JP2008201253A - 走行騒音生成装置 - Google Patents

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【課題】走行車両における騒音環境を簡易に生成すること。
【解決手段】 走行騒音生成装置1は、ホワイトノイズを発生させるホワイトノイズ発生手段2と、発生されたホワイトノイズに対してフィルタ処理を施して走行車両における車内騒音を擬似的に生成するフィルタ処理手段3と、フィルタ処理手段3に対して車両速度情報を設定する車両速度設定手段4とを備えている。フィルタ処理手段3は、実走車両より実測された騒音データに基づいて算出された車両速度毎のフィルタ係数を有し、車両速度設定手段4により設定された車両速度情報に応じてフィルタ処理に用いる補正フィルタのフィルタ係数を決定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、走行車両における車内騒音を擬似的に生成することが可能な走行騒音生成装置に関する。
走行車両の車室内には、エンジン音、風切音、ロードノイズ等の様々な要因に起因する騒音が進入する。また、これらの騒音は、車両の構造、消音材の設置箇所・設置量等に応じてその特性が大きく異なり、さらに車両の走行速度に応じて大きく変化するという特徴を有している。
これらの騒音は、運転者および同乗者に対して不快感を生じさせるおそれがあることから、従来より騒音の低減を行うための騒音抑制装置の研究開発が行われている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
また、車室内は一種の閉空間として利用できるため、車室内において良質の音響空間を構成可能な音響システムが望まれており、車室内の騒音に応じて音量等の補正を行う音量調整制御システム等が考案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2000−322066号公報 特開平6−250672号公報 特開平10−264731号公報
しかしながら、車内の騒音は、車両毎およびその車両の走行速度毎に特性が大きく異なるため、上述した騒音抑制装置や音量調整制御システムの動作検証を行う場合に、実際に走行する車両を用いて車内の騒音を発生させ、実験環境を構築する必要があった。このため、動作検証等を行う際には、実際に走行する車両で検証処理等を行う必要があることから、多大な労力と時間を必要とし、検証負担が重いという問題が存在していた。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、走行車両における騒音環境を簡易に生成することが可能な走行騒音生成装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る走行騒音生成装置は、ホワイトノイズを発生させるホワイトノイズ発生手段と、該ホワイトノイズ発生手段により発生されたホワイトノイズに対してフィルタ処理を施して走行車両における車内騒音を擬似的に生成するフィルタ処理手段と、該フィルタ処理手段に対して車両速度情報を設定する車両速度設定手段とを備え、前記フィルタ処理手段は、実走車両より実測された騒音データに基づいて算出された車両速度毎のフィルタ係数を有し、前記車両速度設定手段により設定された車両速度情報に応じて前記フィルタ処理に用いる補正フィルタのフィルタ係数を決定することを特徴とする。
このように、フィルタ処理手段が、車両速度設定手段により設定された車両速度情報に応じてフィルタ処理に用いる補正フィルタのフィルタ係数を決定し、決定されたフィルタ係数の補正フィルタに基づいてホワイトノイズにフィルタ処理を施すことによって、所望の周波数特性を有するノイズ信号を作り出すことができる。
特に、本発明に係るフィルタ処理手段では、実走する車両によって実測された騒音データに基づいてフィルタ係数が算出されるので、走行車両において発生する騒音に近似したノイズ信号を生成することができ、簡易に走行車両の騒音環境を構築することが可能となる。
さらに、本発明に係るフィルタ処理手段では、実走車両の走行速度毎にフィルタ係数を算出するので、車両速度に応じて特徴が異なる騒音環境を、設定された車両速度に応じて再現することが可能となる。
また、フィルタ係数の算出によってノイズ信号を生成することができるので、騒音データの実測時において所定の走行速度における騒音データを実測するだけで、あらゆる走行速度におけるノイズ信号を生成することができ、様々な速度域における騒音環境を簡易に構築することが可能となる。
