JP2017144465A - 蒸着用メタルマスク加工方法及び蒸着用メタルマスク加工装置 - Google Patents

蒸着用メタルマスク加工方法及び蒸着用メタルマスク加工装置 Download PDF

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Abstract

【課題】貫通孔の壁面を垂直から傾けた壁面にした蒸着用メタルマスクをパルスレーザ加工で製造する。【解決手段】加工パターンデータ作成手段が、3次元形状目標グリッドデータを作成する手段と、非接触3次元表面精密測定手段が測定した3次元形状データを3次元形状測定グリッドデータに変換する手段と、前記3次元形状目標グリッドデータと前記3次元形状測定グリッドデータの高さの差の3次元形状加工深さグリッドデータを作成する手段と、前記3次元形状加工深さグリッドデータからパルスレーザ加工用の加工フォーマットデータを作成する手段を有し、前記加工フォーマットデータに従って作成したレーザ照射制御信号で照射時間を制御したパルスレーザビームを蒸着用メタルマスクへ照射してアブレーション加工する。【選択図】図1

Description

本発明は、パルスレーザビームにより被加工物表面を加工する蒸着用メタルマスク加工方法および蒸着用メタルマスク加工装置に関する。
近年、例えば有機ELディスプレイには、マイクロメートルオーダーあるいはそれ以下の高精度の微細加工を金属板に施して貫通孔を形成した蒸着用メタルマスクが必要とされている。
蒸着用メタルマスクは、蒸着パターンに併せた開口を有しており、その開口部は複数の貫通孔で構成される。また、多数個の蒸着用メタルマスクが1枚の金属板または、帯状の金属板上に面付け配置されており、配置される貫通孔数はかなり多数となっていて、これらの貫通孔はケミカルエッチング法により一括して加工している。
このケミカルエッチングで作られる蒸着用メタルマスクの貫通孔は、金属板の表面からみると、すり鉢状になっているので、このすり鉢状の凹部を表裏で同じ位置に形成することで、その底部分を繋げて開口させて貫通孔を作ることで、貫通孔部分の金属の厚みは、蒸着用メタルマスクの他の部分の金属部分よりも薄くすることができる。つまりこの貫通孔部分は、気化した蒸着材料を通過させるので、板厚が薄ければ蒸着材料の通過距離が短くなるので、気化した蒸着材料の付着が少なくなるという利点がある。
しかし、ケミカルエッチング加工では、金属板の面内の場所によりエッチング量がばらつくことで、貫通孔径の小さい微細パターンを作ろうとする場合には、孔径が小さい場合には、ケミカルエッチング後の貫通孔のサイズがばらつき、しばしば孔径規格を外れた貫通孔の欠陥部分が発生する。
貫通孔の欠陥部分において、エッチング量が過剰であった場合は金属が必要以上に失われているので、修正はほぼ不可能であるのに対して、エッチング量が少なかった場合は、エッチングを追加して修理することができれば、適切な形状にエッチングして良品にすることができる。
しかし、金属板の一部に発生した欠陥部分を修理するために、その金属板の一部の特定の部分のみをケミカルエッチングで除去することは難しかった。そのため、欠陥部分の見つかった蒸着用メタルマスクのほとんどが修正されずに破棄される問題があった。
この問題に対して、特許文献1では、ケミカルエッチングを使ってメタルマスクの金属板の一方の面からエッチングして金属板に凹部を形成し、その凹部に、加工量を制御しやすく部分的な加工が可能な、熱作用を少なくしてアブレーション加工を行える10ピコ秒やフェムト秒程度の1ナノ秒以下の短パルスレーザ光により貫通孔を形成する技術が開示されていた。これにより、加工の欠陥の少ない蒸着用メタルマスクを製造することができると考えられる。
特開2015−021179号公報
しかし、特許文献1では、短パルスレーザ光による金属加工は、貫通孔部について均一に確実に金属を除去できるという利点があるのに対して、レーザ加工で形成した貫通孔部分は、厚い金属板の部分に、高い垂直な壁面の貫通孔が形成される。そのため、こうして作られた蒸着用メタルマスクで蒸着をすると、蒸着材料が蒸着用メタルマスクを通過する貫通孔の壁面の長さが長くなるので、気化した蒸着材料が壁面に付着して蒸着効率が低下する問題があった。また、気化した蒸着材料が壁面に付着することで貫通孔が詰りやすくなり、それが蒸着用メタルマスクの寿命を短くする問題があった。
そのため、本発明の課題は、貫通孔の壁面を垂直から傾けた壁面にした蒸着用メタルマスクを製造することができる蒸着用メタルマスク加工方法及び蒸着用メタルマスク加工装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、1ナノ秒以下の短パルスのパルスレーザビームを蒸着用メタルマスクに1次元方向に走査するレーザビーム走査系を含むレーザビーム加工ヘッドと、非接触3次元表面精密測定手段と、XYテーブルと、レーザ加工制御手段を備え、該レーザ加工制御手段が加工パターンデータ作成手段を有し、該加工パターンデータ作成手段が、蒸着用メタルマスクの3次元形状データを微小グリッド格子毎に高さを表した3次元形状目標グリッドデータを作成する手段と、前記非接触3次元表面精密測定手段が測定した3次元形状データを3次元形状測定グリッドデータに変換する手段と、前記3次元形状目標グリッドデータと前記3次元形状測定グリッドデータの高さの差の3次元形状加工深さグリッドデータを作成する手段と、前記3次元形状加工深さグリッドデータからパルスレーザ加工用の加工フォーマットデータを作成する手段を有し、前記加工フォーマットデータに従って前記パルスレーザビームの蒸着用メタルマスクへの前記1次元方向への走査に同期させて作成したレーザ照射制御信号で照射時間を制御したパルスレーザビームを蒸着用メタルマスクへ照射してアブレーション加工することを特徴とする蒸着用メタルマスク加工装置である。
