JP2009202415A - インクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】印画直後からの色変わりを抑制できるインクジェット記録方法を提供する。
【解決手段】支持体上に水溶性アルミニウム化合物を含有するインク受容層を有するインクジェット記録媒体の前記インク受容層上に、Hoy法によるSP値が24(MPa)1/2以下であり分子量が220以上である水溶性溶剤を8質量%以上含有し、更に染料を含有するインクを、インクジェット方式で付与するインク付与工程を含むインクジェット記録方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方法は、多種の記録材料に記録可能なこと、ハード(装置)が比較的安価であること、コンパクトであること、静粛性に優れること等の点から広く用いられるようになり、近年では、インクジェットプリンタの高解像度化やハード(装置)の発展、並びにインクジェット記録用の媒体の各種開発に伴い、いわゆる写真ライクな高画質記録物が得られるようになっている。
インクジェット記録方法に使用される記録媒体として、紙等の支持体上に非晶質シリカ等の顔料とポリビニルアルコール等のバインダーとを含む多孔質のインク受容層を設けてなるインクジェット記録媒体が知られている。
また、近年、インクジェット記録媒体にジルコニウム化合物やアルミニウム化合物を用いる技術が検討されている。例えば、耐水性を向上し、高湿環境下でのにじみやブロンジングの発生を抑制するために、支持体から離れたインク受容層に水溶性ジルコニウム化合物を含有させ、支持体に近い側に水溶性アルミニウム化合物をより多く分布させるインクジェット記録媒体が知られている(例えば、特許文献1参照)。
一方、インクジェット記録に使用されるインクについては、ビーディング等を改善し、耐光性を向上させるインクとして、2,5-ジメチル−2,5−ヘキサンジオールを含有するインクが知られている(例えば、特許文献2参照)。また、滲み等を改善するインクとして、エチレンオキシ鎖及びプロピレンオキシ鎖を有する特定構造の化合物を含有するインク(例えば、特許文献3参照)や、水と特定のSP値を有する有機溶剤とを特定の割合で含有するインク(例えば、特許文献4参照)が知られている。
特開2006−110771号公報 特開2004−35854号公報 特開2005−336496号公報 特開2007−177007号公報
しかしながら、特に、染料含有インクを用いてインクジェット記録を行った場合、印画直後から経時により記録画像の色相が変化(以下、「色変わり」ともいう)する場合があることが明らかとなった。
本発明は上記に鑑みなされたものであり、印画直後からの色変わりを抑制できるインクジェット記録方法を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
本発明者は鋭意検討した結果、インク受容層中の成分とインクの組成との組み合わせを特定することにより、色変わりを抑制できるとの知見を得、この知見に基づき本発明を完成した。
即ち、前記課題を解決するための具体的手段は以下のとおりである。
<1> 支持体上に水溶性アルミニウム化合物を含有するインク受容層を有するインクジェット記録媒体の該インク受容層上に、Hoy法によるSP値が24(MPa)1/2以下であり分子量が220以上である水溶性溶剤を8質量%以上含有し、更に染料を含有するインクを、インクジェット方式で付与するインク付与工程を含むインクジェット記録方法である。
<2> 前記インク受容層は、表面から5μmの厚みまでのアルミニウム濃度が前記表面から20μmの厚みまでのアルミニウム濃度よりも低いことを特徴とする<1>に記載のインクジェット記録方法である。
<3> 前記SP値が、22(MPa)1/2以下であることを特徴とする<1>又は<2>に記載のインクジェット記録方法である。
<4> 前記インクは、前記水溶性溶剤を12質量%以上含有することを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法である。
本発明によれば、印画直後からの色変わりを抑制できるインクジェット記録方法を提供することができる。
本発明のインクジェット記録方法は、支持体上に水溶性アルミニウム化合物を含有するインク受容層を有するインクジェット記録媒体の該インク受容層上に、Hoy法によるSP値が24(MPa)1/2以下であり分子量が220以上である水溶性溶剤を8質量%以上含有し、更に染料を含有するインクを、インクジェット方式で付与するインク付与工程を含んで構成される。
インクジェット記録方法を前記本発明の構成としたことにより、印画直後からの色変わりを抑制できる。
以下、インクジェット記録媒体について説明し、引き続きインク等について説明する。
≪インクジェット記録媒体≫
本発明におけるインクジェット記録媒体は支持体上に水溶性アルミニウム化合物を含有するインク受容層を有して構成される。インク受容層中に水溶性アルミニウム化合物を含有しない場合、色変わりが悪化する傾向がある。
ここで、インク受容層の層厚方向についてのアルミニウム濃度の分布には特に限定はないが、表面から5μmの厚みまでのアルミニウム濃度が前記表面から20μmの厚みまでのアルミニウム濃度よりも低いことが好ましい。このように構成することにより、色変わりをさらに抑制することができる。また、ブロンジングをより抑制することができる。
なお、本発明においてインク受容層の層厚方向におけるアルミニウム濃度、後述の水溶性アルミニウム化合物の分布は、例えば、ミクロトームなどにより作製したインク受容層の断面試料について、EMPA(Electron Probe Micro Analyser)などにより、インク受容層の厚さ方向にアルミニウム元素の測定を行うことにより確認できる。後述の水溶性ジルコニウム化合物の分布についても同様の方法により確認できる。
具体的には、質量比〔表面から5μmの厚みまでのアルミニウム濃度/前記表面から20μmの厚みまでのアルミニウム濃度〕が、0以上1.0未満であることが好ましく、0以上0.8未満がより好ましく、0以上0.5未満が更に好ましく、0(即ち、表面から5μmの厚みまでにアルミニウムが含まれない形態)が最も好ましい。
また、本発明におけるインク受容層の層厚(複数層の場合は総厚み)としては特に限定はないが、20〜80μmが好ましく、25〜60μmがより好ましく、30〜50μmが特に好ましい。
また、本発明におけるインクジェット記録媒体は、必要に応じ、インク受容層以外の層(中間層、下引き層等)を有していてもよい。
以下、本発明におけるインク受容層、支持体、等について説明する。
<インク受容層>
本発明におけるインク受容層は、単層構成であっても少なくとも2層の構成であってもよいが、アルミニウム濃度を前記分布とする観点からは、少なくとも2層の構成であることが好ましい。
以下、インク受容層が少なくとも2層の構成である形態について説明するが、本発明はこれらの形態に限定されるものではない。
尚、以下においては、支持体に近い側の層(以下、「下層」ともいう)をインク受容層A、支持体から離れた側の層(以下、「上層」ともいう)をインク受容層Bとして説明する。
(インク受容層B)
前記インク受容層Bは微粒子シリカを主体に含有する形態が好適である。
前記インク受容層Bは、更に、水溶性ジルコニウム化合物を含有する形態がより好適である。インク受容層Bは、必要に応じその他の成分を含んでいてもよい。
また、前記インク受容層Bは支持体から離れた側の層であればよく、支持体から最も離れた最上層であってもよいし、最上層でなくてもよいが(即ち、インク受容層B上に更にコロイダルシリカ層等の最上層を有していてもよいが)、発色性及び高湿にじみの観点からは、最上層であることが好ましい。また、インク受容層Bは、単層構成であっても2層以上の構成であってもよい。
ここで、水溶性ジルコニウム化合物を含有するインク受容層Bを形成する方法については特に限定はないが、例えば、水溶性ジルコニウム化合物を含有する塗布液(例えば、後述のインク受容層用塗布液B)を用いてインク受容層Bを形成する方法、水溶性ジルコニウム化合物を含有する水溶液をインク受容層Bに対し、上(支持体から離れた側)から塗布する方法、これら2つの方法を組み合わせた方法、等が挙げられる。
また、インク受容層Bは、水溶性アルミニウム化合物を含んでもよいし、含まなくてもよいが、含む場合には、ブロンジング抑制等の観点より、インク受容層B中の水溶性アルミニウム化合物の量は、インク受容層A中の水溶性アルミニウム化合物の量より少ないことが好ましい。
具体的には、質量比〔インク受容層B中の水溶性アルミニウム化合物の質量/インク受容層A中の水溶性アルミニウム化合物の質量〕が、0以上1.0未満であることが好ましい。前記質量比は、0以上0.8未満がより好ましく、0以上0.5未満が特に好ましく、0(即ち、インク受容層Bが水溶性アルミニウム化合物を含まない形態)が最も好ましい。
インク受容層Bにおける水溶性ジルコニウム化合物の含有量は特に限定はないが、微粒子シリカに対して0.5〜15質量%の範囲が好ましく、1〜10質量%の範囲がより好ましく、特に4〜10質量%の範囲が好ましい。
インク受容層Bの層厚としては特に限定はないが、本発明による効果をより効果的に得る観点からは、薄い方が好ましい。具体的には、インク受容層Bの乾燥塗布量としては、8g/m以下が好ましく、1〜7g/mの範囲がより好ましい。
(インク受容層A)
前記インク受容層Aは、微粒子シリカを主体に含有する形態が好適である。
インク受容層全体において水溶性アルミニウム化合物を前記支持体に近い側により多く分布させる観点からは、前記インク受容層Aは水溶性アルミニウム化合物を含有することが好ましい。また、インク受容層Aは、必要に応じその他の成分を含んでいてもよい。また、インク受容層Aは、単層構成であっても2層以上の構成であってもよい。
