JP4104306B2 - スキャナ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転軸に支持され回転自在のミラーと、前記回転軸の回転角に対応する物理量を検出する回転軸角度検出手段または前記ミラーの回転角に対応する物理量を検出するミラー角度検出手段と、を備え、前記回転軸角度検出手段または前記ミラー角度検出手段の出力信号を用いて前記ミラーを位置決めするスキャナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザマーキングや電子回路基板のレーザ穴明け加工等において使用されるスキャナ装置は、回転軸に取り付けられたミラーを内蔵された電気モータで回転させ、ミラーの角度を変えることにより、レーザ発振器から出力されるレーザ光を被加工物の所定の位置に照射する。
【0003】
スキャナ装置には、ミラーの角度を制御するための角度センサが設けられており、角度センサの出力信号をフィードバックしてミラーを位置決めする制御(サーボ制御)が行なわれている。
【0004】
角度センサとして、米国特許第4864295号公報(以下、「第1の従来技術」という。)には、回転軸に取り付けた誘電体の平板を2枚1組の固定極板の間で回転させ、極板間の静電容量の変化から回転軸の角度を検出するようにした可変容量式センサの技術が開示されている。
【0005】
また、特開平4−127981号公報(以下、「第2の従来技術」という。)には、ミラーに角度測定用のレーザを照射し、その反射光をリニアセンサで検出することにより、ミラー角度をフィードバック制御する技術が開示されている。
【0006】
また、特開平3−58106号公報(以下、「第3の従来技術」という。)には、ばね要素を有する回転軸の位置決め制御方法として、ばね要素におけるねじりトルク値及びねじりトルク微分値を駆動軸モータに対するトルク指令信号にフィードバックすることにより回転軸を目標位置に迅速に到達させ、ミラー位置決め時のねじり振動を抑制する技術が開示されている。
【0007】
また、特開2000−117475号公報(以下、「第4の従来技術」という。)には、ミラーの目標角度とセンサで検出した角度との差に基づいてフィードバック制御を行なう方法として、ミラーの動作波形が目標角度に対してオーバーシュートするように制御ゲインを調整し、オーバーシュート時にレーザを照射することにより、位置決め時間を短縮する技術が開示されている。
【0008】
また、特開2000−117476号公報(以下、「第5の従来技術」という。)には、上位コントローラがフィードバック制御系に移動指令を与えてから、レーザが照射されるまでの設定待ち時間を、ミラー移動角度が小さいほど短くなるように設定することにより、加工タクトを短縮する技術が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
レーザ光によりプリント基板の微細な回路パターン上に穴明けをする場合、レーザ光の位置決め誤差を約10μm以下にする必要がある。また、加工時間を短縮するため、毎秒1000個程度の穴を加工することが要求されており、加工終了後レーザ光を次の加工位置に位置決めする時間を平均1ms未満にする必要がある。
【0010】
ところで、レーザ光にはエネルギ分布があり、面積的な広がりを持ってミラーに入射する。このため、高品質の穴を加工するには、口径の大きなミラーを用いてレーザ光のエネルギ利用効率を高めることが望ましい。しかし、ミラーを大型化すると、スキャナの慣性負荷が増大し、スキャナ可動部(主として回転軸)のねじり振動の固有振動数が低下する。位置決め動作を高速化するには、サーボ帯域を広くすることが望ましいが、固有振動数の低下はサーボ帯域を制限する要因となる。以下、この理由について説明する。
【0011】
可動部は分布定数系であるから、ねじり振動について無限個の固有振動モードを持つ。これらを固有振動数の低い順に並べ、k番目のモードをk次モードと呼ぶことにすると、低次のモードがサーボ帯域を制限する。1次モードでは、回転軸の長手方向にねじれの節が一つ存在し、この節を挟む両側(負荷側と駆動側)が互いに逆相で振動する。
【0012】
角度センサは負荷となるミラーに近いほどフル・クローズドループ制御に近づくので、精密位置決めには望ましいと考えられる。
【0013】