本発明は、この構成により、レーザ加工ヘッドが、垂直から傾けた壁面の貫通孔を加工させる3次元形状加工深さグリッドデータに従って、蒸着用メタルマスクの表面上にパルスレーザビームのスポットを照射して蒸着用メタルマスクの、垂直から傾けた壁面の貫通孔の表面の形状を精密に加工することで、貫通孔の壁面を垂直から傾けた壁面にした蒸着用メタルマスクを製造することができる効果がある。
また本発明は、1ナノ秒以下の短パルスのパルスレーザビームを蒸着用メタルマスクに1次元方向に走査するレーザビーム走査系を含むレーザビーム加工ヘッドと、非接触3次元表面精密測定手段と、XYテーブルと、レーザ加工制御手段を備え、該レーザ加工制御手段が加工パターンデータ作成手段を有し、該加工パターンデータ作成手段が、前記非接触3次元表面精密測定手段が蒸着用メタルマスクの貫通孔の周囲の領域の単位加工領域の表面形状を測定した3次元形状データを微小グリッド格子毎に高さを表した3次元形状測定グリッドデータに変換する手段と、前記3次元形状測定グリッドデータから、蒸着用メタルマスクの3次元形状目標グリッドデータを作成する手段と、前記非接触3次元表面精密測定手段が測定した蒸着用メタルマスクの単位加工領域の表面形状から前記加工パターンデータ作成手段が作成した3次元形状測定グリッドデータと前記3次元形状目標グリッドデータの高さの差の3次元形状加工深さグリッドデータを作成する手段と、前記3次元形状加工深さグリッドデータからパルスレーザ加工用の加工フォーマットデータを作成する手段を有し、前記加工フォーマットデータに従って前記パルスレーザビームの蒸着用メタルマスクへの前記1次元方向への走査に同期させて作成したレーザ照射制御信号で照射時間を制御したパルスレーザビームを蒸着用メタルマスクへ照射してアブレーション加工
することを特徴とする蒸着用メタルマスク加工装置である。
また本発明は、1ナノ秒以下の短パルスのパルスレーザビームを蒸着用メタルマスクに1次元方向に走査するレーザビーム走査系を含むレーザビーム加工ヘッドと、非接触3次元表面精密測定手段と、XYテーブルと、レーザ加工制御手段を備えた蒸着用メタルマスク加工装置を用いて、前記レーザ加工制御手段の加工パターンデータ作成手段を用いて、蒸着用メタルマスクの3次元形状データを微小グリッド格子毎に高さを表した3次元形状目標グリッドデータを作成し、前記非接触3次元表面精密測定手段が測定した3次元形状データを3次元形状測定グリッドデータに変換し、前記3次元形状目標グリッドデータと前記3次元形状測定グリッドデータの高さの差の3次元形状加工深さグリッドデータを作成し、前記3次元形状加工深さグリッドデータからパルスレーザ加工用の加工フォーマットデータを作成し、前記加工フォーマットデータに従って前記パルスレーザビームの蒸着用メタルマスクへの前記1次元方向への走査に同期させて作成したレーザ照射制御信号で照射時間を制御したパルスレーザビームを蒸着用メタルマスクへ照射してアブレーション加工することを特徴とする蒸着用メタルマスク加工方法である。
また本発明は、1ナノ秒以下の短パルスのパルスレーザビームを蒸着用メタルマスクに1次元方向に走査するレーザビーム走査系を含むレーザビーム加工ヘッドと、非接触3次元表面精密測定手段と、XYテーブルと、レーザ加工制御手段を備えた蒸着用メタルマスク加工装置を用いて、前記レーザ加工制御手段の加工パターンデータ作成手段を用いて、前記非接触3次元表面精密測定手段が蒸着用メタルマスクの貫通孔の周囲の領域の単位加工領域の表面形状を測定した3次元形状データを微小グリッド格子毎に高さを表した3次元形状測定グリッドデータに変換し、前記3次元形状測定グリッドデータから、蒸着用メタルマスクの3次元形状目標グリッドデータを作成し、前記非接触3次元表面精密測定手段が測定した蒸着用メタルマスクの単位加工領域の表面形状から前記加工パターンデータ作成手段が作成した3次元形状測定グリッドデータと前記3次元形状目標グリッドデータの高さの差の3次元形状加工深さグリッドデータを作成し、前記3次元形状加工深さグリッドデータからパルスレーザ加工用の加工フォーマットデータを作成し、前記加工フォーマットデータに従って前記パルスレーザビームの蒸着用メタルマスクへの前記1次元方向への走査に同期させて作成したレーザ照射制御信号で照射時間を制御したパルスレーザビームを蒸着用メタルマスクへ照射してアブレーション加工することを特徴とする蒸着用メタルマスク加工方法である。
本発明によれば、レーザビーム走査系を含むレーザ加工ヘッドが、垂直から傾けた壁面の貫通孔を加工させる3次元形状加工深さグリッドデータに従って、蒸着用メタルマスクの表面上にパルスレーザビームのスポットを照射して蒸着用メタルマスクの、垂直から傾けた壁面の貫通孔の表面の形状を精密に加工することで、貫通孔の壁面を垂直から傾けた壁面にした蒸着用メタルマスクを製造することができる効果がある。
