JP4989987B2 - ダンパー - Google Patents

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本発明は、例えば地震等の外的要因により建物に衝撃や振動が印加された際、当該建物の躯体や壁面等に伝わる衝撃や振動を低減することにより、当該建物の変形や損傷を抑制することを目的としたダンパーに関する。
従来、例えば地震発生の際、マンション等の集合住宅や一戸建ての建物が受ける被害を抑制する為に、建物を構成する躯体間の筋交い部分や縦方向の柱と横方向の梁が結合されている部分に近い場所の斜め方向に油圧ダンパーを取り付けたものがあった(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開2000−282704号公報 特開2004−60397号公報
このような構成とすることにより、建物等に印加される衝撃や振動により当該建物等が変形しようとする際、油圧ダンパーを構成するピストンがシリンダー内を移動することにより、ピストンが受ける油圧の抵抗により振動エネルギーの一部が吸収され、その結果、建物等に伝わる振動エネルギーが低減され、建物等が受ける被害の発生を抑制できるものであった。
しかしながら、振動エネルギーを低減する為の油圧ダンパーは、部品点数の問題、製造工数の問題から単価が高く、このような割高な油圧ダンパーを建物等の多くの場所に取り付けることは、施工費用の面から制約を受けることが多かった。
また、油圧ダンパーは、上述の通り、部品点数も多く構造上も複雑であることから小型化、軽量化が難しいという問題を抱えており、施工時の運搬や取り扱いにも何かと不便を感じることが多かった。
更に、油圧ダンパーの取り付け方法としては、油圧ダンパーの両端に、他端がフックとなった金属製の棒部材を螺合させて用いることが知られているが、このような構成の場合には、当該棒部材が変形自在ではないことから、振動エネルギーを滑らかに吸収することが困難という問題があった。
また、当該棒部材は、長さも長く重さも重い為、施工時の運搬や取り扱いにも何かと不便を感じることが多かった。
本発明は、上記課題を解決する為になされたものであり、地震等により受ける振動エネルギーを効果的に低減し、建物等が受ける被害を抑制すると共に、小型、軽量、安価な上、施工時の運搬や取り扱いが容易なダンパーの提供を課題とする。
請求項1に記載の発明は、軸方向に伸縮する中央部と、前記中央部を前記軸方向にて挟み一体に形成された両端部と、前記両端部に一端が固定され、他端が前記軸方向に所定の長さ延在したチェーンとを具備し、前記中央部及び前記両端部は一体をなしたゴム成形品であり、前記チェーンの一端と前記両端部の固定は、前記両端部に前記チェーンの一端が埋設されてなされたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、軸方向に伸縮する中央部と、前記中央部を前記軸方向にて挟み一体に形成された両端部と、前記両端部に一端が固定され、他端が前記軸方向に所定の長さ延在したチェーンであって、前記チェーンは、前記両端部から一部が突出した第一の環状部材と、前記第一の環状部材にチェーン状に連結された第二の環状部材を有し、前記第二の環状部材には、前記軸方向に所定の長さ延在する棒状部材が接合されたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のダンパーにおいて、前記中央部及び前記両端部は一体をなしたゴム成形品であり、前記チェーンの一端と前記両端部の固定は、前記両端部に前記チェーンの一端が埋設されてなされたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は請求項3に記載のダンパーにおいて、前記チェーンの一端は、前記両端部にのみ埋設されたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れかに記載のダンパーにおいて、前記中央部の外径は、前記両端部の外径より小さいことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