インク受容層Aにおける水溶性アルミニウム化合物の含有量は特に限定はないが、微粒子シリカに対して0.5〜15質量%の範囲が好ましく、1〜10質量%の範囲がより好ましい。
インク受容層Aの層厚としては特に限定はないが、インクの吸収速度及び吸収容量を確保する観点からは、厚い方が好ましい。具体的には、インク受容層Aの乾燥塗布量としては、12g/m以上が好ましく、15g/m以上がより好ましい。
(水溶性ジルコニウム化合物及び水溶性アルミニウム化合物の分布)
次に、少なくとも2層のインク受容層全体(以下、単に「インク受容層全体」ともいう)の層厚方向についての水溶性アルミニウム化合物の分布、及び、インク受容層全体の層厚方向についての水溶性ジルコニウム化合物の分布について説明する。
本発明において水溶性アルミニウム化合物は、耐水性、インク吸収性、発色性、ブロンジングの観点より、インク受容層全体において支持体に近い側により多く分布することが好ましい。
一方、本発明において、水溶性ジルコニウム化合物は、高湿にじみ抑制及び発色性向上等の観点からは、本発明におけるインク受容層全体において、支持体から離れた側(より好ましくは、インク受容層全体の表面近傍)により多く分布することが好ましい。
以上の効果をより効果的に得る観点からは、インク受容層Bの層厚を比較的薄くし、かつインク受容層Aの層厚を比較的厚くすることが好ましい。
本発明においては、支持体から離れたインク受容層Bに水溶性ジルコニウム化合物を含有させること、即ち、表面近傍に水溶性ジルコニウム化合物を存在させること、及び水溶性アルミニウム化合物を支持体に近い側により多く分布させること、の組み合わせにより、ブロンジング及び高湿にじみの発生を抑制し、発色性、耐水性、及びインク吸収性をより向上させることができる。
以下、本発明のインク受容層に含まれる各成分について説明する。
(微粒子シリカ)
本発明におけるインク受容層(例えば、インク受容層A及びインク受容層B、必要に応じその他の層)は、微粒子シリカを主体に含有する形態が好適である。
ここで主体に含有するとは、インク受容層を構成する全固形分に対して微粒子シリカを60質量%以上含有することであり、好ましくは65質量%以上含有することであり、更に70質量%以上含有することである。上限は95質量%程度である。微粒子シリカとして合成シリカである気相法シリカ、湿式法シリカの少なくとも1種が使用される。インク吸収性及び発色性の観点から、気相法シリカがより好ましい。
前記気相法シリカは、乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって製造される。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは、日本アエロジル(株)からアエロジル、(株)トクヤマからQSタイプとして市販されており入手することができる。
前記気相法シリカの平均一次粒子径は、5〜50nmが好ましい。より高い光沢を得るためには、平均一次粒子径5〜20nmでかつBET法による比表面積が90〜400m/gの気相法シリカが好ましい。前記BET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。
上記のようにして気相法シリカは、数nm〜数十nmの一次粒子が網目構造あるいは鎖状につながりあって二次的に凝集した状態で存在する形態が好適である。この凝集粒子(二次粒子)の平均粒径が500nm以下になるまで分散されることが好ましく、より好ましくは300nm以下になるまで分散される。下限の粒子径は50nm程度である。ここで、凝集粒子の平均粒径は、透過型電子顕微鏡による写真撮影で求めることができるが、簡易的にはレーザー散乱式の粒度分布計(例えば、堀場製作所製、LA910)を用いて、個数メジアン径として測定することができる。
前記湿式法シリカは、製造方法によって更に沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカは、珪酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造される。製造過程で粒子成長したシリカ粒子は、凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の工程を経て製品化される。この方法で製造されたシリカの二次粒子は緩やかな凝集粒子となり、比較的粉砕し易い粒子が得られる。沈降法シリカとしては、例えば東ソーシリカ(株)からニップシールとして、(株)トクヤマからトクシール、ファインシールとして市販されている。
前記ゲル法シリカは、珪酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造される。この場合、熟成中に小さなシリカ粒子が溶解し、大きな粒子の一次粒子間に一次粒子同士を結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。例えば、水澤化学工業(株)からミズカシルとして、グレースジャパン(株)からサイロジェットとして市販されている。
前記ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、ケイ酸ソーダの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られる。例えば日産化学工業(株)からスノーテックスとして市販されている。
前記湿式法シリカとしては、沈降法シリカあるいはゲル法シリカが挙げられる。前記湿式法シリカの平均粒径(平均二次粒子径)は、通常1μm以上である。本発明においては、これらの湿式法シリカを、平均粒径が500nm以下になるまで粉砕することが好ましい。より好ましくは、平均粒径が300nm以下になるまで粉砕する。下限の粒子径は50nm程度である。粉砕された湿式法シリカの粒子径は、前述したように透過型電子顕微鏡あるいはレーザー散乱式の粒度分布計で求めることができる。
前記湿式法シリカの粉砕工程は、分散媒にシリカ微粒子を添加し混合(予備分散)する一次分散工程と、該一次分散工程で得られた粗分散液中のシリカを粉砕する二次分散工程とからなることが好ましい。一次分散工程における予備分散は、通常のプロペラ撹拌、歯状ブレード型分散機、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌、超音波撹拌等で行うことができる。湿式法シリカの粉砕方法としては、分散媒中に分散したシリカを機械的に粉砕する湿式分散法が好ましく使用できる。湿式分散機としては、ボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜施回型分散機等を使用することができるが、本発明では特にビーズミル等のメディアミルが好ましく用いられる。
前記湿式法シリカは、平均粒子径(平均二次粒子径)が5μm以上のものが好ましい。比較的大きな粒子径のシリカを粉砕することによって、より高濃度での分散が可能となる。本発明に用いられる湿式法シリカの平均粒子径の上限は特に制限されないが、通常湿式法シリカの平均粒子径は200μm以下である。
また、前記湿式法シリカとしては、沈降法シリカが好ましい。前述したように、沈降法シリカは、その二次粒子が緩やかな凝集粒子であるので、粉砕するのに好適である。
本発明において、微粒子シリカは、カチオン性ポリマーを添加してカチオン化することが好ましい。上述した分散あるいは粉砕工程で、カチオン性ポリマーを含有させておくことがより好ましい。カチオン性ポリマーについては後述する。
(バインダー)
本発明におけるインク受容層(例えば、インク受容層A及びインク受容層B、必要に応じその他の層)は、バインダーを含有することが好ましい。
前記バインダーとしては特に限定はないが、皮膜としての特性を維持するためと、透明性が高くインクのより高い浸透性を得るために親水性バインダーを用いることが好ましい。
前記親水性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、澱粉、デキストリン、カルボキシメチルセルロースやそれらの誘導体が使用されるが、特に好ましい親水性バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコールである。ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化したものである。平均重合度は500〜5000のポリビニルアルコールが好ましい。
また、バインダーは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
各インク受容層におけるバインダー(B;例えば、前記親水性バインダー)と微粒子シリカ(P)の質量比(B/P)は、5〜30質量%の範囲が好ましく、5〜25質量%がより好ましい。
本発明において、支持体から離れたインク受容層Bから支持体に近いインク受容層Aにスムーズにインクを通過させるためには、上記質量比(B/P)の関係を、インク受容層Aに比べてインク受容層Bの方を小さくすることが好ましい。
(水溶性ジルコニウム化合物)
本発明におけるインク受容層(例えば、インク受容層B、必要に応じその他の層)は、水溶性ジルコニウム化合物を含有することが好ましい。
前記水溶性ジルコニウム化合物は、無機塩や有機酸の単塩および複塩、金属錯体などのいずれであっても良い。
水溶性ジルコニウム化合物としては、例えば、酢酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化ジルコニウム八水和物、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウムなどが挙げられる。
これらの水溶性ジルコニウム化合物の中でも、インク受容層を形成する塗布液に安定に添加できるものが好ましく、酢酸ジルコニウム(酢酸ジルコニル)、オキシ塩化ジルコニウムは特に好ましい。
これらのものは、第一稀元素化学工業(株)からジルコゾールZA−20、同ZA−30、同ZC−2等として市販されている。また、日本軽金属(株)等からも市販されている。
