JP4990213B2 - ガルバノスキャナ装置およびガルバノスキャナ装置を備えるレーザ加工装置 - Google Patents

ガルバノスキャナ装置およびガルバノスキャナ装置を備えるレーザ加工装置 Download PDF

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Description

本発明は、レーザ光等の光ビームを反射するミラーを所望の角度に位置決めするガルバノスキャナ装置およびガルバノスキャナ装置を備えるレーザ加工装置に関する。
ガルバノスキャナ装置は、回転軸に取り付けたミラーを内蔵された電磁アクチュエータにより回転させ、ミラーの角度を変えることでレーザビームの光路を偏向させる装置である。ガルバノスキャナ装置を用いた代表的な装置であるレーザ加工装置では、レーザ発振器から出力されるレーザビームを、被加工物であるプリント基板のX及びY方向に対応させた一対のガルバノスキャナに取り付けられたミラーに導き、直交2方向に偏向させ、プリント基板の所望の位置に照射させて穴あけ加工を行う。ガルバノスキャナ装置はミラーを目標角度へと正確に位置決めする必要があることから、エンコーダ等の角度検出器が設けられており、角度検出器の出力信号を用いたフィードバックによるサーボ制御が行われる。
プリント基板の穴加工の生産性向上や高品質加工を実現するためには、ガルバノスキャナ装置に取り付けられたミラーの位置決め動作の高速化、高精度化が必要となる。このためには、ガルバノスキャナ装置の位置決め制御系のサーボ帯域を拡大する必要がある。しかし、ガルバノスキャナ装置の可動部は分布定数系であるから、無限個の固有振動モードが存在し、これら振動モードがサーボ帯域を拡大するための阻害要因となる。特に、ミラー角度を変える時に励起される回転軸回りのねじれ振動モードがサーボ帯域を制限する主要因である。ねじれ振動モードを周波数が低い順に並べ、i番目のモードをi次モードと呼ぶことにすると、基本的には最低次の1次モードがサーボ帯域拡大の制限となるが、2次以上のモードが1次モードに近接していると、これらのモードがサーボ特性に影響を及ぼすこともある。さらに、これらのモードが経時変化や経年変化することで、位置決め精度が著しく劣化したり、制御系が不安定になる虞がある。
そこで、ガルバノスキャナ装置のねじれ振動モードを抑制しつつサーボ帯域の拡大を実現するため、個々のねじれ振動モードと等価な伝達関数をそれぞれ用意し、電流検出信号を入力として各伝達関数の出力を負帰還することで、各振動モードの安定化を図る技術がある(特許文献1)。
また、サーボ制御装置をアナログ回路の補償器とディジタル計算機の補償器とで構成し、アナログ回路の補償器をガルバノスキャナ装置のねじれ振動モードでのノッチフィルタとすることで、サーボ帯域を拡大する技術がある(特許文献2)。
また、回転軸のねじれ角をセンサで直接検出し、その出力信号を負帰還したり、その出力信号を用いて状態量を推定することで、各振動モードを安定化する技術がある(特許文献3)。
特開2002−40358号公報 特開2002−196274号公報 特開2003−57570号公報
しかし、上記特許文献1の場合、各振動モードの伝達関数をそれぞれ用意するためには予め各ねじれ振動モードのパラメータを正確に把握しておく必要がある。また、各振動モードが時々刻々と変化する場合には、その度に各パラメータを再計測した上で調整するか、自動的にパラメータを同定するアルゴリズムを別途用意しておかないと、制御性能が著しく低下する。さらに、複数の振動モードを制御するためには、各振動モードに対応した伝達関数が必要となるため、調整すべきパラメータが増加すると共に、演算コストが増大する。
また、上記特許文献2の場合、減衰周波数を固定したノッチフィルタを用いてねじれ振動モードのゲインを低減させるため、各振動モードが時々刻々と変化する場合には、ノッチフィルタのパラメータを再設定することにより制御性能の低下を予防しなければならない。さらに、ノッチフィルタはその減衰周波数よりも低い周波数では位相が遅れるため、サーボ系の位相余裕が減少し、結果としてサーボ帯域の拡大が制限される。