さらに、フィルタ処理を適用する信号としてホワイトノイズ発生手段によって生成されるホワイトノイズを利用することによって、精度の高いノイズ信号を簡易に生成することが可能となる。
また、上記走行騒音生成装置において、前記フィルタ係数が、前記騒音データより求められたカットオフ周波数と当該カットオフ周波数におけるゲインとの車両速度毎の変化と、前記騒音データの減衰特性とに基づいて算出されるものであってもよい。
実走車両において実測される騒音の周波数特性は、カットオフ周波数の周波数値とそのゲインが、車両速度に応じて増加・増幅される傾向を有している。このため、フィルタ処理手段で用いられる補正フィルタのフィルタ係数を、騒音データのカットオフ周波数とそのゲインとの車両速度毎の変化に基づいて算出することによって、より実測された騒音に近似したノイズ信号を生成することが可能となる。
また、実走車両において実測される騒音の周波数特性は、カットオフ周波数以降のゲインの減衰特性が車両の走行速度に拘わらず一定の割合で減衰する傾向を有している。このため、騒音データの減衰特性に基づいてフィルタ係数を算出することによって、より実測された騒音に近似したノイズ信号を生成することが可能となる。
特に、前記フィルタ係数により算出される補正フィルタが、1オクターブ当たり12dB減衰する特性を有するものであることが好ましい。
実走車両において実測される騒音は、カットオフ周波数以降のゲインの減衰特性が1オクターブ当たり12dB減衰する特性を有することが多い。このため、補正フィルタの特性を1オクターブ当たり12dB減衰させるように設定することによって、走行車両における騒音により近似したノイズ信号を生成することが可能となる。
本発明に係る走行騒音生成装置を用いることによって、所定の騒音環境を、実際に車両を走行させることなく実現することができ、騒音環境の実現に要する負担を低減させることが可能となる。
本発明に係る走行騒音生成装置について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、走行騒音生成装置の概略構成を示した図である。走行騒音生成装置1は、実験室等の屋内設置することが可能な装置であって、室内に車両走行と同様の走行騒音環境を構築することが可能となっている。
走行騒音生成装置1は、ホワイトノイズ発生部(ホワイトノイズ発生手段)2と、フィルタ処理部(フィルタ処理手段)3と、走行速度設定部(車両速度設定手段)4と、スピーカ補正部5と、スピーカ6とを有している。
ホワイトノイズ発生部2は、ホワイトノイズを発生させるための装置である。ホワイトノイズとは、すべての周波数帯域においてエネルギーが均一に混入した雑音であって、すべての周波数で同じゲインを示す平坦な周波数特性を備えている。ホワイトノイズは、白色を示す光の周波数とに特徴が一致することからホワイトノイズ(ホワイト騒音)と呼ばれている。
走行速度設定部4は、走行騒音生成装置1で生成する走行騒音の想定車両速度を入力するための入力手段である。一般的な走行車両の騒音は、車両の走行速度に応じて騒音特性が変化するという特徴を有している。このため、ユーザは、走行速度に応じた騒音特性の変化を考慮して、走行騒音生成装置1で生成させようとする騒音の想定車両速度を設定することが可能となっている。
フィルタ処理部3は、ホワイトノイズ発生部2によって生成されたホワイトノイズに対してフィルタ処理を行い、擬似的に走行車両における走行騒音を生成する機能を有している。走行速度設定部4で設定された速度情報(車両速度情報)は、フィルタ処理部3に伝達される構成となっており、フィルタ処理部3では、取得した速度情報に応じてフィルタ処理に用いる補正フィルタのフィルタ係数を決定し、ホワイトノイズにフィルタ処理を施す。
フィルタ処理部3には、図2に示すようなIIR(Infinite Impulse Response)フィルタが設けられている。フィルタ処理部3には、一般的な2次のIIRフィルタが用いられており、入力信号を特定の係数で乗算する乗算器b(0)〜b(2)と、出力信号をフィードバックさせて特定の係数で乗算する乗算器a(1),a(2)と、連続して多段的に接続される遅延器10と、乗算器b(0)〜b(2)により乗算された値を順次加算し,又は乗算器a(1),a(2)により乗算された値を減算する加減算器11と、加減算された遅延器10と、乗算器b(0)〜b(2)と、乗算器a(1),a(2)との値に対して特定の係数を乗算して出力信号として出力を行う乗算器a(0)とを備えている。
