JP4992989B2 - 擬似エンジン音発生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、擬似エンジン音を発生させる擬似エンジン音発生装置に関し、特に車両の外部に擬似エンジン音を発生させて車両の存在を知らせる車両存在報知装置に用いて好適な技術に関する。
「車両存在報知装置」を用いて背景技術を説明する。
電気自動車、燃料電池車、ハイブリッド車など、通電により回転動力を発生する電動モータによって走行する車両は、エンジン(内燃機関)を動力源とする車両に比較して、車両から外部に発生する音が小さい。
このため、車両の存在が周囲の人々に気付かれ難い。
そこで、車両から報知音を発生させて車両の存在を知らせる車両存在報知装置が提案されている。
車両存在報知装置では、車両の存在を知らせる報知音として「擬似エンジン音」を用いることが提案されている。
しかしながら、擬似エンジン音を作成するのは容易なことではない。
具体的に、従来技術における擬似エンジン音の作成技術として、実際のエンジン音を測定記憶し、記憶したエンジン音を車両の運転状態に応じて再生させるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1の技術を説明する。
アクセル開度を変化させて実際のエンジン回転数を変化させた単気筒のエンジン音を、「1回の爆発(1燃焼サイクル)を1単位とした波形データ」とし、アクセル開度に対応するように「1単位の波形データ」を多数記憶させておく。
そして、車両の走行時には、運転者のアクセル開度に対応した「1単位の波形データ」を記憶装置から呼び出して連続させて連続波形データを作成し、その連続波形データをエンジン気筒数分だけ重ね合わせて擬似エンジン音を合成する。
しかしながら、実際のエンジン音を、アクセル開度を変化させて録音し、録音したエンジン音の波形データを「1回の爆発を1単位とした波形データ」に分離し、分離した「1単位の波形データ」をアクセル開度の変化に対応させて記憶させるには、多大な手間と膨大な記憶データを必要とする。
また、「1単位の波形データ」を連続するようにつなぎ合わせ、それらを複数重ね合わせて擬似エンジン音を合成する処理は演算量が極めて多く、疑似エンジン音を造り出すための演算負荷が非常に大きくなってしまう。
特開2005−115166号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、記憶データの簡素化が可能で、擬似エンジン音を作成するための演算負荷を小さくできる擬似エンジン音発生装置の提供にある。
〔請求項1の手段〕
請求項1の手段を採用する擬似エンジン音発生装置は、
1Hz〜10Hzの間から選ばれた選択周波数をAHzとし、
このAHzの間隔で連続する多数の周波数信号を同時に発生させて擬似エンジン音を作成する。
このため、請求項1の手段を採用する擬似エンジン音発生装置は、
(i)実際のエンジン音の波形データを「1回の爆発を1単位とした波形データ」に分離する手間も、
(ii)多数の「1単位の波形データ」をアクセル開度の変化に対応して記憶させる手間も必要が無く、
「記憶データの簡素化」を行なうことができる。
また、請求項1の手段を採用する擬似エンジン音発生装置は、
(i)アクセル開度に対応した「1単位の波形データ」を多数の記憶データから呼び出す処理も、
(ii)呼び出した「1単位の波形データ」を連続するようにつなぎ合わせる処理も、
(iii)つなぎ合わせた波形データを複数重ね合わせる処理も必要が無く、
「擬似エンジン音を作成するための演算負荷」を小さく抑えることができる。
このように、請求項1の手段を採用する擬似エンジン音発生装置は、AHzの間隔で連続する多数の周波数信号を同時に発生させて擬似エンジン音を作成するものであるため、記憶データの簡素化を行なうことができるとともに、擬似エンジン音を作成するための演算負荷を小さく抑えることができる。
〔請求項2の手段〕
請求項2の手段の擬似エンジン音発生装置における「AHz」は、
1Hz〜10Hzの間から選ばれた1つの固定周波数である、
あるいは、1Hz〜10Hzの間で変化する可変周波数である。
〔請求項3の手段〕
請求項3の手段の擬似エンジン音発生装置における「AHz」は、4Hzの固定周波数である。
〔請求項4の手段〕
請求項4の手段の擬似エンジン音発生装置は、「AHzの間隔で連続する多数の周波数信号」を、所定の周波数範囲内(例えば、通常エンジン音として認識される周波数範囲)のみで発生させる周波数範囲特定手段を備えるものである。
擬似エンジン音の周波数範囲を、例えば、通常エンジン音として認識される周波数範囲のみとすることで、擬似エンジン音を作成するための周波数信号を抑えることができ、演算負荷を抑えることができる。
〔請求項5の手段〕
請求項5の手段の擬似エンジン音発生装置は、「AHzの間隔で連続する多数の周波数信号」の周波数特性(周波数に対する音圧特性)を加工する周波数特性加工手段を備えるものである。
これにより、擬似エンジン音を、任意のエンジン音(例えば、特定車種のエンジン音)に似せることができる。
