JP5927933B2 - 車両の運転支援装置 - Google Patents

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Description

本発明は、回生制動力を付与可能な車輪に対する回生制動力の制限値を設定する車両の運転支援装置に関する。
近年、エンジン及びモータを動力源として備えるハイブリッド車両、及び動力源としてモータのみを備える電気自動車の開発が進められている。こうした車両においては、運転手によって要求される車両に対する要求制動力を駆動輪に対する回生制動力だけで賄うことが可能な場合には、駆動輪には回生制動力が付与される一方、従動輪には制動力が付与されない。そして、駆動輪に回生制動力を付与しているモータで発電された電力は、車載のバッテリに蓄電される。
その一方で、車両に対する要求制動力を駆動輪に対する回生制動力だけで賄うことができなくなると、車両に搭載される制動装置によって従動輪に制動力が付与されるようになる。このとき、全ての車輪に対する制動力の総和が車両に対する要求制動力と一致するように、駆動輪及び従動輪に対する制動力がそれぞれ調整される。
ところで、上記の車両では、運転手によるブレーキ操作に伴う減速時には、一部の車輪にのみ制動力(回生制動力)が付与された状態になることがある。こうした状態で車両が旋回する場合、全ての車輪に制動力が付与された状態で車両が旋回する場合と比較して、車両の挙動が不安定になりやすい。例えば、前輪が駆動輪であると共に後輪が従動輪である場合には、回生制動力が付与される前輪は横滑りしやすくなり、車両のアンダーステア傾向が大きくなることがある。また、前輪が従動輪であると共に後輪が駆動輪である場合には、回生制動力が付与される後輪は横滑りしやすくなり、車両のオーバーステア傾向が大きくなることがある。そのため、車両の挙動が不安定になりそうなときには、駆動輪だけではなく他の車輪にも制動力を付与することにより、車両の挙動の安定化を図ることが好ましい。
特許文献1には、駆動輪に付与する回生制動力の制限値を、車両の挙動によって設定する運転支援装置が開示されている。この運転支援装置では、車両が直進していると判定された場合において、運転手によって要求される車両に対する要求制動力を駆動輪に対する回生制動力だけで賄うことが可能なときには、駆動輪である後輪に対して回生制動力を付与し、従動輪である前輪に対して油圧制動力を付与しないようにしている。この場合、制動力が付与される車輪は後輪だけとなるため、前輪にも制動力(油圧制動力)が付与される場合と比較して回生制動力を利用したエネルギーの回収効率が高くなる。
一方、車両が旋回していると判定された場合には、車両に対する要求制動力の大きさには関係なく、駆動輪である後輪だけではなく前輪にも制動力が付与されるようになっている。この場合、全ての車輪に対して制動力が付与されるため、後輪に付与される制動力が小さくなる分、車両の挙動の不安定化が抑制される。
特開平5−161209号公報
ところで、旋回する車両の挙動が不安定になるタイミングは、車両の走行する路面のμ値によって大きく異なる。すなわち、低μ路で車両が旋回する場合では、高μ路で車両が旋回する場合と比較して、ステアリングの操舵角の絶対値が小さい段階で、車両の挙動が不安定になり始める。そのため、車両挙動の安定化を最優先に考えると、旋回中であるか否かを判断するための判定値を、低μ路で旋回する車両の挙動が不安定となる手前の値に設定することが好ましい。
しかしながら、判定値を低μ路での車両の旋回を想定して設定すると、高μ路で車両が旋回するときには、車両の挙動がまだ安定しているにも拘わらず、駆動輪に付与される回生制動力が制限され、従動輪に油圧制動力が付与されるおそれがある。この場合、車両に対する要求制動力を全ての車輪に付与される制動力の総和によって満たすことになるため、駆動輪に付与される回生制動力が小さくなる。すなわち、特許文献1に記載の運転支援装置では、車両の旋回時における挙動の安定性の確保と、回生制動力の利用率の上昇との両立という点で改善の余地がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。その目的は、車両の旋回時における挙動の安定性の確保と、回生制動力の利用率の上昇とを両立させることができる車両の運転支援装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、回生制動力を付与可能な車輪(FR,FL、RR,RL)に対する回生制動力の制限値(BPl)を設定する車両の運転支援装置であって、回生制動力を付与可能な車輪(FR,FL、RR,RL)に装着されるタイヤのグリップ力の限界値(Rf)に対する、運転手が要求する車両の横方向加速度(GyStr、Gy)の比率である横G利用率(RGy)が低いほど、当該車輪(FR,FL、RR,RL)に対する回生制動力の制限値(BPl)を大きく(S23)、横G利用率(RGy)が基準値(α)未満である場合には、車輪(FR,FL、RR,RL)に付与可能な回生制動力の制限値(BPl)をその時点の最大値(BPlmax)に設定し、横G利用率(RGy)が前記基準値(α)以上である場合には、車輪(FR,FL、RR,RL)に付与可能な回生制動力の制限値(BPl)をその時点の最大値(BPlmax)よりも小さな値に設定するようになっており、前記基準値(α)を、運転手によるステアリング(20)の操作によって転舵する車輪(FR,FL)の転舵角に応じた値の変化速度(ΔStr)、車両の走行する路面勾配(θ)、及び運転手によるブレーキ操作量に応じた値の変化速度(ΔBPd)のうち少なくとも1つのパラメータに応じて変更する(S22,S23)ことを要旨とする。