水溶性ジルコニウム化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(水溶性アルミニウム化合物)
本発明におけるインク受容層(例えば、インク受容層A、必要に応じその他の層)は、水溶性アルミニウム化合物を含有する。
本発明に用いられる水溶性アルミニウム化合物は、無機塩や有機酸の単塩および複塩、金属錯体などのいずれであっても良い。
本発明に用いられる水溶性アルミニウム化合物は、例えば、無機塩としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等が知られている。さらに、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が知られている。
これらの水溶性アルミニウム化合物の中でも、インク受容層を形成する塗布液に安定に添加できるものが好ましく、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が好ましく用いられる。この化合物は、主成分が下記の式1、2又は3で示され、例えば[Al(OH)153+、[Al(OH)204+、[Al13(OH)345+、[Al21(OH)603+、等のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
[Al(OH)Cl6−n ・・・ 式1
[Al(OH)]nAlCl ・・・ 式2
Al(OH)Cl(3n−m) 0<m<3n ・・・ 式3
これらのものは、多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名で、大明化学工業(株)よりアルファインの名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って市販されており、各種グレードの物が容易に入手できる。本発明ではこれらの市販品をそのままでも使用できる。
水溶性アルミニウム化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(その他の成分)
本発明におけるインク受容層は、必要に応じ、上記以外のその他の成分を含有してもよい。
〜カチオン性ポリマー〜
本発明のインク受容層は、前述の通り、微粒子シリカをカチオン化する目的や、その他の目的で、カチオン性ポリマーを含有してもよい。
前記カチオン性ポリマーとしては、4級アンモニウム基、ホスホニウム基、あるいは1〜3級アミンの酸付加物を有する水溶性カチオン性ポリマーが挙げられる。例えば、ポリエチレンイミン、ポリジアルキルジアリルアミン、ポリアリルアミン、アリキルアミンエピクロルヒドリン重縮合物、特開昭59−20696号、同59−33176号、同59−33177号、同59−155088号、同60−11389号、同60−49990号、同60−83882号、同60−109894号、同62−198493号、同63−49478号、同63−115780号、同63−280681号、特開平1−40371号、同6−234268号、同7−125411号、同10−193776号、WO99/64248号公報等に記載されたカチオン性ポリマーが挙げられる。本発明に用いられるカチオン性ポリマーの重量平均分子量は10万以下が好ましく、より好ましくは5万以下であり、特に好ましくは2千〜3万程度である。
本発明において、カチオン性ポリマーの使用量は微粒子シリカに対して1〜10質重%の範囲が好ましい。
〜硬膜剤〜
本発明において、インク受容層には、バインダーとともに硬膜剤を含有することが好ましい。
硬膜剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ほう酸及びほう酸塩の如き無機硬膜剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特にほう酸あるいはほう酸塩が好ましい。
各インク受容層中における硬膜剤の含有量は、バインダーに対して、0.1〜40質量%が好ましく、0.5〜30質量%がより好ましい。
〜その他〜
インク受容層には、更に着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。
また、本発明のインク受容層の形成に用いられる塗布液(例えば、後述する塗布液A及び塗布液B、等)のpHは、3.3〜6.5の範囲が好ましく、特に3.5〜5.5の範囲が好ましい。
また、インク受容層には、チオエーテル化合物、カルボヒドラジドおよびその誘導体を含有させることによって印字後の保存性を著しく改良することができる。
前記カルボヒドラジド誘導体は、同一分子中に同構造を一つまたは二つ以上有する化合物であっても、あるいは同構造を分子主鎖または側鎖に有するポリマーであってもよい。
前記チオエーテル化合物には、硫黄原子の両側に芳香族基が結合した芳香族チオエーテル化合物、硫黄原子を挟んだ両端にアルキル基を有する脂肪族チオエーテル化合物等がある。これらの中でも特に親水性基を有する脂肪族チオエーテル化合物が好ましい。
なおこれらの化合物は既知の合成法や、特開2002−321447号公報、同2003−48372号公報に記載の合成法などを参考に合成できる。また、一部の化合物については、市販の化成品をそのまま使用することができる。
<支持体>
本発明における支持体としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルム、及び紙と樹脂フィルムを貼り合わせたもの、基紙の両面にポリオレフィン樹脂層を被覆したポリオレフィン樹脂被覆紙、等の耐水性支持体が好ましい。これらの耐水性支持体の厚みは50〜300μm、好ましくは80〜260μmのものが用いられる。
以下、本発明における支持体として好ましく用いられるポリオレフィン樹脂被覆紙について説明する。
前記ポリオレフィン樹脂被覆紙は、その含水率は特に限定しないが、カール性より好ましくは5.0〜9.0%の範囲であり、より好ましくは6.0〜9.0%の範囲である。ポリオレフィン樹脂被覆紙の含水率は、任意の水分測定法を用いて測定することができる。例えば、赤外線水分計、絶乾重量法、誘電率法、カールフィッシャー法等を用いることができる。
ポリオレフィン樹脂被覆紙を構成する基紙は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、より好ましくは、例えば写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好ましい。基紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この基紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。
さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布されていてもよい。
また、基紙の厚みに関しては特に制限はないが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ましく、その坪量は30〜250g/mが好ましい。
基紙を被覆するポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用できる。
また、ポリオレフィン樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加えることが好ましい。
ポリオレフィン樹脂被覆紙の主な製造方法としては、走行する基紙上にポリオレフィン樹脂を加熱溶融した状態で流延する、いわゆる押出コーティング法により製造され、基紙の両面が樹脂により被覆される。また、樹脂を基紙に被覆する前に、基紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。樹脂被覆層の厚みとしては、5〜50μmが適当である。
本発明に用いられる支持体のインク受容層が塗設される側には、下引き層を設けることが好ましい。この下引き層は、インク受容層が塗設される前に、予め支持体の表面に塗布乾燥されたものである。この下引き層は、皮膜形成可能な水溶性ポリマーやポリマーラテックス等を主体に含有する。好ましくは、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性セルロース等の水溶性ポリマーであり、特に好ましくはゼラチンである。これらの水溶性ポリマーの付着量は、10〜500mg/mが好ましく、20〜300mg/mがより好ましい。更に、下引き層には、他に界面活性剤や硬膜剤を含有することが好ましい。支持体に下引き層を設けることによって、インク受容層塗布時のひび割れ防止に有効に働き、均一な塗布面が得られる。
本発明のインクジェット記録媒体のインク吸収性を有する側と支持体に対して反対側には、カール防止や印字直後に重ね合わせた際のくっつきやインク転写を更に向上させるために種々の種類のバック層を設けてもよい。
≪インクジェット記録媒体の製造方法≫
前述の本発明のインクジェット記録材料を製造する方法としては特に限定はないが、例えば、下記本発明のインクジェット記録材料の製造方法が挙げられる。
即ち、本発明のインクジェット記録材料の製造方法は、支持体上に、少なくとも、微粒子シリカ及び水溶性アルミニウム化合物を含むインク受容層用塗布液A(以下、単に「塗布液A」ともいう)と、微粒子シリカ(及び、好ましくは水溶性ジルコニウム化合物)を含むインク受容層用塗布液B(以下、単に「塗布液B」ともいう)と、を該支持体側からみてインク受容層用塗布液A、インク受容層用塗布液Bの順となる配置で塗布する工程を含んで構成される。
