JP6184789B2 - 制振耐震複合部材およびそれを用いた建物 - Google Patents

制振耐震複合部材およびそれを用いた建物 Download PDF

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Description

本発明は制振耐震複合部材およびそれを用いた建物、特に、ブレースとして用いられる制振耐震複合部材およびそれを用いた建物に関する。
従来から、建物の耐震設計は、中小地震時には、主架構を弾性範囲内にとどめて、建物の損傷を防止、大地震時には、主架構の塑性化を許容することで建物の倒壊を防止し、建物の継続使用を可能にするという考え方に基づいている。
また、塑性変形性能に優れた制振部材を建物に組み込むことで、中小地震時から大地震時までの広い範囲のエネルギーを効率的に吸収し、建物の損傷を軽減する制振構造が、超高層建物を中心に採用されている。
昨今の、想定地震の規模増大(例えば、震度7クラス以上)に応じて、単純に設計時の地震荷重を大きく設定することは、制振構造である建物の主架構全体を高強度化すること(剛性と耐力の増強)に繋がり、資材の必要量や断面の増加を招くこととなる。
また、地震発生確率や超過確率を勘案すると、不経済な設計になることが容易に推定できる。さらに、既存建物の耐震補強においても同様に、部材の配置や経済性がネックとなり、耐震補強の実施が困難になると考えられる。
また、塑性変形性能に優れた制振部材として、鋼材を用いた履歴型制振部材である軸力降伏型の座屈拘束ブレースが多用されている。座屈拘束ブレースは、軸力が作用する軸力材と、軸力が作用しない状態で軸力材を包囲する補剛管とから形成され、軸力による軸力材の座屈を、補剛管が抑えることで、軸力材の塑性変形量(地震エネルギーの吸収量)の増大を図っている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3246656号公報(第3頁、図1)
しかしながら、特許文献1に開示された軸力降伏型の座屈拘束ブレースは、以下のような問題があった。
すなわち、ある許容歪み範囲内で繰り返し履歴を受けることで、地震エネルギーを効率的に吸収するものの、一般的に塑性化部に生じる歪みが大きくなるほど、破断に至るまでのトータルエネルギー吸収量が低減し、また、許容範囲を超える歪みを受けると、数回の繰り返しで、破断に至る可能性もある。このため、パルス波が加わる直下型地震動などに対しては、瞬間的に大きな歪みを受けるため、トータルエネルギー吸収量が不十分になるおそれがある。
そのため、内筒管を大型に(厚肉化、大径化)する、あるいは設置量を増やすことで、塑性化部に生じる歪みを小さく抑え、許容範囲を超える歪みが発生しないようにする必要が生じることから、結果として、装置自体(外筒管を含めた座屈拘束ブレース)が大型になり、設置スペースが多く必要とされていた。そうすると、製造コストおよび施工コストの上昇を招くと共に、設置場所の自由度が低下していた。
本発明は上記問題を解決するものであって、装置の大型化を抑えながら、従来とほぼ同等の設置スペースで、塑性化部に生じる歪みを小さくすることができる制振耐震複合部材およびそれを用いた建物を提供することにある。
(1)本発明に係る制振耐震複合部材は、軸力材と、該軸力材を包囲する補剛管と、前記軸力材の一方の端部と前記補剛管の一方の端部とが接続された共通端板と、前記軸力材の他方の端部と前記補剛管の他方の端部との間に形成された間隙と、を有し、
前記間隙は、
前記軸力材の軸方向において前記軸力材の伸び方向及び縮み方向の両方に形成され、
前記軸力材が単独で軸方向に所定の変形量だけ変形したところで、前記間隙のうち一方が消滅し、前記間隙が消滅した後は、前記軸力材および前記補剛管の両方が軸方向にさらに変形することを特徴とする。
