JP5780837B2 - 車両の制御装置、車両、車両の制御方法、およびプログラム - Google Patents

車両の制御装置、車両、車両の制御方法、およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、車両の制御装置、車両、車両の制御方法、およびプログラムに関する。
自動車の燃費の良否は、自動車自体の性能による他に、運転者の運転の仕方によるところが大きい。特に、マニュアルトランスミッションの自動車では、オートマチックトランスミッションの自動車に比べ、ギヤチェンジのタイミング(これをシフトタイミングと称する)が運転者の操作に任されており、シフトタイミングの如何によって、燃費の良否の差が大きくなる。
そこで、たとえば特許文献1では、運転者に対し、省燃費に有効なシフトタイミングを知らせる装置が開示されている。
特開2006−103393号公報
上述の特許文献1の装置では、省燃費に有効なシフトタイミングを計算するために、車両に関する様々なパラメータを必要とする。このパラメータとして、たとえばエンジン回転速度、車速、エンジン負荷などが必要になる。さらに、これらのパラメータに基づいて、ギア比、車両質量などのデータの算出が必要になる。このため、特許文献1の装置を有する車両では、各種のセンサが必要になる。
また、上述したデータの算出のためには、車両のエンジンの馬力などの諸元データを記憶する必要がある。このように、各種センサを設置すると共に、データ算出処理、および諸元データの記憶を多数の車種毎に行うことはコストおよび工数の両面から好ましくないという第一の問題点がある。特に、多数の車種を有すると共に、貨物の積載量によって車体総重量が大きく変化するトラックなどでは、センサ種類および諸元データ数は膨大であり、第一の問題点はさらに顕著になる。
また、特許文献1の装置では、シフトタイミングをモニタに表示したり、あるいは音声で運転者に知らせるようにしている。このとき、前方を注視している運転者がモニタの表示を見落としたり、周囲の騒音によりシフトタイミングを知らせる音声を聞き漏らす可能性は低くない。このため、省燃費に有効なシフトタイミングが運転者に的確に伝達されないという第二の問題点がある。
本発明は、このような背景の下に行われたものであって、少ない種類のパラメータにより燃費を節約できるシフトタイミングを計算し、計算したシフトタイミングを運転者に的確に伝達することができる車両の制御装置、車両、車両の制御方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
本発明のひとつの観点は、車両の制御装置としての観点である。本発明の車両の制御装置は、マニュアルトランスミッションを有する車両に搭載され、車両の車速に対応して予め設定されている目標加速度を、実際の加速度が超えるときには、目標加速度に実際の加速度が近付くようにアクセル開度の調整を行う制御手段を有する車両の制御装置であって、制御手段は、各ギヤ段において車両のエンジンの回転速度が所定の値を超えるときには、目標加速度を引き下げその後横ばい状態に制御するものである。
このときに、制御手段は、車両における方向指示器の操作または定速走行制御またはABS制御が実施されているときには、アクセル開度の調整は行わないようにできる。
本発明の他の観点は、車両としての観点である。本発明の車両は、本発明の車両の制御装置を有するものである。
本発明のさらに他の観点は、車両の制御方法としての観点である。本発明の車両の制御方法は、マニュアルトランスミッションを有する車両に搭載され、車速に対応して予め設定されている目標加速度を、実際の加速度が超えるときには、目標加速度に実際の加速度が近付くようにアクセル開度の調整を行う制御ステップを有する車両の制御方法であって、制御ステップの処理は、各ギヤ段において車両のエンジンの回転速度が所定の値を超えるときには、目標加速度を引き下げその後横ばい状態に制御するステップを有するものである。
本発明のさらに他の観点は、プログラムとしての観点である。本発明のプログラムは、コンピュータに、マニュアルトランスミッションを有する車両に搭載され、車速に対応して予め設定されている目標加速度を、実際の加速度が超えるときには、目標加速度に実際の加速度が近付くようにアクセル開度の調整を行う車両の制御機能を実現させるプログラムであって、制御機能は、各ギヤ段において車両のエンジンの回転速度が所定の値を超えるときには、目標加速度を引き下げその後横ばい状態に制御する機能である。
本発明によれば、少ない種類のパラメータにより燃費を節約できるシフトタイミングを計算し、計算したシフトタイミングを運転者に的確に伝達することができる。
