JP4994707B2 - トリブロック共重合体ペレットおよび重合体組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、トリブロック共重合体ペレットおよび重合体組成物に関する。
従来より、芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロックAと共役ジエン単位を主体とする重合体ブロックBとを備えるA-(B-A)nまたは(A-B)n(nはいずれも1以上の整数を表す)型のブロック共重合体が種々提案されており、加硫ゴムや軟質塩化ビニルの代替として各種の成形品の製造に使用されている。
また、ポリオレフィン系樹脂は、耐油性、耐薬品性、加工性に優れるものの、柔軟性、透明性、耐衝撃性が不足することから、上記のブロック共重合体を配合することによって、柔軟性、透明性、耐衝撃性を補い、自動車内外装材、家電部品、電線被覆材、家庭日用雑貨の用途などに広く用いられている。しかしながら、ポリオレフィン系樹脂に上記のブロック共重合体を配合したエラストマー組成物を造粒して得たペレットは、ブロッキングを起こし易く、成形装置への供給が困難になることが多い。
このようなエラストマー組成物のペレットのブロッキングを改良するための方法として、シリカ、タルク等の無機フィラーを粉打ちする方法や、ポリプロピレン微粒子を粉打ちする方法(特許文献1参照)などが知られている。しかしながら、無機フィラーを用いてトリブロック共重合体のブロッキングを解消するためには、多量の無機フィラーをブロック共重合体に添着させる必要があり、それを用いた成形品の透明性が低下するという問題があり、また安全性が要求される食品包装材、プラスチック製医薬品容器などの用途では、灰分が多くなるという問題がある。また、ポリプロピレン微粒子によるトリブロック共重合体のブロッキング解消効果は十分とはいえない。
しかも、上記した方法は、いずれもポリオレフィン系樹脂とブロック共重合体を溶融混錬して組成物とした後に造粒して得たペレットに無機フィラーやポリプロピレン微粒子を粉打ちするものであり、該溶融混錬の際にもブロック共重合体のブロッキングが生じるため該組成物を得るのが容易でない。
特開2002−371136号公報
しかして、本発明の目的は、耐ブロッキング性に優れ、灰分が少なく、ポリオレフィン系樹脂と配合した際、透明性、柔軟性、低温耐衝撃性に優れ、良好な流動性を有する重合体組成物を与えるトリブロック重合体ペレットを提供することにある。
本発明によれば、上記の目的は、芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロックA1、芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロックA2および共役ジエン単位を主体とする重合体ブロックBより構成され、重合体ブロックA1の重量平均分子量〔Mw(A1)〕と重合体ブロックA2の重量平均分子量〔Mw(A2)〕の比〔Mw(A1)/Mw(A2)〕が0.10〜0.80であり、ガラス転移点が−40〜0℃であるトリブロック共重合体およびその水素添加物から選ばれる少なくとも1種のトリブロック共重合体(a)のペレット100質量部に対して、金属せっけん(b)0.05〜1.0質量部が添着されたトリブロック共重合体ペレットを提供することにより達成される。
本発明によれば、耐ブロッキング性に優れ、灰分が少なく、ポリオレフィン系樹脂と配合した際、透明性、柔軟性、低温耐衝撃性に優れ、良好な流動性を有する重合体組成物を与えるトリブロック共重合体ペレットが提供される。
本発明に用いられるトリブロック共重合体(a)は、芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロックA1、芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロックA2および共役ジエン単位を主体とする重合体ブロックBより構成されるブロック共重合体およびその水素添加物から選ばれる少なくとも1種のブロック共重合体である。
トリブロック共重合体(a)の重合体ブロックA1および重合体ブロックA2をそれぞれ構成する芳香族ビニル化合物単位を誘導する芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレン、ビニルトルエン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレンなどが挙げられる。これらの中でもスチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレンが好ましい。重合体ブロックA1および重合体ブロックA2は、それぞれこれらの芳香族ビニル化合物から誘導される単位の1種のみで構成されていても、2種以上から構成されていてもよい。