(2)前記(1)において、前記補剛管の他方の端部に設置された補剛管当接板と、前記軸力材の他方の端部が接続された軸力材端板と、該軸力材端板に軸力材連結部を介して接続された軸力材当接板と、前記共通端板および前記軸力材当接板にそれぞれ固定された建物設置用手段と、を有し、
前記軸力材端板と前記補剛管当接板との間、および前記補剛管当接板と前記軸力材当接板との間に、それぞれ前記間隙が形成され、
前記建物設置用手段を経由して軸方向の荷重が作用した際、前記間隙の大きさが変動し、前記軸力材が所定の変形量以上に変形したところで、前記間隙のうちの一方の前記間隙が消滅することを特徴とする。
(3)前記(1)において、前記補剛管の他方の端部に一方の端部が固定された連結棒と、該連結棒の他方の端部に設置された連結棒ストッパーと、前記軸力材の他方の端部が接続された軸力材端板と、該軸力材端板に軸力材連結部を介して接続された軸力材当接板と、前記共通端板および前記軸力材当接板にそれぞれ固定された建物設置用手段と、を有し、
前記補剛管の他方の端部と前記軸力材当接板との間、および前記軸力材当接板と前記連結棒ストッパーとの間にそれぞれ前記間隙が形成され、
前記建物設置用手段を経由して軸方向の荷重が作用した際、前記間隙の大きさが変動し、前記軸力材が所定の変形量以上に変形したところで、前記間隙のうちの一方の前記間隙が消滅することを特徴とする。
(4)本発明に係る制振耐震複合部材は、軸力材と、該軸力材を包囲する補剛管と、前記軸力材の一方の端部と前記補剛管の一方の端部とが接続された共通端板と、前記補剛管の他方の端部に設置された補剛管当接板と、前記軸力材の他方の端部が接続された軸力材端板と、該軸力材端板に軸力材連結部を介して接続された軸力材当接板と、前記共通端板および前記軸力材当接板にそれぞれ固定された建物設置用手段と、を有し、前記軸力材端板と前記補剛管当接板との間、および前記補剛管当接板と前記軸力材当接板との間に、それぞれ間隙が形成され、前記建物設置用手段を経由して軸方向の荷重が作用した際、前記間隙の大きさが変動し、前記軸力材が所定の変形量以上に変形したところで、前記間隙のうちの一方の間隙が消滅することを特徴とする。
(5)本発明に係る制振耐震複合部材は、軸力材と、該軸力材を包囲する補剛管と、前記軸力材の一方の端部と前記補剛管の一方の端部とが接続された共通端板と、前記補剛管の他方の端部に一方の端部が固定された連結棒と、該連結棒の他方の端部に設置された連結棒ストッパーと、前記軸力材の他方の端部が接続された軸力材端板と、該軸力材端板に軸力材連結部を介して接続された軸力材当接板と、前記共通端板および前記軸力材当接板にそれぞれ固定された建物設置用手段と、を有し、前記補剛管の他方の端部と前記軸力材当接板との間、および前記軸力材当接板と前記連結棒ストッパーとの間にそれぞれ間隙が形成され、前記建物設置用手段を経由して軸方向の荷重が作用した際、前記間隙の大きさが変動し、前記軸力材が所定の変形量以上に変形したところで、前記間隙のうちの一方の間隙が消滅することを特徴とする。
)前記(1)〜(5)において、前記補剛管を包囲する第二補剛管を有することを特徴とする。
)また、軸力材と、該軸力材を包囲する第二補剛管と、該第二補剛管を包囲する補剛管と、前記軸力材の一方の端部と前記第二補剛管の一方の端部とが接続された共通端板と、前記第二補剛管の他方の端部と前記補剛管の他方の端部とが接続された補剛管連結板と、前記軸力材の他方の端部と前記補剛管連結板との間に形成された間隙と、を有し、
前記軸力材、前記補剛管および前記第二補剛管が所定の変形量だけ、軸方向に変形したところで、前記間隙が消滅し、前記間隙が消滅した後は、前記補剛管が単独で軸方向にさらに変形することを特徴とする。
