JP2004190791A - 動圧軸受及びこれを用いたファンモータ - Google Patents

動圧軸受及びこれを用いたファンモータ Download PDF

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Kazumi Takeshita
和美 竹下
Takanari Otsuki
貴成 大槻
Hidenobu Takeshita
英伸 竹下
Masahiro Ishikawa
雅裕 石川
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Abstract

【課題】ファンモータに用いられる動圧軸受において、オイルの漏れを生じにくくする。
【解決手段】動圧軸受4は、ファンモータ1に用いられるものであって、シャフト15とスリーブ11とを備えている。スリーブ11は、シャフト15の周りに相対回転可能に配置され、シャフト15の外周面15aとの間に微少間隙34を介して対向し動圧発生用溝25,26が形成された内周面31a,32aを有する。シャフト15の外周面15aと、スリーブ11の内周面31a,32aと、微少間隙34に充填されたオイルとによって第1及び第2ラジアル軸受部21,22が構成されている。スリーブ11は、内周面31a,32aを構成する焼結含油金属からなる第1筒状部材31,32と、第1筒状部材31,32の外周側に配置された焼結含油金属からなる第2筒状部材33とを有している。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、焼結含油金属材が用いられる動圧軸受及びそれが用いられるファンモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
ファンモータとは、送風用に作られたモータのことをいい、モータ本体の回転部材に送風部としてのファン(羽根)が取り付けられて構成されている。ファンモータに要求される機能は、一般に、低騒音・超寿命である。ファンモータの用途は、例えば、パーソナル・コンピュータに装着され、内部の熱を外部に放出することである。ファンモータは、装着される機器の装着される部分によって姿勢が異なり、結果として様々な姿勢で使用されることになる。
【0003】
ファンモータは、一般に、機器に装着される静止部材と、静止部材に対して回転自在に支持される回転部材と、回転部材を静止部材に対して支持するための軸受機構と、回転部材に固定されたファンとから構成されている。
ファンモータ用の軸受機構としては、焼結含油金属製のスリーブからなるすべり軸受を採用したものが知られている。焼結含油金属とは、銅系や鉄系の焼結材からなる多孔質体であり、約20vol%の気孔を有している。スリーブは、主成分金属粉末に添加合金用金属粉及び黒鉛を混合して金型に充填し、圧縮成形、焼結、サイジング又は仕上げを施して製造される。このスリーブは、潤滑油を含浸しており、流出してきた潤滑油によって自己潤滑性を発揮する。
【0004】
ファンモータ用の軸受装置としてすべり軸受を用いる場合において、耐摩耗性やオイル保持量といった特性を鑑み、スリーブとして内周部と外周部とで別の焼結含油金属からなる筒状部材を用いる構造が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に記載の軸受部材3は、外周側に配置される第1部11と、内周側に配置された第2部とから構成されている。第1部11はオイルの含有量を重視ししてオイル含油量を多くし(つまり密度を低くし)、第2部12は耐摩耗性を重視してオイルの含有量を少なくしている(つまり密度を高くしている)。
【0005】
しかしながら、すべり軸受ではスリーブがシャフトを接触摺動しながら支持しているため、摺動する側に耐摩耗性を考慮した部材を使用した場合であっても、依然として摩耗粉が発生するという問題を抱えている。
一方、ファンモータの軸受機構において、前述の金属接触の問題を回避するために、動圧軸受を採用したものが知られている(例えば、特許文献2参照。)。この特許文献2に記載の動圧軸受では、スリーブの内周面に動圧発生用溝が形成されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−311717号
