が形成されている。
内側軌道面24,25の軸方向の断面形状は、いずれも略円弧形状である。玉13と内側軌道面24,25とが接触する方向は、それぞれ径方向に対して傾斜しており、傾斜する向きは互いに反対向きである。玉13が内側軌道面24,25と接触するときの接触角θは、それぞれ外側軌道面16、16の接触角θと同じ大きさである。
内側軌道面24,25は、表面が硬さ60HRC程度に焼入れ硬化された後、研磨加工によって精密に仕上げられている。内側軌道面24,25の形状の詳細については後述する。
外側軌道面16,16と内側軌道面24,25との間には、それぞれ複数の玉13が転動自在に組み込まれている。玉13は、樹脂製の保持器14によって、円周方向に一定の間隔で保持されている。こうして、回転軸12は、軸方向に離れた2列の玉13を介して回転可能に支持されている。
軌道面の詳細形状について説明する。インナー側とアウター側の2列の軌道溝は、互いに同一の形状であるので、以下の説明では、アウター側の軌道溝についてのみ説明し、インナー側の軌道溝についての説明を省略する。
図2は、図1におけるアウター側軌道溝を含む要部拡大図であって、外側軌道面16及び内側軌道面24の形状を示すとともに、玉13と各軌道面16,24との接触状態を模式的に示している。実際のハブユニット10では、玉13と各軌道面16,24とが接触しているが、図が煩雑になるのを避けるためにわずかに離れた状態で図示している。
外側軌道面16は、第1円弧31と第2円弧32とで形成されている。図2において、第1円弧31は、点Oを中心として点Aと点Bとの間に形成されており、第2円弧32は、点Oを中心として点Bと点Cとの間に形成されている。
ここで、点Aは、曲率中心Oから径方向に伸ばした直線と外側軌道面16との交点であり、以下「軌道底A」という。
点Bは、第1円弧31と第2円弧32とが互いに接する点であって、点Bにおいて第1円弧31と第2円弧32とが滑らかにつながっている。したがって、点Bと、曲率中心O及び曲率中心Oは同一直線状に存在し、曲率中心Oと曲率中心Oとの距離は、曲率半径Rと曲率半径Rとの差(R−R)に等しい。
点Cは、第2円弧32と肩17とがつながるエッジ部である。肩17は、回転軸線mと同軸の円筒形状である。第2円弧32と肩17との間には面取りが形成されている。このため、厳密には、点Cは、面取りと第2円弧32とがつながる点である。
第1円弧31の曲率半径Rは、玉13の外周面の曲率半径Rよりわずかに大きく、玉13の直径寸法d(d=R×2)に対する曲率半径Rの比率(R/d)は、概ね53%程度である。
第2円弧32の曲率半径Rは、第1円弧31の曲率半径Rより大きく(R>R)、玉13の直径寸法dに対する曲率半径Rの比率(R/d)は、概ね70%程度である。
なお、第1円弧31の曲率半径Rと第2円弧32の曲率半径Rは、上記の値に限定されない。第1円弧31の曲率半径Rは、52.75%〜53.25%の範囲で適宜選択することが出来る。また、第2円弧32の曲率半径Rは、68%〜72%の範囲で適宜選択することが出来る。すなわち、第2円弧32の曲率半径Rの、第1円弧31の曲率半径Rに対する比率(R/R)が、1.27〜1.36の範囲で設定されている。
点Bを境にして、第1円弧31と第2円弧32とで曲率が異なるので、以下、点Bを変曲点Bという。
内側軌道面24は、外側軌道面16と同様に、第3円弧33と第4円弧34とで形成されている。内側軌道面24の形態は外側軌道面16の形態と同等であるので、簡単に説明する。内側軌道面24では、第3円弧33は、点Fと変曲点Gとの間に形成されており、第4円弧34は、変曲点Gとエッジ部Hとの間に形成されている。変曲点Gは、第3円弧33と第4円弧34とが互いに接する点である。
第3円弧33の曲率半径Rは、玉13の直径寸法dに対して概ね53%程度の大きさである。第4円弧34の曲率半径Rは、第3円弧33の曲率半径Rより大きく(R>R)、玉13の直径寸法dに対して概ね70%程度の大きさである。