また、特許文献3の場合、回転角度センサに加え、回転軸にねじれ角を検出するための歪みセンサが設けているが、ねじれ振動モードは複数個存在するため、それらを検出するためには複数個の歪みセンサが必要となる。また、制御を施すために必要な数のねじれ角を検出できない場合には、状態量推定器を付加する必要があり、結果として補償器の演算コストが増大する。また、各ねじれ振動モードを正確に検出するためには、検出点を適切に定めておかなければならない。また、回転軸にセンサを取り付けることにより加工コストが増加し、装置組立の作業効率は低下する。したがって、製造コストが増大する。
上記問題点を鑑み、本発明の目的は、レーザ光等の光ビームを反射させるミラーを高速かつ高精度に位置決めすることができるガルバノスキャナ装置およびガルバノスキャナ装置を備えるレーザ加工装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、第1の手段は、回転軸に支持されたミラーと、前記回転軸の回転角度を検出する角度検出手段と、前記角度検出手段により検出される角度検出値を用いて前記ミラーを角度目標値に追従させるサーボ制御手段と、前記ミラーの変形量を検出する変形量検出手段と、を備え、前記サーボ制御手段が、前記角度検出手段により検出される角度検出値と、前記変形量検出手段によって検出された変形量とに基づいて前記ミラーを位置決めするガルバノスキャナ装置において、前記変形量検出手段が、前記ミラー上であって、前記ミラーが固定されるミラーマウントの中心から前記ミラーの回転の軸線に対してV字状に対称に配置されていることを特徴とする。
また、第2の手段は、同様の前提のガルバノスキャナ装置において、前記変形量検出手段からの出力信号が入力されるハイパスフィルタとローパスフィルタとからなるフィルタを備え、前記サーボ制御手段は、変形量を示す前記フィルタの出力及び前記角度検出値を示す前記角度検出手段の出力に基づいて前記ミラーを位置決めすることを特徴とする。
また、第3の手段は、同様の前提のガルバノスキャナ装置において、前記変形量検出手段からの出力信号が入力されるハイパスフィルタとローパスフィルタとからなるフィルタを備え、前記変形量検出手段が、前記ミラー上であって、前記ミラーの回転の軸線に対して対称に配置され、前記サーボ制御手段は、変形量を示す前記フィルタの出力及び前記角度検出値を示す前記角度検出手段の出力に基づいて前記ミラーを位置決めすることを特徴とする。
さらに、第4の手段は、同様の前提のガルバノスキャナ装置において、前記変形量検出手段からの出力信号が入力されるハイパスフィルタとローパスフィルタとからなるフィルタを備え、前記変形量検出手段が、前記ミラーの回転軸に固定された側の軸線上の端部と固定されていない自由端側の前記軸線と直角方向の端部とを結ぶ直線上に配置され、前記サーボ制御手段は、変形量を示す前記フィルタの出力及び前記角度検出値を示す前記角度検出手段の出力に基づいて前記ミラーを位置決めすることを特徴とする。
また、第5の手段は、ガルバノスキャナ装置を備え、レーザ発振器から出力されるレーザビームを前記ガルバノスキャナ装置により偏向させて被加工物を加工するレーザ加工装置において、前記ガルバノスキャナ装置が前記第1ないし第4の手段に係るガルバノスキャナ装置であることを特徴とする。
本発明によれば、
・効果的にミラーの歪み量を検出することができる。
ねじれ振動モードの変動に対して頑健なサーボ制御ができるので、ミラーを高速、高精度に位置決めすることができる。
レーザ加工装置では、ミラーのねじれ変形振動が抑えられるので、高い真円度の穴を被加工物上の正確な位置に加工できる。
という効果を奏する。
以下、本発明の一実施例について図面を用いて説明する。
図1は本発明に係るガルバノスキャナ装置の制御ブロック図である。
始めに、ガルバノスキャナ装置の概略構成について説明する。
ガルバノスキャナ装置1の回転軸5は、軸受6a、6bによって支持されている。回転軸5の一方の端部にはミラーマウント9を介してミラー2が固定されている。ミラー2のレーザビーム反射面の裏面には、ミラー2の変形量を検出するための2個の歪みセンサ10a、10bが配置されている。なお、歪みセンサ10a、10bは構成が同じなので、両者を特に区別する必要がない場合は、単に歪みセンサ10という。歪みセンサ10は、歪み検出信号20を出力する。歪みセンサ10は、PZT等の圧電素子や抵抗線式歪みゲージ等であり、回転軸5の軸線A(一点鎖線)を中心として対称に配置されている。圧電素子の歪みセンサ10を用いる場合は、ミラー2に対して非導電性接着剤で固定する。あるいはミラー2を非導電性の材質にするか、又はミラー2の表面に絶縁膜を設ける場合は、導電性の接着剤を用いてもよい。このように、圧電素子の歪みセンサ10とミラー2との界面を絶縁処理することにより、圧電素子の歪みセンサ10はミラー2の変形振動を正確に測定して、歪み検出信号20を出力できる。また、圧電素子の歪みセンサ10をミラー2の内部に内蔵する場合にも、界面の絶縁処理を施す。
