JP4992267B2 - 走行装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ばね下の振動を抑制できる走行装置に関する。
乗用車やトラック等の車両においては、懸架装置を介して車輪を車体に取り付けて、路面から車輪を介して入力される衝撃を、懸架装置が備えるばねによって吸収し、緩和する。車輪を構成するタイヤやホイールは、懸架装置のばね下に取り付けられる構造物であり、ばね下の質量増加にともなって車輪の接地性能が悪化することは一般に知られている。特許文献1には、ストローク検出手段(センサ)を用い、懸架装置のストローク速度を演算して、制御懸架装置のストローク速度が閾値以下の場合には、前記ストローク速度に応じた駆動トルクを車輪に付与する懸架装置が開示されている。
特開2005−119548号公報
しかし、特許文献1に開示されている懸架装置は、懸架装置のストローク速度を検出するためのストローク速度検出手段が別個に必要となる。その結果、懸架装置自体の質量増加、及びコスト増加を招く。そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、懸架装置にストローク速度検出手段を別個に設けることなく、ばね下の振動を抑制できる走行装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、ばね下の共振点と車輪速度変動の周波数分布のピークは一致することに着目した。そして、本発明者らは、ばね下が振動することで、車輪の接地荷重が変動し、これによって荷重方向における車輪の半径が変化する結果、車輪速度変動が発生すると予測し、本発明を完成した。
本発明に係る走行装置は、懸架装置を介して車両に支持される車輪の回転速度を検出する車輪速度検出手段と、前記車輪の回転速度の変動に基づき、前記車輪の回転速度の変動を抑制する駆動トルクを前記車輪に付与することにより前記懸架装置のばね下の上下振動を抑制する振動抑制手段と、前記車輪の回転速度の変動を抽出する駆動制御装置と、を含み、前記駆動制御装置は、前記車輪の慣性質量をJiとし、前記車輪の接地荷重をMiとし、前記車輪の回転角速度をωiとし、前記車輪の回転角速度を時間で微分した前記車輪の回転角加速度をωi'とし、前記車輪の動荷重半径をriとし、前記車輪の駆動トルクをTiとすると、(Ji+Mi×ri 2 )ωi'=Ti、と表される運動方程式を用いて、前記車輪の回転角加速度ωiを前記駆動制御装置が抽出した前記車輪の回転速度の変動として、前記車輪の駆動トルクTiを求め、この求めた駆動トルクTiを、前記車輪の回転速度の変動を抑制する駆動トルクとして前記車輪に付与することを特徴とする。
この走行装置は、懸架装置を介して車両に支持される車輪の回転速度の変動に基づき、懸架装置のばね下の上下振動を抑制する。これによって、懸架装置にストローク速度検出手段を別個に設けることなく、ばね下の振動を抑制できる。
次の本発明に係る走行装置は、前記走行装置において、前記車輪の回転速度の変動は、前記車輪速度検出手段が検出した前記車輪の回転速度から抽出され、かつ前記ばね下の共振周波数を中心とした所定の周波数帯域における前記車輪の回転速度の周波数成分であることを特徴とする。
次の本発明に係る走行装置は、前記走行装置において、前記車輪速度検出手段が検出した前記車輪の回転速度から、前記所定の周波数帯域における前記車輪の回転速度の周波数成分を、フィルタ手段により抽出することを特徴とする。
次の本発明に係る走行装置は、前記走行装置において、前記車輪の回転速度の変動は、
前記車輪速度検出手段が検出した前記車輪の回転速度と、前記車両の車体速度から求めた前記車輪の回転速度である推定車輪速度と、の偏差であることを特徴とする。
次の本発明に係る走行装置は、前記走行装置において、前記車輪の回転速度の変動は、前記車輪速度検出手段が検出した現在における前記車輪の回転速度と、現在以前の所定期間内において前記車輪速度検出手段が検出した前記車輪の回転速度の平均値である平均車輪速度と、の偏差であることを特徴とする。
次の本発明に係る走行装置は、前記走行装置において、前記車輪の回転速度の変動を、前記車両の直進時においては、前記車輪速度検出手段が検出した前記車輪の回転速度と、前記車両の車体速度から求めた前記車輪の回転速度である推定車輪速度と、の偏差とし、前記車両の旋回中においては、前記車輪速度検出手段が検出した現在における前記車輪の回転速度と、現在以前の所定期間内において前記車輪速度検出手段が検出した前記車輪の回転速度の平均値である平均車輪速度と、の偏差とすることを特徴とする。
次の本発明に係る走行装置は、前記走行装置において、前記車輪の回転速度の変動は、前記車輪速度検出手段が検出した前記車輪の回転速度から抽出され、かつ前記ばね下の共振周波数を中心とした所定の周波数帯域における前記車輪の回転速度の周波数成分と、前記車輪速度検出手段が検出した前記車輪の回転速度と、前記車両の車体速度から求めた前記車輪の回転速度である推定車輪速度と、の偏差と、前記車輪速度検出手段が検出した現在における前記車輪の回転速度と、現在以前の所定期間内において前記車輪速度検出手段が検出した前記車輪の回転速度の平均値である平均車輪速度と、の偏差とに、それぞれ所定の重み付けをしてから加算したものであることを特徴とする。
次の本発明に係る走行装置は、前記走行装置において、前記所定の重み付けは、前記車両の車体速度、及び前記車両の旋回に関するパラメータに基づいて決定されることを特徴とする。
次の本発明に係る走行装置は、前記走行装置において、前記車両の旋回に関するパラメータは、少なくとも前記車両の操舵角度及び前記車両のヨーレートであることを特徴とする。
次の本発明に係る走行装置は、前記走行装置において、前記車輪のロック防止制御又は前記車輪の駆動力制御のうち少なくとも一方を実行している場合には、前記振動抑制手段によるばね下の上下振動の抑制を停止することを特徴とする。
次の本発明に係る走行装置は、前記走行装置において、前記車輪の回転速度の変動を抑制する駆動トルクを前記車輪に付与する前後において、前記車輪に付与する最終的な駆動トルクが反転する場合には、前記車輪に付与する最終的な駆動トルクを修正することを特徴とする。
次の本発明に係る走行装置は、前記走行装置において、前記車輪に付与する最終的な駆動トルクが反転する場合には、前記車輪に付与する最終的な駆動力を0にすることを特徴とする。
次の本発明に係る走行装置は、前記走行装置において、前記車輪に付与する最終的な駆動トルクが反転する前後における所定のトルクの範囲内では、前記車輪に付与する最終的な駆動トルクの変化率を前記所定のトルクの範囲外における変化率よりも小さくすることを特徴とする。
次の本発明に係る走行装置は、前記走行装置において、前記車輪を駆動するために要求される駆動トルクが所定の閾値よりも小さい場合には、前記車輪に付与する最終的な駆動トルクを0にすることを特徴とする。
次の本発明に係る走行装置は、前記走行装置において、前記車輪の回転速度の変動が所定の条件を満たした場合に、前記振動抑制手段が作動することを特徴とする。
次の本発明に係る走行装置は、前記走行装置において、前記車輪の回転速度の変動が、所定の回数連続して予め定めた閾値を超えた場合、又は前記車輪の回転速度の変動の絶対値を積算した値が、予め定めた所定の閾値を超えた場合には、前記振動抑制手段が作動することを特徴とする。
