JP6649328B2 - レーザ加工装置、及び、レーザ加工方法 - Google Patents

レーザ加工装置、及び、レーザ加工方法 Download PDF

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Description

本発明は、パルスレーザビームにより被加工物表面を加工するレーザ加工装置、及び、レーザ加工方法に関する。
パルスレーザビームを用いたレーザ加工装置は、被加工物の表面にパルスレーザビームを照射し、アブレーション加工により被加工物の表面に微細パターンを形成することが可能である。被加工物は、例えば、金属、樹脂、半導体、又は、ガラス等である。
高精度の微細パターンを大面積の領域に高速で形成するために、ガルバノスキャナのようなレーザビームスキャナが用いられる場合がある。例えば、被加工物の表面をレーザビームスキャナの走査可能範囲を単位とする複数の加工領域に分割する。そして、レーザビームスキャナを用いた一つの加工領域の加工を終了すると、被加工物を移動し、隣接する次の加工領域の加工を行う。これを繰り返し被加工物の表面の全領域の加工を実現する。
形成するバターンが微細になると、パルスレーザビームの照射位置について高い位置精度が要求される。例えば、パルスレーザビームの位置精度が低下すると、隣接する加工領域の間でのパターンのずれが大きくなり問題となる。
特許文献1には、レーザ光の位置決め精度を向上させるため、ガルバノスキャナに起因する振動を検出し、レーザ光の照射位置をフィードバック制御する方法が記載されている。
特開2009−282326号公報
レーザビームスキャナを用いるレーザ加工装置では、除振台の上にレーザビームスキャナとワーク(被加工物)支持台が設置される。除振台は連続的な長周期の振動を除去するには効果がある。ワーク支持台によってワークの位置が移動するが、ワークの位置によっては、ワーク支持台が短周期の振動源となる場合がある。短周期の振動は除振台によっても十分除去できず、ワークの加工精度を低下させる場合がある。
また、特許文献1のようにガルバノ装置のミラーの傾きを検出し、フィードバック制御を行う場合は、傾きを検出する高精度なセンサ、高速に演算処理を行う制御装置、指令に対して高速に追従できるアクチュエータが必要となり装置のコストが高くなる。また、装置の調整にも手間がかかる。
本発明が解決しようとする課題は、簡易な手段で高速の加工を実現し、かつ、レーザビームの照射位置について高い位置精度を実現するレーザ加工装置、及び、レーザ加工方法を提供することである。
本発明の一態様のレーザ加工装置は、パルスレーザビームを出射するレーザ発振器と、前記パルスレーザビームを被加工物に対し2次元的に走査するレーザビームスキャナと、前記レーザビームスキャナの加速度を測定する加速度計と、前記被加工物を支持し、前記レーザビームスキャナに対する前記被加工物の相対移動を可能にする支持部と、前記被加工物の複数の加工領域毎に前記レーザビームスキャナの走査速度を規定するあらかじめ作成された第1の情報に基づき、前記レーザビームスキャナの走査速度を制御する制御部と、を備え、前記第1の情報は、前記被加工物の複数の加工領域毎に測定された所定の走査速度における前記レーザビームスキャナの加速度のデータに基づくことを特徴とする。
上記態様のレーザ加工装置において、前記被加工物はロール形状であることが好ましい。
上記態様のレーザ加工装置において、前記加速度計で測定された前記レーザビームスキャナの加速度のデータを、前記第1の情報を作成するデータ処理装置に送信可能な無線送信部を、更に備えることが好ましい。
上記態様のレーザ加工装置において、前記第1の情報を記憶可能な記憶部を、更に備えることが好ましい。
上記態様のレーザ加工装置において、前記第1の情報を生成するデータ処理装置から、前記第1の情報を受信可能な受信部を、更に備えることが好ましい。
上記態様のレーザ加工装置において、前記レーザ発振器と、前記レーザビームスキャナと、前記支持部とが載置された除振台を、更に備えることが好ましい。
上記態様のレーザ加工装置において、前記第1の情報において、前記被加工物の第1の加工領域の前記所定の走査速度における前記レーザビームスキャナの加速度を第1の加速度、前記第1の加工領域の前記レーザビームスキャナの走査速度を第1の走査速度、前記第1の加工領域に隣接する第2の加工領域の前記所定の走査速度における前記レーザビームスキャナの加速度を第2の加速度、前記第2の加工領域の前記レーザビームスキャナの走査速度を第2の走査速度とした場合に、前記第2の加速度が前記第1の加速度よりも大きい場合は、前記第2の走査速度は前記第1の走査速度よりも小さく、前記第2の加速度が前記第1の加速度よりも小さい場合は、前記第2の走査速度は前記第1の走査速度よりも大きいことが好ましい。
上記態様のレーザ加工装置において、前記パルスレーザビームの通過と遮断の切り替えを行うパルスピッカーを、更に備え、前記被加工物の複数の加工領域毎に前記パルスレーザビームの通過割合を規定するあらかじめ作成された第2の情報に基づき、前記制御部が前記パルスピッカーによる前記切り替えを制御することが好ましい。
