JP4992352B2 - 固体撮像装置 - Google Patents
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Description
一方、CCDイメージセンサでは、各画素にはフォトダイオード領域の他に、光電変換された電荷を転送する垂直CCD転送領域があり、この領域に光が入射すると、偽信号になるため、この領域は遮光しなければならない。
このように、イメージセンサでは、単位画素内に遮光領域を形成している。
しかしながら、この場合、撮像領域(画素アレイ部)の中心部の画素では、フォトダイオードに入射する主光線角度が通常0°であり、フォトダイオードに垂直に光が入射する。一方、撮像領域の周辺部の画素では、フォトダイオードに入射する主光線角度は、ある角度をもって入射するのが一般的である。具体的には、撮像領域の周辺部の画素に対する主光線は、撮像領域の中心部から遠ざかる向きに傾斜して入射するのが一般的である。
この結果、撮像領域の中心部ではフォトダイオードの開口中心とマイクロレンズ・層内レンズの中心を合わせるが、撮像領域の周辺部ではフォトダイオードの開口中心とマイクロレンズ・層内レンズの中心を合わせてしまうと、斜めの入射光に対して光軸が斜めになり、入射光の一部がフォトダイオードの外に入射し、ケラレ現象が生じる。
このとき、撮像領域の周辺部のレイアウトは、配線、マイクロレンズなどを平行移動すれは撮像領域の中心部のレイアウトと一致する。
そこで、この制限の具体例として、3層メタル配線構造を用いた画素を例に説明する。図6は3層メタル配線におけるFD部周辺の素子配置を示す模式的な平面図である。
図において、各画素で光電変換された信号を電気信号として伝達する垂直信号線110と、FD部112と増幅トランジスタのゲート(図示せず)とをつなぐ内部配線114が共通の2層目配線膜を用いて形成されている。また、FD部112と内部配線114との間はコンタクト部116によって接続されている。
なお、図示の配線の上に3層目のメタル配線膜として、遮光と電源線を兼ねた配線が形成されているものとする。
このような配線構造において、垂直信号線110を瞳補正のために移動使用とした場合、コンタクト部116から離間する方向(すなわち、図中の右方向(矢印A))には、比較的自由に移動できるが、反対方向(すなわち、図中の左方向(矢印B))は、FD部112と内部配線114をつないだコンタクト部116の位置が移動できないため、垂直信号線110を大きく移動させると、コンタクト部に接触してしまうことになり、十分な自由度を持って移動できない。
さらに、ケラレによって生じた光線が反射・屈折現象により、隣接する画素に漏れこんだ場合には、混色と呼ばれる画質劣化を起こしてしまう。
したがって、自由度の高い瞳補正を行うことができ、撮像領域全体の受光効率や均一性を改善でき、固体撮像装置の画質の向上等に寄与できる効果がある。
そして、水平信号線27に出力された画素信号はバッファアンプを介して後段の回路に伝送される。
したがって、画素16の近傍には、垂直方向に垂直信号線28や電源線等が配線され、水平方向に読み出し線17、リセット線18、選択線19等が配線されている。
この問題は、瞳補正によって配線をずらしたい方向が撮像領域の部位によって異なるにも拘らず、画素の基本レイアウト(配線の位置関係)が撮像領域全体で共通であることに起因している。すなわち、画素アレイ部(撮像領域)を左右に2分割して考えると、配線の瞳補正を行う場合、撮像領域の右側の領域では配線を左方向にずらすことになり、撮像領域の左側の領域では配線を右方向にずらすことになるので、コンタクト部のような障害物が配線の右側にあるレイアウトであれば、右方向にずらしたい撮像領域の左側の配線は十分な瞳補正の自由度がなくなり、逆に障害物が配線の左側にあれば、左方向にずらしたい撮像領域の右側の配線は自由度がなくなる。すなわち、瞳補正によって配線をずらしたい方向に障害物がある領域と、瞳補正によって配線をずらしたい方向の反対側に障害物がある領域とが混在することになり、全体として有効な瞳補正を行うことが制限されることになる。