)前記()において、前記補剛管の一方の端部に固定された補剛管端板と、前記軸力材の他方の端部に軸力材連結管を介して接続された軸力材当接板と、前記補剛管連結板の他方の端部に一方の端部が固定された連結棒と、該連結棒の他方の端部に設置された連結棒ストッパーと、前記補剛管端板および前記軸力材当接板にそれぞれ固定された建物設置用手段と、を有し、
前記補剛管連結板と前記軸力材当接板との間、および前記軸力材当接板と前記連結棒ストッパーとの間にそれぞれ間隙が形成され、
前記建物設置用手段を経由して軸方向の荷重が作用した際、前記間隙の大きさが変動し、前記軸力材が所定の変形量以上に変形したところで、前記間隙のうちの一方の間隙が消滅することを特徴とする。
)さらに、軸力材と、該軸力材に包囲された第二補剛管と、該第二補剛管に包囲された補剛管と、前記補剛管の一方の端部に固定された補剛管端板と、前記補剛管の他方の端部と前記第二補剛管の他方の端部とを連結する補剛管連結板と、前記第二補剛管の一方の端部と前記軸力材の一方の端部とを連結する共通端板と、前記軸力材の他方の端部に固定された軸力材当接板と、前記補剛管連結板と前記軸力材当接板との間に形成された間隙と、を有し、
前記軸力材、前記補剛管および前記第二補剛管が所定の変形量だけ、軸方向に変形したところで、前記間隙が消滅し、前記間隙が消滅した後は、前記補剛管が単独で軸方向にさらに変形することを特徴とする。
10)前記()において、前記軸力材の他方の端部に軸力材連結管を介して接続された軸力材当接板と、前記補剛管連結板の他方の端部に一方の端部が固定された連結棒と、該連結棒の他方の端部に設置された連結棒ストッパーと、前記補剛管端板および前記軸力材当接板にそれぞれ固定された建物設置用手段と、を有し、
前記補剛管連結板と前記軸力材当接板との間、および前記軸力材当接板と前記連結棒ストッパーとの間にそれぞれ間隙が形成され、
前記建物設置用手段を経由して軸方向の荷重が作用した際、前記間隙の大きさが変動し、前記軸力材が所定の変形量だけ軸方向に変形したところで、前記間隙のうちの一方の前記間隙が消滅することを特徴とする。
11)前記(1)〜(10)の何れかにおいて、前記間隙に緩衝材が配置されていることを特徴とする。
12)さらに、本発明に係る建物は 複数の柱と、柱同士を連結する梁とから形成された主架構と、該主架構の構面内に設置された前記(1)〜(11)の何れかに記載の制振耐震複合部材と、を有する。
(i)本発明に係る制振耐震複合部材は、軸力材が単独で軸方向に変形した後、軸力材が所定の変形量以上に変形した後、軸力材および補剛管の両方が軸方向に変形する。
すなわち、変形が小さい間は、軸力材が制振部材として機能し、公知の座屈拘束ブレースと同様の作用効果を奏する。さらに、変形が大きくなると、軸力材および補剛管の両方が耐震部材として機能し、主に、補剛管が全体座屈を生じない耐震ブレースとしての機能を奏する。したがって、装置(制振耐震複合部材)自体の大型化が抑えられ、建物の過大な変更を抑えることが可能になる。
このとき、補剛管の耐力・剛性を調整することによって、巨大地震等における過大な地震荷重に対しても建物の過大な変形を抑え、建物の損傷を軽減することが可能になる。また、軸力材の変形も抑えられるから、軸力材の過大な変形による早期破断を防止することができる。
(ii)また、軸力材端板と補剛管当接板との間、および補剛管当接板と軸力材当接板との間に、それぞれ間隙が形成され、軸方向の荷重が作用した際、間隙の大きさが変動し、所定の変形量以上に変形したところで、間隙のうちの一方の間隙が消滅する。すなわち、形成された間隙の大きさが変動し、やがて無くなる(部材同士が当接する)から、簡素な構造でありながら、変形抑制機構を形成することになる。このとき、変形抑制機構は、制振耐震複合部材が設置される架構の影響を受けることなく、軸力材の軸方向の変形量のみによって決定される。