〔請求項6の手段〕
平均律音階(ド、ド♯、レ、レ♯、ミ、ファ、ファ♯、ソ、ソ♯、ラ、ラ♯、シ)から選ばれた1つの音階の周波数を基本音階周波数αとし、
この基本音階周波数αから1オクターブ、または数オクターブ高い音階の周波数を高次音階周波数βとした場合、
請求項6の手段の擬似エンジン音発生装置は、
「基本音階周波数αから高次音階周波数βの周波数範囲」に亘る「AHzの間隔で連続する多数の周波数信号」を発生して「音階(ドレミ等)を成す擬似エンジン音」を作成する音階作成手段を備えるものである。
〔請求項7の手段〕
請求項7の手段の擬似エンジン音発生装置は、複数の「音階を成す擬似エンジン音」を重ね合わせて「和音を成す擬似エンジン音」を作成する和音作成手段を備えるものである。
〔請求項8の手段〕
請求項8の手段の擬似エンジン音発生装置は、擬似エンジン音をパラメトリックスピーカにより車外へ向けて放出するものである。
パラメトリックスピーカは、指向性が強く、且つ車両から離れた位置において擬似エンジン音の発生を行なうことができるため、「車両の存在を報知したい所定の範囲」のみに擬似エンジン音を発生させることができる。このため、車両の存在を報知する必要のない範囲への擬似エンジン音の発生を防ぐことができ、結果的に車両周囲への車両騒音を抑えることができる。
ここで、パラメトリックスピーカの技術ではなく、車両への搭載性を考慮して小型スピーカ(マイクロスピーカ)によって「可聴音よりなる擬似エンジン音」を発生させる場合を考察すると、小型スピーカは中低音の再生を苦手としているため、小型スピーカの発生する擬似エンジン音では中低音の音圧レベルが低下してしまう。その結果、擬似エンジン音の再現性が低下し、実際のエンジン音の周波数特性が得られなくなってしまう。
これに対し、パラメトリックスピーカは、超音波を放出するものであるため、超音波発生部を小型化できるメリットを備えるとともに、超音波に含ませた振幅変化(超音波変調により可聴周波数を振幅変換したもの)を空気中で復調させるものであるため、中低音の再生も容易に行なうことができる。
その結果、パラメトリックスピーカを用いることにより、パラメトリックスピーカの再生する擬似エンジン音の周波数特性を、実際のエンジン音の周波数特性に近づけることができる。
また、エンジン音は、次数成分(倍音関係にある周波数成分)で構成されている(特に4kHz以下の周波数範囲)。即ち、次数成分を再生することで、エンジン音らしい音を作成することができる。
一方、パラメトリックスピーカは、倍音を出すのを得意とする。このため、パラメトリックスピーカは、エンジン音のような倍音の塊を表現するのに適しており、パラメトリックスピーカによって再生される擬似エンジン音を、実際のエンジン音に近づけることができる。
〔請求項9の手段〕
請求項9の手段のパラメトリックスピーカは、超音波を発生可能な超音波スピーカと、AHzの間隔で連続する多数の周波数信号を同時に発生させて擬似エンジン音を作成する擬似エンジン音作成部と、この擬似エンジン音作成部で作成する擬似エンジンを成す周波数信号を、超音波周波数に変調して発生する超音波振幅変調部と、この超音波振幅変調部で変調された超音波周波数信号によって超音波スピーカを駆動するスピーカ駆動部とで構成されるものである。
擬似エンジン音発生装置の概略構成図である(実施例1)。 超音波スピーカの正面図および上視図である(実施例1)。 擬似エンジン音の説明図である(実施例1)。 パラメトリックスピーカの原理説明図である(実施例1)。 環境騒音の周波数特性と、擬似エンジン音における特定の高音周波数の音圧レベルとの関係を示すグラフである(実施例1)。 擬似エンジン音の説明図である(実施例2)。 擬似エンジン音の説明図である(実施例3)。
擬似エンジン音発生装置は、
(i)1Hz〜10Hzの間から選ばれた選択周波数を「AHz」とし、
(ii)この「AHz」の間隔で連続する多数の周波数信号を同時に発生させて擬似エンジン音を作成するものである。
擬似エンジン音は、
(i)人の耳に付き易い高い周波数(人が一般的に不快、耳障りと感じる高音周波数:例えば3kHz〜7kHz、一例として4kHz)と、
(ii)人の耳に柔らかい音に感じられる周波数(低音周波数および中音周波数:例えば倍音関係を成す複数の周波数、一例として2kHz、1kHz、500Hz)とを同時に発生するものであることが望ましい。
擬似エンジン音は、
(i)パラメトリックスピーカを用いて、車両から離れた場所で可聴音よりなる擬似エンジン音を発生させるものであっても良いし、
(ii)可聴音を直接発生するスピーカ等を用いて、車両から可聴音よりなる擬似エンジン音を発生させるものであっても良い。
擬似エンジン音を成す「AHz」は、
(i)一定の周波数(例えば、4Hz)に固定されるものであっても良いし、
(ii)車両の乗員によって操作されるアクセル開度に応じて、所定の周波数範囲(例えば、1Hz〜10Hz)において変化するものであっても良いし、
(iii)所定の周波数範囲(例えば、3.5Hz〜4.5Hz)で揺らぐものであっても良い。
擬似エンジン音の音圧レベルは、
(i)一定の音圧レベルに固定されるものであっても良いし、
