JP2017053398A - 流体動圧軸受装置及びこれを備えるモータ - Google Patents

流体動圧軸受装置及びこれを備えるモータ Download PDF

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Shinji Komatsubara
慎治 小松原
和慶 原田
Kazunori Harada
和慶 原田
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Abstract

【課題】所望の軸受性能を具備しつつ、軸方向にコンパクトな流体動圧軸受装置を実現可能とする。
【解決手段】回転側の軸受部材22をラジアル方向に支持するラジアル軸受部Rと、軸受部材22をスラスト一方向に支持するスラスト軸受部Tと、軸受部材22とシール部材9の対向二面22b,9b間に設けられた潤滑油11が介在する軸方向隙間10と、を備える流体動圧軸受装置1において、ラジアル軸受部Rのラジアル軸受隙間内の潤滑油11に動圧作用を発生させるための動圧溝Aaを、下端部が上端部よりも軸受部材22の回転方向後方側に配置された傾斜溝で構成すると共に、動圧溝Aaの上端部を軸方向隙間10に開口させた。
【選択図】図2

Description

本発明は、流体動圧軸受装置及びこれを備えるモータに関する。
周知のように、流体動圧軸受装置は、高速回転、高回転精度および低騒音等の特長を有することから、HDD等のディスク駆動装置に組み込まれるスピンドルモータ、PC等に組み込まれるファンモータ、あるいはレーザビームプリンタ(LBP)に組み込まれるポリゴンスキャナモータなどのモータ用軸受装置として好適に使用されている。
流体動圧軸受装置は、ラジアル軸受隙間に形成される油膜で回転側の部材をラジアル方向に支持するラジアル軸受部と、スラスト軸受隙間に形成される油膜で回転側の部材をスラスト方向に支持するスラスト軸受部とを備える。ラジアル軸受部のラジアル軸受隙間は、例えば、下記の特許文献1,2に開示されているように、軸部材と共に回転側を構成する軸受部材の外周面と、軸受部材を内周に収容した静止側のハウジングの内周面との間に形成される。一方、スラスト軸受部のスラスト軸受隙間は、軸受部材の一端面及び他端面の双方で形成される場合(特許文献1)や、軸受部材の一端面(特にハウジング底部側の端面)のみで形成される場合(特許文献2)などがある。
なお、特許文献2の流体動圧軸受装置では、軸受部材の他端面とこれに対向するシール部材の端面との間に空気を含む軸方向隙間(油面を保持した軸方向隙間)が設けられる。これは、軸受部材とシール部材の対向二面間に潤滑油で満たされたスラスト軸受隙間を形成する場合(特許文献1)に必要となる高精密な油面の調整・管理作業を不要とし、流体動圧軸受装置のコスト低減を図るためである。
特開2007−24089号公報 特開2014−1781号公報
近年、ウルトラブック(ULTRABOOK:登録商標)とも称される超薄型のノート型PCが普及しつつあること等に鑑み、各種モータ用の軸受装置として使用される流体動圧軸受装置に対する一層の薄型化の要請がある。流体動圧軸受装置を薄型化するための手段として、ハウジングやその内径側に配置された軸受部材の軸方向寸法を短縮することが考えられるが、この場合、ラジアル軸受部の軸受性能(ラジアル荷重の支持能力)が低下する。回転側の回転時にラジアル軸受部で支持すべき荷重が減少するのであれば、ラジアル軸受部の軸受性能が多少低下しても問題はない。しかしながら、ウルトラブック用のファンモータは、従来のファンモータと同等の冷却性能を確保すべく大型のファン(羽根)を採用する場合が多いため、流体動圧軸受装置のラジアル軸受部で支持すべき荷重(特にモーメント荷重)は、減少するというよりもむしろ増大する傾向にある。そのため、流体動圧軸受装置を軸方向にコンパクト化すべく、軸受部材の軸方向寸法を短縮した場合、所望の軸受性能を確保することができない。
以上の実情に鑑み、本発明の課題は、所望の軸受性能を具備しながら、軸方向にコンパクトな流体動圧軸受装置を実現可能とすることにある。
本発明者らは、軸受部材を含む回転側をスラスト一方向に支持するスラスト軸受部の軸受性能(荷重支持能力)を高めることができれば、軸受部材の軸方向寸法を短縮することでラジアル軸受部の軸受性能が多少低下した場合であっても、装置全体として必要とされる軸受性能を確保し得るとの着想に基づき、本発明を創案するに至った。
