JP4992642B2 - 含油軸受機構及びブラシレスモータ - Google Patents

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Description

本発明は、安価・高性能・高寿命であり、信頼性の高い含油軸受機構、及びこの含油軸受機構を用いたブラシレスモータに関する。
OA機器用モータや、光ディスク駆動装置用モータ、電子機器冷却用ファンモータなどに用いられる軸受として、略中空円筒形状であり、その内部に潤滑剤を含む多孔質材料製の軸受(以下、含油軸受という)がある。含油軸受には、一般的に同体積の玉軸受等の転がり軸受と比較して、製造コストを安く抑えられる特長がある。
従来、含油軸受として、以下の構造が提案されてきた。
図6に示すのは、特許文献1に開示された従来の焼結含油軸受である。図6を参照して、焼結含油軸受は、軸受孔3aを有する軸受部1aと、軸受部1aの外径面に嵌着された外環2aとからなる。外環2aは、軸受部1aよりも気孔率が高く設定され、補油機構として用いられている。
また、特許文献2に開示の構成では、開孔率の異なるインナー部とアウター部とからなる含油軸受において、インナー部とアウター部のいずれかに凹条を設ける構成が開示されている。
特許3582869号公報 特開2006−292161号公報
近年、製造コストの面から、従来玉軸受を用いていた機器の軸受について、含油軸受への置き換えが進んでいる。これに伴い、含油軸受が適用される分野も広がってきた。従来は、光ディスク駆動用モータなどの比較的負荷が少なく、また、温度が上がらない機器に適用されていたものが、最近では、例えばプロジェクタの冷却用ファンモータなど、高温環境下においても使われることが増えている。
ところで、含油軸受の寿命と潤滑剤の量とは密接な関係がある。即ち、潤滑剤が不足すると潤滑が正常に行なわれなくなり、焼き付きが発生する可能性がある。従って、含油軸受の長寿命化を実現するには、含油軸受の潤滑剤保持量を増加させる必要がある。他方で、上述した含油軸受が適用される機器には、小型化が要求されている。従って、含油軸受の体積を大きくすることで潤滑剤保持量を増加させる構造は、採用することが困難である。
また、含油軸受の長寿命化を実現するには、含油軸受内に保持されている潤滑剤が減少しないようにする必要がある。潤滑剤の残量が減少する主な要因として、漏れ、及び蒸発が挙げられる。潤滑剤の漏れは、回転時に発生する熱や気泡、遠心力などにより、潤滑剤が含油軸受の外に移動することにより引き起こされる。潤滑剤の蒸発は、例えば含油軸受の端面など潤滑剤が外気に露出されている部分から潤滑剤が気化することにより発生する。
以上述べたように、軸受の長寿命化を実現するには、含油軸受の潤滑剤保持量を増加させ、かつ、含油軸受からの潤滑剤の漏れ、及び蒸発を防止する必要がある。
本発明は、このような課題を解決し、含油軸受の潤滑剤保持量を増加させ、かつ、含油軸受からの潤滑剤の漏れ、及び蒸発を防止することで、高性能・長寿命であり、かつ、高い信頼性を持つ含油軸受機構を提供するものである。
本発明に係る含油軸受機構は、シャフトと、略中空円筒形状であり前記シャフトを回転自在に支持する軸受面となる内周面を有し潤滑剤を含む多孔質材料製の内側軸受と、略中空円筒形状でありその内周面が前記内側軸受の外周面を径方向に外囲し潤滑剤を含む多孔質材料製の外側軸受と、で構成される含油軸受を備え、前記外側軸受の軸方向一端側端面の径方向内側には第一の傾斜面が形成され、前記外側軸受の軸方向他端側端面の径方向内側には第二の傾斜面が形成され、前記第一の傾斜面は前記外側軸受の軸方向一端側端面と前記内側軸受の外周面との間に形成され、前記第二の傾斜面は前記外側軸受の軸方向他端側端面と前記内側軸受の外周面との間に形成され、前記内側軸受の外周面と前記外側軸受の内周面との間には、外部と連通し、内側軸受の外周面の一部と外側軸受の内周面の一部とによって形成される少なくとも1以上の連通溝が形成され、前記連通溝は、前記外側軸受の軸方向一端側他端面及び他端側端面より径方向内側に設けられ、該連通溝は、前記内側軸受の軸方向一端側の空間と軸方向他端側の空間とを連通することを特徴とする。
本発明に係る含油軸受機構によれば、内側軸受の外周面と外側軸受の内周面との間に連通溝が形成され、内側軸受及び外側軸受から染み出した潤滑剤を保持することができる。
さらに、連通溝に保持された潤滑剤が直接端面に流出し難い。従って、寿命の長い含油軸受機構を提供することができる。また、傾斜面と、連通溝とを一度に成形できるので加工が容易となる。
本発明に係る含油軸受機構は、シャフトと、略中空円筒形状であり前記シャフトを回転自在に支持する軸受面となる内周面を有し潤滑剤を含む多孔質材料製の内側軸受と、略中空円筒形状でありその内周面が前記内側軸受の外周面を径方向に外囲し潤滑剤を含む多孔質材料製の外側軸受と、で構成される含油軸受を備え、前記シャフトにはワッシャが嵌合され、前記外側軸受の軸方向一端側端面は、前記内側軸受の軸方向一端側端面よりも軸方向一端側に位置し、前記ワッシャの外径は前記内側軸受の内径より大きく、且つ、前記外側軸受の内径よりも小さく、前記ワッシャの少なくとも一部が、前記外側軸受の前記軸方向一端側端面より軸方向他端側かつ前記内側軸受の軸方向一端側端面より軸方向一端側に位置し、前記ワッシャの外周面の少なくとも一部が、前記外側軸受の内周面若しくは前記第一の傾斜面と径方向に対向し、前記内側軸受の外周面と前記外側軸受の内周面との間には、外部と連通し、内側軸受の外周面の一部と外側軸受の内周面の一部とによって形成される少なくとも1以上の連通溝が形成され、該連通溝は、前記内側軸受の軸方向一端側の空間と軸方向他端側の空間とを連通することを特徴とする。
