JP5716542B2 - ガルバノスキャナ装置 - Google Patents

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Description

この発明は、光ビームの位置決めに用いられるガルバノスキャナ装置に関する。
従来のガルバノスキャナ装置においては、ミラーの回転軸に対する倒れ方向への傾きを干渉計によって検出し、この検出したミラーの傾きと、ミラーの回転角とからミラーの倒れ角(倒れ量)を得て、この倒れ角(倒れ量)を上述のミラーの回転軸に直交する回転軸を持つ第二のミラーの回転角で補償することによって、ミラーの倒れにより生じる光ビームの位置決め精度の低下を抑制するものがある(特許文献1参照)。
特開2009‐282326号公報
ところが、上述のように干渉計を用いてミラーの傾きを検出する場合、干渉計をミラーとは別の固定部材に設置しなければならず、周囲の温度変化があると、固定部材が熱膨張あるいは熱収縮するために、ミラーと干渉計との相対位置が変化して計測誤差が生じてしまい、光ビームの位置決め精度が低下してしまうという問題点があった。
この発明は、上述のような問題を解決するためになされたもので、周囲の温度変化があっても光ビームの位置決めが高精度なガルバノスキャナ装置を得るものである。
本発明に係るガルバノスキャナ装置においては、第一のミラーを回転させる第一のガルバノスキャナと、第一のミラーの回転軸に直交する回転軸を持ち、且つ第二のミラーを回転させる第二のガルバノスキャナと、第一のミラーに設けられ、第一のミラーの回転軸と加速度検出方向が直交し、第一のミラーの面倒れ振動を検出する第一の加速度センサと、この第一の加速度センサの検出値に基づいて第二のミラーの回転角を制御する制御部とを備えたものである。
この発明によれば、第一のミラーに設けられ、第一のミラーの回転軸と加速度検出方向が直交する第一の加速度センサを用いて該第一のミラーの面倒れ振動を検出するようにしたので、周囲の温度変化があっても面倒れ振動の計測誤差が生じることがなく、光ビームの位置決めが高精度なガルバノスキャナ装置を得ることができる。
この発明の実施の形態1に係るガルバノスキャナ装置を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係るガルバノスキャナ装置におけるガルバノスキャナを示す図である。 この発明の実施の形態1に係る加速度センサを示す図である。 この発明の実施の形態1に係るガルバノスキャナ装置の面倒れ振動を模式的に示す図である。 この発明の実施の形態2に係るガルバノスキャナ装置におけるガルバノスキャナを示す図である。 この発明の実施の形態3に係るガルバノスキャナ装置におけるガルバノスキャナを示す図である。 この発明の実施の形態4に係るガルバノスキャナ装置におけるガルバノスキャナを示す図である。 この発明の実施の形態5に係るガルバノスキャナ装置を示すブロック図である。 この発明の実施の形態5に係るガルバノスキャナ装置におけるガルバノスキャナを示す図である。 この発明の実施の形態5に係るガルバノスキャナ装置におけるガルバノスキャナの加速度信号の大きさを示す図である。 この発明の実施の形態6に係るガルバノスキャナ装置を示すブロック図である。 この発明の実施の形態6に係るガルバノスキャナ装置におけるガルバノスキャナを示す図である。 この発明の実施の形態6に係るガルバノスキャナ装置におけるガルバノスキャナの加速度信号の大きさを示す図である。 この発明の実施の形態6に係るガルバノスキャナ装置における回転角制御部の1構成例を示すブロック図である。 この発明の実施の形態6に係るガルバノスキャナ装置における回転角制御部の回転加速度制御部の1構成例を示すブロック図である。 この発明の実施の形態6に係るガルバノスキャナ装置における回転角制御部の1構成例を示すブロック図である。 この発明の実施の形態7に係るガルバノスキャナ装置を示すブロック図である。
実施の形態1.
図1ないし4は、この発明を実施するための実施の形態1に係るガルバノスキャナ装置を示すものであって、図1はそのブロック図、図2は該装置におけるガルバノスキャナの正面図、側面図および上面図を示す図、図3は加速度センサを示す図、図4はガルバノスキャナの面倒れ振動を模式的に示す図である。
図1において、ガルバノスキャナ装置1は、X軸ガルバノスキャナ3aと、該スキャナ3aの回転軸17aに直交する回転軸17bを有するY軸ガルバノスキャナ3bと、該スキャナ3a、3bを制御する制御部2と、該スキャナ3a、3bが有するミラー4a、4bの面倒れ振動をそれぞれ検出する加速度センサ16a、16bを備えている。ここではこのガルバノスキャナ装置1が組み込まれたレーザ加工機を例示しており、図示しないレーザ発振器から出射されるレーザ光15は、X軸ガルバノスキャナ3aおよびY軸ガルバノスキャナ3bによって、図示しない加工対象物体のX軸方向およびY軸方向にそれぞれ走査される。
ガルバノスキャナ3aは、図1および図2に示すように、ミラー4aと、このミラー4aがミラーマウント5aを介して固定されているシャフト6aと、これを回転させるモータ部7aと、シャフト6aの回転角を計測する回転エンコーダ部8aとを備えている。モータ部7aは、シャフト6aを支持するミラー側ベアリング34aと、エンコーダ側ベアリング36aと、ロータ35aとを有する。ミラー4aの裏面13aには、加速度センサ16aが該ミラー4aの回転軸17aの近傍に位置するように設けられている。そしてこの加速度センサ16aは、ミラーの先端に位置するほど面倒れ振動の振幅が大きく高感度な計測が可能となるので、ミラー先端部に設置されている。この加速度センサ16aは、図3(a)に示すように円柱状をなした一次元加速度センサであって、加速度検出方向33とミラー4aの回転軸17aとが直交するように設置されている。このため、ミラー4aが面倒れ方向に振動した時にのみ加速度が検出され、ミラー4aが回転軸17aを中心に回転しても加速度は計測されない。なお、加速度センサとしては、図3(b)に示すような3つの加速度検出方向40、41、42を有する立方体をなした3次元加速度センサ19aを用いてもよい。
また、Y軸ガルバノスキャナ3bは、図1に示すように、ミラー4bと、このミラー4bがミラーマウント5bを介して固定されているシャフト6bと、これを回転させるモータ部7bと、シャフト6bの回転角を計測する回転エンコーダ部8bとを備えている。ミラー4bの裏面には、加速度センサ16bがミラー4bの回転軸17bの近傍に位置するように設けられている。その他の構成はX軸ガルバノスキャナ3aおよび加速度センサ16aと同様であるので、その説明を省略する。
次に、制御部2について説明する。
XY角度指令出力部20は、図1に示すように、X軸ガルバノスキャナ3aおよびY軸ガルバノスキャナ3bの目標回転角度指令をX軸回転角指令生成部21およびY軸回転角指令生成部26にそれぞれ出力する。X軸回転指令生成部21は、該出力部20からの出力を受けてX軸回転角指令を加算器24に出力する。Y軸面倒れ補正量計算部23は、加速度センサ16bの検出値を用いてミラー4bの面倒れ角を計算し、ミラー4bの面倒れ振動を補償するために必要なミラー4aの回転角指令を加算器24に出力する。加算器24は、X軸回転指令生成部21の出力とY軸面倒れ補正量計算部23の出力とを加算し、これをX軸回転角制御部25に出力する。X軸回転角制御部25は、加算器24およびエンコーダ部8aからの出力を受けてX軸ガルバノスキャナ3aを制御するように電流を出力する。また、Y軸回転指令生成部28は、XY角度指令出力部20からの信号を受けてY軸回転角指令を加算器29に出力する。X軸面倒れ補正量計算部28は、加速度センサ16aの検出値を用いてミラー4aの面倒れ角を計算し、ミラー4aの面倒れ角を補償するために必要なミラー4bの回転角指令を加算器29に出力する。加算器29は、Y軸回転指令生成部26の出力とX軸面倒れ補正量計算部28の出力とを加算し、これをY軸回転角制御部30に出力する。Y軸回転角制御部30は、加算器29およびエンコーダ部8bからの出力を受けてY軸ガルバノスキャナ3bを制御するように電流を出力する。