本発明の一態様のレーザ加工方法は、パルスレーザビームを出射するレーザ発振器と、前記パルスレーザビームを被加工物に対し2次元的に走査するレーザビームスキャナと、前記レーザビームスキャナの加速度を測定する加速度計と、前記被加工物を支持し、前記レーザビームスキャナに対する被加工物の相対移動を可能にする支持部と、を備えるレーザ加工装置を用いたレーザ加工方法であって、前記被加工物の第1の加工領域を加工可能な位置に前記被加工物を移動し、前記レーザビームスキャナを所定の走査速度で動作させ、前記加速度計を用いて前記レーザビームスキャナの第1の加速度を測定し、前記第1の加速度に基づき、前記第1の加工領域の加工の際に適用する前記レーザビームスキャナの走査速度である第1の走査速度を決定し、前記第1の加工領域に隣接する第2の加工領域を加工可能な位置に前記被加工物を移動し、前記レーザビームスキャナを前記所定の走査速度で動作させ、前記加速度計を用いて前記レーザビームスキャナの第2の加速度を測定し、前記第2の加速度に基づき、前記第2の加工領域の加工の際に適用する前記レーザビームスキャナの走査速度である第2の走査速度を決定し、前記第1の加工領域に対し、前記第1の走査速度で前記レーザビームスキャナを動作させて前記パルスレーザビームを照射し、前記第1の加工領域を2次元的に加工し、前記第2の加工領域に対し、前記第2の走査速度で前記レーザビームスキャナを動作させて前記パルスレーザビームを照射し、前記第2の加工領域を2次元的に加工することを特徴とする。
上記態様のレーザ加工方法において、前記第2の加速度が前記第1の加速度よりも大きい場合は、前記第2の走査速度を前記第1の走査速度よりも小さくし、前記第2の加速度が前記第1の加速度よりも小さい場合は、前記第2の走査速度を前記第1の走査速度よりも大きくすることが好ましい。
上記態様のレーザ加工方法において、前記第1の加速度と前記第2の加速度との差分を考慮し、前記第1の走査速度及び前記第2の走査速度を決定することが好ましい。
上記態様のレーザ加工方法において、前記レーザ加工装置が、前記パルスレーザビームの通過と遮断の切り替えを行うパルスピッカーを、更に備え、前記第2の走査速度が前記第1の走査速度より大きい場合は、前記第2の加工領域における前記パルスレーザビームの通過割合を、前記パルスピッカーを用いて前記第1の加工領域における前記パルスレーザビームの通過割合よりも大きくし、前記第2の走査速度が前記第1の走査速度より小さい場合は、前記第2の加工領域における前記パルスレーザビームの通過割合を、前記パルスピッカーを用いて前記第1の加工領域における前記パルスレーザビームの通過割合よりも小さくすることが好ましい。
本発明によれば、簡易な手段で高速の加工を実現し、かつ、レーザビームの照射位置について高い位置精度を実現するレーザ加工装置、及び、レーザ加工方法を提供することができる。具体的には、マッピングにより加速度、速度を決定する手法により、簡易な手段で高速の加工を実現し、かつ、加工中の加速度を最小限に抑え高い位置精度を実現するレーザ加工装置、及び、レーザ加工方法を提供することができる。
第1の実施形態のレーザ加工装置のブロック図である。 第1の実施形態のレーザ加工方法の説明図である。 第1の実施形態のレーザ加工方法の説明図である。 第1の実施形態のレーザ加工方法の説明図である。 第1の実施形態のレーザ加工方法の説明図である。 第1の実施形態のレーザ加工方法の説明図である。 第1の実施形態のレーザ加工装置の作用及び効果の説明図である。 第1の実施形態のレーザ加工装置の作用及び効果の説明図である。 第1の実施形態のレーザ加工装置の作用及び効果の説明図である。 第2の実施形態のレーザ加工方法の説明図である。 第3の実施形態のレーザ加工方法の説明図である。 第3の実施形態のレーザ加工方法の説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態のレーザ加工装置は、パルスレーザビームを出射するレーザ発振器と、パルスレーザビームを被加工物に対し2次元的に走査するレーザビームスキャナと、レーザビームスキャナの加速度を測定する加速度計と、被加工物を支持し、レーザビームスキャナに対する被加工物の相対移動を可能にする支持部と、被加工物の複数の加工領域毎にレーザビームスキャナの走査速度を規定するあらかじめ作成された第1の情報に基づき、レーザビームスキャナの走査速度を制御する制御部と、を備える。
本実施形態のレーザ加工装置は、レーザビームスキャナの振動が大きくなる加工領域では、レーザビームスキャナの走査速度を小さくして振動を抑制する。加工領域毎の振動の大小はあらかじめ測定し、加工領域毎のレーザビームスキャナの走査速度もあらかじめ決定しておく。これにより、レーザビームの照射位置について高い位置精度を実現することが可能となる。
図1は、本実施形態のレーザ加工装置のブロック図である。本実施形態のレーザ加工装置は、被加工物(以下、ワークとも称する)がロール形状である。本実施形態のレーザ加工装置は、例えば、ロール金型の製造に用いられる。
レーザ加工装置100は、制御部10、レーザ発振器12、パルスピッカー14、ビーム整形器16、レーザビームスキャナ18、ワーク支持部20(支持部)、除振台22、加速度計24、無線送信部26、無線受信部30(受信部)、記憶部32を備える。レーザ加工装置100の外部には、コンピュータ200(データ処理装置)が存在する。
レーザ発振器12は、制御部10内に設けられた基準クロック発振回路(図示せず)で発生するクロック信号に同期したパルスレーザビームPL1を出射するよう構成されている。レーザ発振器12は、例えば、ps(ピコ秒)レーザビームあるいはfs(フェムト秒)レーザビームを出射する。
パルスピッカー14は、レーザ発振器12とレーザビームスキャナ18との間の光路に設けられる。そして、クロック信号に同期してパルスレーザビームPL1の通過と遮断(オン/オフ)を切り替える。パルスピッカー14により、通過するパルス数を制御することで加工の際のレーザ照射量を調整することが可能となる。パルスピッカー14を通過したパルスレーザビームPL1は、パルスレーザビームPL2となる。
パルスピッカー14は、例えば、音響光学素子(AOM)で構成される。また、パルスピッカー14は、例えば、ラマン回折型の電気光学素子(EOM)で構成される。