なお、画素アレイ部(撮像領域)を上下左右に4分割して考えた場合も同様に、瞳補正によって配線をずらしたい方向に障害物がある領域と、瞳補正によって配線をずらしたい方向の反対側に障害物がある領域とが混在して、全体として十分な瞳補正が制限されてしまう。
そこで、本発明の実施例では、画素アレイ部(撮像領域)の分割領域毎に、配線(具体的には垂直信号線とコンタクト部)の位置関係を変えることにより、瞳補正によってずらしたい垂直信号線のずらし方向と反対側にコンタクト部が配置されるようにし、垂直信号線の十分なずらし量を確保することによって、十分な瞳補正を可能とし、補正の効果を向上するようにした。
例えば、撮像素子の規格について考える。HDTV規格では横縦比(水平垂直比)が16:9、NTSC規格では横縦比が4:3、一眼レフタイプのカメラでは、横縦日が3:2である。つまり、全ての規格において縦方向(垂直方向)より横方向(水平方向)の方が長い。したがって、撮像素子を正方格子で実現した場合、水平方向の画素数は、垂直方向の画素数より多くなる。また、単位画素が正方形である画素を斜め45°に配置した、ズラシ画素においても、垂直方向の画素数より、水平方向の画素数が多くなる。また、入射光線角度は一般に、像高が大きくなるに従い大きくなる傾向にあるか、ある像高まで大きくなり、それ以降はほぼ一定か、時には僅かに小さくなる非球面レンズもある。
いずれにせよ、水平方向が、垂直方向より瞳補正する量が多くなる傾向にある。
ここで、マイクロレンズに瞳補正をかけることを考える。光学シミュレーション等により決定した最適オフセット量をX軸に対してXm1(>0)、Y軸に対してYm1(>0)とすると、この画素のマイクロレンズの座標は(X1−Xm1、Y1−Ym1)となる。これとY軸に対して対称の位置にある画素の座標は、(−X1、Y1)であり、最適なマイクロレンズの座標は、(−X1+Xm1、Y1−Ym1)となる。
このように瞳補正を適用すると、撮像領域の周辺部では、撮像領域の中心部方向にオフセットを持たせた位置が、最適なマイクロレンズ形成位置になる。
しかし、マイクロレンズ、層内レンズ、カラーフィルタと違い、メタル配線、ビアプラグ、コンタクトプラグは、下層との電気的接続条件を満たす必要があり、瞳補正が可能な量は、中心のレイアウトを決めてしまうと、デザインルールと接続関係より、自ずと定まってしまう。
つまり、撮像領域の周辺部では、瞳補正を行う向きが多岐に渡っており、これらすべての瞳補正要求を満たすレイアウトは、特に、画素が縮小されて配線等を動かせる量に制限が加わる微細画素では、不可能になってくる。
そこで、本実施例では、画素位置によって瞳補正を行う向きが異なることを利用した配線レイアウトを適用する。例えば、画素位置が+X(>0)の場所では、配線の瞳補正の向きは−X(<0)方向のみであり、画素位置が−X(<0)の場所では、配線の瞳補正の向きは+X(>0)方向のみである。よって、画素位置+Xでは、−X方向に瞳補正がし易い配線レイアウトとし、画素位置−Xでは、+X方向に瞳補正がし易い配線レイアウトにすれば、撮像領域全体で瞳補正の自由度が増すことになる。
そして図4では撮像領域の中心側から周辺側に振り分けられた左右の2分割領域に配置される画素の配線を示しており、図4(A)が撮像領域の中心から左側(−X側)に配置される画素位置の配線であり、図4(B)が撮像領域の中心から右側(+X側)に配置される画素位置の配線である。