(iii)また、補剛管の他方の端部と軸力材当接板との間、および軸力材当接板と連結手段ストッパーとの間にそれぞれ間隙が形成され、軸方向の荷重が作用した際、間隙の大きさが変動し、所定の変形量以上に変形したところで、間隙のうちの一方の間隙が消滅する(部材同士が当接する)から、前記(ii)と同様の作用効果が得られる。
(iv)また、補剛管を包囲する第二補剛管を有するから、補剛管の座屈が抑制され、軸力材および補剛管の両方による耐震部材として機能(前記(ii)参照)がさらに増す。
(v)また、軸力材、補剛管および第二補剛管が軸方向に変形した後、軸力材が所定の変形量以上に変形した後、軸力材および補剛管は弾性復元し、第二補剛管が単独で軸方向に変形する。
すなわち、変形が小さい間は、軸力材、補剛管および第二補剛管が制振部材として機能する。さらに、変形が大きくなると、第二補剛管のみが耐震部材として機能し、全体座屈を生じない耐震ブレースとしての機能を奏する。したがって、前記(i)と同様の作用効果が得られる。
(vi)また、補剛管連結板と軸力材当接板との間、および軸力材当接板と連結手段ストッパーとの間にそれぞれ間隙が形成され、軸方向の荷重が作用した際、間隙の大きさが変動し、所定の変形量以上に変形したところで、間隙のうちの一方の間隙が消滅する。したがって、簡素な構造でありながら、変形抑制機構が形成されるから、前記(ii)と同様の作用効果が得られる。
(vii)また、間隙に緩衝材が配置されているから、隙間を形成する部材の衝突が緩衝(吸収)され、衝撃音の発生を抑えると共に、衝撃力による損傷が防止される。
(viii)さらに、本発明に係る建物は、前記(i)〜(vii)の作用効果を奏する制振耐震複合部材を有し、当該制振耐震複合部材の大型化が抑えられ、制振機能と耐震機能との両方を発揮するから、設置スペースを拡大する必要がなく、設置位置の自由度が増すと共に、建物に自由度の高い空間および地震に対する高い信頼性を提供することができる。
本発明の実施の形態1に係る制振耐震複合部材を説明する側面視の断面図であって、(a)は実施例1の1、(b)は実施例1の2。 本発明の実施の形態2に係る制振耐震複合部材を説明する側面視の断面図であって、(a)は実施例2の1、(b)は実施例2の2。 本発明の実施の形態3に係る制振耐震複合部材を説明する側面視の断面図であって、(a)は実施例3の1、(b)は実施例3の2、(c)は実施例3の3。 本発明の実施の形態4に係る建物を模式的に説明する側面視の断面図。
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1に係る制振耐震複合部材を説明する側面視の断面図であって、(a)は実施例1の1、(b)は実施例1の2である。なお、各部は模式的に示すものであって、本発明は図示された形態(形状や相対的な大きさ)に限定されるものではない。
(実施例1の1)
図1の(a)において、制振耐震複合部材100は、軸力材10と、軸力材10を包囲する補剛管20と、軸力材10の一方の端部10aと補剛管20の一方の端部20aとが接続された共通端板30と、軸力材10の他方の端部10bが接続された軸力材端板40と、を具備している。
そして、共通端板30には、図示しない建物に設置するための建物設置用板39が固定され、建物設置用板39には貫通して建物設置用孔38が設けられている。
なお、軸力材10には変形性能に優れた低降伏点鋼管を用い、補剛管20は炭素鋼が用いられるが、本発明はこれに限定するものではなく、同様の特性を有するものであれば何れの材料であってもよい。また、軸力材10は鋼管であっても鋼管でなくても(例えば、棒材、板材、断面H型材等)よいし、補剛管20は断面円形の鋼管に限定するものではなく、例えば、断面矩形であってもよい。建物との設置方法についても、ピン形式であっても、ボルト接合形式であってもよい。