第1の実施形態の蒸着用メタルマスク加工装置の概略構成図である。 第1の実施形態の蒸着用メタルマスク加工装置のレーザビーム走査系の概略構成図である。 第1の実施形態の蒸着用メタルマスクの3次元形状データの説明図である。 第1の実施形態の蒸着用メタルマスク加工装置の加工パターンデータ作成手段が作成する3次元形状目標グリッドデータのグリッドを説明する蒸着用メタルマスクの平面図である。 第1の実施形態の蒸着用メタルマスク加工装置の加工パターンデータ作成手段が作成する3次元形状加工深さグリッドデータの加工深さHを表す蒸着用メタルマスクの断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態の蒸着用メタルマスク加工方法および蒸着用メタルマスク加工装置について説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態の蒸着用メタルマスク加工装置の概略構成図である。蒸着用メタルマスク加工装置は、レーザ加工ユニット10、XYテーブル40、レーザ加工制御手段20を備えている。ここで、XYテーブル40上に蒸着用メタルマスク用の被加工物(ワークW)の金属板を載置する。
(レーザ加工ユニット10)
本実施形態の蒸着用メタルマスク加工装置は、レーザ加工ユニット10上に一体に、レーザー顕微鏡等の非接触3次元表面精密測定手段11と位置合わせ用カメラ12とレーザビーム加工ヘッド30を設置する。
(非接触3次元表面精密測定手段11)
レーザ加工ユニット10上の非接触3次元表面精密測定手段11は、レーザー顕微鏡等で構成し、蒸着用メタルマスク用の被加工物(ワークW)の蒸着用メタルマスク用の貫通孔W2とその周囲の微細な凹部W1の深さの表面形状を計測する。そして、その表面形状データを加工パターンデータ作成手段25に送信して記憶させる。
(レーザビーム加工ヘッド30)
レーザ加工ユニット10上のレーザビーム加工ヘッド30は、パルスレーザ発振器31、レーザ照射時間制御手段32、ビーム整形器33、レーザビーム走査系を備える。
(パルスレーザ発振器31)
レーザビーム加工ヘッド30のパルスレーザ発振器31は、一定の周波数の超短パルスで出射するps(ピコ秒)レーザビームあるいはfs(フェムト秒)レーザビームのパルスレーザビームPL1を発振する。
パルスレーザ発振器31から射出するパルスレーザビームPL1のレーザ光の波長は、金属板の被加工物(ワークW)の、Cu、Ni、難削材であるSKD11等を含む金属材料の光吸収率光反射率の特性を考慮すると、Nd:YAGレーザの第2高調波(波長:532nm)を用いることが望ましい。
ps(ピコ秒)レーザビームあるいはfs(フェムト秒)レーザビーム等の超短パルスレーザを用いることで、被加工物(ワークW)へのパルスレーザ照射による熱影響が少なくなり、被加工物の熱変形を小さくした加工品質の良いアブレーション加工が行える効果がある。
(レーザ照射時間制御手段32)
図1の様に、レーザビーム加工ヘッド30のレーザ照射時間制御手段32は、パルスレーザ発振器31とレーザビーム走査系との間の光路に設けた音響光学素子(AOM)や、ラマン回折型の電気光学素子(EOM)を用いて、パルスレーザ発振器31からパルスレーザビームPL1の遮断/通過を行ったパルスレーザビームPL2を作成してビーム整形器33に出射する。
詳しくは、レーザ照射時間制御手段32は、レーザ照射駆動信号作成回路23が作成し
たレーザ照射制御信号に従って、パルスレーザビームPL1の遮断/通過を制御して被加工物の加工のためにオン/オフが制御された変調パルスレーザビームPL2を作成する。その変調パルスレーザビームPL2により、被加工物(ワークW)の加工と非加工が切り替えられる。
レーザ照射時間制御手段32を制御するこのレーザ照射制御信号は、レーザ照射駆動信号作成回路23がクロック信号S1に同期させて作成し、レーザ照射制御信号を規定するデータは、加工パターンデータ作成手段25の加工フォーマットデータ作成手段25dが作成する加工フォーマットデータが規定する。
(ビーム整形器33)
パルスレーザビームPL2を受け取ったビーム整形器33は、ビーム径を一定の倍率で拡大するビームエクスパンダを用い、入射したパルスレーザビームPL2のビーム径を拡大したパルスレーザビームPL3にして、レーザビーム走査系へ照射する。
(レーザビーム走査系)
レーザビーム加工ヘッド30のレーザビーム走査系は、図2の様に、一定速度で回転するポリゴンミラーによる1軸スキャンミラー34とfθレンズ35で構成する。その1軸スキャンミラー34の回転速度を、レーザビーム走査系制御部21が一定速度に制御する。
また、レーザビーム走査系は、ポリゴンミラーによる1軸スキャンミラー34の回転位置をロータリエンコーダ等によって検出する回転角センサを備える。そして、回転角センサは、検出した回転角検出信号を基準クロック発振回路22に送る。
基準クロック発振回路22は、その回転角検出信号からレーザ光の走査位置を計算し、その走査位置に同期させたクロック信号S1を発生する。そして、レーザ照射駆動信号作成回路23が、そのクロック信号S1に同期して、加工フォーマットデータ作成手段25dが作成した加工フォーマットデータに従ってレーザ照射制御信号を作成する。
レーザ照射時間制御手段32は、そのレーザ照射制御信号に従ってパルスレーザビームPL1の遮断/通過を制御して、スイッチングされたパルスレーザビームPL2を形成する。
図2の様に、パルスレーザビームPL2をビーム整形器33が整形してパルスレーザビームPL3を形成する。そして、そのパルスレーザビームPL3を一定速度で回転するポリゴンミラーによる1軸スキャンミラー34で反射させて走査させる。
そのレーザ光をfθレンズ35を通して、XYテーブル40上に保持されているワークWの表面を1次元方向に一定の走査速度Vで走査するパルスレーザビームPL4にする。このパルスレーザビームPL4によりワークWの表面を微細加工する。