すなわち、上記の課題を解決するために創案された本願の第1発明は、軸方向両側に端面を有する回転側の軸受部材と、軸方向一方側が閉塞された有底筒状をなし、軸受部材を内周に収容した静止側のハウジングと、ハウジングの軸方向他方側の開口部をシールするシール部材と、軸受部材の外周面とハウジングの内周面との間のラジアル軸受隙間に形成される油膜で軸受部材をラジアル方向に支持するラジアル軸受部と、軸受部材の軸方向一方側の端面とハウジングの内底面との間のスラスト軸受隙間に形成される油膜で軸受部材をスラスト一方向に支持するスラスト軸受部と、軸受部材の軸方向他方側の端面とシール部材の軸方向一方側の端面との間に設けられた潤滑油が介在する軸方向隙間と、を備える流体動圧軸受装置において、ラジアル軸受隙間内の潤滑油に動圧作用を発生させるラジアル動圧発生部を有し、このラジアル動圧発生部は、周方向に離間して設けられた複数の動圧溝と、これを画成する凸状の丘部とからなり、ラジアル動圧発生部を構成する動圧溝は、軸方向一方側の端部が軸方向他方側の端部よりも軸受部材の回転方向後方側に配置された傾斜溝で構成されると共に、軸方向他方側の端部が上記軸方向隙間に開口していることを特徴とする。
ラジアル動圧発生部を構成する動圧溝(以下「ラジアル動圧溝」ともいう)を、上記態様で傾斜した傾斜溝とすれば、軸受部材の回転時には、ラジアル軸受隙間内の潤滑油が動圧溝に沿って軸方向他方側(軸方向隙間側)から軸方向一方側(スラスト軸受隙間側)に向けて積極的に流動する。この場合、ラジアル軸受隙間内の潤滑油をスラスト軸受隙間に積極的に供給することができるため、スラスト軸受部の軸受性能(スラスト荷重の支持能力)を高めることができる。また、ラジアル動圧溝の軸方向他方側の端部は、潤滑油が介在する軸方向隙間に開口しているので、ラジアル軸受隙間には、軸方向隙間内の潤滑油が円滑に流れ込む。そのため、ラジアル軸受隙間における油膜切れに起因したラジアル軸受部の軸受性能低下も防止することができる。そして、スラスト軸受部の軸受性能を高めることができれば、軸受部材の軸方向寸法を短縮することでラジアル軸受部の軸受性能が多少低下したとしても、その低下分をスラスト軸受部の軸受性能向上分で補うことができる。従って、軸受部材の軸方向寸法を短縮することで装置全体を軸方向にコンパクト化しつつも、所望の軸受性能を具備した流体動圧軸受装置を実現することができる。
ラジアル動圧溝の軸方向一方側の端部は、スラスト軸受隙間に開口させることができる。この場合、ラジアル軸受隙間からスラスト軸受隙間への潤滑油の供給力を高めることができるので、スラスト軸受部の軸受性能を効果的に高めることができる。
丘部は、ラジアル動圧溝の軸方向一方側の端部と、スラスト軸受隙間との間に介在する円環部を有するものとすることができる。このようにすれば、円環部と相手部材の対向二面間に円環状の油膜を形成することができるので、ラジアル軸受部の軸受性能を高めることができる。
上記構成の流体動圧軸受装置には、スラスト軸受隙間内の潤滑油に動圧作用を発生させるスラスト動圧発生部であって、周方向に離間して設けられた複数の動圧溝と、これを画成する丘部とからなるスラスト動圧発生部を設けることができる。この場合、スラスト動圧発生部を構成する動圧溝(スラスト動圧溝)は、スラスト軸受隙間の径方向に離間した複数箇所で油膜圧力のピーク部を形成可能な形状を有するものとするのが好ましい。例えば、スラスト動圧溝を、径方向に離間した二箇所で油膜圧力のピーク部を形成可能な形状に形成した場合、スラスト軸受隙間の外径側領域で所望のスラスト荷重の支持能力を確保しつつ、スラスト軸受隙間の内径側領域で負圧が発生するのを効果的に防止することができるので、スラスト軸受部の軸受性能を高めることができる。この場合、ラジアル軸受部の軸受性能低下分(特に、モーメント荷重の支持能力低下分)をスラスト軸受部の軸受性能向上分で一層効果的に補うことが可能となるので、軸受部材の軸方向寸法の短縮量を拡大して、軸受装置を一層コンパクト化することが可能なる。
また、上記課題を解決するために創案された本願の第2発明は、軸方向両側に端面を有する回転側の軸受部材と、軸方向一方側が閉塞された有底筒状をなし、軸受部材を内周に収容した静止側のハウジングと、ハウジングの軸方向他方側の開口部をシールするシール部材と、軸受部材の外周面とハウジングの内周面との間のラジアル軸受隙間に形成される油膜で軸受部材をラジアル方向に支持するラジアル軸受部と、軸受部材の軸方向一方側の端面とハウジングの内底面との間のスラスト軸受隙間に形成される油膜で軸受部材をスラスト一方向に支持するスラスト軸受部と、軸受部材の軸方向他方側の端面とシール部材の軸方向一方側の端面との間に設けられた潤滑油が介在する軸方向隙間と、を備える流体動圧軸受装置において、スラスト軸受隙間内の潤滑油に動圧作用を発生させるスラスト動圧発生部を有し、このスラスト動圧発生部は、周方向に離間して設けられた複数の動圧溝と、これを画成する凸状の丘部とからなり、スラスト動圧発生部を構成する動圧溝は、径方向に離間した複数箇所に油膜圧力のピーク部を形成可能な形状を有することを特徴とする。
