JP4992540B2 - 車両制御装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば自動車等の車両において、ドライバの加速要求に応じて駆動トルクを制御する車両制御装置及び方法の技術分野に関する。
この種の車両制御装置として、ドライバの要求する加速度をアクセル操作量やエンジンの回転速度等から判断し、それらに基づいて車両の駆動力を増加させるものがある。
例えば特許文献1では、エンジンの負荷量が増加している場合に駆動力を増加させることで、車両が加速する際の「伸び感」を演出するという技術が開示されている。
特開2003−312318号公報
しかしながら、上述した技術によれば、人間が知覚できる加速度(即ち、加速の際に実際に人間が知覚する加速度)が考慮されておらず、限られた駆動能力の範囲内で、車両のドライバが要求する加速を、ドライバ自身が十分に知覚できるように実現することが困難であるという技術的問題点がある。
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、ドライバの要求する加速を実現可能とする車両制御装置及び方法を提供することを課題とする。
本発明の車両制御装置は上記課題を解決するために、車両に要求される要求加速度を算出する要求加速度算出手段と、該算出された要求加速度に対して、前記車両のドライバが加速度を知覚する特性に応じた周波数の帯域別のフィルタリング処理を施すことで、前記ドライバにより知覚される加速度である要求加速状態量を求める知覚加速特性フィルタ手段と、前記要求される要求加速度が加速に係るか否かを判定する判定手段と、前記要求加速度が前記加速に係ると判定された場合に、前記求められた要求加速状態量を、前記ドライバにより前記加速度の減少が相対的に知覚され難いものとして設定された第1周波数帯域に含まれる状態量部分を小さくすると共に前記減少が相対的に知覚され易いものとして設定された第2周波数帯域に含まれる状態量部分を大きくするように、補正する補正手段と、該補正された要求加速状態量に基づいて、前記車両の駆動トルクを制御する制御手段とを備える。
本発明に係る車両制御装置によれば、車両の走行中に先ず、例えばコントローラ等を備えて構成される要求加速度算出手段によって、車両に要求される加速度として要求加速度が算出される。
続いて、例えばデジタル又はアナログ式知覚加速特性フィルタを有する知覚加速特性フィルタ手段によって、算出された要求加速度に対して、車両のドライバが加速度を知覚する特性に応じた周波数の帯域別のフィルタリング処理が施され、ドライバにより知覚される加速度である要求加速状態量が求められる。
人間は加速度による前後運動の振動周波数によって、知覚できる加速度の最小値が変化する。そして、このような変化の仕方或いは程度は、周波数の帯域別に既知である。従って、要求加速度に対して、予め設計された周波数の帯域別のフィルタリング処理を施すことにより、実際に人間が感じる加速度(即ち、要求加速状態量)を求めることができる。
他方で、例えばコントローラ、メモリ等を備えてなる判定手段によって、要求加速度は加速及び減速のいずれに係るかが判定され、要求加速度が加速に係ると判定された場合に、上述した要求加速状態量が補正される。即ち、要求加速状態量はドライバが加速を要求している場合に補正される。
続いて、要求加速状態量は、例えばコントローラ、メモリ等を備えてなる補正手段によって、ドライバにより加速度の減少が相対的に知覚され難いものとして設定された第1周波数帯域に含まれる状態量部分を小さくするように補正される。例えば、加速の応答性(或いは、迅速な応答性又はレスポンス)を演出するような期間は、ドライバが知覚し難いまでに高い周波数帯域であるため、状態量部分を小さくしても、ドライバに加速度の減少を知覚させずに済む。即ち、状態量部分を小さくしつつ、応答性を保持することが可能となる。
要求加速状態量は更に、減少が相対的に知覚され易いものとして設定された第2周波数帯域に含まれる状態量部分を大きくするように補正される。例えば、加速の伸びを演出するような期間は、上述した応答性を演出するような期間と比較して、ドライバが知覚し易い周波数帯域であるため、ここでの状態量部分を大きくすれば、ドライバが感じる伸び感を向上させることが可能となる。
このように、要求加速状態量は、ある部分ではドライバが知覚しないように加速度を小さくされ、ある部分ではドライバが知覚するように加速度を大きくされる。よってドライバは、加速に係る全期間を通せば同じ加速度であっても、より車両の加速感を感じることができるようになる。
