JP4994269B2 - インクジェット記録方法 - Google Patents
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Description
即ち、前記課題を解決するための具体的手段は以下のとおりである。
<2> 前記インク受容層は、表面から5μmの厚みまでのアルミニウム濃度が前記表面から20μmの厚みまでのアルミニウム濃度よりも低いことを特徴とする<1>に記載のインクジェット記録方法である。
<4> 前記インクは、前記水溶性溶剤を12質量%以上含有することを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法である。
<5> 前記インクは、分子量220未満の水溶性溶剤の含有率が30質量%以下であり、SP値が24(MPa) 1/2 よりも大きい水溶性溶剤の含有率が40質量%以下である<1>〜<4>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法である。
インクジェット記録方法を前記本発明の構成としたことにより、印画直後からの色変わりを抑制できる。
以下、インクジェット記録媒体について説明し、引き続きインク等について説明する。
本発明におけるインクジェット記録媒体は支持体上に水溶性アルミニウム化合物を含有するインク受容層を有して構成される。インク受容層中に水溶性アルミニウム化合物を含有しない場合、色変わりが悪化する傾向がある。
ここで、インク受容層の層厚方向についてのアルミニウム濃度の分布には特に限定はないが、表面から5μmの厚みまでのアルミニウム濃度が前記表面から20μmの厚みまでのアルミニウム濃度よりも低いことが好ましい。このように構成することにより、色変わりをさらに抑制することができる。また、ブロンジングをより抑制することができる。
以下、本発明におけるインク受容層、支持体、等について説明する。
本発明におけるインク受容層は、単層構成であっても少なくとも2層の構成であってもよいが、アルミニウム濃度を前記分布とする観点からは、少なくとも2層の構成であることが好ましい。
以下、インク受容層が少なくとも2層の構成である形態について説明するが、本発明はこれらの形態に限定されるものではない。
尚、以下においては、支持体に近い側の層(以下、「下層」ともいう)をインク受容層A、支持体から離れた側の層(以下、「上層」ともいう)をインク受容層Bとして説明する。
前記インク受容層Bは微粒子シリカを主体に含有する形態が好適である。
前記インク受容層Bは、更に、水溶性ジルコニウム化合物を含有する形態がより好適である。インク受容層Bは、必要に応じその他の成分を含んでいてもよい。
また、前記インク受容層Bは支持体から離れた側の層であればよく、支持体から最も離れた最上層であってもよいし、最上層でなくてもよいが(即ち、インク受容層B上に更にコロイダルシリカ層等の最上層を有していてもよいが)、発色性及び高湿にじみの観点からは、最上層であることが好ましい。また、インク受容層Bは、単層構成であっても2層以上の構成であってもよい。
具体的には、質量比〔インク受容層B中の水溶性アルミニウム化合物の質量/インク受容層A中の水溶性アルミニウム化合物の質量〕が、0以上1.0未満であることが好ましい。前記質量比は、0以上0.8未満がより好ましく、0以上0.5未満が特に好ましく、0(即ち、インク受容層Bが水溶性アルミニウム化合物を含まない形態)が最も好ましい。
前記インク受容層Aは、微粒子シリカを主体に含有する形態が好適である。
インク受容層全体において水溶性アルミニウム化合物を前記支持体に近い側により多く分布させる観点からは、前記インク受容層Aは水溶性アルミニウム化合物を含有することが好ましい。また、インク受容層Aは、必要に応じその他の成分を含んでいてもよい。また、インク受容層Aは、単層構成であっても2層以上の構成であってもよい。
次に、少なくとも2層のインク受容層全体(以下、単に「インク受容層全体」ともいう)の層厚方向についての水溶性アルミニウム化合物の分布、及び、インク受容層全体の層厚方向についての水溶性ジルコニウム化合物の分布について説明する。
本発明において水溶性アルミニウム化合物は、耐水性、インク吸収性、発色性、ブロンジングの観点より、インク受容層全体において支持体に近い側により多く分布することが好ましい。
一方、本発明において、水溶性ジルコニウム化合物は、高湿にじみ抑制及び発色性向上等の観点からは、本発明におけるインク受容層全体において、支持体から離れた側(より好ましくは、インク受容層全体の表面近傍)により多く分布することが好ましい。
以上の効果をより効果的に得る観点からは、インク受容層Bの層厚を比較的薄くし、かつインク受容層Aの層厚を比較的厚くすることが好ましい。
以下、本発明のインク受容層に含まれる各成分について説明する。
本発明におけるインク受容層(例えば、インク受容層A及びインク受容層B、必要に応じその他の層)は、微粒子シリカを主体に含有する形態が好適である。
ここで主体に含有するとは、インク受容層を構成する全固形分に対して微粒子シリカを60質量%以上含有することであり、好ましくは65質量%以上含有することであり、更に70質量%以上含有することである。上限は95質量%程度である。微粒子シリカとして合成シリカである気相法シリカ、湿式法シリカの少なくとも1種が使用される。インク吸収性及び発色性の観点から、気相法シリカがより好ましい。
本発明におけるインク受容層(例えば、インク受容層A及びインク受容層B、必要に応じその他の層)は、バインダーを含有することが好ましい。
前記バインダーとしては特に限定はないが、皮膜としての特性を維持するためと、透明性が高くインクのより高い浸透性を得るために親水性バインダーを用いることが好ましい。
前記親水性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、澱粉、デキストリン、カルボキシメチルセルロースやそれらの誘導体が使用されるが、特に好ましい親水性バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコールである。ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化したものである。平均重合度は500〜5000のポリビニルアルコールが好ましい。