次に、動作を説明する。
まず、XY指令出力部20は、レーザ光15の目標照射位置情報に基づいてX軸ガルバノスキャナ3aの目標回転角度指令をX軸回転指令生成部21に、Y軸ガルバノスキャナ3bの目標回転角度指令をY軸回転角指令生成部26にそれぞれ出力する。X軸回転指令生成部21は、該出力部20からの出力を受けてX軸ガルバノスキャナ3aの回転角を目標の回転角まで到達させるX軸回転角指令を加算器24に出力する。
また、図4に示すように、ミラー側ベアリング34bを支点として振動する面倒れ振動が加速度センサ16bによって検出されており、該検出値がY軸面倒れ補正量計算部23に出力される。このY軸面倒れ補正量計算部23は、加速度センサ16bの検出値に基づいて振動の面倒れ角θfを次式により計算し、面倒れ振動の面倒れ角θfを補償するために必要なミラー4aの回転角指令を加算機24に出力する。
Figure 0005716542
ここで、Rfはミラー側ベアリング34bから加速度センサ16bまでの距離、tは時間、a(t)は加速度センサ16bの検出値、K1は加速度センサの出力値を補正する比例係数である。
加算器24は、X軸回転指令生成部21から出力されたX軸回転角指令とミラー4bの面倒れ角を補償するために必要なミラー4aの回転角指令とを加算した回転角指令を、X軸回転角制御部25に出力する。該制御部25には、加算器24から出力された回転角指令とX軸ガルバノスキャナ3aのエンコーダ部8aから出力されるミラー4aの回転角とが入力される。そして、該制御部25は、回転角指令とミラー4aの回転角とが一致するように制御演算を行って電流を出力する。X軸ガルバノスキャナ3aは、この電流に従って回転動作を行い、ミラー4aの回転角が制御される。この結果、Y軸ガルバノスキャナ3bのミラー4bの面倒れ振動は、X軸ガルバノスキャナ3aのミラー4aの回転角で補償される。
一方、XY指令出力部20からの出力を受けたY軸回転指令生成部26は、ガルバノスキャナ3bの回転角を目標の回転角まで到達させるY軸回転角指令を加算器29に出力する。
また、ミラー4aの面倒れ振動が加速度センサ16aによって検出されており、この検出値がX軸面倒れ補正量計算部28に出力される。X軸面倒れ振動補正量計算部28は、加速度センサ16aの検出値に基づいて上記式により振動の面倒れ角θfを計算し、この面倒れ振動の面倒れ角θfを補償するために必要なミラー4bの回転角指令を加算器29に出力する。
加算器29は、Y軸回転指令生成部26から出力されたY軸回転角指令とミラー4aの面倒れ角を補償するために必要なミラー4bの回転角指令とを加算した回転角指令を、Y軸回転角制御部30に出力する。該制御部30には、加算器29から出力された回転角指令とY軸ガルバノスキャナ3bのエンコーダ部8bから出力されるミラー4bの回転角とが入力される。そして、該制御部30は、回転角指令とミラー4bの回転角とが一致するように制御演算を行って電流を出力する。Y軸ガルバノスキャナ3bは、この電流に従って回転動作を行い、ミラー4bの回転角が制御される。この結果、X軸ガルバノスキャナ3aのミラー4aの面倒れ角は、Y軸ガルバノスキャナ3bのミラー4bの回転角で補償される。
このようにして、ミラー4aの面倒れ振動はミラー4bの回転角により補償され、ミラー4bの面倒れ振動はミラー4aの回転角により補償される。
本実施の形態によれば、ミラー4a、4bにそれぞれ設けられた加速度センサ16a、16bによって面倒れ振動を検出しているので、温度変化があっても面倒れ振動の計測誤差が生じることがなく、光ビームの位置決めが高精度なガルバノスキャナ装置を得ることができる。
なお、本実施の形態では、ミラー4aに加速度センサ16aを設け、ミラー4bに加速度センサ16bを設ける構成を示したが、いずれか一方のミラーのみに加速度センサを設ける構成にしてもよい。この場合は、加速度センサを設けたミラーの面倒れ振動を他方のミラーの回転角で補償することができる。
実施の形態2.
図5は、この発明を実施するための実施の形態2に係るガルバノスキャナ装置におけるガルバノスキャナの正面図、側面図、上面図を示す図である。実施の形態1では、加速度センサ16aをミラー4aの裏面において回転軸17a近傍に位置するように設置する構成を示したが、図5に示すように、加速度センサ16aをミラー4aの外周面14aにおいて回転軸17a上に位置するように設置する構成にしてもよい。なお、ここではX軸ガルバノスキャナ3aについて例示したが、Y軸ガルバノスキャナ3bについても同様である。また、その他の構成は実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
本実施の形態によれば、加速度センサ16aは、ミラー4aの外周面14aにおいて回転軸17a上に位置するように設けられているので、実施の形態1に述べた効果に加え、加速度センサ16aの重量によってミラーバランスが悪化して面倒れ振動が増大してしまうことを防止することができる。
なお、加速度センサ16aをミラー4aの外周面14aにおいて回転軸17aの近傍に位置するように設けても上記と同様の効果を得ることができる。
実施の形態3.
図6は、この発明を実施するための実施の形態3に係るガルバノスキャナ装置におけるガルバノスキャナの正面図、側面図、上面図を示す図である。実施の形態2では、加速度センサ16aをミラー4aの外周面14aにおいて回転軸17a上に位置するように設置する構成を示したが、図6に示すように、加速度センサ16aをミラー4aの裏面13aに形成した穴部37aに設け回転軸17a上に位置するようにする構成にしてもよい。なお、ここではX軸ガルバノスキャナ3aについて例示したが、Y軸ガルバノスキャナ3bについても同様である。また、その他の構成は実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
本実施の形態によれば、加速度センサ16aは、ミラー4aの裏面13aに形成した穴部37aに設けられ回転軸17a上に位置するようにされているので、実施の形態2に述べた効果に加え、加速度センサ16aがレーザ光15の漏れ光により損傷してしまうことを防止することができる。
なお、加速度センサ16aをミラー4aの裏面13aに形成した穴部37aに設け回転軸17aの近傍に位置するようにした場合でも、上記と同様の効果を得ることができる。
実施の形態4.
図7は、この発明を実施するための実施の形態3に係るガルバノスキャナ装置におけるガルバノスキャナの正面図、側面図、上面図を示す図である。実施の形態3では、加速度センサ16aをミラー4aの裏面13aに形成した穴部37aに設け回転軸17a上に位置するようにする構成を示したが、図7に示すように、速度センサ16aをミラー4aの外周面14aに形成した穴部38aに設け回転軸17a上に位置するようにする構成にしてもよい。なお、ここではX軸ガルバノスキャナ3aについて例示したが、Y軸ガルバノスキャナ3bについても同様である。また、その他の構成は実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
このような構成にすることで、実施の形態3と同様の効果を得ることができる。なお、加速度センサ16aをミラー4aの外周面14aに形成した穴部38aに設け回転軸17aの近傍に位置するようにしても、上記と同様の効果を得ることができる。
実施の形態5.