次に、玉13と、外側軌道面16及び内側軌道面24との接触状態について説明する。以下の説明では、本実施形態の圧痕防止効果を説明するために、車両が通常の走行状態で旋回走行をする場合(以下「通常走行時」という)と、例えば、ホイールが縁石に衝突するような異常な走行をする場合(以下「異常走行時」という)のそれぞれの場合における接触状態を対比して説明する。
ここで、車両が通常走行時において旋回走行するときとは、旋回するときの遠心力によって生じる横方向加速度が、重力加速度の概ね0.3倍以内の場合をいう。また、横方向加速度の大きさが、重力加速度の0.3倍の大きさのときを、以下の説明では「0.3G」と表現する。
(通常走行時)
図1によって、玉13と外側軌道面16及び内側軌道面24との接触部に作用する荷重について説明する。
車両が旋回走行する時の遠心力は、タイヤの接地面で支持されている。接地面に作用する荷重の向きは車両の旋回方向に応じて変わるが、ここでは、接地面に、図1に示すように回転軸線mの方向で車両外側から内側に向く力Fが作用している場合について説明する。
力Fは、回転軸線mから距離Dだけ離れた位置で作用するので、ハブユニット10にはモーメント荷重Mが時計回りの方向に作用している。ハブユニット10は、インナー側とアウター側の各軌道面16,24,25の接触角θが互いに反対向きとなっているので、車両が右旋回及び左旋回したときのいずれの向きの曲げモーメントに対しても、車輪を支えることが出来る。
玉13と各軌道面16,24,25との接触点には、接触角θの方向に接触荷重Pが作用している。上記の向きのモーメント荷重Mが負荷されるときには、車両に搭載した状態のハブユニット10では、アウター側玉列の鉛直方向下方と、インナー側玉列の鉛直方向上方とで接触荷重Pが大きくなる。また、内側軌道面24の玉13との接触状態は、外側軌道面16の接触状態と同様であるので、以下の説明では、以下の説明では、アウター側における玉13と外側軌道面16との接触状態について説明する。
図2では、通常走行時において旋回するときの玉13と外側軌道面16との接触点をSとし、異常走行時の玉13と外側軌道面16との接触点をSとして重ねて示している。
通常走行時において車両が旋回するとき、玉13と外側軌道面16は、径方向に対して接触角θだけ傾斜した方向で互いに接触している。このときの玉13の中心をQとすると、接触点Sと、玉13の中心Qと、第1円弧31の曲率中心Oとは同一直線上に存在している。このときの接触角θは、軌道底Aと曲率中心Oとを結ぶ直線と、接触点Sと曲率中心Oとを結ぶ直線のなす角度である。
玉13と外側軌道面16との接触部は弾性変形しており、玉13と外側軌道面16との接触部には、接触点Sを中心とする楕円形の接触領域Eが形成されている。この接触領域Eを接触角θの方向から見たときの形状を、接触角θの方向の延長線上に模式的に示している。
本実施形態では、変曲点Bの位置が、通常走行時(具体的には、0.3Gの荷重が負荷されたときである)の接触領域Eよりエッジ部Cの側となるように設定されている。このため、通常走行時では接触領域Eを常に第1円弧31の範囲内で形成することが出来る。いいかえれば、0.3G以下の通常走行時においては、必ず、玉13が第1円弧31の上を転動する。
一般的に、玉の外周面の曲率半径に比べて軌道面の曲率半径を大きくすると、接触領域が小さくなるので肩乗り上げの防止方策として有効であるが、その反面、接触応力が上昇するので軌道面に圧痕が発生したり剥離寿命が低下する等の不具合が生じる。そのため、接触応力の上昇を抑制しつつ接触領域が広がりすぎないように、軌道面の曲率半径を適正な値に設定する必要がある。
本実施形態では、第1円弧31の曲率半径Rは、玉13の直径寸法dに対する比率が概ね53%に設定されており、この比率は、車輪用アンギュラ玉軸受として一般的な大きさである。このため、本実施形態では、通常走行時の荷重が作用するときには、圧痕や剥離などの損傷を生じることがない。
こうして、本実施形態のハブユニット10は、通常走行時において、接触応力の上昇を抑制して圧痕や剥離の発生を防止しつつ、接触領域の拡大を抑制して肩乗り上げ等の発生を防止することが出来る。
