JP5639508B2 - 免震装置 - Google Patents
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Description
また、特許文献3〜7に示されるものは、高強度のワイヤーやチェーン等の紐状体により積層ゴムの大地震時における過大な変形を制限してその破壊を防止し衝撃を緩和することが可能であるものの、紐状体自体は減衰機能を有するものではないので他に何らかの減衰機構を必要とする。
特に、本発明の免震装置は、通常の免震ゴムに対して繊維材を付加するという極めて簡略な構成であり、したがって低コストで製作することができるものであるし、大地震により繊維材の一部あるいは全てが破断した場合にはそれを新規なものに交換するだけで容易にかつ速やかに復旧させることができ、しかも繊維材の破断状況を確認することによって免震ゴムの最大変形量の推定やその健全性を評価するための指標として利用することもできる。
本実施形態の免震装置10は、上部構造としての構造物1(具体的には橋梁や建物等)を下部構造としての支持構造物2(具体的には橋脚や基礎等)との間に介装されることにより、構造物1を水平一方向(図1(a)における左右方向。図1(b)においては紙面に直交する方向)に免震支持するためのものであり、装置本体としての免震ゴム11と、それに付設された減衰機構としての繊維材12からなるものである。
なお、図示例では5本の繊維材12を1組として用いており、それら1組5本の繊維材12を免震ゴム11の中心軸線(つまり鉛直線)に対してやや傾斜させかつほぼ平行とした状態でそれらの全体を振動方向に沿って並設することを基本としている。
そして、免震ゴム11の前面側および背面側においてそれぞれ2組ずつの繊維材12を逆側に傾斜させた状態で対称的に配置しており、したがって全体では4組20本の繊維材12が免震ゴム11の前面側および背面側に設置されたものとなっている。
具体的には、通常時(免震ゴム11に変形が生じていない状態)においては各繊維材12を若干の弛みを持たせた状態で張設しておいて、免震ゴム11に微小変形が生じた程度では各繊維材12に引張力が生じないようにしておく。
その状態から、地震時に免震ゴム11が水平方向に変形して上下の取付治具13,14間の相対変位がある値を超えると、いずれか一方の組の繊維材12が引張側となって弛みがなくなり、変位がさらに大きくなるとそれらの繊維材12に引張荷重が作用して水平変位に対抗する引張力が生じる。たとえば、図1(a)において構造物1が支持構造物2に対して右方に相対変位した際には、右側に設置されている1組5本の繊維材12は単に弛むだけであるが、左側に設置されている1組5本の繊維材12が引張側となってそれらに引張力が発生してその方向への変位に対抗し、この免震装置10全体としての剛性を増大させる。
前者は、図2(a)に示すように各繊維材12の傾斜角度θを均等(したがって各繊維材12を平行)として各繊維材12の固定間距離を等しくしておくが、各繊維材12の長さを基準長l1に対してΔl1の差を順次もたせることにより、短い繊維材12から順次破断させるものである。この場合の水平変位と各繊維材12の引張力の関係(長さがΔl1ずつ異なる4本の繊維材の場合の例を示す)は、図2(b)に示すように長さに応じて平行移動するような挙動を呈することになる。
後者は、図3(a)に示すように各繊維材12の長さを均等としてそれぞれの傾斜角度θ(θ1、θ2…)にわずかな差をもたせておくことにより、傾斜角度θが小さい(水平に近い)繊維材12から順次破断させるものである。この場合の水平変位と各繊維材12の水平変位と引張力の関係は、図3(b)に示すように傾斜角度に応じて変形方向に拡大するような挙動を呈することになる。
この種の繊維材料は破断強度に達した後にも一気に引張力を失わずに変形を大きくしながら荷重が下がっていき、それによりエネルギー吸収材料として良好な特性を示すものであるので、本発明における繊維材12の素材として最適である。