ビーム整形器16は、入射したパルスレーザビームPL2を所望の形状に整形されたパルスレーザビームPL3とする。例えば、ビーム径を一定の倍率で拡大するビームエクスパンダである。また、例えば、ビーム断面の光強度分布を均一にするホモジナイザのような光学素子が備えられていてもよい。また、例えばビーム断面を円形にする素子や、ビームを円偏光にする光学素子が備えられていても構わない。
レーザビームスキャナ18は、パルスレーザビームPL4を、ワークWに対し、2次元的に走査する。レーザビームスキャナ18は、例えば、2軸スキャンミラーを備えたガルバノスキャナである。ガルバノスキャナの他に、例えば、ポリゴンスキャナ、ピエゾスキャナ、又はレゾナントスキャナ等を適用することも可能である。
加速度計24は、レーザビームスキャナ18に固定される。加速度計24は、レーザビームスキャナ18の動作時の加速度を測定する。レーザビームスキャナ18の加速度を測定することで、レーザビームスキャナ18の振動を測定することができる。
レーザ加工装置100は、例えば、図示しない加速度計アンプ、集録器(ロガー)を備える。
無線送信部26は、例えば、加速度計24に接続される。無線送信部26は、加速度計24により測定されたレーザビームスキャナ18の加速度のデータを、例えば、コンピュータ200に送信する機能を有する。
ワーク支持部20は、ワークWを支持する。ワーク支持部20は、回転移動機構20aと水平移動機構20bとを有する。ワーク支持部20によりレーザビームスキャナ18に対するワークWの相対移動が可能になる。
回転移動機構20aは、ロール形状のワークWを円周方向に回転させる機能を有する。回転移動機構20aは、例えば、回転型モータである。
水平移動機構20bは、ロール形状のワークWを軸方向(水平方向)に直線移動させる機能を有する。水平移動機構20bは、例えば、直動型モータである。
除振台22は、少なくとも、レーザ発振器12、パルスピッカー14、ビーム整形器16、レーザビームスキャナ18、及び、ワーク支持部20を載置する。
制御部10は、ワークWを加工するために、レーザ発振器12、パルスピッカー14、ビーム整形器16、レーザビームスキャナ18、及び、ワーク支持部20を制御する。制御部10は、ワークWにパターンを形成するために必要なレーザ出力、レーザ照射量、レーザビームスキャナ18の動作量、ワークWの移動量等を演算する機能を備える。
制御部10は、例えば、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで構成される。例えば、CPU(Central Processing Unit)、半導体メモリ及び半導体メモリに記憶された加工プログラムで構成される。
制御部10は、レーザビームスキャナ18の走査速度を制御する。制御部10は、ワークWの加工前に、あらかじめ作成された走査速度情報(第1の情報)に基づき、レーザビームスキャナ18の走査速度を制御する。走査速度情報には、ワークWの複数の加工領域毎にレーザビームスキャナの走査速度が規定されている。
制御部10は、記憶部32に記憶された走査速度情報を読み出す。
走査速度情報は、ワークWの複数の加工領域毎に測定された所定の走査速度におけるレーザビームスキャナの加速度のデータに基づいて作成される。走査速度情報において、ワークWの第1の加工領域の所定の走査速度におけるレーザビームスキャナ18の加速度を第1の加速度、第1の加工領域のレーザビームスキャナ18の走査速度を第1の走査速度、第1の加工領域に隣接する第2の加工領域の所定の走査速度におけるレーザビームスキャナ18の加速度を第2の加速度、第2の加工領域のレーザビームスキャナ18の走査速度を第2の走査速度とする。第2の加速度が第1の加速度よりも大きい場合は、第2の走査速度は第1の走査速度小さい。また、第2の加速度が第1の加速度よりも小さい場合は、第2の走査速度は第1の走査速度よりも大きい。
言い換えれば、レーザビームスキャナ18の振動が、第1の加工領域よりも第2の加工領域で大きい場合、走査速度は第1の加工領域よりも第2の加工領域で小さくする。一方、レーザビームスキャナ18の振動が、第1の加工領域よりも第2の加工領域で小さい場合、走査速度は第1の加工領域よりも第2の加工領域で大きくする。
無線受信部30は、コンピュータ200から走査速度情報(第1の情報)を受信する機能を有する。なお、コンピュータ200から配線を用いて走査速度情報を受信する構成とすることも可能である。
記憶部32は、走査速度情報を記憶する。記憶部32は、無線受信部30で受信された走査速度情報を記憶する。記憶部32は、例えば、半導体メモリ、又は、ハードディスクである。
走査速度情報は、例えば、レーザ加工装置100の外部に設けられたコンピュータ200で作成される。
次に、レーザ加工装置100を用いたレーザ加工方法について説明する。
本実施形態のレーザ加工方法は、パルスレーザビームを出射するレーザ発振器と、パルスレーザビームを被加工物に対し2次元的に走査するレーザビームスキャナと、レーザビームスキャナの加速度を測定する加速度計と、被加工物を支持し、レーザビームスキャナに対する被加工物の相対移動を可能にする支持部と、を備えるレーザ加工装置を用いたレーザ加工方法である。そして、被加工物の第1の加工領域を加工可能な位置に被加工物を移動し、レーザビームスキャナを所定の走査速度で動作させ、加速度計を用いてレーザビームスキャナの第1の加速度を測定し、第1の加速度に基づき、第1の加工領域の加工の際に適用するレーザビームスキャナの走査速度である第1の走査速度を決定し、第1の加工領域に隣接する第2の加工領域を加工可能な位置に被加工物を移動し、レーザビームスキャナを所定の走査速度で動作させ、加速度計を用いてレーザビームスキャナの第2の加速度を測定し、第2の加速度に基づき、第2の加工領域の加工の際に適用するレーザビームスキャナの走査速度である第2の走査速度を決定し、第1の加工領域に対し、第1の走査速度でレーザビームスキャナを動作させてパルスレーザビームを照射し、第1の加工領域を2次元的に加工し、第2の加工領域に対し、第2の走査速度でレーザビームスキャナを動作させてパルスレーザビームを照射し、第2の加工領域を2次元的に加工する。