そこで角度センサを負荷側に取り付けたとする。この場合、1次モードにおけるモータとセンサは逆相の相対運動になるので、角度検出信号に正帰還の周波数成分が含まれる。フィードバック制御では、角度検出信号を目標値入力に対して負帰還するから、1次共振近傍における正帰還の周波数成分により、制御が不安定になることがある。このため、サーボ帯域が制限され、応答性で目標仕様を満足できないことがある。
【0014】
一方、角度センサを駆動側に配置した場合、1次モードにおけるモータとセンサは同相になる。この場合は、いわゆるセンサ・アクチュエータ・コロケーションに近くなるので、制御の安定性の点では有利である。しかし、センサ・ミラー間のねじり剛性が足りず、位置決め精度が目標仕様を満足できない場合がある。さらに、1次モードだけでなく、2次以上のモードがサーボ特性に影響することもある。
【0015】
上記第1の従来技術では、角度センサの取り付け位置として(1)モータとミラーの間に配置する場合と、(2)ミラーから遠い側の軸端付近に配置する場合とが考えられる。前者(1)の場合、ねじれの節とセンサ位置が接近するので、ミラーの慣性モーメントによって節の位置が異なり、モータ・センサ間が同相になる場合と逆相になる場合とがある。一方、後者(2)の場合は、モータ・センサ間は同相になると考えられる。
【0016】
また、上記第2の従来技術の場合、ミラー角度をミラーまたはミラーに接近した位置で検出しているので、モータ・センサ間は逆相になると考えられる。このように角度センサの配置によってモータ・センサ間のねじり振動の位相特性が異なるが、第1および第2の従来技術では、可動部のねじり振動がミラーの位置決め動作の応答性や精度に与える影響について考慮されていない。
【0017】
また、上記第3の従来技術では、複数個のねじり固有振動が存在する場合について考慮されていない。
【0018】
また、上記第4および第5の従来技術では、スキャナの可動部がねじり振動特性を有する場合について考慮されていない。
【0019】
本発明の目的は、上記従来技術における課題を解決し、ミラーの位置決め時間を短縮するとともに、レーザ光の位置決め精度を向上できるスキャナ装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、回転軸に支持され回転自在のミラーと、前記回転軸の回転角に対応する物理量を検出する回転軸角度検出手段または前記ミラーの回転角に対応する物理量を検出するミラー角度検出手段と、前記回転軸角度検出手段または前記ミラー角度検出手段の出力信号を用いて前記ミラーを位置決めする位置決め手段とを備えたスキャナ装置において、前記回転軸のねじれ角を検出するねじれ角検出手段と、該ねじれ角検出手段の出力信号と前記回転軸角度検出手段または前記ミラー角度検出手段の出力信号とに基づき状態量として前記回転軸の剛体モードの変位および速度と、前記回転軸のねじり振動モードの速度と、を推定する状態量検出手段と、を設け、前記位置決め手段は、角度目標値信号と前記回転軸角度検出手段または前記ミラー角度検出手段の出力信号との差から求められる偏差信号に前記状態量検出手段の出力信号を反転加算して前記ミラーを位置決めすることを特徴とする。
【0021】
この場合、第2の前記回転軸角度検出手段を設け、前記ねじれ角検出手段は、前記第2の回転軸角度検出手段の出力信号と前記回転軸角度検出手段または前記ミラー角度検出手段の出力信号とからねじれ角を検出するようにするとよい。
【0022】
また、前記状態量検出手段は、オブザーバであり、また、前記物理量として、角度、角速度および角加速度のうちのいずれかを検出する。
【0023】
なお、前記ねじれ角検出手段は、せん断歪みを検出する歪みセンサから構成される。
【0024】
【発明の実施の形態】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係るスキャナ装置のブロック線図である。
【0025】
回転軸3は、軸受5と軸受6により回転自在に支持されている。回転軸3の端部には、ミラー2が固定されている。回転軸3のミラー2と軸受5の間には、角度センサ9が固定されている。なお、可変容量式センサを採用する場合は誘導体平板が、また、ロータリ・エンコーダを採用する場合はスリットあるいはグレーティングを備えた円盤が、それぞれ角度センサ9として回転軸3に取り付けられる。角度センサ9は角度検出回路31に接続されている。軸受5と軸受6の間にはムービングコイル4が固定されている。ムービングコイル4は電流制御回路27に接続されている。ムービングコイル4の両側には、永久磁石7、8が配置されている。そして、ムービングコイル4に駆動電流を通電すると、永久磁石7、8により形成される磁界によりムービングコイル4の長辺に電磁力が作用し、ムービングコイル4と一体の回転軸3、ミラー2および角度センサ9が回転する。以下、ミラー2、回転軸3、ムービングコイル4および角度センサ9をまとめて「可動部R」と呼ぶ。