また、上述したような補正は、要求加速度が加速に係ると判定された場合に行われるため、ドライバが減速を要求しているにも拘わらず、加速感が向上してしまうようなことがない。
最後に、例えば電子制御ユニット等の制御手段によって、補正された要求加速状態量に基づいて車両の駆動トルクが制御される。このため、車両は補正された要求加速状態量に応じた加速が可能となる。本発明では特に、上述したように、第1周波数帯域に含まれる状態量部分を、敢えて小さくするように補正することで、駆動トルクの能力が限られているような場合であっても、第2周波数帯域に含まれる状態量を大きくするように補正した場合の駆動トルクを実現可能としている。
以上説明したように、本発明に係る車両制御装置によれば、ドライバが加速を要求している場合に、補正した要求加速状態量に基づいて駆動トルクを制御することによって、ドライバにより加速感を感じさせるような加速を実現することが可能である。
本発明の車両制御装置の一態様では、前記補正手段は、前記求められた要求加速状態量を、前記車両の駆動トルクの能力範囲内で前記算出された要求加速度が得られるという条件下で、前記第1周波数帯域に含まれる状態量部分を小さくする分だけ前記第2周波数帯域に含まれる状態量部分を大きくするように、補正する。
この態様によれば、要求加速状態量は、車両の駆動トルクの能力範囲内で要求加速度が得られるように、第1周波数帯域に含まれる状態量部分を小さくする分だけ第2周波数帯域に含まれる状態量部分を大きくするように補正される。
駆動トルクの能力は有限であり、その能力の範囲を超えるような制御を行うことはできない。よって、例えば駆動トルクが能力の限界付近まで高められている場合、更なる加速感の演出のために、第2周波数帯域に含まれる状態量部分を大きくするような補正のみを行ったとしても、それに応じた駆動トルクを実現することは困難である。
しかるに本発明では特に、ドライバが知覚し難い第1周波数帯域の状態量部分を小さくすることで、ドライバに加速度の減少を感じさせないように駆動トルクにある程度の余裕を持たせることが可能となる。そして、その分で第2周波数帯域に含まれる状態量部分を大きくすることにより、車両の駆動トルクの能力範囲内でドライバが感じる加速感を向上させることが可能となる。
また、駆動トルクは要求加速度が得られると言う条件下で制御されるため、補正によって得られる加速度が低下してしまうことを防止できる。従って、加速によって到達する速度を変化させずに、ドライバが感じる加速感を向上させることが可能である。言い換えれば、例えば加速時における所望の応答性及び伸び感を得るために必要な駆動トルクの能力を低めることが可能となり、エンジン等に要求される仕様を低めることも可能となる。
本発明の車両制御装置の他の態様では、前記補正手段は、前記要求加速度が前記加速に係ると判定された場合に、前記要求加速度が要求された直後における前記加速の応答感を演出するための第1期間に、前記第1周波数帯域に含まれる状態量部分を、前記ドライバにより前記減少が知覚されない範囲内で小さくするように補正し、前記第1期間に続く前記加速の伸び感を演出するための第2期間に、前記第2周波数帯域に含まれる状態量部分を、前記第1周波数帯域に含まれる状態量部分を小さくした分だけ大きくするように、補正する。
この態様によれば、要求加速度が加速に係ると判定された場合に、加速度が要求された直後における加速の応答感を演出するための第1期間に、第1周波数帯域に含まれる状態量部分が、ドライバにより減少が知覚されない範囲内で小さくするように補正される。
加速度が要求された直後の第1期間における周波数は第2期間と比べて大きく、人間が知覚し難い第1周波数帯域であることが多い。よって、第1期間において第1周波数帯域に含まれる状態量部分を小さくするように補正することで、ドライバに知覚されずに加速度を減少させ、駆動トルクに余裕を持たせることができる。
そして、第1期間に続く加速の伸び感を演出するための第2期間に、第2周波数帯域に含まれる状態量部分が、第1周波数帯域に含まれる状態量部分を小さくした分だけ大きくするように補正される。
第2期間における周波数は第1期間と比べて小さく、人間が知覚し易い第2周波数帯域であることが多い。よって、第2期間において第2周波数帯域に含まれる状態量部分を大きくするように補正することで、ドライバが加速感の増加(即ち、伸び感の向上)を感じるような加速を実現できる。
以上説明したように、本態様によれば、応答感を演出する第1期間の状態量部分をドライバに知覚されない範囲で小さくすることで、伸び感を演出する第2期間の状態量部分を大きくすることが可能となる。従って、有限である駆動トルクの能力を極めて効率的に活用して、ドライバに応答感の悪化を知覚させることなく、伸び感を向上させることが可能である。