車両の旋回時において、運転手が要求するタイヤに対するグリップ力である要求グリップ力が、当該車輪に装着されるタイヤのグリップ力の限界値を超えると、当該タイヤが横滑りするようになり、車両の挙動が不安定化するおそれがある。そこで、本発明では、要求グリップ力に相当する値として運転手が要求する車両の横方向加速度が取得され、回生制動力を付与可能な車輪に装着されるタイヤでの横G利用率が、運転手が要求する車両の横方向加速度とタイヤのグリップ力の限界値とに基づき算出される。そして、この横G利用率が低いほど、上記の要求グリップ力がタイヤのグリップ力の限界値から遠いと推定され、回生制動力を付与可能な車輪に対する回生制動力の制限値が大きく設定される。
このように横G利用率でもって回生制動力の制限値を設定することにより、従来のように車両が旋回しているか否かによって制限値を設定する場合と比較して、特に高μ路での旋回時における回生制動力の利用率を上昇させることができる。これは、運転手に操作されるステアリングの操舵角の絶対値が大きくても、車両の車体速度によっては上記の要求グリップ力が小さいこともあり得るためである。このように要求グリップ力が小さいときには、横G利用率も小さくなるため、回生制動力の制限値が高めに設定される。その結果、回生制動力の利用率が高くなる。
そして、設定された制限値を超えるような制動力が運転手によって要求されると、回生制動力を発生させる装置とは別に設けられた制動装置によって、回生制動力を付与可能な車輪以外の他の車輪にも制動力が付与されるようになる。その結果、車両の挙動の不安定化が抑制される。したがって、車両の旋回時における挙動の安定性の確保と、回生制動力の利用率の上昇とを両立させることができる。
上記構成によれば、基準値は、上記の3つのパラメータのうち少なくとも1つのパラメータに基づき車両の挙動が不安定になりやすいと判断できるときには小さな値に変更される。そのため、旋回する車両の挙動の不安定化を抑制することができる。その一方で、車両の挙動が不安定になりにくいと判断できるときには、回生制動力の制限値がその時点の最大値に設定される。そのため、車両の挙動が安定している場合には、回生制動力を極力利用できるようになる。
本発明の車両の運転支援装置において、回生制動力を付与可能な車輪(FR,FL、RR,RL)に装着されるタイヤのグリップ力の限界値(Rf)は、車両の前後方向加速度(Gx、ΔVS)及び車両の横方向加速度(Gy)に基づき算出される(S17)ことが好ましい。
上記構成によれば、車両に搭載される既存のセンサから検出される又は推定される前後方向加速度及び横方向加速度に基づき、タイヤのグリップ力の限界値を算出することができる。
本発明の車両の運転支援装置において、回生制動力を付与可能な車輪(FR,FL、RR,RL)に装着されるタイヤのグリップ力の限界値(Rf)は、車両の前後方向加速度を検出するためのセンサ(SE5)から出力された検出信号に基づいた値(Gx)を前後方向加速度として用いることにより算出される(S17)ことが好ましい。
車両の前後方向加速度を取得する方法としては、車両の前後方向加速度を検出するためのセンサからの検出信号を用いる方法の他、車両の車体速度の単位時間あたりの変化量を算出する方法が考えられる。車体速度は、一般的に、車両に搭載される複数の車輪のうち少なくとも一つの車輪の車輪速度に基づいて取得される値である。そのため、例えば、アンチロックブレーキ制御(ABS制御)が行われた場合、車体速度は、車輪に対する制動力の増減によって大きく変動する。その結果、車体速度を用いて算出した前後方向加速度は、車両の実際の前後方向加速度とは乖離した値を示しているおそれがある。
この点、本発明における前後方向加速度は、車両の前後方向加速度を検出するためのセンサからの検出信号を用いたセンサ値である。そのため、ABS制御のような制動制御が行われても、前後方向加速度が、車両の実際の前後方向加速度から大きく乖離しにくい。したがって、回生制動力を付与可能な車輪に装着されるタイヤのグリップ力の限界値の算出精度を向上させることができる。
本発明の車両の運転支援装置において、運転手の車両操作によって要求される横方向加速度は、運転手によるステアリング(20)の操作によって転舵する車輪(FR,FL)の転舵角に応じた値(Str)と、車両の車体速度(VS)とに基づいた値(GyStr)である(S16)ことが好ましい。
車両の車体速度及び車輪の転舵角は、運転手によって調整可能な値である。このように運転手自身で調整できるパラメータを用いて算出される横方向加速度は、車両に今後作用し得る横方向加速度の推定値である。これに対し、横方向加速度を検出するためのセンサからの検出信号に基づいたセンサ値は、車両にその時点で作用している横方向加速度である。そのため、こうしたセンサ値を運転手によって要求される横方向加速度として用いる場合と比較して、回生制動力の制限値を早いタイミングで小さくすることができる。したがって、旋回する車両の挙動の不安定化を抑制することができる。
本発明の車両の運転支援装置において、回生制動力の制限値(BPl)を、運転手によるステアリング(20)の操作によって転舵する車輪(FR,FL)の転舵角に応じた値の変化速度(ΔStr)、車両の走行する路面勾配(θ)、及び運転手によるブレーキ操作速度(ΔBPd)のうち少なくとも1つのパラメータに応じて変更する(S22,S23)ことが好ましい。