IIRフィルタはフィードバック処理によって無限長のインパルス応答を得ることができるフィルタであり、一般的なFIR(Finite Impulse Response)フィルタよりも計算負担を減らすことができるという特色を有している。乗算器a(0)〜a(2),b(0)〜b(2)の係数の設定を変化させることによって、様々な周波数特性を示す信号を生成することが可能となっている。従って、乗算器a(0)〜a(2),b(0)〜b(2)に設定される係数は、本発明に係るフィルタ処理部3のフィルタ係数に該当し、このフィルタ係数を変更することによって複数の異なったフィルタ処理をホワイトノイズに施すことが可能となっている。
図3(a)、図3(b)、図4(a)は、実際に走行する車両における走行騒音を示した周波数特性例である。図3(a)は、走行速度が0km/h(アイドリング時)における周波数特性例を示し、図3(b)は、走行速度が50km/hにおける周波数特性例を示し、図4(a)は、走行速度が100km/hにおける周波数特性例を示している。なお、図3(a)、図3(b)、図4(a)に示す周波数特性例の図には、各周波数特性の特徴を示すための補助線13〜15が示してある。
図3(a)に示す周波数特性例は、0Hz〜60Hzまで−19dB程度のゲインを維持し、60Hzをカットオフ周波数(図3(a)の符号A)として以後1オクターブ当たり12dBずつ減衰する特徴を有している(図3(a)の補助線13参照)。
図3(b)に示す周波数特性例は、0Hz〜90Hzまで−13dB程度のゲインを維持し、90Hzをカットオフ周波数(図3(b)の符号B)として以後1オクターブ当たり12dBずつ減衰する特徴を有している(図3(b)の補助線14参照)。
図4(a)に示す周波数特性例は、0Hz〜120Hzまで−7dB程度のゲインを維持し、120Hzをカットオフ周波数(図4(a)の符号C)として以後1オクターブ当たり12dBずつ減衰する特徴を有している(図4(a)の補助線15参照)。
フィルタ処理部3では、図3(a)、図3(b)、図4(a)に示すような、実際に走行する車両において実測された騒音データに基づいて、IIRフィルタのフィルタ係数a(0)〜a(2)およびb(0)〜b(2)を決定する。具体的には、カットオフ周波数に着目し、時速0km/hのカットオフ周波数(図3(a)の符号A)およびそのゲインの値と、時速50km/hのカットオフ周波数(図3(b)の符号B)およびそのゲインの値と、時速100km/hのカットオフ周波数(図4(a)の符号C)およびそのゲインの値とに基づいて、時速1km/h当たりのカットオフ周波数の増加分0.6Hzとゲインの増加分0.12dBとを求めて、図4(b)に示すような車両速度毎のフィルタリング特性を算出し、算出されたフィルタリング特性を示すようにフィルタ係数を決定する。
図5は、実測された0km/h、50km/h、100km/hの3種類の騒音に基づいて、IIRフィルタに設定されるフィルタ係数を、時速10km/h毎に走行速度0km/hから100km/hまで算出(補完)した値を示す一覧である。このように、本実施形態に係る走行騒音生成装置1では、特定の走行速度(本実施形態においては、0km/h、50km/h、100km/hの3種類の走行速度)における走行騒音を実測することによって、実測されていない走行速度を含む複数の走行速度に対応するフィルタ係数を算出することが可能となる。
フィルタ処理部3では、走行速度設定部4により設定された設定速度に応じてフィルタ処理に用いるフィルタ係数を、図5に示す一覧より選択・決定し、ホワイトノイズに対してフィルタ処理を施す。
スピーカ6は、フィルタ処理部3により生成された騒音を出力する役割を有している。本実施形態に係るスピーカ6は、低域から高域までの音を出力することが可能な一般的なフルレンジスピーカで構成されているが、スピーカはフルレンジスピーカのみに限定されるものではなく、低音用スピーカ、高音用スピーカ等の複数のスピーカによって構成されるものであってもよい。また、図1には、説明の便宜上1つしかスピーカ6が示されていないが、スピーカ6の数は1つに限定されるものではなく複数のスピーカを備えるものであってもよい。
スピーカ補正部5は、フィルタ処理部3によりフィルタ処理が行われたノイズ信号が、スピーカ6より出力された場合に、スピーカ6の特性に応じて周波数特性が変化しないように、ノイズ信号に補正処理を施す役割を有している。
スピーカ補正部5において、スピーカ6の周波数特性を逆の特性となるような補正をノイズ信号に施すことによって、スピーカ6の特性に影響を受けることなく、ノイズ信号をスピーカ6より出力することが可能となる。
