JP5287914B2 - 車両存在通報装置 - Google Patents
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Description
通報音により車両の存在を知らせる車両存在通報装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1の車両存在通報装置は、ダイナミックスピーカを用いて通報音を発生するものである。
一方、車両存在通報装置として、指向性が強く、且つ車両から離れた場所で通報音を発生させるパラメトリックスピーカを用いることが考えられる。
パラメトリックスピーカは、「可聴音(通報音)の波形信号」を超音波変調して超音波スピーカから放射させるものであり、超音波スピーカから放射された超音波(耳に聞こえない音波)に含まれる変調成分が伝播途中の空気中で自己復調されることで、車両から離れた場所で可聴音(通報音)を発生させるものである。
パラメトリックスピーカに用いられる超音波スピーカは、車両走行風や吹雪等によって、超音波スピーカの超音波放射口(超音波を放射する開口部)に、雪等が付着する可能性がある。
超音波は、雪などの軽い障害物であっても反射する性質を備えている。
このため、超音波スピーカの超音波放射口に雪等が付着すると、超音波スピーカにおける超音波発生部(例えば、複数の超音波振動子等で構成される)で発生した超音波が、付着した雪等の影響により超音波放射口で反射してしまい、超音波を車外へ飛ばすことができなくなる。その結果、パラメトリックスピーカによる通報音の発生が困難になってしまう。
超音波スピーカの超音波放射口に雪等が付着して、超音波発生部で発生した超音波が超音波放射口で反射し、超音波を車外へ飛ばすことができない状態の時、反射音圧検出素子によって検出される反射音圧(超音波放射口から超音波発生部側へ反射した超音波の音圧)が高まる。すると、車両存在通報装置は、ダイナミックスピーカから発生させる通報音の音圧を高める。
その結果、パラメトリックスピーカによる通報音の音圧低下を、ダイナミックスピーカの通報音の音圧上昇によって補うことができ、車両の周囲へ放出する通報音の音圧低下を防ぐことができる。
即ち、超音波スピーカに雪等が付着するなどして超音波の放射が妨げられても、車両の周囲へ放出する通報音の音圧低下を回避することができ、車両の存在を周囲へ知らせることができる。
請求項2の超音波発生部は、空気中に超音波波長の疎密波を発生させる複数の超音波振動子を集合配置して設けられる。
そして、反射音圧検出素子は、複数の超音波振動子のうちの一部の超音波振動子(例えば、1個の超音波振動子)を用いるものである。
このように、複数の超音波振動子の一部の超音波振動子を反射音圧検出素子として用いるため、新たに音圧検出用のマイク素子を追加する必要がなく、本発明の実施コストを抑えることができる。
請求項3の音圧補強手段は、反射音圧検出素子によって検出された反射音圧が予め設定された基準音圧よりも高い時に、ダイナミックスピーカから発生させる通報音の音圧を所定量高めるものである。
請求項4の音圧補強手段は、反射音圧検出素子によって検出された反射音圧の上昇に応じて、ダイナミックスピーカから発生させる通報音の音圧を高めるものである。
請求項5のダイナミックスピーカは、乗員によって操作可能に設けられたホーンスイッチが押された際に警報音(警笛音)を発生する電磁式の車両用ホーンを用いるものである。
車両用ホーンをダイナミックスピーカとして用いるため、「通報音を発生させる専用のダイナミックスピーカ」を別途搭載する必要がなく、コストを抑え、且つ搭載スペースの確保を容易に行なうことができる。
車両存在通報装置は、
・通報音を成す周波数信号を超音波変調してなる超音波を車外へ向けて放出するパラメトリックスピーカ1と、
・ダイナミックスピーカとして用いられる車両用ホーン2と、
を備える。
そして、「パラメトリックスピーカ1により発生する通報音」と、「車両用ホーン2により発生する通報音」とにより、車両の存在を車両の周囲へ知らせるものである。
・超音波を発生させる超音波発生部4と、
・この超音波発生部4で発生した超音波を外部へ向けて放出する超音波放射口5と、
・超音波放射口5から超音波発生部4側へ反射した超音波の音圧を検出する反射音圧検出素子6とを備える。
さらに、車両存在通報装置は、反射音圧検出素子6によって検出された反射音圧が高い時に、車両用ホーン2から発生させる通報音の音圧を高める音圧補強手段7を備える。