この発明に係る走行装置は、懸架装置にストローク速度検出手段を別個に設けることなく、ばね下の振動を抑制できる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この発明を実施するための最良の形態(以下実施形態という)によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
以下においては、動力発生手段に電動機を用いる、いわゆる電気自動車に本発明を適用した場合について説明するが、本発明の適用対象はこれに限られるものではなく、車輪の回転速度変動に基づいて、当該車輪の上下振動を抑制する振動抑制手段を備えるものであれば本発明を適用できる。動力発生手段は電動機に限られるものではなく、内燃機関でもよく、内燃機関と電動機とを組み合わせた、いわゆるハイブリッドの動力発生手段を用いてもよい。また、本発明においては、車両が備える車輪の個数は4個に限定されるものではなく、単輪に対するばね下振動を抑制する場合にも本発明は適用できる。
この実施形態は、懸架装置を介して車両に支持される車輪の回転速度の変動に基づき、懸架装置のばね下の上下振動を抑制する点に特徴がある。
図1は、この実施形態に係る走行装置を備える車両の構成を示す概略図である。この車両1は、電動機のみを動力発生手段とする走行装置100を備える。走行装置100は、動力発生手段として、左前側電動機10L、右前側電動機10R、左後側電動機11L、右後側電動機11Rを備えている。そして、左前側電動機10Lは左側前輪2Lを、右前側電動機10Rは右側前輪2Rを、左後側電動機11Lは左側後輪3Lを、右後側電動機11Rは右側後輪3Rを駆動する。このように、この走行装置100は、すべての車輪が駆動輪となる全輪駆動形式となっている。また、左前側電動機10L、右前側電動機10R、左後側電動機11L、右後側電動機11Rは、左側前輪2L、右側前輪2R、左側後輪3L、右側後輪3Rのホイール内に配置される、いわゆるインホイールタイプの構成となっている。
以下の説明において、4台の電動機を区別しない場合には、単に電動機Mといい、4輪を区別しない場合には、単に車輪Wという。また、4輪のうち車両1の前後に着目するときには前輪2、後輪3といい、4台の電動機のうち、車両1の前後に着目するときには、前側電動機10、後側電動機11という(以下同様)。ここで、左右の区別は、車両1(あるいは走行装置100)の前進する方向(図1の矢印X方向)を基準とする。すなわち、「左」とは、車両1(あるいは走行装置100)の前進する方向に向かって左側をいい、「右」とは、車両1(あるいは走行装置100)の前進する方向に向かって右側をいう。
この実施形態において、左前側電動機10L、右前側電動機10R、左後側電動機11L、右後側電動機11Rは、ECU(Engine Control Unit)50によってそれぞれ独立に制御される。これによって、左側前輪2L、右側前輪2R、左側後輪3L、右側後輪3Rそれぞれの駆動力が独立して制御される。また、左側前輪2Lの駆動力と、右側前輪2Rの駆動力と、左側後輪3Lの駆動力と、右側後輪3Rの駆動力との配分比は、必要に応じてECU50によって変更される。これによって、旋回時において内外輪回転数差を設けたり、TRC(TRaction Control)を実行したりすることができる。
なお、電動機Mと車輪Wとの間に減速機構を設け、電動機Mの回転数を減速して左右の車輪Wに伝達してもよい。一般に、電動機は小型化するとトルクが低下するが、減速機構を設けることによって電動機のトルクを増加させることができる。その結果、走行装置100が搭載する電動機Mを小型化することができる。
左前側電動機10L、右前側電動機10R、左後側電動機11L、右後側電動機11Rには、それぞれ左前側電動機用レゾルバ40L、右前側電動機用レゾルバ40R、左後側電動機用レゾルバ41L、右後側電動機用レゾルバ41Rによって回転角度や回転速度が検出される。左前側電動機用レゾルバ40L、右前側電動機用レゾルバ40R、左後側電動機用レゾルバ41L、右後側電動機用レゾルバ41Rの出力は、ECU50に取り込まれて、左前側電動機10L、右前側電動機10R、左後側電動機11L、右後側電動機11Rの制御に用いられる。ここで、4輪を区別しない場合には、単にレゾルバQという。
左前側電動機10L、右前側電動機10R、左後側電動機11L、右後側電動機11Rは、インバータ6に接続されている。インバータ6には、例えばニッケル−水素電池や鉛蓄電池等の車載電源7が接続されており、必要に応じてインバータ6を介して左前側電動機10L、右前側電動機10R、左後側電動機11L、右後側電動機11Rへ供給される。これらの出力は、ECU50からの指令によってインバータ6を制御することで制御される。
この実施形態においては、アクセル開度センサ42によって検出されるアクセル5の開度によって、左前側電動機10L、右前側電動機10R、左後側電動機11L、右後側電動機11Rの出力が制御され、その結果、走行装置100の総駆動力F_allが制御される。なお、この実施形態においては、1台のインバータで1台の電動機を制御する。インバータ6には、4台の電動機、すなわち、左前側電動機10L、右前側電動機10R、左後側電動機11L、右後側電動機11Rを制御するため、4台のインバータが内蔵されている。
左前側電動機10L、右前側電動機10R、左後側電動機11L、右後側電動機11Rが走行装置100の動力発生手段として用いられる場合、車載電源7の電力がインバータ6を介して供給される。また、例えば車両1の減速時には、左前側電動機10L、右前側電動機10R、左後側電動機11L、右後側電動機11Rが発電機として機能して回生発電を行い、これによって回収したエネルギーを車載電源7に蓄える。これは、ブレーキ信号やアクセルオフ等の信号に基づいて、ECU50がインバータ6を制御することにより実現される。
ECU50は、この実施形態に係る走行装置100の駆動力を制御したり、制動時には、電動機Mにより電力を回生したりする。また、後述するように、ECU50にはこの実施形態に係る駆動制御装置30が備えられており、この実施形態に係る制振制御を実行する。ECU50には、レゾルバQ、アクセル開度センサ42、ヨーセンサ43、車速センサ44、操舵角センサ45等が接続されており、ECU50は、走行装置100の制御に必要な情報をこれらから取得する。次に、この実施形態に係る制振制御の考え方を説明する。
図2−1は、ばね下の振動の周波数分布を示す説明図である。図2−2は、車輪速度の変動の周波数分布を示す説明図である。図2−1は、車両1が備える懸架装置のばね下、すなわち、懸架装置が備えるばねよりも下(路面側)に配置される車輪Wや電動機M等といった構造物の、上下方向における振動を示している。図2−2は、図2−1と同じ車輪の速度の変動(車輪速度変動)を示している。なお、以下の説明において、ばね下の振動というときには、ばね下に配置される構造物の上下方向における振動をいう。ここで、上下方向とは、車両1が水平に配置されている場合において、重力の作用方向と平行な方向をいう。