本発明に係る含油軸受機構によれば、シャフト回転時にはたらく遠心力によりシャフトを伝う潤滑剤は、ワッシャから径方向外方に振り切られ、外側軸受に吸収される潤滑剤の流れが形成される。従って、含油軸受の潤滑剤が軸受部外に漏れることが防止され、含油軸受機構の長寿命化が可能になる。
本発明に係る含油軸受機構は、上記構成に加え、前記内側軸受の径方向の肉厚が周方向において略均一であることを特徴とする。
本発明に係る含油軸受機構によれば、含油軸受の加工・組立を行なうときに外力が加わった際に、内側軸受には全体にわたって、均一に力が加わる。従って、加工・組立を行なう際に、内側軸受が歪みづらくなる。その結果、高精度の含油軸受機構を提供できる。
本発明に係る含油軸受機構は、上記構成に加え、前記外側軸受は、前記内側軸受よりも空孔率が高いことを特徴とする。
本発明に係る含油軸受機構によれば、外側軸受は、内側軸受よりも空孔率が高いため、内側軸受単体で軸受を構成した場合と比較して、潤滑剤の保持量を多くすることができる。従って、潤滑剤不足による磨耗や焼き付きが起こりづらくなり、軸受寿命を長くすることができる。
本発明に係る含油軸受機構は、上記構成に加え、前記内側軸受は、前記外側軸受よりも耐磨耗性に優れる材料からなることを特徴とする。
本発明に係る含油軸受機構によれば、軸受面を構成する内側軸受が耐磨耗性に優れる材料にて構成される。従って、含油軸受が磨耗しづらく、含油軸受機構の長寿命化を実現することができる。
本発明に係る含油軸受機構は、上記構成に加え、前記内側軸受の多孔質材料は、焼結材料であることを特徴とする
本発明に係る含油軸受機構は、上記構成に加え、前記外側軸受は、その軸方向一端側端面の表面層における空孔率及び軸方向他端側端面の表面層における空孔率が、その内周面の表面層における位置する空孔率と比較して少ないことを特徴とする。
本発明に係る含油軸受機構によれば、含油軸受の外側軸受の端面が目潰しされた状態である。従って、外側軸受内部の潤滑剤が外側軸受端面から流出しづらい
本発明に係る含油軸受機構は、上記構成に加え、前記連通溝は、前記外側軸受の内周面の一部が径方向外方に向かって凹むことにより形成される凹部が内側軸受の外周面と間隙を介して対向することで形成されることを特徴とする。
本発明に係る含油軸受機構によれば、凹部は、シャフトに対して比較的遠い位置に形成される。従って、連通溝の有無により発生する圧力差の影響を比較的押さえることができる。また、連通溝を比較的広い幅に構成することができる。
本発明に係る含油軸受機構は、上記構成に加え、前記連通溝は、周方向に複数、等間隔に設けられることを特徴とする。
本発明に係る含油軸受機構によれば、内側軸受を外側軸受に圧入する際、内側軸受に力が均等に加わる。従って、含油軸受を作成する際に、内側軸受に歪みが発生せず、精度の高い含油軸受機構を提供することができる
本発明に係る含油軸受機構は、上記構成に加え、前記外側軸受の前記凹部は径方向外側に凹む曲面形状であり、前記内側軸受の外周面から凹部における最も径方向外側の位置までの径方向の長さは、略0.4mm以上であることを特徴とする。
本発明に係る含油軸受機構によれば、連通溝の容積が確保され、気泡によって潤滑剤が連通溝外に押し出され難い
本発明に係るブラシレスモータは、含油軸受機構と、前記シャフトに連結され、永久磁石を備えるロータと、前記外側軸受の外周面を保持部において嵌合して保持するハウジングと、前記ハウジングに連結され、前記永久磁石と間隙を介して対向し回転磁界を発生させるステータと、を備えることを特徴とする。
本発明に係るブラシレスモータによれば、長寿命かつ比較的安価なブラシレスモータを提供することができる。
本発明に係るブラシレスモータは、上記構成に加え、前記外側軸受の外周面の一部には、径方向内方に向かって凹み、前記外側軸受の軸方向一端側の空間と前記外側軸受の軸方向他端側の空間とを連通する空間を形成する連通部が形成されることを特徴とする。
本発明に係るブラシレスモータによれば、外側軸受は連通部により軸方向に連通されている。シャフト回転時に外側軸受に圧力差が生じた場合、潤滑剤は連通部を通って流動可能であり、含油軸受内の圧力差を無くすことができる。また、シャフト回転時の熱により潤滑剤が熱膨張した際、潤滑剤は連通部に保持され、潤滑剤の漏れが防止される。
本発明に係るブラシレスモータは、上記構成に加え、前記凹部の周方向の位置と、前記連通部の周方向の位置とは互いに異なることを特徴とする。
本発明に係るブラシレスモータによれば、シャフトの回転により内側軸受の内側に圧力が発生する。発生した圧力によって、内側軸受及び外側軸受から潤滑剤が染み出す。このとき、圧力によって染み出された潤滑剤は、凹部及び連通部に保持される。圧力によって潤滑剤が染み出されたとしても、凹部及び連通部に潤滑剤が保持されるので、含油軸受外に潤滑剤が漏れづらくなる。
本発明に係るブラシレスモータは、上記構成に加え、前記保持部はバーリング加工により形成され、前記ハウジングの前記保持部の軸方向一端側には、前記保持部から前記外側軸受の軸方向一端側端面の一部を覆うように径方向内側に突出する突出部が形成されることを特徴とする。
本発明に係るブラシレスモータによれば、突出部により外側軸受端面が覆われるので、外側軸受外周面及び端面からの潤滑剤流出を抑制することができる。