(異常走行時)
再び、図1によって、玉13と外側軌道面16及び内側軌道面24との接触部に作用する荷重について説明する。
ホイールが縁石に衝突したときには、通常走行時に作用する力Fよりはるかに大きい力Fがホイールの外周に作用する。図1に示すように、力Fは、回転軸線mから距離Dだけ離れた位置で、回転軸線mの方向に作用している。ホイールの直径寸法はタイヤの外径寸法より小さいので、力Fは力Fより回転軸線mに近い位置に作用している。このため、ハブユニット10にはモーメント荷重Mが作用するとともに、回転軸12がインナー側へ強く付勢される。
上記のように回転軸12がインナー側に向けて強く付勢されるときには、アウター側の玉13と外側軌道面16及び内側軌道面24とが互いに強く押し付けられるので、アウター側の玉列において接触荷重Pが大きくなる。以下の説明では、通常走行時と同様に、アウター側における玉13と外側軌道面16との接触状態について説明する。
再び、図2を参照する。
ホイールが縁石と衝突したときには、回転軸12がインナー側(図2では左向きである)に付勢されるので、玉13と外側軌道面16の接触点の位置は、接触点Sの位置からさらにエッジ部Cの方に移動する。この移動したときの玉13の中心をQとし、移動後の接触点をSとする。このとき、接触点Sと、玉13の中心Qと、第1円弧31の曲率中心Oとは同一直線上に存在している。また、このときの接触角θは、軌道底Aと曲率中心Oとを結ぶ直線と、接触点Sと曲率中心Oとを結ぶ直線のなす角度であり、通常走行時の接触角θより大きくなる。こうして、玉13と外側軌道面16とは、径方向に対して接触角θだけ傾斜した方向で、互いに接触している。
玉13と外側軌道面16との接触部には、接触点Sを中心として接触領域Eが形成されている。接触領域Eを接触角θの方向から見たときの形状を、接触角θの方向の延長線上に示している。縁石と衝突したときの接触荷重Pは、通常走行時の接触荷重Pより大きいので、接触領域Eの大きさは接触領域Eより拡大する。各接触領域の長さ(外側軌道面16の母線方向の長さをいう。以下同じ)を、接触領域EではLとし、接触領域EではLとすると、L<Lである(図2参照)。こうして、ホイールが縁石と衝突したときには、接触角θが増大して接触領域Eがエッジ部Cに接近するとともに、接触領域Eの長さが拡大するので、接触領域Eの一部が、変曲点Bを超えて第2円弧32の領域に形成されるようになる。
本実施形態では、第2円弧32の曲率半径Rを玉13の直径寸法dの70%に設定しており、第1円弧31の曲率半径Rより大きくしている。このため、玉13の外周面の曲率と第2円弧32の曲率との差が大きくなるので、第2円弧32の領域では接触領域Eの長さの増大を抑制することが出来る。この結果、接触領域Eがエッジ部Cまで拡大することがないので、玉13の肩乗り上げを防止することが出来る。
また、本実施形態では、第2円弧32の曲率中心Oは、第1円弧31の曲率中心Oと同じ側に設定されている。このため、玉13の外周面の曲率と、第2円弧32の曲率とが同じ向きとなるので、接触領域Eの長さを大きくすることが出来る。このため、接触領域Eの面積を大きくすることが出来るので、ホイールが縁石と衝突したときの接触応力の上昇を抑制することが出来る。この結果、外側軌道面16に圧痕を生じることがない。
なお、詳細については後述するが(比較例3を参照)、本実施形態とは逆に、第2円弧32の曲率中心Oを、外側軌道面16に対して第1円弧31の曲率中心Oと反対側に設定したと仮定した場合には、接触領域Eの長さが短くなる。このため、接触領域Eの面積が小さくなるので、外側軌道面16に圧痕を生じるという不具合が発生する。
以上説明したように、本実施形態のハブユニット10では、ホイールが縁石に衝突したとき等の過大なアキシャル荷重が負荷されたときにおいても、玉13の肩乗り上げを防止して玉13に生じる圧痕を防止することが出来るとともに、接触応力の上昇を抑制して外側軌道面16に生じる圧痕を防止することが出来る。