車輪の転舵角が急激に変化する場合、車両の走行する路面の勾配が大きい場合、運転手によって要求される車両に対する要求制動力が急激に大きくなった場合のうち少なくとも一つの条件が成立する場合には、車両の挙動が不安定になりやすい。そこで、本発明では、回生制動力の制限値は、上記の3つのパラメータのうち少なくとも1つのパラメータに基づき変更される。そのため、旋回する車両の挙動の不安定化を抑制することができる。
お、本発明をわかりやすく説明するために実施形態を示す図面の符号に対応づけて説明したが、本発明が実施形態に限定されるものではないことは言うまでもない。
本発明にかかる運転支援装置の一実施形態であるブレーキ制御ユニットを搭載する車両の概略構成を示すブロック図。 摩擦円理論を説明する模式図。 横G利用率に基づき回生制動力の制限値を設定するためのマップ。 ステアリングの操舵速度に基づき回生制動力の制限値を補正するためのマップ。 車両の走行する路面の勾配に基づき回生制動力の制限値を補正するためのマップ。 ブレーキペダルの操作速度に基づき回生制動力の制限値を補正するためのマップ。 回生制動力の制限値を設定するための処理ルーチンを説明するフローチャート。
以下、本発明にかかる運転支援装置を搭載したハイブリッド車両に具体化した一実施形態を図1〜図7に従って説明する。なお、以下における本明細書中の説明においては、車両の進行方向(前進方向)を前方(車両前方)として説明する。
図1に示すように、ハイブリッド車両には、2モータ方式のハイブリッドシステム10と、運転手によるステアリング20の操作によって転舵輪である前輪FR,FLの転舵角を調整する図示しない転舵アクチュエータと、全ての車輪FR,FL,RR,RLに対して制動力(油圧制動力)を付与する制動装置30とが設けられている。
ハイブリッドシステム10は、ガソリンなどの燃料の供給によって運転されるエンジン11を備えている。このエンジン11の出力軸であるクランク軸11aには、遊星歯車を含む複数の歯車を有する動力伝達機構12を介して、第1のモータ13及び第2のモータ14が連結されている。そして、動力伝達機構12は、エンジン11からの動力及び第2のモータ14からの動力を、第1のモータ13及び駆動輪である前輪FR,FL側に分割して伝達する。
第1のモータ13は、動力伝達機構12を介して伝達された動力によって発電する。そして、第1のモータ13で発電された電力は、インバータ15を介してバッテリ16に供給されて蓄電される。
第2のモータ14は、運転手がアクセルペダル41を操作した場合には駆動源として機能する。このとき、第2のモータ14には、インバータ15を介してバッテリ16から電力が供給される。すると、第2のモータ14で発生した動力の少なくとも一部は、動力伝達機構12及びディファレンシャル17を介して前輪FR,FLに伝達される。
一方、運転手がブレーキペダル42を操作した場合、第2のモータ14には前輪FR,FLの回転に伴う動力がディファレンシャル17及び動力伝達機構12を介して伝達される。すなわち、車両の減速時において第2のモータ14は発電機として機能し、該第2のモータ14で発電された電力は、インバータ15を介してバッテリ16に供給されて蓄電される。このとき、第2のモータ14は、前輪FR,FLに対して当該第2のモータ14での発電量に応じた回生制動力を付与する。したがって、本実施形態では、駆動輪である前輪FR,FLが、回生制動力を付与可能な車輪に相当し、従動輪である後輪RR,RLが、回生制動力を付与不能な車輪に相当する。
次に、ハイブリッド車両に搭載される制御装置50について説明する。
図1に示すように、制御装置50には、アクセルペダル41の操作量を検出するためのアクセル開度センサSE1、ステアリング20の操舵角を検出するための操舵角センサSE2、及びブレーキペダル42の操作量を検出するためのブレーキ操作量センサSE3が電気的に接続されている。また、制御装置50には、各車輪FR,FL,RR,RLの車輪速度を検出するための車輪速度センサSE4、車両の前後方向加速度を検出するための前後方向加速度センサSE5、及び車両の横方向加速度を検出するための横方向加速度センサSE6が電気的に接続されている。そして、制御装置50は、各センサSE1〜SE6からの検出信号に基づき車両制御を統括的に行う。
こうした制御装置50は、パワーマネージメントコンピュータ51と、エンジン11を制御するエンジン制御ユニット52と、第1及び第2の各モータ13,14を制御するモータ制御ユニット53と、制動装置30を制御する運転支援装置としてのブレーキ制御ユニット54とを備えている。
パワーマネージメントコンピュータ51は、アクセルペダル41が操作されている場合、車両の走行状態に基づき、エンジン11に要求する要求動力及び第2のモータ14に要求する要求動力を算出する。そして、パワーマネージメントコンピュータ51は、算出した要求動力に基づいた制御指令をエンジン制御ユニット52及びモータ制御ユニット53に個別に送信する。
なお、第2のモータ14に要求する要求動力は、その時点でのバッテリ16の蓄電量などによっても変更される。例えば、バッテリ16の蓄電量が非常に少ない場合には、バッテリ16の過放電を抑制するために、第2のモータ14に要求する要求動力が「0(零)」とされることもある。