本実施形態では、スピーカ補正部5において、図6(a)に示すようなスピーカの補正特性を用いてノイズ信号の補正を行う。図6(a)に示すスピーカの補正特性では180Hz付近のゲインを10dB程度増幅させると共に、900Hz付近のゲインを6dB程度増幅させ、さらに、2000Hz付近のゲインを2dB程度減衰させる特性を備えている。
図6(b)は、フィルタ処理部3においてホワイトノイズにフィルタ処理が施された直後(つまり、スピーカ補正部5による補正処理が行われる前)のノイズ信号の周波数特性と、スピーカ補正部5において補正処理が行われた後の周波数特性とを示したグラフである。スピーカ補正部5による補正処理を行った後の周波数特性は、補正処理が行われる前の周波数特性に比べて、180Hz付近のゲインが10dB程度増幅されると共に、900Hz付近のゲインが6dB程度増幅され、さらに2000Hz付近のゲインが2dB程度減衰されており、図6(a)に示すスピーカの補正特性を備えた周波数特性となっている。
図7〜図9は、上述するようにして構成される走行騒音生成装置1において、走行速度設定部4で0km/h、50km/h、100km/hの走行速度が設定された場合における、フィルタ処理部3のノイズ信号とスピーカ6の出力音を参照マイクで収音したノイズ信号との周波数特性を示している。なお、参照マイクで収音されたノイズ信号は、騒音抑制装置や音量調整制御システムの動作検証等を行う場合に利用される走行騒音に該当する。
図7に示す設定速度0km/hの周波数特性では、60Hzをカットオフ周波数(図7の符号D)として約−21dB程度のゲインを備えており、以後1オクターブ当たり12dBずつ減衰する特徴を有している。この周波数特性は、図3(a)に示す実測した車両の周波数特性に近似した特徴を備えている。
また、図8に示す設定速度50km/hの周波数特性では、90Hz付近をカットオフ周波数(図8の符号E)として約−13dB程度のゲインを備えており、以後1オクターブ当たり12dBずつ減衰する特徴を有している。この周波数特性は、図3(b)に示す実測した車両の周波数特性に近似した特徴を備えている。
また、図9に示す設定速度100km/hの周波数特性では、120Hz付近をカットオフ周波数(図9の符号F)として約−7dB程度のゲインを備えており、以後1オクターブ当たり12dBずつ減衰する特徴を有している。この周波数特性は、図4(a)に示す実測した車両の周波数特性に近似した特徴を備えている。
なお、図7〜図9では、参照マイクで収音されたノイズ信号の周波数特性が30Hz〜40Hz以下で極端に減衰されているが、この減衰状態は、実験に用いたスピーカ6の低音再生能力欠如に起因するものであり、低音再生能力が良好なスピーカを用いることによって、さらに低音から良好な騒音環境を実現することが可能である。
このように、本発明に係る走行騒音生成装置1を用いてノイズ信号を生成することによって、フィルタ処理部3が、走行速度設定部4により設定された車両速度情報に応じてフィルタ処理に用いる補正フィルタのフィルタ係数を決定し、決定されたフィルタ係数の補正フィルタに基づいてホワイトノイズにフィルタ処理を施すので、所望の周波数特性を有するノイズ信号を作り出すことができる。
特に、フィルタ処理部3では、実走する車両において実測された騒音データに基づいてフィルタ係数が算出されるため、走行車両の騒音に近似したノイズ信号を生成することができ、簡易に走行車両の騒音環境を構築することが可能となる。
さらに、フィルタ処理部3では、実走車両の走行速度毎にフィルタ係数を算出するので、車両速度に応じて特徴が異なる騒音環境を車両速度毎に再現することが可能となる。
また、本発明に係る走行騒音生成装置1では、実測された騒音データに基づいて、1km/h当たりのカットオフ周波数とそのゲインを求めてフィルタ係数を算出するので、所定の走行速度における騒音データを実測するだけであらゆる走行速度に対応するノイズ信号を生成することができ、様々な速度域における騒音環境を簡易に構築することが可能となる。
また、車両速度に応じて多数のノイズ信号を生成することができるので、実際に騒音環境を実走する車両によって実現する場合に比べて、検証負担および検証時間の低減を図ることが可能となる。
さらに、フィルタ処理を適用する信号として、ホワイトノイズ発生部2によって発生されるホワイトノイズを利用することによって、精度の高いノイズ信号を簡易に生成することが可能となる。
