JP2019031827A - 機能分離型衝撃吸収装置及び機能分離型衝撃吸収装置を備えた橋梁 - Google Patents

機能分離型衝撃吸収装置及び機能分離型衝撃吸収装置を備えた橋梁 Download PDF

Info

Publication number
JP2019031827A
JP2019031827A JP2017153324A JP2017153324A JP2019031827A JP 2019031827 A JP2019031827 A JP 2019031827A JP 2017153324 A JP2017153324 A JP 2017153324A JP 2017153324 A JP2017153324 A JP 2017153324A JP 2019031827 A JP2019031827 A JP 2019031827A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
displacement
absorbing device
function
bridge
core material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017153324A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7017879B2 (ja
Inventor
稔 前島
Minoru Maejima
稔 前島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokogawa Sumikin Bridge Co Ltd
Original Assignee
Yokogawa Sumikin Bridge Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokogawa Sumikin Bridge Co Ltd filed Critical Yokogawa Sumikin Bridge Co Ltd
Priority to JP2017153324A priority Critical patent/JP7017879B2/ja
Publication of JP2019031827A publication Critical patent/JP2019031827A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7017879B2 publication Critical patent/JP7017879B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Bridges Or Land Bridges (AREA)
  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Vibration Dampers (AREA)

Abstract

【課題】引張り及び圧縮両方向の変形能力とエネルギー吸収能力が高く、主として橋桁の端部と橋桁の端部を支える橋台との間に落橋防止材として設置される機能分離型衝撃吸収装置及び機能分離型衝撃吸収装置を備えた橋梁を提供する。【解決手段】橋軸方向の両端部に継手部5と継手部6を取り付ける。継手部5と継手部6間の同一材軸線上に第1及び第2変形芯材7A,7Bと変位芯材8を橋軸方向に隣接して設置する。第1及び第2変形芯材7A,7Bと変位芯材8の軸直角方向の外側に複数の座屈拘束材9を設置する。第1,2変形芯材7A,7Bは橋軸方向の圧縮及び引張り荷重を受けて弾性又は塑性変形するように設置する。変位芯材8は橋軸方向の圧縮及び引張り荷重を受けて、継手部5との連結が切り離された状態で橋軸方向に無抵抗で変位するように設置する。【選択図】図1