各インク受容層におけるバインダー(B;例えば、前記親水性バインダー)と微粒子シリカ(P)の質量比(B/P)は、5〜30質量%の範囲が好ましく、5〜25質量%がより好ましい。
本発明において、支持体から離れたインク受容層Bから支持体に近いインク受容層Aにスムーズにインクを通過させるためには、上記質量比(B/P)の関係を、インク受容層Aに比べてインク受容層Bの方を小さくすることが好ましい。
本発明におけるインク受容層(例えば、インク受容層B、必要に応じその他の層)は、水溶性ジルコニウム化合物を含有することが好ましい。
前記水溶性ジルコニウム化合物は、無機塩や有機酸の単塩および複塩、金属錯体などのいずれであっても良い。
水溶性ジルコニウム化合物としては、例えば、酢酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化ジルコニウム八水和物、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウムなどが挙げられる。
水溶性ジルコニウム化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明におけるインク受容層(例えば、インク受容層A、必要に応じその他の層)は、水溶性アルミニウム化合物を含有する。
本発明に用いられる水溶性アルミニウム化合物は、無機塩や有機酸の単塩および複塩、金属錯体などのいずれであっても良い。
[Al(OH)3]nAlCl3 ・・・ 式2
Aln(OH)mCl(3n−m) 0<m<3n ・・・ 式3
水溶性アルミニウム化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明におけるインク受容層は、必要に応じ、上記以外のその他の成分を含有してもよい。
〜カチオン性ポリマー〜
本発明のインク受容層は、前述の通り、微粒子シリカをカチオン化する目的や、その他の目的で、カチオン性ポリマーを含有してもよい。
前記カチオン性ポリマーとしては、4級アンモニウム基、ホスホニウム基、あるいは1〜3級アミンの酸付加物を有する水溶性カチオン性ポリマーが挙げられる。例えば、ポリエチレンイミン、ポリジアルキルジアリルアミン、ポリアリルアミン、アリキルアミンエピクロルヒドリン重縮合物、特開昭59−20696号、同59−33176号、同59−33177号、同59−155088号、同60−11389号、同60−49990号、同60−83882号、同60−109894号、同62−198493号、同63−49478号、同63−115780号、同63−280681号、特開平1−40371号、同6−234268号、同7−125411号、同10−193776号、WO99/64248号公報等に記載されたカチオン性ポリマーが挙げられる。本発明に用いられるカチオン性ポリマーの重量平均分子量は10万以下が好ましく、より好ましくは5万以下であり、特に好ましくは2千〜3万程度である。
本発明において、インク受容層には、バインダーとともに硬膜剤を含有することが好ましい。
硬膜剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ほう酸及びほう酸塩の如き無機硬膜剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特にほう酸あるいはほう酸塩が好ましい。
各インク受容層中における硬膜剤の含有量は、バインダーに対して、0.1〜40質量%が好ましく、0.5〜30質量%がより好ましい。
インク受容層には、更に着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。
また、本発明のインク受容層の形成に用いられる塗布液(例えば、後述する塗布液A及び塗布液B、等)のpHは、3.3〜6.5の範囲が好ましく、特に3.5〜5.5の範囲が好ましい。
本発明における支持体としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルム、及び紙と樹脂フィルムを貼り合わせたもの、基紙の両面にポリオレフィン樹脂層を被覆したポリオレフィン樹脂被覆紙、等の耐水性支持体が好ましい。これらの耐水性支持体の厚みは50〜300μm、好ましくは80〜260μmのものが用いられる。
前記ポリオレフィン樹脂被覆紙は、その含水率は特に限定しないが、カール性より好ましくは5.0〜9.0%の範囲であり、より好ましくは6.0〜9.0%の範囲である。ポリオレフィン樹脂被覆紙の含水率は、任意の水分測定法を用いて測定することができる。例えば、赤外線水分計、絶乾重量法、誘電率法、カールフィッシャー法等を用いることができる。
前述の本発明のインクジェット記録材料を製造する方法としては特に限定はないが、例えば、下記本発明のインクジェット記録材料の製造方法が挙げられる。
即ち、本発明のインクジェット記録材料の製造方法は、支持体上に、少なくとも、微粒子シリカ及び水溶性アルミニウム化合物を含むインク受容層用塗布液A(以下、単に「塗布液A」ともいう)と、微粒子シリカ(及び、好ましくは水溶性ジルコニウム化合物)を含むインク受容層用塗布液B(以下、単に「塗布液B」ともいう)と、を該支持体側からみてインク受容層用塗布液A、インク受容層用塗布液Bの順となる配置で塗布する工程を含んで構成される。
支持体、水溶性ジルコニウム化合物及び水溶性アルミニウム化合物の分布、等についても、前述のインクジェット記録材料の説明で述べたとおりである。
例えば、1層ずつ塗布する逐次塗布方法(例えば、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、リバースコーター等)であっても、多層同時重層塗布方法(例えば、スライドビードコーターやスライドカーテンコーター等)であってもよい。または、例えば、特開2005−14593号公報段落番号0016〜0037に記載されている「Wet−On−Wet法」であってもよい。
また、逐次塗布、多重塗布、及びWet−On−Wet法から選択される少なくとも2つを組み合わせた方法であってもよい。
前記塗布液Bの乾燥塗布量としては、水溶性ジルコニウム化合物をインク受容層表面近傍に高い密度で効率よく含有させる観点からは、8g/m2以下が好ましく、1〜7g/m2の範囲がより好ましい。