本実施形態のレーザ加工方法では、ロール形状のワークWの加工面を複数の加工領域に分割して加工する。分割の単位はレーザビームスキャナ18の走査範囲となる。
図2は、本実施形態のレーザ加工方法の説明図である。図2に示すように、ワークWの加工面を、ロールの回転方向にn分割し、水平方向にm分割する。分割された加工領域のそれぞれを、回転位置座標R1〜Rn、水平位置座標S1〜Smを用いて、加工領域(Rr,Ss)と表記する。ここで、R1≦Rr≦Rn、S1≦Ss≦Smである。
最初に、ワークWを加工領域(R1,S1)(第1の加工領域)が加工可能な位置に移動する。次に、ワークWを静止させた状態で、加工領域(R1,S1)にパルスレーザビームPL4を照射し、ワークWの表面を加工する。加工領域(R1,S1)は、レーザビームスキャナ18により、パルスレーザビームPL4を2次元的に走査することで加工する。
次に、ワークWを加工領域(R1,S1)に隣接する加工領域(R2,S1)(第2の加工領域)が加工可能な位置に移動する。ワークWを、回転移動機構20aを用いて、円周方向に所定の角度だけ移動させて停止する。そして、加工領域(R1,S1)の円周方向に隣接する加工領域(R2,S1)を加工する。
同様にして、ワークWの円周方向の移動、停止、及び、加工を繰り替えし、加工領域(Rn、S1)まで加工する。
加工領域(Rn、S1)の加工が終了した後、すなわち、S1座標の円周方向1周分の加工が全て完了した後、ワークWを水平方向に所定量だけ移動し、加工領域(R1,S1)に水平方向に隣接する加工領域(R1,S2)を加工する。
上記と同様の手順を繰り返し、加工領域(Rn,Sm)まで加工をし、ワークWの全領域の加工が完了する。なお、ここでは、円周方向の加工を先に実行する場合を例に説明したが、水平方向の加工を先に行った後、円周方向の加工を行っても構わない。
ワークWの直径は、例えば、100mmである。加工領域のサイズは、例えば、幅30mm×高さ(回転方向)3.14159mmである。この場合、ワークWを100回回転方向に移動させ、加工領域(R1、S1)から加工領域(R100、S1)まで100回加工することで円周方向1周分の加工が終了する。
図3は、本実施形態のレーザ加工方法の説明図である。図3は、ワークWに網目状のパターンを形成する場合の説明図である。図3は、図2に示す加工領域(R1,S1)と、加工領域(R2,S1)を加工する場合を例示している。
最初に、加工領域(R1,S1)を加工する。まず、網目状のパターンの右下がりのラインを形成する。ラインは、レーザビームスキャナ18によりパルスレーザビームPL4を走査することにより形成する(図3(a))。
次に、網目状のパターンの左下がりのラインを形成する(図3(b))。
次に、ワークWを、回転移動機構20aを用いて、円周方向に移動させて停止する。そして、加工領域(R1,S1)の円周方向に隣接する加工領域(R2,S1)を加工する。
まず、網目状のパターンの右下がりのラインを形成する(図3(c))。その後、網目状のパターンの左下がりのラインを形成する(図3(d))。
加工領域(R1,S1)のパターンと、加工領域(R2,S1)のパターンがずれることなく接続されるようにするには、パルスレーザビームPL4の照射位置の高い位置精度が要求されることになる。
図4、図5、図6は、本実施形態のレーザ加工方法の説明図である。
本実施形態のレーザ加工方法では、ワークWを実際に加工する前に、パルスレーザビームPL4を照射しない状態で、加工領域(Rr,Ss)毎の、レーザビームスキャナ18の加速度を測定する。レーザビームスキャナ18の加速度は、所定の走査速度でレーザビームスキャナ18を動作させて測定する。所定の走査速度とは、例えば、レーザビームスキャナ18の仕様上の最大走査速度とする。
レーザビームスキャナ18の加速度は、レーザビームスキャナ18の振動の指標となる。レーザビームスキャナ18の加速度が大きい程、レーザビームスキャナ18の振動が大きいとみなすことができる。
図4は、加工領域(Rr,Ss)毎の加速度の検出結果を示している。加工領域(Rr,Ss)毎に加速度のマッピングを行った結果である。検出加速度は、加工領域(Rr,Ss)毎に異なる。これは、例えば、ロール形状のワークWが除振台22に与える荷重が、ワークWの位置によって偏荷重となり、レーザビームスキャナ18の振動が変化することにより生ずる。特に、ワークWを水平方向に移動させると、ワークWが除振台22に与える荷重の変化が大きくなり、レーザビームスキャナ18の振動の変化が大きくなると考えられる。
検出加速度は、例えば、加工領域(Rr,Ss)における最大加速度である。最大加速度に代えて平均加速度を用いることも可能である。
例えば、ワークWを加工領域(R1,S1)(第1の加工領域)が加工可能な位置に移動する。次に、ワークWを静止させた状態で、加工領域(R1,S1)にパルスレーザビームPL4を照射せずに、レーザビームスキャナ18を、所定の走査速度で走査する。そして、加速度計24を用いて、レーザビームスキャナ18の加速度(第1の加速度)を測定する。検出された加速度はA11である。