Description

本発明は、従来の棒状制振部材に対し、材軸方向の引張りおよび圧縮両方向の荷重に対する変形能力とエネルギー吸収能力に優れた機能分離型衝撃吸収装置及び機能分離型衝撃吸収装置を備えた橋梁に関するものであり、例えば、橋桁の端部と橋桁の端部を支える橋台との間に設置して、地震時の衝撃吸収部材として用いることができる。
構造物の耐震性能、制震性能を高めるものとして、制振部材と構造部材を兼ねた制振ブレースなどの棒状制振部材が種々開発され、製品化されている。
例えば、特許文献1、特許文献2には、平板または断面十字形の鋼材からなる芯材とその座屈変形を拘束する山形鋼からなる拘束材を用いた座屈拘束型の軸力負担部材が記載されている。
また特許文献3には、鋼製芯材の外周をアンボンド層を介して座屈拘束用コンクリート部材で覆い、その座屈拘束用コンクリート部材の外周を鋼管で覆って補強した軸降伏型弾塑性履歴ブレースの改良技術が記載されている。
図20(a),(b)は、従来の棒状制振部材の一例として、平板芯材を用いた座屈拘束型の棒状制振部材の具体例を示したものである。
基本的な構成は、低降伏点鋼あるいは普通鋼からなるエネルギー吸収材としての芯材30本体の両端部に断面が拡大された継手部31、32を形成し、芯材30本体を四方より変形拘束部材33としての山形鋼で抑え、スペーサー34を介して変形拘束部材33どうしを高力ボルト35で締め付けて、芯材30本体が座屈しないようにしたものである。
この例で、芯材30と変形拘束部材33とは、図20(a)における奥側の固定側継手部31と、手前側の可動側継手部32の2箇所において、それぞれ高力ボルト35で接合されており、可動側継手部32の高力ボルト35は芯材30に軸方向の引張力または圧縮力が作用したときに、変形拘束部材33に形成した長孔33aに沿って軸方向に摺動可能となっている。
すなわち、芯材30に軸方向の引張力が作用したときは芯材30が弾性範囲または弾塑性範囲で伸び、芯材30に軸方向の圧縮力が作用したときは芯材30が弾性範囲または弾塑性範囲で縮み、変形拘束部材33には実質的に軸方向力が作用しないようになっている。
また、芯材30に軸方向の圧縮力が作用したとき、変形拘束部材33が芯材30本体を四方から拘束していることで、芯材30本体の座屈変形が生じないため、制振部材としてのエネルギー吸収能力をフルに発揮させることができる。
図21(a),(b)は、従来の棒状制振部材の一例として十字芯材を用いた座屈拘束ブレースの具体例を示したものであり、芯材30本体の断面を十字断面とした点以外の構成および作用効果は図18の平板の場合と同様であるが、同じ変形が生じた場合芯材30の方が断面が大きい分、エネルギー吸収能力が高い。
ところで、道路橋などの橋梁においては、大規模地震時に上部工である橋桁の端部が橋桁端部を支える橋台や橋脚などの下部工から落橋しないように、下部工側に桁かかり長を十分に確保をしたり、上部工側の橋桁端部と下部工側の橋台や橋脚とを落橋防止材で連結することが行われ、また、特に近年では、棒状制振部材に落橋防止材としての機能を兼用させる検討をしたり,落橋防止材単体として使用をする検討がなされたりしている。
特開2000−265706号公報 特開2006−328688号公報 特開2014−031654号公報
従来の棒状制振部材の設計では、大規模地震時には芯材を必ず降伏させて履歴減衰により地震エネルギーを吸収させる設計をしていたが、想定外の地震も考慮した設計対応も要求されることがある。また、棒状制振部材には、引張り荷重と共に圧縮荷重が引張り荷重と交互に作用するため、圧縮荷重を受けて降伏する芯材を取り付けることにより、変形能力および地震エネルギーの吸収能力は倍増させることができる。
例えば、橋桁と橋桁を支える橋台との間に取り付けて使用する場合、棒状制振部材の芯材が仮に大規模地震時の繰り返し履歴で既に破断をしていたとすると、それ以降の落橋防止材としての変形挙動に対しては地震エネルギーの吸収ができないことになる。
また、主として落橋防止材を設計する場合は、落橋防止システムとして、支承部の機能が喪失するまでは、芯材を塑性変形させる必要はなく、その間、支承部の変形に追随できる構造が要求される。つまり、想定外の地震挙動で支承部の機能が喪失した場合、芯材を塑性変形させれば良いことになり、使用目的により芯材を塑性変形させる設計のタイミングが異なってくるのである。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたもので、地震時の引張りおよび圧縮両方の荷重に対する変形能力とエネルギー吸収能力がきわめて高く、想定し得る範囲内で最大規模の地震(レベル2の地震動)に対してだけでなく、レベル2の範囲を超える想定外の大地震に対しても対応可能で、例えば、橋桁の端部と橋桁の端部を支える橋台との間に取り付けられる落橋防止材として適した機能分離型衝撃吸収装置及び機能分離型衝撃吸収装置を備えた橋梁を提供することを目的とするものである。
本発明は、材軸方向の両端部に継手部を有し、引張りおよび圧縮荷重を受けて材軸方向に伸縮する棒状の機能分離型衝撃吸収装置であって、引張り荷重を受けて、塑性変形領域として設定される引張り側の第1の変位区間では、衝撃吸収装置を構成する引張り側の特定の第1の軸方向変形部材が弾性変形または塑性変形しつつ、前記第1の変位区間の上限において変位が拘束される構成とし、前記第1の変位区間を超え、引張り側の第2の塑性変形領域として設定される引張り側の第2の変位区間では、衝撃吸収装置を構成する引張り側の特定の第2の軸方向変形部材が弾性変形または塑性変形する構成とし、かつ圧縮荷重を受けて、圧縮側の塑性変形領域として設定された圧縮側の変位区間では、衝撃吸収装置を構成する圧縮側の軸方向変形部材が弾性変形または塑性変形する構成としたことを特徴とするものである。
請求項1記載の機能分離型衝撃吸収装置において、引張り荷重を受けて、前記第2の軸方向変形部材が第2の変位区間を超え、第3の塑性変形領域として設定される第3の変位区間では、衝撃吸収装置を構成する特定の第3の軸方向変形部材が弾性変形または塑性変形する構成とすることができる。
また、請求項1または2記載の機能分離型衝撃吸収装置において、引張りおよび圧縮荷重を受けて、衝撃吸収装置を構成する引張り側の特定の軸方向変位部材が、前記継手部の一方との連結が切り離された状態で実質的に無抵抗に引張り方向および圧縮方向に変位する遊間領域として設定される変位区間を備えた構成とすることができる。
さらに、請求項1〜3のいずれかひとつの機能分離型衝撃吸収装置において、衝撃吸収装置を構成する引張り側の特定の軸方向変形部材に、設定された引張り荷重で破断する破断誘発部を設けることにより、想定外の引張り荷重を受けた際に損傷が他の部分まで及ぶのを防止することができ、また、これにより早期にかつきわめて経済的に復旧させることができる。この場合の破断誘発部は、断面欠損を目的とした凹部または貫通孔などでよい。