本発明に係るブラシレスモータは、上記構成に加え、前記ハウジングは、前記保持部の軸方向他端側から径方向外方に延出する延出部を備え、前記ロータは、略有底円筒形状であり、その外周面に前記永久磁石が固定されるロータホルダを備え、前記ロータホルダは、前記含油軸受に向かって開口し、その開口側端面が前記延出部と間隙を介して対向することを特徴とする。
本発明に係るブラシレスモータによれば、延出部及びロータホルダが含油軸受を覆う構造となり、潤滑剤の流出を抑えることができる。
本発明に係るブラシレスモータは、上記構成に加え、前記ハウジングはプレス加工により成形され、前記ハウジングの前記保持部は、前記外側軸受の軸方向他端側端面よりも軸方向一端側に位置し、前記ハウジングの前記保持部の軸方向他端側には、前記保持部から径方向外方に湾曲する湾曲部が形成されることを特徴とする。
本発明に係るブラシレスモータによれば、外側軸受の外周面もしくは第二の傾斜面と、湾曲面とが径方向に対向する部分は、軸方向一端側に向かって間隙が狭くなるテーパ状になる。この構造により、外側軸受から染み出した潤滑剤は、該テーパ部分において毛管現象により保持される。
本発明に係るブラシレスモータは、上記構成に加え、前記ハウジングは略中空円筒形状であり、前記保持部より軸方向他端側の内周面において前記ステータを保持し、前記永久磁石は、前記ステータの径方向内方に前記ステータと間隙を介して対向し、前記ハウジングは前記ステータより軸方向他端側においてキャップ部材と連結され、前記キャップ部材には、さらに前記含油軸受が固定され、前記含油軸受の径方向内方には前記シャフトが挿通されることを特徴とする。
本発明によれば、含油軸受の潤滑剤保持量を増加させ、かつ、含油軸受からの潤滑剤の漏れ、及び蒸発を防止することで、高性能・長寿命であり、かつ、高い信頼性を持つ含油軸受機構を提供することができる。
本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。尚、以下に示す実施例は本発明の具体例に過ぎず、本発明が以下の実施形態に限定されるものではない。
<モータ>
図1は、本発明における含油軸受機構を用いたブラシレスモータを、回転中心軸を含む平面で軸方向に切断した断面図である。
図1を参照して、ブラシレスモータ1は、磁界を変化させるステータ50を有する固定部3と、回転磁界を発生させるロータマグネット(永久磁石)26を有し回転中心軸21を中心に回転運動を行なう回転部2と、固定部3と回転部2との相対回転を支持する含油軸受60、80と、を備える。
尚、本実施例において、軸方向とは、回転中心軸21に沿った方向を指す。径方向とは、回転中心軸21に対して直交する方向を指す。また、本実施例の説明においては便宜上、軸方向一端側を軸方向下側、軸方向他端側を軸方向上側と記載する。尚、本実施例における上下方向は、重力方向とは必ずしも一致しない。図1において、軸方向下側とは、図示下側を指す。図1において、軸方向上側とは、図示上側を指す。
まず、回転部2について説明する。シャフト20は、回転中心軸21を中心に回転する。シャフト20は、略有底円筒形状のロータホルダ22の底に設けられた穴に挿通する。ロータホルダ22は、軸方向一端側(図示下側)に開口した状態でシャフト20と同軸に固定される。ロータホルダ22の円筒部23の外周面には、ロータマグネット26が装着される。ロータマグネット26は、例えば、ネオジム磁石などの永久磁石である。また、ロータホルダ22の円筒部23の内周面には、ロータホルダ22とシャフト20との締結を補強する締結補助部材24が設けられる。
シャフト20は、軸方向下側において、固定部3より軸方向下側に突出する。この突出部分には、例えば、羽根車や歯車、プーリーなどが取り付けられて動力伝達部28が形成され、ブラシレスモータ1の駆動力を出力する。
シャフト20には、第一ワッシャ76、及び第一ワッシャ76より軸方向下側に位置する第二ワッシャ78が嵌合される。第一ワッシャ76及び第二ワッシャ78は、後述する含油軸受60の内側軸受62を挟み込むように配置される。シャフト20に軸方向の力が加わった場合には、含油軸受60の内側軸受62の端面が第一ワッシャ76若しくは第二ワッシャ78を支持し、シャフト20の軸方向の移動を規制する。また、シャフト20には、第3ワッシャ96、第4ワッシャ98が、含油軸受80の内側軸受82を挟み込むように配置される。
次に、固定部3について説明する。ハウジング30は、略有底円筒形状に形成され、回転中心軸21と略同心状に配置される。ハウジング30は、中空円筒形状の中空円筒部32と、中空円筒部32の軸方向下側端部から径方向内方に延出する延出部34と、延出部34の径方向内端から軸方向下側に向けて湾曲する湾曲部36と、湾曲部36から軸方向下側に延出する保持部38と、保持部38の軸方向下側端部から径方向内方に向けて折れ曲がって突出する突出部40とを備える。中空円筒部32、延出部34、湾曲部36、保持部38、突出部40は全て同一部材で構成される。ハウジング30は例えば亜鉛メッキ鋼鈑などの金属板からプレス加工により形成される。
ハウジング30の中空円筒部32の内周側には、回転磁界を発生するステータ50が固定される。ステータ50は、略円環形状のコアバック511とコアバック511から径方向内方に突出する複数のティース512とを備え、薄い珪素鋼鈑を複数枚積層して形成されるステータコア51と、巻線が各ティース512に巻回されて形成されるコイル53とで構成される。コイル53に電気が流れることで、磁界が発生する。ステータ50とロータマグネット26とは微小間隙を介して径方向に対向する。