(XYテーブル40)
XYテーブル40は、その上に被加工物(ワークW)を載置して保持し、パルスレーザビームが走査される1次元方向のX方向と、それに直交するY方向に移動する。XYテーブル40は、蒸着用メタルマスク用の被加工物Wの金属板を架張機構41で張力を加えて保持する。架張機構41は張力計測手段を具備し、被加工物Wに適切な張力を加えて保持する。
XYテーブル40は、被加工物Wの表面を微細加工する動作中は、XYテーブル40を
、レーザビーム加工ヘッド30のレーザビーム走査系が形成するパルスレーザビームPL4の走査方向と直交するY方向に順次に移動させる。
(変形例1)
ここで、被加工物(ワークW)への加工位置をY方向に動かす方式を、XYテーブル40より被加工物(ワークW)をY方向に動かす方式以外の方式に変えた変形例1として、レーザ加工ユニット10を図示しない搬送系により、Y方向に順次移動させて加工位置をY方向に動かすことが可能である。
(レーザ加工制御手段20)
本実施形態の蒸着用メタルマスク加工装置のレーザ加工制御手段20は、半導体集積回路のマイクロプロセッサ(MPU)等の演算手段と半導体メモリ等の記憶手段で構成し、蒸着用メタルマスク加工装置による加工を統合して制御する。
レーザ加工制御手段20は、図1のブロック図の様に、レーザビーム走査系制御部21、基準クロック発振回路22、レーザ照射駆動信号作成回路23、機構駆動制御手段24、および加工パターンデータ作成手段25を含んでいる。
(レーザビーム走査系制御部21)
レーザビーム走査系制御部21はレーザビーム走査系の1軸スキャンミラー34を一定速度で回転させる。レーザ照射駆動信号作成回路23はレーザ照射時間制御手段32を制御し、機構駆動制御手段24は、パルスレーザ発振器31の動作やXYテーブルの動作を制御する。
詳しくは、レーザビーム走査系制御部21は、レーザビーム走査系のポリゴンミラーによる1軸スキャンミラー34を一定速度で回転させる制御をする。
(基準クロック発振回路22)
基準クロック発振回路22は、1軸スキャンミラー34の回転軸の回転角センサの回転角検出信号からレーザ光の走査位置を計算し、その走査位置に同期させたクロック信号S1を発生する。
(レーザ照射駆動信号作成回路23)
そして、レーザ照射駆動信号作成回路23が、そのクロック信号S1に同期して順次に、加工フォーマットデータに従ったレーザ照射制御信号を作成してレーザ照射時間制御手段32に送信する。そして、レーザ照射時間制御手段32がレーザ光をスイッチングすることで、加工フォーマットデータに従ってスイッチングされたパルスレーザビームPL4を、XYテーブル40に載置したワークWの表面に1次元方向に走査させる。
(3次元形状データ)
初めに、外部からレーザ加工制御手段20に、3次元CADのデータ等の3次元形状データを入力する。その3次元形状データは、図3(a)の斜視図と図3(b)の断面図の様に、蒸着用メタルマスク(ワークW)の貫通孔W2とその周囲の凹部W1を表す3次元形状を記述する。
3次元形状データのパラメータとしては、貫通孔W2毎の単位加工領域ARの、貫通孔W2の大貫通孔側の形状データ、小貫通孔側の形状データ、大貫通孔と小貫通孔で形成される凹部W1のテーパー角度θ等の単位加工領域ARの3次元形状の寸法データを有する。また、貫通孔W2のピッチ、X方向の貫通孔W2の個数、Y方向の貫通孔W2の個数、全貫通孔個数などの3次元形状の繰り返し配置を表すデータを記憶する。
この3次元形状データに従って、蒸着用メタルマスクの貫通孔W2の壁面を実質的に構成する凹部W1の面を垂直から傾けて加工することができる。あるいは、この3次元形状データとして、貫通孔W2の部分の壁面を垂直から傾けた壁面の設計データを有する3次元形状データを作成することもできる。
この3次元形状データは、レーザ加工制御手段20の記憶手段に、品種毎にレシピとして登録しておき、加工時には、該レシピをレーザ加工制御手段20が読み出す。
この3次元CADのデータは、レーザ加工制御手段20の演算手段の3次元形状設計ソフトウェアが作成することができる。また、蒸着用メタルマスク加工装置の外部の3次元形状設計手段で設計した3次元CADのデータを入力することもできる。
レーザ加工制御手段20は、加工パターンデータ作成手段25に、蒸着用メタルマスク用の被加工物の金属板のワークWの面の貫通孔W2毎の単位加工領域ARの3次元形状データを送信する。
(加工パターンデータ作成手段25)
加工パターンデータ作成手段25は、3次元形状目標グリッドデータ作成手段25aと、3次元形状測定グリッドデータ作成手段25bと、3次元形状加工深さグリッドデータ作成手段25cと、加工フォーマットデータ作成手段25dで構成する。
(3次元形状目標グリッドデータの作成)
加工パターンデータ作成手段25の3次元形状目標グリッドデータ作成手段25aが、レーザ加工制御手段20から受信した単位加工領域AR毎の3次元形状データに従って、図4の様に、蒸着用メタルマスクの貫通孔W2毎の単位加工領域ARのワークWの貫通孔W2とその周囲の凹部W1の3次元形状を表わす3次元形状データを3次元形状目標グリッドデータに変換する。
すなわち、貫通孔W2毎の単位加工領域ARをグリッドで分割した複数の微小区画(グリッド格子)に分割し各微小区画毎に加工形状の深さ情報を記録した3次元形状目標グリッドデータを作成して記憶する。
(3次元形状測定グリッドデータの作成)
また、加工パターンデータ作成手段25の3次元形状測定グリッドデータ作成手段25bが、非接触3次元表面精密測定手段11が計測した被加工物の表面の3次元形状データを受信し、その3次元形状データを、3次元形状測定グリッドデータに変換して記憶する。