図2−1から、ばね下の振動における共振点は、f0近傍(図2−1のCで示す領域)であることがわかる。一方、図2−2から、車輪速度変動の周波数分布のピーク(図2−2のDで示す領域)もf0Hz近傍にあることがわかる。すなわち、ばね下の共振点と車輪速度変動の周波数分布のピークは一致することがわかる。これは、ばね下が振動することで、車輪Wの接地荷重が変動し、これによって荷重方向における車輪Wの半径が変化する結果、車輪の回転速度の変動が発生するためと予想される。
この実施形態に係る制振制御(すなわちばね下の振動を抑制する制御)は、動力発生手段(電動機M)を振動抑制手段として用い、前記動力発生手段によって、車輪Wの回転速度の変動を抑える駆動トルクを当該車輪Wに付与することによって、ばね下の振動を抑制する。すなわち、等価的には、仮想的に車輪Wの接地荷重変動を抑制するものである。次に、この実施形態に係る制振制御を実行する駆動制御装置30の構成を説明する。
図3は、この実施形態に係る駆動制御装置の構成例を示す説明図である。図3に示すように、駆動制御装置30は、ECU50に組み込まれて構成されている。ECU50は、CPU(Central Processing Unit:中央演算装置)50pと、記憶部50mと、入力及び出力ポート55、56と、入力及び出力インターフェイス57、58とから構成される。
なお、ECU50とは別個に、この実施形態に係る駆動制御装置30を用意し、これをECU50に接続してもよい。そして、この実施形態に係る内燃機関の始動制御を実現するにあたっては、ECU50が備える走行装置100等に対する制御機能を、前記駆動制御装置30が利用できるように構成してもよい。
駆動制御装置30は、運転条件判定部31と、車輪速度変動演算部32と、駆動トルク演算部33とを含んで構成される。これらが、この実施形態に係る内燃機関の始動制御を実行する部分となる。この実施形態において、駆動制御装置30は、ECU50を構成するCPU50pの一部として構成される。CPU50pには、電動機出力制御部50peが備えられており、車両1の走行時における電動機Mの出力や電力の回生を制御する他、駆動制御装置30が実行した制振制御の処理結果に基づいて電動機Mの出力(トルク)を制御する。また、CPU50pには、処理部50pcが備えられており、電動機Mの制御に必要な情報を演算する。
CPU50pと、記憶部50mとは、バス541〜543を介して、入力ポート55及び出力ポート56を介して接続される。これにより、駆動制御装置30を構成する運転条件判定部31と車輪速度変動演算部32と駆動トルク演算部33とは、相互に制御データをやり取りしたり、一方に命令を出したりできるように構成される。また、駆動制御装置30は、ECU50が有する走行装置100の運転制御データを取得し、これを利用することができる。また、駆動制御装置30は、この実施形態に係る制振制御をECU50が予め備えている運転制御ルーチンに割り込ませたりすることができる。
入力ポート55には、入力インターフェイス57が接続されている。入力インターフェイス57には、左前側電動機用レゾルバ40L、右前側電動機用レゾルバ40R、左後側電動機用レゾルバ41L、右後側電動機用レゾルバ41R、アクセル開度センサ42、ヨーセンサ43、車速センサ44、操舵角センサ45その他の、走行装置100の運転制御に必要な情報を取得するセンサ類が接続されている。これらのセンサ類から出力される信号は、入力インターフェイス57内のA/Dコンバータ57aやディジタル入力バッファ57dにより、CPU50pが利用できる信号に変換されて入力ポート55へ送られる。これにより、CPU50pは、走行装置100の運転制御や、この実施形態に係る制振制御に必要な情報を取得することができる。
出力ポート56には、出力インターフェイス58が接続されている。出力インターフェイス58には、左前側電動機10L、右前側電動機10R、左後側電動機11L、右後側電動機11Rを制御するためのインバータ6その他の、制振制御に必要な制御対象が接続されている。出力インターフェイス58は、制御回路581、582等を備えており、CPU50pで演算された制御信号に基づき、前記制御対象を動作させる。このような構成により、前記センサ類からの出力信号に基づき、ECU50のCPU50pが備える電動機出力制御部50peは、左前側電動機10L、右前側電動機10R、左後側電動機11L、右後側電動機11Rを制御することができる。
記憶部50mには、この実施形態に係る制振制御の処理手順を含むコンピュータプログラムや制御マップ、あるいはこの実施形態に係る制振制御に用いるデータ等が格納されている。ここで、記憶部50mは、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成することができる。
上記コンピュータプログラムは、CPU50pへ既に記録されているコンピュータプログラムと組み合わせによって、この実施形態に係る制振制御の処理手順を実現できるものであってもよい。また、この駆動制御装置30は、前記コンピュータプログラムの代わりに専用のハードウェアを用いて、運転条件判定部31、車輪速度変動演算部32及び駆動トルク演算部33との機能を実現するものであってもよい。次に、この実施形態に係る制振制御を説明する。次の説明では、適宜図1、図3を参照されたい。
図4は、この実施形態に係る制振制御の処理手順を示すフローチャートである。図5は、この実施形態に係る制振制御の処理ブロック図である。この実施形態に係る制振制御を実行するにあたり、駆動制御装置30が備える運転条件判定部31は、車両1が備える車輪の回転速度の変動(車輪速度変動成分)を抽出する(ステップS101)。ここで、車輪速度は、車輪Wの回転速度をいうものとする。次に、車輪速度変動成分の抽出について詳細に説明する。
(車輪速度変動成分の抽出)
図6は、この実施形態に係る制振制御における車輪速度変動成分の抽出手順を示すフローチャートである。図7−1は、バンドパスフィルタを用いた車輪速度変動成分の抽出を示す機能ブロック図である。図7−2は、推定車輪速度等を用いた場合車輪速度変動成分の抽出を示す機能ブロック図である。図8−1、図8−2は、車輪速度変動成分を抽出する際に用いる重み係数を決定するためのデータマップを示す説明図である。
この実施形態に係る車両1が備える走行装置100は、電動機Mに取り付けられるレゾルバQから電動機Mの回転速度を知ることができる。この実施形態に係る走行装置100は、電動機Mと車輪Wとが直結されているため、電動機Mの回転速度が車輪Wの回転速度、すなわち車輪速度Viになる。ここで、iは、車輪番号である。図1に示す車両1において、左側前輪2L、右側前輪2R、左側後輪3L、右側後輪3Rの順に、車輪番号を1、2、3、4とする(以下同様)。
図7−1に示すように、レゾルバQによって検出された車輪速度Viは、フィルタ手段であるバンドパスフィルタ(Band Pass Filter:BPF)によって、ばね下の振動と相関の高い周波数成分における車輪速度Viが抽出される。より具体的には、ばね下の振動の共振点f0を中心とした所定の周波数帯域(例えば、±0Hz〜±5Hz程度)における車輪速度Viが抽出される。すなわち、ばね下の振動の共振点f0を中心として、例えば、(f0±0)Hz〜(f0±5)Hzの帯域における周波数成分を抽出する。なお、ばね下の振動の共振点f0を中心とした所定の周波数帯域は、±0Hz〜±5Hzに限定されるものではない。この抽出した周波数成分が車輪速度変動成分ΔΩiとなる。
