JP3927860B2 - ポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷却水などの液体を圧送するポンプに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
液体を循環させるポンプには、その循環液の循環流路上に配置されたハウジング内に、回転軸とこれに取り付けられたインペラ(回転翼)とを備えた回転体を配置し、この回転体を電動モータ等により回転させることでハウジング内から上記循環流路内へ循環液を流すものがある。
ところで、上記のようなポンプでは、その回転体の回転軸を支持する軸受をハウジング内で液中に没した状態で使用する必要がある。このような軸受には、従来、転がり軸受やすべり軸受が用いられているが、それらの軸受構成部材に、上記循環液が水を含む場合には当該液による腐食が生じることがあり、軸受寿命、ひいてはポンプ寿命が短くなることがあった。また、セラミックス材料を用いて軸受構成部材を形成した軸受を使用することも提案されているが、上記水を含む循環液に対する耐食性や液中使用での耐摩耗性や摺動特性が十分でなく、ポンプ寿命を向上することは難しいものであった。
【0003】
上記のような従来の問題点に鑑み、本発明は、回転体を支持する軸受の耐食性や耐摩耗性などを向上することができ、よって長寿命化を図ることができるポンプを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明のポンプは、水を含んだ液体を圧送する回転体と、前記液体を潤滑流体として前記回転体を回転自在に支持する動圧軸受とを備えたポンプであって、
前記動圧軸受の少なくとも軸受面を、ニッケル、窒化ホウ素、及び黒鉛を含むとともに、40〜60重量%の前記ニッケルと、60〜40重量%の前記窒化ホウ素及び前記黒鉛の混合物と、を焼結してなり、気孔率が10%以下である焼結材により構成したことを特徴とするものである(請求項1)。
【0005】
上記のように構成されたポンプでは、上記動圧軸受の少なくとも軸受面を構成する焼結材として、ニッケル、窒化ホウ素、及び黒鉛を含有させることにより、本発明の発明者等は当該軸受の耐食性、及び回転開始時などでの回転体に対する耐摩耗性や摺動特性を向上することができることを見出した。さらに、本発明の発明者等は上記焼結材の気孔率を10%以下とすることにより、動圧軸受と回転体との間で発生させる動圧に圧力抜けが生じるのを確実に防ぐことができることを見出した。
【0006】
そして、上記ポンプにおいて、前記焼結材が、40〜60重量%の前記ニッケルと、60〜40重量%の前記窒化ホウ素及び前記黒鉛の混合物と、を焼結してなるものとされている
ッケルの含有割合を上記範囲内の値とすることにより、上記動圧軸受の耐食性を効果的に向上することができるとともに、窒化ホウ素及び黒鉛を残りの含有割合で含ませることにより、当該軸受の強度(耐摩耗性)及び潤滑性(摺動特性)を確実に向上することができる。
【0007】
また、上記ポンプ(請求項1)において、前記動圧軸受と同軸上で前記回転体を回転支持するタッチダウン軸受を備えてもよい(請求項)。
この場合、ポンプ起動または停止時に、上記タッチダウン軸受が回転体を支持することにより、上記動圧軸受の回転体との接触を防ぐことができる。
さらに、本発明の動圧軸受の製造方法は、40〜60重量%のニッケルと、60〜40重量%の窒化ホウ素及び黒鉛の混合物と、を焼結処理し、この焼結処理の後にサイジング処理を実施することにより10%以下の気孔率とすることを特徴とするものである(請求項3)。
この製造方法によれば、耐食性、強度(耐摩耗性)及び潤滑性(摺動特性)の向上した動圧軸受を得ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のポンプの好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、以下の説明では、水を含む液体として、水とエチレングリコールとの混合液からなる冷却水(不凍液)を流路内で循環させる軸流式のポンプを構成した場合を例示して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るポンプの構成を示す断面図である。図において、本実施形態のポンプ1は、筒状のハウジング2と、このハウジング2の吸入口2a側から吐出口2b側に上記冷却水を圧送する回転体3とを備えている。ハウジング2は上記流路の途中に配置されたものであり、その吸入口2a及び吐出口2bが流路を構成する配管(図示せず)に接続されている。