(ii)環境騒音の音圧レベルに応じて自動調整されるものであっても良いし、
(iii)アクセル開度が大きくなるに従って、音圧レベルを連続的または段階的に大きくするものであっても良い。
擬似エンジン音発生装置を車両存在報知装置に適用した実施例1を、図1〜図5を参照して説明する。
この実施例1は、本発明が適用された車両存在報知装置の具体的な一例として、パラメトリックスピーカを用いて、車両から離れた場所で可聴音よりなる擬似エンジン音を発生させる例を示す。
〔実施例1の構成〕
この実施例1の車両存在報知装置は、図1に示すように、超音波を照射可能な超音波スピーカ1と、この超音波スピーカ1の作動制御を行なう本体装置2とを備える。
(超音波スピーカ1の説明)
超音波スピーカ1は、発生する超音波を、車両の外側に向けて放出するように、車両の例えば前部等に装着されるものである。
具体的な超音波スピーカ1の装着例を示す。
ハイブリッド車のようにエンジン(燃料の燃焼により回転出力を発生する内燃機関)を搭載する車両の場合、超音波スピーカ1は、ラジエータグリルが設けられる外気の取入開口部(車両の前部に設けられてラジエータを冷却する車両走行風の取入口:なお、ラジエータを有しない電気自動車等の場合も冷却用走行風の取入口)の内部に装着されて、超音波スピーカ1の発生する超音波が、車両の外側前方(例えば、歩道側に向く斜め前方)に向けて放出するように設けられている。
なお、超音波スピーカ1の装着位置は、車両の前部に限定されるものではなく、超音波スピーカ1を例えば車両の後部や車両の下面に装着し、車両後退走行時(バック走行時)に、車両の後方周囲に向けて擬似エンジン音を放射するように設けても良い。
また、超音波スピーカ1における超音波の照射方向は、一定方向に固定されるものであっても良いし、車両運転状況等に応じて放射方向を切り替え可能なものであっても良い。ここで、超音波の照射方向の切り替え手段としては、放射方向の異なる超音波スピーカ1を複数搭載して切り替えるものであっても良いし、超音波スピーカ1の支持部を電動アクチュエータ(ソレノイド等)で切り替え駆動するものであっても良い。
超音波スピーカ1の具体的な構造例を説明する。
超音波スピーカ1は、人間の可聴帯域よりも高い周波数(20kHz以上)の空気振動を発生させる超音波発生器である。ここで、超音波は、指向性が強い。即ち、超音波は、空気中における伝播の直進性が強い。このため、超音波スピーカ1によって、車両に対して特定の方向(車両の存在を伝えたい方向:例えば、歩道側に向く斜め前方)のみに超音波を照射することができる。
この実施例の超音波スピーカ1の具体例を図2に示す。この実施例の超音波スピーカ1は、超音波再生に適した圧電スピーカ3(セラミックスピーカ、ピエゾスピーカ等)を複数配置してスピーカアレイとして用いたものである。
なお、この実施例に用いられる圧電スピーカ3は、印加電圧(充放電)に応じて伸縮するピエゾ素子と、このピエゾ素子の伸縮によって空気に振動を与える振動板とを備えて構成される周知構造のものである。
超音波スピーカ1は、使用する圧電スピーカ3の数と配置により、発生する超音波のエネルギー量と、圧電スピーカ3から放出される超音波の指向範囲とをコントロールすることができる。また、図2に示すホーン部4を用いることによっても、超音波スピーカ1が発生する超音波の指向範囲をコントロールすることができる。
なお、この実施例では、超音波を発生するスピーカの一例として圧電スピーカ3を用いる例を示すが、これは一例であって限定されるものではなく、超音波を再生可能であれば他の形式の超音波発生手段を用いても良い。
(本体装置2の説明)
次に、超音波スピーカ1を駆動する本体装置2を説明する。
本体装置2は、擬似エンジン音を成す周波数信号を作成する擬似エンジン音作成部5、擬似エンジン音の周波数信号を超音波周波数に変調する超音波振幅変調部6、変調された超音波周波数で超音波スピーカ1を駆動するスピーカ駆動部7を備えるものであって、ECU(エンジン・コントロール・ユニットの略)等から作動信号(擬似エンジン音の発生指示信号)が与えられることで作動するものである。
また、本体装置2は、車両の環境騒音に基づいて超音波スピーカ1の出力レベル(音量)を自動調整する手段(後述する)と、車載バッテリ等の車載電源に接続されて本体装置2に搭載される各回路(電気的機能部品)の作動に必要な電力の供給を行なう電源部(図示しない)とを搭載するものである。
以下において、本体装置2に搭載される上記各手段を説明する。
擬似エンジン音作成部5は、演算処理を行なうCPU、プログラムを保存する記憶手段(メモリ)、入力回路、出力回路などを含んで構成される周知構造のコンピュータによって構成される。記憶手段には、デジタル技術によって擬似エンジン音を成す周波数信号を作成するエンジン音生成プログラム(音響ソフト)が記憶されている。
このエンジン音生成プログラムは、コンピュータが搭載する基準クロック(水晶発振器)の発生するクロック信号に基づき擬似エンジン音を成す周波数信号(波形信号)を作成するものであり、
(i)1Hz〜10Hzの間から選ばれた選択周波数を「AHz」とし、