また、軸力材端板40には、軸力材端板40よりも外径が小さい軸力材連結部41が固定され、軸力材連結部41には補剛管20の外径に略同じ外径の(軸力材連結部41よりも外径が大きい)軸力材当接板42が固定され、軸力材当接板42には、図示しない建物に設置するための建物設置用板49が固定され、建物設置用板49には貫通して建物設置用孔48が設けられている。
さらに、補剛管20の他方の端部20bには、内面側に突出した内フランジ(円環状)である補剛管当接板21が形成されている。このとき、補剛管当接板21の内周に近い範囲は、軸力材連結部41に近い位置にあって、補剛管当接板21と軸力材端板40との間に間隙S1が形成され、補剛管当接板21と軸力材当接板42との間に間隙S2が形成され、後記する「軸力伝達部」が形成されている。
次に、制振耐震複合部材100の作用効果について説明する。
制振耐震複合部材100に軸力が加わると、まず、軸力材10が弾性変形し、やがて、塑性変形する。すなわち、引張力によって軸力材10の軸方向の伸び量が、間隙S1よりも小さい場合には、軸力材端板40が補剛管当接板21に当接しないことから、補剛管20に引張力が伝達されない。
また、圧縮力によって軸力材10の軸方向の縮み量が、間隙S2よりも小さい場合には、軸力材当接板42が補剛管当接板21に当接しないことから、補剛管20に圧縮力が伝達されない。このとき、補剛管20は軸力材10の軸方向以外の変形(曲げ変形)を拘束する(正確には、僅かの曲げ変形が生じる)ため、軸力材10の座屈の発生が抑えられる。
したがって、制振耐震複合部材100は、変形量が小さい場合には、通常の「座屈拘束ブレース」として機能する。
さらに、引張力によって軸力材10の軸方向の伸び量が、間隙S1よりも大きくなった場合には、軸力材端板40が補剛管当接板21に当接することから、補剛管20に引張力が伝達される。
また、圧縮力によって軸力材10の軸方向の縮み量が、間隙S2よりも大きくなった場合には、軸力材当接板42が補剛管当接板21に当接することから、補剛管20に圧縮力が伝達される。このとき、塑性化した軸力材10よりも剛性が高く、かつ断面積が大きい補剛管20がより多くの軸力を負担することで、弾性変形を伴いながら、当接した以降の軸方向の縮み量を小さくすることができる。
なお、補剛管20は、軸力材10が間隙S2に相当する変形量(縮み量)を生じる軸力を超える軸力分に対して、全体座屈を生じないために必要な断面に設計されている。
以上のように、制振耐震複合部材100では、過大な地震力が発生した場合に、軸方向の力が、軸力材10と補剛管20との両方に分担されることになり、軸力材10のみで力を負担した場合に比較して、軸力材10の変形量が減少する。
したがって、当初の塑性化部である軸力材10に生じる歪みを許容歪み範囲内に抑え、地震エネルギーを確実に吸収することができる。
すなわち、軸力材10が主に制振機能を発揮し、軸力材10と補剛管20とが協働して主に耐震機能を発揮するということができるから、軸力材10(および補剛管20)の大型化を抑えることができ、また、設置スペースを増やすことなく、製造コストおよび施工コストの上昇を抑えた制振耐震複合部材100を得ることができる。
(実施例1の2)
図1の(b)において、制振耐震複合部材101は、制振耐震複合部材100における補剛管当接板21に代えて、補剛管20に、高張力棒鋼である連結棒70の一方の端部70aを固定し、軸力材当接板42に連結棒70が貫通する軸力材当接孔44を設けられると共に、連結棒70の他方の端部70bの近くに連結棒ストッパー71を設置したものである。したがって補剛管20の他方の端部20bと軸力材当接板42との間に間隙S1が形成され、軸力材当接板42と連結棒ストッパー71との間に間隙S2が形成されている。