なお、以下の実施例において、上記「発明を実施するための形態」と同一符号は同一機能物を示すものである。
車両存在通報装置は、通報音(単音、和音、音楽、音声、擬似エンジン音等)によって車両の存在を知らせるものであり、例えば、エンジン(内燃機関)を搭載しない車両(電気自動車、燃料電池自動車等)、走行中および停車中にエンジンを停止する可能性のある車両(ハイブリッド車両等)、停車中にエンジンを停止する可能性のある車両(アイドルストップ車両等)、あるいはエンジン車両であっても走行音が静かなコンベ車などに搭載されるものである。
・パラメトリックスピーカ1と、
・車両用ホーン2と、
・パラメトリックスピーカ1および車両用ホーン2の作動制御を行なう制御回路8と、
を備えて構成される。
パラメトリックスピーカ1に用いられる超音波スピーカ3は、人間の可聴帯域よりも高い周波数(20kHz以上)の空気振動を発生させるものであり、超音波を車両前方に向けて放出するように車両に搭載されている。
具体的に、この実施例の超音波スピーカ3は、車両用ホーン2の前面(車両搭載時に車両前方へ向かう面:例えば、後述する渦巻ホーン28)に設けられるものであり、図3に示すように、フロントグリル9と熱交換器10(ラジエータあるいは空調用熱交換器等)との間に車両用ホーン2が取り付けられることで、超音波放射口5が車両前方へ向けられた状態で超音波スピーカ3が車両に搭載される。
超音波発生部4は、空気中に超音波波長の疎密波を発生させる複数の超音波振動子12を同一面に集合配置して設けられる。具体的な一例として、複数の超音波振動子12は、超音波スピーカハウジング11の内部に配置される支持板13上に複数配置され、スピーカアレイとして搭載される。
この防水手段の一例として、この実施例では、超音波放射口5を覆う超音波透過性の防水シート14と、この防水シート14の前面に配置されたルーバー15とを備えている{図4(a)では防水シート14およびルーバー15が省略された図を示す}。
ルーバー15は、図3に示すように、車両水平方向に対して略45°傾斜して設けられている。これにより、各超音波振動子12から放射された超音波は、ルーバー15の内面で下方に向きを変え、その下方のルーバー15の外面で再び車両前方に向きを変えて、結果的に車両前方へ超音波が放射される。
この実施例における反射音圧検出素子6は、集合配置された複数の超音波振動子12のうちの1つの超音波振動子12を用いたものである。ここで超音波振動子12は、上述したように、ピエゾ素子と超音波振動板とで構成される小型の圧電スピーカであるため、超音波等の空気振動を与えると超音波振動板が振動してピエゾ素子から電気信号を取り出すことができる。
車両用ホーン2は、上述したように、フロントグリル9と熱交換器10との間に固定配置されるものであり、乗員によってホーンスイッチ(例えば、ステアリングのホーンボタン)が操作された際に警報音を発生する電磁式警音器である。
車両用ホーン2は、
・通電により磁力を発生するコイル21と、
・コイル21の磁力により磁気吸引力を発生する固定鉄心22(磁気吸引コア)と、
・振動板23(ダイヤフラム)の中心部に支持されて固定鉄心22に向かって移動可能に支持される可動鉄心24(可動コア)と、
・この可動鉄心24の移動に連動し、可動鉄心24が固定鉄心22に向かって移動することにより固定接点25から離れてコイル21の通電を遮断する可動接点26と、
を備える。
(i)コイル21の通電により可動鉄心24が固定鉄心22に磁気吸引されて、固定接点25から可動接点26が離れてコイル21の通電が停止する吸引動作と、
(ii)通電停止によって振動板23がリターンスプリングの作用を可動鉄心24に付与して可動鉄心24が初期位置へ戻り、固定接点25と可動接点26が接触してコイル21の通電が再開する復元動作と、
を連続して繰り返す。
このように、コイル21の通電の断続(固定鉄心22の磁気吸引力の発生の断続)が発生することで可動鉄心24とともに振動板23が振動して車両用ホーン2が警報音を発生する。
具体的に、車両用ホーン2に自励電圧が連続的に与えられた際に車両用ホーン2が発生する警報音の周波数特性を図5の実線Aに示す。
あるいは、自励電圧であっても、電流断続器27において断続が発生しない短時間以内でコイル21の通電状態を素早く断続制御(PWM制御等)することにより、車両用ホーン2をダイナミックスピーカとして用いることができる。