実施の形態1におけるガルバノスキャナ3aの加速度センサ16aは、ミラー4aの裏面13aに固定されているので、回転中心である回転軸17aと加速度センサ16aとは、回転軸17aから裏面13aまでの距離だけ離れた場所に位置していることになる。このため、ガルバノスキャナ3aの回転により加速度センサ4aには遠心力が加わり、回転角速度が高くなると遠心力の影響が無視できなくなる。これによって、加速度センサ16aの出力には、ミラー4aの面倒れ振動に比例した信号以外に、ミラー4aの回転角速度に比例した信号が加算される。
また、ミラー4aの回転軸17aは、通常、正確な位置がわからないため、加速度センサ16aが回転軸17aに対して正確に左右対称に固定されていない場合、加速度センサ16aの出力に、ガルバノスキャナ3aの回転角速度、回転角加速度に比例した信号が加算される。したがって、加速度センサ16aの出力から正確に面倒れ振動を求めるには、前記回転角速度や回転角加速度に比例した信号成分を除去する必要がある。
図8ないし10は、この発明を実施するための実施の形態5に係るガルバノスキャナ装置を示すものであって、図8はそのブロック図、図9は該装置におけるガルバノスキャナの正面図、側面図および上面図を示す図、図10(a)はガルバノスキャナの面倒れ振動による加速度信号の大きさを示す模式図、図10(b)はガルバノスキャナの回転による加速度信号の大きさを示す模式図である。なお、図8ないし10において、図1および図2と同一の符号をつけたものは、同一または対応する構成を示しており、その説明を省略する。
まず、図8および図9を用いて構成を説明する。
図8において、ガルバノスキャナ装置1bは、X軸ガルバノスキャナ3aと、該スキャナ3aの回転軸17aに直交する回転軸17bを有するY軸ガルバノスキャナ3bと、該スキャナ3a、3bを制御する制御部2と、該スキャナ3a、3bが有するミラー4a、4bの面倒れ振動をそれぞれ検出する加速度センサ16a、40a、16b、40bとを備えている。なお、ここではこのガルバノスキャナ装置1bが組み込まれたレーザ加工機を例示しており、図示しないレーザ発振器から出射されるレーザ光15は、X軸ガルバノスキャナ3aおよびY軸ガルバノスキャナ3bによって、図示しない加工対象物体のX軸方向およびY軸方向にそれぞれ走査される。
図9において、加速度センサ40aは、加速度センサ16aと同様に回転軸17aの近傍に位置するようにミラー4aの裏面13a(レーザ光15の反射面の裏側)に固定され、面倒れ方向の加速度を計測する。加速度センサ40aの固定位置は、加速度センサ16aがミラー4aの先端側に固定されているのに対して、ミラー4aのベアリング34a側である。
また、加速度センサ40bは、加速度センサ16bと同様に回転軸17bの近傍に位置するようにミラー4bの裏面13b(レーザ光15の反射面の裏側)に固定され、面倒れ方向の加速度を計測する。加速度センサ40bの固定位置は、加速度センサ16bがミラー4bの先端側に固定されているのに対して、ミラー4bのベアリング34b側である。
なお、例えば、ミラー4a、4bが図9(a)において紙面左から右に加速した時に、加速度センサ16a、16b、40a、40bの出力の符号が正の値を出力するように、加速度センサのセンシングの向きを合わせる。また、加速度センサ16a、16b、40a、40bは、通常、同等の応答特性(信号の振幅、周波数応答特性など)を持つものを使用する。この場合、後述するX軸センサ出力補正部42およびY軸センサ出力補正部46での処理はゲインを乗じるのみで、計算処理の簡略化できる。
以下、本実施の形態では、加速度センサ16a、16b、40a、40bの特性は、ほぼ同等ものを使用した場合について説明する。
次に、ミラー4a、4bの面倒れ振動および回転により検出される加速度を、図10を用いて説明する。
図10(a)はガルバノスキャナ3a、3bのミラー4a、4bが、面倒れ方向49a、49bのように紙面左から右に振動した場合の、加速度センサ16a、16b、40a、40bの面倒れ振動による加速度信号の大きさ50a、50b、51a、51bを示した図である。面倒れ方向49a、49bに面倒れ振動が起るとベアリング34a、34bを支点にミラー4a、4bが紙面左右に振動する。このときの加速度センサ16a、16b、40a、40bに加わる加速度は、加速度センサ16a、16b、40a、40bが固定されている位置からベアリング34a、34bまでの距離にほぼ比例する。このため、ミラーの先端付近に装着されている加速度センサ16a、16bで検出される加速度信号の大きさ50a、50bよりも、ベアリング34a、34bに近い位置に固定されている加速度センサ40a、40bの加速度信号の大きさ51a、51bは小さくなる。ただし、加速度センサ16a、16bおよび加速度センサ40a、40bで検出される信号の符号や位相は同等ものが出力される。
一方、図10(b)はガルバノスキャナ3a、3bが回転方向52a、52bのように回転した場合の、加速度センサ16a、16b、40a、40bに加わる遠心力による加速度信号の大きさ53a、53b、54a、54bを示した図である。遠心力は回転角速度に比例して増加するが、加速度センサ16aおよび加速度センサ40aは回転軸17aに対してほぼ同じ位置に固定されているので、加速度センサ16aに加わる遠心力による加速度信号の大きさ53aと、加速度センサ40aに加わる遠心力による加速度信号の大きさ54aはほぼ同等になる。
同様に、加速度センサ16bおよび加速度センサ40bは回転軸17bに対してほぼ同じ位置に設置されているので、加速度センサ16bに加わる遠心力による加速度信号の大きさ53bと、加速度センサ40bに加わる遠心力による加速度信号の大きさ54bはほぼ同等となる。したがって、加速度センサ16aと加速度センサ40a、あるいは加速度センサ16bと加速度センサ40bの出力は、符号は同じで、ほぼ同じ振幅、位相の信号が出力される。
なお、加速度センサ16a、40a、あるいは加速度センサ16b、40bが、回転軸17a、17bに対して非対称に固定されている場合、ガルバノスキャナ3a、3bの回転角加速度による加速度の信号成分が出てくるが、遠心力の影響と同様、符号は同じで、ほぼ同じ振幅、位相の信号が出力される。
上述したようにガルバノスキャナ3a、3bの回転による回転角速度、回転角加速度に関連した加速度センサの出力は面倒れ振動とは無関係なので除外する必要があるが、回転による加速度センサの出力は、加速度センサ16aと加速度センサ40a、あるいは加速度センサ16bと加速度センサ40bとで同程度になるので、加速度センサ16aの出力と加速度センサ40aの出力との差、あるいは加速度センサ16bの出力と加速度センサ40bの出力との差を計算することで、回転方向の信号成分を除去することが可能となる。
一方、面倒れ振動による加速度センサ16aと加速度センサ40a、あるいは加速度センサ16bと加速度センサ40bの出力の大きさは異なるので、加速度センサ16aの出力と加速度センサ40aの出力との差、あるいは加速度センサ16bの出力と加速度センサ40bの出力との差を計算しても、面倒れ振動による信号成分はキャンセルされない。
このように、各ミラーに2つの加速度センサを設け、各加速度センサの出力の差を用いることで面倒れ振動成分だけの信号を取り出すことが可能となる。
次に、制御部2について説明する。なお、ここでは、実施の形態1と同様の部分については説明を省略する。また、以下では後述のX軸面倒れ加速度計算部45を第一の計算部、Y軸面倒れ加速度計算部41を第二の計算部として説明するが、X軸面倒れ加速度計算部45を第二の計算部、Y軸面倒れ加速度計算部41を第一の計算部としても同様である。