【0007】
【特許文献2】
特開平11−252859号
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
動圧軸受をファンモータに採用した場合は、ファンモータはこれが用いられるパーソナルコンピュータ等への機器に対して様々な姿勢で取付けられることから、通常の動圧軸受機構では作動流体であるオイルの漏れが生じやすく、耐久性や信頼性が損なわれる懸念がある。
【0009】
動圧軸受からのオイルの漏れを防止するためには、シール構造の機能を向上させることが一つの解決策であるが、そのためには隙間シールの設定や部品の高精度化が必要になり、その結果シール構造が複雑化してしまう。したがって、シール構造の機能向上以外の方法によってオイルの漏れを防止することも検討する必要がある。
【0010】
一方、動圧軸受に焼結含油金属製のスリーブを用いた場合は、スリーブを大型化して余剰のオイルを含浸させておくことで、動圧軸受からオイルが漏れにくくすることができる。しかし、動圧軸受に用いられる焼結含油金属製のスリーブの大型化は一般に困難である。なぜなら、スリーブの内周面に溝を加工する際には内周面に配置されたパンチや転写ヘッドに対して外周面からスリーブを押さえつけるが、スリーブを大型化すると多孔質体の性質によって内周面まで十分な圧力を伝達できず、十分な深さの溝痕を得られないからである。
【0011】
本発明の課題は、焼結含油金属材が用いられる動圧軸受において、オイルの漏れを生じにくくすることにある。
また本発明の別の課題は、動圧軸受を用いたファンモータにおいて、耐久性並びに信頼性を向上させることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の動圧軸受は、ファンモータに用いられるものであって、シャフトとスリーブとを備えている。スリーブは、シャフトの周りに相対回転可能に配置され、シャフトの外周面との間に微少間隙を介して対向し動圧発生用溝が形成された内周面を有する。シャフトの外周面と、スリーブの内周面と、微少間隙に充填されたオイルとによってラジアル動圧軸受部が構成されている。スリーブは、内周面を構成する焼結含油金属からなる第1筒状部材と、第1筒状部材の外周側に配置された焼結含油金属からなる第2筒状部材とを有している。
【0013】
この動圧軸受では、スリーブとシャフトが相対回転すると、ラジアル動圧軸受部においてスリーブの内周面の動圧発生用溝によってオイルに動圧が発生し、スリーブ及びシャフトのうち回転する側の部材を静止する側の部材に対して支持する。また、オイルはスリーブから微少間隙すなわちラジアル動圧軸受部に供給される。
【0014】
さらに、この動圧軸受では、スリーブは焼結含油金属から構成され、動圧発生用溝が形成される内周側に焼結含油金属からなる第1筒状部材を用い、外周側に焼結含油金属からなる第2筒状部材を用いた二重筒構造となっている。第1筒状部材はスリーブ全体からは小型であるため、所望の動圧発生に十分な動圧発生用溝を形成することができる。第2筒状部材は溝の形成の問題を考慮する必要がないため、大型化できる。この結果、スリーブは、全体の密度が同じ焼結含油金属からなるスリーブに比べて、含油量を大きくできる。このため、スリーブ内に余剰オイルを十分に含浸させることができ、動圧軸受からのオイルの漏れが少なくなる。以上の結果、この動圧軸受をファンモータ用軸受装置として用いた場合に、ファンモータが通常であればオイルが漏れやすい姿勢で他の機器に対して用いられたとしても、動圧軸受からオイルの漏れが生じにくく、動圧軸受としての耐久性や信頼性が維持される。
【0015】
請求項2に記載の動圧軸受では、請求項1において、第2筒状部材は第1筒状部材より密度が低い。
この動圧軸受では、第2筒状部材は第1筒状部材より密度が低いため、含油量を大きくできる。このため、スリーブ内に余剰オイルを十分に含浸させることができ、動圧軸受からのオイルの漏れが少なくなる。