軸方向変形部材の材料としては、要求性能に応じて、JIS材である普通鋼に加えて、変形能に優れた低降伏点鋼または形状記憶合金等を用いることができる。
本発明の機能分離型衝撃吸収装置は、レベル2地震動以上の地震動での支承の破壊を許容する構成とした橋梁の下部工と上部工との間に設置することができ、さらにレベル2地震動以上の地震動により一方の芯材が破壊したとしても、他方の芯材が衝撃吸収装置として機能するように、芯材の降伏荷重の階層化を行うことで対応できる。
本発明の機能分離型衝撃吸収装置は、棒状制振部材の衝撃吸収装置の吸収材となる芯材を2つに切り離すことで、それぞれの機能を明確にし、芯材の降伏荷重の階層化が実現できる。また、切り離された芯材間に遊間長を設けることで、常時に対する変形の追随性を付加することに加え、従来のケーブルタイプでは対応ができなかった圧縮力に対しても衝撃吸収が可能となる。
さらに、圧縮荷重を受けて、圧縮側の塑性変形領域として設定された圧縮側の変位区間を備え、当該圧縮側の変位区間では、衝撃吸収装置を構成する圧縮側の軸方向変形部材が弾性変形または塑性変形する構成としたことで、材軸方向の引張りおよび圧縮両方向の変形能力とエネルギー吸収能力に優れ、例えば、橋桁の端部と橋桁の端部を支える橋台との間に設置して地震時の衝撃吸収部材として用いることができる。
本発明の機能分離型衝撃吸収装置の第1の実施形態を図示したものであり、図1(a)は初期状態、図1(b)は橋軸方向の引張り力が作用し、左側の芯材が軸降伏後、塑性変形をして作動した状態、図1(c)は仮に継手部を破壊させた場合の最終破壊状態の斜視図である。 図1に図示する機能分離型衝撃吸収装置の分解斜視図である。 第1変形芯材の端部の端部を図示したものであり、図3(a)は連結部が破断する前の状態を示す斜視図、図3(b)は連結部が破断した後の状態を示す斜視図である。 図4(a),(b)は、それぞれ図1(a)及び図15(a)におけるイ−イ線、ロ−ロ線断面図である。 本発明の衝撃吸収装置の設置例を図示したものであり、橋桁の端部と橋桁を支える橋台との間に設置された機能分離型衝撃吸収装置の側面図である。 橋桁端部と橋台との間に設置された本発明の機能分離型衝撃吸収装置の作動状態のうち引張り変形を示す側面図である。 橋桁端部と橋台との間に設置された本発明の機能分離型衝撃吸収装置の作動状態のうち圧縮変形を示す側面図である。 第1および第2変形芯材と変位芯材の引張りおよび圧縮荷重による挙動を示す説明図である。 図8の荷重−変位設計曲線を示すグラフである。 図1の機能分離型衝撃吸収装置に橋軸方向の荷重(圧縮および引張力)が作用した際の荷重−変位設計曲線を示すグラフである。圧縮側には橋台があり変位が限定される。引張り側は、設計最大荷重で破断する設計とした事例である。 本発明の機能分離型衝撃吸収装置の第2の実施形態を図示したものであり、図11(a)は初期状態、図11(b)は引張り力が作用し、左側の芯材が軸降伏して作動した状態、図11(c)はその後、右側の芯材が軸降伏後塑性変形をし、仮に継手部を破壊させた場合の最終破壊状態の斜視図である。 図11に図示する機能分離型衝撃吸収装置に橋軸方向の荷重(圧縮および引張力)が作用した際の荷重−変位設計曲線を示すグラフである。分割された芯材が降伏荷重の階層化によりそれぞれ軸降伏した後、塑性変形をし、設計最大荷重で破断する設計とした事例である。 本発明の機能分離型衝撃吸収装置の第3の実施形態を図示したものであり、図13(a)は初期状態、図13(b)は引張り力が作用し、左側の芯材が軸降伏して作動した状態の斜視図である。 図13に図示する機能分離型衝撃吸収装置に橋軸方向の荷重(圧縮および引張力)が作用した際の荷重−変位設計曲線を示すグラフである。 本発明の機能分離型衝撃吸収装置の第4の実施形態を図示したものであり、図15(a)は初期状態、図15(b)は左側の芯材が軸降伏後、圧縮・引張りの変位を繰り返した後、引張り荷重が右側の芯材の降伏荷重に達して塑性変形をした作動状態の斜視図である。 図15に図示する機能分離型衝撃吸収装置に橋軸方向の荷重(圧縮および引張力)が作用した際の荷重−変位設計曲線を示すグラフである。 本発明の機能分離型衝撃吸収装置の第5の実施形態の機能分離型衝撃吸収装置に橋軸方向の荷重(圧縮および引張力)が作用した際の荷重−変位設計曲線を示すグラフである。 本発明の機能分離型衝撃吸収装置の第6の実施形態の衝撃吸収装置に橋軸方向の荷重(圧縮および引張力)が作用した際の荷重−変位設計曲線を示すグラフである。 本発明の機能分離型衝撃吸収装置において芯材として用いられる代表的な鋼材の応力ひずみ曲線を示すグラフである。 図20(a)は従来の棒状制振部材としての座屈拘束ブレースの一例(平板芯材の場合)を示す部分透過斜視図、図20(b)は軸直角方向の断面図である。 図21(a)は従来の棒状制振部材としての座屈拘束ブレースの他の例(十字芯材の場合)を示す部分透過斜視図、図21 (b)は軸直角方向の断面図である。
[実施形態1]
図1〜図10は、本発明の第1の実施形態であり、機能分離型衝撃吸収装置(以下「落橋防止材」)とその設置例を図示したものである。図において、橋桁1の端部と橋桁1の端部を支える橋台2との間に複数の落橋防止材3と支承4がそれぞれ設置され(図5,6,7参照)、いずれも、橋桁1の橋軸直角方向に間隔をおいて設置されている。符号17は橋桁1と橋台2間の挙動に追従して伸縮する伸縮装置である。
落橋防止材3は、落橋防止材3の材軸方向(以下「橋桁1の橋軸方向」)に伸縮する棒状に構成され、橋軸方向の両端部に継手部5と継手部6がそれぞれ取り付けられている。継手部5は橋台2の側面に固定され、継手部6は橋桁1端部の下端面に固定されている。
また、継手部5と継手部6との間に橋軸引張り方向の荷重によって弾塑性変形する引張り側第1変位区間L1と引張り側第2変位区間L2がそれぞれ設けられている(図1、図8参照)。引張り側第1変位区間L1は継手部5側に、引張り側第2変位区間L2は継手部6側にそれぞれ設けられている。
また、引張り側第1変位区間L1と引張り側第2変位区間L2との間に、橋軸圧縮方向の荷重によって弾塑性変形する圧縮側変位区間L3が引張り側第1変位区間L1および引張り側第2変位区間L2と同一材軸線上で互いに隣接して設けられている(図1、図8参照)。
引張り側第1変位区間L1と圧縮側変位区間L3に第1変形芯材7Aと第2変形芯材7Bがそれぞれ設置され、引張り側第2変位区間L2には変位芯材8が設置されている。また、第1および第2変形芯材7A,7Bと変位芯材8の橋軸直角方向の外側に複数の座屈拘束材9が設置されている。