次に、インク受容層形成用塗布液の調製方法の例について説明するが、本発明は以下の例に限定されることはない。
即ち、気相法シリカ微粒子と、分散剤と、を水中に添加して(例えば、水中のシリカ微粒子は10〜20質量%)、高速回転湿式コロイドミル(例えば、エム・テクニック(株)製の「クレアミックス」)を用いて、例えば10000rpm(好ましくは5000〜20000rpm)の高速回転の条件で例えば20分間(好ましくは10〜30分間)かけて分散させた後、架橋剤(例えば、ほう酸)、ポリビニルアルコール(PVA)水溶液(例えば、上記気相法シリカの1/3程度の質量のPVAとなるように)、及び、カチオン性エマルションを加え、更に、前記水溶性多価金属化合物(例えば、水溶性ジルコニウム化合物や水溶性アルミニウム化合物)を加えて、上記と同じ回転条件で分散を行なうことにより調製することができる。
なお、水溶性多価金属化合物は、塗布直前にインライン混合により加えてもよい。
また、上記の分散には、液液衝突型分散機(例えば、スギノマシン社製アルティマイザー)を用いることもできる。
得られた塗布液は均一なゾル状態であり、これを下記塗布方法で支持体上に塗布し乾燥させることにより、三次元網目構造を有する多孔質性のインク受容層を形成することができる。
上記の気相法シリカと分散剤とを混合した後、該混合液を分散機を用いて細粒化することで、平均粒子径50〜300nmの水分散液を得ることができる。該水分散液を得るために用いる分散機としては、高速回転分散機、媒体撹拌型分散機(ボールミル、サンドミルなど)、超音波分散機、コロイドミル分散機、高圧分散機等従来公知の各種の分散機を使用することができるが、形成されるダマ状微粒子の分散を効率的におこなうという点から、撹拌型分散機、コロイドミル分散機または高圧分散機が好ましい。
上記分散剤の微粒子に対する添加量は、0.1%〜30%が好ましく、1%〜10%が更に好ましい。
本発明のインクジェット記録材料の製造方法においては、各塗布液の塗布後に、冷却工程及び/又は乾燥工程等の他の工程を設けてもよい。
冷却工程及び乾燥工程の一形態としては、例えば、以下のような形態が挙げられる。
即ち、塗布形成された塗布膜を、前記塗布時の塗布液の温度に対し5℃以上低下するように冷却する工程(以下、「冷却工程」ともいう)と、冷却された塗布層を乾燥してインク受容層を形成する工程(以下、「乾燥工程」ともいう)と、を有する形態である。
ここで、塗布層の温度は、膜面の温度を測定することにより測定する。
前記カレンダー処理としては、空隙率の観点より以下の条件が好適である。
即ち、カレンダー処理をおこなう場合のロール温度としては、30〜150℃が好ましく、40〜100℃がより好ましい。また、カレンダー処理時のロール間の線圧としては、50〜400kg/cmが好ましく、100〜200kg/cmがより好ましい。
本発明におけるインクは、Hoy法によるSP値が24(MPa)1/2以下であり分子量が220以上である水溶性溶剤を8質量%以上含有し、更に染料を含有する。
インクを上記構成とすることにより、色変わりを抑制できる。
前記水溶性溶剤のSP値は24(MPa)1/2以下であるが、本発明による効果をより効果的に得る観点からは、22(MPa)1/2以下がより好ましい。一方、インクの保存安定性の観点からは、前記SP値は18(MPa)1/2以上が好ましく、20(MPa)1/2以上がより好ましい。色変わり抑制及びインクの保存安定性の観点からは、前記SP値は18〜24(MPa)1/2であることが好ましく、20〜22(MPa)1/2であることがより好ましい。
前記水溶性溶剤の分子量が220未満であると、色変わりに対する効果が少ない。この原因は定かではないが、原因の一つとして、インク受容層中に含まれることがあるバインダー(例えば、ポリビニルアルコール)を膨潤し易いため、と推測される。
色変わりの観点からは、前記水溶性溶剤の分子量は230以上であることが好ましい。
また、前記水溶性溶剤の分子量は、インクの吐出安定性の観点と、インクとインク受容層中に含まれることがある有機微粒子との親和性の観点とから、220以上5000以下であることが好ましく、230以上3500以下であることがより好ましい。
ここで前記水溶性溶剤の分子量は、水溶性溶剤が単一の化合物からなる場合には、分子式から算出される分子量を意味し、水溶性溶剤が複数種の類似化合物からなる場合には、数平均分子量を意味する。
ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレングリコール類で分子量が1900を超えるものとして、ニューポールPE−61(三洋化成工業(株)製、SP値20.0)、ニューポールPE−62(三洋化成工業(株)製、SP値20.1)、ニューポールPE−64(三洋化成工業(株)製、SP値20.4)等。
ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン-アルキルエーテル類として、ニューポール50HB55(三洋化成工業(株)製、SP値21.1、分子量240)、ニューポール50HB100(三洋化成工業(株)製、SP値20.6、分子量540)、ニューポール50HB260(三洋化成工業(株)製、SP値20.6、分子量880)、ニューポール50HB400(三洋化成工業(株)製、SP値20.4、分子量1340)、ニューポール50HB660(三洋化成工業(株)製、SP値20.5、分子量1800)等。
アルキレングリコールモノアルキルエーテル類として、テトラエチレングリコール−α−メチル−α−メチロール−ペンチルエーテル(SP値22.8、分子量296)、等を挙げることができる。
SP値が24よりも大きい水溶性溶剤の具体例としては、例えば、3−エトキシ−1,2−プロパンジオール(SP値25.9、分子量120)、1,6−ヘキサンジオール(SP値26.1、分子量118)、3−メチル−1,3−ブタンジオール(SP値25.3、分子量104)、4−メチル−1,2−ペンタンジオール(SP値24.3、分子量118)、1,2−ヘキサンジオール(SP値24.9、分子量118)、ジエチレングリコール(DEG、SP値29.6、分子量106)、ポリエチレングリコール類としてPEG200(SP値24.6、分子量200)等、ポリオキシプロピレン-グリセリルエーテル類としてニューポールGP−250(三洋化成工業(株)製、SP値24.6、分子量250)等を挙げることができる。