車両用ホーン2をダイナミックスピーカとして用いる場合における車両用ホーン2の周波数特性を図5の破線Bに示す。この破線Bは、車両用ホーン2に1Vのサイン波のスイープ信号(低周波数から高周波数への可変信号)を与えた場合における周波数特性である。
このように、この実施例の超音波スピーカ3は、超音波を車両前方へ向けて放射するように設けられている。
制御回路8は、図3に示すように制御基板上にマイコンチップ31を搭載するものであり、例えば、図4(a)に示すように制御回路8が車両用ホーン2の内部(具体的には、ホーンハウジングの内部)に配置される(限定されるものではない)。
制御回路8は、
(a)マイコンチップ31と、
(b)複数の超音波振動子12のうち、反射音圧検出素子6として用いられる超音波振動子12を除く他の複数の超音波振動子12を駆動する超音波駆動アンプ32と、
(c)車両用ホーン2を駆動するスイッチング素子33と、
(d)反射音圧検出素子6(集合配置された複数の超音波振動子12のうちの1つの超音波振動子12)で検出した信号をマイコンチップ31へ与える受信回路34と、
を備える。
(e)「車両の運転状態が通報音の発生条件に適合しているか否か」を判定する判定手段35(制御プログラム)と、
(f)この判定手段35が「車両の運転状態が通報音の発生条件に適合している」と判定した場合に、「通報音を成す周波数信号」を発生させる通報音生成手段36(制御プログラム)と、
(g)この通報音生成手段36から出力された「通報音を成す周波数信号」を超音波周波数に変調する超音波変調手段37(制御プログラム)と、
(h)判定手段35の判定結果、あるいはホーンスイッチの操作状態に応じてスイッチング素子33のON−OFF制御を実施するスイッチング素子制御手段38(制御プログラム)と、
(i)反射音圧検出素子6(集合配置された複数の超音波振動子12のうちの1つの超音波振動子12)で検出した超音波の音圧(超音波放射口5で反射した超音波の音圧)が高い時に、車両用ホーン2から発生させる通報音の音圧を高める音圧補強手段7(制御プログラム)と、
が設けられている。
以下において、制御回路8に搭載される上記(a)〜(i)の各手段を説明する。
マイコンチップ31は、演算処理を行なうCPU、各種プログラムを保存する記憶手段(メモリ)、入力回路、出力回路などを含む周知構造のコンピュータであり、複数の入力信号に応じて、超音波駆動アンプ32およびスイッチング素子33を制御することで、パラメトリックスピーカ1および車両用ホーン2の作動を制御するものである。
超音波駆動アンプ32は、超音波変調手段37で変調された超音波信号に基づいて、超音波スピーカ3を駆動するもの(例えば、プッシュプルのB級アンプ等)であり、各超音波振動子12の印加電圧(充放電状態)を制御することで、各超音波振動子12から「通報音を成す周波数信号」を変調した超音波を発生させるものである。
スイッチング素子33は、ONされることでバッテリ電圧を車両用ホーン2に印加するON−OFF手段であり、例えばFETパワートランジスタ等で構成される。
そして、スイッチング素子33を連続的にONすることで、電流断続器27が繰り返し断続して、車両用ホーン2から警報音を発生させることができる。
また、スイッチング素子33を「通報音を成す周波数信号」に基づいてデューティ比制御することで、電流断続器27が断続することなく、車両用ホーン2から可聴帯域の通報音を直接発生させることができる。
受信回路34は、反射音圧検出素子6(1つの超音波振動子12)で検出した電気信号のうち、余分な電気信号(例えば、超音波以外の信号成分)を除去するフィルター回路(例えば、CR素子等)を搭載するものであり、このフィルター回路を通過した電気信号をマイコンチップ31へ出力するものである。なお、反射音圧検出素子6の電気信号が微弱な場合には、受信回路34に微少信号を増幅するマイクアンプを搭載しても良い。
判定手段35は、例えば、車速が所定速度(例えば、20km/h)以下の車両走行時に、車両の運転状態が通報音の発生条件に適合していると判断して、通報音生成手段36を作動させるものである(具体的な一例であって、限定されるものではない)。
通報音生成手段36は、通報音生成プログラム(音響ソフト)によって設けられ、判定手段35から作動指示が与えられると、デジタル技術によって「通報音を成す周波数信号(可聴周波数の電気信号)」を作成するものである。
超音波変調手段37は、通報音生成手段36の出力する「通報音を成す周波数信号」を超音波変調するものである。