【0009】
上記回転体3は、軸長の回転軸4と、この回転軸4の一端部側の外周面4aに一体回転可能に取り付けられたインペラ5とを備えており、上記回転軸4が電動モータ7により図のR方向に回転駆動されたときに、回転体3は上記吸入口2aから冷却水をハウジング2内に導入し、その冷却水を図の矢印Fにて示すようにハウジング2内を流して、上記吐出口2bから冷却水を送り出す。
上記回転軸4及びインペラ5は、冷却水に対する耐食性に優れた金属、例えばステンレス鋼により構成されたものであり、回転体3として必要な強度を有している。また、回転軸4の一端部側の先端部には球状部4bが形成されており、この球状部4bがハウジング2内に固定された円盤状のピボット板6の球面座6aに接した状態で、回転体3が回転するようになっている。このピボット板6は、例えば上記ステンレス鋼により構成されたものであり、回転体3が冷却水を圧送したときに当該回転体3が図の左側に移動するのを規制している。また、このピボット板6には、冷却水を流すための複数の開口6bが周方向に沿って適宜設けられており、ポンプ効率の低下を極力抑えるようになっている。
【0010】
上記電動モータ7は、例えばハウジング2の外部に配置されたステータ巻線7aと、ハウジング2の内部に配置され、上記回転軸4に固定された筒状のモータロータ7bとを備えている。詳細には、モータロータ7bは、回転軸4が圧入された円筒部7cと、この円筒部7cとの間で周方向に所定間隔をおいて等配された複数のリブ7dとにより、回転軸4の軸方向中央部分に一体回転可能に取り付けられており、当該ロータ7bの一端開口部7b1から流入した冷却水が複数のリブ7dの各間を通って他端開口部7b2から流出するようになっている。また、これらのモータロータ7b、円筒部7c、及びリブ7dは、防錆塗料などによる防食処理が施された鉄等の磁性体により構成されたものであり、必要な強度及び上記冷却水に対する防水性、耐食性が確保されている。そして、この電動モータ7は、そのステータ巻線7aに通電することによって回転磁界を発生させ、その回転磁界と磁性体からなるモータロータ7bとの間の磁界作用により、回転体3を所望の回転速度で回転させる。尚、上記の説明以外に、モータロータ7bの外周側に樹脂モールドされた永久磁石を設けて、この永久磁石の磁界と上記ステータ巻線7aからの回転磁界との相互作用により回転体3を回転させる構成でもよい。
【0011】
また、上記回転体3は、モータロータ7bを左右方向で挟むように設けられた一対の動圧軸受8により、上記ハウジング2内で回転自在に支持されている。
上記動圧軸受8は、ニッケル、窒化ホウ素、及び黒鉛を含む焼結材により構成されたものであり、冷却水に対する耐食性、並びに回転体3の回転開始時や停止時等での当該回転体3の回転軸4との接触に対する耐摩耗性及び摺動特性が向上するよう構成されたものである。また、上記焼結材は、焼結処理後における当該焼結材の理論上の密度に対する実際の密度で得られる気孔率が10%以下に調整されたものであり、後述の動圧発生用溝で発生させる動圧に圧力抜けが生じるのを確実に防ぐことができるよう構成されている。
【0012】
具体的にいえば、上記動圧軸受8は、40〜60重量%のニッケルと、60〜40重量%の窒化ホウ素及び黒鉛の混合物とを所定温度で焼結処理し、さらにこの焼結処理の後にサイジング処理を実施することにより、20%程度の気孔率を上記10%以下に制限したものであり、ハウジング2に固定された円環状の固定部8aと、この固定部8aと同芯円上に設けられ、内周面8b1にスパイラルパターンやへリングボーンパターン等の帯状の上記動圧発生用溝(図示せず)が形成された円環状の動圧発生部8bとを備えている。また、動圧軸受8は、図の矢印F1にて示すように、ハウジング2内を流れる冷却水を潤滑流体として、その動圧発生部8bの動圧発生用溝とこれに対向する回転軸外周面4aとの間に、回転体3の回転に応じた動圧を発生させることにより、回転体3をラジアル方向に支承する。尚、図1においては、動圧発生部8bと回転軸4との隙間を誇張して図示しているが、実際の隙間の寸法は数十μm程度に設定されており、動圧発生部8bが回転軸4の外周面4aとの間でキャビテーションとこれに起因する異常音及び異常振動等を生じることなく、上記動圧を適切に発生させて回転体3を安定して支持するようになっている。