次に、ワークWを加工領域(R1,S1)に隣接する加工領域(R2,S1)(第2の加工領域)が加工可能な位置に移動する。次に、ワークWを静止させた状態で、加工領域(R2,S1)にパルスレーザビームPL4を照射せずに、レーザビームスキャナ18を、所定の走査速度で走査する。そして、加速度計24を用いて、レーザビームスキャナ18の加速度(第2の加速度)を測定する。検出された加速度はA21である。
図5は、加速度区分と許容走査速度との関係を示す。所定の走査速度でレーザビームスキャナ18を動作させた場合に、検出加速度Arsが得られた加工領域(Rr,Ss)に対し、当該加工領域(Rr,Ss)で許容される許容走査速度を決定する。
図5では、加速度を10の加速度区分Ast1〜Ast10に分類し、それぞれの区分について許容走査速度V1〜V10を規定している。加速度区分Ast1〜Ast10において、加速度は、Ast1が最大で、Ast10が最小となる。許容走査速度V1〜V10において、走査速度はV1が最小でV10が最大となる。後に、詳述するように、レーザビームスキャナ18の走査速度を小さくすれば、レーザビームスキャナ18の加速度が抑制され、振動が抑制されると考えられる。
許容走査速度は、例えば、以下のように求める。例えば、全ての加工領域(Rr,Ss)に適用する許容最大加速度をあらかじめ定める。そして、各加速度区分Ast1〜Ast10の加速度を示す加工領域(Rr,Ss)で、レーザビームスキャナ18の走査速度を変化させ、上記許容最大加速度を超えない走査速度をそれぞれ求める。許容走査速度は、例えば、図5に示すように、Vα=V1×α(2≦α≦10)である。
図6は、加工領域(Rr,Ss)毎に規定される実行走査速度のテーブルを示す。図6に示すテーブルが走査速度情報(第1の情報)の一具体例となる。
図4で得られた加工領域(Rr,Ss)の検出加速度Arsが加速度区分Ast1〜Ast10のいずれかに該当するか判定し、図5から許容走査速度を求める。そして、図6に示すように、加工領域(Rr,Ss)毎に求められた許容走査速度を超えないように、実行走査速度が定められる。本実施形態では、許容走査速度と実行走査速度を一致させる。
図6に示すテーブルで、加工領域(Rr,Ss)中の任意の加工領域である第1の加工領域の所定の走査速度におけるレーザビームスキャナ18の加速度を第1の加速度、第1の加工領域のレーザビームスキャナ18の走査速度を第1の走査速度、第1の加工領域に隣接する第2の加工領域の所定の走査速度におけるレーザビームスキャナ18の加速度を第2の加速度、第2の加工領域のレーザビームスキャナ18の走査速度を第2の走査速度とする。第2の加速度が第1の加速度よりも大きい場合は、第2の走査速度は第1の走査速度よりも小さくなっている。また、第2の加速度が第1の加速度よりも小さい場合は、第2の走査速度は第1の走査速度よりも大きくなっている。
例えば、加工領域(R1,S1)(第1の加工領域)の加速度(第1の加速度)は、A11で加速度区分はAst3となる。加工領域(R1,S1)の許容走査速度はV3となる。加工領域(R1,S1)の実行走査速度もV3である。
また、例えば、加工領域(R1,S1)に隣接する加工領域(R2,S1)(第2の加工領域)の加速度(第2の加速度)は、A21で加速度区分はAst5となる。加工領域(R2,S1)の許容走査速度はV5となる。加工領域(R2,S1)の実行走査速度もV5である。
加工領域(R2,S1)(第2の加工領域)の加速度(第2の加速度)が、加工領域(R1,S1)(第1の加工領域)の加速度(第1の加速度)よりも小さいため、加工領域(R2,S1)(第2の加工領域)の実行走査速度は、加工領域(R1,S1)(第1の加工領域)の実行走査速度よりも大きくなっている。
ワークWを実際に加工する際には、加工領域(R1,S1)(第1の加工領域)に対し、実行走査速度V3(第1の走査速度)でレーザビームスキャナ18を動作させてパルスレーザビームPL4を照射し、加工領域(R1,S1)を2次元的に加工する。また、加工領域(R2,S1)(第2の加工領域)に対し、実行走査速度V5(第2の走査速度)でレーザビームスキャナ18を動作させてパルスレーザビームPL4を照射し、加工領域(R2,S1)を2次元的に加工する。
レーザ加工装置100は、パルスレーザビームを照射しないで動作させた場合でも、パルスレーザビームを照射した場合と同様の動作が実現される。具体的には、パルスレーザビームの照射の有無に関わらず、同様の振動状態が再現される。このため、本実施形態の加工方法が有効に機能する。
以下、本実施形態の作用及び効果について説明する。
図7、図8、及び、図9は、本実施形態の作用及び効果の説明図である。
図7は、回転方向に隣接する2つの加工領域の接続部の電子顕微鏡写真である。図7では、ロール形状のワークW表面のニッケルめっき膜に網目状のパターンを形成している。
網目状のパターンの線幅は10μmである。2つの加工領域の間で、パターンがずれて接続されておらず、連続する網目状のパターンが形成されていないことが分かる。
レーザビームスキャナ18を走査する際に生じる振動が大きくなることによって、パルスレーザビームPL4の照射位置の位置精度が低下し、パターンの接続不良が生じていると考えられる。
図8は、レーザビームスキャナ18の走査速度とレーザビームスキャナ18の加速度との関係を示す図である。図8から分かるように、レーザビームスキャナ18の走査速度が大きくなると、レーザビームスキャナ18の加速度が大きくなる。言い換えると、レーザビームスキャナ18の走査速度が大きくなると、レーザビームスキャナ18の振動が大きくなる。
図8の結果から、レーザビームスキャナ18の走査速度を十分小さくすると、レーザビームスキャナ18の振動が抑制されると考えられる。したがって、パルスレーザビームPL4の照射位置の位置精度が向上し、パターンの接続不良が抑制されると考えられる。もっとも、レーザビームスキャナ18の走査速度が小さすぎると、ワークWの加工時間が長大となり問題となる。