また、パワーマネージメントコンピュータ51は、その時点でのバッテリ16の蓄電量及び前輪FR,FLの車輪速度などに基づき、その時点で前輪FR,FLに付与可能な回生制動力の最大値を算出する。そして、パワーマネージメントコンピュータ51は、算出したその時点の回生制動力の最大値をブレーキ制御ユニット54に送信する。
こうしたパワーマネージメントコンピュータ51は、運転手によるブレーキペダル42の操作に伴う車両減速時には、ブレーキ制御ユニット54によって算出された要求回生制動力に関する情報を受信する。すると、パワーマネージメントコンピュータ51は、受信した情報をモータ制御ユニット53に送信する。
モータ制御ユニット53は、運転手によるブレーキペダル42の操作に伴う車両減速時には、パワーマネージメントコンピュータ51から要求回生制動力に関する情報を受信する。そして、モータ制御ユニット53は、受信した情報に基づいた要求回生制動力と同等の回生制動力が前輪FR,FLに付与されるように第2のモータ14に発電させる。
ブレーキ制御ユニット54は、運転手によってブレーキペダル42が操作されている場合、ブレーキ操作量センサSE3からの検出信号に基づきブレーキペダル42の操作量を取得すると共に、運転手よって要求される車両に対する要求制動力をブレーキペダル42の操作量に基づき取得する。そして、ブレーキ制御ユニット54は、取得した車両に対する要求制動力とその時点での前輪FR,FLに対する回生制動力の上限値となどに基づき要求回生制動力を算出し、該要求制動力に関する情報をパワーマネージメントコンピュータ51に送信する。
なお、ブレーキ制御ユニット54は、車両に対する要求制動力がその時点で前輪FR,FLに付与可能な回生制動力の上限値未満である場合、前輪FR、FLに対する回生制動力だけで車両に対する要求制動力を賄うように要求回生制動力を設定する。すなわち、ブレーキ制御ユニット54は、制動装置30から各車輪FR,FL,RR,RLに対して油圧制動力を付与させない。
一方、ブレーキ制御ユニット54は、車両に対する要求制動力がその時点で前輪FR,FLに付与可能な回生制動力の上限値を超える場合、前輪FR,FLに付与される回生制動力だけでは車両に対する要求制動力を賄うことができないため、後輪RR,RLにも油圧制動力が付与されるように、制動装置30を制御する。このとき、車両に対する要求制動力が、全ての車輪FR,FL,RR,RLに付与される制動力の総和とほぼ一致することになる。そのため、車両に対する要求制動力が徐々に大きくなり、前輪FR,FLにのみ制動力(回生制動力)が付与される状態から全ての車輪FR,FL,RR,RLに対して制動力が付与される状態になると、前輪FR,FLに対する回生制動力が小さくなるため、回生制動力の利用効率が低くなる。
ところで、ブレーキ制御ユニット54では、回生制動力の上限値を設定している。この回生制動力の上限値は、パワーマネージメントコンピュータ51によって算出された回生制動力の最大値、及び車両の走行状態によって求まる制限値などによって設定される。例えば、上限値は、最大値及び制限値のうち最も小さい値に設定される。
前輪FR,FLにのみ制動力(回生制動力)が付与された状態で車両が旋回する場合、全ての車輪FR,FL,RR,RLに制動力が付与される場合と比較して前輪FR,FLに対する制動力が大きい分、車両が横滑りし易い。そのため、車両の横滑りなどのように車両の挙動が不安定になる可能性が高い場合には、可能性が低い場合よりも回生制動力の制限値を小さくすることが好ましい。しかし、制限値を小さくしすぎると、車両の挙動が安定しているにも拘わらず、全ての車輪FR,FL,RR,RLに制動力が付与されるようになり、回生制動力の利用率が低くなってしまう。そのため、車両の挙動が不安定になる可能性が低い場合には、車両の走行する路面のμ値には関係なく、回生制動力の制限値を大きくすることが好ましい。
そこで、本実施形態では、前輪FR,FLのタイヤが横滑りする可能性の高さを数値的に示す横G利用率が算出される。そして、横G利用率が低いときほど、前輪FR,FLが横滑りしにくいと判断され、車両の走行状態によって求まる回生制動力の制限値が大きな値に設定される。
なお、本実施形態でいう横G利用率は、前輪FR,FLのタイヤのグリップ力の限界値に対する、運転手が要求する車両の横方向加速度の比率である。タイヤのグリップ力の限界値は、図2に示す摩擦円の中心Gsから周縁までの直線距離に相当する値であって、車両の走行する路面のμ値が低いほど小さな値となる。そのため、タイヤのグリップ力の限界値は、路面のμ値の推定値に相当する。
そして、前輪FR,FLのタイヤのグリップ力の限界値「Rf」は、以下に示す関係式(式1)に基づき算出される。なお、関係式(式1)における「Gx」は前後方向加速度センサSE5からの検出信号に基づき取得されるセンサ値である車両の前後方向加速度であり、「Gy」は横方向加速度センサSE6からの検出信号に基づき取得されるセンサ値である車両の横方向加速度である。
ここで、タイヤのグリップ力は、縦方向のグリップ力GPxと横方向のグリップ力GPyとの合計の力となる。縦方向のグリップ力GPxは、車輪に付与される制動力や駆動力が大きいほど大きくなる力である。そのため、縦方向のグリップ力GPxの絶対値が大きいほど、横方向のグリップ力の限界値GPymaxが小さくなり、タイヤが横滑りしやすくなる。