本発明の実施の形態の車両の制御装置のブロック構成図である。 図1の目標加速度記憶部に記憶されている車速と目標加速度との関係の一例を示す図である。 図1の目標加速度補正部に記憶されているエンジン回転速度とゲインとの関係の一例を示す図である。 図1のアクセル開度計算部の動作を示すフローチャートである。 図1の制御装置による制御結果を示す図であり、車速と加速度とエンジン回転速度との関係を示す図である。
(概要)
本発明の実施の形態の制御装置1は、マニュアルトランスミッションを有する車両に搭載されるものである。図1に示す制御装置1は、基本的には、車両の車速に対応して予め設定されている目標加速度を、実際の加速度が超えるときには、目標加速度に実際の加速度が近付くようにアクセル開度の調整を行う。このときに、制御装置1は、車両のエンジンの回転速度が所定の値を超えるときには、目標加速度を引き下げるように制御する。これによれば、いわゆる「ローで引っ張る」と言われているような、ギヤ比が大きいギヤ段数で、高いエンジン回転速度を維持したままで、車両の車速を高めるような運転を運転者が行わないようにさせることができる。
また、制御装置1が目標加速度を引き下げるように制御することで、加速中の車両は、加速度が急に抜けたような挙動をとる。運転者は、このような挙動を体感し、シフトタイミングの到来を確実に知ることができる。
また、制御装置1は、車両の方向指示器の操作、オートクルーズと呼ばれる一定速度で自動的に走行する機能による定速走行、またはABS(Anti lock Breaking System)の制御(すなわちスリップの検出)が行われているときには、アクセル開度の制御は不適切であるとして判断し、アクセル開度の制御を行わないようにする。
(構成)
制御装置1は、コンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、マイクロプロセッサ(マイクロコンピュータ)、DSP(Digital Signal Processor)などにより構成され、内部に、演算部、メモリ、およびI/O(Input/Output)ポートなどを有する。制御装置1によって実行されるプログラムは、制御装置1の内部の不揮発性のメモリにあらかじめ記憶しておくことで、コンピュータである制御装置1にあらかじめインストールしておくことができる。制御装置1がプログラムを実行すると、アクセル開度計算部(請求項でいう制御手段)10、加速度比較部11、加速度算出部12、目標加速度補正部13、および目標加速度記憶部14の機能が実現される。
アクセル開度計算部10は、不図示のアクセルペダルセンサから出力されるアクセルペダルの踏み込み量などのアクセルぺダル操作情報、加速度比較部11から出力される目標加速度と実際の加速度との差分情報、不図示の方向指示器スイッチの操作、オートクルーズスイッチの操作、またはABSの制御などのアクセル制御解除情報、および不図示のアクセル制御のスイッチの操作によるアクセル制御のON/OFF情報にしたがって、アクセル開度制御指示をエンジンECU(Electric Control Unit)15に対して行う。エンジンECU15は、アクセル開度制御指示に基づいて不図示のエンジンを制御する。
ここで、アクセル制御解除情報について説明すると、たとえば、方向指示器が操作されている状況は、追い越しのための車線変更など、運転者が大きな加速度を車両に要求している状況である。このような状況下では、目標加速度を無視して運転者の要求どおりの加速度で車両を加速させることがよい。また、オートクルーズが働いている期間は、加速も減速も行われないため、目標加速度を無視してオートクルーズの要求どおりに車両を走行させることがよい。また、ABSなどが車輪のスリップを検出したときには、スリップ脱出のために、エンジン回転速度を上げる必要が生じるので、目標加速度を無視して運転者の要求どおりのアクセル開度とすることがよい。このように、アクセル制御を解除すべき操作または制御が実施されているか否かを示す情報がアクセル制御解除情報である。
加速度比較部11は、目標加速度補正部13から出力される補正後の目標加速度と、加速度算出部12が算出した実際の加速度とを比較し、その差分の情報をアクセル開度計算部10に伝達する。
加速度算出部12は、不図示の車速センサから出力される車両の車速情報を微分するなどによって車両の加速度を算出するものである。加速度算出部12が算出した加速度情報は、加速度比較部11に伝達される。