前記塗布液Aに含まれる微粒子シリカ、水溶性アルミニウム化合物、及び必要に応じて用いられる他の成分については、前述のインク受容層A中の成分を用いることができる。また、前記塗布液Bに含まれる微粒子シリカ、及び必要に応じて用いられる水溶性ジルコニウム化合物や他の成分については前述のインク受容層B中の成分を用いることができる。塗布液A及び塗布液B中に含まれることがあるその他の成分についても、インク受容層中のその他の成分を用いることができる。
支持体、水溶性ジルコニウム化合物及び水溶性アルミニウム化合物の分布、等についても、前述のインクジェット記録材料の説明で述べたとおりである。
前記製造方法において、塗布液A及び塗布液B(及び必要に応じて用いられる他の塗布液)を塗布する方法としては、支持体側からみて、塗布液A、塗布液Bの順となるような配置となる塗布方法であれば特に限定はない。
例えば、1層ずつ塗布する逐次塗布方法(例えば、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、リバースコーター等)であっても、多層同時重層塗布方法(例えば、スライドビードコーターやスライドカーテンコーター等)であってもよい。または、例えば、特開2005−14593号公報段落番号0016〜0037に記載されている「Wet−On−Wet法」であってもよい。
また、逐次塗布、多重塗布、及びWet−On−Wet法から選択される少なくとも2つを組み合わせた方法であってもよい。
前記塗布液Aの乾燥塗布量としては、インクの吸収速度及び吸収容量を確保する観点からは、12g/m以上が好ましく、15g/m以上がより好ましい。
前記塗布液Bの乾燥塗布量としては、水溶性ジルコニウム化合物をインク受容層表面近傍に高い密度で効率よく含有させる観点からは、8g/m以下が好ましく、1〜7g/mの範囲がより好ましい。
(塗布液の調製)
次に、インク受容層形成用塗布液の調製方法の例について説明するが、本発明は以下の例に限定されることはない。
即ち、気相法シリカ微粒子と、分散剤と、を水中に添加して(例えば、水中のシリカ微粒子は10〜20質量%)、高速回転湿式コロイドミル(例えば、エム・テクニック(株)製の「クレアミックス」)を用いて、例えば10000rpm(好ましくは5000〜20000rpm)の高速回転の条件で例えば20分間(好ましくは10〜30分間)かけて分散させた後、架橋剤(例えば、ほう酸)、ポリビニルアルコール(PVA)水溶液(例えば、上記気相法シリカの1/3程度の質量のPVAとなるように)、及び、カチオン性エマルションを加え、更に、前記水溶性多価金属化合物(例えば、水溶性ジルコニウム化合物や水溶性アルミニウム化合物)を加えて、上記と同じ回転条件で分散を行なうことにより調製することができる。
なお、水溶性多価金属化合物は、塗布直前にインライン混合により加えてもよい。
また、上記の分散には、液液衝突型分散機(例えば、スギノマシン社製アルティマイザー)を用いることもできる。
得られた塗布液は均一なゾル状態であり、これを下記塗布方法で支持体上に塗布し乾燥させることにより、三次元網目構造を有する多孔質性のインク受容層を形成することができる。
また、上記気相法シリカと分散剤とからなる水分散物の調製は、気相法シリカ水分散液をあらかじめ調製し、該水分散液を分散剤水溶液に添加してもよいし、分散剤水溶液を気相法シリカ水分散液に添加してよいし、同時に混合してもよい。また、気相法シリカ水分散液ではなく、粉体の気相法シリカを用いて上記のように分散剤水溶液に添加してもよい。
上記の気相法シリカと分散剤とを混合した後、該混合液を分散機を用いて細粒化することで、平均粒子径50〜300nmの水分散液を得ることができる。該水分散液を得るために用いる分散機としては、高速回転分散機、媒体撹拌型分散機(ボールミル、サンドミルなど)、超音波分散機、コロイドミル分散機、高圧分散機等従来公知の各種の分散機を使用することができるが、形成されるダマ状微粒子の分散を効率的におこなうという点から、撹拌型分散機、コロイドミル分散機または高圧分散機が好ましい。
また、各工程における溶媒として水、有機溶媒、又はこれらの混合溶媒を用いることができる。この塗布に用いることができる有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、メトキシプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチル、トルエン等が挙げられる。
また、上記分散剤としてはカオチン性のポリマーを用いることができる。カオチン性のポリマーとしては、特開2006−321176号公報0138〜0148に記載されている媒染剤の例などが挙げられる。また、分散剤としてシランカップリング剤を用いることも好ましい。
上記分散剤の微粒子に対する添加量は、0.1%〜30%が好ましく、1%〜10%が更に好ましい。
(冷却工程、乾燥工程、等)
本発明のインクジェット記録材料の製造方法においては、各塗布液の塗布後に、冷却工程及び/又は乾燥工程等の他の工程を設けてもよい。
冷却工程及び乾燥工程の一形態としては、例えば、以下のような形態が挙げられる。
即ち、塗布形成された塗布膜を、前記塗布時の塗布液の温度に対し5℃以上低下するように冷却する工程(以下、「冷却工程」ともいう)と、冷却された塗布層を乾燥してインク受容層を形成する工程(以下、「乾燥工程」ともいう)と、を有する形態である。
前記一形態において、冷却工程で塗布層を冷却する方法としては、塗布層が形成された支持体を、0〜10℃に保たれた冷却ゾーンで、5〜30秒冷却させる方法が好適である。前記冷却ゾーンの温度としては、0〜5℃がより好ましい。
ここで、塗布層の温度は、膜面の温度を測定することにより測定する。
また、支持体上にインク受容層を形成した後、該インク受容層は、例えば、スーパーカレンダ、グロスカレンダ等を用い、加熱加圧下にロールニップ間を通してカレンダー処理を施すことにより、表面平滑性、光沢度、透明性および塗膜強度を向上させてもよい。
前記カレンダー処理としては、空隙率の観点より以下の条件が好適である。
即ち、カレンダー処理をおこなう場合のロール温度としては、30〜150℃が好ましく、40〜100℃がより好ましい。また、カレンダー処理時のロール間の線圧としては、50〜400kg/cmが好ましく、100〜200kg/cmがより好ましい。
≪インク≫
本発明におけるインクは、Hoy法によるSP値が24(MPa)1/2以下であり分子量が220以上である水溶性溶剤を8質量%以上含有し、更に染料を含有する。
インクを上記構成とすることにより、色変わりを抑制できる。
前記水溶性溶剤のSP値は24(MPa)1/2以下であるが、本発明による効果をより効果的に得る観点からは、22(MPa)1/2以下がより好ましい。一方、インクの保存安定性の観点からは、前記SP値は18(MPa)1/2以上が好ましく、20(MPa)1/2以上がより好ましい。色変わり抑制及びインクの保存安定性の観点からは、前記SP値は18〜24(MPa)1/2であることが好ましく、20〜22(MPa)1/2であることがより好ましい。
また、前記水溶性溶剤の分子量は、220以上であることが必要である。
前記水溶性溶剤の分子量が220未満であると、色変わりに対する効果が少ない。この原因は定かではないが、原因の一つとして、インク受容層中に含まれることがあるバインダー(例えば、ポリビニルアルコール)を膨潤し易いため、と推測される。
色変わりの観点からは、前記水溶性溶剤の分子量は230以上であることが好ましい。
また、前記水溶性溶剤の分子量は、インクの吐出安定性の観点と、インクとインク受容層中に含まれることがある有機微粒子との親和性の観点とから、220以上5000以下であることが好ましく、230以上3500以下であることがより好ましい。
ここで前記水溶性溶剤の分子量は、水溶性溶剤が単一の化合物からなる場合には、分子式から算出される分子量を意味し、水溶性溶剤が複数種の類似化合物からなる場合には、数平均分子量を意味する。
また、前記水溶性溶剤の含有率はインクに対して8質量%以上であるが、色変わりをより向上する観点からは、12質量%以上であることが好ましい。前記含有量は、インクの保存安定性の観点から、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。色変わり抑制及びインク保存安定性の観点からは、前記含有率は、8〜50質量%が好ましく、12〜30質量%がより好ましい。
本発明において「Hoy法によるSP値」とは、化合物の構造に基づいてHoy法によって算出された溶解度パラメーター(Solubility Parameter)を意味する。Hoy法とは、例えば、K.L.Hoy “Table of Solubility Prameters”,Solvent and Coatings Materials Reserch and Development Department,Union Carbites Corp.(1985)に記載された計算方法である。
本発明における水溶性溶剤(特定溶剤)はSP値が24(MPa)1/2以下であり分子量が220以上であれば特に制限はない。例えば、ポリプロピレングリコール類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコール類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−グリセルエーテル類、アルキレングリコールモノアルキルエーテル類、グリコール類等の中から、溶剤の構造を考慮して適宜選択することができる。
具体的には例えば、ポリプロピレングリコール類として、ニューポールPP400(三洋化成工業(株)製、SP値21.3、分子量400)等。
ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレングリコール類で分子量が1900を超えるものとして、ニューポールPE−61(三洋化成工業(株)製、SP値20.0)、ニューポールPE−62(三洋化成工業(株)製、SP値20.1)、ニューポールPE−64(三洋化成工業(株)製、SP値20.4)等。
ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン-アルキルエーテル類として、ニューポール50HB55(三洋化成工業(株)製、SP値21.1、分子量240)、ニューポール50HB100(三洋化成工業(株)製、SP値20.6、分子量540)、ニューポール50HB260(三洋化成工業(株)製、SP値20.6、分子量880)、ニューポール50HB400(三洋化成工業(株)製、SP値20.4、分子量1340)、ニューポール50HB660(三洋化成工業(株)製、SP値20.5、分子量1800)等。
ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン-グリセリルエーテル類として、ニューポールGEP−2800(三洋化成工業(株)製、SP値20.7、分子量2600)等。
アルキレングリコールモノアルキルエーテル類として、テトラエチレングリコール−α−メチル−α−メチロール−ペンチルエーテル(SP値22.8、分子量296)、等を挙げることができる。
本発明におけるインクは、SP値が24(MPa)1/2以下であり分子量が220以上の水溶性溶剤を1種単独で、また2種以上を組合せて含有することができる。
また本発明におけるインクは、本発明の効果を損なわない範囲で、SP値が24(MPa)1/2よりも大きい水溶性溶剤を含むことができる。
SP値が24よりも大きい水溶性溶剤の具体例としては、例えば、3−エトキシ−1,2−プロパンジオール(SP値25.9、分子量120)、1,6−ヘキサンジオール(SP値26.1、分子量118)、3−メチル−1,3−ブタンジオール(SP値25.3、分子量104)、4−メチル−1,2−ペンタンジオール(SP値24.3、分子量118)、1,2−ヘキサンジオール(SP値24.9、分子量118)、ジエチレングリコール(DEG、SP値29.6、分子量106)、ポリエチレングリコール類としてPEG200(SP値24.6、分子量200)等、ポリオキシプロピレン-グリセリルエーテル類としてニューポールGP−250(三洋化成工業(株)製、SP値24.6、分子量250)等を挙げることができる。
本発明において、SP値が24(MPa)1/2よりも大きい水溶性溶剤の含有率としては、例えば、0〜40質量%とすることができ、5〜30質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましい。
また本発明におけるインクは、本発明の効果を損なわない範囲で、分子量220未満の水溶性溶剤を含むことができる。
分子量220未満の水溶性溶剤の具体例としては、エチレングリコールモノブチルエ−テル(SP値22.5、分子量118)、プロピレングリコールモノブチルエ−テル(SP値21.5、分子量132)、ジエチレングリコールモノブチルエ−テル(SP値22.3、分子量162)、トリエチレングリコールモノブチルエ−テル(TEGmBE、SP値22.1、分子量206)、トリエチレングリコールモノメチルエ−テル(SP値23.4、分子量164)、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(SP値23.0、分子量146)、2−ブチル−2−エチル−1,3−ブタンジオール(SP値23.1、分子量166)、ポリプロピレングリコール類としてニューポールPP200(三洋化成工業(株)製、SP値23.8、分子量200)、等を挙げることができる。
本発明において、分子量220未満の水溶性溶剤の含有率としては、例えば、0〜30質量%とすることができ、5〜25質量%であることが好ましく、10〜20質量%であることがより好ましい。
本発明におけるインクは、前記水溶性溶剤に加えて、染料の少なくとも1種を更に含む。染料としてはインクジェット用として使用可能な一般的な染料を用いることができる。その例としてはカラーインデックスにおいて酸性染料、直接染料、反応染料、建染染料、硫化染料または食品用色素に分類されているものの他に油溶染料、塩基性染料などに分類される染料を用いることもできる。
また、本発明の染料としては、例えば、アゾ染料、アゾメチン染料、キサンテン染料、キノン染料などを挙げることができる。染料の具体的化合物を以下に示す。但し、これら例示した化合物に限定されるものではない。
[C.I.アシッドイエロー]
1、3、11、17、18、19、23、25、36、38、40、42、44、49、59、61、65、67、72、73、79、99、104、110、114、116、118、121、127、129、135、137、141、143、151、155、158、159、169、176、184、193、200、204、207、215、219、220、230、232、235、241、242、246
[C.I.アシッドオレンジ]
3、7、8、10、19、24、51、56、67、74、80、86、87、88、89、94、95、107、108、116、122、127、140、142、144、149、152、156、162、166、168
[C.I.アシッドレッド]
1、6、8、9、13、18、27、35、37、52、54、57、73、88、97、106、111、114、118、119、127、131、138、143、145、151、183、195、198、211、215、217、225、226、249、251、254、256、257、260、261、265、266、274、276、277、289、296、299、315、318、336、337、357、359、361、362、364、366、399、407、415
[C.I.アシッドバイオレット]
17、19、21、42、43、47、48、49、54、66、78、90、97、102、109、126
[C.I.アシッドブルー]
1、7、9、15、23、25、40、62、72、74、80、83、90、92、103、104、112、113、114、120、127、128、129、138、140、142、156、158、171、182、185、193、199、201、203、204、205、207、209、220、221、224、225、229、230、239、249、258、260、264、278、279、280、284、290、296、298、300、317、324、333、335、338、342、350
[C.I.アシッドグリーン]
9、12、16、19、20、25、27、28、40、43、56、73、81、84、104、108、109
[C.I.アシッドブラウン]
2、4、13、14、19、28、44、123、224、226、227、248、282、283、289、294、297、298、301、355、357、413
[C.I.アシッドブラック]
1、2、3、24、26、31、50、52、58、60、63、107、109、112、119、132、140、155、172、187、188、194、207、222
[C.I.ダイレクトイエロー]
8、9、10、11、12、22、27、28、39、44、50、58、79、86、87、98、105、106、130、132、137、142、147、153
[C.I.ダイレクトオレンジ]
6、26、27、34、39、40、46、102、105、107、118
[C.I.ダイレクトレッド]
2、4、9、23、24、31、54、62、69、79、80、81、83、84、89、95、212、224、225、226、227、239、242、243、254
[C.I.ダイレクトバイオレット]
9、35、51、66、94、95
[C.I.ダイレクトブルー]
1、15、71、76、77、78、80、86、87、90、98、106、108、160、168、189、192、193、199、200、201、202、203、218、225、229、237、244、248、251、270、273、274、290、291
[C.I.ダイレクトグリーン]
26、28、59、80、85
[C.I.ダイレクトブラウン]
44、106、115、195、209、210、222、223
[C.I.ダイレクトブラック]
17、19、22、32、51、62、108、112、113、117、118、132、146、154、159、169
[C.I.ベイシックイエロー]
1、2、11、13、15、19、21、28、29、32、36、40、41、45、51、63、67、70、73、91
[C.I.ベイシックオレンジ]
2、21、22
[C.I.ベイシックレッド]
1、2、12、13、14、15、18、23、24、27、29、35、36、39、46、51、52、69、70、73、82、109
[C.I.ベイシックバイオレット]
1、3、7、10、11、15、16、21、27、39
[C.I.ベイシックブルー]
1、3、7、9、21、22、26、41、45、47、52、54、65、69、75、77、92、100、105、117、124、129、147、151
[C.I.ベイシックグリーン]
1、4
[C.I.ベイシックブラウン]
[C.I.リアクティブイエロー]
2、3、7、15、17、18、22、23、24、25、27、37、39、42、57、69、76、81、84、85、86、87、92、95、102、105、111、125、135、136、137、142、143、145、151、160、161、165、167、168、175、176
[C.I.リアクティブオレンジ]
1、4、5、7、11、12、13、15、16、20、30、35、56、64、67、69、70、72、74、82、84、86、87、91、92、93、95、107
[C.I.リアクティブレッド]
2、3、5、8、11、21、22、23、24、28、29、31、33、35、43、45、49、55、56、58、65、66、78、83、84、106、111、112、113、114、116、120、123、124、128、130、136、141、147、158、159、171、174、180、183、184、187、190、193、194、195、198、218、220、222、223、228、235