本実施形態では、運転手が要求する車両の横方向加速度として操舵角換算横方向加速度が算出される。この操舵角換算横方向加速度は、運転手による車両操作に基づいたパラメータであるステアリング20の操舵角及び車両の車体速度に応じた値である。具体的には、操舵角換算横方向加速度GyStrは、以下に示す関係式(式2)(式3)を用いて算出される。なお、関係式(式2)における「VS」は車両の車体速度であり、「Str」はステアリング20の操舵角であり、「YrStr」は操舵角及び車体速度を用いて算出されるヨーレートの算出値である。また、「L」は車両のホイールベース長であり、「A」はスタビリティファクタである。
また、タイヤの横滑りのし易さは、横G利用率が一定であっても、運転手によるステアリング20の操作状況、車両の走行する路面勾配、及び運転手によるブレーキペダル42の操作状況によっても変わる。例えば、転舵輪である前輪FR,FLの転舵角の変化速度、即ち運転手によるステアリング20の操舵速度が速いほど、運転手が車両の急旋回を要求しているため、タイヤが横滑りし易くなる。また、車両の走行する路面勾配が急勾配であるほど、車両の挙動が重力の影響を受けやすくなり、タイヤが横滑りし易くなる。さらに、運転手によるブレーキペダル42の操作速度(ブレーキ操作速度)が速いほど、運転手が急制動を要求しているため、タイヤが横滑りし易くなる。
そのため、本実施形態では、横G利用率に基づいて設定された回生制動力の制限値は、ステアリング20の操舵速度、車両の走行する路面の勾配及びブレーキペダル42の操作速度によって補正される。
次に、ブレーキ制御ユニット54のROMに記憶されるマップのうち、回生制動力の制限値の設定に用いられるマップについて、図3〜図6を参照して説明する。
図3に示すマップは、上記の横G利用率RGyに基づき回生制動力の制限値BPlを設定するためのマップである。図3に示すように、横G利用率RGyが基準値α未満である場合、回生制動力の制限値BPlは、横G利用率RGyの大きさには関係なく、その時点で前輪FR,FLに付与できる回生制動力の最大値BPlmaxに設定される。一方、横G利用率RGyが基準値α以上である場合、回生制動力の制限値BPlは、横G利用率RGyが大きいほど小さく設定される。
図4に示すマップは、上記の横G利用率RGyに基づき設定された回生制動力の制限値BPlを、ステアリング20の操舵速度ΔStrに基づき補正するためのマップである。図4に示すように、操舵速度ΔStrが第1の基準値β1未満である場合、第1のゲインG1は、操舵速度ΔStrの大きさには関係なく「1」に設定される。一方、操舵速度ΔStrが第1の基準値β1以上である場合、第1のゲインG1は、操舵速度ΔStrが速いほど小さく設定される。
図5に示すマップは、上記の横G利用率RGyに基づき設定された回生制動力の制限値BPlを、車両の走行する路面勾配に基づき補正するためのマップである。図5に示すように、路面勾配に相当する勾配相当値θが第2の基準値β2未満である場合、第2のゲインG2は、勾配相当値θの大きさには関係なく「1」に設定される。一方、勾配相当値θが第2の基準値β2以上である場合、第2のゲインG2は、勾配相当値θが大きいほど、即ち路面が急勾配であるほど小さく設定される。
図6に示すマップは、上記の横G利用率RGyに基づき設定された回生制動力の制限値BPlを、ブレーキペダル42の操作速度ΔBPdに基づき補正するためのマップである。図6に示すように、操作速度ΔBPdが第3の基準値β3未満である場合、第3のゲインG3は、操作速度ΔBPdの大きさには関係なく「1」に設定される。一方、操作速度ΔBPdが第3の基準値β3以上である場合、第3のゲインG3は、操作速度ΔBPdが速いほど小さく設定される。
次に、車両の挙動に応じて回生制動力の制限値BPlを設定するための処理ルーチンについて、図7に示すフローチャートを参照して説明する。
本処理ルーチンは、予め設定された所定時間毎に実行される。この本処理ルーチンにおいて、ブレーキ制御ユニット54は、操舵角センサSE2から出力された検出信号に基づいたステアリング20の操舵角Strを取得する(ステップS10)。この操舵角Strは、運転手によるステアリング20の操舵によって転舵する前輪FR,FLの転舵角に応じた値である。続いて、ブレーキ制御ユニット54は、車輪FR,FL,RR,RL毎に設けられた各車輪速度センサSE4のうち少なくとも一つの車輪速度センサから出力される検出信号に基づいた車両の車体速度VSを取得する(ステップS11)。
そして、ブレーキ制御ユニット54は、前後方向加速度センサSE5から出力される検出信号に基づいた前後方向加速度Gxを取得し(ステップS12)、横方向加速度センサSE6から出力される検出信号に基づいた横方向加速度Gyを取得する(ステップS13)。続いて、ブレーキ制御ユニット54は、車体速度VSを時間微分した車体速度微分値ΔVSを取得し(ステップS14)、ブレーキ操作量センサSE3から出力された検出信号に基づいたブレーキペダル42の操作量BPdを取得する(ステップS15)。
そして、ブレーキ制御ユニット54は、ステップS10,S11,S13で取得した操舵角Str、車体速度VS及び横方向加速度Gyを上記関係式(式2)(式3)に代入することで、操舵角換算横方向加速度GyStrを求める(ステップS16)。続いて、ブレーキ制御ユニット54は、ステップS12,S13で取得した前後方向加速度Gx及び横方向加速度Gyを上記関係式(式1)に代入し、駆動輪である前輪FR,FLに装着されるタイヤのグリップ力の限界値Rfを求める(ステップS17)。そして、ブレーキ制御ユニット54は、ステップS16,S17で演算した操舵角換算横方向加速度GyStr及びタイヤのグリップ力の限界値Rfを、以下に示す関係式(式4)に代入し、前輪FR,FLの横G利用率RGyを求める(ステップS18)。したがって、本実施形態では、ステップS18が、前輪FR,FLに装着されるタイヤのグリップ力の限界値Rfに対する操舵角換算横方向加速度GyStrの比率である横G利用率RGyを取得させるステップに相当する。