3次元形状測定グリッドデータには、3次元形状目標グリッドデータと同じ寸法の微小グリッド格子(微小区画)毎に表面の高さを記録する。
(3次元形状加工深さグリッドデータの作成)
そして、加工パターンデータ作成手段25の3次元形状加工深さグリッドデータ作成手段25cが、図5の様に、3次元形状目標グリッドデータと3次元形状測定グリッドデータの3次元形状の高さの差の加工深さHを演算して、その高さの差の加工深さHをグリッド毎に記録した3次元形状加工深さグリッドデータを作成する。
(加工フォーマットデータの作成)
更に、加工パターンデータ作成手段25の加工フォーマットデータ作成手段25dが、
3次元形状加工深さグリッドデータを変換してパルスレーザ加工用の加工フォーマットデータを作成する。この加工フォーマットデータは、例えば、レーザビームの1次元方向の1つの走査線毎に、レーザビームの走査位置毎に、パルスレーザビームの光パルス数を指定したテーブル形式のデータである。
このように、パルスレーザビームの光パルス数で記述されたテーブル形式の加工フォーマットデータを作成する場合、加工パターンデータ作成手段25が、深さ情報と位置情報がそれぞれ微小グリッド格子(微小区画)毎にデジタル化された中間データを作成することで、3次元形状データから加工フォーマットデータへのデータ変換が容易にできる効果がある。
(蒸着用メタルマスクの加工手順)
次に、本実施形態の蒸着用メタルマスク加工装置を用いる蒸着用メタルマスクの加工手順を説明する。
(ステップS1)
<3次元形状目標グリッドデータの作成>
蒸着用メタルマスク加工装置のレーザ加工制御手段20の記憶手段に、蒸着用メタルマスクの貫通孔W2毎の単位加工領域ARのワークWの貫通孔W2とその周囲の凹部W1の3次元形状を表わす3次元CADのデータ等の3次元形状データを記憶する。
加工時に、レーザ加工制御手段20が、記憶手段から3次元形状データを読出し、蒸着用メタルマスク用の被加工物の金属板のワークWの面の貫通孔W2毎の単位加工領域ARの3次元形状データを加工パターンデータ作成手段25に入力する。
加工パターンデータ作成手段25の3次元形状目標グリッドデータ作成手段25aは、その単位加工領域ARを複数の微小グリッド格子(微小区画)に分割し、各微小グリッド格子毎に、3次元形状データで指定される加工形状の深さ情報を記録した3次元形状目標グリッドデータを作成して記憶する。
(ステップS2)
<被加工物WをXYテーブルで保持>
先ず、XYテーブル40上の架張機構41に、蒸着用メタルマスク用の金属板の被加工物Wを張力を加えて保持する。架張機構41は、張力計測手段を用いて被加工物Wに加える張力を計測して適切な張力を被加工物Wに加えて保持する。
(ステップS3)
次に、レーザ加工制御手段20が、蒸着用メタルマスク(被加工物W)に予めパターニングされたアライメントマークを位置合わせ用カメラ12で読み込む。
レーザ加工制御手段20は、そのアライメントマークの位置に応じて、XYテーブル40の位置を制御することで蒸着用メタルマスク(被加工物W)の姿勢を矯正し、蒸着用メタルマスク(被加工物W)の原点の位置を、レーザ加工ユニット10の位置に合わせる。
(ステップS4)
レーザ加工制御手段20は、記憶手段に記憶した3次元形状データを読出し、貫通孔W2の設計位置を計算し、機構駆動制御手段24がXYテーブル40を駆動して、蒸着用メタルマスク(被加工物W)の第1の貫通孔W2の位置を、レーザ加工ユニット10の非接触3次元表面精密測定手段11の位置に合わせる。
(ステップS5)
<蒸着用メタルマスクの表面形状の計測処理>
次に、レーザ加工制御手段20が、レーザー顕微鏡等の非接触3次元表面精密測定手段
11を制御して、非接触3次元表面精密測定手段11で蒸着用メタルマスク用の被加工物の貫通孔W2とその周囲の微細な凹部W1の深さの表面形状を計測する。
(ステップS6)
<3次元形状測定グリッドデータの作成処理>
次に、加工パターンデータ作成手段25の3次元形状測定グリッドデータ作成手段25bが、非接触3次元表面精密測定手段11が計測した被加工物の表面の3次元形状データを受信し、その3次元形状データを、3次元形状測定グリッドデータに変換して記憶する。
(ステップS7)
<3次元形状加工深さグリッドデータの作成処理>
次に、加工パターンデータ作成手段25の3次元形状加工深さグリッドデータ作成手段25cが、3次元形状目標グリッドデータと3次元形状測定グリッドデータの差を演算して、3次元形状加工深さグリッドデータを作成する。
(ステップS8)
<加工フォーマットデータの作成処理>
次に、加工パターンデータ作成手段25の加工フォーマットデータ作成手段25dが、3次元形状加工深さグリッドデータを変換してパルスレーザ加工用の加工フォーマットデータを作成する。
(ステップS9)
<蒸着用メタルマスクのレーザアブレーション加工処理>
こうして作成した加工フォーマットデータに基づき、レーザビームの1次元方向の1つの走査線毎に、蒸着用メタルマスク用の被加工物(ワークW)の表面にパルスレーザ加工を行うことで、図3(a)のような蒸着用メタルマスクの形状に被加工物Wを加工する。
先ず、レーザ加工制御手段20はXYテーブル40を駆動して、蒸着用メタルマスク(被加工物W)の第1の貫通孔W2の位置を、レーザ加工ユニット10のレーザビーム加工ヘッド30の位置に合わせる。