ハウジング30の中空円筒部32のロータホルダ22の軸方向上側には、シャフト20が挿通する挿通部56を有する略円板形状の回路基板52が設けられる。回路基板52には、配線パターンやランドが設けられ、また、電子部品54が実装されており、これらで構成される電気回路はブラシレスモータ1の回転を制御する。
回路基板52の給電用のランドには、コイル53が接続される。また、回路基板52には軸方向上側に延びるコネクタ58が設けられる。コネクタ58は、外部電源(図示せず)に接続され、ブラシレスモータ1に電力を供給する。また、回路基板52の挿通部56の内径は、シャフト20の外径よりも大径に設けられ、シャフト20が間隙を介して挿通される。
ハウジング30の延出部34は、回転中心軸21に対して略垂直に設けられる。ハウジング30の延出部34は、ロータホルダ22の開口側端部と微小間隙を介して対向する。
ハウジング30の保持部38には回転中心軸21と同心状に設けられる略円筒状の含油軸受60が圧入固定される。含油軸受60は、例えば焼結材料などの多孔質材料製である。含油軸受60に関しては後述する。
ハウジング30の保持部38はバーリング加工により形成される。ハウジング30には、保持部38の軸方向下側から径方向内方に折れ曲がり円環状に突出するよう形成された突出部40が形成される。突出部40は、含油軸受60の端面を覆い、含油軸受60の端面近傍に染み出てきた潤滑剤を保持する。また、突出部40は、潤滑剤が突出部40よりも軸方向下側に流出するのを阻止する。
ハウジング30の保持部38と延出部34とは、保持部38から軸方向上側に向かうにつれ径方向外方に湾曲する湾曲部36を介して設けられる。
含油軸受60の外周面の一部は、湾曲部36と径方向に対向する。従って、含油軸受60の外周面と湾曲部36とが径方向に対向する部分において軸方向下側に向かうにつれて間隙が狭くなるテーパ状の空間が形成されている。これにより、含油軸受60の軸方向上側の外周面に染み出した潤滑剤は、含油軸受60の外周面と、ハウジング30の湾曲部36とによってはたらく毛管現象において保持される。
ハウジング30の軸方向上側には、略円板形状のキャップ部材42がハウジング30にカシメ固定される。キャップ部材42の中央部分には軸方向上側に向けて円筒状に延びる軸受保持部44がバーリング加工により設けられる。軸受保持部44の内周面には含油軸受80が圧入され、固定される。
これにより、ロータホルダ22及びロータマグネット26は、ハウジング30及びキャップ部材42に外囲される。
また、シャフト20は、ハウジング30の保持部38に設けられた含油軸受60及びキャップ部材42の軸受保持部44に設けられた含油軸受80により、回転支持される。
<含油軸受>
次に、含油軸受60、80について詳述する。
図2は、本実施例に係る図1におけるブラシレスモータ1の動力伝達部28側(軸方向下側)の含油軸受60の平面図である。図3は、本実施例に係る図2にて図示の含油軸受60を、A−O−A’線で切断した断面図である。尚、図3において、図示下側は、軸方向下側である。
図2及び図3を参照して、含油軸受60は、略中空円筒形状の内側軸受62と、その内周面において内側軸受62の外周面と嵌合する外側軸受64とからなる。内側軸受62及び外側軸受64は、例えば焼結材料などの多孔質材料で構成される。尚、ここで多孔質材料とは、その内部及び表面に多数の孔を有する材料のことをいう。焼結材料は粉末を型にはめ加熱して形成される比較的脆い材料であり、欠け防止の観点から、含油軸受60の角は面取りされている。
内側軸受62及び外側軸受64にはオイル等の潤滑剤が含浸されている。本実施例における潤滑剤は、オイルである。内側軸受62内部の含油率は18vol%以上の範囲であることが好ましく、より好ましくは、23vol%以上の範囲であることが望ましい。また、外側軸受64の含油率は40vol%以上であることが望ましい。尚、本実施例において、内側軸受62の含油率は、23vol%であり、外側軸受64の含油率は、40vol%である。
内側軸受62の径方向の肉厚は、周方向において略均一に設けられる。また、内側軸受62の内周面と回転中心軸21との距離の大きさは、周方向において略均一であり、内側軸受62の外周面と回転中心軸21との距離の大きさは、周方向において略均一である。これにより、加工・組立の際に内側軸受62に加わる力は、特定の部位に集中しづらい構造になる。従って、内側軸受62の特定の部位が歪んだり、特定の部位の内部の空孔が偏って潰れたりすることがなく、精度の高い含油軸受60が提供できる。
外側軸受64の内周面には径方向外方に向かって凹む凹部66が形成される。凹部66は、外側軸受64の軸方向のほぼ全域にわたって連続的に形成される。凹部66を回転中心軸に直行する平面で径方向に切断した断面形状は、曲面形状である。凹部66は、周方向に等配に6箇所に形成される。
凹部66と内側軸受62の外周面とは、間隙を介して対向し、内側軸受62の軸方向下側の空間と内側軸受62の軸方向上側の空間とを連通する連通溝68を形成する。凹部66が6箇所に設けられているので、連通溝68は6本形成される。凹部66における最も径方向外方の位置と、内側軸受62の外周面との径方向の長さは、0.7mmである。
外側軸受64の外周面には、径方向内側に向かって凹む連通部70が軸方向のほぼ全域にわたって設けられる。本実施例においては、周方向に等配に4本の連通部70が設けられる。連通部70は、回転中心軸21に対して連通溝68と周方向に重ならない位置に設けられる。