(ii)「AHz」の間隔で連続する多数の周波数信号を同時に発生させて擬似エンジン音を作成するものである。
この実施例では、「AHz」として「4Hz」の固定周波数を用いる例を示す。なお、「4Hz」は具体的な一例であって、例えば「3.5Hz〜4.5Hz」から選択した固定周波数を用いても良い。
擬似エンジン音を成す周波数信号は、上述したように「AHz(4Hz)」の間隔で連続する多数の周波数信号によって構成されるものであるが、擬似エンジン音を成す多数の周波数信号のうちの「一部の周波数信号」を部分的に間引するものであっても良い。即ち、4Hz間隔の周波数信号が部分的に欠如するものであっても良い。
また、エンジン音生成プログラムには、「4Hzの間隔で連続する多数の周波数信号(擬似エンジン音を成す周波数信号)」を、「所定の周波数範囲内のみ」で発生させる周波数範囲特定手段(プログラム)が設けられている。
ここで、「所定の周波数範囲」の選択例を説明する。
この実施例1では、「所定の周波数範囲」を、実際のエンジンが発生するエンジン音の周波数特性に基づいて決定する例を示す(なお、後述する実施例2では、エンジン音が平均律音階を奏でるように「所定の周波数範囲」を設定する例を示す)。
ここで、実際のエンジン音の周波数特性が、図3(a)の実線Eの特性を示す場合、人の耳に聞こえているエンジン音の周波数範囲は、「最大音圧から−10dB下がった音圧」までの「主要周波数L(Δ10dB内の周波数範囲)」であり、「主要周波数L」から外れた音(音圧の低い音)は、「主要周波数L」の音にマスキングされてほとんど認識されなくなる。
エンジン音生成プログラムは、人の耳にはエンジン音のうちの「主要周波数L」だけが聞こえることを利用して、図3(b)に示すように、「4Hzの間隔で連続する多数の周波数信号(擬似エンジン音を成す周波数信号)」を、「主要周波数Lのみ」で発生させるように設けられている。
このことを具体的に説明する。
擬似エンジン音を「特定車種の実際のエンジン音」に似せる場合、「特定車種の実際のエンジン音」を測定する。
測定エンジン音における「最大音圧から−10dB下がった音圧までの周波数範囲」を測定する。この測定範囲が上述した「主要周波数L」である。主要周波数Lが、例えば250Hz〜4kHzであった場合、エンジン音生成プログラムは、図3(b)に示すように、「擬似エンジン音を成す周波数信号」を、「250Hz〜4kHz(主要周波数L)」のみで発生させるものである。
さらに、このエンジン音生成プログラムには、「4Hzの間隔で連続する多数の周波数信号(擬似エンジン音を成す周波数信号)」の周波数特性を加工(特徴付け)する周波数特性加工手段(プログラム)が設けられている。
ここで、周波数特性の具体的な加工例を説明する。
擬似エンジン音を「特定車種の実際のエンジン音」に似せる場合、特定車種のエンジン音の周波数特性が、図3(a)の実線Eの特性を示したとする。
その場合は、特定車種の周波数特性{図3(a)の実線Eの特性}に合致するように、「擬似エンジン音を成す周波数信号」の周波数特性(多数の周波数信号のそれぞれの音圧レベルが描く特性)を、図3(c)の波線Eに示す周波数特性に加工するものである。
超音波振幅変調部6は、超音波周波数(即ち、20kHzを超える周波数:一例としては25kHz等)で発振可能な超音波発振器を備えており、擬似エンジン音作成部5が出力する波形信号(擬似エンジン音を成す周波数信号)の「電圧の増減変化」を、超音波周波数の「発振電圧の振幅変化」に変調するものである。
なお、この実施例では、理解補助のために、超音波振幅変調部6を独立して設ける例を示すが、上述したコンピュータのプログラム中に、超音波振幅変調部6の機能を盛り込んでも良い。
超音波振幅変調部6による超音波変調(「擬似エンジン音を成す周波数信号」を「発振電圧の振幅変化」に変調すること)を、図4を参照して説明する。
例えば、超音波振幅変調部6に入力された「擬似エンジン音を成す周波数信号」が、図4(a)に示す電圧変化であるとする(なお、図中では理解補助のために単一周波数の波形を示すが、実際には4Hz間隔の合成周波数の信号波形である)。
一方、超音波振幅変調部6の搭載する超音波発振器は、図4(b)に示す超音波周波数で発振するものとする。
すると、超音波振幅変調部6は、図4(c)に示すように、
(i)擬似エンジン音を成す周波数の信号電圧が大きくなるに従い、超音波振動による電圧の振幅を大きくし、
(ii)擬似エンジン音を成す周波数の信号電圧が小さくなるに従い、超音波振動による電圧の振幅を小さくする。
このようにして、超音波振幅変調部6は、擬似エンジン音作成部5から入力された「擬似エンジン音を成す周波数信号」を、超音波周波数の「発振電圧の振幅変化」に変調するものである。
なお、この実施例では、超音波振幅変調部6の一例として、擬似エンジン音を成す周波数の信号電圧の変化を、図4(c)に示すように「電圧の大きさの幅」に変化させる例を示した。これに対し、この図4(c)とは異なり、擬似エンジン音を成す周波数の信号電圧の変化を、PWM変調の技術を用いて「電圧の発生時間の幅」に変化させるように設けても良い。