また、この動圧軸受8では、上記固定部8aと動圧発生部8bとの間で周方向に沿って等間隔に複数の開口8cが設けられており、これらの開口8cに冷却水を通してポンプ効率の低下を極力抑えるようになっている。
【0013】
また、上記焼結材において、ニッケルの含有割合を上記範囲の値とすることにより、動圧軸受8の冷却水に対する耐食性を効果的に向上することができる。また、窒化ホウ素及び黒鉛を残りの含有割合で含ませることにより、当該軸受8の強度(耐摩耗性)及び潤滑性(摺動特性)を確実に向上することができる。尚、上記ニッケルの含有割合を40重量%未満または60重量%を超過させた場合、動圧軸受8の冷却水に対する耐食性が低下する。一方、残りの組成物に窒化ホウ素を添加しない場合は、ボロンナイトライドが焼結材に形成されずに強度低下を生じて動圧軸受8の耐摩耗性が下がる。また、残りの組成物に黒鉛を添加しない場合は、焼結材に自己潤滑性を効果的に付与することができずに動圧軸受8の摺動特性の低下を招く。さらに、上記気孔率が10%を超過する場合は、動圧軸受8は密度が疎な構造体となり、所望の動圧の発生及び維持を行うことができずに、回転体3の支持精度が低下する。
【0014】
以上のように、本実施形態のポンプ1では、ニッケル、窒化ホウ素、及び黒鉛を含むとともに、40〜60重量%の前記ニッケルと、60〜40重量%の前記窒化ホウ素及び前記黒鉛の混合物と、を焼結してなり、気孔率を10%以下に制限した焼結材により、動圧軸受8を構成しているので、耐食性、及び回転開始時などでの耐摩耗性及び摺動特性に優れた軸受を構成することができる。また、上記気孔率が10%以下であることから、回転体3の回転に伴って発生する動圧に圧力抜けが生じるのを確実に防いで、回転体3を安定した状態で支持することができる。この結果、動圧軸受8の寿命、ひいてはポンプ1の寿命を長寿命なものとすることができる。さらに、ポンプ1の循環水である冷却水を潤滑流体として用いた動圧軸受8によって回転体3を支持させているので、グリースが封入された転がり軸受を用いた場合と異なり、軸受内部への循環水の浸入に起因するグリースの流出やその粘度低下、劣化等が発生することがなく、循環水の汚染及び軸受性能の低下などの発生を防いだ高性能で環境性に優れ、かつ長期間にわたって回転体3の回転精度を維持することができるエンジン冷却用等のポンプを容易に構成することができる。
【0015】
尚、本発明の発明者等による検証試験によれば、回転体3を10000rpmで回転させて、60℃の水を循環供給するポンプで6ヶ月以上連続運転させても、動圧軸受8及びポンプ1に不具合発生の兆候は全く現れておらず、ポンプ寿命を格段に延ばせることが実証されている。
【0016】
また、上記の説明では、モータロータ7bを左右方向で挟むように、一対の動圧軸受8を設けた構成について説明したが、本発明は上記焼結材により構成した動圧軸受8を用いて、水を含む液体を圧送する回転体3を回転自在に支持するものであれば、動圧軸受8の形状、設置数や設置箇所、あるいはインペラ5の形状や個数などの回転体3の構成は上記のものに何等限定されない。
【0017】
具体的にいえば、上記一対の動圧軸受8に代えて、図2に示すように、モータロータ7bの外周面に対向するようハウジング2の内周面に固定された筒状のスリーブ部材18aによって動圧軸受18を構成して、回転体3を回転自在に支持する構成でもよい。上記スリーブ部材18aは、動圧軸受8と同様に、ニッケル、窒化ホウ素、及び黒鉛を含有し、10%以下の気孔率とした上記焼結材によって構成されたものであり、当該スリーブ部材18aには、モータロータ7bの対向する外周面7b3との間に回転体3の回転に応じた所望の動圧を発生させる動圧発生用溝(図示せず)が内周面18a1に形成されている。尚、図2においてはスリーブ部材18aと上記外周面7b3との隙間を誇張して図示しており、この隙間は数十μm程度であり、図1に示した場合と同様に、スリーブ部材18aが外周面7b3との間でキャビテーションとこれに起因する異常音及び異常振動等を生じることなく、上記動圧を適切に発生させて回転体3を安定して支持するようになっている。また、上記焼結材によりスリーブ部材18aを構成したことから、動圧軸受18は図1に示した動圧軸受8と同様な効果を得ることができる。