回転軸5の他方の端部にはハブ11が固定されている。ハブ11にはエンコーダ板7が固定されている。エンコーダ板7の表面には、図示を省略するスリットが設けられている。センサヘッド8はエンコーダ板7の表面に設けられたスリットと対向するようにしてセンサフレーム12bに固定されている。エンコーダ板7とセンサヘッド8とで、所謂ロータリエンコーダを構成しており、回転軸5の角度変位すなわちミラー2の角度変位を検出することができる。なお、角度変位を検出する手段としては、ロータリエンコーダに限定されるものではない。
回転軸5の中央付近には、円筒形の永久磁石4が固定されている。永久磁石4の外周には、エアギャップを挟んでコイル3が配置される。コイル3は図示を省略するヨークを含むスキャナフレーム12aに固定されている。コイル3、永久磁石4、エアギャップおよび図示を省略するヨークで磁気回路を構成している。そして、コイル3に駆動電流19を供給すると、永久磁石4はフレミングの左手の法則を原理とする反作用力による駆動トルクを受ける。この駆動トルクにより永久磁石4と一体の回転軸5が軸線A(一点鎖線)を中心に回転し、ミラー2を揺動運動させる。
次に、ガルバノスキャナ装置1の制御系の概略構成について説明する。
エンコーダ板7とセンサヘッド8とにより角度検出信号14が検出される。加算器(減算器)30は入力された目標角度変位13と角度検出信号14との偏差信号15aを出力する。偏差信号15aは、フィードバック補償器16に入力される。ここで、フィードバック補償器16は、サーボ系全体を安定化させることが目的であるので、例えば位相遅れ進み補償器やPID補償器等を採用する。加算器(減算器)31は入力されたフィードバック補償器16の出力信号17と後述する歪み補償信号22との偏差信号15bを出力する。偏差信号15bは電流指令として電流制御器18に入力される。加算器30、フィードバック補償器16、加算器31および後述する歪み補償器21とで、サーボ制御装置を構成している。電流制御器18の詳細は割愛するが、コイル駆動電流の検出信号を用いたフィードバック制御系が構成され、パワーアンプを介して駆動電流19を生成してコイル3に供給する。
なお、図1はフィードバック制御系のみを示しているが、フィードバック制御系だけでは必要とする目標値追従特性が得られない場合は、別途フィードフォワード補償器を付加する構成とする。また、制御系の各要素の実現形態は、アナログ回路でもよいしディジタル計算機によるディジタル処理のいずれでもよい。
次に、回転軸5回りのねじれ振動モードの検出方法と、そのフィードバック補償要素の詳細について説明する。
まず、ねじれ振動モードの検出方法について、図2〜図6を用いて説明する。
図2はガルバノスキャナ装置1の駆動電流19から角度検出信号14までの周波数応答特性(ゲイン特性)の一例を示す図である。
角度検出信号14から、主としてミラー2、ミラーマウント9、回転軸5、永久磁石4、ハブ11、エンコーダ板7を含む可動部回りのねじれ振動モードを観測できる。ねじれ振動モードを低い順に1次モード(周波数fa)、2次モード(周波数fb)と呼ぶ。
図3は1次モードの周波数faによりミラー2がねじれて変形振動する様子を模式的に表した図であり、図4は歪みセンサ10aと10bの配置位置を示す図である。
通常、ミラー2は平板状である。このため、反時計回りにミラー2が回転運動する時には、図3に示すように、紙面右側のミラー端部は下向きに、紙面左側のミラー端部は上向きに慣性力を受ける。この場合、軸線A(一点鎖線)から左右方向に離れ、かつミラーマウント9の反対側(自由端側)であるミラー先端部に近づく程慣性力が大きくなるので、ミラー2の左右先端部に近づく程ミラー2の変形量(撓み)が大きくなる。つまり、ミラー板の変形振動の腹になる。したがって、ねじれ振動の1次モードにおいては、図4に破線で示すように、ミラーマウント9の中心からV字状に、軸線A(一点鎖線)に対して対称に歪みセンサ10を配置すれば、効果的にミラー2の歪み量を検出できる。