制御部2は、実施の形態1に述べた構成に加えて、加速度センサ16b、40bの検出値からミラー4bの回転により生じる加速度を除去して面倒れにより生じる加速度を計算し、Y軸面倒れ補正量計算部23に出力するY軸面倒れ加速度計算部41(第二の計算部)と、加速度センサ16a、40aの検出値からミラー4aの回転により生じる加速度を除去して面倒れにより生じる加速度を計算し、X軸面倒れ補正量計算部28に出力するX軸面倒れ加速度計算部45(第一の計算部)とを備えている。なお、実施の形態1では、加速度センサ16bの加速度信号はY軸面倒れ補正量計算部23に、加速度センサ16aの加速度信号はX軸面倒れ補正量計算部29にそれぞれ入力されるようにしていたが、本実施の形態ではこれらの信号経路は設けていない。
Y軸面倒れ加速度計算部41は、加速度センサ40bの加速度信号の出力を補正するY軸センサ出力補正部42と、加速度センサ16bの出力とY軸センサ出力補正部42の出力とを減算してミラー4bの面倒れにより生じる加速度を出力する減算器43と、減算器43の出力を補正するY軸面倒れ加速度出力補正部44とを備えている。
また、X軸面倒れ加速度計算部45は、加速度センサ40aの加速度信号の出力を補正するX軸センサ出力補正部46と、加速度センサ16aの出力とX軸センサ出力補正部46の出力とを減算してミラー4aの面倒れにより生じる加速度を出力する減算器47と、減算器47の出力を補正するX軸面倒れ加速度出力補正部48とを備えている。
Y軸面倒れ加速度計算部41およびX軸面倒れ加速度計算部45の出力は、Y軸面倒れ補正量計算部23およびX軸面倒れ補正量計算部28にそれぞれ入力され、実施の形態1と同様に、ミラー4bおよびミラー4aに面倒れ振動が起ってもこれを打ち消すようにガルバノスキャナ3a、3bの回転角を制御する。
次に、ガルバノスキャナ装置1bの動作を説明する。なお、実施の形態1と相違する部分について説明し、同一または対応する部分についての説明は省略する。
XY角度指令出力部20の指令に応じてガルバノスキャナ3b、3aが回転すると、加速度センサ16b、40b、16a、40aから加速度信号が出力される。そして、加速度センサ16b、40bの加速度信号は、Y軸面倒れ加速度計算部41に入力され、加速度センサ16a、40aの加速度信号は、X軸面倒れ加速度計算部45に入力される。
Y軸センサ出力補正部42は、加速度センサ16bおよび加速度センサ40bの加速度信号に含まれている、ガルバノスキャナ3bの回転によって加えられた遠心力による加速度成分の大きさを一致させるように、加速度センサ40bの出力に補正ゲインKy1を乗じて減算器43へ出力する。なお、この補正ゲインKy1は加速度センサの固体差等や取り付け位置のずれによる出力のばらつきを補正するためのものである。
そして、減算器43は、加速度センサ16bの出力と、Y軸センサ出力補正部42の出力との差を算出する。上記で説明したように、加速度センサ16bに加わる遠心力による加速度信号の大きさと、加速度センサ40bに加わる遠心力による加速度信号の大きさは同じであるので、これらの差を算出することにより面倒れ振動による加速度成分のみが出力される。そして、Y軸面倒れ加速度出力補正部44は、減算器43の出力に補正ゲインKy2を乗じて、面倒れ振動の加速度成分の信号の大きさを補正する。この補正量は、例えば、加速度センサ16bで計測したと想定される信号の振幅になるように補正ゲインKy2を乗じる。
一方、X軸センサ出力補正部46は、加速度センサ16aと加速度センサ40aの加速度信号に含まれている、ガルバノスキャナ3aの回転によって加えられた遠心力による加速度成分の大きさを一致させるように、加速度センサ40aの出力に補正ゲインKx1を乗じて減算器47へ出力する。なお、この補正ゲインKx1は加速度センサの固体差等や取り付け位置のずれによる出力のばらつきを補正するためのものである。
そして、減算器47は、加速度センサ16aの出力と、X軸センサ出力補正部46の出力との差を算出する。上記で説明したように、加速度センサ16bに加わる遠心力による加速度信号の大きさと、加速度センサ40bに加わる遠心力による加速度信号の大きさは同じであるので、これらの差を算出することにより面倒れ振動による加速度成分のみが出力される。そして、X軸面倒れ加速度出力補正部48は、減算器47の出力に補正ゲインKx2を乗じて、面倒れ振動の加速度成分の信号の大きさを補正する。この補正量は、例えば、加速度センサ16aで計測したと想定される信号の振幅になるように補正ゲインKx2を乗じる。
次に、Y軸面倒れ加速度出力補正部44およびX軸面倒れ加速度出力補正部48の出力は、Y軸面倒れ補正量計算部23およびX軸面倒れ補正量計算部28にそれぞれ出力され、実施の形態1と同様に、ミラー4aの面倒れ振動はミラー4bの回転角により補償され、ミラー4bの面倒れ振動はミラー4aの回転角により補償される。
なお、上記補正ゲインKx1、Kx2、Ky1、Ky2としては、例えば、(2)、(3)(4)(5)式の近傍値を設定する。
Kx1=1.0 (2)
Kx2=(Lx1)/(Lx1−Lx2) (3)
Ky1=1.0 (4)
Ky2=(Ly1)/(Ly1−Ly2) (5)
ここで、Lx1は加速度センサ16aからベアリング34aまでの距離、Lx2は加速度センサ40aからベアリング34aまでの距離、Ly1は加速度センサ16bからベアリング34bまでの距離、Ly2は加速度センサ40aからベアリング34bまでの距離である。
本実施の形態によれば、加速度センサ16a、40aのミラー4aの回転により生じる加速度成分を除去して面倒れにより生じる加速度を計算し、この計算結果に基づいてミラー4bの回転角を制御するとともに、加速度センサ16b、40bのミラー4bの回転により生じる加速度成分を除去して面倒れにより生じる加速度を計算し、この計算結果に基づいてミラー4aの回転角を制御するようにしているので、実施の形態1の効果に加えて、ミラー4a、4bが高速に回転している場合でもレーザ光の高精度な位置決めができる。
なお、本実施の形態においては、Y軸センサ出力補正部42およびX軸センサ出力補正部46はゲインを補正する場合について説明したが、加速度センサ16aと加速度センサ40a、あるいは加速度センサ16bと加速度センサ40bで特性が異なったものを使用した場合、Y軸センサ出力補正部42およびX軸センサ出力補正部46は、フィルタ特性や無駄時間特性を持たせて加速度信号の応答特性を合わせるようにしてもよい。
また、Y軸センサ出力補正部42およびX軸センサ出力補正部46は、加速度センサ40aおよび40bの出力をそれぞれ補正するように構成したが、加速度センサ16a、16bの出力を補正する、センサ出力補正部42、46と同様のセンサ出力補正部を設け、加速度センサ16a、40aあるいは加速度センサ16b、40bの信号の特性を合わせるようにしてもよい。
さらには、加速度センサ16a、40a、16b、40bのセンサ出力の全てにセンサ出力補正部を設けて、加速度センサの応答特性を合わせるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、ミラー4a、4bの両方に、それぞれ2つの加速度センサを設けるものを示したが、いずれか一方のミラーに2つの加速度センサを設け、他方のミラーには1つの加速度センサを設けるようにしてもよい。また、いずれか一方のミラーに2つの加速度センサを設け、他方のミラーには加速度センサを設けない構成にしてもよい。これらの場合は、2つの加速度センサを設けたミラーについて高精度な位置決めが可能となる。
また、加速度センサ16aおよび加速度センサ40aは、ともにミラー4aの裏面13aの回転軸17a上に位置するようにしたが、加速度センサの位置はこれに限るものではない。加速度センサ16aおよび加速度センサ40aの出力を補正することで、回転軸17a上に位置しない場合でも上記と同様の効果を得ることができる。なお、上記は加速度センサ16bおよび加速度センサ40bについても同様である。
実施の形態6.