レーザ加工制御手段20は、基準クロック発振回路22によりクロック信号S1を発生する。クロック信号S1は、被加工物表面を1次元方向に走査する走査位置に同期させて発生させる。そのために、レーザビーム加工ヘッド30のレーザビーム走査系を構成するポリゴンミラーの1軸スキャンミラー34のロータリエンコーダ等の回転角センサが回転角検出信号を作成して基準クロック発振回路22に送る。
基準クロック発振回路22は、その回転角検出信号からパルスレーザビームPL4の走査位置を算出し、その走査位置に同期させてクロック信号S1を発生する。
次に、レーザ照射駆動信号作成回路23が、加工フォーマットデータに従って、クロック信号S1に同期させたレーザ照射制御信号を順次に作成してレーザ照射時間制御手段32に送信する。
レーザビーム加工ヘッド30は、レーザ発振器よりパルスレーザビームPL1を出射し、レーザ照射時間制御手段32がレーザ照射駆動信号作成回路23から受信したレーザ照射制御信号に従ってパルスレーザビームPL1の通過と遮断を切り替えたパルスレーザビームPL2を作成する。
ここで、レーザ照射駆動信号作成回路23は、加工フォーマットデータに従って、クロック信号S1に同期させたレーザ照射制御信号を順次に作成してレーザ照射時間制御手段32に送信する。
こうしてクロック信号S1に同期させて通過と遮断を切り替えたパルスレーザビームPL2を、ビーム整形器33で所要の形状に整形して、ポリゴンミラー等のレーザビーム走査系により被加工物表面にX方向の1次元方向に走査するパルスレーザビームPL4にする。このパルスレーザビームPL4を被加工物の表面に照射して被加工物の表面を加工する。
レーザ加工制御手段20は、被加工物の表面を加工するパルスレーザビームをレーザビーム走査系が1次元方向に1走査した後に、被加工物を載置したXYテーブル40をX方向の走査方向に直交するY方向に駆動し、次の1次元方向の走査による加工を被加工物の表面に施す。
このパルスレーザビームPL4のワークWの表面での各照射スポットでワークWの金属板をアブレーション加工する。すなわち、各走査によるパルスレーザビームPL4の照射光をレーザ照射制御信号の指定する時間の間に、ps(ピコ秒)レーザビームあるいはfs(フェムト秒)レーザビームのパルスを、所定回数投射する。それにより、蒸着用メタルマスク用のワークWの金属板に、深さおよび開口幅が数十μm程度の微細な凹部W1と貫通孔W2とを形成する。
この様にパルスレーザビームPL4を走査して加工することで、蒸着用メタルマスクの貫通孔W2の部分の壁面を垂直から傾けて形成することができる。又は、実質的に貫通孔W2の壁面を構成する凹部W1の面を垂直から傾けて加工することができる。
以上で説明した様に、本実施形態の蒸着用メタルマスク加工装置は、非接触3次元表面精密測定手段11とレーザビーム加工ヘッド30とXYテーブル40とレーザ加工制御手段20を備える。特に、蒸着用メタルマスク加工装置の非接触3次元表面精密測定手段11を用いて蒸着用メタルマスクの貫通孔W2とその周囲の微細な凹部W1の深さを精密に測定する。
また、レーザ加工制御手段20が加工パターンデータ作成手段25を含み、加工パターンデータ作成手段25が、3次元形状目標グリッドデータと3次元形状測定グリッドデータを作成し、3次元形状目標グリッドデータと3次元形状測定グリッドデータの差の3次元形状加工深さグリッドデータを作成し、それを用いてパルスレーザ加工用の加工フォーマットデータを作成する。
そして、レーザビーム走査系が、垂直から傾けた壁面の貫通孔を加工させる3次元形状加工深さグリッドデータに従って、レーザビーム加工ヘッド30とXYテーブル40を用いて、被加工物Wの蒸着用メタルマスクの表面上にパルスレーザビームPL4のスポットを照射する。
それにより、被加工物Wに、蒸着用メタルマスクの表面の微細な凹部W1と貫通孔W2とを精密に加工して精密な蒸着用メタルマスクを製造することができる効果がある。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態は、第1の実施形態と同様に、蒸着用メタルマスク製造装置が、レーザ加工ユニット10、XYテーブル40、レーザ加工制御手段20を備え、XYテーブル40上に蒸着用メタルマスク用の被加工物(ワークW)の金属板を載置する。
そして、レーザ加工ユニット10上に一体に、レーザー顕微鏡等の非接触3次元表面精密測定手段11と位置合わせ用カメラ12とレーザビーム加工ヘッド30を設置する。
第2の実施形態が第1の実施形態と相違する点は、非接触3次元表面精密測定手段11を用いて単位加工領域ARの貫通孔W2とその周囲の微細な凹部W1の深さの表面形状を計測し、その表面形状データを用いて、単位加工領域ARの3次元形状データを作成する点である。
(蒸着用メタルマスクの加工手順)
すなわち、第2の実施形態では、レーザ加工制御手段20が、外部からは、蒸着用メタルマスク(被加工物W)の貫通孔W2のピッチ、X方向の貫通孔W2の個数、Y方向の貫通孔W2の個数、全貫通孔個数などの貫通孔W2の繰り返し配置データのみを受け取る。そして、以下のステップS1からステップS10の手順で蒸着用メタルマスクを加工する。
(ステップS1)
先ず、レーザ加工制御手段20が、外部から受け取った全貫通孔個数などの貫通孔W2の繰り返し配置データに基いて、蒸着用メタルマスク(被加工物W)の貫通孔W2の位置を計算する。
(ステップS2)
次に、レーザ加工制御手段20が、機構駆動制御手段24を用いてXYテーブル40を駆動して、蒸着用メタルマスク(被加工物W)の貫通孔W2の位置を、非接触3次元表面精密測定手段11の位置に合わせ、3箇所以上の貫通孔W2の位置で以下のステップS3の処理を繰り返す。