また、2次モード若しくはそれ以上の高次モード(n次モード)においても、ねじれ振動時の慣性力によりミラー2が変形するので、歪みセンサ10で複数のねじれ振動モードを検出可能である。また軸線A(一点鎖線)に対して対称に配置する方が、回転軸5回りの回転不釣合を小さく抑えられるので、望ましい。
しかし、2個の歪みセンサ10aと10bを軸線A(一点鎖線)に対して対称に配置したとしても、別の部品の回転不釣合に起因して、ミラー2に曲げ振動モードが発生する虞がある。ここで曲げ振動モードとは,軸受6a、6bを支持点として回転軸5が曲がる振動である。この曲げ振動モードが発生すると、歪み検出信号20を出力とした周波数応答特性に曲げ振動周波数で共振特性が現れる。この時の歪み検出信号20をフィードバック信号として用いると、曲げ振動モードの検出信号の影響でサーボ系の安定性、若しくは目標値追従特性が劣化する虞がある。そこで、曲げ振動モードの影響を回避して、ねじれ振動モードだけを正確に検出するために、2個の歪みセンサ10を以下のように接続する。
図5は、圧電素子による歪みセンサ10の断面図である。同図に示すように、通常の歪みセンサ10は、板状の圧電素子23の表裏面に電極24a、24bがメッキされ、電極24a、24bに導線25a、25bが半田付けされている。この歪みセンサ10の電極24a、24bは、ミラー2との界面において、前述したように非導電性接着剤などで電気絶縁されている。そして、圧電素子23が歪むことによって発生する電位差が導線25a、25b間に出力される。曲げ振動モードの場合、軸線A(一点鎖線)に関して対称に配置した2個の歪みセンサ10aと10bは同じ方向に変形する。これに対してねじれ振動モードでは、図3で示したように、2個の歪みセンサ10aと10bは互いに逆の方向に変形する。
そこで、図5において、歪みセンサ10a、10bのミラー2の界面側の電極が電極24bであるとすると、歪みセンサ10aの導線25aと歪みセンサ10bの導線25bとを接続し、歪みセンサ10aの導線25bと歪みセンサ10bの導線25aとを接続して両者間の電位差を歪み検出信号20として検出する。このようにすると、曲げ振動モードは互い相殺されるので、ねじれ振動モードだけを正確に検出できる。
図6は周波数応答特性の一例を示す図である。
同図における実線は、歪みセンサ10aの導線25aと歪みセンサ10bの導線25bを、また歪みセンサ10aの導線25bと歪みセンサ10bの導線25aを接続して両者間の電位差を歪み検出信号20とした場合の駆動電流19から歪み検出信号20までの周波数応答特性であり、曲げ振動モードの影響を受けていない。なお、同図の破線は、図2に示した周波数応答特性である。同図に示すように、駆動電流19から歪み検出信号20までの周波数応答特性は、ガルバノスキャナ装置1の周波数応答特性におけるゲインピークと同周波数にゲインピークを有している。このことから、ミラー2の変形振動を歪みセンサ10a、10bの出力信号を組み合わせて歪み検出信号20とすることで、ガルバノスキャナ装置1のねじれ振動モードを正確に検出できることが分かる。
次に、歪み検出信号20を用いたフィードバック制御系の構成について述べる。
基本構成は図1に示す通りであり、歪み検出信号20を歪み補償器21を介してフィードバックすることにより、各ねじれ振動モードにダンピングを付与することが可能となり、ゲインピークを低減できる。
上記したように、歪み検出信号20には複数のねじれ振動モードが含まれている。そこで、歪み補償信号22の周波数成分を、歪み補償器21を用いて整形する。以下、一例として、図6に示す歪み検出信号の周波数特性が得られたとし、ねじれ振動の1次モード(周波数fa)と2次モード(周波数fb)をダンピング補償する場合について説明する。この場合、1次モードと2次モードに関してはその微分信号を負帰還することが好適であり、3次モード以上の高次モードに関してはスピルオーバ(振動制御系で発生し得る不安定振動)による不安定化を避けるため、ゲインを低減する必要がある。そこで、歪み補償器21として、歪み補償器21の入出力信号間の伝達関数G(s)を式1にする。
G(s)=K・s/(s+ω)・ω /(s+2ζωs+ω ) ・・・(式1)