図11ないし14は、実施の形態6に係るガルバノスキャナ装置を示すものであり、図11はそのブロック図、図12は該装置におけるガルバノスキャナの正面図、側面図および上面図を示す図、図13(a)(b)はガルバノスキャナの上面図であり、図13(a)はガルバノスキャナの面倒れ振動による加速度信号の大きさを示す模式図、図13(b)はガルバノスキャナの回転による加速度信号の大きさを示す模式図、図14はガルバノスキャナ装置のX軸回転角制御部およびY軸回転角制御部の1構成例のブロック図、図15は回転角制御部の回転加速度制御部の1構成例を示すブロック図、図16は、ガルバノスキャナ装置における回転角制御部の1構成例を示すブロック図である。なお、図11ないし図16において、図1および図2と同一の符号をつけたものは、同一または対応する構成を示しており、その説明を省略する。
まず、図11および12を用いて構成を説明する。
図11において、ガルバノスキャナ装置1cは、X軸ガルバノスキャナ3aと、該スキャナ3aの回転軸17aに直交する回転軸17bを有するY軸ガルバノスキャナ3bと、該スキャナ3a、3bを制御する制御部2と、該スキャナ3a、3bが有するミラー4a、4bの面倒れ振動を検出する加速度センサ55a、56a、55b、56bとを備えている。なお、ここではこのガルバノスキャナ装置1cが組み込まれたレーザ加工機を例示しており、図示しないレーザ発振器から出射されるレーザ光15は、X軸ガルバノスキャナ3aおよびY軸ガルバノスキャナ3bによって、図示しない加工対象物体のX軸方向およびY軸方向にそれぞれ走査される。
加速度センサ55aおよび加速度センサ56aは、図12に示すように、ミラー4aの裏面13aに回転軸17aを隔てて等間隔の距離に固定されており、ミラー4aの面倒れ振動による加速度とガルバノスキャナ3aの回転により生じる加速度とを計測する。加速度センサ55aは裏面13aの左端に、加速度センサ56aは裏面13aの右端にそれぞれ位置しており、ベアリング34aから加速度センサ55aまでの距離と、ベアリング34aから加速度センサ56aまでの距離とは等しい。
また、加速度センサ55bおよび加速度センサ56bは、図12に示すように、ミラー4bの裏面13bに回転軸17bを隔てて等間隔の距離に固定されており、ミラー4bの面倒れ振動による加速度とガルバノスキャナ3bの回転により生じる加速度とを計測する。加速度センサ55bは裏面13bの左端に、加速度センサ56bは裏面13bの右端にそれぞれ位置しており、ベアリング34bから加速度センサ55bまでの距離と、ベアリング34bから加速度センサ56bまでの距離とは等しい。
次に、ミラー4a、4bの面倒れ振動および回転により検出される加速度を、図13を用いて説明する。
図13(a)はガルバノスキャナ3a、3bのミラー4a、4bが、面倒れ方向75a、75bのように紙面左から右に振動した場合の、加速度センサ加速度センサ55a、56a、55b、56bの面倒れ振動による加速度信号の大きさ76a、77a、76b、77bを示した図である。面倒れ方向75a、75bに面倒れ振動が起きると、ベアリング34a、34b(ここでは図示せず)を支点にミラー4a、4bが紙面左右に振動する。このときの加速度センサ55a、56a、55b、56bに加わる加速度は、加速度センサ55a、56a、55b、56bが固定されている位置からベアリング34a、34bまでの距離にほぼ比例する。ベアリング34aから加速度センサ55aまでの距離と、ベアリング34aから加速度センサ56aまでの距離はほぼ等しいので、加速度センサ55aおよび加速度センサ56aに加わる面倒れ振動による加速度はほぼ等しい。同様に、加速度センサ55bおよび加速度センサ56bに加わる面倒れ振動による加速度もほぼ等しい。
一方、図13(b)はガルバノスキャナ3a、3bが回転方向78a、78bの方向に加速しながら回転した場合の、回転角加速度によって加速度センサ55a、56a、55b、56bに加わる加速度信号の大きさ79a、80a、79b、80bを示した図である。加速度センサ55aはミラー4aの裏面13aの左端に、加速度センサ56aはミラー4aの裏面13aの右端にそれぞれ固定されているので、回転方向78aの方向の回転角加速度が生じると、回転によって加わる加速度は、加速度センサ55aと、加速度センサ56aとでは、大きさがほぼ同じで向きが反対になる。したがって、加速度センサ55aと加速度センサ56aとでは、ほぼ同じ振幅、位相で符号が異なる信号が出力される。
同様に、加速度センサ55bはミラー4bの裏面13bの左端に、加速度センサ56bはミラー4bの裏面13bの右端にそれぞれ固定されているので、回転によって加わる加速度は、加速度センサ55bと加速度センサ56bとでは、ほぼ同じ振幅、位相で、符号が異なる信号が出力される。
上述のようにガルバノスキャナ3a、3bの回転による回転角加速度に関連した加速度センサの出力は、面倒れ振動とは無関係なので除去する必要がある。加速度センサ55aと加速度センサ56a、あるいは加速度センサ55bと加速度センサ56bとでは、回転により生じた加速度センサの出力は符号が逆で大きさが同じものになるので、加速度センサ55aの出力と加速度センサ56aの出力との和、あるいは加速度センサ55bの出力と加速度センサ56bの出力との和を計算することで、加速度センサの回転による信号成分を除去することができる。
一方、面倒れ振動による加速度センサ55aと加速度センサ56a、あるいは加速度センサ55bと加速度センサ56bの出力は、符号が同じで大きさが同じであるので、加速度センサ55aの出力と加速度センサ56aの出力との和、あるいは加速度センサ55bの出力と加速度センサ56bの出力との和を計算しても面倒れ振動による信号成分はキャンセルされない。
また、加速度センサ55aの出力と加速度センサ56aの出力との差、あるいは加速度センサ55bの出力と加速度センサ56bの出力との差を計算すると、面倒れ振動による信号成分は除去され、加速度センサの回転による信号成分のみを取り出すことができる。
なお、上述の回転により生じた加速度成分には、Y軸回転指令生成部26とX軸回転指令生成部21から指令されるガルバノスキャナ3b、3aの回転角加速度に加えて、ミラー4b、4aの慣性とモータ部7b、7aの慣性と、シャフト6b、6aの弾性変形によるねじれ振動が起こる場合には、前記振動による回転方向の角加速度信号が加えられた信号となる。本実施の形態では、後述するY軸回転角制御部65およびX軸回転角制御部74は、加算器29、24およびエンコーダ部8b、8aからの出力を受けてガルバノスキャナ3b、3aの回転角を制御するように電流を出力するのに加えて、後述する回転加速度計算部61、70の計算結果に基づいて、上記のねじれ振動を抑制する電流を出力する。
次に、制御部2について説明する。なお、ここでは、実施の形態1と同様の部分については説明を省略する。なお、以下では後述のX軸面倒れ加速度計算部66を第一の計算部、Y軸面倒れ加速度計算部57を第二の計算部、X軸回転加速度計算部70を第三の計算部、Y軸回転加速度計算部61を第四の計算部として説明するが、X軸面倒れ加速度計算部66を第二の計算部、X軸回転加速度計算部70を第四の計算部、Y軸面倒れ加速度計算部57を第一の計算部、Y軸回転加速度計算部61を第三の計算部としても同様である。
制御部2は、実施の形態1に述べた構成に加えて、加速度センサ55b、56bの加速度信号に基づいてミラー4bの面倒れ加速度を計算し、Y軸面倒れ補正量計算部23に出力するY軸面倒れ加速度計算部57と、加速度センサ55a、56aの加速度信号に基づいてミラー4aの面倒れ加速度を計算し、X軸面倒れ補正量計算部28に出力するX軸面倒れ加速度計算部66とを備えている。さらに、加速度センサ55b、56bの検出値からミラー4bの回転により生じる加速度を計算し、Y軸回転角制御部65に出力するY軸回転加速度計算部61と、加速度センサ55a、56aの検出値からミラー4aの回転により生じる加速度を計算し、X軸回転角制御部74に出力するX軸回転加速度計算部70とを備えている。
なお、実施の形態1では、加速度センサ16bの加速度信号はY軸面倒れ補正量計算部23に、加速度センサ16aの加速度信号はX軸面倒れ補正量計算部29にそれぞれ入力されるようにしていたが、本実施の形態ではこれらの信号経路は設けていない。また、X軸回転角制御部25に代えてX軸回転角制御部74を、Y軸回転角制御部30に代えてY軸回転角制御部65をそれぞれ設け、X軸回転角制御部74に加算器24およびエンコーダ部8aからの出力を、Y軸回転角制御部65に加算器29およびエンコーダ部8bからの出力をそれぞれ入力するようにしている。X軸回転角制御部74にはX軸回転加速度計算部70の信号が、Y軸回転角制御部65にはY軸回転加速度計算部61の信号がそれぞれ入力される。そして、X軸回転角制御部74はX軸ガルバノスキャナ3aの回転角を制御するように電流を出力し、Y軸回転角制御部65はY軸ガルバノスキャナ3bの回転角を制御するように電流を出力する。