【0026】
回転軸3のミラー2と角度センサ9との間には歪みセンサ10が、軸受5とムービングコイル4との間には歪みセンサ11が、ムービングコイル4の中央部には歪みセンサ12が、ムービングコイル4と軸受6との間には歪みセンサ13が、それぞれ取り付けられている。歪みセンサ10〜13は、回転軸3のねじれ角を計測するのが目的であるので、せん断歪みを検出できる歪みセンサが採用されている。歪みセンサ10〜13は、それぞれ歪み検出回路41〜44に接続されている。
【0027】
次に、ミラー2の位置決め制御のメカニズムを説明する。
【0028】
角度センサ9の出力は角度検出回路31に入力され、角度検出回路31から出力される角度検出信号32は、加算器21と安定化補償器40に入力される。そして、安定化補償器40には、角度検出信号32に加え、電流制御回路27から出力される電流検出信号30と歪み検出回路41〜44から出力される信号とが入力される。
【0029】
角度目標値信号20は、加算器21により、角度検出信号32との差が計算される。計算された偏差信号22は積分補償回路23により時間積分された後、積分ゲイン24により係数倍されるので、このサーボ制御系は所謂1型サーボ系になる。スキャナ装置は目的の角度にミラー2を位置決めするための装置であり、角度目標値信号20は定常状態で一定の角度指令値になる信号である。したがって、ミラーの角度を角度目標値に対して定常偏差無く追従させることができる。
【0030】
積分ゲイン24の出力信号は、加算器25により、後述する安定化補償器40からの出力信号が減算され、電流指令信号26として電流制御回路27に入力される。電流制御回路27は、電流指令信号26に応じた駆動電流28をムービングコイル4に供給する。この結果、ムービングコイル4には駆動電流28の値に比例した駆動トルクが作用し、可動部Rは回転する。
【0031】
可動部Rが回転すると、回転軸3および回転軸3に配置されたミラー等の慣性モーメントと回転軸3のねじり剛性により、可動部Rにはねじり振動が発生するが、後述する安定化補償器40の作用によりねじり振動が安定化(抑制)され、サーボ帯域が広くなるので、高速かつ高精度なミラーの位置決めができる。
【0032】
次に、サーボ制御系の安定性を保つための安定化補償器40の構成について説明する。図2は、図1における可動部Rを集中定数モデル化した図であり、図中、J1〜J5、K1〜K4およびL1〜L4は以下を表している。
J1:ミラー2とミラー2取り付け部近傍の回転軸3の慣性モーメント
J2:角度センサ9と角度センサ9取り付け部近傍の回転軸3の慣性モーメント
J3,J4:ムービングコイル4とムービングコイル取り付け部近傍の回転軸3の慣性モーメントの1/2
J5:回転軸3の軸端近傍の慣性モーメント
K1:J1とJ2を結合するばね定数がK1のねじりばね
K2:J2とJ3を結合するばね定数がK2のねじりばね
K3:J3とJ4を結合するばね定数がK3のねじりばね
K4:J4とJ5を結合するばね定数がK4のねじりばね
L1:ねじりばねK1の長さ
L2:ねじりばねK2の長さ
L3:ねじりばねK3の長さ
L4:ねじりばねK4の長さ
ここで、ねじりばねK1〜K4の比ねじれ角は歪みセンサ10〜13により、また、慣性モーメントJ2の角変位θ2は角度センサ9によりそれぞれ検出できる。
そこで、ねじりばねK1〜K4の比ねじれ角をそれぞれδ1〜δ4、また、慣性モーメントJ1〜J5の角変位をそれぞれθ1〜θ5とすると、角変位θ1、θ3、θ4、θ5は、下記の式1〜4で求めることができる。
【0033】
【数1】
いま、下記の式5〜7に示すように、
【数2】
角変位θ1〜θ5を角変位ベクトルθに、また、慣性モーメントJ1〜J5を慣性モーメントJに、また、ねじりばねK1〜K4を剛性行列Kにまとめる。さらに、式8に示すように、トルク定数をKtとするときの駆動トルクの作用を表す入力係数ベクトルをbで表し、モータ駆動電流をuとする。すると、図3の集中定数モデルの運動方程式は、式9で表される。
【0034】
式9を状態方程式に変形すると、下記の式10、11、12で表すことができる。
【0035】
【数3】
なお、式10、11におけるベクトルωは角速度ベクトル、行列Iは単位行列であり、xは、角変位ベクトルθと角速度ベクトルωを式12のようにまとめた状態量ベクトルである。
【0036】