のダンパーにおいて、前記中央部及び前記両端部は、断面円形状の円柱であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のダンパーにおいて、前記中央部の直径は、前記両端部の直径の50%以上90%以下であることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請求項7の何れかに記載のダンパーにおいて、前記中央部は、伸び610%において引張り強さ10.4N/mm以上の物性を有する弾性材料であることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1又は請求項3に記載のダンパーにおいて、前記中央部及び前記両端部は、硬度(HsA)が70以上90以下の物性を有するゴム材料で成形されたことを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載のダンパーにおいて、前記ゴム材料は、ブチルゴムであることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項1から請求項10までの何れかに記載のダンパーを構成する両端部における選択的な複数個を、軸方向にそれぞれの端面をチェーンにより結合してなることを特徴とする。
本発明は、上記の構成としたことにより、以下の効果を奏する。
請求項1の発明によれば、発明に係るダンパーを、例えば建物の壁面に設置することにより、地震発生等において、当該建物に衝撃や振動が印加された場合においても、軸方向に伸縮する中央部により振動エネルギーを吸収でき、且つ、両端部と中央部は一体に、変形自在なチェーンにより取り付けられている為、振動エネルギーを滑らかに吸収することが可能となる。
請求項2の発明によれば、発明に係るダンパーを、例えば建物の壁面に設置することにより、地震発生等において、当該建物に衝撃や振動が印加された場合においても、軸方向に伸縮する中央部により振動エネルギーを吸収でき、且つ、両端部に対し第一の環状部材及び第二の環状部材を介して延在する棒状部材は、両端部の端面付近において変形自在(傾斜自在)となっている為、振動エネルギーを滑らかに吸収することが可能となる。更に、両端部の端面付近以外においては、棒状部材は変形自在となっていない為、中央部が伸張する際のみならず、圧縮する際にも、良好にダンパーとしての機能を発揮する。
請求項3の発明によれば、両端部及び中央部をゴム材料で一体に成形することにより、ゴム材の弾性を利用して、簡単な製法並びに構造により、伸縮する中央部を形成することが可能となる。また、チェーンの一端を、例えばインサート成形により両端部に埋設することにより、簡単な製法で、強固な固定を実現できる。
請求項4の発明によれば、チェーンは両端部のみに埋設されている為、中央部の伸縮に何ら影響を与えることなく、良好な振動減衰効果が得られる。
請求項5の発明によれば、中央部を挟む両端部それぞれの長手方向端面に外力(引張り力或いは圧縮力)が印加された際、両端部の外径より小さい外径である中央部に当該外力は集中する為、振動エネルギーに対する応答性が向上する。
請求項6の発明によれば、両端部或いは中央部にねじり応力が発生した場合においても、断面円形状とすることにより、周側面に応力集中部が発生することが回避できる為、両端部或いは中央部の損傷が抑制でき、耐久性が向上する。
請求項7の発明によれば、中央部に対する外力の集中効果、中央部の耐久性、強度等において、最適な性能バランスを備えたダンパーを得ることができる。
請求項8の発明によれば、地震等により建物等に印加される衝撃や振動を抑制するに適した弾性を備えたダンパーを得ることができる。
請求項9の発明によれば、地震等により建物等に印加される衝撃や振動を抑制するに適した弾性を備えたダンパーを得ることができる。
請求項10の発明によれば、振動エネルギーの減衰特性が良好なダンパーを得ることができる。
請求項11の発明によれば、2階建て、3階建て、或いは高層階建て建物、すなわち、壁面が比較的高い建物等においても、取り付け可能なダンパーを得ることができる。
実施の形態1.