本実施形態のレーザ加工装置及びレーザ加工方法では、あらかじめ、加工領域(Rr,Ss)毎に規定される実行走査速度のテーブルを準備する。レーザビームスキャナ18の加速度が小さい、すなわち、振動の小さい領域では、レーザビームスキャナ18の走査速度を大きくして、加工時間の低減が実現できる。一方、レーザビームスキャナ18の加速度が大きい、すなわち、振動の大きい領域では、レーザビームスキャナ18の走査速度を小さくして、パルスレーザビームPL4の照射位置の位置精度を高くし、パターンの接続不良の発生を抑制する。したがって、加工時間の低減と接続不良の抑制の両立が実現できる。
図9は、本実施形態のレーザ加工装置及びレーザ加工方法で加工した際の、図7と同一箇所の電子顕微鏡写真である。適切なレーザビームスキャナ18の走査速度で加工することにより、パターンの接続不良が消滅している。
本実施形態のレーザ加工装置及びレーザ加工方法では、あらかじめ、準備された加工領域(Rr,Ss)毎に規定される実行走査速度のテーブルに基づき制御部10が、レーザビームスキャナ18の走査速度を制御して、パルスレーザビームPL4の照射を行う。テーブルは、あらかじめ準備されている。このため、例えば、レーザビームスキャナ18に対して加工中の測定結果をフィードバック制御するような場合と比較して、極めて簡易かつ低コストの構成で、高い位置精度が実現できる。
また、本実施形態によれば、上記実行走査速度のテーブルを基に、ワークWの加工前にワークWの加工時間の予測が可能である。加工領域(Rr,Ss)毎に定められた実行走査速度から、加工領域(Rr,Ss)毎の加工時間が求められ、加工領域(Rr,Ss)毎の加工時間の総和を計算することで、ワークWの予測加工時間が高い精度で求められる。
また、例えば、ワークWの加工中のレーザビームスキャナ18の加速度をモニタリングすることにより、加工領域(Rr,Ss)で想定されている加速度区分を超える振動異常が生じた場合に、警告を発するよう構成することも可能である。その場合は、例えば、コンピュータ200の表示画面に警告を表示する。また、例えば、新たに警告灯を付加することも可能である。
さらに、加速度区分を超えた加工領域(Rr,Ss)を記憶させることも可能である。加速度区分を超えた加工領域(Rr,Ss)は、例えば、座標値として、コンピュータ200に記憶させる。
また、本実施形態では、レーザビームスキャナ18の加速度のデータは、無線送信部26により無線通信で、コンピュータ200に送信する。このため、送信のための配線が不要になる。したがって、配線が加速度の測定に与える影響が排除され、精度の高い加速度の測定が可能となる。
なお、レーザビームスキャナ18の加速度のデータを、配線を用いてコンピュータ200に送信する形態を採用することも可能である。
以上、本実施形態のレーザ加工装置及びレーザ加工方法によれば、レーザビームの照射位置について高い位置精度を実現することが可能である。したがって、例えば、隣接する加工領域の間のパターンの接続不良の発生を抑制できる。また、簡易かつ低コストの構成でレーザビームの高い位置精度を実現することが可能である。また、加工時間の予測が高い精度で可能となる。また、レーザビームスキャナの振動異常が生じた場合に警告を発することが可能となる。
(第2の実施形態)
本実施形態のレーザ加工装置及びレーザ加工方法は、隣接する加工領域の加速度の差分を考慮して、レーザビームスキャナの実行走査速度を決定すること以外は、第1の実施形態と同様である。以下、第1の実施形態と重複する内容については記述を省略する。
図10は、本実施形態のレーザ加工方法の説明図である。図10は、加工領域(Rr,Ss)毎に規定される実行走査速度のテーブルを示す。
例えば、加工領域(R1,S2)(第1の加工領域)の加速度区分はAst1で許容走査速度はV1であるのに対し、加工領域(R2,S2)(第2の加工領域)の加速度区分はAst10で許容走査速度はV10である。加工領域(R1,S2)と加工領域(R2,S2)の間の加速度区分及び許容走査速度の差分が大きい。本実施形態では、加工領域(R2,S2)(第2の加工領域)の実行走査速度を、許容走査速度V10より小さいV4とする。
また、例えば、加工領域(R1,S3)(第1の加工領域)の加速度区分はAst9で許容走査速度はV9であるのに対し、加工領域(R2,S3)(第2の加工領域)の加速度区分はAst2で許容走査速度はV2である。加工領域(R1,S3)と加工領域(R2,S3)との間で、加速度区分及び許容走査速度の差分が大きい。本実施形態では、加工領域(R1,S3)(第1の加工領域)の実行走査速度を、許容走査速度V9より小さいV5とする。
隣接する加工領域の間で加速度区分の差分が大きい、言い換えれば、所定の走査速度での加速度の差分が大きい場合、例え、それぞれの加工領域の許容走査速度で加工しても、パターンの接続不良が生じるおそれが高い。したがって、本実施形態では、隣接する加工領域の間で加速度区分の差分が大きい場合は、実行走査速度の差分が小さくなるように、実行走査速度を決定する。よって、第1の実施形態に対し、更に、隣接する加工領域の間のパターンの接続不良の発生を抑制できる。
(第3の実施形態)
本実施形態のレーザ加工装置は及びレーザ加工方法は、レーザビームスキャナの走査速度に応じて、パルスピッカーを用いてパルスレーザビームの通過割合を変化させること以外は、第1の実施形態と同様である。以下、第1の実施形態と重複する内容については記述を省略する。
図11及び図12は、本実施形態のレーザ加工方法の説明図である。
ワークW表面へのパルスレーザビームPL4の照射量は、パルス通過割合が一定であるとすると、実行走査速度が大きければ小さくなり、実行走査速度が小さければ大きくなる。ワークWの加工形状を均一にする観点からは、パルスレーザビームPL4の照射量は、実行走査速度が変化しても一定であることが好ましい。