本発明の車両制御装置の他の態様では、前記判定手段は、前記要求される要求加速度が加速及び減速のいずれに係るかを判定し、前記補正手段は、前記要求加速度が前記減速に係ると判定された場合に、前記要求加速状態量を補正せず、前記制御手段は、前記要求加速度が前記加速に係ると判定された場合に、前記補正された要求加速状態量に基づいて前記駆動トルクを制御するのに加えて、前記要求加速度が前記減速に係ると判定された場合に、前記補正されない要求加速状態量に基づいて前記駆動トルクを制御する。
この態様によれば、要求加速度が減速に係ると判定された場合には、要求加速状態量に対して上述の態様で説明したような補正は行われない。そして駆動トルクは、補正されない要求加速状態量に基づいて制御される。このため、ドライバが減速を要求しているにも拘わらず、伸び感を向上させるような補正が行われてしまうことを防止でき、より適切な駆動トルクの制御が行われることとなる。
尚、要求加速度が減速に係ると判定された場合には、加速の際とは異なる方式により補正してもよく、例えば加速の際とは逆に、加速感を減少させるように補正してもよい。この場合、制御手段は、異なる方式により補正された要求加速状態量に基づいて、駆動トルクを制御してもよい。このように制御すれば、より効果的にドライバが要求した加速度を演出することが可能となる。
本発明の車両制御装置の他の態様では、前記ドライバによるアクセル操作量を検出する操作量検出手段と、前記車両の速度を検出する車速検出手段とを更に備え、前記要求加速度算出手段は、前記検出されたアクセル操作量及び速度に基づいて、前記要求加速度を算出し、前記判定手段は、前記検出されたアクセル操作量及び前記算出された要求加速度の少なくとも一方に基づいて、前記要求加速度が前記加速に係るか否かを判定する。
この態様によれば、要求加速度は、ドライバによるアクセル操作量及び車両の速度に基づいて算出される。ドライバの要求はアクセル操作量に反映される。また、要求加速度は車速によって異なる。例えば、低速走行時にアクセルが大きく踏み込まれれば、ドライバは急激な加速を要求していると考えられるが、高速走行時にアクセルが大きく踏み込まれたとしても、加速が要求されているとは限らない。従って、アクセル操作量及び車速に基づいて要求加速度を算出することで、より正確に要求加速度を算出することが可能となる。
要求加速度が加速及び減速のいずれに係るかは、アクセル操作量及び要求加速度の少なくとも一方に基づいて判定される。こうすることで、より容易且つ的確に判定することが可能となる。尚、アクセル操作量及び要求加速度の少なくとも一方に加えて、検出された車両の速度に基づいて判定してもよく、より正確に加速及び減速のいずれに係るかを判定することが可能となる。
以上説明したように、アクセル操作量及び車速を検出することで、要求加速度の算出及び要求加速度に対する判定を、より容易且つ的確に行うことが可能である。
本発明の車両制御装置の他の態様では、前記判定手段は、前記検出されたアクセル操作量が第1閾値を超えている場合に、前記要求される要求加速度が前記加速に係ると判定する。
この態様によれば、検出されたアクセル操作量が第1閾値を超えている場合に、要求加速度が加速に係ると判定される。ここで「第1閾値」とは、要求加速度が加速及び減速のいずれに係るかを判定する際の基準となる、アクセル操作量に対する閾値である。例えば、各速度における各アクセル操作量に対して加速要求か減速要求かを、実験やシミュレーションにより求めれば、これら2つの要求の境目として、この第1閾値を特定できる。第1閾値を用いることで、要求加速度が加速及び減速のいずれに係るかを、より容易且つ的確に判定することが可能となる。
本発明の車両制御装置の他の態様では、前記判定手段は、前記算出された要求加速度が第2閾値を超えている場合に、前記要求される要求加速度が前記加速に係ると判定する。
この態様によれば、算出された要求加速度が第2閾値を超えている場合に、要求加速度が加速に係ると判定される。ここで「第2閾値」とは、要求加速度が加速及び減速のいずれに係るかを判定する際の基準となる、要求加速度に対する閾値である。典型的には第2閾値は‘0’に設定され、要求加速度が正の値であれば加速、負の値であれば減速と判定される。第2閾値を用いることで、要求加速度が加速及び減速のいずれに係るかを、より容易且つ的確に判定することが可能となる。
本発明の車両制御装置の他の態様では、前記知覚加速特性フィルタ手段は、1〜4Hzの周波数帯域の前記要求加速度を通過させるバンドパスフィルタである。
この態様によれば、知覚加速特性フィルタ手段は、1〜4Hzの周波数帯域の要求加速度を通過させるバンドパスフィルタとして機能する。