ここで、(式1)右辺のs/(s+ω)は1次ハイパスフィルタであり、ω /(s+2ζωs+ω )は2次ローパスフィルタである。また、sはラプラス変換の複素変数、ωはハイパスフィルタのカットオフ周波数、ωはローパスフィルタのカットオフ周波数、ζはローパスフィルタの減衰比、Kは係数である。
そして、ωとωの角周波数を2次モードと3次モードの間の角周波数とすることで、その角周波数より低域側ではハイパスフィルタによる微分特性となる。このため、1次モード(周波数fa)と2次モード(周波数fb)に対して、歪み速度によるダンピングが作用する。一方、高域側ではローパスフィルタの特性となりゲインが低減する。そして、この歪み補償器21を付加した場合のフィードバック補償器16の出力信号17から角度検出信号14までの周波数応答特性は、図7の実線となる。また、破線で示す曲線は図2に示した周波数応答特性曲線である。破線と比較して、実線のように共振のゲインピークが下がる。また、フィードバック補償器16には、1次モードと2次モードを安定化させるためのノッチフィルタ等を用いないので、位相遅れを小さくできる。これにより、サーボ帯域の拡大若しくはサーボ系の安定余裕が増大する。さらに、歪みセンサ10a、10bは、ねじれ振動モードが変動してもねじれ振動を正確に検出するので、これら振動モードの変動に対して頑健な制御系が構成できる。
図8は歪み検出信号20を取り出すための別の例を示す図である。
歪みセンサ10と抵抗R1とを接続点26aで直列に接続する。これを第1の直列接続と呼ぶ。さらに、静電容量が歪みセンサ10の静電容量と同一であるコンデンサC1と抵抗値が抵抗R1と等しい抵抗R2とを接続点26bで直列に接続する。これを第2の直列接続と呼ぶ。そして第1の直列接続と第2の直列接続とを並列に接続して、C−Rブリッジ回路を構成する。そして、接続点26aと接続点26bとの間の電位差を、歪み検出信号20として取り出す。この場合、歪み検出信号20は歪み速度として検出される。このようにすると、上記歪み補償器21のハイパスフィルタがを用いなくても歪み速度のダンピングが作用するので、歪み補償器21の構成は簡便になる。あるいは歪み加速度を負帰還する場合には、式1の伝達関数G(s)に示した1次ハイパスフィルタを付加する。
以上、本発明によれば、歪みセンサ10は圧電素子もしくは抵抗線式歪みゲージ等の物体の変形を計測する小型軽量のセンサであり、センサの付加により可動部質量が大幅に増大することはない。
そして、少数のセンサで複数のねじれ振動モードが検出可能であり、検出した歪み検出信号20をフィードバック信号として利用することで、ガルバノスキャナ装置1のねじれ振動モードにダンピングを付与することが可能となる。この結果、広帯域かつ安定余裕の大きいサーボ制御になるので、ミラー2の高速、高精度位置決め動作が可能となる。
また、歪みセンサ10はガルバノスキャナ装置1のねじれ振動モードが変動してもミラー2の変形を正確に検出できるので、ねじれ振動モードの変動に対して頑健な制御系を構成できる。
本発明のガルバノスキャナ装置1を例えばプリント基板の穴あけ加工を行うレーザ加工装置に適用すれば、穴あけ加工の生産効率の向上と、高品質加工が可能になる。特に、ミラーのねじれ変形振動が抑えられているので、高い真円度の穴を被加工物上の正確な位置に穴あけ加工できる。
なお、本発明に係るガルバノスキャナ装置は、レーザ加工装置に限らず、ガルバノスキャナ装置を利用する他の製品に適用可能であることは言うまでもない。
本発明の実施例に係るガルバノスキャナ装置の制御ブロック図である。 ガルバノスキャナ装置の周波数応答特性の一例を示す図である。 ガルバノスキャナ装置のミラーのねじれ変形振動を模式的に示す図である。 本発明の実施例に係る歪みセンサの配置を示す図である。 本発明の実施例に係る歪みセンサの断面図を示す図である。 本発明の実施例に係る周波数応答特性の一例を示す図である。 本発明の実施例における周波数応答特性の一例を示す図である。 本発明の実施例に係る歪み検出信号を取り出す他の一例を示す図である。
符号の説明
2 ミラー
5 回転軸
7 エンコーダ板
8 センサヘッド
10 歪みセンサ
12b センサフレーム
14 角度検出信号

Claims (6)

  1. 回転軸に支持されたミラーと、前記回転軸の回転角度を検出する角度検出手段と、前記角度検出手段により検出される角度検出値を用いて前記ミラーを角度目標値に追従させるサーボ制御手段と、前記ミラーの変形量を検出する変形量検出手段と、を備え、