(ステップS3)
<単位加工領域ARの表面形状の計測を複数個所で実行>
次に、非接触3次元表面精密測定手段11が単位加工領域ARの貫通孔W2とその周囲の微細な凹部W1の深さの表面形状を計測し、その表面形状データを加工パターンデータ作成手段25に入力する。
(ステップS4)
<複数の3次元形状測定グリッドデータの作成>
加工パターンデータ作成手段25の3次元形状測定グリッドデータ作成手段25bが、非接触3次元表面精密測定手段11が3個所以上の貫通孔W2の位置で計測した表面形状データを、各箇所毎の3次元形状測定グリッドデータに変換して記憶する。
(ステップS5)
<基準にする3次元形状目標グリッドデータの作成>
加工パターンデータ作成手段25は、そのデータのうち、互いに類似する大多数の3次元形状測定グリッドデータを元にして、基準にする3次元形状目標グリッドデータを作成する。
(ステップS6)
<各貫通孔W2の表面形状の計測処理>
次に、レーザ加工制御手段20は、各貫通孔W2の位置毎に、非接触3次元表面精密測定手段11を用いて単位加工領域ARの貫通孔W2とその周囲の微細な凹部W1の深さの表面形状を計測し、その表面形状データを加工パターンデータ作成手段25に入力する。
(ステップS7)
<3次元形状測定グリッドデータの作成>
加工パターンデータ作成手段25の3次元形状測定グリッドデータ作成手段25bがその単位加工領域ARの表面形状データを3次元形状測定グリッドデータに変換して記憶する。
(変形例2)
変形例2として、レーザ加工制御手段20は、各貫通孔W2の位置毎に、非接触3次元
表面精密測定手段11以外の貫通孔W2の開口形状を測定するだけのより高速に動作する貫通孔形状計測手段を用いて検査することができる。
(ステップS6’)
<貫通孔W2の表面形状の計測処理>
その計測の結果、貫通孔W2の開口形状が通常の貫通孔W2の形状よりも規定値以上に異なる場合は、改めて、非接触3次元表面精密測定手段11を用いて単位加工領域ARの貫通孔W2とその周囲の微細な凹部W1の深さの表面形状を精密に計測しその表面形状データを加工パターンデータ作成手段25に入力する。
(ステップS7’)
<3次元形状測定グリッドデータの作成>
加工パターンデータ作成手段25の3次元形状測定グリッドデータ作成手段25bが非接触3次元表面精密測定手段11が計測した表面形状データを3次元形状測定グリッドデータに変換して記憶する。
(ステップS8)
<3次元形状加工深さグリッドデータの作成>
次に、加工パターンデータ作成手段25の3次元形状加工深さグリッドデータ作成手段25cが、図5の様に、3次元形状目標グリッドデータと3次元形状測定グリッドデータの3次元形状の高さの差の加工深さHを演算して、その高さの差の加工深さHをグリッド毎に記録した3次元形状加工深さグリッドデータを作成する。
(ステップS9)
<加工フォーマットデータの作成>
次に、加工パターンデータ作成手段25の加工フォーマットデータ作成手段25cが、3次元形状加工深さグリッドデータを変換してパルスレーザ加工用の加工フォーマットデータを作成する。
(ステップS10)
<蒸着用メタルマスクのレーザアブレーション加工処理>
次に、第1の実施形態と同様に、この加工フォーマットデータに基づき、レーザビームの1次元方向の1つの走査線毎に、蒸着用メタルマスク用の被加工物(ワークW)の表面にパルスレーザ加工を行うことで、図3(a)のような蒸着用メタルマスクの形状に被加工物Wを加工する。
第2の実施形態は、以上の構成により、単位加工領域ARの貫通孔W2とその周囲の微細な凹部W1の深さの表面形状データを用意しないでも、非接触3次元表面精密測定手段11を用いて単位加工領域ARの貫通孔W2とその周囲の微細な凹部W1の深さの表面形状を精密に計測することでその表面形状データを作成することができる効果がある。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、上述した実施形態は本発明を限定するものではなく、パルスレーザ発振器31としては、YAGレーザの他に、被加工物材により適宜に選択した単一波長帯レーザあるいは複数波長帯レーザを出射するものを使用することができる。
また、1軸スキャンミラー34はポリゴンミラーに限定されず、ガルバノスキャナを1軸スキャンミラー34に用いることもできる。
10・・・レーザ加工ユニット
11・・・非接触3次元表面精密測定手段
12・・・位置合わせ用カメラ
20・・・レーザ加工制御手段
21・・・レーザビーム走査系制御部
22・・・基準クロック発振回路
23・・・レーザ照射駆動信号作成回路
24・・・機構駆動制御手段
25・・・加工パターンデータ作成手段
25a・・・3次元形状目標グリッドデータ作成手段
25b・・・3次元形状測定グリッドデータ作成手段
25c・・・3次元形状加工深さグリッドデータ作成手段
25d・・・加工フォーマットデータ作成手段
30・・・レーザビーム加工ヘッド
31・・・パルスレーザ発振器
32・・・レーザ照射時間制御手段
33・・・ビーム整形器
34・・・1軸スキャンミラー
35・・・fθレンズ
40・・・XYテーブル
41・・・架張機構
AR・・・単位加工領域
H・・・加工深さ
PL1、PL2、PL3、PL4・・・パルスレーザビーム
W・・・蒸着用メタルマスク用の被加工物(ワーク)
W1・・・凹部
W2・・・貫通孔

Claims (4)

  1. 1ナノ秒以下の短パルスのパルスレーザビームを蒸着用メタルマスクに1次元方向に走査するレーザビーム走査系を含むレーザビーム加工ヘッドと、