スピーカ駆動部7は、「擬似エンジン音を成す周波数信号を振幅変調した超音波信号(超音波振幅変調部6の出力信号)」に基づいて各圧電スピーカ3を駆動するものであり、各圧電スピーカ3の印加電圧(充放電状態)を制御することで、各圧電スピーカ3から「擬似エンジン音を成す周波数信号を振幅変調した超音波」を発生させるものである。
具体的な一例を示すと、スピーカ駆動部7は、パワーアンプ(あるいはピエゾ素子の充放電装置)であり、超音波振幅変調部6からスピーカ駆動部7に、図4(c)に示す波形信号を与える場合、スピーカ駆動部7は図4(c)に示す波形電圧を超音波スピーカ1に与えて、各圧電スピーカ3から図4(c)に示す出力波形の超音波を発生させるものである。
次に、車両の外部の環境騒音に基づいて超音波スピーカ1の出力レベル(音量)を自動調整する手段について説明する。
本体装置2は、環境騒音に基づいてスピーカ駆動部7の増幅度合(増幅ゲイン)を自動調整する手段を備えている。この自動調整手段は、車両の外部の環境騒音を検出する環境騒音検出手段8、検出した環境騒音から特定の高音周波数(例えば、4kHz)の音圧レベルを読み取る読取手段9、読み取った「環境騒音における特定の高音周波数(4kHz)」の音圧レベルに基づきスピーカ駆動部7の増幅度合を可変させる音圧レベル可変手段10で構成される。
環境騒音検出手段8は、車両の外部の環境騒音(即ち、擬似エンジン音を与える対象範囲の環境騒音)を検出する手段であり、超音波スピーカ1とは別に周知構造のマイクロフォンを搭載するものであっても良いし、あるいは超音波スピーカ1を構成する複数の圧電スピーカ3のうちの1つの圧電スピーカ3をマイクロフォンの代用として用いるものであっても良い。
ここで、環境騒音検出手段8が検出した車両の外部の環境騒音の周波数特性の具体的な一例を、図5の実線Aに示す。
読取手段9は、「環境騒音検出手段8で検出した環境騒音」から「環境騒音における特定の高音周波数(例えば、4kHz)」の音圧レベルを読み取るものであり、環境騒音検出手段8の検出信号を増幅するマイクアンプ部を含んで構成される。
具体的に、環境騒音検出手段8が検出する環境騒音の周波数特性が図5の実線Aの場合、読取手段9は、4kHzにおける環境騒音の音圧レベル(約40dB)を読み取るものである。
なお、「環境騒音における特定の高音周波数(4kHz)」の音圧レベルを読み取る手段は、コンピュータを用いて特定の高音周波数の音圧解析を行なうように設けても良いし、特定周波数の音圧レベルを検出し、検出された特定周波数の音圧レベルから特定の高音周波数の音圧レベルを推定するものであっても良い。
音圧レベル可変手段10は、読取手段9で読み取った「環境騒音における特定の高音周波数(4kHz)」の音圧レベルに応じてスピーカ駆動部7の増幅度合(増幅ゲイン)の可変を行なうものであり、「擬似エンジン音における特定の高音周波数」の音圧レベル(擬似エンジン音を与える対象範囲における擬似エンジン音の音圧レベル:具体的な一例では、歩道側となる車両の斜め前方で、且つ車両から所定距離だけ離れた場所における擬似エンジン音の音圧レベル)を、図4の実線Bに示すように、読取手段9で読み取った「環境騒音における特定の高音周波数」の音圧レベルより、所定音圧(例えば、10dB)だけ高めて発生させるものである。
〔実施例1の作動〕
実施例1の車両存在報知装置の作動を説明する。
この車両存在報知装置は、上述したように、例えばECU等から作動信号が与えられることで作動するものであり、具体的な一例を示すと、
(i)車両の走行中(例えば、前進走行中)において常時作動するもの、
(ii)車両の走行速度が所定速度範囲の場合にのみ作動するもの、
(iii)車両走行中で、車両の走行方向に人の存在が「人の認知システム(図示しない)」によって確認された場合にのみ作動するものである。
車両存在報知装置が作動すると、超音波スピーカ1は、図4(c)に示すように、擬似エンジン音の信号波形を振幅変調した超音波(聞こえない音波)を放射する。
すると、図4(d)に示すように、空気中を超音波が伝播するにつれて、空気の粘性等によって波長の短い超音波が歪んで鈍(なま)される。
その結果、図4(e)に示すように、伝播途中の空気中において超音波に含まれていた振幅成分が自己復調され、結果的に超音波の発生源(超音波スピーカ1を搭載する車両)から離れた場所で擬似エンジン音が発生する。
〔実施例1の効果1〕
実施例1の車両存在報知装置は、「4Hzの間隔で連続する多数の周波数信号」を発生させて擬似エンジン音を作成する。このため、擬似エンジン音を作成するための記憶データを簡素化することができるとともに、擬似エンジン音を作成するための演算負荷を小さく抑えることができる。
〔実施例1の効果2〕
実施例1の車両存在報知装置は、「4Hzの間隔で連続する多数の周波数信号(擬似エンジン音を成す周波数信号)」を「所定の周波数範囲内(250Hz〜4kHz:実際のエンジン音における主要周波数L)のみ」で発生するものである。
このように、擬似エンジン音の周波数範囲を、実際のエンジン音として認識される主要周波数Lのみに限定しているため、擬似エンジン音を作成するための周波数信号の数を抑えることができ、演算負荷をさらに軽くできる。