目標加速度補正部13は、エンジン回転速度に対して予め定められているゲインにより、目標加速度記憶部14が記憶している車速に対して予め定められている目標加速度を補正するものである。なお、目標加速度補正部13は、エンジン回転速度に対して予め定められているゲインを記憶するためのメモリを有し、このメモリは、制御装置1の電源がOFF状態であっても記憶内容を保持することができる。なお、このメモリは、コンピュータである制御装置1が有する不揮発性のメモリの一部を利用することができる。
目標加速度記憶部14は、車速に対して予め定められている目標加速度を記憶するためのメモリであり、制御装置1の電源がOFF状態であっても記憶内容を保持することができる。なお、目標加速度は、車両のメーカ側が車種毎にテスト走行またはシミュレーションなどを行って適切な値を決定したものであり、この値が目標加速度として目標加速度記憶部12のメモリに記憶されている。なお、このメモリは、コンピュータである制御装置1が有する不揮発性のメモリの一部を利用することができる。
(動作)
次に、制御装置1の動作について、図1〜図5を参照して説明する。
加速度比較部11は、加速度算出部13から出力される実際の加速度情報と、目標加速度補正部13から伝達される補正後の目標加速度とを比較し、その差分がどれくらいであるかを示す情報をアクセル開度計算部10に伝達する。
アクセル開度計算部10の基本的な制御は、アクセルペダル操作情報から運転者が要求するアクセル開度を検出し、そのアクセル開度をエンジンECU15に対して指示することである。この際に、アクセル開度計算部10は、アクセル制御がON状態(すなわち不図示のアクセル制御スイッチがON状態)であれば、加速度比較部11から出力される実際の加速度情報と目標加速度とのプラス側の差分(すなわち目標加速度を実際の加速度が超えている分)が無くなるように制御を行う。さらに、アクセル開度計算部10は、方向指示器の操作、オートクルーズの操作、またはABSの制御の情報にしたがって、これらの操作または制御が行われているときには、アクセルペダル操作情報から検出した運転者が要求するアクセル開度を、そのままアクセル開度制御指示としてエンジンECU15に対して出力する。
また、アクセル開度計算部10は、アクセル制御がOFF状態(すなわち不図示のアクセル制御スイッチがOFF状態)であるときにもアクセルペダル操作情報から検出した運転者が要求するアクセル開度を、そのままアクセル開度制御指示としてエンジンECU15に対して出力する。
目標加速度記憶部14には、図2に示すように、車速に対応する目標加速度の情報が予め記憶されている。目標加速度は、図2に示すように、車両の発進に際し、比較的大きな加速度を必要とするので、車速が小さいほど目標加速度は、大きく設定されている。また、目標加速度は、低燃費で走行することを前提として急加速にならないように控え目に設定されている。
さらに、目標加速度補正部13には、図3に示すように、エンジン回転速度に対応するゲインの情報が予め記憶されている。ゲインは、図3に示すように、エンジン回転速度が所定の値(図3では1600rpm(round per minutes)付近)を超えると、急に低下するように設定されている。目標加速度補正部13は、目標加速度記憶部14に記憶されている目標加速度に対し、エンジン回転速度に応じたゲインを乗算した補正後の目標加速度を加速度比較部11に伝達する。すなわち、目標加速度補正部13は、エンジンの回転速度が所定の値を超えるときには、目標加速度記憶部14に記憶されている目標加速度を引き下げるように制御する。
ここで、アクセル開度計算部10の動作を図4のフローチャートを参照しながら説明する。車両のキースイッチがON状態であるときに、コンピュータである制御装置1にアクセル開度計算部10の機能が実現される。さらに、制御装置1のアクセル制御もON状態であるときにSTARTの条件が整う。なお、図4のフローチャートにおけるSTARTからENDまでの処理は、1周期分の処理であり、上述のSTARTの条件が整っていれば、処理は繰り返し実行される。
ステップS1:アクセル開度計算部10は、アクセルペダルの操作情報を取得してステップS2の手続きに進む。
ステップS2:アクセル開度計算部10は、取得したアクセルペダルの操作情報に基づいてアクセルの要求開度を計算してステップS3の手続きに進む。アクセルペダルの操作情報に基づいてアクセルの要求開度を計算する方法としては、アクセルペダルの踏み込み量に対応するアクセルの要求開度が記録されたテーブルなどを用いる方法がある。
ステップS3:アクセル開度計算部10は、加速度比較部11から伝達される補正後の目標加速度と実際の加速度との差分情報を取得してステップS4の手続きに進む。なお、目標加速度補正部13におけるゲインが「1」であるときには、補正後の目標加速度は、目標加速度記憶部14に記憶されている目標加速度そのものになる。