【0016】
請求項3に記載の動圧軸受では、請求項2において、第1筒状部材の密度は6.5〜7.5g/cm3の範囲にあり、第2筒状部材の密度は5〜6g/cm3の範囲にある。
この動圧軸受では、第1筒状部材の密度が6.5〜7.5g/cm3の範囲にあるため、動圧の逃げが防止され、所望の軸受剛性が得られる。また、第2筒状部材の密度が5〜6g/cm3の範囲にあるため、スリーブ内に収容できるオイルの量が十分に確保されている。
【0017】
請求項4に記載のファンモータは、請求項1〜3のいずれかに記載の動圧軸受と、ステータと、ステータと協働して回転磁界を発生するためのロータマグネットと、ロータマグネットを含むファンとを備えている。
このファンモータでは、ステータに電流が供給されるとロータマグネットとの間に回転磁界が発生して、シャフト及びスリーブの一方に対して他方が回転を開始する。この結果、ファンが回転して空気を送り出す。
【0018】
さらに、このファンモータでは、請求項1〜3のいずれかに記載の動圧軸受を採用しているため、ファンモータが通常であればオイルが漏れやすい姿勢で他の機器に対して用いられたとしても、動圧軸受からのオイル漏れが生じにくく、動圧軸受の耐久性や信頼性が維持される。
【0019】
【発明の実施の形態】
(1)ファンモータ全体の構成
図1は本発明の一実施形態としてのファンモータ1の概略構成を模式的に示す縦断面図である。このファンモータ1は、例えば、パーソナルコンピュータに装着され、内部の排熱を行うためのファンモータである。
【0020】
なお、図1に示すO−Oがファンモータ1の回転軸線である。また、本実施形態の説明では便宜上図1の上下方向を「軸線上下方向」とするが、ファンモータ1の実際の取り付け状態における方向を限定するものではない。
図1において、このファンモータ1は、主に、静止部材2と、回転部材3と、回転部材3を静止部材2に回転自在に支持するための動圧軸受4とを備えている。ファンモータ1は、さらに、静止部材2に固定されたステータコアとそれに巻かれたコイルからなるステータ6と、回転部材3に固定されたロータマグネット7を備えており、両部材によって、回転部材3に対して回転力を与えるための磁気回路部が構成されている。
【0021】
(2)静止部材
静止部材2は、ハウジング10と、このハウジング10の中央開口内に固定されたスリーブ11とから構成されている。より詳細には、ハウジング10の中央開口縁には軸線方向上側に延びる円筒部10aが形成されており、その内周面にスリーブ11の外周面が嵌合されている。また円筒部10aの外周面には、ステータ6が固定されている。
【0022】
スリーブ11は、図2及び図3に示すように、円筒状の部材であり、その略中央部には、軸線方向に貫通する貫通孔30が形成されている。スリーブ11は、内周側の2つの第1筒状部材31,32と、外周側の第2筒状部材33とから構成されている。第1筒状部材31,32は、第2筒状部材33に比べて軸線方向長さ及び半径方向長さ(厚み)が短い。第1筒状部材31,32は、第2筒状部材33内に嵌入され、圧入及び/又は接着によって固定されている。なお、この実施形態では第1筒状部材31,32は軸線方向に近接しており、端部同士が当接又は近接している。
【0023】
以上に述べたように、第1筒状部材31,32がスリーブ11の内周部を構成しており、それらの内周面31a,32aがスリーブ11の内周面となっている。また、第2筒状部材33がスリーブ11の外周部を構成しており、第1筒状部材31,32を保持するとともに自らがハウジング10の円筒部10aに固定されている。具体的には、第2筒状部材33は、ハウジング10の円筒部10aの内周側に形成された受け部10bに着座し、外周面が円筒部10aの内周面に嵌入されている。
【0024】
第1筒状部材31,32及び第2筒状部材33は、ともに、焼結含油金属からなり、多孔質体である。したがって、第1筒状部材31,32及び第2筒状部材33はオイルを内部に吸収しさらに外部に放出する機能を有している。一方、第1筒状部材31,32は第2筒状部材33に比べて金属密度が高くなっている。言い換えると、第1筒状部材31,32は第2筒状部材33に比べて開口率が低く、より緻密である。このことから、第1筒状部材31,32は第2筒状部材33に比べて含油率が低くなる。