続いて、ブレーキ制御ユニット54は、ステップS10で取得した操舵角Strを時間微分し、該演算結果をステアリング20の操舵速度ΔStrとする(ステップS19)。そして、ブレーキ制御ユニット54は、ステップS12,S14で取得した前後方向加速度Gxと車体速度微分値ΔVSとの差分を求め、当該差分の絶対値を勾配相当値θとする(ステップS20)。これは、坂路で車両が停車する場合、車体速度微分値ΔVSがほぼ「0(零)」となるのに対し、前後方向加速度Gxは、路面勾配に応じた値(≠0(零))となるためである。
続いて、ブレーキ制御ユニット54は、ステップS15で取得したブレーキペダル42の操作量BPdを時間微分し、該演算結果をブレーキペダル42の操作速度ΔBPdとする(ステップS21)。そして、ブレーキ制御ユニット54は、ステップS19〜S21で演算したステアリング20の操舵速度ΔStr、勾配相当値θ及びブレーキペダル42の操作速度ΔBPdに基づいた各ゲインG1,G2,G3を、図4〜図6に示す各マップを用いて求める(ステップS22)。
続いて、ブレーキ制御ユニット54は、回生制動力の制限値BPlを演算する(ステップS23)。具体的には、ブレーキ制御ユニット54は、ステップS18で演算した横G利用率RGyに基づいた制限値BPlを、図3に示すマップを用いて求める。そして、ブレーキ制御ユニット54は、求めた制限値BPl、及びステップS22で求めた各ゲインG1,G2,G3を以下に示す関係式(式5)に代入し、制限値BPlを補正する。このように各ゲインG1〜G3を設定することにより、回生制動力の制限値BPlをその時点の最大値BPlmax未満にするか否かの基準値が変更される。したがって、本実施形態では、ステップS23が、取得した横G利用率RGyが低いほど、前輪FR,FLに対する回生制動力の制限値BPlを大きくさせるステップに相当する。その後、ブレーキ制御ユニット54は、本処理ルーチンを一旦終了する。
次に、本実施形態のハイブリッド車両の動作について説明する。
車両の旋回中に運転手がブレーキペダル42を操作すると、各車輪FR,FL,RR,RLのうち少なくとも前輪FR,FLに制動力が付与される。このとき、算出された横G利用率RGyが低いほど、車両のアンダーステア傾向が小さいため、前輪FR,FLに対する回生制動力の制限値が大きく設定される。
これにより、後輪RR,RLには制動力が付与されずに、前輪FR,FLにのみ制動力(回生制動力)が付与された状態で車両が旋回していても、横G利用率RGyが低い場合、即ち前輪FR,FLが横滑りし始める可能性が低い場合には、前輪FR,FLにのみ制動力(回生制動力)が付与された状態が継続される。すなわち、車両の旋回時であっても、車両にアンダーステアが発生する可能性が低い場合、又はアンダーステア傾向が小さい場合には、前輪FR,FLにのみ制動力(回生制動力)が付与された状態での車両走行の機会が増える。そのため、特に高μ路での車両旋回時における回生制動力の利用率が上昇するようになる。
ただし、前輪FR,FLに付与される回生制動力は、図7に示す処理ルーチンで設定された回生制動力の制限値BPlになるとは限らない。例えば、バッテリ16の蓄電量が満タンに近い場合には、当該バッテリ16の過充電を抑制するために、前輪FR,FLに付与される回生制動力は、上記の制限値BPlよりも小さくなる。
しかしながら、設定された制限値BPlを超えるような制動力(要求制動力)を運転手が要求した場合、制動装置30が稼働し、後輪RR,RLに油圧制動力が付与されるようになる。すると、全ての車輪FR,FL,RR,RLに対する制動力の総和が運転手によって要求された要求制動力と一致するように、前輪FR,FLに対する制動力が設定される。そのため、後輪RR,RLに対して制動力を付与しない場合と比較して、前輪FR,FLに対する制動力が小さくなる分、旋回する車両のアンダーステア傾向が小さくなる、即ち車両挙動の安定化が図られる。
なお、このとき、前輪FR,FLに対する制動力は、第2のモータ14からの回生制動力と、制動装置30からの油圧制動力との総和となる。ただし、回生制動力が「0(零)」となる場合もあり得るし、油圧制動力が「0(零)」となる場合もあり得る。
以上説明したように、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、回生制動力の制限値BPlは、前輪FR,FLが横滑りする可能性が高いか否かによって設定される。そのため、従来のように車両が旋回中であるか否かによって制限値が設定される場合と比較して、特に高μ路での車両旋回時における回生制動力の利用率を上昇させることができる。しかも、運転手によって要求される要求制動力が回生制動力の制限値BPlを超える場合には、後輪RR,RLにも制動力が付与されるようになり、車両の挙動の安定化を図ることができる。したがって、車両の旋回時における挙動の安定性の確保と、回生制動力の利用率の上昇とを両立させることができる。