ステップS4:アクセル開度計算部10は、加速度比較部11から伝達された差分情報がプラスか否かを判定する。ステップS4において、差分情報がプラスであると判定されると、手続きは、ステップS5に進む。一方、ステップS4において、差分情報がゼロ以下であると判定されると、手続きは、ステップS8に進む。
ステップS5:アクセル開度計算部10は、アクセル制御を解除するに相当する情報の有無を判定する。ここで、アクセル制御を解除するに相当する情報とは、前述したように、方向指示器の操作、オートクルーズの操作、またはABSの制御の情報である。ステップS5において、アクセル制御を解除するに相当する情報が無いと判定されると、手続きは、ステップS6に進む。一方、ステップS5において、アクセル制御を解除するに相当する情報が有ると判定されると、手続きは、ステップS8に進む。
ステップS6:アクセル開度計算部10は、エンジンECU15へのアクセル制御指示における指示開度を、要求開度未満として、ステップS7の手続きに進む。
ステップS7:アクセル開度計算部10は、加速度比較部11から伝達された差分情報がゼロ以下か否かを判定する。ステップS7において、差分情報がゼロ以下であると判定されると、1周期分の処理を終了する(END)。一方、ステップS7において、差分情報がゼロ以下でない(すなわちプラス)と判定されると、手続きは、ステップS9に進む。
ステップS8:アクセル開度計算部10は、エンジンECU15へのアクセル制御指示における指示開度を、要求開度のままとして、1周期分の処理を終了する(END)。
ステップS9:アクセル開度計算部10は、エンジンECU15へのアクセル制御指示における指示開度を、さらに低減させて、ステップS7の手続きに戻る。
次に、制御装置1の制御による車両の走行時の車速、加速度、およびエンジン回転速度の関係を図5に示す。図5では、太い実線により目標加速度20を示し、破線によりゲイン21を示し、細い実線により補正後の目標加速度(すなわち、目標加速度×ゲイン)22を示し、一点鎖線によりエンジン回転速度23を示す。さらに、縦の破線により時刻t1〜t6を示す。
図5の例では、時刻t1で、時速10km/h付近からエンジン回転速度23(一点鎖線)が急に立ち上がっている。このときに運転者は、車両を加速させるために、アクセルペダルを大きく踏み込む操作を行っている。続いて、時刻t2で、ゲイン21(破線)が急に落ち込むと共に、補正後の目標加速度22(細い実線)も急に落ち込んでいる。これは、エンジン回転速度が図3に示す1600rpm付近に達したことで、ゲイン21が急に低下したことに起因する。すなわち、目標加速度補正部13は、エンジンの回転速度が所定の値を超えるときには、目標加速度記憶部14に記憶されている目標加速度を引き下げるように制御する。
やがて時刻t3で、ゲイン21の曲線の降下率は、緩やかになる。これは、エンジン回転速度が図3に示す2000rpm付近を超えたことで、ゲイン21が横ばい状態になったことに起因する。なお、図5において、ゲイン21と補正後の目標加速度22は、ほぼ同じように変化している。
図4に示すように、時刻t2から時刻t3までの補正後の目標加速度22と時刻t3以降の補正後の目標加速度22とを比べると、時刻t3以降の補正後の目標加速度22は、時刻t2から時刻t3までの補正後の目標加速度22よりもさらに低く、しかも時刻t3以降では、ほぼ横ばい状態になる。このときの矢示の傾きで示したエンジン回転速度の上昇率A1、B1を比較した場合、A1>B1である。このときの運転者のアクセルペダルの踏み込み量は、時刻t1〜t3以降まで一定であるものとする。
エンジン回転速度の上昇率がA1からB1へと変化する時刻t3では、運転者の体感的には、時刻t3を境にして加速感が急に抜ける感じになる。運転者は、加速感が急に抜けたことを体感し、これによりシフトタイミングの到来を知ることができる。
そこで運転者は、時刻t4でシフトアップの操作を行う。このときに、運転者は、アクセルペダルを解放するのでエンジン回転速度は低下する。これにより、ゲイン21は、いったん「1」に戻るため、補正後の目標加速度22も、いったん目標加速度20まで収束する。時刻t4でシフトアップが完了すると、運転者は、再びアクセルペダルを踏み込むので、エンジン回転速度も再び上昇を開始する。このときに運転者は、アクセルペダルを大きく踏み込む操作を行っている。