[C.I.リアクティブバイオレット]
1、2、4、5、6、22、23、33、36、38
[C.I.リアクティブブルー]
2、3、4、5、7、13、14、15、19、21、25、27、28、29、38、39、41、49、50、52、63、69、71、72、77、79、89、104、109、112、113、114、116、119、120、122、137、140、143、147、160、161、162、163、168、171、176、182、184、191、194、195、198、203、204、207、209、211、214、220、221、222、231、235、236
[C.I.リアクティブグリーン]
8、12、15、19、21
[C.I.リアクティブブラウン]
2、7、9、10、11、17、18、19、21、23、31、37、43、46
[C.I.リアクティブブラック]
5、8、13、14、31、34、39
[C.I.フードブラック]
1、2
また、本発明におけるインクに用いることができるマゼンタ染料、シアン染料、ブラック染料、イエロー染料としては下記染料も好適である。
即ち、本発明におけるインクに用いることができるマゼンタ染料としては、例えばカプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類などを有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカプラー成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類などを有するアゾメチン染料;例えばアリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料、シアニン染料、オキソノール染料などのようなメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料などのようなカルボニウム染料、例えばナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのようなキノン染料、例えばジオキサジン染料等のような縮合多環染料等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
マゼンタ染料としては、複素環アゾ染料が好ましく、国際公開特許2002/83795号(35〜55頁)、同2002−83662号(27〜42頁)、特開2004−149560号(段落番号[0046]〜[0059])、同2004−149561号(段落番号[0047]〜[0060])に記載されたものが挙げられる。
本発明のインクに用いることができるシアン染料としては、例えばカプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類などを有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカプラー成分としてフェノール類、ナフトール類、ピロロトリアゾールのようなヘテロ環類などを有するアゾメチン染料;シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染料などのようなポリメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料などのようなカルボニウム染料;フタロシアニン染料;アントラキノン染料;インジゴ・チオインジゴ染料などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
会合性のフタロシアニン染料としては、国際出願公開2002/60994号、同2003/811号、同2003/62324号、特開2003−213167号、同2004−75986号、同2004−323605号、同2004−315758、同2004−315807、同2005−179469号に記載されたものが挙げられる。
本発明のインクに用いることができるブラック染料としては、ジスアゾ、トリスアゾ、テトラアゾ染料が挙げられる。これらのブラック染料は、カーボンブラックの分散体等の顔料と併用してもよい。
ブラック染料の好ましい例は、特開2005-307177に詳しく記載されている。
本発明のインクに用いることができるイエロー染料としては、国際特許公開WO2005/075573、特開2004−83903号(段落番号〔0024〕〜〔0062〕)、同2003−277661号(段落番号〔0021〕〜〔0050〕)、同2003−277262号(段落番号〔0042〕〜〔0047〕)、同2003−128953号(段落番号〔0025〕〜〔0076〕)、同2003−41160号(段落番号〔0028〕〜〔0064〕)、米国出願公開US2003/0213405号(段落番号〔0108〕)に記載されたもの、及びC.I.ダイレクトイエロー8,9,11,12,27,28,29,33,35,39,41,44,50,53,59,68,86,87,93,95,96,98,100,106,108,109,110,130,132,142,144,161,163、C.I.アシッドイエロー17,19,23,25,39,40,42,44,49,50,61,64,76,79,110,127,135,143,151,159,169,174,190,195,196,197,199,218,219,222,227、C.I.リアクティブイエロー2,3,13,14,15,17,18,23,24,25,26,27,29,35,37,41,42、C.I.ベーシックイエロー1,2,4,11,13,14,15,19,21,23,24,25,28,29,32,36,39,40、等が挙げられる。また、特開2007−191650号公報の段落番号[0013]〜[0112]、[0114]〜[0121]に記載のイエロー染料も好適である。
本発明におけるインクに含まれる染料の含有率としては、0.5〜30質量%が好ましいが、さらに1.0〜15質量%が好ましい。0.5質量%以上の含有率とすることで、印字濃度が良好になる。また30質量%以下の含有率とすることで、インクの粘度上昇や粘度特性に構造粘性が生じることを抑制でき、インクジェットヘッドからのインクの吐出安定性が良好になる。
さらに、本発明におけるインクは、その放置安定性の確保、インクジェットヘッドからの吐出安定性向上、目詰まり改善、あるいはインクの劣化防止のためなどの目的で各種の保湿剤、溶解助剤、浸透制御剤、粘度調整剤、pH調整剤、溶解助剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、腐食防止剤、分散に影響を与える金属イオンを捕獲するためのキレート等種々の添加剤を添加することもできる。
≪インクジェット方式≫
本発明のインクジェット記録方法に用いることができるインクジェット方式によるインクの付与方法としては、特に制限はなく公知のインクジェット方式を用いることができる。具体的には例えば、電歪素子を用いて電気信号を機械信号に変換し、ノズルヘッド部分に貯えたインクを断続的に吐出する方法、ノズルヘッド部分に貯えたインクを吐出部分に極近い一部を急速に加熱して泡を発生させ、その泡による体積膨張で断続的に吐出する方法などを挙げることができる。
また、本発明のインクジェット記録方法におけるインクの付与は、単一色のインクを付与する形態であってもよいし、複数色のインク(例えば、マゼンタインク、シアンインク、イエローインクの3色、該3色にブラックインクを加えた4色、等)を付与する形態であってもよい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。尚、以下において「部」及び「%」は、特に断わりのない限り「質量部」及び「質量%」を表す。
<インク1の調製>
(マゼンタインクの調製)
染料として下記化合物M−1が3.2%、SP値24(MPa)1/2以下かつ分子量220以上の溶剤(以下、「特定溶剤」ということがある)としてニューポール50HB55(三洋化成工業(株)製;SP値及び分子量は表1に示す)が15%、ジエチレングリコール(以下、「DEG」と表記する;SP値29.6、分子量106)が10%、オルフィンE1010(日信化学工業(株)製、アセチレングリコール系界面活性剤)が1%の含有率となるように、各成分及びイオン交換水を混合してマゼンタインクを調製した。

(シアンインクの調製)
前記マゼンタインクの調製において、前記化合物M−1に代え、下記化合物C−1を濃度が5.0%となるように加えた以外は前記マゼンタインクの調製と同様にしてシアンインクを調製した。

(イエローインクの調製)
前記マゼンタインクの調製において、前記化合物M−1に代え、下記化合物Y−1を濃度が5.0%となるように加えた以外は前記マゼンタインクの調製と同様にしてイエローインクを調製した。

(ブラックインクの調製)
前記マゼンタインクの調製において、前記化合物M−1に代え、下記化合物Bk−1及び下記化合物Bk−2を、化合物Bk−1の濃度が6.0%、化合物Bk−2の濃度が1.5%となるように加えた以外は前記マゼンタインクの調製と同様にしてブラックインクを調製した。

以上により、マゼンタインク、シアンインク、イエローインク、及びブラックインクの組としてインク1を得た。
<インク2の調製>
前記インク1の調製中、マゼンタインク、シアンインク、イエローインク、及びブラックインクのそれぞれの調製において、ニューポール50HB55の含有率を10%に変更し、DEGの含有率を15%に変更した以外は前記インク1の調製と同様にして各色のインクを調製し、インク2を得た。
<インク3の調製>
前記インク1の調製中、マゼンタインク、シアンインク、イエローインク、及びブラックインクのそれぞれの調製において、ニューポール50HB55をニューポール50HB100(三洋化成工業(株)製;SP値及び分子量は表1に示す)に変更した以外は前記インク1の調製と同様にして各色のインクを調製し、インク3を得た。