この図から、繊維材を設置した場合の応答(実線で示す)はそれがない場合の応答(破線で示す)に比べて大変形領域において繊維材の引張力が発揮されて荷重が大きくなっていることが分かる。また、繊維材の破断が順次生じることから荷重の増大が変位に対して連続的に発生しており、その結果、エネルギー吸収量を表す包絡線で囲まれる面積を比較すると、繊維材ありの場合の方が著しく大きく、大きな減衰が得られていることが分かる。
しかも、大地震により全ての繊維材12が破断してしまったとしても、装置本体としての免震ゴム11自体が健全である限りはそれ自体が従来一般の免震ゴムとしての機能をそのまま維持し続けるから、余震に対しても対応することが可能である。
また、地震後に繊維材12の破断状況を確認することによって免震ゴム11の最大変形量を推定することができるから、地震によって免震ゴム11が受けた影響の大きさを判定してその健全性を評価するための指標として利用することもできる。
勿論、本発明の免震装置は水平振動に対する免震装置として適用するのみならず上下振動に対する免震装置としても同様に適用することができるものであり、その場合には免震装置全体を横向き姿勢としてその中心軸線が水平方向となるように設置すれば良い。
また、上記実施形態では並設した複数の繊維材を段階的に破断させるようにしたが、必ずしもそうすることはなく、全ての繊維材12を同時に破断させて一気に大きな減衰力を得ることもできる。
さらに、各繊維材12を段階的に破断させる場合においては、上記実施形態のように各繊維材12の破断強度を均等にしたうえでそれらの長さあるいは傾斜角度を調整することが現実的ではあるが、各繊維材の長さと傾斜角度の双方を調整することでも良いし、さらに可能であれば各繊維材の破断強度自体を段階的に調整することでも良く、要は免震ゴムの過大変形時に各繊維材が段階的に破断していって所望の免震効果が得られるように最適にかつ精度良く調整すれば良い。
2 支持構造物(下部構造)
10 免震装置
11 免震ゴム(装置本体)
12 繊維材(減衰機構)
13,14 取付治具
15 係止具
Claims (3)
- 構造物と該構造物を支持する支持構造物との間に介装されて、前記構造物を前記支持構造物に対して相対振動可能に免震支持するための免震装置であって、
前記構造物と前記支持構造物との間に生じる相対振動によって弾性的に変形して前記構造物を前記支持構造物に対して免震支持する装置本体と、該装置本体に付設されて該装置本体の振動を減衰せしめる減衰機構とからなり、
前記減衰機構は、前記装置本体の両端間に架け渡されて該装置本体の変形により引張荷重を受けるとともに所定の引張荷重を受けた際に破断して振動エネルギーを吸収する繊維材からなり、
前記減衰機構は前記装置本体に対して着脱自在に設けられており、破断した前記繊維材を交換可能に構成されていることを特徴とする免震装置。 - 請求項1記載の免震装置であって、
前記装置本体は、前記支持構造物としての下部構造と前記構造物としての上部構造との間に介装されて前記構造物を前記支持構造物に対して水平方向に免震支持するための免震ゴムであり、
前記繊維材は、前記免震ゴムの側部に上下方向に沿うように配置されてその両端が前記免震ゴムの上下の取付治具に対して係止されることにより、前記免震ゴムが水平方向に弾性変形して前記上下の取付治具間に水平方向の相対変位が生じた際に該繊維材に引張荷重が作用するものとされ、かつ該繊維材は前記上下の取付治具間に許容値を超える相対変位が生じた際に破断するようにその破断強度が設定されてなることを特徴とする免震装置。 - 請求項2記載の免震装置であって、
前記免震ゴムの側部に複数の繊維材を並設するとともに、前記上下の取付治具間に生じる相対変位によって各繊維材に対して段階的に引張荷重が作用して各繊維材が段階的に破断するように各繊維材の長さおよび/または鉛直方向に対する傾斜角が設定されてなることを特徴とする免震装置。
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