以下、本発明に係るダンパーの一実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るダンパーを示した正面図、図2は図1のII−II断面図、図3はダンパーの性能をテストする為の試験機を示した正面図、図4は図3のIV−IV断面図、図5は図3に示す試験機に本実施形態のダンパー1を取り付けていない状態において、基盤Lを介して震度4に相当する横方向の揺れを一定時間与えたときの変位・荷重の関係を示すチャート図、図6は図3に示す試験機に本実施形態のダンパー1を取り付けた状態において、基盤Lを介して震度5に相当する横方向の揺れを一定時間与えたときの変位・荷重の関係を示すチャート図、図7は図3に示す試験機に本実施形態のダンパー1を取り付けた状態において、基盤Lを介して震度6に相当する横方向の揺れを一定時間与えたときの変位・荷重の関係を示すチャート図である。
図1において、1はダンパーであり、断面円形状(図2参照)のゴム成形品2と、ゴム成形品2に一端が埋設されたチェーン3から構成されている。
ゴム成形品2は、軸方向にて一様な外径ではない。すなわち、両端部2a、2aの直径に対し中央部2bの直径は小さく形成されている。具体的には、中央部2bの直径は両端部2a、2aの直径の50%〜90%であり、好ましくは75%程度である。
また、中央部2bの軸方向長さは両端部2a、2aの軸方向長さより短く形成されている。更に、両端部2a、2aと中央部2bの接続部にはフィレットが形成され、応力集中を緩和し、当該接続部における破損等の発生を抑止している。
ゴム成形品2の特性としては、硬度(HsA)70〜90の範囲にあるゴム材料を用い、伸び610%において引張り強さ10.4N/mm以上である。具体的には、振動エネルギーの減衰特性に優れるブチルゴム、クロロプレーンゴム、天然ゴム等を原材料とし、硬度は75±5のものを採用することが好ましい。
ここで、ゴム成形品2の寸法関係について、詳細に説明する。
本実施形態では、両端部2a、2aの直径は60mm、長さは45mmとし、中央部2bの直径は両端部2aの75%に当たる45mm、長さは両端部2aより短い20mmとしている。両端部2aと中央部2bの接続部のフィレットは半径6mmとしている。
中央部2bを直径45mm、長さ20mmの円柱形状とすることにより、地震等により大きな揺れを受けたときには、両端部2aより小径である中央部2bで集中的に引き伸ばしがなされるようにして地震等に対する応答性を良くすると共に、3倍程度の大きな引き伸ばしを受けたときにも、その変形に十分に耐える。
両端部2aと中央部2bの接続部のフィレットを半径6mmとすることにより、この部分に応力集中が起こらないようにしてゴム成形品2の破損を抑止し、ダンパー1の耐久性を確保している。
以上により、地震等により大きな衝撃力を受けたときに、それに起因する大きな揺れを効果的に抑制する為の大きな衝撃吸収性能(ダンパー性能)と、大きな引張り力を受けたときにも容易には損傷しない十分な強度を発揮することが可能となる。
チェーン3は、図1に示すように、長円形状の環状部材3aが互いに90度向きを変え、所要個数が連結されて構成されている。
そして、両端部2a、2aの軸方向略中心部において、チェーン3、3の一端が埋設されて固定されている。なお、本実施形態では、ゴム成形品2を成形する際に、金型内に予めチェーン3の一端を設置した上で、溶融させたゴム材を金型内に射出することにより、埋設状態を実現している。
環状部材3aは、例えば直径8mmの金属棒を折り曲げた後、端面を溶接して形成され、長手方向の寸法は40mm程度、幅方向の寸法は28mm程度である。
チェーン3は、環状部材3aのおよそ1個半が、両端部2aに埋設されている。なお、両端部2aと環状部材3aは、図2に示すように、環状部材3aの中空穴の部分を含めてしっかりと包み込む形で強固に結合されている。
この為、地震等による衝撃力がチェーン3を介してゴム成形品2に伝えられたとき、引張り力は中央部2bに作用し、中央部2bを引き伸ばす。なぜなら、両端部2aは中央部2bより大径であることに加え、環状部材3aが埋設されていることにより強度が増している為、伸縮性は著しく低下しているからである。なお、両端部2aと中央部2bがほぼ同一径とした構成とした場合においても、上述した通り、両端部2aの伸縮性を低下させていることから、中央部2bが集中的に引き伸ばされる効果は有する。
発明者の検証によれば、上述した本実施形態に示すダンパー1では、中央部2bが3倍程度に引き伸ばされた場合にも破損されることなく十分に耐えることができる。
次に、本実施形態に示すダンパー1の性能のテスト結果について説明する。