    非接触3次元表面精密測定手段と、
    XYテーブルと、
    レーザ加工制御手段を備え、
    該レーザ加工制御手段が加工パターンデータ作成手段を有し、
    該加工パターンデータ作成手段が、
    蒸着用メタルマスクの3次元形状データを微小グリッド格子毎に高さを表した3次元形状目標グリッドデータを作成する手段と、
    前記非接触3次元表面精密測定手段が測定した3次元形状データを3次元形状測定グリッドデータに変換する手段と、
    前記3次元形状目標グリッドデータと前記3次元形状測定グリッドデータの高さの差の3次元形状加工深さグリッドデータを作成する手段と、
    前記3次元形状加工深さグリッドデータからパルスレーザ加工用の加工フォーマットデータを作成する手段を有し、
    前記加工フォーマットデータに従って前記パルスレーザビームの蒸着用メタルマスクへの前記1次元方向への走査に同期させて作成したレーザ照射制御信号で照射時間を制御したパルスレーザビームを蒸着用メタルマスクへ照射してアブレーション加工することを特徴とする蒸着用メタルマスク加工装置。
  2. 1ナノ秒以下の短パルスのパルスレーザビームを蒸着用メタルマスクに1次元方向に走査するレーザビーム走査系を含むレーザビーム加工ヘッドと、
    非接触3次元表面精密測定手段と、
    XYテーブルと、
    レーザ加工制御手段を備え、
    該レーザ加工制御手段が加工パターンデータ作成手段を有し、
    該加工パターンデータ作成手段が、
    前記非接触3次元表面精密測定手段が蒸着用メタルマスクの貫通孔の周囲の領域の単位加工領域の表面形状を測定した3次元形状データを微小グリッド格子毎に高さを表した3次元形状測定グリッドデータに変換する手段と、
    前記3次元形状測定グリッドデータから、蒸着用メタルマスクの3次元形状目標グリッドデータを作成する手段と、
    前記非接触3次元表面精密測定手段が測定した蒸着用メタルマスクの単位加工領域の表面形状から前記加工パターンデータ作成手段が作成した3次元形状測定グリッドデータと前記3次元形状目標グリッドデータの高さの差の3次元形状加工深さグリッドデータを作成する手段と、
    前記3次元形状加工深さグリッドデータからパルスレーザ加工用の加工フォーマットデータを作成する手段を有し、
    前記加工フォーマットデータに従って前記パルスレーザビームの蒸着用メタルマスクへの前記1次元方向への走査に同期させて作成したレーザ照射制御信号で照射時間を制御したパルスレーザビームを蒸着用メタルマスクへ照射してアブレーション加工することを特徴とする蒸着用メタルマスク加工装置。
  3. 1ナノ秒以下の短パルスのパルスレーザビームを蒸着用メタルマスクに1次元方向に走査するレーザビーム走査系を含むレーザビーム加工ヘッドと、
    非接触3次元表面精密測定手段と、
    XYテーブルと、
    レーザ加工制御手段を備えた蒸着用メタルマスク加工装置を用いて、
    前記レーザ加工制御手段の加工パターンデータ作成手段を用いて、
    蒸着用メタルマスクの3次元形状データを微小グリッド格子毎に高さを表した3次元形状目標グリッドデータを作成し、
    前記非接触3次元表面精密測定手段が測定した3次元形状データを3次元形状測定グリッドデータに変換し、
    前記3次元形状目標グリッドデータと前記3次元形状測定グリッドデータの高さの差の3次元形状加工深さグリッドデータを作成し、
    前記3次元形状加工深さグリッドデータからパルスレーザ加工用の加工フォーマットデータを作成し、
    前記加工フォーマットデータに従って前記パルスレーザビームの蒸着用メタルマスクへの前記1次元方向への走査に同期させて作成したレーザ照射制御信号で照射時間を制御したパルスレーザビームを蒸着用メタルマスクへ照射してアブレーション加工することを特徴とする蒸着用メタルマスク加工方法。
  4. 1ナノ秒以下の短パルスのパルスレーザビームを蒸着用メタルマスクに1次元方向に走査するレーザビーム走査系を含むレーザビーム加工ヘッドと、
    非接触3次元表面精密測定手段と、
    XYテーブルと、
    レーザ加工制御手段を備えた蒸着用メタルマスク加工装置を用いて、
    前記レーザ加工制御手段の加工パターンデータ作成手段を用いて、
    前記非接触3次元表面精密測定手段が蒸着用メタルマスクの貫通孔の周囲の領域の単位加工領域の表面形状を測定した3次元形状データを微小グリッド格子毎に高さを表した3次元形状測定グリッドデータに変換し、
    前記3次元形状測定グリッドデータから、蒸着用メタルマスクの3次元形状目標グリッドデータを作成し、
    前記非接触3次元表面精密測定手段が測定した蒸着用メタルマスクの単位加工領域の表面形状から前記加工パターンデータ作成手段が作成した3次元形状測定グリッドデータと前記3次元形状目標グリッドデータの高さの差の3次元形状加工深さグリッドデータを作成し、
    前記3次元形状加工深さグリッドデータからパルスレーザ加工用の加工フォーマットデータを作成し、
    前記加工フォーマットデータに従って前記パルスレーザビームの蒸着用メタルマスクへの前記1次元方向への走査に同期させて作成したレーザ照射制御信号で照射時間を制御したパルスレーザビームを蒸着用メタルマスクへ照射してアブレーション加工することを特徴とする蒸着用メタルマスク加工方法。
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