フィルタ手段は、コンデンサやコイルあるいはオペアンプ等のハードウェアを組み合わせて構成してもよいし、伝達関数を用いたソフトウェアとして構成してもよい。このように、フィルタ手段を用いることにより、ノイズ成分をできる限り排除して、ばね下の振動と相関の高い周波数成分における車輪速度Viを高い精度で抽出できるので、制振制御の精度が向上する。
バンドパスフィルタは入力に対する出力に遅れが発生する。これによって、車両1の走行速度が高い場合、バンドパスフィルタを用いて車輪速度変動成分ΔΩiを抽出すると、前記位相遅れにより制御の応答性が悪化する等の影響が発生するおそれがある。このため、車両1の走行速度が高い場合(例えば、80km/h以上)には、次の手法で車輪速度変動成分ΔΩiを抽出する。
図7−2に示すように、例えば、車両1の車速センサ44や加速度センサ、あるいは角車輪の回転数等からの情報に基づいて求められる車体速度(推定車体速度)を、各車輪の車輪速度に換算した推定車輪速度Vgiを用いて、車輪速度Viと推定車輪速度Vgiとの偏差を車輪速度変動成分ΔΩiとする手法がある。また、例えば、各輪の現在における車輪速度Viと現在以前の所定期間内において検出した車輪速度Viの平均値(平均車輪速度)Vmiを用いて、車輪速度Viと平均車輪速度Vmiとの偏差を車輪速度変動成分ΔΩiとする手法もある。これらの手法のように、バンドパスフィルタを用いなければ、前記位相遅れの問題は解消される。
バンドパスフィルタを用いないで車輪速度変動成分ΔΩiを抽出する上記手法を用いる場合、車両1が直進していると判定された場合には、推定車輪速度Vgiを利用して車輪速度変動成分ΔΩiを抽出する。これに基づいてこの実施形態に係る制振制御を実行すれば、各車輪の車輪速度変動を抑制することにより各車輪の車輪速度を同じ大きさとするように制御できる。その結果、例えば、路面傾斜(カント)による車両流れがある場合には、これを抑制して車両1の走行安定性を確保することもできる。
また、車両1が旋回中であると判定された場合には、平均車輪速度Vmiを利用して車輪速度変動成分ΔΩiを抽出する。これによって、車両1が備える車輪Wの内外輪差を考慮することができ、また、車輪速度変動成分ΔΩiを抽出する際の応答性が高くなる。次に、図6に基づいて、この実施形態に係る制振制御における車輪速度変動成分ΔΩiの抽出手順を説明する。
車輪速度変動成分ΔΩiを抽出するにあたり、この実施形態に係る駆動制御装置30の車輪速度変動演算部32は、レゾルバQから各輪の車輪速度Viを取得する(ステップS201)。ここで、レゾルバQとは、具体的には左前側電動機用レゾルバ40L、右前側電動機用レゾルバ40R、左後側電動機用レゾルバ41L、右後側電動機用レゾルバ41Rである(図1参照)。次に、車輪速度変動演算部32は、車速センサ44や加速度センサその他の情報に基づいて求められる推定車体速度Vcgを、ECU50の処理部50pcから取得する(ステップc)。そして、車輪速度変動演算部32は、取得した推定車体速度Vcgから、それぞれの車輪の直径等を用いて、各輪の推定車輪速度Vgiを演算する(ステップS203)。
なお、前輪と後輪とで車輪の直径が異なる場合、前輪の推定車輪速度Vg_lと後輪の推定車輪速度Vg_tとをそれぞれ求め、車輪速度Viとこれらとの偏差を前輪車輪速度変動成分ΔΩ_l、後輪車輪速度変動成分ΔΩ_tとしてもよい。前輪又は後輪にチェーン等が装着されており、前輪と後輪との外径が異なる場合も、前輪と後輪とで車輪の直径が異なる場合と同様に処理することができる。
各輪の推定車輪速度Vgiを演算したら(ステップS203)、車輪速度変動演算部32は、各輪の平均車輪速度Vmiを演算する(ステップS204)。ここで、平均車輪速度Vmiは、例えば、Vmi=(ΣVik)/n{k=1〜n}で求めることができる。なお、nは、サンプリングの開始から現在までにおける車輪速度Viのサンプリング回数であり、自然数である。次に、車輪速度変動演算部32は、操舵角センサ45及びヨーセンサ43から、ハンドル4の操舵角度θと、車両1の現在におけるヨーレートYとを取得する(ステップS205)。
次に、車輪速度変動演算部32は、ステップS201で取得した車輪速度Viをバンドパスフィルタ処理することにより、車輪速度変動成分(フィルタリング車輪速度変動成分)ΔViを得る(ステップS206)。また、車輪速度変動演算部32は、車輪速度Viと平均車輪速度Vmiとの偏差(平均車輪速度偏差)、及び車輪速度Viと推定車輪速度Vgiとの偏差(推定車輪速度偏差)を演算する(ステップS207、S208)。
次に、車輪速度変動演算部32は、車体速度Vc(この実施形態では推定車体速度Vcgを用いる)を図8−1に示すデータマップ60に与え、重み係数aを取得する(ステップS209)。同時に、ハンドル4の操舵角度θと車両1の現在におけるヨーレートYとを図8−2に示すデータマップ61に与え、重み係数bを取得する(ステップS209)。
そして、車輪速度変動演算部32は、式(1)によって車輪速度変動成分ΔΩiを決定する(ステップS210)。
ΔΩi=a×ΔVi+(1−a)×{b×(Vi−Vmi)+(1−b)×(Vi−Vgi)}・・・(1)
ここで、重み係数aは、車体速度Vcに応じて0〜1まで変化し、また、重み係数bは、操舵角度θとヨーレートYとに応じて0〜1まで変化する。なお、重み係数bは、操舵角度θとヨーレートYとに加え、さらに左右方向、すなわち車両1の進行方向と直交する方向における加速度Gyに応じて変化させてもよい。
図8−1に示すように、重み係数aは、車体速度Vcの増加とともに小さくなる。これによって、車体速度Vcが増加すると、式(1)中におけるフィルタリング車輪速度変動成分ΔViの重みが小さくなる。その結果、バンドパスフィルタを用いて車輪速度変動成分ΔΩiを抽出した場合における前記位相遅れの影響を低減することができる。
また、重み係数bは、操舵角度θ及びヨーレートYが増加するとともに、式(1)中における車輪速度Viと平均車輪速度Vmiとの偏差の項、すなわち平均車輪速度偏差(Vi−Vmi)の重みが大きくなるように設定される。これにより、旋回中における内外輪差を考慮して、車輪速度変動成分ΔΩiを抽出することができる。
この実施形態では、車両1の走行条件(走行速度、直進時であるか、旋回中であるか)に応じて、車輪速度変動成分ΔΩiを求める際に用いる手法を切り替える。上述したように、フィルタリング車輪速度変動成分ΔVi、平均車輪速度偏差(Vi−Vmi)、推定車輪速度偏差(Vi−Vgi)それぞれに対して、車両1の走行条件に応じた重み付けをすることで、車輪速度変動成分ΔΩiを求める際に用いる手法を切り替える際のショックを抑制することができる。
上記手順によって車輪速度変動成分ΔΩiを抽出したら、駆動制御装置30の運転条件判定部31は、ばね下の振動、すなわち車輪速度変動成分ΔΩiが所定の閾値ΔΩli以上であるか否かを判定する(ステップS102、図4参照)。ΔΩi<ΔΩliである場合(ステップS102:No)、STARTに戻り、駆動制御装置30は車輪速度変動成分ΔΩiの抽出を継続する。なお、所定の閾値ΔΩliは、車両1や走行装置100の仕様や運転条件によって適宜設定することができる。また、所定の閾値ΔΩliは、車両1の運転条件に応じて変化させてもよい。