式10の係数行列APと式11の係数行列CPとから、図2に示した集中定数モデルは可観測であることが判別できる。したがって、下記の式13、14で表されるオブザーバを電気回路により構成し、角変位θ1〜θ5の検出値とモータ駆動電流uの検出信号を入力することにより、未知の状態量、すなわち可動部Rの剛体モードの変位y0および速度v0、ねじり1次モードの速度v1、ねじり2次モードの速度v2、ねじり3次モードの速度v3を推定することができる。
【0037】
【数4】
なお、式13、14においてxはオブザーバの状態量ベクトル、KOBは角変位検出値に対する入力係数ベクトル、FOBは出力係数ベクトルである。なお、式13、14では、オブザーバの状態量ベクトルはxの上に波線を付けて表し、これを本明細書では表記上の制限によりxで示す。そして、推定された各状態量を、それぞれ比例ゲイン45〜50により係数倍し、これらを加算した信号を積分ゲイン24の出力値に反転加算することによりねじり振動の影響を抑制することができるので、サーボ帯域を広くすることができる。
【0038】
この結果、指令された角度目標値信号20に定常偏差無くミラー2の角度を追従させることができることに加えて、可動部Rに回転軸回りのねじり振動がある場合も、ミラー2を目標角度に短時間かつ高精度に位置決めすることができる。
【0039】
また、サーボ帯域を広くできるので、面積の大きいミラーを採用することが可能になる。上記したように、面積の大きいミラーを採用すると、レーザ光のエネルギ利用効率を向上させることができるので、加工速度をさらに速くすることができる。
【0040】
また、この実施形態では、歪みセンサ12をムービングコイル4の中央部、すなわちムービングコイル4に作用する電磁力の作用点に合わせて配置したので、ねじり角の測定精度を向上させることができる。
【0041】
ところで、図2に示すモデルの状態方程式が可観測であれば、角変位θ1〜θ5のすべてが計測できなくてもオブザーバを構成することができる。
【0042】
すなわち、例えば、取付けスペースに余裕がなく、歪みセンサ10を取り付けることができない場合、すなわち角変位θ1が計測できない場合には、式2〜式4を用いて角変位θ3〜θ5を求め、角変位θ2の検出値と、電流検出信号30を用いて、オブザーバにより上記可動部Rの状態量y0、v0、v1、v2、v3を推定することができる。
【0043】
<第2の実施形態>
図3は、本発明の第2の実施形態に係るスキャナ装置のブロック線図であり、図1と同じものまたは同一機能のものは同一符号を付して説明を省略する。
【0044】
ミラー2の裏面(加工のためのレーザ光を反射する面の背面側)には、鏡面60が設けられている。レーザ光源61は、鏡面60に向けてレーザ光62を照射する。鏡面60で反射されたレーザ光62を受光する受光素子63は、入射したレーザ光62の位置を検出するものであり、例えばPSD(Position Sensitive Device)や、分割PD(Photo Detector)が採用される。受光素子63の出力信号はミラー角度検出回路64に入力され、ミラー角度検出回路64から出力される角度検出信号65は、加算器21と安定化補償器40に入力される。
【0045】
この実施形態は、ミラー2と角度センサ9との間に歪みセンサを設けていない点およびミラー2の角変位を直接検出する点で上記第1の実施形態と相違する。しかし、上記第1の実施形態において説明したように、回転軸3に配置した歪みセンサ11〜13を用いてそれぞれの位置の角変位を検出することにより、上記の集中定数モデルの状態方程式は可観測になり、また、ミラー角度検出信号65は角度検出信号32と実質的に同じである。したがって、この実施の形態は実質的に上記第1の実施形態と同じ動作をするので、動作に関する説明は省略する。
【0046】
そして、この実施形態におけるサーボ制御系においても、指令された角度目標値信号20に定常偏差無く、ミラー角度を追従させることができ、しかも可動部Rに回転軸回りのねじり振動モードがある場合でも、高応答なミラーの位置決め制御が可能になる。
【0047】
なお、上記第1の実施形態では、角度センサ9をミラー2に近い側に配置する場合について説明したが、図4に示すように、角度センサ9が回転軸3のミラー2から遠い側の端部に配置する場合も、図2と同様の集中定数モデルを構築することができる。
【0048】
また、上記の2つの実施形態では、ねじれ角の検出手段として歪みセンサを用いる場合について説明したが、ねじれ角検出手段として以下の構成を用いてもよい。
【0049】