人間は1〜4Hzの周波数帯域の加速度を知覚し易い。言い換えれば、1Hz未満及び4Hzを超えるような周波数帯域の加速度は知覚し難い。このため、1〜4Hzの周波数帯域の要求加速度を通過させるようにすることで、より容易にドライバが実際に知覚する加速度(要求加速状態量)を求めることが可能である。
本発明の車両制御方法は上記課題を解決するために、車両に要求される要求加速度を算出する要求加速度算出工程と、該算出された要求加速度に対して、前記車両のドライバが加速度を知覚する特性に応じた周波数の帯域別のフィルタリング処理を施すことで、前記ドライバにより知覚される加速度である要求加速状態量を求める知覚加速特性フィルタ工程と、前記要求される要求加速度が加速に係るか否かを判定する判定工程と、前記要求加速度が前記加速に係ると判定された場合に、前記求められた要求加速状態量を、前記ドライバにより前記加速度の減少が相対的に知覚され難いものとして設定された第1周波数帯域に含まれる状態量部分を小さくすると共に前記減少が相対的に知覚され易いものとして設定された第2周波数帯域に含まれる状態量部分を大きくするように、補正する補正工程と、該補正された要求加速状態量に基づいて、前記車両の駆動トルクを制御する制御工程とを備える。
本発明に係る車両制御方法によれば、上述した本発明の車両制御装置の場合と同様に、ドライバが加速を要求している場合に、補正した要求加速状態量に基づいて駆動トルクを制御することによって、ドライバにより加速感を感じさせるような加速を実現することが可能である。
尚、本発明の車両制御方法においても、上述した本発明の車両制御装置における各種態様と同様の各種態様を採ることが可能である。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされる。
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
先ず、第1実施形態に係る車両制御装置の構成について、図1を参照して説明する。ここに図1は、車両制御装置の構成を示すブロック図である。
図1において、本実施形態に係る車両制御装置は、本発明の「操作量検出手段」の一例である操作量検出部110と、本発明の「車速検出手段」の一例である車速検出部120と、本発明の「要求加速度算出手段」の一例である要求加速度算出部130と、本発明の「知覚加速特性フィルタ手段」の一例である知覚加速特性フィルタ部140と、本発明の「判定手段」の一例である判定部150と、本発明の「補正手段」の一例である補正部160と、本発明の「制御手段」の一例である制御部170とを備えて構成されている。
操作量検出部110は、例えばアクセル開度センサであり、ドライバがアクセルを踏み込んだ量を検出する。尚、アクセルの操作を直接検出するのではなく、スロットルバルブの開度等からアクセル操作量を検出してもよい。
車速検出部120は、例えば車速センサであり、車両の走行速度を検出する。
要求加速度算出部130、知覚加速特性フィルタ部140、判定部150、補正部160及び制御部170は夫々、例えばエンジンシステムの動作全体を制御する電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)として構成される。ECUは、例えば演算回路やメモリ等を備えており、入力されたデータに対して演算処理を施した後に出力する。また、電気信号等を出力することにより、様々な装置や機構を制御する。
次に、第1実施形態に係る車両制御装置の動作及び効果について図2から図8を参照して説明する。ここに図2は、第1実施形態に係る車両制御装置の動作を示すフローチャートである。
図2において、本実施形態に係る車両制御装置は、その動作時に、先ず車両のドライバによるアクセル操作量を検出する(ステップS1)。また、それに並行して、車両の速度を検出する(ステップS2)。
続いて、ステップS1において検出されたアクセル操作量と、ステップS2において検出された車両の速度とに基づいて、ドライバが要求している要求加速度を算出する(ステップS3)。以下に、図3を参照して、要求加速度の算出について詳細に説明する。ここに図3は、要求加速度の算出方法を示すグラフである
図3において、要求加速度とアクセル開度とは、グラフに示すような関係がある。即ち、アクセル開度が大きければ大きい程、要求加速度も大きくなる傾向がある。また要求加速度は、車速が増加する程小さくなる傾向があり、車速が最小値である‘0’の場合(即ち、図中において最も上側に示されるグラフ)では、アクセル開度によらず常に正の値(即ち、加速要求)となり、他方で、車速が最大値である‘Vmax’の場合(即ち、図中において最も下側に示されるグラフ)では、アクセル開度が50%を超えるような値でなければ、負の値(即ち、減速要求)となる。