(2)車両の前後方向加速度Gxを取得する方法としては、前後方向加速度センサSE5からの検出信号を用いる方法の他、車両の車体速度微分値ΔVSを用いる方法が考えられる。車体速度VSは、車両に搭載される複数の車輪FR,FL,RR,RLのうち少なくとも一つの車輪の車輪速度に基づいて取得される値である。そのため、例えば、アンチロックブレーキ制御(ABS制御)が行われた場合、車体速度VSは、車輪に対する制動力の増減によって大きく変動する。その結果、車体速度微分値ΔVSは、車両の実際の前後方向加速度とは乖離した値を示しているおそれがある。すなわち、車体速度微分値ΔVSを用いてタイヤのグリップ力の限界値Rfを算出する制御構成を採用した場合、算出した当該限界値Rfが実際の限界値から乖離していることがあり得る。
この点、本実施形態では、前後方向加速度Gxを用いて限界値Rfが算出される。そのため、ABS制御のような制動制御が行われても、算出した当該限界値Rfが実際の限界値から大きく乖離することが抑制される。したがって、前輪FR,FLに装着されるタイヤのグリップ力の限界値Rfの算出精度を向上させることができる。
(3)車両の車体速度VS及びステアリング20の操舵角Strは、運転手によって調整可能な値である。このように運転手自身で調整できるパラメータを用いて算出される操舵角換算横方向加速度GyStrは、車両に今後作用し得る横方向加速度の推定値である。そして、当該操舵角換算横方向加速度GyStrが、運転手によって要求される横方向加速度として用いられる。
ここで、横方向加速度センサSE6からの検出信号に基づいたセンサ値を、運転手によって要求される横方向加速度としたとする。このセンサ値は、その時点の車両の状態を示す状態値である。そのため、回生制動力の制限値BPlを小さくするのが遅くなり、最悪の場合には車両の挙動が不安定になってから制限値BPlが小さくされることがあり得る。この点、本実施形態では、上述したように、操舵角換算横方向加速度GyStrが、運転手によって要求される横方向加速度として用いられるため、センサ値を運転手によって要求される横方向加速度として用いる場合と比較して、回生制動力の制限値BPlを早いタイミングで小さくすることができる。したがって、車両旋回時における車両の挙動の不安定化を抑制することができる。
(4)回生制動力の制限値BPlは、運転手によるステアリング20の操舵速度ΔStr、勾配相当値θ及び運転手によるブレーキペダル42の操作速度ΔBPdによって補正される。すなわち、運転手によるステアリング20の操作、ブレーキ操作及び路面の勾配などに基づき車両の挙動が不安定化しやすいか否かが判断され、不安定化しやすいときには制限値BPlが小さめに補正される。したがって、旋回する車両のアンダーステア傾向が大きくなることを抑制できる。
特に、車両の挙動が不安定化しやすいときには、回生制動力を最大限付与するか否かの基準値(図3における基準値αに相当する値)が小さくなる。すなわち、車両の挙動が不安定化しやすいときには、その時点で前輪FR,FLに付与できる回生制動力の最大値BPlmaxを付与される機会が少なくなる。その結果、旋回する車両のアンダーステア傾向が大きくなることを抑制できる。
(5)車両の旋回時に駆動輪に回生制動力が付与された状態で、当該駆動輪に装着されるタイヤが横滑りすると、車両の挙動が不安定になる。特に本実施形態のように駆動輪が前輪FR,FLである場合、アンダーステアが発生し、運転手による車両操作によって車両挙動を立て直すことは、オーバーステアの発生時よりも困難である。この点、本実施形態では、横G利用率RGyによって、前輪FR,FLに対する回生制動力の制限値BPlが設定される。そして、後輪RR,RLには制動力を付与しないで前輪FR,FLにのみ制動力(回生制動力)を付与する状態で車両が旋回する場合には、前輪FR,FLの横滑りが発生する前に後輪RR,RLにも制動力を付与することで車両の挙動を安定化させることができる。
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・回生制動力の制限値BPlを、運転手によるステアリング20の操舵速度ΔStr、勾配相当値θ及び運転手によるブレーキペダル42の操作速度ΔBPdのうち少なくとも1つで補正するようにしてもよい。
・また、回生制動力の制限値BPlを、ステアリング20の操舵速度ΔStr、勾配相当値θ及びブレーキペダル42の操作速度ΔBPdで補正しなくてもよい。
・図3に示すマップにおいて横G利用率RGyが基準値α以上であるときにおける制限値BPlの減少勾配を、運転手によるステアリング20の操舵速度ΔStr、勾配相当値θ及び運転手によるブレーキペダル42の操作速度ΔBPdのうち少なくとも1つによって変更するようにしてもよい。
・また、運転手によるステアリング20の操舵速度ΔStr、勾配相当値θ及び運転手によるブレーキペダル42の操作速度ΔBPdのうち少なくとも1つに基づいて、横G利用率RGyを補正するようにしてもよい。例えば、操舵速度ΔStrが速い場合などのように車両の挙動が不安定化しやすいと推定される場合には、横G利用率RGyを小さく補正してもよい。このような制御構成を採用しても上記実施形態と同等の効果を得ることができる。
・制動装置30には、運転手によるブレーキペダル42の操作量に応じたブレーキ液圧を発生させるマスタシリンダが設けられている。そこで、マスタシリンダ内のブレーキ液圧の単位時間あたりの変化量を、ブレーキペダル42の操作速度ΔBPdとして取得するようにしてもよい。