本実施形態のハブユニット10について、玉13及び外側軌道面16の圧痕を防止する効果をさらに明確にするために、ホイールが縁石に衝突したときに、玉13と外側軌道面16との接触部に生じる接触応力の分布について説明する。ここでは、比較例1から比較例3で示すような他の形状の外側軌道面に生じる接触応力の分布と対比することによって、本実施形態の効果を説明する。
図3は、本実施形態、及び、比較例1から比較例3の外側軌道面の形状の特徴を説明するための概念図である。そのため、各外側軌道面の形状は、厳密には実際の外側軌道面の形状とは異なっている。
本実施形態の外側軌道面16は、第1円弧31がA〜Bの実線で、第2円弧32がB〜Cの破線で示された形状である。Bは変曲点である。
比較例1の外側軌道面41は、A〜B〜Cの実線で示す形状である。比較例1の外側軌道面41は単一の円弧で形成されており、その曲率半径Rは、本実施形態の第1円弧31の曲率半径Rと等しい大きさである。
比較例2の外側軌道面42は、A〜Cの一点鎖線で示す形状である。比較例2の外側軌道面42は曲率中心をOとする単一の円弧で形成されており、その曲率半径Rは、比較例1の外側軌道面41の曲率半径Rより大きい。
比較例3の外側軌道面43は、特許文献1に記載されている形状であって、第5円弧35がA〜Bの実線で、第6円弧36がB〜Cの実線で示された形状である。Bは変曲点である。比較例3の外側軌道面43では、第6円弧36(B〜C)の曲率中心Oが、外側軌道面43に対して第5円弧35の曲率中心Oと反対側に形成されている。
なお、本実施形態の第1円弧31の形状と、比較例1及び比較例3の外側軌道面41,43におけるA〜Bの形状は、いずれも曲率半径がRで同一形状である。また、Aは軌道底であり、C0,C1,C2,C3は、それぞれ本実施形態、比較例1、比較例2、比較例3の各外側軌道面16,41,42,43におけるエッジ部である。
(本実施形態の応力分布)
図4は、ホイールが縁石に衝突したときに、本実施形態の外側軌道面16に生じる応力分布を、CAEを用いて計算した結果を示している。
横軸は、外側軌道面16の母線に沿った位置を表しており、グラフの右方がエッジ部Cの側で、左方が軌道底Aの側である。横軸のBの位置は、変曲点Bの位置を示している。また、S,Sの表示は、それぞれ図2における通常走行時、異常走行時の接触点S,Sの位置を示している。縦軸は、外側軌道面16の各位置における接触応力の値を示している。
図4では、Lと表示した範囲で応力値が発生しており、このLの範囲が、図2における接触領域Eの長さに相当する。他の比較例における接触領域と対比するため、図4では本実施形態の接触領域Eを、接触領域Lという。
図4から分かるように、本実施形態の外側軌道面16では、エッジ部Cの近傍には大きな応力が発生しない。これは、第2円弧32の曲率半径Rを第1円弧31の曲率半径Rより大きく設定しているので、第2円弧32の領域では、肩乗り上げが生じないからである。
さらに詳細に説明する。一般的に、接触領域の長さは、互いに接触する面の曲率半径の大きさが近接するにしたがって大きくなる。本実施形態では、第2円弧32の曲率半径Rを第1円弧31の曲率半径Rより大きくしているので、第2円弧32においては、曲率半径Rと玉13の曲率半径Rとの差が、比較例1に比べて大きくなる。このため、接触領域Lのうち第2円弧32に形成される接触領域の長さを小さくすることが出来る。この結果、第2円弧32の接触領域Lがエッジ部Cまで拡大しない。こうして、玉13の肩乗り上げを防止することが出来るので、図4では、エッジ部Cの近傍には大きな応力が発生しない。
さらに、本実施形態の外側軌道面16では、第1円弧31の曲率中心Oと第2円弧32の曲率中心Oとが、外側軌道面16に対していずれも同じ側に設けられている。これによって、第2円弧32の曲率と玉13の表面の曲率が互いに同じ向きになるため、第2円弧32の曲率半径Rと玉13の曲率半径Rとの差が、比較例3に比べて小さくなる。このため、接触領域Lの長さを大きくすることが出来る。このため、接触領域Lの面積が増大するので、外側軌道面16に生じる接触応力の上昇を抑制することが出来る。また、第1円弧31と第2円弧32が滑らかにつながっているので、変曲点Bにおいて応力集中が生じないので大きな応力が発生しない。この結果、本実施形態では、外側軌道面16に圧痕が生じることがない。