第1および第2変形芯材7A,7Bは、橋軸方向に連続する単体の細長い平板状に形成され、かつその橋軸方向の両端部に拡径部7a,7b、第1変形芯材7Aと第2変形芯材7B間に拡径部7cがそれぞれ形成されている。拡径部7a,7b,7cは、いずれも断面略十字形状に形成されている。
また、第1変形芯材7Aの継手部5側の端部に拡径部7aと同じ幅で継手部5側に延びる平板状の連結部7dが形成され、連結部7dは継手部5に回転自在に連結されている。さらに、拡径部7aと連結部7dとの境界部に破断誘発凹部7eと座屈拘束リブ7fがそれぞれ形成されている(図3(a),(b)参照)。
破断誘発凹部7eは、継手部5と6間に橋軸方向の引張り荷重が設計値以上作用した際に、
当該破断誘発凹部7eで計画的に破断させることで、破断等の破損が他の部分に及ばないようにするために設けられており、図示するような凹部の他、単に貫通孔であってもよい。
また、座屈拘束リブ7fは、継手部5と6間に作用する橋軸方向の圧縮荷重で、連結部7dが座屈しないように形成されている。当該座屈拘束リブ7fは、連結部7dの上下両面の中央に第1変形芯材7Aの拡径部7a,7aと同一鉛直面内で、拡径部7a,7aの端面と互いに当接するように形成されており、軸圧縮荷重のみを伝達し、引張り荷重は伝達しない。
また、第1および第2変形芯材7A,7Bは橋軸方向に作用する引張り荷重に対して、連結部7dより先に弾塑性変形するように形成され、例えば、連結部7dより小径断面に形成されているか、或いは低降伏点鋼(例えば、LY225規格等)等から形成されている(図19参照)。
変位芯材8は、橋軸方向に細長く連続する断面略十字形状に形成され、また、橋軸方向の両端部に拡径部8a,8aが形成されている。拡径部8aは変位芯材8より大径の断面略十字形状に形成されている。また、継手部6側の端部に拡径部8aと同じ幅で継手部6側に延びる平板状の連結部8bが形成され、連結部8bは継手部6に回転自在に連結されている。
さらに、変位芯材8は橋軸方向の引張り荷重に対して、連結部7dより先に降伏破断しないように形成され、例えば、連結部7dより大断面形に形成されているか、或いは普通鋼(例えば、SM400)などから形成されている(図19参照)。
座屈拘束材9は、第1および第2変形芯材7A,7Bと変位芯材8の橋軸方向に連続し、第1および第2変形芯材7A,7Bと変位芯材8の全長とほぼ同等の長さを有し、かつ断面略等辺山形状に形成されている。
また、第1および第2変形芯材7A,7Bと変位芯材8の軸直角方向の外側に第1および第2変形芯材7A,7Bと変位芯材8を四方から挟み込むように設置されている。そして、第1および第2変形芯材7A,7Bの拡径部7a,7cおよび変位芯材8の拡径部8a,8aの両側面に複数の締付けボルト10aとガイドボルト10bによって接合され、また、拡径部7a,7c間、拡径部7b,7c間および拡径部8a,8a間において、それぞれスペーサー11を介在し、複数の締付けボルト10aによって互いに接合されている。
なお、ガイドボルト10bのボルト孔9aは、橋軸方向に長い長孔に形成されている。また、拡径部8a,8aとスペーサー11間、拡径部8aと7b間に、それぞれ橋軸方向に幅広な遊間Lt,Lcが設けられている。
このような構成において、継手部5と継手部6間に作用する橋軸方向の荷重(引張りおよび圧縮荷重)に対し、レベル2に至る大規模の地震エネルギー(想定し得る範囲内で最大規模の地震エネルギー)に対しては、変位芯材8が、継手部5との連結が切り離された状態で橋軸方向に実質的に無抵抗で変位し、座屈拘束材9のボルト孔9aの長孔の範囲内で橋軸方向に相対変位する(図8(a),(b),(c)、図9,10参照)。符号Lt,Lcは、変位芯材8が実施的に無抵抗で変位可能な遊間を示す。
これにより、橋桁1と橋台2間で引張りおよび圧縮荷重の伝達は起こらず、橋桁1の端部と橋台2間に作用するレベル2に至る大規模の地震エネルギーを吸収することができる(図10の荷重-変位設計曲線(1)-(2)-(2)'参照)。
また、レベル2を超える想定外の地震エネルギー(大地震)に対し、圧縮荷重に対しては、変位芯材8が継手部6方向に座屈拘束材9と相対変位して、変位芯材8の拡径部8aの端部が第2変形芯材7Bの拡径部7aの端部に面タッチする(図8(c)参照)。
そして、変位芯材8、第2変形芯材7Bおよび座屈拘束材9を介して、継手部5と継手部6間、すなわち橋桁1の端部と橋台2間で圧縮荷重が伝達され、第2変形芯材7Bが橋軸圧縮方向に弾性または塑性変形する(図8(d),(e)、図9,10の荷重-変位設計曲線(2)'-(3)'-(4)'-(5)'参照)。これによりレベル2を越える想定外の地震エネルギー(圧縮荷重)を吸収することができる。
なお、その際、第1変形芯材7Aと変位芯材8の外側に複数の座屈拘束材9が設置されていることにより、第1変形芯材7Aと変位芯材8が圧縮荷重で座屈することはない。また、連結部7dの上下面部に座屈拘束リブ7fが形成されていることにより、連結部7dも圧縮荷重で座屈することはない。
一方、引張り荷重に対しては、第1変形芯材7Aが橋軸引張り方向に弾塑性変形し(図8(f),(g),、図9,10の荷重-変位設計曲線(2)-(3)-(4)参照)、引張り荷重の増大と共に第1変形芯材7Aの連結部7dが弾性または塑性変形する(図9,10の荷重-変位設計曲線(4)-(5)参照)。これによりレベル2を越える想定外の地震エネルギー(引張り荷重)を吸収することができる。また、引張り荷重がPmaxに達した時点で連結部7dが破断することにより(図8(h)、図9,10の荷重-変位設計曲線((5)参照)、致命的な損傷に至るのを未然に防止することができる。
なお、連結部7dは、継手部5と6間に作用する橋軸方向の引張り荷重が予め設定された荷重を越えた時点で破断誘発凹部7eで計画的に破断させることができる。
[実施形態2]
図11と図12は、本発明の第2の実施形態を図示したものである。図において、各座屈拘束材9が変位芯材8のほぼ中間部で、橋軸方向に座屈拘束材ユニット(以下「ユニット」)9Aと9Bに分割され、かつ各ユニット9Aと9Bが棒状ストッパー12で連結された構成になっている点で、実施形態1の落橋防止材と構成が異なっている。このように構成されていることで、継手部5と6間に作用する想定外の地震エネルギーに対して変位芯材8を塑性変形芯材としても機能させることができる。
詳しく説明すると、各座屈拘束材9は、変位芯材8のほぼ中間部を境に継手部5側のユニット9Aと継手部6側のユニット9Bの2本のユニットから形成されている。各ユニット9Aは、第1および第2変形芯材7A,7Bの拡径部7a,7cの側面に複数の締付けボルト10aとガイドボルト10bによって接合され、また、拡径部7a,7c間および拡径部7b,7c間においてスペーサー11を介在し、複数の締付けボルト10aによって互いに接合されている。