そして、図4(A)に示すように、撮像領域の左側に配置される画素では、コンタクト部31及び配線32が左側に配置され、垂直信号線28が右側に配置されている。
一方、図4(B)に示すように、撮像領域の右側に配置される画素では、コンタクト部31及び配線32が右側に配置され、垂直信号線28が左側に配置されている。
以下、このような配線による作用効果について説明する。なお、ここで説明を簡単化するために、図4に示す2つの画素位置が単純にX軸上に配置されたものとして説明する。したがって、これらの画素の瞳補正はX方向のみを考えればよい。
まず、図4(A)に示す撮像領域の左側の画素では、配線瞳補正の方向は+X方向であり、撮像領域の左側の画素では配線の瞳補正は配線28、32を撮像領域の中心方向、すなわち図5(A)に示すように、右方向(矢印a方向)に配線28、32をずらすことになる。
同様に、撮像領域の右側の画素では、配線の瞳補正は、配線28、32を撮像領域の中心方向、すなわち図5(B)に示すように、左方向(矢印b方向)に配線28、32をずらすことになる。
これに対し、本実施例のように、画素の位置で瞳補正方向が固有に定まる点を利用し、画素配置位置で基本となるレイアウトを変更することで、瞳補正の自由度を上げ、配線によるケラレを低減し、感度の低下を防ぎ、混色を防ぐことができる。
しかし、さらに工夫を施した例として、撮像領域を中心を原点として上下左右に4分割し、それぞれの画素で基本となるレイアウトを変更すれば、さらに瞳補正の自由度が増え、画質の向上を図ることが可能となる。例えば、上述した図2に示す水平方向の信号線の配線に関し、コンタクト部との位置関係を撮像領域の上側と下側とで逆方向に配置することで、瞳補正の自由度を向上できることが期待できる。
例えば、携帯電話等の携帯端末にカメラを搭載する場合、携帯端末に搭載できる薄さにすべく、レンズモジュール(レンズと撮像素子を1つのモジュールにしたもの)に対する薄さの要求が強い。そして、このような場合のレンズは、射出瞳距離が短いレンズが多く、この射出瞳距離が短いレンズでは、撮像領域の周辺部での主光線入射角度が大きくなる傾向にあり、この光軸に沿う瞳補正を行うには、大きい瞳補正量が必要となる。
また、携帯端末には、物理的制約により、現在のところ十分な光量を発光できるフラッシュを搭載できておらず、手ぶれを防ぐシャッタスピードを稼ぐため、F2.8等のF値の小さい、より明るいレンズを使用する傾向にある。しかし、このF値が小さいレンズは、副光線角度が大きくなり、フォトダイオードに光が入射しずらくなっている。
また、上述のように瞳補正は、マイクロレンズ、カラーフィルタ、層内レンズのみでなく、電気的接続条件が必要なメタル配線、ビア、コンタクトにも行う必要がある。こうしないと、配線などによるケラレが発生して感度低下、混色の原因となる。一方、配線のメタル配線幅、メタル配線スペースは、メタル配線プロセスによりデザインルールとして定められており、実際のレイアウトで瞳補正が可能となる範囲は限られてしまう。例えば、理論計算または、光学シミュレーションの結果、配線のオフセット量が0.5μm必要とされたが、デザインルールを満たしたレイアウトでは、0.3μmまでしかオフセットできないと仮定する。このような状況では、撮像領域の周辺部では、配線が十分な瞳補正を行えないため、配線によるケラレが発生し、撮像領域の周辺部での感度低下が生じる。この配線によりケラレた光が、隣接画素に漏れこむと混色になる。
例えば、1つの画素レイアウトで、全ての画素位置での瞳補正を実現する場合、上述した撮像領域の左側の画素で配線を右方向にずらせる量をH1とし、撮像領域の右側の画素で配線を左方向にずらせる量をH2とした場合、撮像領域内で均等に瞳補正ができる量は、H1とH2の絶対値の最小となる。一方、撮像領域をY軸で左右に2分割し、右側の画素と左側の画素で基本レイアウトを変更すれば、従来の瞳補正可能量の約2倍の瞳補正ができる。