重合体ブロックA1および重合体ブロックA2は、本発明の目的および効果の妨げにならない限り、それぞれ他の重合性単量体、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等の共役ジエンなどから誘導される単位を少量(好ましくはそれぞれ重合体ブロックA1および重合体ブロックA2の全質量の20質量%以下)含んでいてもよい。
トリブロック共重合体(a)の重合体ブロックBを構成する共役ジエン単位を誘導する共役ジエンとしては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられる。これらの中でも1,3−ブタジエン、イソプレンまたは1,3−ブタジエンとイソプレンの混合物が好ましい。重合体ブロックBは、これらの共役ジエンから誘導される単位の1種のみで構成されていても、2種以上から構成されていてもよい。重合体ブロックBが2種以上の共役ジエン(例えば1,3−ブタジエンおよびイソプレン)の混合物から誘導される単位から構成されている場合、その混合比や重合形態(ブロック、ランダムなど)は特に制限されない。
重合体ブロックBは、本発明の目的および効果の妨げにならない限り、他の重合性単量体、例えばスチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物などから誘導される単位を少量(好ましくはそれぞれブロックBの全質量の10質量%以下)含んでいてもよい。
トリブロック共重合体(a)における重合体ブロックA1の重量平均分子量〔Mw(A1)〕と重合体ブロックA2の重量平均分子量〔Mw(A2)〕の比〔Mw(A1)/Mw(A2)〕は、0.10〜0.80の範囲内であり、0.20〜0.60の範囲内が好ましく、0.25〜0.50の範囲内がより好ましい。上記の比が0.10に満たない場合には、調製したトリブロック共重合体ペレットから得られる成形品の力学的強度が低下し、0.80を超える場合は、調製したトリブロック共重合体ペレットから得られる成形品の流動性が低下する。なお、本明細書における重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によって求めたポリスチレン換算の重量平均分子量を意味する。
トリブロック共重合体(a)における重合体ブロックA1および重合体ブロックA2の合計含有量としては、トリブロック共重合体(a)の全質量に対して5〜40質量%の範囲内であるのが好ましく、7〜30質量%の範囲内がより好ましく、9〜25質量%の範囲内がさらに好ましい。ブロック共重合体(a)におけるブロックA1およびブロックA2の合計含有量が40質量%を超える場合には、調製したトリブロック重合体ペレットから得られる成形品の透明性が低下する傾向があり、5質量%未満の場合には、調製したトリブロック重合体ペレットから得られる成形品の力学的強度が低下する傾向にある。
トリブロック共重合体(a)における重合体ブロックBに含有される共役ジエン単位に由来する炭素−炭素二重結合の水素添加率は、50%以上であるのが好ましく、70%以上がより好ましく、80〜95%の範囲内であるのがさらに好ましい。トリブロック共重合体(a)におけるブロックBの水素添加率が50%に満たない場合は、調製したトリブロック共重合体ペレットから得られる成形物の透明性が低下する傾向がある。
トリブロック共重合体(a)のガラス転移点は、−40〜0℃の範囲内であり、−35〜−5℃の範囲内が好ましく、−35〜−10℃の範囲内がより好ましい。ブロック共重合体(a)のガラス転移点が−40℃に満たない場合には、調製したトリブロック共重合体ペレットから得られる成形品の透明性が低下し、0℃を超える場合には、調製したトリブロック重合体ペレットから得られる成形品の低温耐衝撃性が低下する。なお、本明細書におけるガラス転移点とは、示差走査型熱量計にて昇温速度10℃/分で測定したガラス転移点を意味する。
トリブロック共重合体(a)の重量平均分子量は、30000〜300000の範囲内であるのが好ましく、50000〜250000の範囲内がより好ましく、70000〜200000の範囲内がさらに好ましい。トリブロック共重合体(a)の重量平均分子量が30000より小さい場合には、調製したトリブロック共重合体ペレットから得られる成形品の力学的強度が低下する傾向があり、300000を越える場合には、調製したトリブロック共重合体ペレットの流動性が低くなり、加工性が悪化する傾向がある。
トリブロック共重合体(a)は、例えばアニオン重合法により製造することができ、具体的には、(イ)アルキルリチウム化合物を開始剤として芳香族ビニル化合物、共役ジエン、芳香族ビニル化合物を逐次重合させる方法;(ロ)アルキルリチウム化合物を開始剤として芳香族ビニル化合物、共役ジエンを逐次重合させ、次いでカップリング剤を加えてカップリングする方法;(ハ)ジリチウム化合物を開始剤として共役ジエン、次いで芳香族ビニル化合物を逐次重合させる方法などが挙げられる。