続いて、時刻t5で、ゲイン21の曲線が急に落ち込むと共に、補正後の目標加速度22の曲線も急に落ち込んでいる。これは、エンジン回転速度が図3に示す1600rpm付近に達したことで、ゲイン21が急に低下したことに起因する。やがて時刻t6で、ゲイン21の曲線の降下率は、緩やかになる。これは、エンジン回転速度が図3に示す2000rpm付近を超えたことで、ゲイン21が横ばい状態になったことに起因する。なお、図5において、ゲイン21と補正後の目標加速度22は、ほぼ同じように変化している。
図5に示すように、時刻t5から時刻t6までの補正後の目標加速度22と時刻t6以降の補正後の目標加速度22とを比べると、時刻t6以降の補正後の目標加速度22は、時刻t5から時刻t6までの補正後の目標加速度22よりもさらに低く、しかも時刻t6以降では、ほぼ横ばい状態になる。このときのエンジン回転速度の上昇率A2、B2を比較した場合、A2>B2である。このときの運転者のアクセルペダルの踏み込み量は、時刻t4〜t6以降まで一定であるものとする。
エンジン回転速度の上昇率がA2からB2へと変化する時刻t6では、運転者の体感的には、時刻t6を境にして加速感が急に抜ける感じになる。運転者は、加速感が急に抜けたことを体感し、これによりシフトタイミングの到来を知ることができる。以降の説明は、前述したものと同様であるので、説明は省略する。
このようにして、ローギヤからトップギヤまでのシフトアップ操作が行われる。なお、ギヤ比が小さいギヤ段数では、アクセル開度の変化による車速の変化は鈍くなるため、エンジン回転速度の上昇率の変化も小さくなる。
(効果)
制御装置1は、マニュアルトランスミッションを有する車両に搭載され、車両の車速に対応して予め設定されている目標加速度を、実際の加速度が超えるときには、目標加速度に実際の加速度が近付くようにアクセル開度の調整を行うアクセル開度計算部10を有することにより、目標加速度記憶部14に記憶されている目標加速度は、低燃費で走行することを前提として設定されているので、アクセル開度計算部10の制御によれば、たとえば運転者が波状なアクセルペダルの操作や過大なアクセルペダルの踏み込み操作を行った場合でも波状の加速度の変化や過大な急加速を抑え、燃費を低く抑えることができる。
また、制御装置1による上述した制御は、車速から算出される加速度に基づき行われる。したがって、各種センサを設置する必要はなく、データ算出処理、および諸元データの記憶も不要である。これによれば、上述した第一の問題点を解決することができる。
さらに、制御装置1は、図3に示すゲインを用いて、車両のエンジンの回転速度が所定の値を超えるときには、目標加速度を引き下げるように制御することができるので、これによれば、いわゆる「ローで引っ張る」と言われているような、ギヤ比が大きいギヤ段数で、高いエンジン回転速度を維持したままで、車両の車速を高めるような運転を運転者が行わないようにさせることができる。これによっても車両の発進時または変速時の燃費を低く抑えることができる。
また、制御装置1は、車両のエンジンの回転速度が所定の値を超えるときには、目標加速度を引き下げるように制御することができるので、エンジンの回転速度が高くなるシフトタイミングに合わせて、目標加速度が引き下げられる。これにより、制御装置1の制御によれば、図5の時刻t3、t6に示すように、シフトタイミングを体感により運転者に知らせることができる。これによって、前方を注視している運転者がモニタの表示を見落としたり、周囲の騒音によりシフトタイミングを知らせる音声を聞き漏らす可能性は無くなり、上述した第二の問題点を解決することができる。また、これによれば、運転者は、燃費節約のために最適なシフトタイミングを確実に認識することができるので、これによっても燃費の削減を図ることができる。
さらに、制御装置1は、図4のステップS5の「No」の処理のように、車両における所定の操作または制御が実施されているときには、アクセル開度の調整は行わないようにできる。ここで、所定の操作または制御とは、方向指示器の操作、オートクルーズの操作、またはABSの制御などである。これらの操作または制御が行われているときには、アクセルペダル操作情報から検出した運転者が要求するアクセル開度を、そのままアクセル開度制御指示としてエンジンECU15に対して出力することにより、ドライバビリティを良好にすることができる。
たとえば、方向指示器が操作されている状況は、追い越しのための車線変更など、運転者が大きな加速度を車両に要求している状況である。このような状況下では、目標加速度を無視して運転者の要求どおりの加速度で車両を加速させることができる。また、オートクルーズが働いている期間は、加速も減速も行われないため、目標加速度を無視してオートクルーズの要求どおりに車両を走行させることができる。また、ABSなどが車輪のスリップを検出したときには、スリップ脱出のために、エンジン回転速度を上げる必要が生じるので、目標加速度を無視して運転者の要求どおりのアクセル開度とすることができる。