外側軸受64の端面には、目潰し加工が施されている。目潰し加工とは、ある面に対して、空孔の大きさを小さくする、あるいは、空孔の数を少なくする等して表面層の空孔率を低下させる加工である。これにより、外側軸受64の軸方向下側端面及び軸方向上側端面の表面層の空孔率は、外側軸受64の内周面の表面層の空孔率と比較して少なくなる。この構成により、外側軸受64の端面に潤滑剤が染み出し難くなり、外側軸受64に含浸された潤滑剤の漏れ、及び蒸発を効果的に防止することができる。また、内側軸受62の端面にも外側軸受64と同様、目潰し加工が施されており、潤滑剤の漏れ、及び蒸発をより効果的に防止することができる。
外側軸受64の軸方向下側端面と外側軸受64の内周面との間には面取り加工が施され、第一の傾斜面72が形成されている。また、外側軸受64の軸方向上側端面と外側軸受64の内周面との間には面取り加工が施され、第二の傾斜面74が形成されている。第一の傾斜面72及び第二の傾斜面74の径方向の長さは、凹部66における最も径方向外方の位置と内側軸受62の外周面との長さと略同一である。
また、外側軸受64の軸方向下側端面と外側軸受64の外周面及び外側軸受64の軸方向上側端面と外側軸受64の外周面との間には、それぞれ外側の傾斜面75が形成されている。外側の傾斜面75の径方向の幅は、連通部70の深さと略同一である。
上記構成により、外側軸受64の軸方向下側端面及び軸方向上側端面において、目潰し加工が施された部分、すなわち含油軸受60の表面に現れる空孔が少ない部分だけが外気に直接的に露出している。従って、潤滑剤の漏れ、及び蒸発を効果的に防止することができる。
外側軸受64の軸方向長さは、内側軸受62の軸方向長さよりも長く設けられる。これは、潤滑剤の漏れを防止するためである。潤滑剤漏れ防止の仕組みの詳細については、後述する。
外側軸受64の軸方向下側端面は、内側軸受62の軸方向下側端面と比較して軸方向下側に位置する。また、外側軸受64の軸方向上側端面は、内側軸受62の軸方向上側端面と比較して軸方向上側に位置する。
外側軸受64の軸方向下側の端面と内側軸受62の軸方向下側の端面との距離と、外側軸受64の軸方向上側の端面と内側軸受62の軸方向上側の端面との距離とでは、外側軸受64の軸方向下側の端面と内側軸受62の軸方向下側の端面との距離の方が短くなっている。この構成によれば、軸方向下側の内側軸受62の軸受面と、軸方向上側の内側軸受82の軸受面との距離を長くとることができる。その結果、シャフト20が倒れにくくなり、回転が安定するという利点がある。また、外側軸受64を軸方向に長くした方が、それだけ外側軸受64の体積も増し、潤滑剤の保持量も増すことから、軸受寿命が延びるという利点がある。また、本実施例のようなモータ構造においては、ロータホルダ22の内側に外側軸受64を伸ばすことによりブラシレスモータ1の外形を大きくすることなく潤滑剤の保持量を増やすことができるという利点がある。
以下において、含油軸受60をブラシレスモータ1に搭載したときの状態について説明する。
図4は、本実施例に係る含油軸受60をブラシレスモータ1に搭載したときの拡大断面図である。図4において、図示下側が動力伝達部28側(軸方向下側)である。図中に示す矢印Cは、シャフト20の回転を示している。
図4を参照して、ステータ50とロータマグネット26の磁気的作用により、シャフト20が矢印Cの方向に回転する。シャフト20が回転すると、内側軸受62の内周面から潤滑剤が染み出る。シャフト20と内側軸受62の内周面との間に染み出た潤滑剤は、シャフト20と内側軸受62の内周面との間で潤滑を行ない、シャフト20が回転支持される。
ここで、前述のようにシャフト20には、第一ワッシャ76及び第二ワッシャ78がシャフト20の軸方向の移動を規制するように嵌合されているが、第一ワッシャ76及び第二ワッシャ78の外径は、内側軸受62の内径より大きく、外側軸受64の内径よりも小さく設けられている。そして、第一ワッシャ76は、外側軸受64の軸方向上側の端面よりも軸方向下側に位置する。換言すれば、第一ワッシャ76は、外側軸受64の内周面と内側軸受62の軸方向上側の端面とで形成される軸方向下側に向かって窪む窪みに、入り込むように位置している。また、第二ワッシャ78は、外側軸受64の軸方向下側端面よりも軸方向上側に位置する。換言すれば、第二ワッシャ78は、外側軸受64の内周面と内側軸受62の軸方向下側の端面とで形成される軸方向上側に向かって窪む窪みに、入り込むように位置している。
シャフト20が回転すると潤滑剤が軸受部分からシャフト20を伝って軸方向下側及び軸方向上側に移動することがある。これは、含油軸受60から染み出した潤滑剤がシャフト20の外周面にはたらく遠心力により軸方向に引っ張られるためである。前述の通り、第一ワッシャ76及び第二ワッシャ78はシャフト20に嵌合されており、軸方向に移動した潤滑剤は、第一ワッシャ76及び第二ワッシャ78の含油軸受60と対向する面を伝う。第一ワッシャ76及び第二ワッシャ78の含油軸受60と対向する面は、シャフト20と比較して径が大きくなっているので、潤滑剤により強い遠心力がはたらく。第一ワッシャ76及び第二ワッシャ78の径方向外端にまで達した潤滑剤は、遠心力によって、第一ワッシャ76及び第二ワッシャ78から径方向外方に振り切られる。
前述の通り、第一ワッシャ76及び第二ワッシャ78の含油軸受60と対向する面の径方向外方には、外側軸受64が設けられており、第一ワッシャ76及び第二ワッシャ78から振り切られた潤滑剤は、外側軸受64に付着する。外側軸受64に付着した潤滑剤は、外側軸受64の内部に吸収される。このようにして、潤滑剤が潤滑を行なう部分から、シャフト20を伝い、外側軸受64に吸収される潤滑剤の流れが形成される。従って、本実施例における含油軸受60は、潤滑剤が軸受部外に漏れることが防止され、含油軸受60の長寿命化が可能になる。