こうして、本実施形態のハブユニット10は、縁石に衝突した後、通常走行するときに異音を発生することがない。
(比較例1の応力分布)
図5は、ホイールが縁石に衝突したときに、比較例1の外側軌道面41に生じる接触応力の分布を示している。接触応力の大きさを比較するために、本実施形態の外側軌道面16に生じる接触応力の分布を破線で示している。縦軸と、横軸は、図4と同様であるので説明を省略する。
図5から分かるように、比較例1の外側軌道面41では、ホイールが縁石に衝突したときに玉13が肩乗り上げしているので、エッジ部Cの近傍に大きな応力σ1が発生している。これは、比較例1の外側軌道面41では、曲率半径Rが小さいために接触領域の長さが大きくなり、接触領域がエッジ部Cから外側にはみ出しているためである。図5では、接触領域Lの範囲が、本実施形態の接触領域Lの範囲と同等の大きさであるように見えるが、比較例1ではエッジ部Cより右側では外側軌道面41が存在しないので応力値が存在しないに過ぎない。そして、玉13と外側軌道面41がエッジ部Cで接触することによって、接触領域Lの端で、高い応力集中(応力σ1)を生じている。
この大きな応力σ1によって、比較例1では玉13に圧痕が生じる。このため、比較例1の外側軌道面41を有するハブユニット10では、ホイールが縁石に衝突した後の通常走行時に異音を発生するという問題がある。
なお、比較例1の接触領域Lの長さは、本実施形態の接触領域Lの長さと同等の大きさであり、接触領域の面積が互いにほぼ等しい。このため、比較例1の外側軌道面41では、本実施形態の外側軌道面16と同様に接触応力の増大が抑制されているので、外側軌道面41上には圧痕が生じることがない。
(比較例2の応力分布)
図6は、ホイールが縁石に衝突したときに、比較例2の外側軌道面42に生じる接触応力の分布を示している。破線は、本実施形態の外側軌道面16に生じる接触応力の分布を示している。縦軸と、横軸は、図4と同様であるので説明を省略する。
図6から分かるように、比較例2の外側軌道面42では、ホイールが縁石に衝突したときに玉13が肩乗り上げしているので、エッジ部Cの近傍に大きな応力σ2が発生している。これは、比較例2の外側軌道面42では、曲率半径Rが大きいために接触角θが増大し、接触領域Lがエッジ部Cからはみ出しているためである。このため、玉13に圧痕が生じるので、通常走行時に異音を発生するという問題がある。
さらに、比較例2の外側軌道面42では、曲率半径Rが大きいために、外側軌道面42の曲率半径Rと玉13の曲率半径Rとの差が大きくなるので、本実施形態の接触領域Lと比較して、接触領域Lの範囲が狭くなっている。このため、接触領域Lの面積が減少して接触応力が増大しており、変曲点Bより左側の領域で外側軌道面42に圧痕を生じてしまう。通常走行時には、玉13が変曲点Bより左側を転動するので、玉13はこの圧痕の上を転動することになる。
この結果、比較例2の外側軌道面42を有するハブユニット10では、ホイールが縁石に衝突した後の通常走行時にさらに異音を発生しやすくなる。
(比較例3の応力分布)
図7は、ホイールが縁石に衝突したときに、比較例3の外側軌道面43に生じる接触応力分布を示している。破線は、本実施形態の外側軌道面16に生じる接触応力の分布を示している。縦軸と、横軸は、図4と同様であるので説明を省略する。
比較例3の外側軌道面43では、変曲点Bよりエッジ部Cに近い第6円弧36の曲率の向きが、玉13の外周面の曲率の向きと互いに反対向きのため、玉13と第6円弧36とが接触する部分の接触領域Lの長さが短くなる。この結果、接触領域Lがエッジ部Cまで拡大しないので、玉13が肩乗り上げをすることがない。