Y軸面倒れ加速度計算部57は、加速度センサ56bの加速度信号の出力を補正するY軸センサ出力補正部58と、加速度センサ55bの出力とY軸センサ出力補正部58の出力とを加算してミラー4bの面倒れにより生じる加速度を出力する加算器59と、加算器59の出力を補正するY軸面倒れ加速度出力補正部60とを備えている。
また、X軸面倒れ加速度計算部66は、加速度センサ56aの加速度信号の出力を補正するX軸センサ出力補正部67と、加速度センサ55aの出力とX軸センサ出力補正部67の出力とを加算してミラー4aの面倒れにより生じる加速度を出力する加算器68と、加算器68の出力を補正するX軸面倒れ加速度出力補正部69とを備えている。
Y軸回転加速度計算部61は、加速度センサ56bの加速度信号の出力を補正するY軸センサ出力補正部62と、加速度センサ55bの出力とY軸センサ出力補正部62の出力との差を算出してミラー4bの回転により生じる加速度を出力する減算器63と、減算器63の出力を補正するY軸回転加速度出力補正部64とを備えている。
また、X軸回転加速度計算部70は、加速度センサ56aの加速度信号の出力を補正するX軸センサ出力補正部71と、加速度センサ55aの出力とX軸センサ出力補正部71の出力との差を算出してミラー4aの回転により生じる加速度を出力する減算器72と、減算器72の出力を補正するX軸回転加速度出力補正部73とを備えている。
次に、X軸回転角制御部74およびY軸回転角制御部65の詳細を、図14を用いて説明する。
加算器24からの回転角指令およびエンコーダ部8aで計測したガルバノスキャナ3aの回転角計測値は、位置制御部80aに入力される。位置制御部80aは、回転角指令と回転角計測値との差が小さくなるように、比例、積分、微分の位置制御計算を行い、角速度指令を出力する。微分器81aには、エンコーダ部8aで計測したガルバノスキャナ3aの回転角計測値が入力され、微分器81aはこの入力を微分して角速度計測値を計算する。速度制御部82aには、位置制御部80aから出力された角速度指令と微分器81aから出力された角速度計測値とが入力される。速度制御部82aは、前記角速度指令と前記角速度計測値との差が小さくなるように、比例、積分、微分の速度制御計算を行い、回転角加速度指令を回転加速度制御部83aに出力する。
回転加速度制御部83aには、上記回転角加速度指令と、X軸回転加速度計算部70の出力である回転角加速度計算値が入力される。回転加速度制御部83aは、ねじれ振動によるトルク変動を抑制するように加速度制御計算を行い、電流指令をパワーアンプ部84aに出力する。なお、加速度制御計算は、前記加速度計算値に振動抑制の度合いを調整するゲインを乗じたり、あるいはフィルタリングを行ったのち、速度制御部82aの加速度指令と減算した後、比例、積分計算等を行い、電流指令として出力することで、ねじれ振動を減衰させることができる。パワーアンプ部84aは、回転加速度制御部83aから出力される電流指令を増幅し、ガルバノスキャナ3aに電流を供給する。
また、加算器29からの回転角指令およびエンコーダ部8bで計測したガルバノスキャナ3bの回転角計測値は、位置制御部80bに入力される。位置制御部80bは、回転角指令と回転角計測値との差が小さくなるように、比例、積分、微分の位置制御計算を行い、角速度指令を出力する。微分器81bには、エンコーダ部8bで計測したガルバノスキャナ3bの回転角計測値が入力され、微分器81bはこの入力を微分して角速度計測値を計算する。速度制御部82bには、位置制御部80bから出力された角速度指令と微分器81bから出力された角速度計測値とが入力される。速度制御部82bは、前記角速度指令と前記角速度計測値との差が小さくなるように、比例、積分、微分の速度制御計算を行い、回転角加速度指令を回転加速度制御部83bに出力する。
回転加速度制御部83bには、上記回転角加速度指令と、Y軸回転加速度計算部61の出力である回転角加速度計算値が入力される。回転加速度制御部83bは、ねじれ振動によるトルク変動を抑制するように加速度制御計算を行い、電流指令をパワーアンプ部84bに出力する。
なお、加速度制御計算は、前記加速度計算値に振動抑制の度合いを調整するゲインを乗じたり、あるいはフィルタリングを行ったのち、速度制御部82bの加速度指令と減算した後、比例、積分計算等を行い、電流指令として出力することで、ねじれ振動を減衰させることができる。パワーアンプ部84bは、回転加速度制御部83bから出力される電流指令を増幅し、ガルバノスキャナ3bに電流を供給する。
図15に、回転加速度制御部83a、83bの1構成例を示す。回転加速度制御部83a、は、ゲイン設定部85aと減算部86aから構成されており、速度制御部82aから出力される角加速度指令は、角加速度計算部70の角速度計算値にゲイン設定部85aのゲインKax1を乗じて減算され、電流指令としてパワーアンプ部84aに出力される。また、回転加速度制御部83bは、ゲイン設定部85bと減算部86bから構成されており、速度制御部82bから出力される角加速度指令は、角加速度計算部61の角速度計算値にゲイン設定部85bのゲインKay1を乗じて減算され、電流指令としてパワーアンプ部84bに出力される。なお、前記ゲインKax1、Kay1は、大き過ぎると振動抑制効果が小さく、大き過ぎると回転角制御が不安定になるので、ねじれ振動が抑制される適切な値に調整する。
次に、ガルバノスキャナ装置1cの動作を説明する。なお、実施の形態1と相違する部分について説明し、同一または対応する部分についての説明は省略する。
XY角度指令出力部20の指令に応じてガルバノスキャナ3b、3aが回転すると、加速度センサ55a、56a、55b、56bから加速度信号が出力される。そして、加速度センサ55aおよび加速度センサ56aからの加速度信号は、X軸面倒れ加速度計算部66と、X軸回転加速度計算部70とにそれぞれ入力される。また、加速度センサ55bおよび加速度センサ56bからの加速度信号は、Y軸面倒れ加速度計算部57とY軸回転加速度計算部61とにそれぞれ入力される。
Y軸センサ出力補正部58は、加速度センサ55bおよび加速度センサ56bの加速度信号に含まれているガルバノスキャナ3bの回転による加速度成分の大きさを一致させるように加速度センサ56bの出力に補正ゲインKy3を乗じて加算器59に出力する。なお、この補正ゲインKy3は加速度センサの固体差等や取り付け位置のずれによる出力のばらつきを補正するためのものである。
そして、加算器59は、加速度センサ55bの出力と、Y軸センサ出力補正部58の出力との和を算出する。上述のように、加速度センサ55bの回転による加速度信号の大きさと、加速度センサ56bの回転による加速度信号の大きさとは、向きが逆で大きさが同じであるので、これらの出力の和を取ることにより面倒れ振動による加速度成分のみが出力される。そして、Y軸面倒れ加速度出力補正部60は、加算器59の出力に補正ゲインKy4を乗じて、面倒れ振動の加速度成分の信号の大きさを補正する。この補正量は、例えば、実施の形態1の加速度センサ16bの取り付けられていた位置で計測したと想定される信号の振幅になるように補正ゲインKy4を乗じる。
一方、X軸センサ出力補正部67は、加速度センサ55aおよび加速度センサ56aの加速度信号に含まれているガルバノスキャナ3aの回転による加速度成分の大きさを一致させるように加速度センサ56aの出力に補正ゲインKx3を乗じて加算器68に出力する。なお、この補正ゲインKx3は加速度センサの固体差等や取り付け位置のずれによる出力のばらつきを補正するためのものである。
そして、加算器68は、加速度センサ55aの出力と、X軸センサ出力補正部67の出力との和を算出する。上述のように、加速度センサ55aの回転による加速度信号の大きさと、加速度センサ56aの回転による加速度信号の大きさとは、向きが逆で大きさが同じであるので、これらの出力の和を取ることにより面倒れ振動による加速度成分のみが出力される。そして、X軸面倒れ加速度出力補正部69は、加算器68の出力に補正ゲインKx4を乗じて、面倒れ振動の加速度成分の信号の大きさを補正する。この補正量は、例えば、実施の形態1の加速度センサ16aの取り付けられていた位置で計測したと想定される信号の振幅になるように補正ゲインKx4を乗じる。
Y軸面倒れ加速度出力補正部60およびX軸面倒れ加速度出力補正部69の出力、即ちY軸面倒れ加速度計算部57およびX軸面倒れ加速度計算部66の計算結果は、Y軸面倒れ補正量計算部23およびX軸面倒れ補正量計算部28にそれぞれ出力される。そして、実施の形態5と同様に、上記計算結果に基づいて、ミラー4aの面倒れ振動はミラー4bの回転角により補償され、ミラー4bの面倒れ振動はミラー4aの回転角により補償される。
また、加速度センサ55b、56bの出力は、Y軸回転加速度計算部61に、加速度センサ55a、56aの出力は、X軸回転加速度計算部70にもそれぞれ入力される。