〔実施例1の効果3〕
実施例1の車両存在報知装置は、「4Hzの間隔で連続する多数の周波数信号(擬似エンジン音を成す周波数信号)」の周波数特性を「特定車種の実際のエンジン音」の周波数特性に加工する。
これにより、車両存在報知装置の発生する擬似エンジン音を、「特定車種の実際のエンジン音」に似せることができる。
〔実施例1の効果4〕
実施例1の車両存在報知装置は、擬似エンジン音として、「人の耳に付き易い高い周波数(4kHz等)」が含まれることで、擬似エンジン音を気づき易くすることができ、擬似エンジン音に含まれる高音周波数によって車両の存在を高確率で周囲に知らせることができる。
また、擬似エンジン音に「柔らかく感じられる音を成す低音周波数および中音周波数(具体的な一例を示すと、4kHzを倍音関係とする2kHz、1kHz、500Hz、250Hz)」が同時に含まれることで、擬似エンジン音を柔らかくすることができ、人に与える不快感を小さくすることができる。
このように、実施例1の車両存在報知装置の発生する擬似エンジン音は、人に与える不快感を抑えて、且つ高確率で車両の存在を周囲に知らせることができる。
〔実施例1の効果5〕
この実施例1の車両存在報知装置は、擬似エンジン音をパラメトリックスピーカにより車外へ向けて放出する。
パラメトリックスピーカを用いることにより、車両から離れた位置において擬似エンジン音の発生を行なうことができる。また、パラメトリックスピーカは、指向性が強く、特定の方向のみに擬似エンジン音を発生させることができる。
これにより、「車両の存在を報知したい所定の範囲(具体的には、歩道側となる車両の斜め前方で、且つ車両から所定距離だけ離れた場所)」のみに擬似エンジン音を発生させることができる。言い換えると、車両の存在を報知する必要のない範囲への擬似エンジン音の発生を防ぐことができ、車両騒音の発生を抑えることができる。
〔実施例1の効果6〕
この実施例1の車両存在報知装置は、車両の外部の環境騒音に基づいて「擬似エンジン音」の音圧レベルを自動調整している。
これにより、「擬似エンジン音」の音圧レベルが、環境騒音に負けなくなるとともに、「擬似エンジン音」の音圧レベルが不必要に大きくなる不具合がない。この結果、擬似エンジン音によって車両の存在を高確率で知らせることができるとともに、車両騒音の発生を抑えることができる。
図6を参照して実施例2を説明する。なお、以下の各実施例において、上記実施例1と同一の符号は同一機能物を示すものである。
この実施例2は、平均律音階(ド、ド♯、レ、レ♯、ミ、ファ、ファ♯、ソ、ソ♯、ラ、ラ♯、シ)から選ばれた1つの音階の擬似エンジン音(音階エンジン音)を発生させるものである。
具体的に、擬似エンジン音作成部5におけるエンジン音生成プログラムには、「4Hzの間隔で連続する多数の周波数信号(擬似エンジン音の周波数信号)」の「周波数範囲」を特定の範囲に設定することによって「平均律音階を奏でる擬似エンジン音」の周波数信号を作成する音階作成手段(プログラム)が設けられている。
この音階作成手段を以下において説明する。
先ず、平均律音階におけるド、ド♯、レ、レ♯、ミ、ファ、ファ♯、ソ、ソ♯、ラ、ラ♯、シから選択した1つの周波数を基本音階周波数αとする。
具体的に、この実施例2では、基本音階周波数αとして、「ド」の音を成す250Hzを選択する例を示す。
次に、基本音階周波数αから1オクターブ、または数オクターブ高い音階の周波数を高次音階周波数βとする。
具体的に、この実施例では、高次音階周波数βとして、基本音階周波数αの「ド」の音より3オクターブ高い「ド」の音を成す2kHzを選択する例を示す。
このように、擬似エンジン音作成部5の音階作成手段は、「4Hzの間隔で連続する多数の周波数信号(擬似エンジン音を成す周波数信号)」の発生範囲を、250Hz(「ド」の音)〜2kHz(3オクターブ高い「ド」の音)とすることで、「ドの音の音階エンジン音」を成す周波数信号を作成する。
擬似エンジン音作成部5で作成された「ドの音の音階エンジン音」を成す周波数信号は、超音波振幅変調部6で超音波変調されて超音波スピーカ1から車外へ向けて放出される。すると、伝播途中の空気中において超音波に含まれていた振幅成分が自己復調され、車両から離れた場所で、「ドの音の音階エンジン音(擬似エンジン音)」が発生する。
このように、所定の音階(この実施例では「ド」)の擬似エンジンを発生させることができる。
もちろん、実施例1に示した周波数特性加工手段(プログラム)による周波数特性の加工技術を用いることにより、「所定の音階(この実施例では「ド」)の擬似エンジン音」を「特定車種のエンジン音」にて発生させることができる。
図7を参照して実施例3を説明する。
上記の実施例2は、「1つの音階(ド)の擬似エンジン音」を発生する例を示した。
これに対し、この実施例3は、「複数の音階の擬似エンジン音を重ね合わせて和音の擬似エンジン音」を発生させるものである。
具体的に、擬似エンジン音作成部5におけるエンジン音生成プログラムには、複数の「音階を成す擬似エンジン音」の周波数信号を重ね合わせて「和音を成す擬似エンジン音」の周波数信号を作成する和音作成手段(プログラム)が設けられている。