再び図2を参照して、回転中心軸21を中心にシャフト20が回転する際に、シャフト20は、シャフト20の外周面と内側軸受62内周面との間に介在する潤滑剤の流れにより回転支持される。シャフト20が回転支持される反作用として、内側軸受62内周面に対し、潤滑剤を径方向外方に押し出すような圧力が加わる。
シャフト20が回転支持される反作用としての圧力が内側軸受62の内周面に加わった際に、内側軸受62及び外側軸受64内に存在する潤滑剤の一部は、内側軸受62及び外側軸受64の内部にとどまることができず、内側軸受62及び外側軸受64の表面に染み出す。本実施例の構成によれば、潤滑剤は、内側軸受62と外側軸受64との間に位置する連通溝68内に染み出す。染み出した潤滑剤は連通溝68内に保持される。また、潤滑剤の一部は、連通部70内に染み出し、保持される。染み出した潤滑剤は連通溝68内、及び連通部70内に保持され、含油軸受60の内部に吸収される。これにより、回転時に含油軸受60に加わる圧力による潤滑剤の漏れを防止することができる。
特に、内側軸受62の内周面のシャフト20が回転支持される反作用としての圧力が加わる部分の径方向外方に連通溝68または連通部70がある場合には、潤滑剤は、連通溝68または連通部70の空間内に染み出す。これにより、連通溝68及び連通部70によって、シャフト20が回転支持される反作用としての圧力が緩衝される。従って、連通溝68及び連通部70の径方向外方に位置する部分には、この圧力はほとんど伝わらない。他方、内側軸受62の内周面のシャフト20が回転支持される反作用としての圧力が加わる部分の径方向外方に連通溝68及び連通部70がいずれも存在しない部分については、外側軸受64の外周面までこの圧力が伝わる。その結果、外側軸受64の外周面から含油軸受60内の潤滑剤を押し出す力が発生する。このとき、外側軸受64の外周面から外に潤滑剤が染み出す可能性がある。そして、潤滑剤がハウジング30の保持部38を伝って、含油軸受60の外に漏れ出す恐れがある。
本実施例の含油軸受60においては、凹部66(連通溝68)及び連通部70が周方向の位置が互いに異なるように配置されている。これにより、凹部66(連通溝68)及び連通部70が周方向の位置に互いに重なる場合と比較して、外側軸受64の外周面においてシャフト20が回転支持される反作用としての圧力が伝わる部分の面積を減らすことができる。従って、本実施例の含油軸受60は、外側軸受64の外周面に潤滑剤が染み出すことを最大限防止する構造になっている。
尚、動力伝達部28に対して常に同一方向から負荷が加わる場合には、凹部66(連通溝68)及び連通部70を、負荷が加わる方向に対応させて周方向の位置が一致するように配置することも可能である。
さて、含油軸受60は例えばステータ等の熱源の近くで用いられることが多い。また、シャフト20が回転することにより、潤滑が行なわれている部分において、摩擦熱が発生する。これらの要因により、含油軸受60が熱に晒される可能性がある。ここで、含油軸受60の内部には、潤滑剤が含浸される多数の空孔が形成されているが、含油軸受60の全ての空孔が潤滑剤で満たされていない可能性がある。例えば、含油軸受60に潤滑剤を含浸する際に一部の空孔に潤滑剤が行き渡らない、また、含油軸受60が長期に亘って使用された結果として潤滑剤保持量が減少する、さらに、シャフト20の回転時に潤滑剤内に気泡を巻き込む、などの場合において、含油軸受60の内部には空気が存在し得る。ここで、空気は、熱膨張率が高く、また、潤滑剤と比較して密度が低い。含油軸受60の内部に空気が存在し、かつ、含油軸受60が熱に晒された場合には、空気は気泡となって含油軸受60から潤滑剤を押し出す動きをする可能性がある。
本実施例の構成によれば、連通溝68の内周面と凹部66の径方向に最も外側の部分との径方向の長さが0.7mmに設けられているため、発生した気泡は、潤滑剤を押し出すことを抑えることができ、連通溝68から外気へ放出される。
本実施例では、内側軸受62の外周面と凹部66の径方向に最も外側の部分までの径方向長さを0.7mmとしているが、0.4mm以上であればよい。内側軸受62の内周面と凹部66の径方向に最も外側の径方向長さが0.4mm以上であると、潤滑剤を押し出すことなく、発生した気泡のみを外気に放出することができる。その結果として、連通溝68内に保持されている潤滑剤が気泡とともに押し出されることなく、潤滑剤の漏れを防止できる。
ところで、シャフト20が回転すると、含油軸受60の軸方向下側と軸方向上側との間で、潤滑剤の保持量がアンバランスになることがある。本実施例における含油軸受60には、外側軸受64の内周側に連通溝68が、また、外側軸受64の外周面に連通部70が、それぞれ設けられている。連通溝68及び連通部70には、シャフト20が回転支持される反作用としての圧力もしくは熱膨張により潤滑剤が染み出ることがある。この際、潤滑剤は連通溝68及び連通部70を伝って、潤滑剤の保持量が少ない側に移動する。
尚、ブラシレスモータ1が停止し、シャフト20の回転が停止した際には、内側軸受62及び外側軸受64の表面近傍に位置する潤滑剤は、毛管現象等により、含油軸受62及び外側軸受64の内部に移動する。
図5は、図1における軸方向上側の含油軸受80の平面図である。