ΔΩi≧ΔΩliである場合(ステップS102:Yes)、駆動制御装置30の運転条件判定部31は、ばね下の振動抑制を開始する条件か否かを判定する(ステップS103)。制振制御を開始する条件にない場合(ステップS103:No)、STARTに戻り、駆動制御装置30が車輪速度変動成分ΔΩiの抽出を継続しつつ、制振制御を開始する条件を判定する。ここで、振動抑制を開始する条件か否かの判定方法を説明する。
図9−1、図9−2は、車輪の振動状態を説明するための概念図である。図9−1、図9−2のA1、A2は、車輪Wの軌跡であり、上下方向における車輪Wの振動を表す。図9−1に示すように、車輪Wが路面上を矢印Bの方向に走行中、路面上の突起tに乗り上げ、車輪に対して大きな入力が一回あったような場合、応答遅れにより車輪Wの上下方向における振動が収束した後に制振制御が開始するおそれがある。そこで、図9−1に示すように、例えば、それぞれの車輪で、所定の閾値ΔΩli以上の車輪速度変動成分ΔΩiが所定期間内に所定回数(N回)以上連続して観測された場合に、駆動制御装置30の運転条件判定部31は制振制御を開始する。また、例えば、それぞれの車輪で、車輪速度変動成分ΔΩiの絶対値の積算値Σ|ΔΩi|が、所定の積算閾値ΣΔΩliを超えた場合に、駆動制御装置30の運転条件判定部31は制振制御を開始する。
ここで、車両1が備える車輪のうち1の車輪のみ、所定の閾値ΔΩli以上の車輪速度変動成分ΔΩiが所定期間内に所定回数(N回)以上連続して観測された場合や、車輪速度変動成分ΔΩiの絶対値の積算値Σ|ΔΩi|が、所定の積算閾値ΣΔΩliを超えた場合は次のように判定する。このような場合には、当該車輪を構成するタイヤのパンクや当該車輪を構成するホイールの変形等のおそれがある。したがって、このような場合には制振制御を実行せず、駆動制御装置30の運転条件判定部31は警告を発したり、ECU50の記憶部50mに車輪の不具合を記録したりする。
また、車輪Wのロック防止制御又は車輪Wの駆動力制御の少なくとも一方が実行中である場合には、振動抑制手段(この実施形態では電動機M)によるばね下の上下振動の抑制は停止される。すなわち、制振制御が停止される。例えば、ABS(Antilock Braking System:ブレーキロック防止システム)制御又はTRC(TRaction Control:駆動力制御)の少なくとも一方が実行中である場合には、制振制御が実行されず、制振制御が実行中である場合には制振制御が中断される。
通常、車両1のブレーキがロックするような状態や、車両1に横滑り等が発生している状態等、車両1が危険な走行状態に陥っていると判断された場合に、ABS制御やTRCが介入する。この実施形態に係る制振制御は、振動が発生している車輪Wの駆動トルクを変更するため、当該車輪の前輪及び後輪の駆動力が変化する。このため、車両1のばね下の振動を抑制することよりも、危険な走行状態に陥っている車両1を回復させることを優先させるためである。また、車輪Wに発生する車輪速度変動が車輪Wのロック防止制御又は車輪Wの駆動力制御によるものか、ばね下振動によるものかを区別して、制振制御の信頼性を向上させるためである。
上記判定方法により制振制御を開始する条件か否かを判定した結果、制振制御を開始する条件にある場合には(ステップS103:Yes)、駆動制御装置30の駆動トルク演算部33は、制御対象の車輪Wに与える付与トルクFsiを演算する(ステップS104)。次に、付与トルクFsiの求め方について説明する。
図10−1は、単輪モデルを示す説明図である。図10−2は、単輪モデルの運動方程式から求めた付与トルクを与える場合の処理ブロック図である。図10−1に示す単輪モデルを考えると、車輪Wの運動方程式は式(2)、(3)のように表現できる。
(Ji+Mi×ri2)ωi'=Ti・・・(2)
ωi={1/(Ji+Mi×ri2)}×∫Tidt・・・(3)
ここで、Jiは車輪の慣性質量、Miは車輪の接地荷重、ωiは車輪の回転角速度、rは車輪の動荷重半径、Tiは車輪の駆動トルクである。
ここで、車輪速度変動成分ΔΩiに対応する駆動トルクが付与トルクFsiとなる。式(2)、(3)から、
ΔΩi={1/(Ji+Mi×ri2)}×∫FsidF・・・(4)
Fsi=(Ji+Mi×ri2)×ΔΩi'・・・(5)
したがって、付与トルクFsiは、式(4)を微分して求めたΔΩi'を、式(5)の右辺に代入することによって求めることができる(図10−2に示す処理ブロック参照)。そして、求めた付与トルクFsiを制御対象の車輪に付与するフィードフォワード制御を行う。なお、この場合の車輪速度変動成分ΔΩiは、回転角速度(rad/sec.)である。
図11は、フィードバック制御により車輪速度変動成分を抑制するための処理ブロック図である。フィードバック制御を実行するにあたっては、車輪速度変動成分ΔΩiと、制御目標値CPとの偏差が演算される。この実施形態における制振制御では、車輪振動を抑制するものなので、理想的には各輪の車輪速度変動成分ΔΩiが0となるようにフィードバック制御される。すなわち前記制御目標値CPは0となり、車輪速度変動成分ΔΩiが0になるように演算された制御値が付与トルクFsiとなる。ここで、図11に示すフィードバックの方式はPID制御であるが、PI、PD等、車両1や走行装置100等の仕様に応じて適切な方式を用いることができる。
制御対象である車輪Wに与える付与トルクFsiが演算されたら(ステップS104)、駆動制御装置30の駆動トルク演算部33は、制御対象である車輪Wに与える制振トルクFiを演算する(ステップS105)。ここで、制振トルクFiは、アクセル開度から求まる各輪の要求駆動トルクFac_iに、ステップS104で求めた付与トルクFsiを加算した値(Fac_i+Fsi)である。制振トルクFiが演算されたら(ステップS105)、駆動制御装置30の駆動トルク演算部33は、車輪Wを駆動するための最終的な駆動トルク(最終駆動トルク)Fr_iを演算する(ステップS106)。次に、この最終駆動トルクFr_iを求める手順を説明する。
図12は、車輪を駆動するための最終駆動トルクを求める手順の一例を示すフローチャートである。ステップS105で求めた制振トルクを、車輪を駆動するために要求される駆動トルクとともに車輪Wへ与えた結果、車輪Wの最終駆動トルクが正から負に反転したり、負から正に反転したりすることがある。このようなトルクの反転があった場合、最終駆動トルクの反転によって走行装置100を通じて車両1にショックが発生することがある。これは、電動機Mと車輪Wとの間に減速機構が介在する場合、顕著になる。このため、図12に示す最終駆動トルクの決定手順では、制振トルクFiを車輪Wに付与した結果、車輪Wに最終駆動トルクFr_iの反転が生じる場合には、最終駆動トルクFr_iを0とする。これによって、制振制御時において、車両1に発生するショックを抑制する。
まず、駆動制御装置30の駆動トルク演算部33は、上記ステップS105で演算された制振トルクFiを取得する(ステップS301)。次に、駆動制御装置30の駆動トルク演算部33は、車輪を駆動するために要求される駆動トルク、すなわちアクセル開度から求まる各輪の要求駆動トルクFac_iが0よりも大きいか否かを判定する(ステップS302)。Fac_i>0である場合(ステップS302:Yes)、制御対象の車輪Wは力行の状態である。この場合、駆動トルク演算部33は、制振トルクFiが0よりも大きいか否かを判定する(ステップS303)。