超音波変調手段37の具体的な一例として、この実施例では、通報音生成手段36の出力信号を所定の「超音波周波数(例えば、25kHz等)における振幅変化(電圧の増減変化)」に変調するAM変調(振幅変調)を用いるものである。
なお、超音波変調手段37はAM変調に限定されるものではなく、通報音生成手段36の出力信号を所定の「超音波周波数におけるパルス幅変化(パルスの発生時間幅)」に変調するPWM変調(パルス幅変調)など、他の超音波変調技術を用いても良い。
例えば、超音波変調手段37に入力された「通報音を成す周波数信号」が、図7(a)に示す電圧変化であるとする(なお、図中では理解補助のために単一周波数の波形を示す)。
一方、制御回路8の搭載する超音波発振器は、図7(b)に示す超音波周波数で発振するものとする。
(i)「通報音を成す周波数信号」を成す周波数の信号電圧が大きくなるに従い、超音波振動による電圧の振幅を大きくし、
(ii)「通報音を成す周波数信号」を成す周波数の信号電圧が小さくなるに従い、超音波振動による電圧の振幅を小さくする。
このようにして、超音波変調手段37は、通報音生成手段36から出力された「通報音を成す周波数信号」を超音波周波数の「発振電圧の振幅変化」に変調するものである。
スイッチング素子制御手段38は、スイッチング素子33のON−OFF制御を実施して車両用ホーン2とバッテリとの通電状態の切替制御を行なうものであり、
(i)ホーンスイッチがONされている間、スイッチング素子33を連続的にONすることでバッテリ電圧を車両用ホーン2へ印加して、車両用ホーン2から警報音を発生させる警報音発生手段(制御プログラム)と、
(ii)通報音生成手段36が「通報音を成す周波数信号」を発生している間、「通報音を成す周波数信号」に基づいてスイッチング素子33をデューティ比制御して、車両用ホーン2から可聴帯域の通報音を発生させるデューティ比制御手段(制御プログラム)と、を備える。即ち、デューティ比制御手段は、スイッチング素子33をスイッチング作動させることでデジタルアンプ(D級アンプ)として作動させるものである。
音圧補強手段7は、反射音圧検出素子6(集合配置された複数の超音波振動子12のうちの1つの超音波振動子12)によって検出された反射音圧(受信回路34を介してマイコンチップ31に入力された信号レベル)が、予め設定された基準音圧よりも高い時に、車両用ホーン2から発生させる通報音の音圧を所定量高めるように設けられている。
基準音圧は、
・「超音波放射口5が雪で塞がれた状態」における反射音圧検出素子6の検出音圧と、
・「超音波放射口5が雪等で塞がれていない状態(通常使用状態)」における反射音圧検出素子6の検出音圧と、
の間の音圧に設定されるものである。
このように設定することにより、超音波放射口5に雪等が付着した際に、反射音圧検出素子6によって検出される反射音圧が基準音圧よりも高くなる。
通常時(音圧補強手段7が音圧を高めていない時)は、図6(b)の到達距離β(図中実線)に示すように、車両から約6m離れた距離において50dBの通報音が発生するように、車両用ホーン2の音圧の設定(具体的にはデューティ比制御手段によるアンプ増幅度の設定)を行なっている。
これに対し、反射音圧検出素子6によって検出された反射音圧が基準音圧よりも高い時は、図6(b)の到達距離β’(図中破線)に示すように、車両から約8m離れた距離において50dBの通報音が発生するように、車両用ホーン2の音圧を上昇させるものである。なお、この具体例は理解補助のための一例であって、数値等が限定されるものでないことは言うまでもない。
車両の運転状態が通報音の発生条件に適合すると、通報音生成手段36が「通報音を成す周波数信号」を出力し、超音波スピーカ3が、図7(c)に示すように、「通報音を成す周波数信号」を変調した超音波(聞こえない音波)を車両前方へ向けて放射する。
すると、図7(d)に示すように、空気中を超音波が伝播するにつれて、空気の粘性等によって波長の短い超音波が歪んで鈍(なま)される。
その結果、図7(e)に示すように、伝播途中の空気中において超音波に含まれていた振幅成分が自己復調され、結果的に車両前方において「通報音」が再生される。
一方、通報音生成手段36が「通報音を成す周波数信号」を出力することで、車両用ホーン2から車両の周囲に可聴音の「通報音」がダイレクトに放出される。
吹雪等により雪が超音波スピーカ3の超音波放射口5に付着したり、車両走行風により雪が超音波スピーカ3の超音波放射口5に付着する可能性がある。