図3において、A、Bは枠体の左右の柱、C、Dは上下の梁である。Eは下側の梁Dに固定された一対の脚立形状のダンパー取り付け部材(図4参照)、Fは上側の梁Cに固定された中間補助部材Gに対し上端側を回動可能に取り付けられた上下方向のダンパー取り付け部材である。上下方向のダンパー取り付け部材Fは長さ方向に複数個の穴Hがあけられており、その上下中央部より幾分上側の部分を脚立形状のダンパー取り付け部材Eの上端水平部が回動可能に保持されている。
2個のダンパー1、1は、上下方向のダンパー取り付け部材Fの下端部の左右両側と、脚立形状のダンパー取り付け部材Eの左右両側の下端部に、チェーン3を係合させることにより取り付けられている。
Iは梁Cを取り囲む形の計器取り付け部材であり、この計器取り付け部材Iと枠体との間には、変位計測器Jと荷重計測器Kとが取り付けられている。Lは梁Dに固定された基盤である。
なお、図3及び図4に示すダンパー1の性能のテストを行うべく使用した試験装置は、実際の寸法に対し、1/3スケールのモデルとして構成している。
図5は、図3に示す試験機に本実施形態のダンパー1を取り付けていない状態において、基盤Lを介して震度4に相当する横方向の揺れを一定時間与えたときの変位・荷重の関係を示すチャートである。
同様に、図6は、図3に示す試験機に本実施形態のダンパー1を取り付けた状態において、基盤Lを介して震度5に相当する横方向の揺れを一定時間与えたときの変位・荷重の関係を示すチャートである。
更に、図7は、図3に示す試験機に本実施形態のダンパー1を取り付けた状態において、基盤Lを介して震度6に相当する横方向の揺れを一定時間与えたときの変位・荷重の関係を示すチャートである。
図5と図6の比較から、ダンパー1を取り付けて震度5の横揺れを与えた場合の変位・荷重チャートは、ダンパー1を取り付けないで震度4の横揺れを与えた場合に比べて著しく小さくなっている。すなわち、ダンパー1の吸収性能の良さが認められる。
また、図5と図7の比較から、ダンパー1を取り付けて震度6の横揺れを与えた場合でも、ダンパー1を取り付けないで震度4の横揺れを与えた場合に比べて、最大変位と最大荷重の大きさはいずれも少しずつ小さくなっている。すなわち、震度6相当の大きな揺れに対しても十分な性能を発揮していることが認められる。
なお、ダンパー1の性能のテストにおける比較の基準に震度4を採用したのは、この程度の震度では、一般的に建物はまだ大きな被害を受けないからである。
実施の形態2.
以下、本発明に係る他の実施形態について、図面を用いて説明する。
図8は本発明の実施形態2に係るダンパーを示した正面図である。図8において、上述した実施形態1(図1)と同じ構成要素については同じ符号を付し、説明を省略する。
図8において、3b、3bは第一の環状部材であり、その一部は両端部2a、2aに埋設されている。すなわち、第一の環状部材3b、3bは、両端部2a、2aにその全長が埋設された別の環状部材3d、3dに対し、一端がチェーン状に連結され、且つ、他端が両端部2a、2aの端面から突出している。
なお、当該別の環状部材3d、3dには、ダンパー1の軸方向に垂直な方向にピン5、5が挿通している。すなわち、環状部材3dは、ピン5が挿通した状態にて、両端部2aに埋設している。
従って、ピン5は、後述する棒状部材4を介し、ゴム成形品2を引き伸ばす方向に外力が印加された場合に、環状部材3dが両端部2aから抜け落ちることを防止するように機能する。
なお、実施形態1に示すダンパー1(図1参照)においては、ピン5を設けていないが、設けた構成も成り立つことは言うまでもない。
3c、3cは第二の環状部材であり、第一の環状部材3b、3bにチェーン状に連結されている。4、4は一部に雄ねじ4a、4aが形成された金属製の棒状部材であり、第二の環状部材3c、3cに溶接固定されている。なお、4b、4bは溶接痕である。
本実施形態2に係るダンパー1を建物等へ取り付ける際には、雄ねじ4a、4aを建物側に螺合させることにより行う。
図8より明らかなように、棒状部材4はゴム成形品2(両端部2a)に対し、第一の環状部材3b、第二の環状部材3cを介し、変形自在(傾斜自在)となっている。従って、地震等により印加される振動エネルギーを滑らかに吸収することができる。
一方、棒状部材4は金属製であり硬質な為、容易には変形しない。また、図8より明らかなように、棒状部材4の端面は両端部2aの端面に略当接しており、棒状部材4は軸方向においてガタがないように工夫されている。従って、中央部2bが伸張する際のみならず、圧縮する方向の外力が印加された場合にも、良好に中央部2bを圧縮せしめ、振動エネルギーを吸収することができる。
実施の形態3.