図5を参照して、動力伝達部28側の含油軸受60と、動力伝達部28側とは反対側の含油軸受80と、の基本的構成は同一である。両者の構成上の違いは、含油軸受の径方向の肉厚の大きさ、及び含油軸受の軸方向の長さである。即ち、含油軸受80にかかる負荷は、動力伝達部28側の含油軸受60と比較して少ないので、潤滑剤が染み出す量が少ない。また、シャフト20が回転することにより発生する熱による膨張が起こりにくく、潤滑剤が漏れる可能性も比較的低い。従って、図示右側の含油軸受80の潤滑剤保持量を、動力伝達部28側の含油軸受60と比較してある程度減らすことができる。
以上、本発明の実施例について記載したが、本発明は必ずしもこれに限られるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、本実施例では含油軸受60をステータ50の内側にロータマグネット26が配置される、いわゆるインナーロータ型のブラシレスモータ1に用いたが、これに限られるものではない。ステータの外側にロータマグネットが配置されるアウターロータ型や、ステータとロータマグネットとが軸方向に対向して設けられるアキシャルギャップ型のブラシレスモータに用いてもよい。
また、本実施例では、ブラシレスモータ1に対して2個の含油軸受60、80を用いたが、これに限られるものではない。含油軸受は、1個でもよいし、3個以上設けてもよい。
また、本実施例では、ブラシレスモータ1に対して2個の含油軸受60を用い、2個とも本発明に係る含油軸受60、80としたが、これに限られるものではない。例えば片方の軸受を玉軸受としてもよい。
また、本実施例では、凹部66を6箇所に設けるとしたが、これに限られるものではない。
また、本実施例では、凹部66の形状を回転中心軸に直交する平面で切断した断面形状が曲面形状になるとしたが、これに限られるものではない。例えば、V字型など、種々の変更が可能である。
また、本実施例では、凹部66は第一の傾斜面72及び第二の傾斜面74と略同一の幅に設けられるとしたが、これに限られるものではない。内側軸受62の内周面と凹部66の径方向に最も外側の径方向長さが0.4mm以上に保たれる範囲で、第一の傾斜面72及び第二の傾斜面74よりも凹部66の幅が狭くてもよい。
また、本実施例では、第一のワッシャ76及び第二のワッシャ78を軸方向下側の含油軸受60を挟み、第三のワッシャ96及び第四のワッシャ98を軸方向上側の含油軸受80を挟むように設けたが、これに限られるものではない。例えば、ワッシャの数を1つ、2つ、3つとしてもよいし、5以上としてもよい。
また、本実施例では、連通部70は外側の傾斜面75と略同一の幅に設けられるとしたが、これに限られるものではない。連通部70が外側の傾斜面75より径方向外側であればよい。
本発明における含油軸受機構を用いたブラシレスモータを、回転中心軸を含む平面で軸方向に切断した断面図である。 本発明におけるブラシレスモータの動力伝達部側の含油軸受の平面図である。 本発明に係る図2にて図示の含油軸受を、図2中のA−O−A’線で切断した断面図である。 本発明における含油軸受において、ブラシレスモータの駆動時における潤滑剤の流れを示した模式図である。 本発明におけるブラシレスモータの軸方向他端側の含油軸受の平面図である。 従来の含油軸受を示す断面図である。
符号の説明
1 ブラシレスモータ
2 回転部
3 固定部
6 含油軸受機構
20 シャフト
21 回転中心軸
22 ロータホルダ
23 円筒部
24 締結補助部材
26 ロータマグネット(永久磁石)
28 動力伝達部
30 ハウジング
32 中空円筒部
34 延出部
36 湾曲部
38 保持部
40 突出部
42 キャップ部材
44 軸受保持部
50 ステータ
52 回路基板
54 電子部品
56 挿通部
58 コネクタ
60 含油軸受(動力伝達部側)
62 内側軸受
64 外側軸受
66 凹部
68 連通溝
70 連通部
72 第一の傾斜面
74 第二の傾斜面
75 外側の傾斜面
76 第一ワッシャ
78 第二ワッシャ
80 含油軸受
82 内側軸受
84 外側軸受
86 凹部
87 連通溝
88 連通部
96 第三ワッシャ
98 第四ワッシャ
C シャフト回転方向

Claims (17)

  1. 含油軸受機構であって、
    シャフトと、
    略中空円筒形状であり前記シャフトを回転自在に支持する軸受面となる内周面を有し潤滑剤を含む多孔質材料製の内側軸受と、略中空円筒形状でありその内周面が前記内側軸受の外周面を径方向に外囲し潤滑剤を含む多孔質材料製の外側軸受と、で構成される含油軸受を備え、
    前記外側軸受の軸方向一端側端面の径方向内側には第一の傾斜面が形成され、
    前記外側軸受の軸方向他端側端面の径方向内側には第二の傾斜面が形成され、
    前記第一の傾斜面は前記外側軸受の軸方向一端側端面と前記内側軸受の外周面との間に形成され、
    前記第二の傾斜面は前記外側軸受の軸方向他端側端面と前記内側軸受の外周面との間に形成され、
    前記内側軸受の外周面と前記外側軸受の内周面との間には、外部と連通し、内側軸受の外周面の一部と外側軸受の内周面の一部とによって形成される少なくとも1以上の連通溝が形成され、
    前記連通溝は、前記外側軸受の軸方向一端側他端面及び他端側端面より径方向内側に設けられ、
    該連通溝は、前記内側軸受の軸方向一端側の空間と軸方向他端側の空間とを連通することを特徴とする含油軸受機構。
  2. 含油軸受機構であって、
    シャフトと、
    略中空円筒形状であり前記シャフトを回転自在に支持する軸受面となる内周面を有し潤滑剤を含む多孔質材料製の内側軸受と、略中空円筒形状でありその内周面が前記内側軸受の外周面を径方向に外囲し潤滑剤を含む多孔質材料製の外側軸受と、で構成される含油軸受を備え、