Fi>0である場合(ステップS303:Yes)、上記ステップS105で演算された制振トルクFiは力行トルクになるので、制御対象の車輪Wに前記制振トルクFiを付与しても、最終駆動トルクの反転は発生しない。したがって、駆動トルク演算部33は、上記ステップS105で演算された制振トルクFiを、車輪Wを駆動するための最終駆動トルクFr_iとする(ステップS305)。
Fi≦0である場合(ステップS303:No)、上記ステップS105で演算された制振トルクFiは回生トルクになるので、制御対象の車輪Wに前記制振トルクFiを付与すると、最終駆動トルクの反転が発生する。したがって、駆動トルク演算部33は、車輪Wを駆動するための最終駆動トルクFr_iを0とする(ステップS306)。このとき、最終駆動トルクFr_iをただちに0にするのではなく、徐々に0まで変化させてもよい。これによって、最終駆動トルクFr_iを0にするときにショックが発生するおそれを抑制できる。
Fac_i≦0である場合(ステップS302:No)、制御対象の車輪Wは回生の状態である。この場合、駆動トルク演算部33は、制振トルクFiが0以下であるか否かを判定する(ステップS304)。Fi≦0である場合(ステップS304:Yes)、上記ステップS105で演算された制振トルクFiは回生トルクになるので、制御対象の車輪Wに前記制振トルクFiを付与しても、最終駆動トルクの反転は発生しない。したがって、駆動トルク演算部33は、上記ステップS105で演算された制振トルクFiを、車輪Wを駆動するための最終駆動トルクFr_iとする(ステップS307)。
Fi>0である場合(ステップS304:No)、上記ステップS105で演算された制振トルクFiは力行トルクになるので、制御対象の車輪Wに前記制振トルクFiを付与すると、最終駆動トルクの反転が発生する。したがって、駆動トルク演算部33は、車輪Wを駆動するための最終駆動トルクFr_iを0とする(ステップS308)。このとき、最終駆動トルクFr_iをただちに0にするのではなく、徐々に0まで変化させてもよい。これによって、最終駆動トルクFr_iを0にするときにショックが発生するおそれを抑制できる。上記手順により、制振制御時において、車両1に発生するショックを抑制することができる。
図13は、車輪を駆動するための最終駆動トルクを求める手順の他の例を示すフローチャートである。図14は、図13に示す車輪を駆動するための最終駆動トルクを求める手順を説明するための説明図である。図13に示す最終駆動トルクの決定手順では、駆動トルクの反転が生じる前後における所定のトルクの範囲内において、前記車輪に付与する最終的な駆動トルクの変化率を所定のトルクの範囲外における変化率よりも小さくする。すなわち、駆動トルクが0になる前後における所定のトルクの範囲内において最終駆動トルクFr_iの平滑化処理を行う。このように、制振トルクFiが反転する前後で、車輪Wを駆動するための最終駆動トルクFr_iを徐々に増加又は減少させることによって、車両1に発生するショックを抑制する。
まず、駆動制御装置30の駆動トルク演算部33は、上記ステップS105で演算された制振トルクFiを取得する(ステップS401)。次に、駆動制御装置30の駆動トルク演算部33は、前記制振トルクの絶対値|Fi|が、予め定めた閾値トルクFl_i以下であるか否かを判定する(ステップS402)。すなわち、閾値トルクFl_iを基準に、最終駆動トルクFr_iの平滑化処理を実行するか否かを判定する。閾値トルクFl_iは、実験や解析により予め定めておく。また、閾値トルクFl_iは、車両1や走行装置100の仕様、あるいは車両1の走行条件に応じて変更してもよい。
最終駆動トルクFr_iが0に近い場合、すなわち、車両1が低負荷で走行している場合には、車輪Wにわずかな駆動トルクの変化が発生することによって、車両1の挙動に大きな影響を与えるおそれがある。しかし、|Fi|>Fl_iである場合は、最終駆動トルクFr_iがある程度大きいため、車輪Wに駆動トルクの変化が発生しても、車両1の挙動に与える影響は相対的に小さくなる。このため、|Fi|>Fl_iである場合(ステップS402:No)、駆動トルク演算部33は、上記ステップS105で演算された制振トルクFiを最終駆動トルクFr_iとする(ステップS411)。
|Fi|≦Fl_iである場合(ステップS402:Yes)、駆動トルク演算部33は、今回の制振トルク値Fi(N)を、一回前の制振トルク値Fi(N−1)と比較する(ステップS403)。ここで、Nは自然数である。Fi(N)>Fi(N−1)である場合(ステップS403:Yes)、制振トルクFiは増加傾向にある(図14のP1で示す部分)。この場合には、車両1の挙動に与える影響を抑制するため、徐々に最終駆動トルクFr_iを増加させる必要がある。駆動トルク演算部33は、一回前の制振トルク値Fi(N−1)に所定のなましトルクΔFを加算した値(Fi(N−1)+ΔF)を、新たな今回の制振トルク値Fi_(N)とする(ステップS404)。そして、駆動トルク演算部33は、Fi_(N)を最終駆動トルクFr_iとする(ステップS405)。
ステップS403でNoと判定され、かつFi(N)<Fi(N−1)である場合(ステップS406)、制振トルクFiは減少傾向にある(図14のP2で示す部分)。この場合には、車両1の挙動に与える影響を抑制するため、徐々に最終駆動トルクFr_iを減少させる必要がある。駆動トルク演算部33は、一回前の制振トルク値Fi(N−1)から所定のなましトルクΔFを減算した値(Fi(N−1)−ΔF)を、新たな今回の制振トルク値Fi_(N)とする(ステップS407)。そして、駆動トルク演算部33は、Fi_(N)を最終駆動トルクFr_iとする(ステップS408)。
ここで、最終駆動トルクを徐々に変化させるため、上記ステップS404、S407のなましトルクの絶対値|ΔF|は、|Fi(N)−Fi(N−1)|かつ0よりも大きくなるようにする。このようにするため、なましトルクΔFは、Fi(N)及びFi(N−1)の値に応じて変更してもよい。例えば、|ΔF|=α×|Fi(N)−Fi(N−1)|とする(0<α<1)。このようにすれば、決定した制振トルクの絶対値|Fi|が0に近い場合において、確実に最終駆動トルクFr_iを徐々に増加あるいは減少させることができる。なお、なましトルクΔFは一定としてもよいが、この場合、最終駆動トルクFr_iを徐々に増加させるときと減少させるときとで、なましトルクΔFの値を変更してもよい。
ステップS403でNoと判定され、かつFi(N)=Fi(N−1)である場合(ステップS409)、制振トルクFiは変化しない(図14のP3で示す部分)。この場合、理論的には車両1の挙動に与える影響はない。駆動トルク演算部33は、上記ステップS105で演算された制振トルクFiを最終駆動トルクFr_iとする(ステップS410)。上記手順により、図15に示す最終駆動トルクの決定手順では、アクセル開度から決定される要求駆動トルクFac_iが低い場合において車輪Wの最終駆動トルクFr_iが反転するような場合にも、車両1の挙動に与えるショックを低減できる。
図15は、車輪を駆動するための最終駆動トルクを求める手順の他の例を示すフローチャートである。車輪Wの最終駆動トルクFr_iが反転するような場合には、車両1の進行方向前後の加速度変化が懸念される。特に、アクセル開度から決定される要求駆動トルクFac_iが低い場合には前記加速度変化によるショックが顕著に現れる。このため、図15示す最終駆動トルクの決定手順では、このような場合には、制振制御を中止する。