この和音作成手段を以下において説明する。
和音を成す複数の音階(平均律音階のドミソ、レファラ、ミソシ、ラドミ、シレファ等:長調和音または短調和音であっても良い)を選択する。
具体的のこの実施例3では、「ド(低音側)」、「ミ」、「ソ」、「ド(高音側)」よりなる和音を発生する例を示す。
先ず、「ド(低音側)の擬似エンジン音」の周波数信号を作成する。
(i)基本音階周波数αとして「ド(低音側)」の音を成す250Hzを選択するとともに、
(ii)高次音階周波数βとして基本音階周波数αの「ド」の音より3オクターブ高い「ド」の音を成す2kHzを選択する。
これにより、図7(a)に示すように、「4Hzの間隔で連続する多数の周波数信号(擬似エンジン音を成す周波数信号)」を「250Hz〜2kHz」で発生させることで、「ド(低音側)の擬似エンジン音」の周波数信号を作成することができる。
同様に、「ミの擬似エンジン音」の周波数信号を作成する。
(i)基本音階周波数αとして「ミ」の音を成す330Hzを選択するとともに、
(ii)高次音階周波数βとして基本音階周波数αの「ミ」の音より3オクターブ高い「ミ」の音を成す2.6kHzを選択する。
これにより、図7(b)に示すように、「4Hzの間隔で連続する多数の周波数信号(擬似エンジン音を成す周波数信号)」を「330Hz〜2.6kHz」で発生させることで、「ミの擬似エンジン音」の周波数信号を作成することができる。
同様に、「ソの擬似エンジン音」の周波数信号を作成する。
(i)基本音階周波数αとして「ソ」の音を成す390Hzを選択するとともに、
(ii)高次音階周波数βとして基本音階周波数αの「ソ」の音より3オクターブ高い「ソ」の音を成す3.1kHzを選択する。
これにより、図7(c)に示すように、「4Hzの間隔で連続する多数の周波数信号(擬似エンジン音を成す周波数信号)」を「390Hz〜3.1kHz」で発生させることで、「ソの擬似エンジン音」の周波数信号を作成することができる。
同様に、「ド(高音側)の擬似エンジン音」の周波数信号を作成する。
(i)基本音階周波数αとして「ド(高音側)」の音を成す500Hzを選択するとともに、
(ii)高次音階周波数βとして基本音階周波数αの「ド」の音より3オクターブ高い「ド」の音を成す4kHzを選択する。
これにより、図7(d)に示すように、「4Hzの間隔で連続する多数の周波数信号(擬似エンジン音を成す周波数信号)」を「500Hz〜4kHz」で発生させることで、「ド(高音側)の擬似エンジン音」の周波数信号を作成することができる。
そして、和音作成手段は、
(i)図7(a)に示す「ド(低音側)の擬似エンジン音」の周波数信号と、
(ii)図7(b)に示す「ミの擬似エンジン音」の周波数信号と、
(iii)図7(c)に示す「ソの擬似エンジン音」の周波数信号と、
(iv)図7(d)に示す「ド(高音側)の擬似エンジン音」の周波数信号と、
を重ね合わせて「ドミソドの和音を成す擬似エンジン音」の周波数信号を作成する。
擬似エンジン音作成部5の和音作成手段によって作成された「ドミソドの和音を成す擬似エンジン音」の周波数信号は、超音波振幅変調部6で超音波変調されて超音波スピーカ1から車外へ向けて放出される。
すると、伝播途中の空気中において超音波に含まれていた振幅成分が自己復調され、車両から離れた場所で、「低音(250Hz)から高音(4kHz)までの広い周波数範囲」を含んだ「和音(ドミソド)を成す擬似エンジン音」が発生する。
このように、「和音(人が好ましいと感じる音色)」による擬似エンジン音を発生させることにより、擬似エンジン音の好感度を高めることができる。
また、実施例1の効果4と同様、擬似エンジン音に「人の耳に付き易い高音周波数(4kHz等)」が含まれることで、擬似エンジン音を気づき易くすることができ、擬似エンジン音に含まれる高音周波数によって車両の存在を高確率で周囲に知らせることができる。さらに、擬似エンジン音に「柔らかく感じられる音を成す低音周波数および中音周波数(具体的な一例を示すと、4kHzを倍音関係とする2kHz、1kHz、500Hz、250Hz)」が同時に含まれることで、擬似エンジン音を柔らかくすることができる。 即ち、この実施例3では、「不快感を抑えて、且つ高確率で車両の存在を周囲に知らせる擬似エンジン音」によって和音を発生させることができる。
上記の実施例では、車両の前進走行時に車両の前方へ擬似エンジン音を発生させる例を示したが、車両の後退走行時に車両の後方および後方周囲へ擬似エンジン音を発生させるように設けても良い。
上記の実施例では、パラメトリックスピーカの技術を用いて、車両から離れた場所で擬似エンジン音を発生させる例を示したが、車両に搭載した擬似エンジン音発生機(例えば、スピーカ)から直接的に擬似エンジン音を発生させても良い。あるいは、パラメトリックスピーカの技術と、擬似エンジン音発生機(スピーカ等)から擬似エンジン音(可聴音)を直接放出する技術とを組み合わせ、状況に応じて切り替えて用いても良い。