上記のアルキルリチウム化合物としては、例えばメチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、ペンチルリチウムなどが挙げられる。カップリング剤としてはジクロロメタン、ジブロモメタン、ジクロロエタン、ジブロモエタン、ジブロモベンゼンなどが挙げられる。また、ジリチウム化合物としてはナフタレンジリチウム、ジリチオヘキシルベンゼンなどが挙げられる。
これらのアルキルリチウム化合物、ジリチウム化合物などの開始剤およびカップリング剤の使用量は、目的とするトリブロック共重合体(a)の重量平均分子量により決定されるものであるが、通常、重合に用いる芳香族ビニル化合物および共役ジエンの合計100質量部あたり、アルキルリチウム化合物、ジリチウム化合物などの開始剤は0.01〜0.2質量部、カップリング剤を使用する場合は0.001〜0.8質量部の割合で用いられる。
上記のアニオン重合は、溶媒の存在下で行うのが好ましく、溶媒としては、開始剤に対して不活性で、重合反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に制限はなく、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、トルエン、ベンゼン、キシレンなどの飽和脂肪族炭化水素または芳香族炭化水素が挙げられる。また、重合反応は、上記したいずれの方法による場合も、通常、0〜80℃の範囲内の温度で、0.5〜50時間行う。
また、−40〜0℃の範囲内(好ましくは−35〜−5℃の範囲内、より好ましくは−35〜−10℃の範囲内)にガラス転移点を有するトリブロック共重合体(a)を得るには、重合の際に共触媒としてルイス塩基、例えばジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル類;トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチレンジアミン、N−メチルモルホリン等のアミン類などを、重合に用いる芳香族ビニル化合物および共役ジエンの合計100質量部あたり、0.5〜7質量部の割合で添加して、トリブロック共重合体(a)のブロックBを構成する共役ジエン単位の結合様式、具体的には1,2−結合および3,4−結合の含有量を40〜80%の範囲内に、好ましくは50〜75%の範囲内に、より好ましくは55〜75%の範囲内に制御するのが望ましい。
これらのルイス塩基は、1種を単独で添加しても、2種以上を混合して添加してもよい。ルイス塩基の添加量は、上記したブロックBを構成する共役ジエン単位の結合様式をどの程度制御するかにより決定されるものであり、厳密な意味での制限はないが、通常、開始剤として用いるアルキルリチウム化合物またはジリチウム化合物に含有されるリチウム1グラム原子あたり0.1〜1000モルの範囲内であり、1〜100モルの範囲内がより好ましい。
上記した方法により重合を行なった後、重合反応液に含まれるブロック共重合体を、メタノールなどのこれらのブロック共重合体の貧溶媒に注いで凝固させるか、または重合反応液をスチームと共に熱水中に注いで溶媒を共沸によって除去(スチームストリッピング)した後、乾燥させることにより、水素添加されていないトリブロック共重合体(a)を単離することができる。
続いて、上記で得られたブロック共重合体を水素添加反応に付すことによって、水素添加されたトリブロック共重合体(a)を製造することができる。水素添加反応は、ラネーニッケル;Pt、Pd、Ru、Rh、Ni等の金属をカーボン、アルミナ、珪藻土等の単体に担持させた不均一系触媒;遷移金属化合物とアルキルアルミニウム化合物、アルキルリチウム化合物等との組み合わせからなるチーグラー系触媒;メタロセン系触媒などの水素添加触媒の存在下、反応および水素添加触媒に対して不活性な溶媒に上記で得られたブロック共重合体を溶解させ、水素と反応させることにより行うことができる。水素添加反応は、通常、水素圧力0.1〜20MPa、反応温度20〜250℃、反応時間0.1〜100時間の条件で行なうことができる。なお、上記で得られたブロック共重合体を含む重合反応液からブロック共重合体を単離せず、該重合反応液をそのまま水素添加反応に付すこともできる。この方法による場合、水素添加反応液をメタノールなどの貧溶媒に注いで凝固させるか、または水素添加反応液をスチームと共に熱水中に注いで溶媒を共沸によって除去(スチームストリッピング)した後、乾燥することにより、水素添加されたトリブロック共重合体(a)を単離することができる。
このようにして得られたトリブロック共重合体(a)を、従来公知の方法を用いてペレット化することにより、トリブロック共重合体(a)のペレットを製造することができる。ペレット化の方法としては、例えば一軸または二軸押出機からトリブロック共重合体(a)をストランド状に押出して、ダイ部前面に設置された回転刃により、水中で切断する方法;一軸または二軸押出機からトリブロック共重合体(a)をストランド状に押出して、水冷または空冷した後、ストランドカッターにより切断する方法などが挙げられる。