本発明において、SP値が24(MPa)1/2よりも大きい水溶性溶剤の含有率としては、例えば、0〜40質量%とすることができ、5〜30質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましい。
分子量220未満の水溶性溶剤の具体例としては、エチレングリコールモノブチルエ−テル(SP値22.5、分子量118)、プロピレングリコールモノブチルエ−テル(SP値21.5、分子量132)、ジエチレングリコールモノブチルエ−テル(SP値22.3、分子量162)、トリエチレングリコールモノブチルエ−テル(TEGmBE、SP値22.1、分子量206)、トリエチレングリコールモノメチルエ−テル(SP値23.4、分子量164)、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(SP値23.0、分子量146)、2−ブチル−2−エチル−1,3−ブタンジオール(SP値23.1、分子量166)、ポリプロピレングリコール類としてニューポールPP200(三洋化成工業(株)製、SP値23.8、分子量200)、等を挙げることができる。
本発明において、分子量220未満の水溶性溶剤の含有率としては、例えば、0〜30質量%とすることができ、5〜25質量%であることが好ましく、10〜20質量%であることがより好ましい。
1、3、11、17、18、19、23、25、36、38、40、42、44、49、59、61、65、67、72、73、79、99、104、110、114、116、118、121、127、129、135、137、141、143、151、155、158、159、169、176、184、193、200、204、207、215、219、220、230、232、235、241、242、246
[C.I.アシッドオレンジ]
3、7、8、10、19、24、51、56、67、74、80、86、87、88、89、94、95、107、108、116、122、127、140、142、144、149、152、156、162、166、168
1、6、8、9、13、18、27、35、37、52、54、57、73、88、97、106、111、114、118、119、127、131、138、143、145、151、183、195、198、211、215、217、225、226、249、251、254、256、257、260、261、265、266、274、276、277、289、296、299、315、318、336、337、357、359、361、362、364、366、399、407、415
[C.I.アシッドバイオレット]
17、19、21、42、43、47、48、49、54、66、78、90、97、102、109、126
[C.I.アシッドブルー]
1、7、9、15、23、25、40、62、72、74、80、83、90、92、103、104、112、113、114、120、127、128、129、138、140、142、156、158、171、182、185、193、199、201、203、204、205、207、209、220、221、224、225、229、230、239、249、258、260、264、278、279、280、284、290、296、298、300、317、324、333、335、338、342、350
9、12、16、19、20、25、27、28、40、43、56、73、81、84、104、108、109
[C.I.アシッドブラウン]
2、4、13、14、19、28、44、123、224、226、227、248、282、283、289、294、297、298、301、355、357、413
[C.I.アシッドブラック]
1、2、3、24、26、31、50、52、58、60、63、107、109、112、119、132、140、155、172、187、188、194、207、222
8、9、10、11、12、22、27、28、39、44、50、58、79、86、87、98、105、106、130、132、137、142、147、153
[C.I.ダイレクトオレンジ]
6、26、27、34、39、40、46、102、105、107、118
[C.I.ダイレクトレッド]
2、4、9、23、24、31、54、62、69、79、80、81、83、84、89、95、212、224、225、226、227、239、242、243、254
[C.I.ダイレクトバイオレット]
9、35、51、66、94、95
1、15、71、76、77、78、80、86、87、90、98、106、108、160、168、189、192、193、199、200、201、202、203、218、225、229、237、244、248、251、270、273、274、290、291
[C.I.ダイレクトグリーン]
26、28、59、80、85
[C.I.ダイレクトブラウン]
44、106、115、195、209、210、222、223
[C.I.ダイレクトブラック]
17、19、22、32、51、62、108、112、113、117、118、132、146、154、159、169
1、2、11、13、15、19、21、28、29、32、36、40、41、45、51、63、67、70、73、91
[C.I.ベイシックオレンジ]
2、21、22
[C.I.ベイシックレッド]
1、2、12、13、14、15、18、23、24、27、29、35、36、39、46、51、52、69、70、73、82、109
[C.I.ベイシックバイオレット]
1、3、7、10、11、15、16、21、27、39
[C.I.ベイシックブルー]
1、3、7、9、21、22、26、41、45、47、52、54、65、69、75、77、92、100、105、117、124、129、147、151
[C.I.ベイシックグリーン]
1、4
[C.I.ベイシックブラウン]
1
2、3、7、15、17、18、22、23、24、25、27、37、39、42、57、69、76、81、84、85、86、87、92、95、102、105、111、125、135、136、137、142、143、145、151、160、161、165、167、168、175、176