以下、本発明の他の実施形態について説明する。
実施形態3は、地震等が発生したときに横揺れが増幅される高層建築物にも使用できるものであり、具体的には、実施形態1或いは実施形態2に示したゴム成形品2(両端部2aと中央部2bから構成される)を軸方向にそれぞれの端面をチェーン3により結合させたものである。
このような構成とすることにより、中央部2bが複数個となる為、増幅された横揺れに伴う振動エネルギーを複数の中央部2bで分担して低減(減衰)させることができる。
以上、複数の実施形態の構成及び動作について、適宜奏する効果も含めて説明したが、以下に本発明の奏する格別の効果について纏める。
ゴム成形品2は変形自在なチェーン3により保持されて建物壁面等に設置されている為、地震等により印加される振動エネルギーを滑らかに吸収することができる。
また、ゴム材料を成形することにより、振動エネルギーの吸収機能を有する中央部2bを形成している為、小型、軽量、安価なダンパー1を実現できる。更に、変形自在なチェーン3によりゴム成形品2を保持する構成の為、施工時の運搬や取り扱いが容易なダンパー1を実現できる。
両端部2a及び中央部2bを一体に成形し、且つ、チェーン3の一端と両端部2aの固定は、例えばインサート成形などにより両端部2aにチェーン3の一端を埋設されて行う為、ゴム材の弾性を利用して、簡単な製法並びに構造により、伸縮する中央部2bを形成することができ、且つ、チェーン3と両端部2aを強固に固定できる。
チェーン3の一端は、両端部2aにのみ埋設されている為、中央部2bの伸縮に何ら影響を与えることはない。また、両端部2aの強度が増し故、中央部2bに地震等による外力をより集中させることができ、延いては、振動エネルギーに対する応答性が向上する。
中央部2bの外径は、両端部2aの外径より小さい為、中央部2bに地震等による外力をより集中させることができ、延いては、振動エネルギーに対する応答性が向上する。
両端部2a及び中央部2bは断面円形状の円柱である為、両端部2a或いは中央部2bにねじり応力が発生した場合においても、周側面に応力集中部が発生することが回避でき、延いては、両端部2a或いは中央部2bの損傷が抑制でき、耐久性が向上する。
中央部2bの直径は、両端部2aの直径の50%〜90%、好ましくは75%に設計している為、中央部2bに対する外力の集中、耐久性、強度等において、最適な性能バランスを備えたダンパー1を得る。
中央部2bは、伸び610%において引張り強さ10.4N/mm以上の物性を有する為、地震等により建物等に印加される衝撃や振動を抑制するに適した弾性を備えたダンパー1を得る。
両端部2a及び中央部2bは、硬度(HsA)70〜90、好ましくは80±5の物性を有している為、地震等により建物等に印加される衝撃や振動を抑制するに適した弾性を備えたダンパー1を得る。
両端部2a及び中央部2bは、ブチルゴムで成形されている為、振動エネルギーの減衰特性が良好なダンパー1を得る。
ゴム成形品2は、両端部2aから一部が突出した第一の環状部材3bと、第一の環状部材3bに連結された第二の環状部材3cと、第二の環状部材3cから延在した棒状部材4を介し保持されて建物壁面等に設置されている。すなわち、棒状部材4は、両端部2aの端面付近において変形自在(傾斜自在)となっている為、振動エネルギーを滑らかに吸収することが可能となる。更に、両端部2aの端面付近以外においては、棒状部材4は変形自在となっていない為、中央部2bが伸張する際のみならず、圧縮する際にも、良好にダンパーとしての機能を発揮する。
ゴム成形品2をチェーン3により連結させた構成とすることにより、中央部2bが複数個となる為、増幅された横揺れに伴う振動エネルギーを複数の中央部2bで分担して低減(減衰)させることができる。
なお、上述した複数の実施形態に示すダンパーの各構成要素の材質、形状、寸法等は、本発明の要旨を備えた中では適宜設計変更可能であることは言うまでもない。
例えば、両端部2a及び中央部2bからなるゴム成形品2は、図1や図8に示した形状に限られず、求められる減衰特性に応じて、適宜設計変更すれば良い。