図11は、実行走査速度とパルスレーザビームPL4の通過割合(以下、パルス通過割合とも称する)との関係の一例を示す図である。ここで、パルスレーザビームPL4の通過割合とは、レーザ発振器12から出射されるパルスレーザビームPL1に含まれるパルス数に対する、パルスピッカー14を通過したパルスレーザビームPL2に含まれるパルス数の割合を意味する。
図11のように、異なる実行走査速度に対して、パルス通過割合を調整することで、実行走査速度が変化してもパルスレーザビームPL4の照射量を一定にすることが可能である。照射量を一定にすることで、ワークWの表面での単位長さあたりの加工の熱量が一定になる。したがって、パターンの深さや幅が均一になる。
図12は、加工領域(Rr,Ss)毎に規定されるパルス通過割合のテーブルを示す。図12に示すテーブルがパルス通過割合情報(第2の情報)の一具体例となる。
図11に基づき、加工領域(Rr,Ss)毎に実行走査速度に対応するパルス通過割合が図12のように規定される。
図12に示すテーブルで、加工領域(Rr,Ss)中の任意の加工領域である第1の加工領域のレーザビームスキャナ18の走査速度を第1の走査速度、第1の加工領域に隣接する第2の加工領域のレーザビームスキャナの走査速度を第2の走査速度とする。第2の走査速度が第1の走査速度より大きい場合は、第2の加工領域におけるパルスレーザビームPL4の通過割合を、パルスピッカー14を用いて第1の加工領域におけるパルスレーザビームPL4の通過割合よりも大きくする。第2の走査速度が第1の走査速度より小さい場合は、第2の加工領域におけるパルスレーザビームPL4の通過割合を、パルスピッカー14を用いて第1の加工領域におけるパルスレーザビームPL4の通過割合よりも小さくする。
例えば、加工領域(R1,S1)(第1の加工領域)のレーザビームスキャナ18の走査速度(第1の走査速度)は、V3である。また、加工領域(R1,S1)に隣接する加工領域(R2,S1)(第2の加工領域)のレーザビームスキャナ18の走査速度(第2の走査速度)は、V5であり、加工領域(R1,S1)の走査速度よりも大きい。加工領域(R2,S1)におけるパルスレーザビームPL4の通過割合であるP5は、加工領域(R1,S1)におけるパルスレーザビームPL4の通過割合であるP3よりも大きい。
制御部10は、パルス通過割合情報(第2の情報)に基づき、パルスピッカー14によるパルスレーザビームPL1の通過と遮断(オン/オフ)を切り替える。これにより、パルスレーザビームPL4のパルス通過割合を制御する。
本実施形態によれば、第1の実施形態及び第2の実施形態の効果に加え、加工領域(Rr,Ss)毎のパルスレーザビームPL4の照射量を一定にすることで、パターンの均一性を向上させることが可能となる。
本実施形態では、加工領域(Rr,Ss)毎のパルスレーザビームPL4の照射量を一定にするように、パルス通過割合を制御することで、第1の実施形態及び第2の実施形態の効果に加え、パターンの均一性を向上させることが可能となる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。レーザ加工装置、レーザ加工方法等で、本発明の説明に直接必要としない部分については記載を省略したが、必要とされるレーザ加工装置、レーザ加工方法を適宜選択して用いることができる。その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全てのレーザ加工装置及びレーザ加工方法は、本発明の範囲に包含される。
例えば、第1ないし第3の実施形態では、ロール形状のワークWを加工する場合を例に説明したが、本発明は、ロール形状のワークWの加工に限定されるものではない。例えば、平板形状のワークWにも本発明を適用することは可能である。その場合、ワーク支持部20としては、例えば、X方向とY方向に移動するXYステージを用いることが可能である。
また、第1及び第2の実施形態では、レーザ発振器12としてパルスレーザを例に説明したが、連続レーザにも本発明を適用することは可能である。
また、第1ないし第3の実施形態では、一つの加工領域(Rr,Ss)においては、レーザビームスキャナの走査速度が一定である場合を例に説明したが、例えば、隣接する加工領域近傍の領域においてのみ、走査速度を低減させて、レーザビームスキャナの振動を抑制する構成とすることも可能である。
また、第1ないし第3の実施形態では、走査速度情報(第1の情報)等を作成するデータ処理装置が、レーザ加工装置100の外部に設けられたコンピュータ200である場合を例に説明したが、例えば、データ処理装置の機能が、制御部10に含まれる構成とすることも可能である。
また、第1ないし第3の実施形態では、ニッケルめっき膜にパターンを形成する場合を例に説明したが、パターンを形成する材料はニッケルめっき膜に限定されない。例えば、ニッケルめっき膜以外の金属、又は、ウレタン樹脂等の樹脂にパターンを形成することも可能である。
10 制御部
12 レーザ発振器
14 パルスピッカー
18 レーザビームスキャナ
20 ワーク支持部(支持部)
22 除振台
24 加速度計
26 無線送信部
30 無線受信部(受信部)
32 記憶部
100 レーザ加工装置
200 コンピュータ(データ処理装置)
W ワーク(被加工物)

Claims (12)

  1. パルスレーザビームを出射するレーザ発振器と、
    前記パルスレーザビームを被加工物に対し2次元的に走査するレーザビームスキャナと、
    前記レーザビームスキャナの加速度を測定する加速度計と、