このように、要求加速度はアクセル開度及び車速によって変化するため、検出されたアクセル操作量及び車両の速度に基づいて算出することが可能である。尚、図3において示すグラフは、あくまで一例であり、車両の種類やエンジンの設定等によって変化する。
図2に戻り、要求加速度が算出されると、この要求加速度に対して、加速する際の周波数帯域に応じたフィルタリング処理を施し、要求加速状態量を求める(ステップS4)。以下に、図4を参照して周波数帯域に応じたフィルタリング処理について詳細に説明する。ここに図4は、知覚加速特性フィルタ部のフィルタ特性を示すグラフである。
図4において、知覚加速特性フィルタ部は、要求加速度に対し1〜4Hzのゲインが大きくなるようにフィルタリング処理を施し、要求加速状態量を求める。人間は周波数帯域によって知覚できる加速度が異なっており、1〜4Hzの周波数帯域の加速度を知覚し易い。よって、このようなフィルタリング処理を施すことによって、実際にドライバが知覚する要求加速状態量を求めることができる。
図2に戻り、要求加速状態量が算出されると、ステップS3において算出された要求加速度が正の値であるか否かを判定する(ステップS5)。即ち、本発明の「第2閾値」の一例として‘0’が設定されて、要求加速状態量を補正するか否かの判定が行われる。このように、第2閾値を‘0’とすることで、ドライバが加速を要求しているのか、或いは減速を要求しているのかを容易に判定することが可能である。ここで、要求加速度が正の値である場合(ステップS5:YES)、ステップS6へと進む。要求加速度が正の値でない場合(ステップS5:NO)、ステップS6は省略され、ステップS7へと進む。尚、ステップS6を省略することに代えて、例えば以下に詳述する補正とは逆の効果を得るための補正(即ち、より減速感を感じさせるような補正)等が行われてもよい。
要求加速度が正の値であると判定されると、ステップS4において算出された要求加速状態量に対して補正を実行する(ステップS6)。以下に、図5から図8を参照して、要求加速状態量の補正について、ドライバが先行する車両を追い越すためのアクセル操作を行う場合を例にとり、上述した要求加速度及び要求加速状態量の算出と併せて詳細に説明する。ここに図5は、アクセル開度の推移の一例を示すグラフであり、図6は、要求加速度の推移の一例を示すグラフである。また図7は、要求加速状態量の推移の一例を示すグラフであり、図8は、補正された要求加速状態量の推移の一例を示すグラフである。
図5において、ドライバは先行車両を追い越すために、例えばA0であったアクセル開度を、時刻t0において更に踏み込むことで、時刻t1において全開(100%)とさせる。そして、先行する車両を追い越す時刻t2まで、アクセル開度は全開に維持される。ここで、時刻t0からt1までの期間が、応答感を演出する本発明の「第1期間」の一例であり、t1からt2までの期間が、伸び感を演出する本発明の「第2期間」の一例である。尚、時刻t1における車両の速度はv1、時刻t2における車両の速度はv2であるとする。
図6において、上述したようなアクセル操作が行われた場合の要求加速度は、アクセルを踏み込んだ時刻t0から急激に上昇し、アクセル開度が全開となる時刻t1において速度v1における最大値である‘G1max’となる。ここで要求加速度は、図3を用いて説明したように、車速が速い程減少する傾向にあるので、車速の上昇に伴い低下し、時刻t2においては、速度v2における最大値である‘G2max’となる。
図7において、図6に示した要求加速度にフィルタリング処理を施すことにより要求加速状態量が求められる。要求加速状態量は、時刻t0からt1の間で急激に変化し、その後時刻t2までゆるやかに減少する。ここで、図中に示すdx及び−dxは夫々、人間が知覚できる加速度の閾値であり、dxより大きい或いは−dxより小さい場合に、人間は加速度を知覚することができる。図7では、時刻t1からしばらく経過した後に、要求加速状態量が−dxより小さくなっている。このため、ドライバはアクセルを全開にしているにも拘わらず、減速感を感じてしまうことになる。このような現象は、車両の駆動トルクの能力が限界に達しているために起こる。
図8において、要求加速状態量の補正は、先ず時刻t0からt1における要求加速状態量を、ドライバに知覚させない範囲で小さくする。これにより、駆動トルクの能力に余裕を持たせることができる。続いて、駆動トルクの能力に余裕ができた分だけ、時刻t1からt2における要求加速状態量を大きくし、閾値−dxより大きくなるようにする。閾値−dxを超えていれば、図に示すように要求加速状態量が減少し続けている場合であっても、ドライバは減速感を感じない。従って、加速の際の伸び感を向上させることが可能となる。