Y軸センサ出力補正部62は、加速度センサ55bおよび加速度センサ56bの加速度信号に含まれているガルバノスキャナ3bの面倒れ振動による加速度成分の大きさを一致させるように、加速度センサ56bの出力に補正ゲインKy5を乗じて減算器63に出力する。なお、この補正ゲインKy5は加速度センサの固体差等や取り付け位置のずれによる出力のばらつきを補正するためのものである。
そして、減算器63は、加速度センサ55bの出力と、Y軸センサ出力補正部62の出力との差を算出する。上述のように、加速度センサ55bの面倒れ振動による加速度信号の大きさと、加速度センサ56bの面倒れ振動による加速度信号の大きさとは、向きおよび大きさが同じであるので、これらの出力の差を取ることにより面倒れ振動による加速度成分は除去され、回転による加速度信号のみが出力される。そして、Y軸回転加速度出力補正部64は、減算器63の出力に補正ゲインKy6を乗じて、回転による加速度成分の信号をミラー4bの回転角加速度に変換する。この回転角加速度が上述した回転角加速度計算値である。
一方、X軸センサ出力補正部71は、加速度センサ55aおよび加速度センサ56aの加速度信号に含まれているガルバノスキャナ3aの面倒れ振動による加速度成分の大きさを一致させるように加速度センサ56aの出力に補正ゲインKx5を乗じて減算器72に出力する。なお、この補正ゲインKx5は加速度センサの固体差等や取り付け位置のずれによる出力のばらつきを補正するためのものである。
そして、減算器72は、加速度センサ55aの出力と、X軸センサ出力補正部71の出力との差を算出する。上述のように、加速度センサ55aの面倒れ振動による加速度信号の大きさと、加速度センサ56aの面倒れ振動による加速度信号の大きさとは、向きおよび大きさが同じであるので、これらの出力の差を取ることにより面倒れ振動による加速度成分は除去され、回転による加速度信号のみが出力される。そして、X軸回転加速度出力補正部73は、減算器72の出力に補正ゲインKx6を乗じて、回転による加速度成分の信号をミラー4aの回転角加速度に変換する。この回転角加速度が上述した回転角加速度計算値である。
X軸回転角制御部74には、加算器24からの出力と、X軸回転加速度計算部70からの出力と、エンコーダ部8aからの出力とが入力される。X軸回転角制御部74は、上述のように、加算器24からの回転角指令と、エンコーダ部8aから出力されるミラー4aの回転角計測値とを一致させるようにガルバノスキャナ3aへの電流を制御するとともに、X軸回転加速度計算部70の計算結果である回転角加速度計算値に基づいてミラー4aのねじれ振動が小さくなるように電流を制御する。
また、Y軸回転角制御部65には、加算器29からの出力と、Y軸回転加速度計算部61からの出力と、エンコーダ部8bからの出力とが入力される。Y軸回転角制御部65は、上述のように、加算器29からの回転角指令と、エンコーダ部8bから出力されるミラー4bの回転角計測値とを一致させるようにガルバノスキャナ3bへの電流を制御するとともに、Y軸回転加速度計算部61からの回転角加速度計算値に基づいてミラー4bのねじれ振動が小さくなるように電流を制御する。
なお、上記の補正ゲインKx3、Kx4、Kx5、Ky3、Ky4、Ky5としては、例えば、(6)、(7)、(8)(9)、(10)、(11)式の近傍値を設定する。
Kx3=1.0 (6)
Kx4=(Lx1)/(Lx1−Lx3)/2 (7)
Kx5=1.0 (8)
Ky3=1.0 (9)
Ky4=(Ly1)/(Ly1−Ly3)/2 (10)
Ky5=1.0 (11)
ここで、Lx1は実施の形態1の加速度センサ16aが取り付けられていた位置からベアリング34aまでの距離、Lx3は加速度センサ55aあるいは加速度センサ56aからベアング34aまでの距離、Ly1は実施の形態1の加速度センサ16bが取り付けられていた位置からベアリング34bまでの距離、Ly3は加速度センサ55bあるいは加速度センサ56bからベアリング34bまでの距離である。なお、Kx6、Ky6は、加速度信号から回転加速度信号に変換する係数を設定する。
本実施の形態によれば、ミラー4aの回転により生じる加速度を除去して面倒れにより生じる加速度を計算し、この計算結果に基づいてミラー4bの回転角を制御するとともに、ミラー4bの回転により生じる加速度を除去して面倒れにより生じる加速度を計算し、この計算結果に基づいてミラー4aの回転角を制御するようにしているので、実施の形態5と同様に、ミラー4a、4bが高速に回転している場合でもレーザ光の高精度な位置決めができる。
さらに、ミラー4aの回転により生じる加速度を計算し、この計算結果に基づいてミラー4aの回転角を制御するとともに、ミラー4bの回転により生じる加速度を計算し、この計算結果に基づいてミラー4bの回転角を制御するようにしたので、ミラー4a、4bのねじれ振動を抑制でき、ねじれ振動の影響を抑えた高精度なレーザ光の位置決めができる。
なお、実施の形態5および実施の形態6では、各ミラーに2個の加速度センサを取り付け、信号の和および差によって面倒れ振動による加速度や回転による加速度を分離するものを説明したが、ミラーに3個あるいはそれ以上の加速度センサをとりつけ、それぞれの出力にゲインを乗じた信号を加算あるいは減算してもよい。このようにしても、同等の効果を得ることができる。
また、X軸回転角制御部74において、X軸回転加速度計算部70の出力を回転加速度制御部83aに入力してねじれ振動を抑制する構成を示したが、回転加速度制御部83aを、速度制御部82aの入力にゲインを乗じてパワーアンプ部84aに出力するように変更し、X軸回転加速度計算部70の出力を速度制御部82aに入力して、ねじれ振動を抑制するように構成にしてもよい。
同様に、Y軸回転角制御部65において、Y軸回転加速度計算部61の出力を回転加速度制御部83bに入力してねじれ振動を抑制する構成を示したが、回転加速度制御部83bを、速度制御部82bの入力にゲインを乗じてパワーアンプ部84bに出力するように変更し、Y軸回転加速度計算部61の出力を速度制御部82bに入力して、ねじれ振動を抑制するように構成してもよい。
上記のように構成したX軸回転角制御部74およびY軸回転角制御部65の構成の1例を図16に示す。この例は、図14の回転加速度制御部83a、83bが無い代わりにゲイン設定部87a、87bが追加されたものである。位置制御部80aから出力された速度指令と、角加速度計算部70から出力された加速度計測値にゲイン設定部87aのゲインKax2を乗じたものを減算器86aで減算し、速度指令として速度制御部82aに出力する。速度制御部82aの出力はパワーアンプ84aの電流指令として出力される。このように構成することで、ミラー3aのねじれ振動を抑制することができる。また、位置制御部80bから出力された速度指令と、角加速度計算部61から出力された加速度計測値にゲイン設定部87bのゲインKay2を乗じたものを減算器86bで減算し、速度指令として速度制御部82bに出力する。速度制御部82bの出力はパワーアンプ84bの電流指令として出力される。このように構成することでミラー4bのねじれ振動を抑制することができる。なお、ゲインKax2、Kay2は振動抑制の調整をするパラメータであり、小さすぎると振動抑制効果が小さく、大き過ぎると回転角制御が不安定になることがあるので、ねじれ振動が抑制される適切な値に調整する。
また、X軸回転加速度計算部70の出力を位置制御部80aに入力し、ねじれ振動を抑制する速度指令を速度制御部81aに出力する構成にしてもよい。同様に、Y軸回転加速度計算部61の出力を位置制御部80bに入力し、ねじれ振動を抑制する速度指令を速度制御部81bに出力する構成にしてもよい。これらのように構成しても、上記と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態ではミラー4a、4bの両方に、それぞれ2つの加速度センサを設けるものを示したが、いずれか一方のミラーには2つの加速度センサを設け、他方のミラーには1つの加速度センサを設けるようにしてもよい。また、いずれか一方のミラーには2つの加速度センサを設け、他方のミラーには加速度センサを設けない構成にしてもよい。これらの場合は、2つの加速度センサを設けたミラーについて高精度な位置決め、およびねじれ振動の抑制が可能となる。
また、加速度センサ55aと加速度センサ56aとは、ミラー4aの裏面13aにおいて回転軸17aを隔てて等間隔の距離で、ベアリング34aから加速度センサ55aまでの距離と、ベアリング34aから加速度センサ56aまでの距離とが等しくなるように固定したが、加速度センサの位置はこれに限るものではない。加速度センサ55aと加速度センサ56aの出力を補正するようにすることで、回転軸17aを隔てて等間隔ではない位置や、ベアリング34aからの距離が等しくない場合でも、上記と同様の効果を得ることができる。なお、上記は加速度センサ16bおよび加速度センサ40bについても同様である。
実施の形態7.