    前記被加工物を支持し、前記レーザビームスキャナに対する前記被加工物の相対移動を可能にする支持部と、
    前記被加工物の複数の加工領域毎に前記レーザビームスキャナの走査速度を規定するあらかじめ作成された第1の情報に基づき、前記レーザビームスキャナの走査速度を制御する制御部と、
    を備え
    前記第1の情報は、前記被加工物の複数の加工領域毎に測定された所定の走査速度における前記レーザビームスキャナの加速度のデータに基づくことを特徴とするレーザ加工装置。
  2. 前記被加工物はロール形状であることを特徴とする請求項1記載のレーザ加工装置。
  3. 前記加速度計で測定された前記レーザビームスキャナの加速度のデータを、前記第1の情報を作成するデータ処理装置に送信可能な無線送信部を、更に備えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のレーザ加工装置。
  4. 前記第1の情報を記憶可能な記憶部を、更に備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3いずれか一項記載のレーザ加工装置。
  5. 前記第1の情報を生成するデータ処理装置から、前記第1の情報を受信可能な受信部を、更に備えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のレーザ加工装置。
  6. 前記レーザ発振器と、前記レーザビームスキャナと、前記支持部とが載置された除振台を、更に備えることを特徴とする請求項1ないし請求項5いずれか一項記載のレーザ加工装置。
  7. 前記第1の情報において、前記被加工物の第1の加工領域の前記所定の走査速度における前記レーザビームスキャナの加速度を第1の加速度、前記第1の加工領域の前記レーザビームスキャナの走査速度を第1の走査速度、前記第1の加工領域に隣接する第2の加工領域の前記所定の走査速度における前記レーザビームスキャナの加速度を第2の加速度、前記第2の加工領域の前記レーザビームスキャナの走査速度を第2の走査速度とした場合に、
    前記第2の加速度が前記第1の加速度よりも大きい場合は、前記第2の走査速度は前記第1の走査速度よりも小さく、
    前記第2の加速度が前記第1の加速度よりも小さい場合は、前記第2の走査速度は前記第1の走査速度よりも大きいことを特徴とする請求項1ないし請求項6いずれか一項記載のレーザ加工装置。
  8. 前記パルスレーザビームの通過と遮断の切り替えを行うパルスピッカーを、更に備え、
    前記被加工物の複数の加工領域毎に前記パルスレーザビームの通過割合を規定するあらかじめ作成された第2の情報に基づき、前記制御部が前記パルスピッカーによる前記切り替えを制御することを特徴とする請求項1ないし請求項いずれか一項記載のレーザ加工装置。
  9. パルスレーザビームを出射するレーザ発振器と、前記パルスレーザビームを被加工物に対し2次元的に走査するレーザビームスキャナと、前記レーザビームスキャナの加速度を測定する加速度計と、前記被加工物を支持し、前記レーザビームスキャナに対する前記被加工物の相対移動を可能にする支持部と、を備えるレーザ加工装置を用いたレーザ加工方法であって、
    前記被加工物の第1の加工領域を加工可能な位置に前記被加工物を移動し、前記レーザビームスキャナを所定の走査速度で動作させ、前記加速度計を用いて前記レーザビームスキャナの第1の加速度を測定し、前記第1の加速度に基づき、前記第1の加工領域の加工の際に適用する前記レーザビームスキャナの走査速度である第1の走査速度を決定し、
    前記第1の加工領域に隣接する第2の加工領域を加工可能な位置に前記被加工物を移動し、前記レーザビームスキャナを前記所定の走査速度で動作させ、前記加速度計を用いて前記レーザビームスキャナの第2の加速度を測定し、前記第2の加速度に基づき、前記第2の加工領域の加工の際に適用する前記レーザビームスキャナの走査速度である第2の走査速度を決定し、
    前記第1の加工領域に対し、前記第1の走査速度で前記レーザビームスキャナを動作させて前記パルスレーザビームを照射し、前記第1の加工領域を2次元的に加工し、
    前記第2の加工領域に対し、前記第2の走査速度で前記レーザビームスキャナを動作させて前記パルスレーザビームを照射し、前記第2の加工領域を2次元的に加工することを特徴とするレーザ加工方法。
  10. 前記第2の加速度が前記第1の加速度よりも大きい場合は、前記第2の走査速度を前記第1の走査速度よりも小さくし、
    前記第2の加速度が前記第1の加速度よりも小さい場合は、前記第2の走査速度を前記第1の走査速度よりも大きくすることを特徴とする請求項記載のレーザ加工方法。
  11. 前記第1の加速度と前記第2の加速度との差分を考慮し、前記第1の走査速度及び前記第2の走査速度を決定することを特徴とする請求項又は請求項10記載のレーザ加工方法。
  12. 前記レーザ加工装置が、前記パルスレーザビームの通過と遮断の切り替えを行うパルスピッカーを、更に備え、
    前記第2の走査速度が前記第1の走査速度より大きい場合は、前記第2の加工領域における前記パルスレーザビームの通過割合を、前記パルスピッカーを用いて前記第1の加工領域における前記パルスレーザビームの通過割合よりも大きくし、
    前記第2の走査速度が前記第1の走査速度より小さい場合は、前記第2の加工領域における前記パルスレーザビームの通過割合を、前記パルスピッカーを用いて前記第1の加工領域における前記パルスレーザビームの通過割合よりも小さくすることを特徴とする請求項ないし請求項11いずれか一項記載のレーザ加工方法。
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