    前記シャフトにはワッシャが嵌合され、
    前記外側軸受の軸方向一端側端面は、前記内側軸受の軸方向一端側端面よりも軸方向一端側に位置し、
    前記ワッシャの外径は前記内側軸受の内径より大きく、且つ、前記外側軸受の内径よりも小さく、
    前記ワッシャの少なくとも一部が、前記外側軸受の前記軸方向一端側端面より軸方向他端側かつ前記内側軸受の軸方向一端側端面より軸方向一端側に位置し、前記ワッシャの外周面の少なくとも一部が、前記外側軸受の内周面若しくは前記第一の傾斜面と径方向に対向し、
    前記内側軸受の外周面と前記外側軸受の内周面との間には、外部と連通し、内側軸受の外周面の一部と外側軸受の内周面の一部とによって形成される少なくとも1以上の連通溝が形成され、
    該連通溝は、前記内側軸受の軸方向一端側の空間と軸方向他端側の空間とを連通することを特徴とする含油軸受機構。
  3. 前記内側軸受の径方向の肉厚が周方向において略均一であることを特徴とする請求項1若しくは請求項2に記載の含油軸受機構。
  4. 前記外側軸受は、前記内側軸受よりも空孔率が高いことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の含油軸受機構。
  5. 前記内側軸受は、前記外側軸受よりも耐磨耗性に優れる材料からなることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の含油軸受機構。
  6. 前記内側軸受の多孔質材料は、焼結材料であることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の含油軸受機構。
  7. 前記外側軸受は、その軸方向一端側端面の表面層における空孔率及び軸方向他端側端面の表面層における空孔率が、その内周面の表面層における位置する空孔率と比較して少ないことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の含油軸受機構。
  8. 前記連通溝は、前記外側軸受の内周面の一部が径方向外方に向かって凹むことにより形成される凹部が内側軸受の外周面と間隙を介して対向することで形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の含油軸受機構。
  9. 前記連通溝は、周方向に複数、等間隔に設けられることを特徴とする請求項に記載の含油軸受機構。
  10. 前記外側軸受の前記凹部は径方向外側に凹む曲面形状であり、前記内側軸受の外周面から凹部における最も径方向外側の位置までの径方向の長さは、略0.4mm以上であることを特徴とする請求項若しくは請求項に記載の含油軸受機構。
  11. 請求項1乃至請求項1のいずれかに記載された含油軸受機構と、
    前記シャフトに連結され、永久磁石を備えるロータと、
    前記外側軸受の外周面を保持部において嵌合して保持するハウジングと、
    前記ハウジングに連結され、前記永久磁石と間隙を介して対向し回転磁界を発生させるステータと、を備えるブラシレスモータ。
  12. 請求項1に記載のブラシレスモータにおいて、
    前記外側軸受の外周面の一部には、径方向内方に向かって凹み、前記外側軸受の軸方向一端側の空間と前記外側軸受の軸方向他端側の空間とを連通する空間を形成する連通部が形成されることを特徴とするブラシレスモータ。
  13. 請求項1に記載のブラシレスモータにおいて、
    前記凹部の周方向の位置と、前記連通部の周方向の位置とは互いに異なることを特徴とするブラシレスモータ。
  14. 請求項1乃至請求項1のいずれかに記載のブラシレスモータにおいて、
    前記保持部はバーリング加工により形成され、
    前記ハウジングの前記保持部の軸方向一端側には、前記保持部から前記外側軸受の軸方向一端側端面の一部を覆うように径方向内側に突出する突出部が形成されることを特徴とするブラシレスモータ。
  15. 請求項1乃至請求項1のいずれかに記載のブラシレスモータにおいて、
    前記ハウジングは、前記保持部の軸方向他端側から径方向外方に延出する延出部を備え、
    前記ロータは、略有底円筒形状であり、その外周面に前記永久磁石が固定されるロータホルダを備え、
    前記ロータホルダは、前記含油軸受に向かって開口し、その開口側端面が前記延出部と間隙を介して対向することを特徴とするブラシレスモータ。
  16. 請求項1乃至請求項1のいずれかに記載のブラシレスモータにおいて、
    前記ハウジングはプレス加工により成形され、
    前記ハウジングの前記保持部は、前記外側軸受の軸方向他端側端面よりも軸方向一端側に位置し、
    前記ハウジングの前記保持部の軸方向他端側には、前記保持部から径方向外方に湾曲する湾曲部が形成されることを特徴とするブラシレスモータ。
  17. 請求項1乃至請求項1のいずれかに記載のブラシレスモータであって、
    前記ハウジングは略中空円筒形状であり、前記保持部より軸方向他端側の内周面において前記ステータを保持し、
    前記永久磁石は、前記ステータの径方向内方に前記ステータと間隙を介して対向し、
    前記ハウジングは前記ステータより軸方向他端側においてキャップ部材と連結され、前記キャップ部材には、さらに前記含油軸受が固定され、
    該含油軸受の径方向内方には前記シャフトが挿通されることを特徴とするブラシレスモータ。
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