<インク4の調製>
前記インク1の調製中、マゼンタインク、シアンインク、イエローインク、及びブラックインクのそれぞれの調製において、ニューポール50HB55をニューポール50HB400(三洋化成工業(株)製;SP値及び分子量は表1に示す)に変更し(但し、含有率10%となるようにした)、DEGの含有率を15%に変更した以外は前記インク1の調製と同様にして各色のインクを調製し、インク4を得た。
<インク5の調製>
前記インク1の調製中、マゼンタインク、シアンインク、イエローインク、及びブラックインクのそれぞれの調製において、ニューポール50HB55をニューポールGEP2800(三洋化成工業(株)製;SP値及び分子量は表1に示す)に変更し(但し、含有率10%となるようにした)、DEGの含有率を15%に変更した以外は前記インク1の調製と同様にして各色のインクを調製し、インク5を得た。
<インク6の調製>
前記インク1の調製中、マゼンタインク、シアンインク、イエローインク、及びブラックインクのそれぞれの調製において、ニューポール50HB55をテトラエチレングリコール−α−メチル−α−メチロール−ペンチルエーテル(以下、「MHDO4EO」とも表記する;SP値及び分子量は表1に示す)に変更した以外は前記インク1の調製と同様にして各色のインクを調製し、インク6を得た。
<インク7の調製>
前記インク1の調製中、マゼンタインク、シアンインク、イエローインク、及びブラックインクのそれぞれの調製において、ニューポール50HB55をテトラエチレングリコール−α−メチル−α−メチロール−ペンチルエーテル(以下、「MHDO4EO」とも表記する;SP値及び分子量は表1に示す)に変更し(但し、含有率10%となるようにした)、DEGの含有率を15%に変更した以外は前記インク1の調製と同様にして各色のインクを調製し、インク7を得た。
<インク8(比較用)の調製>
前記インク1の調製中、マゼンタインク、シアンインク、イエローインク、及びブラックインクのそれぞれの調製において、ニューポール50HB55をニューポールGEP2800(三洋化成工業(株)製;SP値及び分子量は表1に示す)に変更し(但し、含有率5%となるようにした)、DEGの含有率を20%に変更した以外は前記インク1の調製と同様にして各色のインクを調製し、インク8(比較用)を得た。
<インク9(比較用)の調製>
前記インク1の調製中、マゼンタインク、シアンインク、イエローインク、及びブラックインクのそれぞれの調製において、ニューポール50HB55をポリエチレングリコール300(以下、「PEG300」と表記する;SP値及び分子量は表1に示す)に変更した以外は前記インク1の調製と同様にして各色のインクを調製し、インク9(比較用)を得た。
<インク10(比較用)の調製>
前記インク1の調製中、マゼンタインク、シアンインク、イエローインク、及びブラックインクのそれぞれの調製において、ニューポール50HB55を2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール(以下、「DMHDO」と表記する;SP値及び分子量は表1に示す)に変更した以外は前記インク1の調製と同様にして各色のインクを調製し、インク10(比較用)を得た。
<インク11(比較用)の調製>
前記インク1の調製中、マゼンタインク、シアンインク、イエローインク、及びブラックインクのそれぞれの調製において、ニューポール50HB55をグリセリン(SP値及び分子量は表1に示す)に変更した以外は前記インク1の調製と同様にして各色のインクを調製し、インク11(比較用)を得た。
<インク12(比較用)の調製>
前記インク1の調製中、マゼンタインク、シアンインク、イエローインク、及びブラックインクのそれぞれの調製において、ニューポール50HB55をトリエチレングリコールモノブチルエーテル(以下、「TEGmBE」と表記する;SP値及び分子量は表1に示す)に変更した以外は前記インク1の調製と同様にして各色のインクを調製し、インク12(比較用)を得た。
≪インクジェット記録媒体の作製≫
<記録媒体1の作製>
(支持体の作製)
〜ポリオレフィン樹脂被覆紙の作製〜
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)との1:1混合物を、カナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5質量%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0質量%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0質量%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5質量%添加し、水で希釈して1%スラリーとした。この1%スラリーを長網抄紙機で坪量170g/mになるように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙の基紙とした。抄造した基紙に、密度0.918g/cmの低密度ポリエチレン100質量%の樹脂に対して、10質量%のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、厚さ35μmになるように押出被覆し、微粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆しオモテ面とした。もう一方の面には密度0.962g/cmの高密度ポリエチレン樹脂70質量部と密度0.918g/cmの低密度ポリエチレン樹脂30質量部のブレンド樹脂組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ30μmになるように押出コーティングし、粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆しウラ面とした。
以上によりポリオレフィン樹脂被覆紙を得た。
上記で得られたポリオレフィン樹脂被覆紙のオモテ面に高周波コロナ放電処理を施した後、下記組成の下引き層をゼラチンが50mg/mとなるように塗布乾燥して支持体を得た。
−下引き層の組成−
・石灰処理ゼラチン … 100部
・スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 … 2部
・クロム明ばん … 10部
(インク受容層用塗布液の調製)
〜気相法シリカ分散液1の調製〜
水(分散媒)と変性エタノールの中にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマーを添加し、次いで気相法シリカを添加し予備分散して粗分散液を作製した。次にこの粗分散液を高圧ホモジナイザーで2回処理して、シリカ濃度が20質量%の気相法シリカ分散液1を調製した。気相法シリカ分散液1の詳細な組成は以下の通りである。気相法シリカの平均粒子径は100nmであった。
−気相法シリカ分散液1の組成−
・水 … 430部
・変性エタノール … 22部
・カチオン性ポリマー(ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー、第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、平均分子量9000) … 3部
・気相法シリカ(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m/g)
… 100部
〜インク受容層用塗布液A−1の調製〜
下記成分を混合し、撹拌してインク受容層用塗布液A−1を調製した。
−インク受容層用塗布液A−1の組成−
・上記気相法シリカ分散液1 … (気相法シリカの固形分として)100部
・ほう酸 … 3部
・ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) … 22部
・塩基性ポリ水酸化アルミニウム((株)理研グリーン製、ピュラケムWT)
… 3部
・1,1,5,5−テトラメチルカルボヒドラジド … 2部
・界面活性剤(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM−2150)
… 0.1部
〜インク受容層用塗布液B−1の調製〜
下記成分を混合し、撹拌してインク受容層用塗布液B−1を調製した。
−インク受容層用塗布液B−1の組成−
・上記気相法シリカ分散液1 … (気相法シリカの固形分として)100部
・ほう酸 … 3部
・ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) … 20部
・酢酸ジルコニル(第一稀元素化学工業社製、ジルコゾールZA−20)
… 3部
・界面活性剤(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM−2150)
… 0.3部
(インクジェット記録媒体の作製)
上記のようにして作製した支持体の下引き層が設けられた面に、インク受容層用塗布液A−1、上記インク受容層用塗布液B−1を、支持体側からみて、インク受容層用塗布液A−1、インク受容層用塗布液B−1の順となる配置でスライドビードコーターにより同時重層塗布した。ここで、インク受容層用塗布液A−1の乾燥塗布量は20g/mであり、インク受容層用塗布液B−1の乾燥塗布量は5g/mである。
次に、上記同時重層塗布により得られた塗布膜を、10℃で20秒間冷却後、30〜55℃の加熱空気を吹き付けて乾燥し、インク受容層を得た。
以上により、支持体の下引き層上に、インク受容層A−1、インク受容層B−1をこの順に有するインクジェット記録媒体(記録媒体1)を得た。
なお、上記記録媒体1及び後述する記録媒体2〜4では、インク受容層の層厚は40μmであり、表面から5μmの厚みまでのアルミニウム濃度が、前記表面から20μmの厚みまでのアルミニウム濃度よりも低くなっている。