得られたトリブロック共重合体(a)のペレットに金属せっけん(b)を粉打ちして添着させることにより、本発明のトリブロック共重合体ペレットを製造することができる。この添着は、例えば、トリブロック共重合体(a)のペレットと金属せっけん(b)の両者をタンブラーなどのミキサーで混合する方法;金属せっけん(b)を水に分散させた分散液にトリブロック共重合体(a)のペレットを接触させる方法等により行うことができる。添着される金属せっけん(b)の量は、トリブロック共重合体(a)のペレット100質量部に対して、0.05〜1.0質量部であり、0.08〜0.8質量部の範囲内が好ましく、0.10〜0.6質量部の範囲内がより好ましい。添着量が0.05質量部に満たない場合は、耐ブロッキング性が不十分となり、1.0質量部を超える場合は、得られるトリブロック共重合体ペレットが、加熱時に黄変しやすく、また灰分が多くなるため、食品包装材、プラスチック製医薬品容器などの用途に適さなくなる。
上記の金属せっけん(b)としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、ベヘン酸亜鉛、モンタン酸ナトリウム、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛等が挙げられる。これらの中でも、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムが、安全性に優れ、食品包装材、プラスチック製医薬品容器などの用途に好適に用いることができ、さらにステアリン酸カルシウムが耐熱性に優れることからより好ましい。また、これらの金属せっけんには、複分解法により製造されたものと直接法により製造されたものがあるが、複分解法により製造された金属せっけんが、加熱時の耐黄変性に優れ、また粒子が細かく少量でも耐ブロッキング効果が得られることから好ましい。
本発明のトリブロック共重合体ペレットにポリオレフィン系樹脂(c)を溶融混練することによって、ペレットが膠着することなく本発明の重合体組成物を製造することができる。ポリオレフィン系樹脂(c)としては、プロピレンの単独重合体、エチレンの単独重合体、プロピレンおよびエチレンのブロックまたはランダム共重合体、プロピレンまたは/およびエチレンとα−オレフィンとのブロックまたはランダム共重合体などが挙げられる。上記のα−オレフィンとしては、例えば1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数20以下のα−オレフィンが挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。ポリオレフィン系重合体(a)としては、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体が好ましい。
本発明の重合体組成物におけるポリオレフィン系樹脂(c)の含有量は、本発明のトリブロック共重合体ペレット100質量部に対して、10〜900質量部の範囲内であり、50〜400質量部の範囲内が好ましく、100〜200質量部の範囲がより好ましい。ポリオレフィン系樹脂(c)の含有量が10質量部に満たない場合は、得られる重合体組成物からなる成形品の力学的強度が低下し、900質量部を超える場合は、得られる重合体組成物からなる成形品の低温耐衝撃性が低下する。
本発明の重合体組成物には、本発明の主旨を損なわない範囲で他のポリマーを含有させてもよい。かかるポリマーとしては、ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の金属イオン架橋樹脂(アイオノマー)、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオキシメチレンホモポリマー、ポリオキシメチレンコポリマー等のアセタール系樹脂、ポリメチルメタアクリレート系樹脂等のアクリル系樹脂などが挙げられる。
本発明の重合体組成物には、本発明の目的および効果を妨げない範囲で、粘着性付与樹脂、軟化剤、無機フィラーを添加することができる。粘着性付与樹脂としては、例えばロジン系樹脂、テルペンフェノール樹脂、テルペン樹脂、芳香族炭化水素変性テルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂環式系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、クマロン・インデン樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂などが挙げられる。粘着性付与樹脂を添加する場合、その配合量は、得られる重合体組成物からなる成形品の耐衝撃性の観点から、トリブロック共重合体(a)100質量部あたり、100質量部以下であるのが好ましい。