【0025】
なお、この実施形態では、第1筒状部材31,32の密度は約7g/cm3であり、第2筒状部材33の密度は約5.5g/cm3である。この結果、第1筒状部材31,32の含油率は約15vol%であり、第2筒状部材33の含油率は約25vol%である。
(3)回転部材
回転部材3は、スリーブ11に対して動圧軸受4を介して回転自在に支持された部材であって、ロータ14と、ロータ14の内周側に位置し、動圧軸受4を介してスリーブ11に軸支されるシャフト15とを備えている。
【0026】
ロータ14は、静止部材2やステータ6の上方に近接して配置されている。ロータ14の筒状部14aの内周面には、接着等の手段によってロータマグネット7が固定されている。ロータマグネット7はステータ6に半径方向に微小間隙をもって対向している。そして、ステータ6に通電することにより、ステータ6とロータマグネット7との電磁相互作用により、回転部材3にトルクが作用する。
【0027】
ロータ14の筒状部14aの外周面には、複数のファン(羽根)16が取り付けられている。なお、ハウジング10は、複数本のアーム(不図示)によってファンモータ1を支持すると共に、ファン16の外周部を取り囲み空気流路10cを形成している。
シャフト15の軸線方向上側端部は、ロータ14の中心孔内に嵌合されている。なお、以上に述べた嵌合方法としては、圧入や接着などがある。シャフト15の本体部分は、スリーブ11の貫通孔30内に配置されている。このため、シャフト15の外周面15aと、スリーブ11の内周面(第1筒状部材31,32の内周面31a,32a)との間には、軸線方向にわたって微少間隙34が確保されている。この微少間隙34内には、スリーブ11から供給されるオイルが充填されている。
【0028】
(4)軸受機構
動圧軸受4は、回転部材3を静止部材2に対して、より具体的には、ロータ14及びシャフト15をスリーブ11に対して潤滑油を介して回転自在に支持するための流体動圧軸受である。動圧軸受4は、第1及び第2ラジアル軸受部21,22と、スラスト軸受部23とを有している。以下、図2を用いて、スリーブ11やシャフト15の構造に触れながら、各軸受部21〜23の構造を説明していく。
【0029】
▲1▼ラジアル軸受部
スリーブ11の内周面31a,32aは、シャフト15の外周面15aとの間に潤滑油が保持されるラジアル微小間隙を確保するように対向している。内周面31a,32aには、図3に示すように、潤滑油中に動圧を発生するための周方向に配列された複数本のヘリングボーン状動圧発生用溝25,26がそれぞれ形成されている。つまり、スリーブ11の内周面には動圧発生用溝25,26が軸線方向に並んで形成されている。このように、スリーブ11の内周面31a,32aと、シャフト15のの外周面15aと、その間の微少間隙34内の潤滑油とによって、第1及び第2ラジアル軸受部21,22が軸線方向に並んで構成されている。
【0030】
この第1及び第2ラジアル軸受部21,22において、スリーブ11は焼結含油金属から多孔質体であるため、スリーブ11に含浸されたオイルはポンピング作用によって微少空隙から出入りする。したがって、オイルは、スリーブ11内部の細孔内に保持されながらも、スリーブ11と微少間隙34との間で循環して微少間隙34内に潤滑油膜を形成し、動圧発生用溝25,26の作用によって動圧を発生させてシャフト15を支持する。
【0031】
▲2▼スラスト軸受部
ハウジング10の中央部の軸線方向上側面には円板状のスラスト受け部材38が配置されている。スラスト受け部材38は耐摩耗性・摺動性がよい樹脂材料から形成されている。シャフト15の先端面15bは球面状になっており、スラスト受け部材38に当接している。このように、ハウジング10のスラスト受け部材38とシャフト15の先端面15bとによって、スラスト軸受部23が形成されている。
【0032】
▲3▼シール機構