ユニット9Bは、変位芯材8の継手部6側に位置する拡径部8aの側面にガイドボルト10bによって接合され、かつ拡径部8a,8a間においてスペーサー11を介在し、複数の締付けボルト10aによって互いに接合されている。
棒状ストッパー12は、ユニット9Aと9B間の離間距離を制御するための制御部材であり、各ユニット9Aおよびユニット9Bの軸直角方向の外側に橋軸方向とほぼ平行に設置され、かつユニット9Aおよび9Bの両方向に所定長延長されている。
各棒状ストッパー12のユニット9B側の端部12bは、ユニット9Bの側部に突設された定着用リブ13に固定され、ユニット9A側の端部12aは、ユニット9Aの側部に突設された定着用リブ14に形成されたルーズ孔(図省略)を貫通し、先端部12aに抜止めストッパー15が取り付けられている。
なお、棒状ストッパー12には長ボルト、抜止めストッパー15にはナットがそれぞれ用いられている。また、抜止めストッパー15にゴムなどの緩衝材(図省略)を取り付けることで、ユニット9Aと9B間の離間制限時に緩衝効果を高めることができる。
このような構成において、継手部5と継手部6間に作用する橋軸方向の荷重(引張りおよび圧縮荷重)に対し、レベル2に至る規模の地震エネルギーに対しては、変位芯材8が、継手部5との連結が切り離された状態で橋軸方向に実質的に無抵抗で変位し、座屈拘束材9のボルト孔9aの長孔の範囲内で橋軸方向に相対変位する(図8(a),(b),(c)参照)。
これにより、橋桁1と橋台2間で引張りおよび圧縮荷重の伝達は起こらず、橋桁1の端部と橋台2間に作用するレベル2に至る規模の地震エネルギーを吸収することができる(図12の荷重-変位設計曲線(1)-(2)-(2)'参照)。
また、レベル2を超える想定外の地震エネルギー(大地震)に対し、圧縮荷重に対しては、変位芯材8が継手部6方向に座屈拘束材9と相対変位して、拡径部8aの端部が第2変形芯材7Bの拡径部7aの端部に面タッチする(図8(c)参照)。
そして、変位芯材8、第2変形芯材7Bおよび座屈拘束材9を介して、継手部5と継手部6間、すなわち橋桁1の端部と橋台2間で圧縮荷重が伝達され、第2変形芯材7Bが橋軸圧縮方向に弾性または塑性変形する(図12の荷重-変位設計曲線(2)'-(3)'-(4)'-(5)'-(6)'参照)。これによりレベル2を越える想定外の地震エネルギー(圧縮荷重)を吸収することができる。
一方、引張り荷重に対しては、第1変形芯材7Aが橋軸引張り方向に弾塑性変形する(図12の荷重-変位設計曲線(2)-(3)-(4))し、さらに、引張り荷重が設計荷重Py2に達すると(図12の荷重-変位設計曲線(4)-(5))、変位芯材8が軸降伏して塑性変形することで衝撃吸収に寄与する。また、引張り荷重が設計最大荷重Pmaxに達した時点で継手部5側の連結部7dが破断することにより(図12の荷重-変位設計曲線(5)-(6)参照)、致命的な損傷に至るのを未然に防止することができる。
なお、変位芯材8と座屈拘束材9間の相対変位がボルト孔9aの長孔の範囲を超えた時点で、継手部5と継手部6間に作用する橋軸方向の引張り荷重は、座屈拘束材9を介して変位芯材8に伝達される。また、ユニット9Aと9B間に棒状ストッパー12が設置されていることにより、変位芯材8が第1変形芯材7Aの連結部7dより先に破断してしまうことはない。但し、設計制御として耐力の階層化を行うことで棒状ストッパー12の軸部を破断させることは可能である。
[実施形態3]
図13と図14は、本発明の第3の実施形態を図示したものである。図において、各座屈拘束材9が第1変形芯材7Aのほぼ中間部で、橋軸方向に座屈拘束材ユニット(以下「ユニット」)9Aと9Bに分割され、かつユニット9Aと9Bが棒状ストッパー12で連結された構成になっている点でのみ、実施形態1の落橋防止材と構成が異なっている。
詳しく説明すると、各座屈拘束材9は、第1変形芯材7Aのほぼ中間部を境に継手部5側のユニット9Aと継手部6側のユニット9Bの2本のユニットより形成されている。
各ユニット9Aは、第1変形芯材7Aの継手部5側の拡径部7aの側面部に複数の締付けボルト10aによって接合され、かつ拡径部7a,7c間においてスペーサー11を介在し、複数の締付けボルト10aによって互いに接合されている。
各ユニット9Bは、第1および第2変形芯材7A,7B間の拡径部7cの側面部および変位芯材8の継手部6側に位置する拡径部8aの側面に複数の締付けボルト10aとガイドボルト10bによって接合され、かつ第2変形芯材7Bの拡径部7b,7c間と変位芯材8の拡径部8a,8a間においてスペーサー11を介在し、複数の締付けボルト10aによって互いに接合されている。ガイドボルト10bのボルト孔9aは橋軸方向に長軸を有する長孔に形成されている。
棒状ストッパー12は、ユニット9Aと9B間の離間距離を制御するための制御部材であり、各ユニット9Aおよびユニット9Bの軸直角方向の外側に橋軸方向とほぼ平行に設置され、かつユニット9Aおよび9Bの両方向に所定長延長されている。
各棒状ストッパー12のユニット9B側の端部12bは、ユニット9Bの側部に突設された定着用リブ13に固定され、ユニット9A側の端部12aは、ユニット9Aの側部に突設された定着用リブ14に形成されたルーズ孔(図省略)を貫通し、その先端部12aに抜止めストッパー15が取り付けられている。
なお、棒状ストッパー12には長ボルト、抜止めストッパー15にはナットがそれぞれ用いられている。また、抜止めストッパー15にゴムなどの緩衝材(図省略)を取り付けることで、変位制限時に緩衝効果を高めることができる。
このような構成において、継手部5と継手部6間に作用する橋軸方向の荷重(引張りおよび圧縮荷重)に対し、レベル2に至る規模の地震エネルギーに対しては、変位芯材8が、継手部5との連結が切り離された状態で橋軸方向に実質的に無抵抗で変位し、座屈拘束材9のボルト孔9aの長孔の範囲内で橋軸方向に相対変位する(図8(a),(b),(c)参照)。
これにより、橋桁1と橋台2間で引張りおよび圧縮荷重の伝達は起こらず、橋桁1の端部と橋台2間に作用するレベル2に至る規模の地震エネルギーを吸収することができる(図14の荷重-変位設計曲線(1)-(2)-(2)'参照)。
また、レベル2を超える想定外の地震エネルギー(大地震)に対し、圧縮荷重に対しては、変位芯材8が継手部6方向に座屈拘束材9と相対変位して、変位芯材8の拡径部8aの端部が第2変形芯材7Bの拡径部7bの端部に面タッチする(図8(c)参照)。
そして、変位芯材8、第2変形芯材7Bおよび座屈拘束材9を介して、継手部5と継手部6間、すなわち橋桁1の端部と橋台2間で圧縮荷重が伝達されることにより、第2変形芯材7Bが橋軸圧縮方向に弾性または塑性変形する(図14の荷重-変位設計曲線(2)'-(3)'-(4)'-(5)'参照)。