このような構成によれば、前述したように、スラスト軸受隙間内で負圧が発生するのを効果的に防止して、スラスト軸受部の軸受性能を高めることができる。そして、スラスト軸受部の軸受性能を高めることができれば、ラジアル軸受部の軸受性能低下分をスラスト軸受部で補うことができるので、軸受部材の軸方向寸法を短縮することでラジアル軸受部の軸受性能が多少低下したとしても、その低下分をスラスト軸受部の軸受性能向上分で補うことができる。従って、軸受部材の軸方向寸法短縮を通じて装置全体を軸方向にコンパクト化しつつも、所望の軸受性能を具備した流体動圧軸受装置を実現することができる。
上記の各構成において、軸受部材を多孔質体で形成すれば、軸受部材の内部気孔と軸受隙間との間で潤滑油を行き来させることができる。そのため、特にスラスト軸受隙間で油膜の圧力が過剰に高まり、その結果、スラスト方向で軸受部材の支持精度が不安定化するのを可及的に防止することができる。
上記構成において、軸方向隙間は、空気を含むもの(潤滑油の油面を保持したもの)とすることができる。この場合、軸方向隙間は、いわゆるスラスト軸受隙間としては機能しないため、軸受部材に、軸受部材を軸方向一方側に押し付ける外力を作用させることにより、軸受部材をスラスト他方向に支持するのが好ましい。このようにすれば、軸受部材をスラスト両方向に支持することが可能となるため、スラスト方向における軸受部材の支持精度を高めることができる。なお、上記外力は、例えば磁力で与えることができる。この磁力は、例えば、モータの静止側に設けられるステータコイルと、モータの回転側に設けられるロータマグネットとを軸方向にずらして配置することによって与えることができる。流体動圧軸受装置が組み込まれる各種モータは、通常、ロータマグネットとステータコイルとを必須の構成部材として備える。従って、上記外力を特段のコスト増を招くことなく安価に付与することができる。
以上で示した本発明に係る流体動圧軸受装置と、ステータコイルと、ロータマグネットとを備えるモータは、本発明に係る流体動圧軸受装置が以上で述べたような特徴を有することから、高い軸受性能を必要とするモータ、例えばPC用のファンモータや、ディスク駆動装置用のスピンドルモータなどとして好適に使用することができる。
以上より、本発明によれば、所望の軸受性能を具備しながら、軸方向にコンパクトな流体動圧軸受装置を実現することができる。
ファンモータの一構成例を概念的に示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る流体動圧軸受装置を示す断面図である。 図2に示す軸受部材の下端面を示す平面図である。 図2に示す流体動圧軸受装置のスラスト軸受隙間における圧力分布を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る流体動圧軸受装置を示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係る流体動圧軸受装置を示す断面図である。 (a)図は、従来のスラスト動圧発生部の一例を示す平面図、(b)図は、(a)図に示すスラスト動圧発生部を採用した場合のスラスト軸受隙間における圧力分布を説明するための図、(c)図は、従来のスラスト動圧発生部の他例を示す平面図、(d)図は、(c)図に示すスラスト動圧発生部を採用した場合のスラスト軸受隙間における圧力分布を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に、本発明の一実施形態に係る流体動圧軸受装置1が組み込まれたファンモータの構成例を概念的に示す。同図に示すファンモータは、流体動圧軸受装置1と、モータの静止側を構成するモータベース6と、モータベース6に固定されたステータコイル5と、モータの回転側を構成し、ファン(羽根)を有するロータ3と、ロータ3に固定され、ステータコイル5と半径方向のギャップを介して対向するロータマグネット4とを備える。流体動圧軸受装置1のハウジング7は、モータベース6の内周に固定され、ロータ3は、流体動圧軸受装置1の軸部材21に固定されている。このように構成されたファンモータにおいて、ステータコイル5に通電すると、ステータコイル5とロータマグネット4との間の電磁力でロータマグネット4が回転し、これに伴って軸部材21、ロータ3及びロータ3に固定されたロータマグネット4等を備えた回転体2が回転する。