上記の実施例では擬似エンジン音を成す「AHz」を「4Hz」に固定する例を示したが、アクセル開度や車速に応じて変動するように設けても良い。あるいは、実際のエンジン音の周波数成分に時間的な揺らぎ(変動)があるように、「AHzの値が時間的に揺らぐ」ように設けても良い。
上記の実施例では、擬似エンジン音の音圧レベルを、環境騒音に応じて自動調整する例を示したが、アクセル開度や車速に応じて増減させるように設けても良い。あるいは、実際のエンジン音の音圧成分に時間的な揺らぎ(変動)があるように、「擬似エンジン音の音圧レベルが時間的に揺らぐ」ように設けても良い。
なお、「AHzの値」および「擬似エンジン音の音圧」を「揺らぐ」ように設ける場合は、「1/f揺らぎ」など「不等間隔の揺らぎ」であることが望ましい。
上記の実施例では、車両存在報知装置に本発明を適用する例を示したが、車室内に擬似エンジン音を発生させるように設けても良い。具体的な一例を示すと、電動モータ駆動車の運転に不慣れな運転者等(エンジン駆動車の運転に熟知した運転者など)に対して、動作音フィードバック用として擬似エンジン音を与える運転補助装置に本発明を用いても良い。あるいは、レーシングゲームやドライビングシュミレータなどに本発明を適用しても良い。
1 超音波スピーカ
5 擬似エンジン音作成部(エンジン音生成プログラム、周波数範囲特定手段、周波数特性加工手段、音階作成手段、和音作成手段を含む)
6 超音波振幅変調部
7 スピーカ駆動部
α 基本音階周波数
β 高次音階周波数

Claims (9)

  1. 擬似エンジン音を発生させる擬似エンジン音発生装置において、
    この擬似エンジン音発生装置は、
    1Hz〜10Hzの間から選ばれた選択周波数をAHzとし、
    このAHzの間隔で連続する多数の周波数信号を同時に発生させて擬似エンジン音を作成することを特徴とする擬似エンジン音発生装置。
  2. 請求項1に記載の擬似エンジン音発生装置において、
    前記AHzは、1Hz〜10Hzの間から選ばれた1つの固定周波数である、あるいは1Hz〜10Hzの間で変化する可変周波数であることを特徴とする擬似エンジン音発生装置。
  3. 請求項2に記載の擬似エンジン音発生装置において、
    前記AHzは、4Hzの固定周波数であることを特徴とする擬似エンジン音発生装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の擬似エンジン音発生装置において、
    この擬似エンジン音発生装置は、「前記AHzの間隔で連続する多数の周波数信号」を、所定の周波数範囲内のみで発生させる周波数範囲特定手段を備えることを特徴とする擬似エンジン音発生装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の擬似エンジン音発生装置において、
    この擬似エンジン音発生装置は、「前記AHzの間隔で連続する多数の周波数信号」の周波数特性を加工する周波数特性加工手段を備えることを特徴とする擬似エンジン音発生装置。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の擬似エンジン音発生装置において、
    平均律音階から選ばれた1つの音階の周波数を基本音階周波数αとし、
    この基本音階周波数αから1オクターブ、または数オクターブ高い音階の周波数を高次音階周波数βとした場合、
    当該擬似エンジン音発生装置は、「前記基本音階周波数αから前記高次音階周波数βの周波数範囲」に亘る「前記AHzの間隔で連続する多数の周波数信号」を発生して「音階を成す擬似エンジン音」を作成する音階作成手段を備えることを特徴とする擬似エンジン音発生装置。
  7. 請求項6に記載の擬似エンジン音発生装置において、
    この擬似エンジン音発生装置は、複数の「音階を成す擬似エンジン音」を重ね合わせて「和音を成す擬似エンジン音」を作成する和音作成手段を備えることを特徴とする擬似エンジン音発生装置。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の擬似エンジン音発生装置において、
    この擬似エンジン音発生装置は、擬似エンジン音をパラメトリックスピーカにより車外へ向けて放出することを特徴とする擬似エンジン音発生装置。
  9. 請求項8に記載の擬似エンジン音発生装置において、
    前記パラメトリックスピーカは、
    超音波を発生可能な超音波スピーカ(1)と、
    前記AHzの間隔で連続する多数の周波数信号を同時に発生させて擬似エンジン音を作成する擬似エンジン音作成部(5)と、
    この擬似エンジン音作成部(5)で作成する擬似エンジンを成す周波数信号を、超音波周波数に変調して発生する超音波振幅変調部(6)と、
    この超音波振幅変調部(6)で変調された超音波周波数信号によって前記超音波スピーカ(1)を駆動するスピーカ駆動部(7)と、
    を具備することを特徴とする擬似エンジン音発生装置。
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