【0018】
また、この実施形態では、図2に示すように、モータロータ7bの内部に一対のインペラ5を設け、これらのインペラ5を介してモータロータ7bと回転軸4とを一体回転可能に連結するとともに、上記動圧軸受18と同軸上で回転体3を回転支持する一対のタッチダウン軸受11をハウジング2内に設けている。
詳細には、インペラ5の一端(外周)側がモータロータ7bの内周面側に固定され、他端(内周)が回転軸4の外周面側に一体回転可能に取り付けられている。これにより、図1に示した円筒部7c及びリブ7dを割愛することができるとともに、インペラ5をモータロータの7bの内部に設けたことから、回転体3、ひいてはポンプ1の軸方向長さを容易に短くすることができる。
【0019】
また、上記タッチダウン軸受11は、上記焼結材からなる円筒状の部材により構成されたものであり、同焼結材により構成されたドーナツ状の取付部材10を介してハウジング2内に配置されている。
上記取付部材10は、ハウジング2に固定された円環状の固定部10aと、タッチダウン軸受11が圧入固定されたリング状部10bと、これら固定部10aとリング状部10bとの間で周方向に沿って等間隔に形成された複数の開口10cとを備えており、上記の開口10cに冷却水を通してポンプ効率の低下を極力抑えるようになっている。
また、上記タッチダウン軸受11の内周面11aと回転軸4の外周面4aとの離間寸法は、動圧軸受18の内周面18a1とモータロータ7bの外周面7b3との間の間隔寸法より、数μm〜数十μm程度小さい値に設定されており、タッチダウン軸受11は回転体3のラジアル方向の可動範囲を規制するとともに、ポンプ1の起動時及び停止時などで回転軸4の外周面4aと当接することによって、動圧軸受18のモータロータ7bとの接触を防止する。
【0020】
以上のように、この実施形態では、タッチダウン軸受11を設けて動圧軸受18のモータロータ7bとの接触を防止するので、この接触による摩耗や損傷が動圧軸受18及びモータロータ7bに発生するのを確実に防止することができる。また、タッチダウン軸受11が動圧軸受18とモータロータ7bとの接触を防止することから、たとえ冷却水漏れ等により動圧軸受18が動圧を発生させることができないポンプ緊急停止時などでも、当該軸受18とロータ7bとの衝突を防ぐことができ、上記動圧発生用溝などに変形や破損を生じることを防止することができる。また、上記取付部材10及びタッチダウン軸受11を、動圧軸受8,18と同様に焼結材により構成したことから冷却水に対する耐食性を向上することができるとともに、タッチダウン軸受11の回転軸4に対する耐摩耗性及び摺動特性を向上することができ、タッチダウン軸受11の寿命、ひいてはポンプ寿命を長寿命化することができる。また、ポンプ1の起動停止を頻繁に行う用途でタッチダウン軸受11が損傷した場合でも、当該ダッチダウン軸受11のみ交換すればポンプ1の継続使用が可能となる。また、モータロータ7bの外周面7b3に対向する動圧軸受18によって回転体3を回転自在に支持することから、一対の動圧軸受8を用いたものに比べて、ポンプ1の軸方向長さを長くすることなくタッチダウン軸受11を容易にハウジング2内に設けることができる。
【0021】
尚、上記の説明では、冷却水を循環させる軸流式のポンプに適用した場合について説明したが、本発明は、蒸留水などのピュアな水や化学物質を含んだ水溶液などの液体を圧送する回転体と、この液体を潤滑流体として用いて回転体を回転自在に支持する動圧軸受とを有する、電動ウォータポンプ等の各種ポンプに好適に用いることができる。
また、本発明における動圧軸受には、動圧溝を有さないものや、すべり軸受、ステップ軸受をも含んでいる。