[C.I.リアクティブオレンジ]
1、4、5、7、11、12、13、15、16、20、30、35、56、64、67、69、70、72、74、82、84、86、87、91、92、93、95、107
[C.I.リアクティブレッド]
2、3、5、8、11、21、22、23、24、28、29、31、33、35、43、45、49、55、56、58、65、66、78、83、84、106、111、112、113、114、116、120、123、124、128、130、136、141、147、158、159、171、174、180、183、184、187、190、193、194、195、198、218、220、222、223、228、235
1、2、4、5、6、22、23、33、36、38
[C.I.リアクティブブルー]
2、3、4、5、7、13、14、15、19、21、25、27、28、29、38、39、41、49、50、52、63、69、71、72、77、79、89、104、109、112、113、114、116、119、120、122、137、140、143、147、160、161、162、163、168、171、176、182、184、191、194、195、198、203、204、207、209、211、214、220、221、222、231、235、236
[C.I.リアクティブグリーン]
8、12、15、19、21
[C.I.リアクティブブラウン]
2、7、9、10、11、17、18、19、21、23、31、37、43、46
[C.I.リアクティブブラック]
5、8、13、14、31、34、39
[C.I.フードブラック]
1、2
即ち、本発明におけるインクに用いることができるマゼンタ染料としては、例えばカプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類などを有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカプラー成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類などを有するアゾメチン染料;例えばアリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料、シアニン染料、オキソノール染料などのようなメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料などのようなカルボニウム染料、例えばナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのようなキノン染料、例えばジオキサジン染料等のような縮合多環染料等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
マゼンタ染料としては、複素環アゾ染料が好ましく、国際公開特許2002/83795号(35〜55頁)、同2002−83662号(27〜42頁)、特開2004−149560号(段落番号[0046]〜[0059])、同2004−149561号(段落番号[0047]〜[0060])に記載されたものが挙げられる。
会合性のフタロシアニン染料としては、国際出願公開2002/60994号、同2003/811号、同2003/62324号、特開2003−213167号、同2004−75986号、同2004−323605号、同2004−315758、同2004−315807、同2005−179469号に記載されたものが挙げられる。
ブラック染料の好ましい例は、特開2005-307177に詳しく記載されている。
本発明のインクジェット記録方法に用いることができるインクジェット方式によるインクの付与方法としては、特に制限はなく公知のインクジェット方式を用いることができる。具体的には例えば、電歪素子を用いて電気信号を機械信号に変換し、ノズルヘッド部分に貯えたインクを断続的に吐出する方法、ノズルヘッド部分に貯えたインクを吐出部分に極近い一部を急速に加熱して泡を発生させ、その泡による体積膨張で断続的に吐出する方法などを挙げることができる。
(マゼンタインクの調製)
染料として下記化合物M−1が3.2%、SP値24(MPa)1/2以下かつ分子量220以上の溶剤(以下、「特定溶剤」ということがある)としてニューポール50HB55(三洋化成工業(株)製;SP値及び分子量は表1に示す)が15%、ジエチレングリコール(以下、「DEG」と表記する;SP値29.6、分子量106)が10%、オルフィンE1010(日信化学工業(株)製、アセチレングリコール系界面活性剤)が1%の含有率となるように、各成分及びイオン交換水を混合してマゼンタインクを調製した。
前記マゼンタインクの調製において、前記化合物M−1に代え、下記化合物C−1を濃度が5.0%となるように加えた以外は前記マゼンタインクの調製と同様にしてシアンインクを調製した。
前記マゼンタインクの調製において、前記化合物M−1に代え、下記化合物Y−1を濃度が5.0%となるように加えた以外は前記マゼンタインクの調製と同様にしてイエローインクを調製した。
前記マゼンタインクの調製において、前記化合物M−1に代え、下記化合物Bk−1及び下記化合物Bk−2を、化合物Bk−1の濃度が6.0%、化合物Bk−2の濃度が1.5%となるように加えた以外は前記マゼンタインクの調製と同様にしてブラックインクを調製した。
前記インク1の調製中、マゼンタインク、シアンインク、イエローインク、及びブラックインクのそれぞれの調製において、ニューポール50HB55の含有率を10%に変更し、DEGの含有率を15%に変更した以外は前記インク1の調製と同様にして各色のインクを調製し、インク2を得た。
前記インク1の調製中、マゼンタインク、シアンインク、イエローインク、及びブラックインクのそれぞれの調製において、ニューポール50HB55をニューポール50HB100(三洋化成工業(株)製;SP値及び分子量は表1に示す)に変更した以外は前記インク1の調製と同様にして各色のインクを調製し、インク3を得た。