・運転手の車両操作によって要求される横方向加速度として、横方向加速度センサSE6からの検出信号に基づいたセンサ値(即ち、横方向加速度Gy)を用いてもよい。このような制御構成を採用しても、上記(1)と同等の効果を得ることができる。
・車両が走行する路面の勾配に関する情報を取得できる場合には、前後方向加速度センサSE5からの検出信号に基づくセンサ値から路面勾配に基づいた加速度成分を減算し、該演算結果を前後方向加速度Gxとしてもよい。この場合、前輪FR,FLに装着されるタイヤのグリップ力の限界値Rfの算出精度をさらに向上させることができる。
・前後方向加速度Gxの代わりに、車体速度微分値ΔVSを用いて前輪FR,FLに装着されるタイヤのグリップ力の限界値Rfを算出してもよい。ただし、この場合、ABS制御のような制動制御中においては、図7に示す処理ルーチンを実行しないようにしてもよいし、回生制動力の制限値BPlを予め設定された最小値に設定するようにしてもよい。
・前輪FR,FLに装着されるタイヤのグリップ力の限界値Rfは、車両の前後方向加速度及び横方向加速度を用いない他の任意の方法で算出してもよい。
・ハイブリッド車両は、第2のモータ14から回生制動力を付与可能な車輪が後輪RR,RLとなる車両であってもよい。
・また、ハイブリッドシステム10は、車両減速時に少なくとも1つの車輪に回生制動力を付与可能なシステムであれば、1モータ方式のシステムであってもよい。
・運転支援装置は、ブレーキ制御ユニット54以外の他の制御ユニット(例えば、パワーマネージメントコンピュータ51)であってもよい。
・本発明の運転支援装置を、動力源としてモータのみを備える電気自動車に搭載される制御装置に具体化してもよい。
20…ステアリング、51…運転支援装置としてのパワーマネージメントコンピュータ、54…運転支援装置としてのブレーキ制御ユニット、FR,FL,RR,RL…車輪、SE5…前後方向加速度センサ、BPl…回生制動力の制限値、BPlmax…最大値、Gx…前後方向加速度、Gy…横方向加速度、GyStr…操舵角換算横方向加速度、Rf…タイヤのグリップ力の限界値、RGy…横G利用率、Str…転舵角に応じた値としての操舵角、VS…車体速度、ΔBPd…ブレーキ操作速度としての操作速度、ΔStr…転舵角に応じた値の変化速度としての操舵速度、ΔVS…前後方向加速度としての車体速度微分値、α…基準値、θ…路面勾配に相当する勾配相当値。

Claims (5)

  1. 回生制動力を付与可能な車輪(FR,FL、RR,RL)に対する回生制動力の制限値(BPl)を設定する車両の運転支援装置であって、
    回生制動力を付与可能な車輪(FR,FL、RR,RL)に装着されるタイヤのグリップ力の限界値(Rf)に対する、運転手が要求する車両の横方向加速度(GyStr、Gy)の比率である横G利用率(RGy)が低いほど、当該車輪(FR,FL、RR,RL)に対する回生制動力の制限値(BPl)を大きく(S23)
    横G利用率(RGy)が基準値(α)未満である場合には、車輪(FR,FL、RR,RL)に付与可能な回生制動力の制限値(BPl)をその時点の最大値(BPlmax)に設定し、横G利用率(RGy)が前記基準値(α)以上である場合には、車輪(FR,FL、RR,RL)に付与可能な回生制動力の制限値(BPl)をその時点の最大値(BPlmax)よりも小さな値に設定するようになっており、
    前記基準値(α)を、
    運転手によるステアリング(20)の操作によって転舵する車輪(FR,FL)の転舵角に応じた値の変化速度(ΔStr)、
    車両の走行する路面勾配(θ)、及び
    運転手によるブレーキ操作量に応じた値の変化速度(ΔBPd)
    のうち少なくとも1つのパラメータに応じて変更する(S22,S23)
    ことを特徴とする車両の運転支援装置。
  2. 回生制動力を付与可能な車輪(FR,FL、RR,RL)に装着されるタイヤのグリップ力の限界値(Rf)は、車両の前後方向加速度(Gx、ΔVS)及び車両の横方向加速度(Gy)に基づき算出される(S17)
    請求項1に記載の車両の運転支援装置。
  3. 回生制動力を付与可能な車輪(FR,FL、RR,RL)に装着されるタイヤのグリップ力の限界値(Rf)は、車両の前後方向加速度を検出するためのセンサ(SE5)から出力された検出信号に基づいた値(Gx)を前後方向加速度として用いることにより算出される(S17)
    請求項2に記載の車両の運転支援装置。
  4. 運転手の車両操作によって要求される横方向加速度は、運転手によるステアリング(20)の操作によって転舵する車輪(FR,FL)の転舵角に応じた値(Str)と、車両の車体速度(VS)とに基づいた値(GyStr)である(S16)
    請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の車両の運転支援装置。
  5. 回生制動力の制限値(BPl)を、
    運転手によるステアリング(20)の操作によって転舵する車輪(FR,FL)の転舵角に応じた値の変化速度(ΔStr)、
    車両の走行する路面勾配(θ)、及び
    運転手によるブレーキ操作速度(ΔBPd)
    のうち少なくとも1つのパラメータに応じて変更する(S22,S23)
    請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の車両の運転支援装置。
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