そして、軸力材当接板42は連結棒70に案内された状態で、補剛管20の他方の端部20bと軸力材当接板42との間を移動自在になっているから、制振耐震複合部材101は、制振耐震複合部材100と同様の作用効果を奏する。
[実施の形態2]
図2は本発明の実施の形態2に係る制振耐震複合部材を説明する側面視の断面図であって、(a)は実施例2の1、(b)は実施例2の2である。なお、実施の形態1と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
(実施例2の1)
図2の(a)において、制振耐震複合部材200は、制振耐震複合部材100(実施の形態1)を形成する補剛管20の外側に、さらに、炭素鋼鋼管からなる第二補剛管60を配置したものである。そして、軸力材端板40には緩衝材51が、軸力材当接板42には緩衝材52が、それぞれ設置されている。
したがって、軸力材10に、パルス波のような急激な荷重が作用した場合でも、緩衝材51が軸力材端板40と補剛管当接板21との衝突を吸収し、緩衝材52が軸力材当接板42と補剛管当接板21との衝突を吸収する。したがって、衝撃音の発生を抑えると共に、衝撃力による損傷を防止している。
なお、緩衝材51、52を補剛管当接板21に設置してもよい。また、緩衝材51、52の材質や形式は限定するものではなく、ゴムや合成樹脂の板材や、ばね、あるいは、液体や粘性弾性体を具備する公知のダンパーであってもよい。
また、第二補剛管60には、軸力が伝達されない構造になっている。このとき、補剛管20は、軸力材10が間隙S2に相当する変形量(縮み量)を生じる軸力に対して、(i)軸力材10の全体座屈を拘束するために必要な断面に設計されればよく、一方、第二補剛管60は、補剛管20の全体座屈を拘束するために必要な断面に設計される。したがって、軸力材10が間隙S2に相当する変形量(縮み量)を生じる軸力を超える軸力に対しても、補剛管20の座屈の発生が抑えられている。
なお、制振耐震複合部材200は、緩衝材51、52と第二補剛管60との両方を有しているが、何れか一方を有するものであってもよい。
(実施例2の2)
図2の(b)において、制振耐震複合部材201は、制振耐震複合部材200における内フランジ状の補剛管当接板21に代えて、補剛管20の他方の端部20bに外フランジ状の補剛管連結板22を固定し、補剛管連結板22に第二補剛管60の他方の端部60bを固定すると共に、連結棒70の一方の端部70aを補剛管連結板22に固定したものである。なお、第二補剛管60の他方の端部60aはいずれとも固定されていないため、第二補剛管60には軸力は伝達されない。
したがって、補剛管連結板22と軸力材当接板42との間に間隙S1が形成され、軸力材当接板42と連結棒ストッパー71との間に間隙S2が形成されている。そして、軸力材当接板42は連結棒70に案内された状態で、補剛管連結板22と軸力材当接板42との間を移動自在になっているから、制振耐震複合部材201は、制振耐震複合部材200と略同様の作用効果を奏する。なお、制振耐震複合部材200に準じて、補剛管連結板22に緩衝材51を、連結棒ストッパー71に緩衝材52を設置したり、軸力材当接板42に緩衝材51および緩衝材52を設置したりしてもよい。
[実施の形態3]
図3は本発明の実施の形態3に係る制振耐震複合部材を説明する側面視の断面図であって、(a)は実施例3の1、(b)は実施例3の2、(c)は実施例3の3である。なお、実施の形態1と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
(実施例3の1)
図3の(a)において、制振耐震複合部材300は、軸力材10と、軸力材10を包囲する第二補剛管60と、第二補剛管60を包囲する補剛管20と、軸力材10の一方の端部10aと第二補剛管60の一方の端部60aとが接続された共通端板80と、軸力材10の他方の端部10bと軸力材当接板42とを連結する軸力材連結管43と、を具備している。