動圧軸受4は、さらに、シール機構40を有している。シール機構40は、スリーブ11の軸線方向上側に配置されており、スリーブ11及び微少間隙34内のオイルが外部に漏れ出るのを防止している。具体的には、シール機構40は、ロータ14の中心部においてシャフト15の周りに延びる筒状部14bと、ステータ6及び円筒部10aに固定されたプレート42とから構成されている。筒状部14a及びプレート42には半径方向に延びる環状の突起部が形成されており、プレート42の突起部は筒状部14aの突起部に対して軸線方向上側に配置されている。
【0033】
(5)動作
ステータ6に通電されると、ステータ6及びロータマグネット7の磁気回路部の作用によって、回転部材3がファン16とともに、第1及び第2ラジアル軸受部21,22及びスラスト軸受部22を介して支持された状態で、静止部材2に対して回転する。
【0034】
このとき、第1及び第2ラジアル軸受部21,22において、シャフト15の外周面15aとスリーブ11の内周面31a、32aとの微少間隙34内のオイルは、動圧発生用溝25,26の作用によってラジアル荷重支持圧を発生する。
以上の結果、ファン16が風を軸線方向片側に送り出す。
(6)スリーブの構造による効果
▲1▼別個の焼結含油金属製筒状部材を用いてスリーブを構成したことによる効果
この動圧軸受4(具体的には、第1及び第2ラジアル軸受部21,22)では、スリーブ11は焼結含油金属から構成され、動圧発生用溝25,26が形成される内周側に第1筒状部材31,32を用い、外周側に焼結含油金属からなる第2筒状部材33を用いた二重筒構造となっている。
【0035】
第1筒状部材31,32はスリーブ11全体からは小型であるため、所望の動圧発生に十分な動圧発生用溝25,26を形成することができる。第2筒状部材33は、溝の形成の問題を考慮する必要がないため、大型化できる。この結果、スリーブ11は、全体の密度が同じ焼結含油金属からなる従来のスリーブに比べて含油量を大きくできる。このため、スリーブ11内に余剰オイルを十分に含浸させることができ、動圧軸受4からのオイルの漏れが少なくなる。以上の結果、この動圧軸受4が採用されたファンモータ1が通常であればオイルが漏れやすい姿勢で他の機器に対して用いられたとしても、動圧軸受4からオイルの漏れが生じにくく、動圧軸受としての耐久性や信頼性が維持される。
【0036】
なお、スリーブ11の含油量を多くすることで動圧軸受4からのオイルの漏れを減らしているため、シール機構40の構造を簡素化できる。
▲2▼外周側の筒状部材の密度を内周側の筒状部材より低くしたことの効果
スリーブ11において、第2筒状部材33は第1筒状部材31,32より密度が低い。したがって、第2筒状部材33の含油量を大きくできる。このため、スリーブ11内に余剰オイルを十分に含浸させることができ、動圧軸受4からのオイルの漏れが少なくなる。
【0037】
▲3▼具体的な数値の限定による効果
動圧軸受4では、第1筒状部材31,32の密度は6.5〜7.5g/cm3の範囲にあり、第2筒状部材33の密度は5〜6g/cm3の範囲にあることが好ましい。第1筒状部材31,32の密度が6.5〜7.5g/cm3の範囲にある場合は、密度が十分に高いため、スリーブ11内に吸収される潤滑油の量が抑えられ(動圧の逃げが防止され)、所望の軸受剛性が得られる。また、第2筒状部材33の密度が5〜6g/cm3の範囲にある場合は、スリーブ11内に収容できるオイルの量が十分に確保される。
【0038】
なお、第1筒状部材31,32の開口率は2〜15%の範囲にあり、第2筒状部材33の開口率は15〜30%の範囲にあることが好ましい。
さらに第1筒状部材31,32の含油率は10〜15vol%の範囲にあり、第2筒状部材33の含油率は15〜30vol%の範囲にあることが好ましい。
(7)他の実施形態
本発明はかかる上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。
【0039】
図4に示すように、スリーブ11’において2個の第1筒状部材31,32同士は第2筒状部材33内で軸線方向に離れて配置されている。この場合は前記実施形態に比べてスリーブ11’の軸線方向寸法が大きくなっている。