前記インク1の調製中、マゼンタインク、シアンインク、イエローインク、及びブラックインクのそれぞれの調製において、ニューポール50HB55をニューポール50HB400(三洋化成工業(株)製;SP値及び分子量は表1に示す)に変更し(但し、含有率10%となるようにした)、DEGの含有率を15%に変更した以外は前記インク1の調製と同様にして各色のインクを調製し、インク4を得た。
前記インク1の調製中、マゼンタインク、シアンインク、イエローインク、及びブラックインクのそれぞれの調製において、ニューポール50HB55をニューポールGEP2800(三洋化成工業(株)製;SP値及び分子量は表1に示す)に変更し(但し、含有率10%となるようにした)、DEGの含有率を15%に変更した以外は前記インク1の調製と同様にして各色のインクを調製し、インク5を得た。
前記インク1の調製中、マゼンタインク、シアンインク、イエローインク、及びブラックインクのそれぞれの調製において、ニューポール50HB55をテトラエチレングリコール−α−メチル−α−メチロール−ペンチルエーテル(以下、「MHDO4EO」とも表記する;SP値及び分子量は表1に示す)に変更した以外は前記インク1の調製と同様にして各色のインクを調製し、インク6を得た。
前記インク1の調製中、マゼンタインク、シアンインク、イエローインク、及びブラックインクのそれぞれの調製において、ニューポール50HB55をテトラエチレングリコール−α−メチル−α−メチロール−ペンチルエーテル(以下、「MHDO4EO」とも表記する;SP値及び分子量は表1に示す)に変更し(但し、含有率10%となるようにした)、DEGの含有率を15%に変更した以外は前記インク1の調製と同様にして各色のインクを調製し、インク7を得た。
前記インク1の調製中、マゼンタインク、シアンインク、イエローインク、及びブラックインクのそれぞれの調製において、ニューポール50HB55をニューポールGEP2800(三洋化成工業(株)製;SP値及び分子量は表1に示す)に変更し(但し、含有率5%となるようにした)、DEGの含有率を20%に変更した以外は前記インク1の調製と同様にして各色のインクを調製し、インク8(比較用)を得た。
前記インク1の調製中、マゼンタインク、シアンインク、イエローインク、及びブラックインクのそれぞれの調製において、ニューポール50HB55をポリエチレングリコール300(以下、「PEG300」と表記する;SP値及び分子量は表1に示す)に変更した以外は前記インク1の調製と同様にして各色のインクを調製し、インク9(比較用)を得た。
前記インク1の調製中、マゼンタインク、シアンインク、イエローインク、及びブラックインクのそれぞれの調製において、ニューポール50HB55を2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール(以下、「DMHDO」と表記する;SP値及び分子量は表1に示す)に変更した以外は前記インク1の調製と同様にして各色のインクを調製し、インク10(比較用)を得た。
前記インク1の調製中、マゼンタインク、シアンインク、イエローインク、及びブラックインクのそれぞれの調製において、ニューポール50HB55をグリセリン(SP値及び分子量は表1に示す)に変更した以外は前記インク1の調製と同様にして各色のインクを調製し、インク11(比較用)を得た。
前記インク1の調製中、マゼンタインク、シアンインク、イエローインク、及びブラックインクのそれぞれの調製において、ニューポール50HB55をトリエチレングリコールモノブチルエーテル(以下、「TEGmBE」と表記する;SP値及び分子量は表1に示す)に変更した以外は前記インク1の調製と同様にして各色のインクを調製し、インク12(比較用)を得た。
<記録媒体1の作製>
(支持体の作製)
〜ポリオレフィン樹脂被覆紙の作製〜
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)との1:1混合物を、カナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5質量%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0質量%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0質量%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5質量%添加し、水で希釈して1%スラリーとした。この1%スラリーを長網抄紙機で坪量170g/m2になるように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙の基紙とした。抄造した基紙に、密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン100質量%の樹脂に対して、10質量%のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、厚さ35μmになるように押出被覆し、微粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆しオモテ面とした。もう一方の面には密度0.962g/cm3の高密度ポリエチレン樹脂70質量部と密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン樹脂30質量部のブレンド樹脂組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ30μmになるように押出コーティングし、粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆しウラ面とした。
以上によりポリオレフィン樹脂被覆紙を得た。
・石灰処理ゼラチン … 100部
・スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 … 2部
・クロム明ばん … 10部
〜気相法シリカ分散液1の調製〜
水(分散媒)と変性エタノールの中にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマーを添加し、次いで気相法シリカを添加し予備分散して粗分散液を作製した。次にこの粗分散液を高圧ホモジナイザーで2回処理して、シリカ濃度が20質量%の気相法シリカ分散液1を調製した。気相法シリカ分散液1の詳細な組成は以下の通りである。気相法シリカの平均粒子径は100nmであった。