まず、駆動制御装置30の駆動トルク演算部33は、上記ステップS105で演算された制振トルクFiを取得する(ステップS501)。次に、駆動制御装置30の駆動トルク演算部33は、アクセル開度から求まる各輪の要求駆動トルクFac_iが所定の閾値トルクFl_i以上であるか否かを判定する(ステップS502)。Fac_i≧Fl_iである場合(ステップS502:Yes)、アクセル開度から決定される要求駆動トルクFac_iがある程度の大きさになっているので、制振トルクFiを車輪Wに付与しても、加速度変化は相対的に小さくなり、車両1に与えるショックも目立たなくなる。したがって、この場合、駆動トルク演算部33は、車輪Wの最終駆動トルクFr_iを上記ステップS105で演算された制振トルクFiとする(ステップS503)。
Fac_i<Fl_iである場合(ステップS502:No)、アクセル開度から決定される要求駆動トルクFac_iが低く、制振トルクFiを車輪Wに付与すると、加速度変化が顕著に現れて、車両1に与えるショックが大きくなるおそれがある。したがって、この場合、駆動トルク演算部33は、車輪Wの最終駆動トルクFr_iを0とする(ステップS504)。これによって、アクセル開度から決定される要求駆動トルクFac_iが低い場合における車両1の進行方向前後の加速度変化を抑制できる。
上記手順により最終駆動トルクFr_iが決定されたら(ステップS106)、ECU50のCPU50pが備える電動機出力制御部50peは、決定された最終駆動トルクFr_i(Fr_1、Fr_2、Fr_3、Fr_4)で、各車輪W(左側前輪2L、右側前輪2R、左側後輪3L、右側後輪3R)が駆動されるように、各電動機M(左前側電動機10L、右前側電動機10R、左後側電動機11L、右後側電動機11R)の出力を制御する(ステップS107)。
これによって、懸架装置にストローク速度検出手段を別個に設けることなく、ばね下の振動を抑制できる。また、車輪速度変動を打ち消すように駆動トルクを付与するので、車輪は、車輪速度を一定に保つように制御される。これによって、車両1の前後方向における加速度変化を抑えることができるので、制振制御を実行した場合において車両1の挙動変化に与える影響は極めて少ない。
動力発生手段に内燃機関を用いる場合には内燃機関の出力を制御したり、駆動力配分が可能な場合には、駆動力配分比や内燃機関の出力を制御したりする。なお、上記説明では、動力発生手段の出力を制御したが、最終駆動トルクを低減する場合には、車両100の制動装置により車輪Wを制動してもよい。
(変形例)
図16は、この実施形態の変形例に係る走行装置を示す説明図である。図17は、この実施形態の変形例の制振制御に用いるデータマップの一例を示す説明図である。この走行装置101では、懸架装置が備える減衰力発生手段であるダンパー70の減衰係数ηを変更することにより減衰力を変更することができる。上記実施形態に係る走行装置100(図1参照)では、電動機Mの駆動力を車輪Wの振動抑制手段として、車輪速度変動成分を打ち消すように駆動トルクを付与した。この実施形態では、減衰力発生手段であるダンパー70を振動抑制手段とし、車輪速度変動成分に応じてダンパー70の減衰係数ηを変更し、ダンパー70の減衰力を変化させる。
ダンパー70は、車両1aと懸架装置との間に設けられ、油が充填されたシリンダ内部を、オリフィスを備えるピストンが往復運動する。ピストンは懸架装置の上下動とともにシリンダ内を往復運動し、このときに前記オリフィスを油が通過することにより減衰力を発生させる。このダンパー70は、ECU50内に備えられる駆動制御装置30によって制御される減衰力調整用アクチュエータ71によって、オリフィスの断面積が変更される。これによって、オリフィスを油が通過する際の抵抗が変化するため、ダンパー70の減衰力が変化する。
この変形例に係る制振制御では、車輪速度変動成分ΔΩiに応じて、振動抑制手段であるダンパー70の減衰係数ηを変更する。例えば、図16に示すデータマップ62のように、レゾルバQから取得される車輪速度変動成分ΔΩiが大きくなるにしたがって減衰係数ηを大きし、これによってダンパー70の減衰力を大きくする。このように、ばね下の振動と相関の高い車輪速度変動成分ΔΩiに基づいて減衰力を調整するので、ばね下の振動を効果的に抑制することができる。なお、データマップ62を用いるフィードフォワード制御の他、車輪速度変動成分ΔΩiを0にするように減衰力を調整するフィードバック制御を行ってもよい。
また、この変形例では、ダンパー70の減衰力を変更することによりばね下の振動を抑制するので、電動機Mの出力を調整する必要はない。これによって、駆動力を発生しない車輪(例えば、FF車の後輪のような従動輪)に対しても、効果的にばね下の振動を抑制することができる。なお、従動輪の場合には、例えば、従動輪の回転数を検出する回転数センサのような、車輪速度変動成分ΔΩiを検出する手段が必要となる。ABSが車両1に備えられている場合には、車輪速度変動成分ΔΩiを検出する手段として、車輪のロックを検出するABSセンサを用いることができる。
以上、この実施形態及びその変形例では、懸架装置を介して車両に支持される車輪の回転速度の変動に基づき、懸架装置のばね下の上下振動を抑制する。これによって、懸架装置にストローク速度検出手段を別個に設けることなく、ばね下の振動を抑制できる。さらに、ばね下の振動と相関の高い車輪の回転速度の変動に応じてばね下の振動を抑制するので、ばね下の振動が変化した場合でも、これを効果的に抑制できる。その結果、車輪の接地性を改善できるので、車輪の初期スリップ抑制や、乗り心地の改善に寄与する。
特に、ばね下に電動機等の動力発生手段を備える走行装置では、ばね下の質量が大きくなる結果、接地性が低下するおそれが大きくなるが、この実施形態及びその変形例では、ばね下の振動を効果的に抑制できる。また、振動抑制手段として電動機やダンパー等を用いるため、懸架装置の設計を変更することなく、ばね下の振動を効果的に抑制できる。なお、この実施形態及びその変形例で開示した構成を備えるものは、この実施形態及びその変形例と同様の作用、効果を奏する。
以上のように、本発明に係る走行装置は、ばね下の振動抑制に有用であり、特に、簡易な構成でばね下の振動を抑制することに適している。
この実施形態に係る走行装置を備える車両の構成を示す概略図である。 ばね下の振動の周波数分布を示す説明図である。 車輪速度の変動の周波数分布を示す説明図である。 この実施形態に係る駆動制御装置の構成例を示す説明図である。 この実施形態に係る制振制御の処理手順を示すフローチャートである。 この実施形態に係る制振制御の処理ブロック図である。 この実施形態に係る制振制御における車輪速度変動成分の抽出手順を示すフローチャートである。 バンドパスフィルタを用いた車輪速度変動成分の抽出を示す機能ブロック図である。 推定車輪速度等を用いた場合車輪速度変動成分の抽出を示す機能ブロック図である。 車輪速度変動成分を抽出する際に用いる重み係数を決定するためのデータマップを示す説明図である。 車輪速度変動成分を抽出する際に用いる重み係数を決定するためのデータマップを示す説明図である。 車輪の振動状態を説明するための概念図である。 車輪の振動状態を説明するための概念図である。 単輪モデルを示す説明図である。 単輪モデルの運動方程式から求めた付与トルクを与える場合の処理ブロック図である。 フィードバック制御により車輪速度変動成分を抑制するための処理ブロック図である。 車輪を駆動するための最終駆動トルクを求める手順の一例を示すフローチャートである。 車輪を駆動するための最終駆動トルクを求める手順の他の例を示すフローチャートである。 図13に示す車輪を駆動するための最終駆動トルクを求める手順を説明するための説明図である。 車輪を駆動するための最終駆動トルクを求める手順の他の例を示すフローチャートである。 この実施形態の変形例に係る走行装置を示す説明図である。 この実施形態の変形例の制振制御に用いるデータマップの一例を示す説明図である。