一方、図7から分かるように、接触領域Lの長さが短くなったことによって、比較例3の外側軌道面43が玉13と接触する接触領域Lの長さが、本実施形態の接触領域Lと比較して短くなっている。このため、比較例3の外側軌道面43では、接触領域Lの面積が減少して接触応力が増大している。これによって、変曲点Bより左側の領域で圧痕を生じやすくなるので、通常走行時に玉13がこの圧痕の上を転動することになる。
このため、比較例3の外側軌道面43を有するハブユニット10では、ホイールが縁石に衝突した後の通常走行時に異音を発生しやすくなる。
以上の説明から理解できるように、本実施形態では、第2円弧32の曲率半径Rを第1円弧31の曲率半径Rより大きくすることによって、接触領域Lがエッジ部Cまで拡大するのを抑制して、玉13の肩乗り上げを防止している。この結果、玉13に圧痕が生じないので、ホイールが縁石に衝突した後の通常走行時に異音を発生することがない。
さらに、外側軌道面16に対する第2円弧32の曲率中心Oの位置を、第1円弧31の曲率中心Oと同じ側に設定することによって、玉13と外側軌道面16の接触領域Lの範囲を広く確保することが出来る。さらに、第1円弧31と第2円弧32を滑らかにつなぐことによって変曲点Bにおける応力集中を防止している。この結果、接触面圧を低減出来て、外側軌道面16に圧痕を生じないので、ホイールが縁石に衝突した後の通常走行時に異音を発生することがない。
次に、本実施形態の第2円弧32の曲率の適正値について説明する。
図8は、本実施形態の外側軌道面16に対して変曲点Bの位置を変えた場合に、変曲点の位置による接触応力の変化について説明するグラフである。横軸は、第1円弧31の曲率中心Oから軌道底Aに向かう方向と、曲率中心Oから変曲点Bに向かう方向とのなす角度φを表している(図3参照)。角度φが大きくなるにしたがって変曲点Bがエッジ部Cに接近する(図4参照)。
縦軸は、接触点Sに生じる接触応力σ3の値を示している。本発明の目的は、縁石に衝突した後の通常走行時における異音の発生を防止することであるので、ここでは、ホイールが縁石に衝突したときの接触応力のうち、通常走行時の接触点Sの位置に発生する接触応力を示している。
なお、外側軌道面16上の各点に付した符号については適宜図3を参照する。
図8から分かるように、変曲点Bの角度φが50°のときは接触応力σ3が大きいので、接触点Sには圧痕が生じる。このため、ホイールが縁石に衝突した後の通常走行時には異音を発生する。
角度φが増加するにしたがって、接触点Sに生じる接触応力が減少し、角度φが65°以上で接触応力が最小の値となっている。本実施形態では、角度φが70°である。上記で説明したように、本実施形態では、外側軌道面16に圧痕を生じない(図4参照)。したがって、角度φが65°以上であれば、接触点S1における接触応力が本実施形態の接触応力と同等になるので、外側軌道面16に圧痕が発生しない。
なお、角度φが80°のときには、変曲点Bがエッジ部Cとほぼ一致するので、このときの外側軌道面16の形状は、比較例1で示すような単一の曲率で曲率半径がRの形状となる。上記で説明したように、比較例1の外側軌道面41の形状では、接触点Sに生じる接触応力の上昇を抑制できる反面、玉13が肩乗り上げする(図5参照)ので、玉13に生じた圧痕に起因して異音が発生する。このことから、角度φは、75°以下に設定する必要がある。
以上の説明によって理解できるように、本実施形態では、外側軌道面16が、第1円弧31と、エッジ部Cとつながる第2円弧32とで形成されており、第2円弧32の曲率半径Rを第1円弧31の曲率半径Rより大きくしている。これによって、過大なアキシャル荷重が負荷されたときにおいても、接触領域Lがエッジ部Cまで拡大するのを抑制出来るので、玉13の肩乗り上げを防止できる。この結果、玉13に圧痕が生じないので、ホイールが縁石に衝突した後の通常走行時に異音を発生することがない。
そして、外側軌道面16に対する第2円弧32の曲率中心Oの位置を、第1円弧31の曲率中心Oと同じ側に設定することによって、玉13と外側軌道面16の接触領域Lの範囲を広く確保することが出来る。さらに、第1円弧31と第2円弧32を滑らかにつなぐことによって変曲点Bにおける応力集中を防止している。この結果、玉13と外側軌道面16の接触面圧を低減出来て、外側軌道面16に圧痕を生じないので、ホイールが縁石に衝突した後の通常走行時に異音を発生することがない。