回転体2が回転すると、ロータ3に設けられた羽根の形態に応じて図中上向き又は下向きに風が送られる。このため、回転体2の回転中にはこの送風作用の反力として、回転体2に図中下向き又は上向きの推力が作用する。ステータコイル5とロータマグネット4との間には、この推力を打ち消す方向の磁力(斥力)を作用させており、上記推力と磁力の大きさの差により生じたスラスト荷重が流体動圧軸受装置1のスラスト軸受部Tで支持される。上記推力を打ち消す方向の磁力は、例えば、ステータコイル5とロータマグネット4とを軸方向にずらして配置することにより発生させることができる(詳細な図示は省略)。また、回転体2の回転時には、流体動圧軸受装置1の軸部材21及び軸受部材22にラジアル荷重が作用する。このラジアル荷重は、流体動圧軸受装置1のラジアル軸受部Rで支持される。
図2に、本発明の第1実施形態に係る流体動圧軸受装置1を示す。この流体動圧軸受装置1は、回転側(回転体2)を構成する軸部材21及びその外周に固定された軸受部材22と、軸受部材22及び軸部材21を内周に収容した静止側のハウジング7と、シール部材9とを主要な構成部材として備えている。ハウジング7の内部空間には潤滑油11(密な散点ハッチングで示す)が充填されており、図2に示す状態では、少なくともラジアル軸受部Rのラジアル軸受隙間及びスラスト軸受部Tのスラスト軸受隙間が潤滑油11で満たされている。なお、以下では、説明の便宜上、シール部材9が配置された側を上側、その軸方向反対側を下側とするが、流体動圧軸受装置1の使用態様を限定するものではない。
ハウジング7は、円筒状の筒部7aと、筒部7aの下端開口を閉塞する底部7bとを有する有底筒状をなし、ここでは筒部7aと底部7bが金属又は樹脂で一体に形成されている。筒部7aの内周面は、段部を介して大径内周面7a1と小径内周面7a2とに区画され、大径内周面7a1にはシール部材9が固定される。小径内周面7a2は、軸部材21に固定された軸受部材22の外周面22aとの間にラジアル軸受隙間を形成する円筒状領域を有し、該円筒状領域は凹凸のない平滑面に形成されている。また、底部7bの内底面7b1は、軸受部材22の下端面22cとの間にスラスト軸受隙間を形成する円環状領域を有し、該円環状領域は凹凸のない平滑面に形成されている。
シール部材9は円環状に形成され、ハウジング7の大径内周面7a1に適宜の手段で固定される。シール部材9の内周面9aと、これに対向する軸部材21の外周面21aとの間にはハウジング7の上端開口部をシールするシール隙間(ラビリンスシール)Sが形成され、軸受部材22の上側は、シール隙間Sを介して大気に開放されている。図示は省略するが、シール隙間Sを介しての潤滑油漏れを防止するため、シール隙間Sに隣接して大気に接した軸部材21の外周面21aやシール部材9の上端面に撥油膜を形成しても良い。
軸部材21は、ステンレス鋼等の金属材料で形成され、その外周面21aは平滑な円筒面に形成されている。軸部材21の上端部に、羽根を有するロータ3が固定されている。
軸受部材22は、多孔質体、ここでは銅または鉄を主成分とする焼結金属の多孔質体で円筒状に形成される。軸受部材22は、焼結金属以外の多孔質体、例えば多孔質樹脂で形成することも可能である。この軸受部材22は、その下端面22cが軸部材21の下端面21bよりも軸方向外側(下側)に位置するようにして、軸部21の外周面21aに適宜の手段で固定されている。
軸受部材22の上端面22bと、これに対向するシール部材9の下端面9bとの間には潤滑油11が介在する軸方向隙間(環状空間)10が設けられる。流体動圧軸受装置1が図2に示す姿勢で配置された状態では、少なくともラジアル軸受部Rのラジアル軸受隙間及びスラスト軸受部Tのスラスト軸受隙間が潤滑油11で満たされ、ハウジング7の内部空間に充填した潤滑油11の油面が軸方向隙間10の範囲内に保持される。従って、ハウジング7の内部空間に充填される潤滑油11の量(体積)は、ハウジング7の内部空間の容積よりも少なくなっており、軸方向隙間10は空気を含んでいる。
軸受部材22を含む回転体2は、軸受部材22の両端面22b,22c(軸方向隙間10とスラスト軸受部Tのスラスト軸受隙間)を連通させる連通路8を一又は複数備えている。ここでは、図3にも示すように、軸受部材22の内周面22dに形成した軸方向溝22d1と、平滑な円筒面状をなす軸部材21の外周面21aとで連通路8を形成している。もちろん、軸部材21の外周面21aに軸方向溝を設けることで連通路8を形成することもできる。
軸受部材22の外周面(円筒状外周面)22aには、対向するハウジング7の小径内周面7a2との間にラジアル軸受部Rのラジアル軸受隙間を形成するラジアル軸受面が設けられる。ラジアル軸受面には、ラジアル軸受隙間内の潤滑油11に動圧作用を発生させるためのラジアル動圧発生部Aが形成されている。ラジアル動圧発生部Aは、周方向に離間して設けられた複数の動圧溝Aaと、動圧溝Aaを画成する凸状の丘部Abとからなり、各動圧溝Aaは、その下端部がその上端部よりも軸受部材22の回転方向後方側に配置された傾斜溝で構成されている。また、各動圧溝Aaは、その上端部が軸受部材22の上端外周チャンファ22e(で形成される環状空間)を介して軸方向隙間10に開口すると共に、その下端部が軸受部材22の下端外周チャンファ22f(で形成される環状空間)を介してスラスト軸受部Tのスラスト軸受隙間に開口している。そのため、本実施形態において、丘部Abは、周方向で隣り合う動圧溝Aa,Aa間に介在する傾斜部Ab1のみで構成されている。