    前記サーボ制御手段が、前記角度検出手段により検出される角度検出値と、前記変形量検出手段によって検出された変形量とに基づいて前記ミラーを位置決めするガルバノスキャナ装置において、
    前記変形量検出手段が、前記ミラー上であって、前記ミラーが固定されるミラーマウントの中心から前記ミラーの回転の軸線に対してV字状に対称に配置されていること
    を特徴とするガルバノスキャナ装置。
  2. 回転軸に支持されたミラーと、前記回転軸の回転角度を検出する角度検出手段と、前記角度検出手段により検出される角度検出値を用いて前記ミラーを角度目標値に追従させるサーボ制御手段と、前記ミラーの変形量を検出する変形量検出手段と、を備え、
    前記サーボ制御手段が、前記角度検出手段により検出される角度検出値と、前記変形量検出手段によって検出された変形量とに基づいて前記ミラーを位置決めするガルバノスキャナ装置において、
    前記変形量検出手段からの出力信号が入力されるハイパスフィルタとローパスフィルタとからなるフィルタを備え、
    前記サーボ制御手段は、変形量を示す前記フィルタの出力及び前記角度検出値を示す前記角度検出手段の出力に基づいて前記ミラーを位置決めすること
    を特徴とするガルバノスキャナ装置。
  3. 回転軸に支持されたミラーと、前記回転軸の回転角度を検出する角度検出手段と、前記角度検出手段により検出される角度検出値を用いて前記ミラーを角度目標値に追従させるサーボ制御手段と、前記ミラーの変形量を検出する変形量検出手段と、を備え、
    前記サーボ制御手段が、前記角度検出手段により検出される角度検出値と、前記変形量検出手段によって検出された変形量とに基づいて前記ミラーを位置決めするガルバノスキャナ装置において、
    前記変形量検出手段からの出力信号が入力されるハイパスフィルタとローパスフィルタとからなるフィルタを備え、
    前記変形量検出手段が、前記ミラー上であって、前記ミラーの回転の軸線に対して対称に配置され、
    前記サーボ制御手段は、変形量を示す前記フィルタの出力及び前記角度検出値を示す前記角度検出手段の出力に基づいて前記ミラーを位置決めすること
    を特徴とするガルバノスキャナ装置。
  4. 回転軸に支持されたミラーと、前記回転軸の回転角度を検出する角度検出手段と、前記角度検出手段により検出される角度検出値を用いて前記ミラーを角度目標値に追従させるサーボ制御手段と、前記ミラーの変形量を検出する変形量検出手段と、を備え、
    前記サーボ制御手段が、前記角度検出手段により検出される角度検出値と、前記変形量検出手段によって検出された変形量とに基づいて前記ミラーを位置決めするガルバノスキャナ装置において、
    前記変形量検出手段からの出力信号が入力されるハイパスフィルタとローパスフィルタとからなるフィルタを備え、
    前記変形量検出手段が、前記ミラーの回転軸に固定された側の軸線上の端部と固定されていない自由端側の前記軸線と直角方向の端部とを結ぶ直線上に配置され、
    前記サーボ制御手段は、変形量を示す前記フィルタの出力及び前記角度検出値を示す前記角度検出手段の出力に基づいて前記ミラーを位置決めすること
    を特徴とするガルバノスキャナ装置。
  5. 前記変形量検出手段として圧電素子を用い、
    前記圧電素子と第1の抵抗を第1の接続点で直列に接続した第1の直列接続と、静電容量が前記圧電素子の静電容量と同一であるコンデンサと抵抗値が前記第1の抵抗と等しい第2の抵抗Rを第2の接続点で直列に接続した第2の直列接続とを並列に接続したC−Rブリッジ回路を備え、
    前記サーボ制御手段は、前記第1の接続点及び前記第2の接続点間の電位差を入力とするローパスフィルタの出力信号と、前記角度検出手段の出力信号とに基づいて前記ミラーを位置決めすることを特徴とする請求項1に記載のガルバノスキャナ装置。
  6. ガルバノスキャナ装置を備え、レーザ発振器から出力されるレーザビームを前記ガルバノスキャナ装置により偏向させて被加工物を加工するレーザ加工装置において、
    前記ガルバノスキャナ装置が請求項1ないし請求項5に記載のガルバノスキャナ装置であることを特徴とするレーザ加工装置。
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