・水 … 430部
・変性エタノール … 22部
・カチオン性ポリマー(ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー、第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、平均分子量9000) … 3部
・気相法シリカ(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m2/g)
… 100部
下記成分を混合し、撹拌してインク受容層用塗布液A−1を調製した。
−インク受容層用塗布液A−1の組成−
・上記気相法シリカ分散液1 … (気相法シリカの固形分として)100部
・ほう酸 … 3部
・ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) … 22部
・塩基性ポリ水酸化アルミニウム((株)理研グリーン製、ピュラケムWT)
… 3部
・1,1,5,5−テトラメチルカルボヒドラジド … 2部
・界面活性剤(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM−2150)
… 0.1部
下記成分を混合し、撹拌してインク受容層用塗布液B−1を調製した。
−インク受容層用塗布液B−1の組成−
・上記気相法シリカ分散液1 … (気相法シリカの固形分として)100部
・ほう酸 … 3部
・ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) … 20部
・酢酸ジルコニル(第一稀元素化学工業社製、ジルコゾールZA−20)
… 3部
・界面活性剤(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM−2150)
… 0.3部
上記のようにして作製した支持体の下引き層が設けられた面に、インク受容層用塗布液A−1、上記インク受容層用塗布液B−1を、支持体側からみて、インク受容層用塗布液A−1、インク受容層用塗布液B−1の順となる配置でスライドビードコーターにより同時重層塗布した。ここで、インク受容層用塗布液A−1の乾燥塗布量は20g/m2であり、インク受容層用塗布液B−1の乾燥塗布量は5g/m2である。
次に、上記同時重層塗布により得られた塗布膜を、10℃で20秒間冷却後、30〜55℃の加熱空気を吹き付けて乾燥し、インク受容層を得た。
以上により、支持体の下引き層上に、インク受容層A−1、インク受容層B−1をこの順に有するインクジェット記録媒体(記録媒体1)を得た。
また、後述する記録媒体5では、インク受容層の層厚は40μmであり、表面から5μmの厚みまでのアルミニウム濃度が前記表面から20μmの厚みまでのアルミニウム濃度と等しくなっている。
また、後述する記録媒体6では、インク受容層の層厚は40μmであり、表面から5μmの厚みまでのアルミニウム濃度が、前記表面から20μmの厚みまでのアルミニウム濃度よりも高くなっている。
前記記録媒体1の作製において、インク受容層用塗布液B−1中の酢酸ジルコニルの量を6部に変更した以外は前記記録媒体1の作製と同様にして記録媒体2を作製した。
前記記録媒体1の作製において、インク受容層用塗布液B−1中の酢酸ジルコニルを同量のオキシ塩化ジルコニウム(日本軽金属(株)製)に変更した以外は前記記録媒体1の作製と同様にして記録媒体3を作製した。
前記記録媒体1の作製において、インク受容層用塗布液A−1を、下記組成のインク受容層用塗布液A−2に変更した以外は前記記録媒体1の作製と同様にして記録媒体4を作製した。
・上記気相法シリカ分散液1
… (気相法シリカの固形分として)50部
・下記湿式法シリカ分散液1
… (湿式法シリカの固形分として)50部
・ほう酸 … 3部
・ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) … 22部
・塩基性ポリ水酸化アルミニウム((株)理研グリーン製、ピュラケムWT)
… 3部
・1,1,5,5−テトラメチルカルボヒドラジド … 2部
・界面活性剤(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM−2150)
… 0.1部
水に、沈降法シリカを添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機(ブレード周速30m/秒)を使用して予備分散液を調製した。次に、この予備分散液をビーズミル(直径0.3mmのジルコニアビーズ、該ビーズの充填率80容量%、円盤周速10m/秒)に1回通過させて、固形分濃度30質量%、平均粒子径200nmの湿式法シリカ分散液1(組成は以下のとおりである)を調製した。
・水 … 329部
・カチオン性ポリマー(ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー、第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、平均分子量9000) … 4部
・沈降法シリカ(ニップシールVN3、平均二次粒径23μm) … 100部
前記記録媒体1の作製において、インク受容層用塗布液A−1及びインク受容層用塗布液B−1をスライドビードコーターにより同時重層塗布することに変えて、下記組成のインク受容層用塗布液A−3を、乾燥塗布量が25g/m2となるようにスライドビードコーターで単層塗布した以外は前記記録媒体1と同様にして記録媒体5を作製した。
・上記気相法シリカ分散液1
… (気相法シリカの固形分として)100部
・ほう酸 … 3部
・ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) … 22部
・酢酸ジルコニル(第一稀元素化学工業社製、ジルコゾールZA−20)
… 3部
・塩基性ポリ水酸化アルミニウム((株)理研グリーン製、ピュラケムWT)
… 3部
・1,1,5,5−テトラメチルカルボヒドラジド … 2部
・界面活性剤(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM−2150)
… 0.3部