軟化剤としては、例えばパラフィン系、ナフテン系、芳香族系のプロセスオイル;ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート等のフタル酸誘導体;ホワイトオイル、ミネラルオイル、エチレンとα−オレフィンのオリゴマー、パラフィンワックス、流動パラフィン、ポリブテン、低分子量ポリブタジエン、低分子量ポリイソプレンなどが挙げられる。軟化剤を添加する場合、その配合量は、得られる重合体組成物からなる成形品のべとつきを抑制する観点から、トリブロック共重合体(a)100質量部あたり、100質量部以下であるのが好ましい。
無機フィラーとしては、例えばタルク、クレー、マイカ、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マグネシウムなどが挙げられる。無機フィラーを添加する場合、その配合量は、得られる重合体組成物からなる成形品の表面平滑性、透明性の観点から、トリブロック共重合体(a)100質量部あたり、3質量部以下であるのが好ましい。
また、本発明の重合体組成物には、必要に応じて他の添加剤、例えば、加工熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、着色剤、帯電防止剤、難燃剤、撥水剤、防水剤、親水性付与剤、導電性付与剤、熱伝導性付与剤、電磁波シールド性付与剤、透光性調整剤、蛍光剤、摺動性付与剤、透明性付与剤、金属不活性化剤、防菌剤などをさらに添加してもよい。加工熱安定剤としては、例えばヒンダードフェノール系加工熱安定剤、リン系加工熱安定剤、ラクトン系加工熱安定剤、ヒドロキシル系加工熱安定剤などが挙げられる。加工熱安定剤を添加する場合、その配合量は、得られる重合体組成物からなる成形品の透明性の観点から、トリブロック共重合体(a)100質量部あたり、3質量部以下であるのが好ましい。
本発明の重合体組成物の製造方法に特に制限はなく、本発明のトリブロック共重合体ペレット、ポリオレフィン系樹脂(c)および必要に応じて加えられる他の成分を、ヘンシェルミキサー、Vブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダー、コニカルブレンダーなどの混合機を用いて混合することによって、またはその混合後、一軸押出機、二軸押出機、ニーダーなどにより溶融混練することによって製造することができる。
以下、実施例によって、本発明について具体的に説明するが、本発明は以下の例により何ら限定されるものではない。なお、参考例および実施例中の各種測定値は以下の方法により求めた。
1)ブロック共重合体のガラス転移点
セイコー電子工業社製 示差走査型熱量計 DSC200を用い、10℃/分の昇温速度にて、測定曲線の変曲点の温度を読みとり、ガラス転移点とした。
2)ブロック共重合体のスチレン含有量、1,2−結合および3,4−結合の含有量
H−NMRスペクトル測定により算出した。
3)ブロック共重合体の水素添加率
水素添加反応前後のブロック共重合体のヨウ素価を測定し、その比より算出した。
4)耐ブロッキング性
ブロック共重合体のペレット100gと後記の表1または2に示した量の金属せっけん、タルクまたはポリプロピレン微粉をポリエチレン袋に入れて十分撹拌した後、直径6cmの円筒状のプラスチック製容器に移し、1kgの荷重をかけて25℃で1週間静置し、その後にプラスチック容器からペレットを取り出し、ペレットを引張試験機(インストロン製TT−DM)により圧縮し、破壊時の荷重を測定して下記基準により耐ブロッキング性を評価した。
○:破壊時の荷重 1kgf未満
△:破壊時の荷重 1kgf〜3kgf
×:破壊時の荷重 3kgfを超える
5)耐黄変性
ブロック共重合体のペレット40gを200℃で120分間加熱して、加熱後のb値を色差計(日本電色工業製300A)で測定して下記基準により評価した。
○:b値 1未満
△:b値 1〜4
×:b値 4を超える
6)灰分
ブロック共重合体のペレット40gを550℃で120分間加熱して、加熱後の灰分を定量して下記基準により評価した。
○:灰分 0.10%未満
△:灰分 0.10%〜0.15%
×:灰分 0.15%を超える
)透明性
実施例および比較例で得られた重合体組成物より、200℃でのプレス成形により1mm厚の試験片を作製して、ASTM D−1003に準拠して、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製「HR−100」)を用いてヘイズ(%)を測定し、透明性の指標とした。ヘイズの値が小さいほど透明性に優れる。
)柔軟性
実施例および比較例で得られた重合体組成物より、200℃でのプレス成形により試験片を作製して、JIS K7215に準拠してタイプD硬度計により硬度を測定して、柔軟性の指標とした。