図3に示すように、軸受部材22の下端面22cには、対向するハウジング7の内底面7b1との間にスラスト軸受部Tのスラスト軸受隙間を形成するスラスト軸受面が設けられる。このスラスト軸受面には、回転体2が回転するのに伴って、スラスト軸受隙間内の潤滑油11に動圧作用を発生させるためのスラスト動圧発生部Bが形成されている。スラスト動圧発生部Bは、周方向に離間して配置された複数の動圧溝Baと、動圧溝Baを画成する凸状の丘部とからなる。各動圧溝Baは、スラスト軸受隙間の径方向に離間した複数箇所に油膜圧力のピーク部を形成可能な形状、すなわち、径方向に離間した複数箇所においてスラスト軸受隙間に形成される油膜圧力を高めることができる形状を有する。本実施形態の動圧溝Baは、図4に示すように、径方向に離間した2箇所に油膜圧力のピーク部Pを形成可能な形状を有する。具体的には、軸受部材22の回転方向前方側を開口させた略V字状の溝を径方向に2つ連ねて設けた略M字(W字)状の溝で各動圧溝Baが構成されている。なお、本実施形態では、各動圧溝Baの外径端部および内径端部が、下端面22cの外径端部および内径端部とそれぞれ一致しているため、軸受部材22の下端面22c全域がスラスト軸受面として機能する。
ラジアル動圧発生部A(動圧溝Aa)およびスラスト動圧発生部B(動圧溝Ba)は、最終的に軸受部材22となる金属粉末の圧粉体を成形するのと同時に型成形することもできるし、圧粉体を焼結してなる焼結体にサイジング(寸法矯正)を施すのと同時に型成形することもできる。また、焼結金属の良好な加工性に鑑み、凹凸のない焼結体に転造加工や機械加工等を施すことで形成することもできる。
以上の構成を具備する流体動圧軸受装置1は、例えば、軸部材21及びその外周に固定した軸受部材22をハウジング7の内周に挿入し、ハウジング7の大径内周面7a1にシール部材9を固定した後、マイクロピペット等の給油具を用いてシール隙間Sを介してハウジング7の内部空間に潤滑油11を充填(注油)することにより完成する。
以上の構成からなる流体動圧軸受装置1において、軸部材21及び軸受部材22を含む回転体2が回転(図3において反時計回りに回転)すると、軸受部材22の外周面22aに設けたラジアル軸受面とこれに対向するハウジング7の小径内周面7a2との間にラジアル軸受隙間が形成される。そして回転体2の回転に伴い、ラジアル軸受隙間に形成される油膜圧力がラジアル動圧発生部Aの動圧作用によって高められ、回転体2をラジアル方向に非接触支持するラジアル軸受部Rが形成される。これと同時に、軸受部材22の下端面22cに設けたスラスト軸受面とこれに対向するハウジング7の内底面7b1との間にスラスト軸受隙間が形成される。そして、回転体2の回転に伴い、スラスト軸受隙間の油膜圧力がスラスト動圧発生部Bの動圧作用によって高められ、回転体2をスラスト一方向に非接触支持(上方に浮上支持)するスラスト軸受部Tが形成される。なお、上述したように、回転体2には、これを下側に押し付けるための外力(磁力)を作用させている。これにより、回転体2がスラスト他方向にも非接触支持されるので、回転体2の過浮上を効果的に防止することができる。
以上で説明したように、本実施形態の流体動圧軸受装置1においては、ラジアル動圧発生部Aを構成する動圧溝Aaが、上記態様で傾斜した傾斜溝で構成される。このようにすれば、軸受部材22を含む回転体2の回転時には、ラジアル軸受隙間内の潤滑油11が動圧溝Aaに沿って上側(軸方向隙間10側)から下側(スラスト軸受隙間側)に向けて積極的に流動する。この場合、潤滑油11をスラスト軸受隙間に積極的に供給することができるため、スラスト軸受部Tの軸受性能を高めることができる。特に、本実施形態では、動圧溝Aaの下端部がスラスト軸受隙間に開口しているため、ラジアル軸受隙間からスラスト軸受隙間への潤滑油11の供給力を高めることができる。従って、スラスト軸受部Tの軸受性能を一層高めることができる。
また、動圧溝Aaの上端部は、潤滑油が介在する軸方向隙間10に開口しているので、ラジアル軸受隙間には、軸方向隙間10内の潤滑油11が円滑に流れ込む。そのため、ラジアル軸受隙間における油膜切れに起因したラジアル軸受部Rの軸受性能低下も防止することができる。