一方、引張り荷重に対しては、第1変形芯材7Aと変位芯材8が橋軸引張り方向に弾塑性変形し(図14の荷重-変位設計曲線(2)-(3)-(4)参照)、さらに、ユニット9Aと9B間の離間距離が変位制御されると荷重が立ち上がり、最終的に設計最大荷重Pmaxに達した時点で継手部5側の連結部7dが破断することにより(図14の荷重-変位設計曲線(4)-(5)参照)、致命的な損傷に至るのを未然に防止することができる。
なお、変位芯材8と座屈拘束材9間の相対変位がボルト孔9aの長孔の範囲を超えた時点で、継手部5と継手部6間に作用する橋軸方向の引張り荷重は、座屈拘束材9を介して変位芯材8に伝達される。また、ユニット9Aと9B間に棒状ストッパー12が設置されていることにより、第1変形芯材7Aが連結部7dより先に破断してしまうことはない。
[実施形態4]
図15と図16は、本発明の第4の実施形態である。図において、変位芯材8に代えて変形芯材16が設置され、また、第1変形芯材7Aの弾塑性変形領域を広く設定することによりダンパー機能が付与されている点で実施形態1の落橋防止材と異なっている。
詳しく説明すると、第1変形芯材7Aは、第2変形芯材7Bおよび変形芯材16より長尺に形成され、これにより第1変形芯材7Aの弾塑性変形領域が広くなり、継手部5と6間に作用する地震エネルギーを減衰させるダンパー機能を備えている。それ以外については、第1変形芯材7Aと基本的に同一に形成されている。
また、変形芯材16は、橋軸方向に細長く連続する断面略十字形状に形成され、かつ橋軸方向の両端部に拡径部16a,16aが形成されており、基本的に変位芯材8とほぼ同じ形状に形成されている。
また、変形芯材16は、第2変形芯材7Bの継手部6側に第2変形芯材7Bと隣接して設置され、継手部6側の端部に拡径部16aと同じ幅で継手部6側に延びる平板状の連結部16bが形成され、連結部16bは継手部6に回転自在に連結されている。
さらに、継手部5と継手部6間に作用する橋軸方向の引張り荷重に対して、第1変形芯材7Aの連結部7dより先に降伏破断しないように形成され、例えば、連結部7dより大断面径に形成されているか、或いは普通鋼(例えば、SM400)などから形成されている(図19参照)。
なお、これらの部材は、設計の要求性能に応じて適宜選択、または組み合わせて使用することが望ましく、例えば同じ鋼材でも普通鋼あるいは低降伏点鋼や形状記憶合金では鋼材の降伏応力、伸び性能に違いがある(図18参照)。また、低ひずみの繰り返しを受ける場合は、これらの累積損傷度の度合いを主眼にした選定が望ましい。
また、これらの部材断面の強度の階層化を行うことにより、塑性化させる順番を設計制御することが可能となる。例えば、同一鋼材の選定をした場合に断面積は、第1変形芯材7Aが一番小さく、続いて変形芯材16、第1変形芯材7Aの連結部7dの順で大きく、連結部16bの断面積が一番大きくなるように形成することで、これらの部材をこの順番で弾塑性変形させることができる。
このような構成において、レベル2に至る規模の地震エネルギーに対しては、継手部5と継手部6間に作用する橋軸方向の軸力(引張りおよび圧縮荷重)に対し、第1変形芯材7Aが弾塑性変形する(図16の荷重-変位設計曲線(1)-(2)-(3) (4)-(5)-(6) -(7)参照)。これにより、継手部5と継手部6間に作用するレベル2に至る大規模の地震エネルギーを吸収することができる。
また、レベル2を越える想定外の地震エネルギーに対し、圧縮荷重に対しては、変形芯材16がボルト孔9aの長孔の範囲で継手部5方向に座屈拘束材9と相対変位することにより、変形芯材16の拡径部16aの端部が第2変形芯材7Bの拡径部7bの端部に面タッチする(図8(c)参照)。
そして、変形芯材16、第2変形芯材7Bおよび座屈拘束材9を介して、継手部5と継手部6間、すなわち橋桁1の端部と橋台2間で圧縮荷重が伝達され、第2変形芯材7Bが橋軸圧縮方向に弾性または塑性変形する(図16の荷重-変位設計曲線(8)'-(9)'-(10)'参照)。これによりレベル2を越える想定外の地震エネルギー(圧縮荷重)を吸収することができる。
一方、引張り荷重に対しては、変形芯材16が長孔16aの範囲で橋軸引張り方向に弾塑性変形し(図16の荷重-変位設計曲線(3)-(8)-(9)参照)、さらに、第1変形芯材7Aの連結部7dが弾性または塑性変形する(図16の荷重-変位設計曲線(9)-(10)参照)。これによりレベル2を越える想定外の地震エネルギー(引張り荷重)を吸収することができる。また、引張り荷重がPmaxに達した時点で連結部7dが破断することにより、致命的な損傷に至るのを未然に防止することができる。
なお、第1変形芯材7Aの弾塑性変形がガイド孔10の範囲を超えた時点で、継手部5と継手部6間に作用する引張り荷重は座屈拘束材9を介して変形芯材16に伝達される。
[実施形態5]
図17は、本発明の第5の実施形態であり、第4の実施形態において、各座屈拘束材9を変形芯材16のほぼ中間部で、橋軸方向に2本の座屈拘束ユニットに分割すると共に、各ユニットどうしをユニット間の離間を制御する棒状ストッパーでそれぞれ連結した場合の設計事例であり、荷重−変位設計曲線を示している。
[実施形態6]
図18は、本発明の第6の実施形態であり、第4の実施形態において、変形芯材16に代えて実施形態1における変位芯材8を設置することにより、無抵抗で軸方向に変位する遊間領域を設定した場合の設計事例であり、荷重−変位設計曲線を示している。
本発明は、地震時の引張りおよび圧縮両方向の荷重に対する変形能力およびエネルギー吸収能力がきわめて大きく、想定し得る範囲内で最大規模の地震(レベル2の地震動)に対してだけでなく、レベル2の範囲を超える想定外の大地震に対しても対応が可能で、例えば、橋桁の端部と橋桁端部を支える橋台との間に取り付けられる落橋防止材として用いることができる。
1 橋桁の端部
2 橋台
3 落橋防止材(機能分離型衝撃吸収装置)
4 支承
5 継手部
6 継手部
7A 第1変形芯材(軸方向変形部材)
7B 第2変形芯材(軸方向変形部材)
7a 拡径部
7b 拡径部
7c 拡径部
7d 連結部
7e 破断誘発凹部(破断誘発部)
7f 座屈拘束リブ
8 変位芯材(軸方向変位部材)
8a 拡径部
8b 連結部
9 座屈拘束材
9A ユニット(座屈拘束材ユニット)
9B ユニット(座屈拘束材ユニット)
9a ボルト孔
10a 締付けボルト
10b ガイドボルト
11 スペーサー
12 棒状ストッパー
13 定着用リブ
14 定着用リブ
15 抜止めストッパー
16 変形芯材(軸方向変形部材)
16a 拡径部
16b 連結部
17 伸縮装置