)低温耐衝撃性
実施例および比較例で得られた重合体組成物より、200℃でのプレス成形により試験片を作製して、JIS K7110に準拠して−20℃にてアイゾッド衝撃強度を測定して、低温耐衝撃性の指標とした。
10)流動性
実施例および比較例で得られた重合体組成物より、JIS K7210に準拠して230℃、2.16kg荷重の条件下でMFRを測定して、流動性の指標とした。
参考例1
窒素置換し、乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン80L、開始剤としてsec−ブチルリチウム0.12L、ルイス塩基としてテトラヒドロフラン0.7Lを仕込み、50℃に昇温した後、スチレン1.28Lを加えて3時間重合させ、引き続いてイソプレン18.0Lを加えて4時間重合を行い、さらにスチレン2.12Lを加えて3時間重合を行った。得られた重合反応液をメタノール80L中に注ぎ、析出した固体を濾別して50℃で20時間乾燥することにより、1,2−結合および3,4−結合の含有量が60%のポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレントリブロック共重合体(以下、これを共重合体(1)と略称する)15.4kgを得た。共重合体(1)のMw(A1)/Mw(A2)は0.60、ガラス転移点は−15℃、スチレン含有量は20質量%、重量平均分子量は120000であった。
続いて、共重合体(1)を二軸押出機によってシリンダー温度200℃で溶融させ、アンダーウォーターカッターにより共重合体(1)のペレットを製造した。
参考例2
参考例1において、開始剤としてsec−ブチルリチウム0.18L、ルイス塩基としてN,N,N’,N’−テトラメチレンジアミン0.1Lを仕込み、重合させるモノマーとしてスチレン2.05L、ブタジエン16.6Lおよびスチレン4.10Lを逐次添加して重合させた以外は参考例1と同様の方法で重合反応および単離操作を行い、1,2−結合の含有量が80%のポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレントリブロック共重合体15.8kgを得た。
続いて、得られたポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレントリブロック共重合体15.8kgをシクロヘキサン200Lに溶解し、水素添加触媒としてパラジウムカーボン(パラジウム担持量:5質量%)を該共重合体に対して5質量%添加し、水素圧力2MPa、150℃の条件で10時間反応を行った。放冷、放圧後、濾過によりパラジウムカーボンを除去し、濾液を濃縮し、さらに真空乾燥することにより、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレントリブロック共重合体の水素添加物(以下、これを共重合体(2)と略称する)を得た。共重合体(2)のMw(A1)/Mw(A2)は0.50、ガラス転移点は−25℃、スチレン含有量は35質量%、ポリイソプレンブロックにおける炭素−炭素二重結合の水素添加率は75%、重量平均分子量は100000であった。続いて、参考例1と同様の方法で共重合体(2)のペレットを得た。
参考例3
参考例1において、開始剤としてsec−ブチルリチウム0.20L、ルイス塩基としてテトラヒドロフラン0.40Lを仕込み、重合させるモノマーとしてスチレン1.26L、イソプレン21.8Lおよびスチレン3.15Lを逐次添加して重合させた以外は参考例1と同様の方法で重合反応および単離操作を行い、1,2−結合および3,4−結合の含有量が60%のポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレントリブロック共重合体を得た。さらに、得られたトリブロック共重合体を参考例2と同様の方法で水素添加することによりポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレントリブロック共重合体の水素添加物(以下、これを共重合体(3)と略称する)を得た。共重合体(3)のMw(A1)/Mw(A2)は0.40、ガラス転移点は−10℃、スチレン含有量は20質量%、ポリイソプレンブロックにおける炭素−炭素二重結合の水素添加率は80%、重量平均分子量は110000であった。続いて、参考例1と同様の方法で共重合体(3)のペレットを得た。
参考例4