このように、超音波放射口5に雪等が付着した場合、超音波が雪等で反射して、超音波を超音波放射口5の外部へ飛ばすことができなくなる。即ち、パラメトリックスピーカ1によって車両前方へ通報音を発生させることができなくなる。
すると、音圧補強手段7が車両用ホーン2から発生させる通報音の音圧を高める。
その結果、パラメトリックスピーカ1による通報音の音圧低下を、車両用ホーン2による通報音の音圧上昇によって補うことができ、車両前方における通報音の音圧低下を抑えることができる。
即ち、超音波スピーカ3に雪等が付着するなどして超音波の放射が妨げられても、車両の周囲へ放出する通報音の音圧低下を回避することができ、車両の存在を周囲へ知らせることができる。
この実施例における反射音圧検出素子6は、超音波スピーカ3内に集合配置された複数の超音波振動子12のうちの1つの超音波振動子12を用いたものである。
このため、超音波スピーカ3の内部に新たな音圧検出用のマイク素子を別途追加する必要がなく、本発明の実施コストを抑えることができる。
この実施例では、ホーンスイッチが押された際に警報音(警笛音)を発生する車両用ホーン2を「通報音の発生を行なうダイナミックスピーカ」として用いるものである。
このため、「通報音を発生させる専用のダイナミックスピーカ」を別途搭載する必要がなく、コストを抑え、且つ搭載スペースの確保を容易に行なうことができる。
このように設けることで、パラメトリックスピーカ1の能力変化をダイナミックスピーカ(例えば、車両用ホーン2)で補うことができ、通報音の音圧を略一定に保つことが可能になる。即ち、例えば、雨水等によって防水シート14が濡れて、防水シート14による超音波の反射量が増えてパラメトリックスピーカ1の能力低下が生じても、その能力低下をダイナミックスピーカ(例えば、車両用ホーン2)で補うことができる。
2 車両用ホーン(ダイナミックスピーカ)
3 超音波スピーカ
4 超音波発生部
5 超音波放射口
6 反射音圧検出素子(複数の超音波振動子のうちの一部の超音波振動子)
7 音圧補強手段
8 制御回路
12 超音波振動子
Claims (5)
- 通報音により車両の存在を知らせる車両存在通報装置において、
この車両存在通報装置は、通報音を成す周波数信号を超音波変調してなる超音波を車外へ向けて放出するパラメトリックスピーカ(1)を備え、
このパラメトリックスピーカ(1)において超音波を発生させる超音波スピーカ(3)は、
超音波を発生させる超音波発生部(4)と、
この超音波発生部(4)で発生した超音波を外部へ向けて放出する超音波放射口(5)と、
前記超音波放射口(5)から前記超音波発生部(4)側へ反射した超音波の音圧を検出する反射音圧検出素子(6)とを備え、
当該車両存在通報装置は、
可聴帯域の通報音を直接車外へ向けて放出するダイナミックスピーカ(2)を備えるとともに、
前記反射音圧検出素子(6)によって検出された反射音圧が高い時に、前記ダイナミックスピーカ(2)から発生させる通報音の音圧を高める音圧補強手段(7)を備えることを特徴とする車両存在通報装置。 - 請求項1に記載の車両存在通報装置において、
前記超音波発生部(4)は、空気中に超音波波長の疎密波を発生させる複数の超音波振動子(12)を集合配置して設けられ、
前記反射音圧検出素子(6)は、前記複数の超音波振動子(12)のうちの一部の超音波振動子(12)を用いることを特徴とする車両存在通報装置。 - 請求項1または請求項2に記載の車両存在通報装置において、
前記音圧補強手段(7)は、前記反射音圧検出素子(6)によって検出された反射音圧が予め設定された基準音圧よりも高い時に、前記ダイナミックスピーカ(2)から発生させる通報音の音圧を所定量高めることを特徴とする車両存在通報装置。 - 請求項1または請求項2に記載の車両存在通報装置において、
前記音圧補強手段(7)は、前記反射音圧検出素子(6)によって検出された反射音圧の上昇に応じて、前記ダイナミックスピーカ(2)から発生させる通報音の音圧を高めることを特徴とする車両存在通報装置。 - 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の車両存在通報装置において、
前記ダイナミックスピーカ(2)は、乗員によって操作可能に設けられたホーンスイッチが押された際に警報音を発生する電磁式の車両用ホーンを用いることを特徴とする車両存在通報装置。
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