Claims (7)

  1. 材軸方向両端部に継手部を有し、引張りおよび圧縮荷重を受けて材軸方向に伸縮する棒状の衝撃吸収装置であって、引張り荷重を受けて、塑性変形領域として設定される引張り側の第1の変位区間では、衝撃吸収装置を構成する引張り側の第1の軸方向変形部材が弾性変形または塑性変形しつつ、前記第1の変位区間の上限において変位が拘束される構成とし、前記第1の変位区間を超え、引張り側の第2の塑性変形領域として設定される引張り側の第2の変位区間では、衝撃吸収装置を構成する引張り側の第2の軸方向変形部材が弾性変形または塑性変形する構成とし、かつ圧縮荷重を受けて、圧縮側の塑性変形領域として設定された圧縮側の変位区間では、衝撃吸収装置を構成する特定の圧縮側の軸方向変形部材が弾性変形または塑性変形する構成としたことを特徴とする機能分離型衝撃吸収装置。
  2. 請求項1記載の機能分離型衝撃吸収装置において、張り荷重を受けて、前記第2の軸方向変形部材が第2の変位区間を超え、第3の塑性変形領域として設定される第3の変位区間では、衝撃吸収装置を構成する特定の第3の軸方向変形部材が弾性変形または塑性変形する構成としたことを特徴とする機能分離型衝撃吸収装置。
  3. 請求項1または2記載の機能分離型衝撃吸収装置において、引張りおよび圧縮荷重を受けて、衝撃吸収装置を構成する特定の軸方向変位部材が、前記継手部の一方との連結が切り離された状態で実質的に無抵抗で軸引張り方向および軸圧縮方向に変位する遊間領域として設定される変位区間を備えていることを特徴とする機能分離型衝撃吸収装置。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の機能分離型衝撃吸収装置において、衝撃吸収装置を構成する引張り側の特定の軸方向変形部材に、設定された引張り荷重で破断する破断誘発部が設けられていることを特徴とする機能分離型衝撃吸収装置。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の機能分離型衝撃吸収装置において、前記軸方向変形部材の材料として、形状記憶合金または低降伏点鋼を用いていることを特徴とする機能分離型衝撃吸収装置。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の機能分離型衝撃吸収装置を、レベル2地震動以上の地震動での支承の破壊を許容する構成とした橋梁の下部工と上部工との間に介在させてあることを特徴とする機能分離型衝撃吸収装置を備えた橋梁。
  7. 請求項6記載の機能分離型衝撃吸収装置を備えた橋梁において、前記機能分離型衝撃吸収装置をレベル2地震動以上の地震動であって、前記支承が破壊する地震動以下の地震動で破壊することを許容するように設定してあることを特徴とする機能分離型衝撃吸収装置を備えた橋梁。
JP2017153324A 2017-08-08 2017-08-08 機能分離型衝撃吸収装置及び機能分離型衝撃吸収装置を備えた橋梁 Active JP7017879B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017153324A JP7017879B2 (ja) 2017-08-08 2017-08-08 機能分離型衝撃吸収装置及び機能分離型衝撃吸収装置を備えた橋梁