図2に戻り、要求加速状態量が補正されると、補正された要求加速状態量に基づいて、車両の駆動トルクを制御する(ステップS7)。尚、ステップS6が省略されている場合は、ステップS4において算出された要求加速状態量に基づいて、車両の駆動トルクを制御する。このように駆動トルクを制御することで、ドライバが期待する加速が実現可能となる。
以上説明したように、第1実施形態に係る車両制御装置によれば、ドライバが加速を期待するような場合に、より伸びを感じられるような加速を実現し、一方で、加速を要求していない場合は、伸びを感じるような補正を行わないようにすることが可能である。従って、ドライバはより快適に車両を加速或いは減速させることが可能となる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る車両制御装置について、図9及び図10を参照して説明する。ここに図9は、第2実施形態に係る車両制御装置の動作を示すフローチャートであり、図10は、アクセル開度閾値Pcの決定方法を示すグラフである。尚、第2実施形態は、上述の第1実施形態と比べて、判定部150における動作が異なり、その他の構成及び動作については同様である。このため第2実施形態では、判定部150の動作について詳細に説明し、第1実施形態と重複する装置の構成や動作については、適宜説明を省略する。
図9において、第2実施形態に係る車両制御装置は、上述した第1実施形態の場合と同様に、ステップS1からS4までの処理を行い、要求加速状態量を算出する。そして、要求加速状態量が算出されると、ステップS1において検出されたアクセル開度が本発明の「第1閾値」の一例である閾値Pcを超えているか否かを判定する(ステップS5−2)。以下に、閾値Pcについて詳細に説明する。
図10において、閾値Pcは、アクセル開度が閾値Pcを超えている場合には、車速によらずに要求加速度が正(即ち、加速要求)となるような値に設定される。よって図中で網掛けされた領域では伸びが要求されると判定し、他方で、アクセル開度が閾値Pcに満たない領域では、伸びを要求しない緩やかな加速や定常走行、或いは減速が要求されると判定する。
図9に戻り、アクセル開度が閾値Pcを超えている場合(ステップS5−2:YES)、ステップS6及びステップS7の処理を行う。アクセル開度が閾値Pcを超えていない場合(ステップS5−2:NO)、ステップS6は省略され、ステップS7の処理を行う。
以上説明したように、第2実施形態に係る車両制御装置によれば、上述した第1実施形態の場合で説明した、より快適に車両を加速或いは減速させることが可能であるという効果に加え、緩やかな加速の際は補正を行わないようにし、定常走行のし易さを向上させることが可能である。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う車両制御装置及び方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
車両制御装置の構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係る車両制御装置の動作を示すフローチャートである。 要求加速度の算出方法を示すグラフである。 知覚加速特性フィルタ部のフィルタ特性を示すグラフである。 アクセル開度の推移の一例を示すグラフである。 要求加速度の推移の一例を示すグラフである。 要求加速状態量の推移の一例を示すグラフである。 補正された要求加速状態量の推移の一例を示すグラフである。 第2実施形態に係る車両制御装置の動作を示すフローチャートである。 アクセル開度閾値Pcの決定方法を示すグラフである。
符号の説明
110…操作量検出部、120…車速検出部、130…要求加速度算出部、140…知覚加速特性フィルタ部、150…判定部、160…補正部、170…制御部

Claims (9)

  1. 車両に要求される要求加速度を算出する要求加速度算出手段と、
    該算出された要求加速度に対して、前記車両のドライバが加速度を知覚する特性に応じた周波数の帯域別のフィルタリング処理を施すことで、前記ドライバにより知覚される加速度である要求加速状態量を求める知覚加速特性フィルタ手段と、
    前記要求される要求加速度が加速に係るか否かを判定する判定手段と、