【0022】
また、上記の説明では、回転軸4の一端部側の先端部に球状部4bを設け、この球状部4bをピボット板6の球面座6aに接した状態で回転体3を回転させる構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば上記球状部4bを設けることなく回転軸4の上記先端部を断面円形状とし、さらに上記球面座6aの代わりに、ピボット板6の回転軸先端部に対向する軸方向端面にヘリングボーン状等の動圧発生用溝を形成して、この溝により発生させた動圧によって回転体3が冷却水を圧送したときに当該回転体3が図1,2の左側に移動するのを規制しつつ、軸方向に回転体3を支承する構成でもよい。このようにピボット板6で回転体3を軸方向に支承する場合、動圧軸受8,18と同様に、このピボット板6あるいは球状部4bを上記焼結材によって構成することにより、当該ピボット板6の寿命、ひいてはポンプ寿命を容易に向上することができる。尚、上記各実施形態では、動圧軸受8,18やピボット板6等の全体を上記焼結材によって形成する場合を示したが、上記動圧軸受の8,18の少なくとも軸受面、ピボット板6等の少なくとも軸方向端面を上記焼結材で構成すれば所望の効果を発揮できる。すなわち、上記軸受面等以外の部分を他の材料からなる部材で構成し、当該部材に上記焼結材よりなる軸受面を固定、係合する等の形態でもよい。
【0023】
【発明の効果】
以上のように構成された本発明は以下の効果を奏する。
請求項1のポンプによれば、ニッケル、窒化ホウ素、及び黒鉛を含有した上記焼結材により、回転体を回転自在に支持する動圧軸受の少なくとも軸受面を構成しているので、当該軸受の耐食性、及び回転開始時などでの回転体に対する耐摩耗性や摺動特性を向上することができる。しかも、上記焼結材の気孔率を10%以下としているので、動圧軸受と回転体との間に所望の動圧を常に発生・維持することができ、当該軸受の耐食性などを向上することができる点とも相まって、長期間にわたって回転体を高精度に支持することができ、軸受寿命、ひいてはポンプ寿命の長寿命化を図ることができる。
【0024】
さらに、40〜60重量%のニッケルが上記焼結材に含まれているので、上記動圧軸受の耐食性を効果的に向上することができるとともに、残りの60〜40重量%は窒化ホウ素及び黒鉛の混合物からなるので、当該軸受の耐摩耗性及び摺動特性を確実に向上することができる。
【0025】
請求項のポンプによれば、上記タッチダウン軸受がポンプ起動または停止時に回転体を支持して上記動圧軸受の回転体との接触を防ぐことができるので、その接触による摩耗などが動圧軸受等に発生するのを確実に防止することができ、軸受及びポンプの寿命を延ばすことができる。
請求項3の動圧軸受の製造方法によれば、耐食性、強度(耐摩耗性)及び潤滑性(摺動特性)の向上した動圧軸受を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るポンプの構成を示す断面図である。
【図2】別の実施形態に係るポンプの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ポンプ
3 回転体
8,18 動圧軸受
11 タッチダウン軸受

Claims (3)

  1. 水を含んだ液体を圧送する回転体と、前記液体を潤滑流体として前記回転体を回転自在に支持する動圧軸受とを備えたポンプであって、
    前記動圧軸受の少なくとも軸受面を、ニッケル、窒化ホウ素、及び黒鉛を含むとともに、40〜60重量%の前記ニッケルと、60〜40重量%の前記窒化ホウ素及び前記黒鉛の混合物と、を焼結してなり、気孔率が10%以下である焼結材により構成したことを特徴とするポンプ。
  2. 前記動圧軸受と同軸上で前記回転体を回転支持するタッチダウン軸受を備えたことを特徴とする請求項1記載のポンプ。
  3. 40〜60重量%のニッケルと、60〜40重量%の窒化ホウ素及び黒鉛の混合物と、を焼結処理し、この焼結処理の後にサイジング処理を実施することにより10%以下の気孔率とすることを特徴とする動圧軸受の製造方法。
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