そして、スラスト軸受部Tの軸受性能を高めることができれば、軸受部材22の軸方向寸法を短縮することでラジアル軸受部Rの軸受性能(特に、モーメント荷重の支持能力)が多少低下したとしても、その低下分をスラスト軸受部Tの軸受性能向上分で補うことができる。従って、所望の軸受性能を具備しつつ、軸受部材22の軸方向寸法短縮を通じて装置全体が軸方向にコンパクト化された流体動圧軸受装置1を実現することができる。
特に、本実施形態では、スラスト動圧発生部Bを構成する動圧溝Baを、径方向に離間した2箇所で油膜圧力のピーク部Pを形成可能な形状、すなわち、径方向に離間した2箇所においてスラスト軸受隙間に形成される油膜圧力を高めることができる形状に形成している。このようにすれば、スラスト軸受隙間の外径側領域で所望のスラスト荷重の支持能力を確保しつつ、スラスト軸受隙間の内径側領域で負圧が発生するのを効果的に防止することができる(図4参照)。
因みに、本実施形態で採用したスラスト動圧発生部B(動圧溝Ba)とは異なり、例えば、図7(a)に示すようなスラスト動圧発生部(ヘリングボーン形状の丘部101が形成されるように複数の動圧溝100を配列してなるもの)を採用した場合には、図7(b)に示すように、スラスト軸受隙間の内径側領域で負圧が発生し易くなる。また、図7(c)に示すようなスラスト動圧発生部(スパイラル形状の動圧溝110を周方向に沿って所定間隔で複数配置してなるもの)を採用した場合も、図7(d)に示すように、スラスト軸受隙間の内径側領域で負圧が発生し易くなる。従って、上記のようなスラスト動圧発生部Bを採用すれば、スラスト軸受部Tの軸受性能を一層高めることができる。この場合、ラジアル軸受部Rの軸受性能低下分をスラスト軸受部Tで一層効果的に補うことができるので、軸受部材22の軸方向寸法の短縮量を拡大して、一層コンパクトな流体動圧軸受装置1を実現することが可能なる。
また、上述したように、回転体2の回転時には、ラジアル軸受隙間内の潤滑油11が積極的に下方に流動する。これにより、回転体2の回転時、ラジアル軸受隙間内の潤滑油11は、スラスト軸受部Tのスラスト軸受隙間→連通路8→軸方向隙間10という経路を循環して、ラジアル軸受部Rのラジアル軸受隙間に再度流れ込む。このような構成とすれば、ハウジング7の内部空間での圧力バランスの崩れに起因した負圧発生が可及的に防止されると共に、ラジアル軸受部Rのラジアル軸受隙間及びスラスト軸受部Tのスラスト軸受隙間における油膜切れを防止することができるので、軸受性能の安定化を図ることができる。
また、本実施形態では、軸受部材22を焼結金属の多孔質体で形成しているので、軸受部材22の内部気孔とラジアル軸受隙間およびスラスト軸受隙間との間で潤滑油11を行き来させることができる。そのため、特にスラスト軸受隙間に形成される油膜の圧力が過剰に高まり、その結果、スラスト方向で軸受部材22の支持精度が不安定化するのを可及的に防止することができる。
以下、図5および図6を参照しながら、本発明の第2および第3実施形態に係る流体動圧軸受装置を説明するが、以上で説明した流体動圧軸受装置1に準ずる構成には共通の参照番号を付し、重複説明を省略する。
図5に、本発明の第2実施形態に係る流体動圧軸受装置1を示す。同図に示す流体動圧軸受装置1と、図2等に示す第1実施形態に係る流体動圧軸受装置1との相違点は、軸受部材22の外周面22aに設けたラジアル動圧発生部Aの形状のみであり、軸受部材22の下端面22cには、図3に示すようなスラスト動圧発生部Bが形成されている。
相違点を詳細に説明すると、本実施形態のラジアル動圧発生部Aは、傾斜溝からなる動圧溝Aaを画成する凸状の丘部Abが、周方向で隣り合う動圧溝Aa,Aa間に介在する傾斜部Ab1と、動圧溝Aaの下端部とスラスト軸受隙間との間に介在する円環部Ab2とからなる。このようにすれば、回転体2の回転時には、円環部Ab2とハウジング7の対向二面間に円環状の油膜を形成することができるので、ラジアル軸受部Rの軸受性能を高めることができる。なお、この場合、回転体2の回転時に動圧溝Aaに沿って下方に流動する潤滑油は、円環部Ab2を乗り越えてスラスト軸受隙間に流れ込む。
図6に、本発明の第3実施形態に係る流体動圧軸受装置1を示す。同図に示す流体動圧軸受装置1と、図2等に示す第1実施形態に係る流体動圧軸受装置1との相違点は、ラジアル軸受部Rを上下二箇所に離間して設けた点(ラジアル動圧発生部Aを軸受部材22の外周面22aの上下二箇所に離間して設けた点)、および、ラジアル動圧発生部Aの形状、の二点である。従って、軸受部材22の下端面22cには、図3に示すようなスラスト動圧発生部Bが形成されている。