また、実施例では撮像領域の中心を基点にして、上下または左右に2分割したり、上下左右に4分割するような分割領域の例を説明したが、分割領域の設け方としては瞳補正の実情等に合わせて種々採用が可能であり、例えば撮像領域の中心領域の除く周辺領域だけに配線の位置関係を変更する領域を設けるような形態も可能である。
Claims (10)
- 半導体基板上に複数の光電変換部が2次元方向に配置された画素アレイ部と、
前記画素アレイ部の上部に絶縁膜を介して積層された配線を備える配線層と、
前記配線層上に配置され、前記画素アレイ部における光電変換部のピッチと異なる瞳補正によるピッチを有して形成されたマイクロレンズとを有し、
前記画素アレイ部を少なくとも2つの分割領域に分割したとき、
前記画素アレイ部の一方の分割領域に配置される画素と、他方の分割領域に配置される画素とでは、前記画素アレイ部の画素毎に対応して形成される配線のうち隣接する画素間に設けられた第1配線と第2配線であって、一方向に配線され所定のコンタクト部を介して前記半導体基板に接続された第1配線と、前記第1配線に隣接して配置され、前記第1配線と同方向に配線された第2配線とが、前記光電変換部に対して逆の位置関係となるように設けられている
固体撮像装置。 - 前記第1配線と前記第2配線は同層に形成されている
請求項1に記載の固体撮像装置。 - 前記第1配線は前記コンタクト部を介して、前記光電変換部から信号電荷を取り出すためのフローティングディフュージョン部に接続され、
前記第2配線は画素信号を伝送するための垂直信号線を構成する
請求項2に記載の固体撮像装置。 - 前記第1配線及び前記コンタクト部が前記第2配線よりも前記画素アレイ部の中心寄りに形成されている
請求項3に記載の固体撮像装置。 - 前記第2配線がマイクロレンズの瞳補正方向にずれたピッチで形成されていることを特徴とする請求項1記載の固体撮像装置。
- 前記分割領域は画素アレイ部の垂直方向に分割された領域であることを特徴とする
請求項1記載の固体撮像装置。 - 前記分割領域は画素アレイ部の水平方向に分割された領域であることを特徴とする
請求項1記載の固体撮像装置。 - 前記分割領域は画素アレイ部の垂直方向及び水平方向にそれぞれ分割された少なくとも4つの領域であることを特徴とする請求項1記載の固体撮像装置。
- 前記分割領域は画素アレイ部の画素数の多い方向に分割された領域であることを特徴とする請求項1記載の固体撮像装置。
- 半導体基板上に複数の光電変換部が2次元方向に配置された画素アレイ部と、
前記画素アレイ部の上部に絶縁膜を介して積層された配線を備える配線層と、
前記配線層上に配置され、前記画素アレイ部における光電変換部のピッチと異なる瞳補正によるピッチを有して形成されたマイクロレンズとを有し、
前記画素アレイ部を少なくとも2つの分割領域に分割したとき、
前記画素アレイ部の一方の分割領域に配置される画素と、他方の分割領域に配置される画素とでは、前記画素アレイ部の画素毎に対応して形成される配線のうち水平方向に隣接する画素間に設けられた第1配線と第2配線であって、垂直方向に配線され所定のコンタクト部を介して前記半導体基板に接続された第1配線と、前記第1配線に隣接して配置された、画素信号を伝送する垂直信号線を構成する第2配線とが、前記光電変換部に対して逆の位置関係となるように設けられ、
前記第1配線及び前記コンタクト部が前記第2配線よりも前記画素アレイ部の中心寄りに形成されている
固体撮像装置。
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