符号の説明
1、1a 車両
2L 左側前輪 2R 右側前輪
3L 左側後輪
3R 右側後輪
10R 右前側電動機
10L 左前側電動機
11R 右後側電動機
11L 左後側電動機
30 駆動制御装置
31 運転条件判定部
32 車輪速度変動演算部
33 駆動トルク演算部
40R 右前側電動機用レゾルバ
40L 左前側電動機用レゾルバ
41R 右後側電動機用レゾルバ
41L 左後側電動機用レゾルバ
42 アクセル開度センサ
43 ヨーセンサ
44 車速センサ
45 操舵角センサ
50 ECU
70 ダンパー
71 減衰力調整用アクチュエータ
100、101 走行装置

Claims (16)

  1. 懸架装置を介して車両に支持される車輪の回転速度を検出する車輪速度検出手段と、
    前記車輪の回転速度の変動に基づき、前記車輪の回転速度の変動を抑制する駆動トルクを前記車輪に付与することにより前記懸架装置のばね下の上下振動を抑制する振動抑制手段と、
    前記車輪の回転速度の変動を抽出する駆動制御装置と、を含み、
    前記駆動制御装置は、
    前記車輪の慣性質量をJiとし、前記車輪の接地荷重をMiとし、前記車輪の回転角速度をωiとし、前記車輪の回転角速度を時間で微分した前記車輪の回転角加速度をωi'とし、前記車輪の動荷重半径をriとし、前記車輪の駆動トルクをTiとすると、
    (Ji+Mi×ri 2 )ωi'=Ti、と表される運動方程式を用いて、前記車輪の回転角加速度ωiを前記駆動制御装置が抽出した前記車輪の回転速度の変動として、前記車輪の駆動トルクTiを求め、この求めた駆動トルクTiを、前記車輪の回転速度の変動を抑制する駆動トルクとして前記車輪に付与することを特徴とする走行装置。
  2. 前記車輪の回転速度の変動は、
    前記車輪速度検出手段が検出した前記車輪の回転速度から抽出され、かつ前記ばね下の共振周波数を中心とした所定の周波数帯域における前記車輪の回転速度の周波数成分であることを特徴とする請求項1に記載の走行装置。
  3. 前記車輪速度検出手段が検出した前記車輪の回転速度から、前記所定の周波数帯域における前記車輪の回転速度の周波数成分を、フィルタ手段により抽出することを特徴とする請求項2に記載の走行装置。
  4. 前記車輪の回転速度の変動は、
    前記車輪速度検出手段が検出した前記車輪の回転速度と、前記車両の車体速度から求めた前記車輪の回転速度である推定車輪速度と、の偏差であることを特徴とする請求項1に記載の走行装置。
  5. 前記車輪の回転速度の変動は、
    前記車輪速度検出手段が検出した現在における前記車輪の回転速度と、現在以前の所定期間内において前記車輪速度検出手段が検出した前記車輪の回転速度の平均値である平均車輪速度と、の偏差であることを特徴とする請求項1に記載の走行装置。
  6. 前記車輪の回転速度の変動を、
    前記車両の直進時においては、前記車輪速度検出手段が検出した前記車輪の回転速度と、前記車両の車体速度から求めた前記車輪の回転速度である推定車輪速度と、の偏差とし、
    前記車両の旋回中においては、前記車輪速度検出手段が検出した現在における前記車輪の回転速度と、現在以前の所定期間内において前記車輪速度検出手段が検出した前記車輪の回転速度の平均値である平均車輪速度と、の偏差とすることを特徴とする請求項1に記載の走行装置。
  7. 前記車輪の回転速度の変動は、
    前記車輪速度検出手段が検出した前記車輪の回転速度から抽出され、かつ前記ばね下の共振周波数を中心とした所定の周波数帯域における前記車輪の回転速度の周波数成分と、
    前記車輪速度検出手段が検出した前記車輪の回転速度と、前記車両の車体速度から求めた前記車輪の回転速度である推定車輪速度と、の偏差と、
    前記車輪速度検出手段が検出した現在における前記車輪の回転速度と、現在以前の所定期間内において前記車輪速度検出手段が検出した前記車輪の回転速度の平均値である平均車輪速度と、の偏差とに、それぞれ所定の重み付けをしてから加算したものであることを特徴とする請求項1に記載の走行装置。
  8. 前記所定の重み付けは、前記車両の車体速度、及び前記車両の旋回に関するパラメータに基づいて決定されることを特徴とする請求項7に記載の走行装置。
  9. 前記車両の旋回に関するパラメータは、少なくとも前記車両の操舵角度及び前記車両のヨーレートであることを特徴とする請求項8に記載の走行装置。
  10. 前記車輪のロック防止制御又は前記車輪の駆動力制御のうち少なくとも一方を実行している場合には、前記振動抑制手段によるばね下の上下振動の抑制を停止することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の走行装置。
  11. 前記車輪の回転速度の変動を抑制する駆動トルクを前記車輪に付与する前後において、前記車輪に付与する最終的な駆動トルクが反転する場合には、前記車輪に付与する最終的な駆動トルクを修正することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の走行装置。
  12. 前記車輪に付与する最終的な駆動トルクが反転する場合には、前記車輪に付与する最終的な駆動トルクを0にすることを特徴とする請求項11に記載の走行装置。
  13. 前記車輪に付与する最終的な駆動トルクが反転する前後における所定のトルクの範囲内では、前記車輪に付与する最終的な駆動トルクの変化率を前記所定のトルクの範囲外における変化率よりも小さくすることを特徴とする請求項11に記載の走行装置。
  14. 前記車輪を駆動するために要求される駆動トルクが所定の閾値よりも小さい場合には、前記車輪に付与する最終的な駆動トルクを0にすることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の走行装置。
  15. 前記車輪の回転速度の変動が所定の条件を満たした場合に、前記振動抑制手段が作動することを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の走行装置。
  16. 前記車輪の回転速度の変動が、所定の回数連続して予め定めた閾値を超えた場合、又は前記車輪の回転速度の変動の絶対値を積算した値が、予め定めた所定の閾値を超えた場合には、前記振動抑制手段が作動することを特徴とする請求項15に記載の走行装置。
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