第1筒状部材は1つであってもよい。
第1筒状部材の内周面に形成される動圧発生用溝はヘリングボーン状に限定されない。スパイラル状、直線状など他のものであってもよい。
【0040】
スラスト軸受部の構造は前記実施形態に限定されない。スラスト面の一方に動圧発生用溝が形成されているスラスト動圧軸受であってもよい。
【0041】
【発明の効果】
請求項1に記載の動圧軸受では、スリーブは焼結含油金属から構成され、動圧発生用溝が形成される内周側に焼結含油金属からなる第1筒状部材を用い、外周側に焼結含油金属からなる第2筒状部材を用いた二重筒構造となっている。第1筒状部材はスリーブ全体からは小型であるため、所望の動圧発生に十分な動圧発生用溝を形成することができる。第2筒状部材は溝の形成の問題を考慮する必要がないため、大型化できる。この結果、スリーブは、全体の密度が同じ焼結含油金属からなるスリーブに比べて、含油量を大きくできる。このため、スリーブ内に余剰オイルを十分に含浸させることができ、動圧軸受からのオイルの漏れが少なくなる。以上の結果、この動圧軸受をファンモータ用軸受装置として用いた場合に、ファンモータが通常であればオイルが漏れやすい姿勢で他の機器に対して用いられたとしても、動圧軸受からオイルの漏れが生じにくく、動圧軸受としての耐久性や信頼性が維持される。
【0042】
請求項2に記載の動圧軸受では、第2筒状部材は第1筒状部材より密度が低いため、含油量を大きくできる。このため、スリーブ内に余剰オイルを十分に含浸させることができ、動圧軸受からのオイルの漏れが少なくなる。
請求項3に記載の動圧軸受では、第1筒状部材の密度が6.5〜7.5g/cm3の範囲にあるため、動圧の逃げが防止され、所望の軸受剛性が得られる。また、第2筒状部材の密度が5〜6g/cm3の範囲にあるため、スリーブ内に収容できるオイルの量が十分に確保されている。
【0043】
請求項4に記載のファンモータでは、請求項1〜3のいずれかに記載の動圧軸受を採用しているため、ファンモータが通常であればオイルが漏れやすい姿勢で他の機器に対して用いられたとしても、動圧軸受からのオイル漏れが生じにくく、動圧軸受の耐久性や信頼性が維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るファンモータの縦断面概略図。
【図2】図1の部分拡大図であり、本発明に係る動圧軸受の縦断面概略図。
【図3】スリーブの縦断面図。
【図4】他の実施形態におけるスリーブの縦断面図。
【符号の説明】
1 ファンモータ
2 静止部材
3 回転部材
11 スリーブ
14 ロータ
15 シャフト
21 第1ラジアル軸受部
22 第2ラジアル軸受部
31,32 第1筒状部材
33 第2筒状部材
34 微少間隙

Claims (4)

  1. シャフトと、
    前記シャフトの周りに相対回転可能に配置され、前記シャフトの外周面との間に微少間隙を介して対向し動圧発生用溝が形成された内周面を有するスリーブとを備えた動圧軸受であって、
    前記シャフトの外周面と、前記スリーブの内周面と、前記微少間隙に充填されたオイルとによってラジアル動圧軸受部が構成され、
    前記スリーブは、前記内周面を構成する焼結含油金属からなる第1筒状部材と、前記第1筒状部材の外周側に配置された焼結含油金属からなる第2筒状部材とを有している、
    動圧軸受。
  2. 前記第2筒状部材は前記第1筒状部材より密度が低い、請求項1に記載の動圧軸受。
  3. 前記第1筒状部材の密度は6.5〜7.5g/cm3の範囲にあり、前記第2筒状部材の密度は5〜6g/cm3の範囲にある、請求項2に記載の動圧軸受。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の動圧軸受と、
    ステータと、
    前記ステータと協働して回転磁界を発生するためのロータマグネットと、
    前記ロータマグネットを含むファンと、
    を備えたファンモータ。
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