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017153324A JP7017879B2 (ja) 2017-08-08 2017-08-08 機能分離型衝撃吸収装置及び機能分離型衝撃吸収装置を備えた橋梁

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019031827A true JP2019031827A (ja) 2019-02-28
JP7017879B2 JP7017879B2 (ja) 2022-02-09

Family

ID=65523085

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017153324A Active JP7017879B2 (ja) 2017-08-08 2017-08-08 機能分離型衝撃吸収装置及び機能分離型衝撃吸収装置を備えた橋梁

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7017879B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111058546A (zh) * 2020-01-02 2020-04-24 广州大学 一种具有拉压功能的屈曲约束支撑及其设计方法
CN112575674A (zh) * 2020-12-16 2021-03-30 石家庄铁道大学 基于brb技术的组合式多级三向抗震的桥梁限位装置
JP2021055527A (ja) * 2019-09-25 2021-04-08 株式会社免制震ディバイス 構造物の制振装置

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20070006538A1 (en) * 2005-07-07 2007-01-11 Kuo-Jung Chuang Earthquake shock damper
JP2012036601A (ja) * 2010-08-05 2012-02-23 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 制震ダンパ
JP2012122288A (ja) * 2010-12-10 2012-06-28 Ihi Corp 落下防止装置
JP2012197864A (ja) * 2011-03-22 2012-10-18 Nagoya Institute Of Technology 履歴型ダンパー
JP2014031670A (ja) * 2012-08-06 2014-02-20 Ihi Infrastructure Systems Co Ltd ダンパ取付装置
JP2017082904A (ja) * 2015-10-28 2017-05-18 株式会社横河住金ブリッジ 棒状制振部材
JP2017089146A (ja) * 2015-11-05 2017-05-25 株式会社ビービーエム 構造物用複合制振ダンパー
JP6173553B1 (ja) * 2016-12-07 2017-08-02 株式会社ハナミズキ・ブリッジ・プランニング 橋梁用制震装置
JP6872359B2 (ja) * 2016-12-08 2021-05-19 株式会社横河Nsエンジニアリング 衝撃吸収装置

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20070006538A1 (en) * 2005-07-07 2007-01-11 Kuo-Jung Chuang Earthquake shock damper
JP2012036601A (ja) * 2010-08-05 2012-02-23 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 制震ダンパ
JP2012122288A (ja) * 2010-12-10 2012-06-28 Ihi Corp 落下防止装置
JP2012197864A (ja) * 2011-03-22 2012-10-18 Nagoya Institute Of Technology 履歴型ダンパー
JP2014031670A (ja) * 2012-08-06 2014-02-20 Ihi Infrastructure Systems Co Ltd ダンパ取付装置
JP2017082904A (ja) * 2015-10-28 2017-05-18 株式会社横河住金ブリッジ 棒状制振部材
JP2017089146A (ja) * 2015-11-05 2017-05-25 株式会社ビービーエム 構造物用複合制振ダンパー
JP6173553B1 (ja) * 2016-12-07 2017-08-02 株式会社ハナミズキ・ブリッジ・プランニング 橋梁用制震装置
JP6872359B2 (ja) * 2016-12-08 2021-05-19 株式会社横河Nsエンジニアリング 衝撃吸収装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021055527A (ja) * 2019-09-25 2021-04-08 株式会社免制震ディバイス 構造物の制振装置
JP7433727B2 (ja) 2019-09-25 2024-02-20 株式会社免制震ディバイス 構造物の制振装置
CN111058546A (zh) * 2020-01-02 2020-04-24 广州大学 一种具有拉压功能的屈曲约束支撑及其设计方法
CN111058546B (zh) * 2020-01-02 2024-04-26 广州大学 一种具有拉压功能的屈曲约束支撑及其设计方法
CN112575674A (zh) * 2020-12-16 2021-03-30 石家庄铁道大学 基于brb技术的组合式多级三向抗震的桥梁限位装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP7017879B2 (ja) 2022-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2921612B1 (en) Energy dissipating device
JP6173553B1 (ja) 橋梁用制震装置
CN105926794A (zh) 采用等应力线优化的装配式软钢阻尼器
JP2011042974A (ja) 振動制御装置、振動制御装置を備えた構造物、耐震装置及び耐震装置を備えた構造物
JP5872091B1 (ja) 免震構造物に用いる変形制限装置
KR100944363B1 (ko) 좌굴방지부를 구비한 철골가새
CN105421610A (zh) 自复位软钢耗能支撑
JP2019031827A (ja) 機能分離型衝撃吸収装置及び機能分離型衝撃吸収装置を備えた橋梁
KR101425444B1 (ko) 면외좌굴 방지 접합부를 구비한 가새형 제진 시스템
US20210095463A1 (en) Damper for energy dissipation
JP6184789B2 (ja) 制振耐震複合部材およびそれを用いた建物
JP4838898B1 (ja) 制震ダンパ
JP5214371B2 (ja) 構造物
JP4746023B2 (ja) 鉄骨構造物の耐震改修方法及び耐震鉄骨構造物
JP6803661B2 (ja) 棒状制振部材
JP6872359B2 (ja) 衝撃吸収装置
US20190360196A1 (en) Self-centering damping column and damping brace
JP7081745B2 (ja) 免震構造
JP4553631B2 (ja) 制震装置
JP3800476B2 (ja) 耐震建物
JP4191687B2 (ja) 制震ダンパー接続具、制震ダンパー、及び建造物の制震構造
JP6862057B2 (ja) 建物の柱頭変位抑制構造
JP2005330688A (ja) 橋梁の耐震補強方法及び構造
TWI435019B (zh) Piping support structure
JPH10280725A (ja) 制振躯体構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200623

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210629

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210826

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211028

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220125

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220128

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7017879

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150