(その他の実施の形態)
図4のフローチャートでは、アクセル開度計算部10は、ステップS4で「差分はプラスか?」とし、ステップS7で「差分はゼロ以下か?」とし、加速度比較部11から伝達された目標加速度と実際の加速度との差分がゼロであるポイントを境界点にして制御の切り替えを実施した。これに対し、境界点をまたいで差分が上下するような場合、制御の切り替えが頻繁に発生することを防ぐために、たとえばステップS4で「差分は+0.5か?」とし、ステップS7で「差分は−0.5か?」などとして、境界点に応差(ヒステリシス)を設けてもよい。
また、制御装置1によるアクセル制御において、エンジン回転速度の立ち上がりからアクセル制御が開始されるまでに、一定の期間を設けてもよい。これによれば、エンジン回転速度の立ち上がりでは、アクセル制御が未だ開始されておらず、エンジン回転速度立ち上がりのドライバビリティを運転者の要求どおりとすることができる。これにより、運転者が加速感のドライバビリティに違和感を覚える状況を緩和させることができる。
また、制御装置1によって実行されるプログラムは、制御装置1にあらかじめインストールされると説明したが、プログラムが記録されている(プログラムを記憶している)リムーバブルメディアを図示せぬドライブなどに装着し、リムーバブルメディアから読み出したプログラムを制御装置1の内部の不揮発性のメモリに記憶することにより、または、有線または無線の伝送媒体を介して送信されてきたプログラムを、図示せぬ通信部で受信し、制御装置1の内部の不揮発性のメモリに記憶することで、コンピュータである制御装置1にインストールすることができる。
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであってもよいし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであってもよい。
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
1…制御装置、10…アクセル開度計算部(制御手段)、11…加速度比較部、12…加速度算出部、13…目標加速度補正部、14…目標加速度記憶部

Claims (5)

  1. マニュアルトランスミッションを有する車両に搭載され、前記車両の車速に対応して予め設定されている目標加速度を、実際の加速度が超えるときには、前記目標加速度に実際の加速度が近付くようにアクセル開度の調整を行う制御手段を有する車両の制御装置であって、
    前記制御手段は、各ギヤ段において前記車両のエンジンの回転速度が所定の値を超えるときには、前記目標加速度を引き下げその後横ばい状態に制御する、
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  2. 請求項1記載の車両の制御装置であって、
    前記制御手段は、車両における方向指示器の操作または定速走行制御またはABS制御が実施されているときには、アクセル開度の調整は行わない、
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  3. 請求項1または2記載の車両の制御装置を有することを特徴とする車両。
  4. マニュアルトランスミッションを有する車両に搭載され、前記車速に対応して予め設定されている目標加速度を、実際の加速度が超えるときには、前記目標加速度に実際の加速度が近付くようにアクセル開度の調整を行う制御ステップを有する車両の制御方法であって、
    前記制御ステップの処理は、各ギヤ段において前記車両のエンジンの回転速度が所定の値を超えるときには、前記目標加速度を引き下げその後横ばい状態に制御するステップを有する、
    ことを特徴とする車両の制御方法。
  5. コンピュータに、
    マニュアルトランスミッションを有する車両に搭載され、前記車速に対応して予め設定されている目標加速度を、実際の加速度が超えるときには、前記目標加速度に実際の加速度が近付くようにアクセル開度の調整を行う車両の制御機能を実現させるプログラムであって、
    前記制御機能は、各ギヤ段において前記車両のエンジンの回転速度が所定の値を超えるときには、前記目標加速度を引き下げその後横ばい状態に制御する機能である、
    ことを特徴とするプログラム。
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