    前記要求加速度が前記加速に係ると判定された場合に、前記求められた要求加速状態量を、前記ドライバにより前記加速度の減少が相対的に知覚され難いものとして設定された第1周波数帯域に含まれる状態量部分を小さくすると共に前記減少が相対的に知覚され易いものとして設定された第2周波数帯域に含まれる状態量部分を大きくするように、補正する補正手段と、
    該補正された要求加速状態量に基づいて、前記車両の駆動トルクを制御する制御手段と
    を備えることを特徴とする車両制御装置。
  2. 前記補正手段は、前記求められた要求加速状態量を、前記車両の駆動トルクの能力範囲内で前記算出された要求加速度が得られるという条件下で、前記第1周波数帯域に含まれる状態量部分を小さくする分だけ前記第2周波数帯域に含まれる状態量部分を大きくするように、補正することを特徴とする請求項1に記載の補正手段と、
  3. 前記補正手段は、前記要求加速度が前記加速に係ると判定された場合に、
    前記要求加速度が要求された直後における前記加速の応答感を演出するための第1期間に、前記第1周波数帯域に含まれる状態量部分を、前記ドライバにより前記減少が知覚されない範囲内で小さくするように補正し、
    前記第1期間に続く前記加速の伸び感を演出するための第2期間に、前記第2周波数帯域に含まれる状態量部分を、前記第1周波数帯域に含まれる状態量部分を小さくした分だけ大きくするように、補正する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両制御装置。
  4. 前記判定手段は、前記要求される要求加速度が加速及び減速のいずれに係るかを判定し、
    前記補正手段は、前記要求加速度が前記減速に係ると判定された場合に、前記要求加速状態量を補正せず、
    前記制御手段は、前記要求加速度が前記加速に係ると判定された場合に、前記補正された要求加速状態量に基づいて前記駆動トルクを制御するのに加えて、前記要求加速度が前記減速に係ると判定された場合に、前記補正されない要求加速状態量に基づいて前記駆動トルクを制御する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両制御装置。
  5. 前記ドライバによるアクセル操作量を検出する操作量検出手段と、
    前記車両の速度を検出する車速検出手段と
    を更に備え、
    前記要求加速度算出手段は、前記検出されたアクセル操作量及び速度に基づいて、前記要求加速度を算出し、
    前記判定手段は、前記検出されたアクセル操作量及び前記算出された要求加速度の少なくとも一方に基づいて、前記要求加速度が前記加速に係るか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の車両制御装置。
  6. 前記判定手段は、前記検出されたアクセル操作量が第1閾値を超えている場合に、前記要求される要求加速度が前記加速に係ると判定することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の車両制御装置。
  7. 前記判定手段は、前記算出された要求加速度が第2閾値を超えている場合に、前記要求される要求加速度が前記加速に係ると判定することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の車両制御装置。
  8. 前記知覚加速特性フィルタ手段は、1〜4Hzの周波数帯域の前記要求加速度を通過させるバンドパスフィルタであることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の車両制御装置。
  9. 車両に要求される要求加速度を算出する要求加速度算出工程と、
    該算出された要求加速度に対して、前記車両のドライバが加速度を知覚する特性に応じた周波数の帯域別のフィルタリング処理を施すことで、前記ドライバにより知覚される加速度である要求加速状態量を求める知覚加速特性フィルタ工程と、
    前記要求される要求加速度が加速に係るか否かを判定する判定工程と、
    前記要求加速度が前記加速に係ると判定された場合に、前記求められた要求加速状態量を、前記ドライバにより前記加速度の減少が相対的に知覚され難いものとして設定された第1周波数帯域に含まれる状態量部分を小さくすると共に前記減少が相対的に知覚され易いものとして設定された第2周波数帯域に含まれる状態量部分を大きくするように、補正する補正工程と、
    該補正された要求加速状態量に基づいて、前記車両の駆動トルクを制御する制御工程と
    を備えることを特徴とする車両制御方法。
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