こうして、本発明の車輪用軸受装置は、ホイールが縁石に衝突したとき等の過大なアキシャル荷重が負荷されたときにおいて、玉13の肩乗り上げを防止するとともに、外側軌道面16に生じる圧痕の発生を防止することが出来る。したがって、ホイールが縁石に衝突した後の通常走行時においても、異音が発生するのを防止することが出来る。
圧痕を防止する効果については、外側軌道面の接触領域について説明したが、内側軌道面には玉を挟んで同等の荷重が作用するので、外側軌道面と同様の接触領域が生じる。したがって、内側軌道面についても同様の効果を得ることが出来る。
また、アウター側の玉列に作用する荷重について説明したが、本実施形態で説明した軌道面の形状をインナー側の玉列に使用しても、同様の効果を得ることが出来る。
なお、縁石と衝突したときにはホイールに作用する荷重の方向は、ほとんどの場合において、上記で説明したように車両の外側から内側に向かって作用する。このときは、2列の玉列のうち、アウター側の玉列に過大なアキシャル荷重が作用する。したがって、少なくとも、アウター側の玉列の軌道面を、本発明にかかる軌道面形状とすることによって、縁石衝突時の圧痕の発生を効果的に低減することが出来る。
なお、本実施形態は、内輪回転のハブユニット10を例に説明したが、外輪回転のハブユニットであってもよい。
また、車輪用軸受装置としてハブユニットを例にして説明したが、ナックル21とハブ軸との間に複列のアンギュラコンタクト型の転がり軸受を組み込んだ形式の車輪用軸受装置であってもよい。いずれの実施形態においても、軌道面の形状を、上記実施形態で説明した形態にすることによって、過大な荷重が負荷されたときの玉及び軌道面の圧痕の発生を防止することが出来る。
(実施形態)
10:ハブユニット、11:外輪、12:回転軸、13:玉、14:保持器、16:外側軌道面、17:肩、19:フランジ、21:ナックル、22:ハブシャフト、23:内輪、24:内側軌道面(ハブシャフト)、25:内側軌道面(内輪)、27:ハブフランジ、31:第1円弧、32:第2円弧、33:第3円弧、34:第4円弧、35:第5円弧、36:第6円弧、41:外側軌道面(比較例1)、42:外側軌道面(比較例2)、43:外側軌道面(比較例3)、
(従来技術)
100:転がり軸受、101:外輪、102:肩、103:外側軌道面、105:内輪、106:内側軌道面、109:玉

Claims (3)

  1. 内周に2列の外側軌道面を有する外方部材と、
    外周に2列の内側軌道面を有する内方部材と、
    前記外側軌道面と前記内側軌道面との間に転動自在に組み込まれた複数の玉と、を備える車輪用軸受装置において、
    前記2列の軌道面のうち少なくとも車輪に近い側の軌道面において、前記外側軌道面と前記内側軌道面の少なくとも一方の軸方向断面形状が、第1円弧と第2円弧とで形成されており、
    前記第2円弧は、前記第1円弧より肩に近い側に形成されるとともに、前記第1円弧と同じ側に曲率中心を有し、かつ、前記第1円弧の曲率半径より大きい曲率半径を有しており、
    前記第1円弧と前記第2円弧とがつながる変曲点は、通常走行時の荷重によって形成される接触領域の範囲より外側に形成されていて、
    通常走行時に接触領域が前記第1円弧にのみ形成され、過大なアキシャル荷重が作用したときに接触領域の一部が前記第2円弧に形成される車輪用軸受装置。
  2. 前記第2円弧の曲率半径Rの、前記第1円弧の曲率半径Rに対する比率(R/R)が、1.27〜1.36である、請求項1に記載する車輪用軸受装置。
  3. 前記第1円弧の曲率中心から前記外側軌道面及び前記内側軌道面に対して径方向に向かう方向と、前記第1円弧の曲率中心から前記変曲点に向かう方向とのなす角度φが、65°以上75°以下である、請求項1に記載する車輪用軸受装置。
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