また、実走車両において実測される騒音の周波数特性は、カットオフ周波数の周波数値とそのゲインが、車両速度に応じて増加する傾向を有している。このため、フィルタ処理部3で用いられる補正フィルタのフィルタ係数を、騒音データのカットオフ周波数とそのゲインとにおける車両速度毎の変化に基づいて算出することによって、より実測された騒音に近似したノイズ信号を生成することが可能となる。
さらに、実走車両において実測される騒音の周波数特性は、カットオフ周波数以降のゲインの減衰特性が車両の走行速度に拘わらず一定の割合で減衰する傾向があるため、騒音データの減衰特性に基づいてフィルタ係数を算出することによって、より実測された騒音に近似したノイズ信号を生成することが可能となる。
特に、実走車両において実測される騒音は、カットオフ周波数以降のゲインの減衰特性が1オクターブ当たり12dB減衰する特性を有することが多い。このため、補正フィルタの特性を1オクターブ当たり12dB減衰させるように構成することによって、走行車両における騒音により近似した騒音環境を簡易かつ迅速に算出し、実現することが可能となる。
本発明に係る走行騒音生成装置1を用いて走行車両の騒音環境を実現し、騒音抑制装置や音量調整制御システムの動作検証等を行うことによって、動作検証に係る多大な労力と時間を軽減することができ、開発効率の向上を図ることが可能となる。
以上、本発明に係る走行騒音生成装置を図面を用いて詳細に説明したが、本発明に係る走行騒音生成装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
実施形態に係る走行騒音生成装置の概略構成を示した図である。 実施形態に係るフィルタ処理部におけるIIRフィルタの概略を示したブロック図である。 実走する車両により測定された騒音の周波数特性を示しており、(a)は時速0km/hにおける騒音の周波数特性を示し、(b)は時速50km/hにおける騒音の周波数特性を示している。 (a)は、実走する時速100km/hの車両において測定された騒音の周波数特性を示し、(b)は、フィルタ処理に用いられる補正フィルタのフィルタリング特性を車両速度毎に示した図である。 IIRフィルタに設定される走行速度毎のフィルタ係数を示した一覧である。 (a)は、スピーカ補正部において補正処理が行われるスピーカの補正特性を示した図であり、(b)は、スピーカ補正部による補正処理が行われる前のノイズ信号の周波数特性と、補正処理が行われた後の周波数特性とを示した図である。 走行速度設定部で0km/hの走行速度が設定された場合における、フィルタ処理部のノイズ信号の周波数特性と、参照マイクで収音されたノイズ信号との周波数特性を示している。 走行速度設定部で50km/hの走行速度が設定された場合における、フィルタ処理部のノイズ信号の周波数特性と、参照マイクで収音されたノイズ信号との周波数特性を示している。 走行速度設定部で100km/hの走行速度が設定された場合における、フィルタ処理部のノイズ信号の周波数特性と、参照マイクで収音されたノイズ信号との周波数特性を示している。
符号の説明
1 …走行騒音生成装置
2 …ホワイトノイズ発生部(ホワイトノイズ発生手段)
3 …フィルタ処理部(フィルタ処理手段)
4 …走行速度設定部(車両速度設定手段)
5 …スピーカ補正部
6 …スピーカ
10 …(IIRフィルタの)遅延器
11 …(IIRフィルタの)加減算器
A,B,C,D,E,F …カットオフ周波数
13〜15 …補助線

Claims (3)

  1. ホワイトノイズを発生させるホワイトノイズ発生手段と、
    該ホワイトノイズ発生手段により発生されたホワイトノイズに対してフィルタ処理を施して走行車両における車内騒音を擬似的に生成するフィルタ処理手段と、
    該フィルタ処理手段に対して車両速度情報を設定する車両速度設定手段とを備え、
    前記フィルタ処理手段は、実走車両より実測された騒音データに基づいて算出された車両速度毎のフィルタ係数を有し、前記車両速度設定手段により設定された車両速度情報に応じて前記フィルタ処理に用いる補正フィルタのフィルタ係数を決定すること
    を特徴とする走行騒音生成装置。
  2. 前記フィルタ係数は、前記騒音データより求められたカットオフ周波数と当該カットオフ周波数におけるゲインとの車両速度毎の変化と、前記騒音データの減衰特性とに基づいて算出されること
    を特徴とする請求項1に記載の走行騒音生成装置。
  3. 前記フィルタ係数に基づいて実現される補正フィルタは、1オクターブ当たり12dB減衰する特性を有すること
    を特徴とする請求項2に記載の走行騒音生成装置。
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