図17は、この発明の実施の形態7のガルバノスキャナ装置を示すブロック図である。実施の形態6ではミラー4aあるいは4bの面倒れ振動を、加速度センサ55b、56b、あるいは加速度センサ55a、56aの出力を用いて、ミラー4bあるいはミラー4aの回転角を制御することで面倒れ振動によるレーザ光15の位置決め誤差を抑制するように構成されているが、面倒れ振動が小さい場合は、加速度センサ55a、56a、あるいは加速度センサ55b、56bの出力を用いて、ミラー4aあるいはミラー4bのねじり振動のみを抑制する構成としても、レーザ光15の高精度な位置決めが可能である。
実施の形態7のガルバノスキャナ装置1dは、図17に示すように、実施の形態6のガルバノスキャナ装置が、Y軸面倒れ加速度計算部57およびX軸面倒れ加速度計算部66と、Y軸面倒れ補正量計算部23およびX軸面倒れ補正量計算部28とを備えていないものに相当する。また、実施の形態6のガルバノスキャナ装置の加算器24および加算器29を備えておらず、X軸回転指令生成部21の出力がX軸回転角制御部74に、Y軸回転指令生成部26の出力がY軸回転角制御部65にそれぞれ直接入力される。なお、図17において図11と同一の符号をつけたものは、同一または対応する構成を示しており、その説明は省略する。
実施の形態7のガルバノスキャナ装置1dは、X軸回転加速度計算部70において、加速度センサ55a、56aの検出値からミラー4aの回転により生じる加速度を計算し、この計算結果に基づいてミラー4aの回転角を制御し、ミラー4aの回転により生じる上記ねじれ振動を抑制する。また、Y軸回転加速度計算部61において、加速度センサ55b、56bの検出値からミラー4bの回転により生じる加速度を計算し、この計算結果に基づいてミラー4bの回転角を制御し、ミラー4bの回転により生じる上記ねじれ振動を抑制する。なお、その他の動作は実施の形態6のガルバノスキャナ装置の動作と同様であるためその説明を省略する。
本実施の形態によれば、ミラー4a、4bの回転により生じるねじれ振動を抑制することができるので、ミラー4a、4bが高速に回転している場合でもレーザ光の高精度な位置決めができる。
なお、上記各実施の形態は組み合わせることができる。
1、1b、1c、1d ガルバノスキャナ装置
2 制御部
3a、3b ガルバノスキャナ
4a、4b ミラー
13a ミラーの裏面
14a ミラーの外周面
16a、16b、40a、40b、55a、55b、56a、56b 加速度センサ
17a、17b 回転軸
37a、38a 穴部
41、45、57、66 面倒れ加速度計算部(第一の計算部、第二の計算部)
61、70 回転加速度計算部(第三の計算部、第四の計算部)

Claims (16)

  1. 第一のミラーを回転させる第一のガルバノスキャナと、
    前記第一のミラーの回転軸に直交する回転軸を持ち、且つ第二のミラーを回転させる第二のガルバノスキャナと、
    前記第一のミラーに設けられ、該第一のミラーの回転軸と加速度検出方向が直交し、前記第一のミラーの面倒れ振動を検出する第一の加速度センサと、
    前記第一の加速度センサの検出値に基づいて前記第二のミラーの回転角を制御する制御部とを備えることを特徴とするガルバノスキャナ装置。
  2. 第一のミラーを回転させる第一のガルバノスキャナと、
    前記第一のミラーの回転軸に直交する回転軸を持ち、且つ第二のミラーを回転させる第二のガルバノスキャナと、
    前記第一のミラーに設けられ、該第一のミラーの回転軸と加速度検出方向が直交し、前記第一のミラーの面倒れ振動を検出する第一の加速度センサと、
    前記第二のミラーに設けられ、該第二のミラーの回転軸と加速度検出方向が直交し、前記第二のミラーの面倒れ振動を検出する第二の加速度センサと、
    前記第一の加速度センサの検出値に基づいて前記第二のミラーの回転角を制御し、且つ前記第二の加速度センサの検出値に基づいて前記第一のミラーの回転角を制御する制御部とを備えることを特徴とするガルバノスキャナ装置。
  3. 前記第一の加速度センサは、前記第一のミラーの回転軸上または回転軸近傍に位置することを特徴とする請求項1または2に記載のガルバノスキャナ装置。
  4. 前記第二の加速度センサは、前記第二のミラーの回転軸上または回転軸近傍に位置することを特徴とする請求項2に記載のガルバノスキャナ装置。
  5. 前記第一の加速度センサは、前記第一のミラーの裏面に設けられていることを特徴とする請求項3に記載のガルバノスキャナ装置。
  6. 前記第二の加速度センサは、前記第二のミラーの裏面に設けられていることを特徴とする請求項4に記載のガルバノスキャナ装置。
  7. 前記第一の加速度センサは、前記第一のミラーの外周面に設けられていることを特徴とする請求項3に記載のガルバノスキャナ装置。
  8. 前記第二の加速度センサは、前記第二のミラーの外周面に設けられていることを特徴とする請求項4に記載のガルバノスキャナ装置。
  9. 前記第一の加速度センサは、前記第一のミラーの裏面に形成された第一の穴部に設けられていることを特徴とする請求項3に記載のガルバノスキャナ装置。
  10. 前記第二の加速度センサは、前記第二のミラーの裏面に形成された第二の穴部に設けられていることを特徴とする請求項4に記載のガルバノスキャナ装置。
  11. 前記第一の加速度センサは、前記第一のミラーの外周面に形成された第一の穴部に設けられていることを特徴とする請求項3に記載のガルバノスキャナ装置。
  12. 前記第二の加速度センサは、前記第二のミラーの外周面に形成された第二の穴部に設けられていることを特徴とする請求項4に記載のガルバノスキャナ装置。
  13. 前記第一の加速度センサは複数設けられ、
    前記制御部は、前記複数の第一の加速度センサの検出値から前記第一のミラーの回転により生じる加速度を除去して面倒れにより生じる加速度を計算する第一の計算部を有し、前記第一の計算部の計算結果に基づいて前記第二のミラーの回転角を制御することを特徴とする請求項1または2に記載のガルバノスキャナ装置。
  14. 前記第一の加速度センサおよび第二の加速度センサはそれぞれ複数設けられ、
    前記制御部は、前記複数の第一の加速度センサの検出値から前記第一のミラーの回転により生じる加速度を除去して面倒れにより生じる加速度を計算する第一の計算部と、前記複数の第二の加速度センサの検出値から前記第二のミラーの回転により生じる加速度を除去して面倒れにより生じる加速度を計算する第二の計算部とを有し、前記第一の計算部の計算結果に基づいて前記第二のミラーの回転角を制御し、前記第二の計算部の計算結果に基づいて前記第一のミラーの回転角を制御することを特徴とする請求項2に記載のガルバノスキャナ装置。
  15. 前記制御部は、前記複数の第一の加速度センサの検出値から前記第一のミラーの回転により生じる加速度を計算する第三の計算部を有し、前記第三の計算部の計算結果に基づいて前記第一のミラーの回転角を制御することを特徴とする請求項13に記載のガルバノスキャナ装置。
  16. 前記制御部は、前記複数の第一の加速度センサの検出値から前記第一のミラーの回転により生じる加速度を計算する第三の計算部と、前記複数の第二の加速度センサの検出値から前記第二のミラーの回転により生じる加速度を計算する第四の計算部とを有し、前記第三の計算部の計算結果に基づいて前記第一のミラーの回転角を制御し、前記第四の計算部の計算結果に基づいて前記第二のミラーの回転角を制御することを特徴とする請求項14に記載のガルバノスキャナ装置。
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