本実施形態において、軸受部材22の外周面22aの上下二箇所に離間して設けたラジアル動圧発生部A,Aは、何れも、複数の動圧溝Aaを、ヘリングボーン形状の丘部Abが形成されるように配列している。すなわち、丘部Abは、円環部Ab2と、円環部Ab2の上下両側に設けられた複数の傾斜部Ab1とからなり、また、上側の傾斜部Ab1(動圧溝Aa)と下側の傾斜部Ab1(動圧溝Aa)は互いに反対方向に傾斜している。但し、上側のラジアル動圧発生部Aにおいては、円環部Ab2の上側に設けられた動圧溝Aaの軸方向寸法が、円環部Ab2の下側に設けられた動圧溝Aaの軸方向寸法よりも大きくなっているのに対し、下側のラジアル動圧発生部Aにおいては、円環部Ab2の上側に設けられた動圧溝Aaと円環部Ab2の下側に設けられた動圧溝Aaの軸方向寸法が互いに等しく、かつ上側のラジアル動圧発生部Aを構成する下側の動圧溝Aaの軸方向寸法と等しくなっている。
この場合、回転体2の回転時、ラジアル軸受隙間内の潤滑油11には、図2および図5に示す流体動圧軸受装置1と同様に、下方側への流動力が付与されるものの、下方側への流動力は相対的に小さくなる。そのため、ラジアル軸受隙間内の潤滑油11が積極的にスラスト軸受隙間に供給されることにより享受されるスラスト軸受部Tの軸受性能向上効果は、図2および図5に示す流体動圧軸受装置1に比べて小さくなる。しかしながら、ラジアル軸受部Rを軸方向の二箇所に離間して設けたことにより、特にモーメント荷重の支持能力は、図2および図5に示す流体動圧軸受装置1に比べて高くなる。また、スラスト動圧発生部Bとして、図3に示すような形状のものを採用したことにより、スラスト軸受部Tの軸受性能は従来よりも向上している。従って、装置全体としての軸受性能は十分に高められていることから、軸受部材22の軸方向寸法を短縮しても、必要とされる軸受性能を確保することができる。
以上、本発明の実施形態に係る流体動圧軸受装置1について説明を行ったが、流体動圧軸受装置1の各部には、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことができる。
例えば、以上で説明した各実施形態では、スラスト動圧発生部Bを構成する動圧溝Baとして、スラスト軸受隙間の径方向に離間した複数箇所(二箇所)に油膜圧力のピーク部Pを形成可能な形状を有するものを採用したが、特に図2および図5に示す流体動圧軸受装置1においては、例えば、上記のように、潤滑油11がハウジング7の内部空間を流動循環可能な構造を採用することによってスラスト軸受隙間内で負圧が発生するのを可及的に防止することができるのであれば、スラスト動圧発生部Bを、図7(a)や図7(c)に示すような形状とすることも可能である。
また、以上で説明した各実施形態では、多孔質体からなる軸受部材22の良好な加工性に鑑み、軸受部材22の外周面22aにラジアル動圧発生部Aを形成したが、ラジアル動圧発生部Aは、対向するハウジング7の内周面7a2に形成しても良い(図示省略)。同様に、スラスト動圧発生部Bは、軸受部材22の下端面22cではなく、これに対向するハウジング7の内底面7b1に形成しても良い(図示省略)。
また、以上で説明した各実施形態では、筒部7aとその下端開口を閉塞する底部7bとを一体に設けたハウジング7を使用し、ハウジング7の上端開口をシールするシール隙間Sを、ハウジング7の筒部7aの内周面に固定したシール部材9の内周面9aで形成するようにしたが、筒部7aとその下端開口を閉塞する底部7bとが別体に設けられたハウジング7を使用しても構わない。この場合、シール隙間Sを形成するシール部材は、ハウジング7の筒部7aと一体に設けることができる(図示省略)。
また、以上で説明した実施形態では、ハウジング7をモータベース6の内周に固定しているが、モータベース6に相当する部位を一体に有するハウジング7を採用することもできる(図示省略)。
また、以上で説明した各実施形態では、ロータマグネット4とステータコイル5とを軸方向にずらして配置することにより、回転体2を下方に押し付けるための外力(磁力)を作用させるようにしたが、このような外力を回転体2に作用させるための手段は上記のものに限られない。例えば、磁性部材をロータマグネット4と軸方向に対向配置することにより、上記磁力を回転体2(ロータ3)に作用させることもできる(図示省略)。また、送風作用の反力としての推力が十分に大きく、この推力のみで回転体2を下方に押し付けることができる場合、磁力の付与は省略しても構わない。
また、以上で説明した各実施形態では、軸方向隙間10の範囲内で潤滑油11の油面を保持するようにしたが、軸方向隙間10の範囲内ではなく、シール隙間Sの範囲内で潤滑油11の油面が保持される流体動圧軸受装置、すなわち、軸方向隙間10を、回転体2をスラスト他方向に支持するためのスラスト軸受部のスラスト軸受隙間として活用し得る流体動圧軸受装置にも本発明を適用することができる。