また、上述した複数の実施形態に示すダンパー1においては、ゴム成形品2に対し、何れも環状部材が埋設され、そして、当該環状部材から、更に環状部材がチェーン状に延在(図1参照)している構成、或いは、棒状部材が延在(図3参照)している構成である。しかし、このような構成に限らず、例えば、ゴム成形品に埋設している部分、延在している部分、何れもが棒状部材により構成、すなわち、環状部材を用いない構成も成り立つ。
本発明の一実施形態に係るダンパーを示した正面図である。 図1のII−II断面図である。 ダンパーの性能をテストする為の試験機を示した正面図である。 図3のIV−IV断面図である 図3に示す試験機に本実施形態のダンパー1を取り付けていない状態において、基盤Lを介して震度4に相当する横方向の揺れを一定時間与えたときの変位・荷重の関係を示すチャートである。 図3に示す試験機に本実施形態のダンパー1を取り付けた状態において、基盤Lを介して震度5に相当する横方向の揺れを一定時間与えたときの変位・荷重の関係を示すチャートである。 図3に示す試験機に本実施形態のダンパー1を取り付けた状態において、基盤Lを介して震度6に相当する横方向の揺れを一定時間与えたときの変位・荷重の関係を示すチャートである。 本発明の実施形態2に係るダンパーを示した正面図である。
符号の説明
1 ダンパー
2 ゴム成形品
2a 両端部
2b 中央部
3 チェーン
3a 環状部材
3b 第一の環状部材
3c 第二の環状部材
4 棒状部材

Claims (11)

  1. 軸方向に伸縮する中央部と、
    前記中央部を前記軸方向にて挟み一体に形成された両端部と、
    前記両端部に一端が固定され、他端が前記軸方向に所定の長さ延在したチェーンと
    を具備し
    前記中央部及び前記両端部は一体をなしたゴム成形品であり、
    前記チェーンの一端と前記両端部の固定は、前記両端部に前記チェーンの一端が埋設されてなされた
    ことを特徴とするダンパー。
  2. 軸方向に伸縮する中央部と、
    前記中央部を前記軸方向にて挟み一体に形成された両端部と、
    前記両端部に一端が固定され、他端が前記軸方向に所定の長さ延在したチェーンであって、
    前記チェーンは、前記両端部から一部が突出した第一の環状部材と、前記第一の環状部材にチェーン状に連結された第二の環状部材を有し、
    前記第二の環状部材には、前記軸方向に所定の長さ延在する棒状部材が接合された
    ことを特徴とするダンパー。
  3. 前記中央部及び前記両端部は一体をなしたゴム成形品であり、
    前記チェーンの一端と前記両端部の固定は、前記両端部に前記チェーンの一端が埋設されてなされた
    ことを特徴とする請求項2に記載のダンパー。
  4. 前記チェーンの一端は、前記両端部にのみ埋設された
    ことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載のダンパー。
  5. 前記中央部の外径は、前記両端部の外径より小さい
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載のダンパー。
  6. 前記中央部及び前記両端部は、断面円形状の円柱である
    ことを特徴とする請求項5に記載のダンパー。
  7. 前記中央部の直径は、前記両端部の直径の50%以上90%以下である
    ことを特徴とする請求項6に記載のダンパー。
  8. 前記中央部は、伸び610%において引張り強さ10.4N/mm2以上の物性を有する弾性材料である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載のダンパー。
  9. 前記中央部及び前記両端部は、硬度(HsA)が70以上90以下の物性を有するゴム材料で成形された
    ことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載のダンパー。
  10. 前記ゴム材料は、ブチルゴムである
    ことを特徴とする請求項9に記載のダンパー。
  11. 請求項1から請求項10までの何れかに記載のダンパーを構成する両端部における選択的な複数個を、軸方向にそれぞれの端面をチェーンにより結合してなる
    ことを特徴とするダンパー。
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