前記記録媒体1の作製において、インク受容層用塗布液A−1を下記組成のインク受容層用塗布液A−4に、インク受容層用塗布液B−1を下記組成のインク受容層用塗布液B−2に、それぞれ変更した以外は前記記録媒体1の作製と同様にして記録媒体6を作製した。
・上記気相法シリカ分散液1
… (気相法シリカの固形分として)100部
・ほう酸 … 3部
・ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) … 22部
・酢酸ジルコニル(第一稀元素化学工業社製、ジルコゾールZA−20)
… 3部
・1,1,5,5−テトラメチルカルボヒドラジド … 2部
・界面活性剤(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM−2150)
… 0.1部
・上記気相法シリカ分散液1
… (気相法シリカの固形分として)100部
・ほう酸 … 3部
・ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) … 20部
・塩基性ポリ水酸化アルミニウム((株)理研グリーン製、ピュラケムWT)
… 3部
・界面活性剤(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM−2150)
… 0.3部
前記記録媒体5の作製において、インク受容層用塗布液A−3の組成から塩基性ポリ水酸化アルミニウムを除いた以外は前記記録媒体5の作製と同様にして、記録媒体7(比較用)を作製した。
〔実施例1〕
インクとして、上記で調製したインク1〜7をインクジェットプリンタ(セイコーエプソン(株)製、PX−A740)のカートリッジにそれぞれ詰め替え、最大インク吐出量で、上記で作製した記録媒体1〜6上にグレーのベタ画像を印画してインクジェット記録を行った。
実施例1においてインク1〜7の代わりに上記で調製した比較用のインク8〜12を用いた以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録を行った。
実施例1において記録媒体1〜6の代わりに上記で作製した比較用の記録媒体7を用いた以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録を行った。
実施例1において、インク1〜7の代わりに上記で調製した比較用のインク8〜12を用い、記録媒体1〜6の代わりに上記で作製した比較用の記録媒体7を用いた以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録を行った。
上記でインクジェット記録を行ったそれぞれの記録媒体について、プリント直後(プリント後1分以内)およびプリントから24時間経過後に、それぞれグレー部の色相を測定し、プリント直後の色相と、プリント後24時間経過後の色相と、の差を色差(ΔE)とした。
ここで、色相の測定は、分光光度計(スペクトロリノ、グレタグマクベス社製)を用い、光源F8、視野角2度の条件でL*a*b*を測定することにより行った。
得られた色差(ΔE)から、以下の評価基準に従って色変わりを評価した。評価結果を表1に示す。
AA … ΔE<1 : 色相変化が全く認識できない
A … 1≦ΔE<2 : 色相変化がほとんど認識できない
B … 2≦ΔE<4 : 色相変化がわかるがあまり目立たない(実用上許容範囲内)
C … 4≦ΔE<7 : 色相変化がかなり目立つ(実用上許容範囲を超える)
D … 7≦ΔE : 色相変化が大きく問題となるレベル
・インク欄中の「SP」は、Hoy法によるSP値(単位:(MPa)1/2)を表す。
・記録媒体欄中の「Zr(1)」は、酢酸ジルコニルを表し、「Zr(2)」は、オキシ塩化ジルコニウムを表し、「Al」は水溶性アルミニウム化合物(塩基性ポリ水酸化アルミニウム)を表す。
・記録媒体の上層又は下層の欄「Zr(1)3%:5g/m2」等の表記は、層中に酢酸ジルコニルを該層中のシリカに対し3質量%含有し、該層の乾燥塗布量が5g/m2であることを表す。
以上の実施例では、水溶性アルミニウム化合物、染料、及び水溶性溶剤として、特定の化合物を用いた例について説明したが、上記以外の化合物の組み合わせを用いた場合にも、水溶性アルミニウム化合物を含有するインク受容層上に、SP値が24(MPa)1/2以下で分子量が220以上である水溶性溶剤を8質量%以上含有する染料含有インクを用いてインクジェット記録を行うことにより、同様に色変わりが抑制される。
Claims (5)
- 支持体上に水溶性アルミニウム化合物及びポリビニルアルコールを含有するインク受容層を有するインクジェット記録媒体の該インク受容層上に、Hoy法によるSP値が24(MPa)1/2以下であり分子量が220以上であり、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−アルキルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−グリセリルエーテル、及びアルキレングリコールモノアルキルエーテルから選択される少なくとも1種である水溶性溶剤を8質量%以上含有し、更に染料及び水を含有するインクを、インクジェット方式で付与するインク付与工程を含むインクジェット記録方法。
- 前記インク受容層は、表面から5μmの厚みまでのアルミニウム濃度が前記表面から20μmの厚みまでのアルミニウム濃度よりも低いことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
- 前記SP値が、22(MPa)1/2以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録方法。
- 前記インクは、前記水溶性溶剤を12質量%以上含有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記インクは、分子量220未満の水溶性溶剤の含有率が30質量%以下であり、SP値が24(MPa) 1/2 よりも大きい水溶性溶剤の含有率が40質量%以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
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