また、後述する記録媒体5では、インク受容層の層厚は40μmであり、表面から5μmの厚みまでのアルミニウム濃度が前記表面から20μmの厚みまでのアルミニウム濃度と等しくなっている。
また、後述する記録媒体6では、インク受容層の層厚は40μmであり、表面から5μmの厚みまでのアルミニウム濃度が、前記表面から20μmの厚みまでのアルミニウム濃度よりも高くなっている。
<記録媒体2の作製>
前記記録媒体1の作製において、インク受容層用塗布液B−1中の酢酸ジルコニルの量を6部に変更した以外は前記記録媒体1の作製と同様にして記録媒体2を作製した。
<記録媒体3の作製>
前記記録媒体1の作製において、インク受容層用塗布液B−1中の酢酸ジルコニルを同量のオキシ塩化ジルコニウム(日本軽金属(株)製)に変更した以外は前記記録媒体1の作製と同様にして記録媒体3を作製した。
<記録媒体4>
前記記録媒体1の作製において、インク受容層用塗布液A−1を、下記組成のインク受容層用塗布液A−2に変更した以外は前記記録媒体1の作製と同様にして記録媒体4を作製した。
−インク受容層A−2塗布液の組成−
・上記気相法シリカ分散液1
… (気相法シリカの固形分として)50部
・下記湿式法シリカ分散液1
… (湿式法シリカの固形分として)50部
・ほう酸 … 3部
・ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) … 22部
・塩基性ポリ水酸化アルミニウム((株)理研グリーン製、ピュラケムWT)
… 3部
・1,1,5,5−テトラメチルカルボヒドラジド … 2部
・界面活性剤(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM−2150)
… 0.1部
(湿式法シリカ分散液1の調製)
水に、沈降法シリカを添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機(ブレード周速30m/秒)を使用して予備分散液を調製した。次に、この予備分散液をビーズミル(直径0.3mmのジルコニアビーズ、該ビーズの充填率80容量%、円盤周速10m/秒)に1回通過させて、固形分濃度30質量%、平均粒子径200nmの湿式法シリカ分散液1(組成は以下のとおりである)を調製した。
−湿式法シリカ分散液1の組成−
・水 … 329部
・カチオン性ポリマー(ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー、第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、平均分子量9000) … 4部
・沈降法シリカ(ニップシールVN3、平均二次粒径23μm) … 100部
<記録媒体5の作製>
前記記録媒体1の作製において、インク受容層用塗布液A−1及びインク受容層用塗布液B−1をスライドビードコーターにより同時重層塗布することに変えて、下記組成のインク受容層用塗布液A−3を、乾燥塗布量が25g/mとなるようにスライドビードコーターで単層塗布した以外は前記記録媒体1と同様にして記録媒体5を作製した。
−インク受容層用塗布液A−3の組成−
・上記気相法シリカ分散液1
… (気相法シリカの固形分として)100部
・ほう酸 … 3部
・ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) … 22部
・酢酸ジルコニル(第一稀元素化学工業社製、ジルコゾールZA−20)
… 3部
・塩基性ポリ水酸化アルミニウム((株)理研グリーン製、ピュラケムWT)
… 3部
・1,1,5,5−テトラメチルカルボヒドラジド … 2部
・界面活性剤(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM−2150)
… 0.3部
<記録媒体6の作製>
前記記録媒体1の作製において、インク受容層用塗布液A−1を下記組成のインク受容層用塗布液A−4に、インク受容層用塗布液B−1を下記組成のインク受容層用塗布液B−2に、それぞれ変更した以外は前記記録媒体1の作製と同様にして記録媒体6を作製した。
−インク受容層用塗布液A−4の組成−
・上記気相法シリカ分散液1
… (気相法シリカの固形分として)100部
・ほう酸 … 3部
・ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) … 22部
・酢酸ジルコニル(第一稀元素化学工業社製、ジルコゾールZA−20)
… 3部
・1,1,5,5−テトラメチルカルボヒドラジド … 2部
・界面活性剤(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM−2150)
… 0.1部
−インク受容層用塗布液B−2の組成−
・上記気相法シリカ分散液1
… (気相法シリカの固形分として)100部
・ほう酸 … 3部
・ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) … 20部
・塩基性ポリ水酸化アルミニウム((株)理研グリーン製、ピュラケムWT)
… 3部
・界面活性剤(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM−2150)
… 0.3部
<記録媒体7(比較用)の作製>
前記記録媒体5の作製において、インク受容層用塗布液A−3の組成から塩基性ポリ水酸化アルミニウムを除いた以外は前記記録媒体5の作製と同様にして、記録媒体7(比較用)を作製した。
≪インクジェット記録≫
〔実施例1〕
インクとして、上記で調製したインク1〜7をインクジェットプリンタ(セイコーエプソン(株)製、PX−A740)のカートリッジにそれぞれ詰め替え、最大インク吐出量で、上記で作製した記録媒体1〜6上にグレーのベタ画像を印画してインクジェット記録を行った。
〔比較例1〕
実施例1においてインク1〜7の代わりに上記で調製した比較用のインク8〜12を用いた以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録を行った。
〔比較例2〕
実施例1において記録媒体1〜6の代わりに上記で作製した比較用の記録媒体7を用いた以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録を行った。
〔比較例3〕
実施例1において、インク1〜7の代わりに上記で調製した比較用のインク8〜12を用い、記録媒体1〜6の代わりに上記で作製した比較用の記録媒体7を用いた以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録を行った。
≪色変わりの評価≫
上記でインクジェット記録を行ったそれぞれの記録媒体について、プリント直後(プリント後1分以内)およびプリントから24時間経過後に、それぞれグレー部の色相を測定し、プリント直後の色相と、プリント後24時間経過後の色相と、の差を色差(ΔE)とした。
ここで、色相の測定は、分光光度計(スペクトロリノ、グレタグマクベス社製)を用い、光源F8、視野角2度の条件でL*a*b*を測定することにより行った。
得られた色差(ΔE)から、以下の評価基準に従って色変わりを評価した。評価結果を表1に示す。
〜評価基準〜
AA … ΔE<1 : 色相変化が全く認識できない
A … 1≦ΔE<2 : 色相変化がほとんど認識できない
B … 2≦ΔE<4 : 色相変化がわかるがあまり目立たない(実用上許容範囲内)
C … 4≦ΔE<7 : 色相変化がかなり目立つ(実用上許容範囲を超える)
D … 7≦ΔE : 色相変化が大きく問題となるレベル
〜表1中の記号の説明〜
・インク欄中の「SP」は、Hoy法によるSP値(単位:(MPa)1/2)を表す。
・記録媒体欄中の「Zr(1)」は、酢酸ジルコニルを表し、「Zr(2)」は、オキシ塩化ジルコニウムを表し、「Al」は水溶性アルミニウム化合物(塩基性ポリ水酸化アルミニウム)を表す。
・記録媒体の上層又は下層の欄「Zr(1)3%:5g/m」等の表記は、層中に酢酸ジルコニルを該層中のシリカに対し3質量%含有し、該層の乾燥塗布量が5g/mであることを表す。
表1に示すように、記録媒体1〜6のインク受容層上にインク1〜7を用いてインクジェット記録を行った場合には、色変わりが抑制された。
以上の実施例では、水溶性アルミニウム化合物、染料、及び水溶性溶剤として、特定の化合物を用いた例について説明したが、上記以外の化合物の組み合わせを用いた場合にも、水溶性アルミニウム化合物を含有するインク受容層上に、SP値が24(MPa)1/2以下で分子量が220以上である水溶性溶剤を8質量%以上含有する染料含有インクを用いてインクジェット記録を行うことにより、同様に色変わりが抑制される。

Claims (4)

  1. 支持体上に水溶性アルミニウム化合物を含有するインク受容層を有するインクジェット記録媒体の該インク受容層上に、Hoy法によるSP値が24(MPa)1/2以下であり分子量が220以上である水溶性溶剤を8質量%以上含有し、更に染料を含有するインクを、インクジェット方式で付与するインク付与工程を含むインクジェット記録方法。
  2. 前記インク受容層は、表面から5μmの厚みまでのアルミニウム濃度が前記表面から20μmの厚みまでのアルミニウム濃度よりも低いことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記SP値が、22(MPa)1/2以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記インクは、前記水溶性溶剤を12質量%以上含有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
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