また、以上では、羽根を有するロータ3が軸部材21に固定される流体動圧軸受装置1に本発明を適用した場合について説明を行ったが、本発明は、羽根を有するロータ3に替えて、ディスク搭載面を有するディスクハブ、あるいはポリゴンミラーが軸部材21に固定される流体動圧軸受装置1にも好ましく適用することができる。要するに、本発明は、図1に示すようなファンモータのみならず、ディスク駆動装置用のスピンドルモータや、レーザビームプリンタ(LBP)用のポリゴンスキャナモータ等、その他の電気機器用モータに組み込まれる流体動圧軸受装置1にも好ましく適用することができる。
1 流体動圧軸受装置
2 回転体
7 ハウジング
9 シール部材
10 軸方向隙間
11 潤滑油
22 軸受部材
22b 上端面(軸方向他方側の端面)
22c 下端面(軸方向一方側の端面)
A ラジアル動圧発生部
Aa 動圧溝
Ab 丘部
Ab1 傾斜部
Ab2 円環部
B スラスト動圧発生部
Ba 動圧溝
Bb 丘部
P ピーク部
S シール隙間
R ラジアル軸受部
T スラスト軸受部

Claims (8)

  1. 軸方向両側に端面を有する回転側の軸受部材と、軸方向一方側が閉塞された有底筒状をなし、前記軸受部材を内周に収容した静止側のハウジングと、前記ハウジングの軸方向他方側の開口部をシールするシール部材と、前記軸受部材の外周面と前記ハウジングの内周面との間のラジアル軸受隙間に形成される油膜で前記軸受部材をラジアル方向に支持するラジアル軸受部と、前記軸受部材の軸方向一方側の端面と前記ハウジングの内底面との間のスラスト軸受隙間に形成される油膜で前記軸受部材をスラスト一方向に支持するスラスト軸受部と、前記軸受部材の軸方向他方側の端面と前記シール部材の軸方向一方側の端面との間に設けられた潤滑油が介在する軸方向隙間と、を備える流体動圧軸受装置において、
    前記ラジアル軸受隙間内の潤滑油に動圧作用を発生させるラジアル動圧発生部を有し、このラジアル動圧発生部は、周方向に離間して設けられた複数の動圧溝と、これを画成する凸状の丘部とからなり、
    前記ラジアル動圧発生部を構成する動圧溝は、軸方向一方側の端部が軸方向他方側の端部よりも前記軸受部材の回転方向後方側に配置された傾斜溝で構成されると共に、軸方向他方側の端部が前記軸方向隙間に開口していることを特徴とする流体動圧軸受装置。
  2. 前記動圧溝の軸方向一方側の端部が、前記スラスト軸受隙間に開口している請求項1に記載の流体動圧軸受装置。
  3. 前記丘部は、前記動圧溝の軸方向一方側の端部と、前記スラスト軸受隙間との間に介在する円環部を有する請求項1に記載の流体動圧軸受装置。
  4. 前記スラスト軸受隙間内の潤滑油に動圧作用を発生させるスラスト動圧発生部をさらに有し、このスラスト動圧発生部は、周方向に離間して設けられた複数の動圧溝と、これを画成する凸状の丘部とからなり、
    前記スラスト動圧発生部を構成する動圧溝は、径方向に離間した複数箇所に油膜圧力のピーク部を形成可能な形状を有する請求項1〜3の何れか一項に記載の流体動圧軸受装置。
  5. 軸方向両側に端面を有する回転側の軸受部材と、軸方向一方側が閉塞された有底筒状をなし、前記軸受部材を内周に収容した静止側のハウジングと、前記ハウジングの軸方向他方側の開口部をシールするシール部材と、前記軸受部材の外周面と前記ハウジングの内周面との間のラジアル軸受隙間に形成される油膜で前記軸受部材をラジアル方向に支持するラジアル軸受部と、前記軸受部材の軸方向一方側の端面と前記ハウジングの内底面との間のスラスト軸受隙間に形成される油膜で前記軸受部材をスラスト一方向に支持するスラスト軸受部と、前記軸受部材の軸方向他方側の端面と前記シール部材の軸方向一方側の端面との間に設けられた潤滑油が介在する軸方向隙間と、を備える流体動圧軸受装置において、
    前記スラスト軸受隙間内の潤滑油に動圧作用を発生させるスラスト動圧発生部を有し、このスラスト動圧発生部は、周方向に離間して設けられた複数の動圧溝と、これを画成する凸状の丘部とからなり、前記スラスト動圧発生部を構成する動圧溝は、径方向に離間した複数箇所に油膜圧力のピーク部を形成可能な形状を有することを特徴とする流体動圧軸受装置。
  6. 前記軸受部材が多孔質体からなる請求項1〜5の何れか一項に記載の流体動圧軸受装置。
  7. 前記軸方向隙間は、潤滑油の油面を保持しており、
    前記軸受部材に、前記軸受部材を軸方向一方側に押し付ける外力が作用することにより、前記軸受部材がスラスト他方向に支持される請求項1〜6の何れか一項に記載の流体動圧軸受装置。
  8. 請求項1〜7の何れか一項に記載の流体動圧軸受装置と、ステータコイルと、ロータマグネットとを備えるモータ。
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