参考例1において、開始剤としてsec−ブチルリチウム0.12L、ルイス塩基としてテトラヒドロフラン0.32L、重合させるモノマーとしてスチレン0.49L、イソプレン6.80Lおよびブタジエン7.50L、スチレン1.47Lを逐次添加して重合させた以外は参考例1と同様の方法で重合反応および単離操作を行い、1,2−結合および3,4−結合の含有量が65%のポリスチレン−ポリ(イソプレン/ブタジエン)−ポリスチレントリブロック共重合体を得た。さらに、得られたトリブロック共重合体を参考例2と同様の方法で水素添加することによりポリスチレン−ポリ(イソプレン/ブタジエン)−ポリスチレントリブロック共重合体の水素添加物(以下、これを共重合体(4)と略称する)を得た。共重合体(4)のMw(A1)/Mw(A2)は0.30、ガラス転移点は−35℃、スチレン含有量は16質量%、ポリ(イソプレン/ブタジエン)ブロックにおける炭素−炭素二重結合の水素添加率は80%、重量平均分子量は130000であった。続いて、参考例1と同様の方法で共重合体(4)のペレットを得た。
参考例5
参考例1において、開始剤としてsec−ブチルリチウム0.18L、重合させるモノマーとしてスチレン2.43L、ブタジエン16.6Lおよびスチレン2.43Lを逐次添加して重合させた以外は参考例1と同様の方法で重合反応および単離操作を行い、1,2−結合の含有量が5%のポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレントリブロック共重合体を得た。得られたトリブロック共重合体を参考例2と同様の方法で水素添加することによりポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレントリブロック共重合体の水素添加物(以下、これを共重合体(5)と略称する)を得た。共重合体(5)のMw(A1)/Mw(A2)は1.00、ガラス転移点は−61℃、スチレン含有量は30質量%、ポリブタジエンブロックにおける炭素−炭素二重結合の水素添加率は95%、重量平均分子量は100000であった。続いて、参考例1と同様の方法で共重合体(5)のペレットを得た。
参考例6
参考例1において、開始剤としてsec−ブチルリチウム0.20L、ルイス塩基としてテトラヒドロフラン0.40Lを仕込み、重合させるモノマーとしてスチレン0.2L、イソプレン21.8Lおよびスチレン4.20Lを逐次添加して重合させた以外は参考例1と同様の方法で重合反応および単離操作を行い、1,2−結合および3,4−結合の含有量が60%のポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレントリブロック共重合体を得た。さらに、得られたトリブロック共重合体を参考例2と同様の方法で水素添加することによりポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレントリブロック共重合体の水素添加物(以下、これを共重合体(6)と略称する)を得た。共重合体(6)のMw(A1)/Mw(A2)は0.05、ガラス転移点は−25℃、スチレン含有量は20質量%、ポリイソプレンブロックにおける炭素−炭素二重結合の水素添加率は85%、重量平均分子量は120000であった。続いて、参考例1と同様の方法で共重合体(6)のペレットを得た。
参考例7
参考例1において、開始剤としてsec−ブチルリチウム0.13L、ルイス塩基としてN,N,N’,N’−テトラメチレンジアミン0.12Lを仕込み、重合させるモノマーとしてスチレン1.74L、イソプレン19.6Lおよびスチレン1.94Lを逐次添加して重合させた以外は参考例1と同様の方法で重合反応および単離操作を行い、1,2−結合および3,4−結合の含有量が70%のポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレントリブロック共重合体(以下、これを共重合体(7)と略称する)を得た。共重合体(7)のMw(A1)/Mw(A2)は0.90、ガラス転移点は10℃、スチレン含有量は20質量%、重量平均分子量は120000であった。続いて、参考例1と同様の方法で共重合体(7)のペレットを得た。
参考例8
参考例1において、開始剤としてsec−ブチルリチウム0.20Lを仕込み、重合させるモノマーとしてスチレン5.74L、イソプレン8.23Lおよびスチレン5.74Lを逐次添加して重合させた以外は参考例1と同様の方法で重合反応および単離操作を行い、1,2−結合および3,4−結合の含有量が5%のポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレントリブロック共重合体を得た。得られたトリブロック共重合体を参考例2と同様の方法で水素添加することによりポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレントリブロック共重合体の水素添加物(以下、これを共重合体(8)と略称する)を得た。共重合体(8)のMw(A1)/Mw(A2)は1.00、ガラス転移点は−58℃、スチレン含有量は65質量%、ポリイソプレンブロックにおける炭素−炭素二重結合の水素添加率は95%、重量平均分子量は80000であった。続いて、参考例1と同様の方法で共重合体(8)のペレットを得た。