すなわち、回転軸3にロータリ・エンコーダ等の回転軸角度センサを取り付けると共に、図3に示したミラー角度検出手段を設け、回転軸角度センサの検出角度とミラー角度検出手段の検出角度との差、あるいは、図4における歪みセンサ11の位置に第2の回転軸角度センサを設け、2個の回転軸角度センサの検出角度の差を、両者間のねじれ角とする。そして、得られたねじれ角の値を安定化補償器40に入力してねじり振動モードの状態量を推定するように構成しても、安定なサーボ制御系を構成することができる。
【0050】
また、ねじれ角の検出手段として角速度センサまたは角加速度センサを用いることもできる。すなわち、例えば、ねじれ角の検出手段として角加速度センサを用いる場合、角加速度センサを回転軸3の2か所以上に配置する。そして、角加速度センサを配置した位置における回転軸3の軸線回りの角加速度をそれぞれ検出し、両者の差からセンサ間の相対角加速度を求めて二階積分することにより相対角変位すなわちねじれ角を求めることができる。また、角速度センサを用いる場合も同様にしてねじれ角を求めることができる。
【0051】
上記の説明では、ねじり3次モードまでを補償するようにしたが、必要があればより高次のモードまで補償することができる。また、測定区間は1区間であっても状態量y0、v0、v1、v2、v3 を求めることができるが、測定区間を多くすることにより状態量の推定精度を高くすることができる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、例えばレーザ光を反射するミラーの角度を直接あるいは間接的に測定し、角度目標値信号に偏差無く追従させるサーボ制御を行なうことに加えて、回転軸に生じるねじり振動を安定化する安定化補償器を設けることによりサーボ帯域を広くしたので、ミラーを高速かつ高精度に目標位置に位置決めすることができる。しかも、角度検出信号とねじれ角検出信号により、モータと角度センサの間の位相特性に関わらず、高応答かつ、高精度なミラー位置決め制御系を構成できる。この結果、本発明に係るスキャナ装置を例えばレーザ加工機に採用することにより、加工時間を短縮できるので生産性が向上し、かつレーザ光を高精度に位置決めできるので加工物の品質や歩留まりが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るスキャナ装置のブロック線図である。
【図2】図1における可動部を集中定数モデル化した図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係るスキャナ装置のブロック線図である。
【図4】本発明の適用例を示す図である。
【符号の説明】
2 ミラー
3 回転軸
9 角度センサ
10〜13 歪みセンサ
40 状態量検出手段
Claims (5)
- 回転軸に支持され回転自在のミラーと、前記回転軸の回転角に対応する物理量を検出する回転軸角度検出手段または前記ミラーの回転角に対応する物理量を検出するミラー角度検出手段と、前記回転軸角度検出手段または前記ミラー角度検出手段の出力信号を用いて前記ミラーを位置決めする位置決め手段とを備えたスキャナ装置において、
前記回転軸のねじれ角を検出するねじれ角検出手段と、
該ねじれ角検出手段の出力信号と前記回転軸角度検出手段または前記ミラー角度検出手段の出力信号とに基づき状態量として前記回転軸の剛体モードの変位および速度と、前記回転軸のねじり振動モードの速度と、を推定する状態量検出手段と、
を設け、
前記位置決め手段は、角度目標値信号と前記回転軸角度検出手段または前記ミラー角度検出手段の出力信号との差から求められる偏差信号に前記状態量検出手段の出力信号を反転加算して前記ミラーを位置決めすることを特徴とするスキャナ装置。 - 第2の前記回転軸角度検出手段を設け、前記ねじれ角検出手段は、前記第2の回転軸角度検出手段の出力信号と前記回転軸角度検出手段または前記ミラー角度検出手段の出力信号とからねじれ角を検出することを特徴とする請求項1に記載のスキャナ装置。
- 前記状態量検出手段は、オブザーバであることを特徴とする請求項1または2に記載のスキャナ装置。
- 前記物理量は、角度、角速度および角加速度のうちのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のスキャナ装置。
- 前記ねじれ角検出手段は、せん断歪みを検出する歪みセンサからなることを特徴とする請求項1に記載のスキャナ装置。
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