実施例1〜4および比較例1〜7
参考例1〜8で得られた共重合体のペレットに、金属せっけん[「カルシウムステアレート」(商品名)、日本油脂製、複分解法][「マグネシウムステアレート」(商品名)、日本油脂製、複分解法]、タルク[「L−1」(商品名)、日本タルク製]またはポリプロピレン微粉[「セリダストVP6071」(商品名)、クラリアント社製]を表1または表2に示した割合で粉打ちし、これらが添着されたトリブロック共重合体ペレットを得た。このペレットを用いて、耐ブロッキング性、耐黄変性および灰分を評価または測定した。結果を表1および2に示す。
また、上記で得られたトリブロック共重合体ペレットおよびプロピレン−エチレンランダム共重合体[「F226D」(商品名)、グランドポリマー製、MFR=6g/10分(230℃、21.2N)、融点145℃]を表1または表2に示した割合でドライブレンドし、200℃で溶融混練した後、アンダーウォーターカッターにより重合体組成物のペレットを製造した。これをプレス成形して試験片を作製して、透明性、柔軟性、低温耐衝撃性および流動性を評価した。結果を表1および表2に示す。
Figure 0004994707
Figure 0004994707
表1および表2より、実施例1〜4で得られたトリブロック共重合体ペレットは、耐ブロッキング性、耐黄変性に優れ、灰分が少ないことが分かる。また、実施例1〜4で得られた重合体組成物は、透明性、柔軟性、低温耐衝撃性および流動性に優れていることが分かる。
これに対して、金属せっけんの代わりにタルクが添着された比較例1で得られたトリブロック共重合体ペレットは、耐ブロッキング性に劣り、灰分が多い。また、比較例1で得られた重合体組成物は、透明性に劣り、カルシウムステアレートの添着量が多い比較例2で得られたトリブロック共重合体ペレットは、耐黄変性に劣り、灰分が多い。
また、ポリプロピレン微粉が添着された比較例3で得られたトリブロック共重合体ペレットは、耐ブロッキング性に劣る。
比較例4で用いられた共重合体(5)はMw(A1)/Mw(A2)の値が大きく、ガラス転移点が低いため、得られた重合体組成物は、透明性、柔軟性、流動性に劣る。
また、比較例5で用いられた共重合体(6)はMw(A1)/Mw(A2)の値が小さいため、得られたトリブロック共重合体ペレットは耐ブロッキングに劣り、重合体組成物は低温耐衝撃性に劣る。
共重合体(7)はMw(A1)/Mw(A2)の値が大きく、ガラス転移点が高いため、比較例6で得られた重合体組成物は、低温耐衝撃性、流動性に劣る。
共重合体(8)はMw(A1)/Mw(A2)の値が大きく、ガラス転移点が低いため、比較例7で得られた重合体組成物は、透明性、柔軟性、流動性に劣る。
本発明のトリブロック共重合体ペレットは、耐ブロッキング性に優れ、灰分が少なく、ポリオレフィン系樹脂と配合した際、透明性、柔軟性、低温耐衝撃性に優れ、良好な流動性を有する重合体組成物を与えることから、例えば、食品用包装材、プラスチック製医薬品容器などの用途に好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. 芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロックA1、芳香族ビニル化合物単位を主体とする重合体ブロックA2および共役ジエン単位を主体とする重合体ブロックBより構成され、重合体ブロックA1の重量平均分子量〔Mw(A1)〕と重合体ブロックA2の重量平均分子量〔Mw(A2)〕の比〔Mw(A1)/Mw(A2)〕が0.10〜0.80であり、ガラス転移点が−40〜0℃であるトリブロック共重合体およびその水素添加物から選ばれる少なくとも1種のトリブロック共重合体(a)のペレット100質量部に対して、金属せっけん(b)0.05〜1.0質量部が添着されたトリブロック共重合体ペレットであって、
    トリブロック共重合体(a)における重合体ブロックA1および重合体ブロックA2の合計含有量が5〜40質量%である、トリブロック共重合体ペレット
  2. トリブロック共重合体(a)における重合体ブロックA1および重合体ブロックA2の合計含有量が5〜40質量%であり、重合体ブロックBに含有される共役ジエン単位に由来する炭素−炭素二重結合の50%以上が水素添加されていることを特徴とする請求項1に記載のトリブロック共重合体ペレット。
  3. 金属せっけん(b)がステアリン酸カルシウムであることを特徴とする請求項1または2に記載のトリブロック共重合体ペレット。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のトリブロック共重合体ペレット100質量部およびポリオレフィン系樹脂(c)10〜900質量部からなる重合体組成物。
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