そして、補剛管20の他方の端部20bには、内面側に突出した内フランジ(円環状)である補剛管連結板22が形成されて、補剛管連結板22に第二補剛管60の他方の端部60bが固定されている。
また、補剛管20の一方の端部20aには補剛管端板37が固定され、補剛管端板37には、建物設置用孔38が設けられている建物設置用板39が固定されている。
さらに、軸力材連結管43には軸力材当接板42が固定され、軸力材当接板42には連結棒70が貫通する軸力材当接孔44が設けられている。
連結棒70は高張力鋼棒によって形成され、その一方の端部70aは補剛管連結板22に固定され、他方の端部70bの近くには、連結棒ストッパー71が設置され、補剛管連結板22と軸力材当接板42との間に間隙S3が形成され、軸力材当接板42と連結棒ストッパー71との間に間隙S4が形成されている。すなわち、軸力材当接板42は連結棒70に案内された状態で、補剛管連結板22と軸力材当接板42との間を移動自在になっている。
なお、共通端板80と補剛管端板37との間に形成された間隙S5は、間隙S3よりも十分大きくなっている。
次に、制振耐震複合部材300の作用効果について説明する。まず、制振耐震複合部材300に圧縮力が加わる場合について説明する。
制振耐震複合部材300に圧縮力が加わると、圧縮軸力が比較的小さい範囲では、軸力材10および補剛管20は軸方向に縮み、一方、第二補剛管60は軸方向に伸びる。
このとき、軸力材10、補剛管20、第二補剛管60は折り返して直列に接続されており、同じ大きさの軸力が加わることとなり、軸剛性が小さく、降伏点の低い軸力材10のみが塑性化して、地震エネルギーを吸収する。すなわち、引張力が作用する第二補剛管60を、弾性範囲内の変形に抑えるように設計しておくことで、公知の「座屈補剛ブレース」と同様に、軸力材10の全体座屈を拘束することが可能である。
さらに、圧縮軸力が増加して、軸方向の変形(縮み量)が増すと、軸力材当接板42が補剛管連結板22に当接(間隙S3が消滅)し、共通端板80と補剛管端板37とは、離れている(間隙S5は消滅しない)。
このため、これ以降の圧縮軸力は、補剛管連結板22を介して補剛管20のみに伝達されることになる。したがって、軸力材10および第二補剛管60はこれまでに生じた軸力を保持したまま、それ以上の変形をしない。一方、補剛管20は圧縮力の増加とともに、徐々に変形量が増加していく。
このとき、第二補剛管60は、(i)間隙S3に相当する圧縮変形量を生じる圧縮軸力に対して、軸力材10の全体座屈を拘束するために必要な断面に設計されるとともに、(ii)間隙S3に相当する圧縮変形量を生じる圧縮軸力を超える設計軸力に対しては、補剛管20の全体座屈を拘束するために必要な断面に設計される。
次に、制振耐震複合部材300に引張力が加わる場合について説明する。
制振耐震複合部材300に引張力が加わると、引張軸力が比較的小さい範囲では、軸力材10および補剛管20は軸方向に伸び、一方、第二補剛管60は軸方向に縮む。
このとき、第二補剛管60は補剛管20によって全体座屈の発生が抑えられ、軸剛性の小さい軸力材10のみが塑性化して、地震エネルギーを吸収する。このとき、補剛管20および第二補剛管60は、圧縮時(圧縮軸力が小さい場合)と同様に、弾性範囲内での変形に抑えられている。
さらに、引張軸力が増加して、軸方向の変形(伸び量)が増すと、軸力材当接板42が連結棒ストッパー71に当接(間隙S4が消滅)する。このため、これ以降の引張軸力は連結棒70を介して第二補剛管60のみに伝達されることになる。
したがって、軸力材10および第二補剛管60はこれまでに生じた軸力を保持したまま、それ以上の変形をしない。一方、補剛管20は引張変形を開始して、徐々に変形量が増加していく。
このとき、補剛管20は、(i)間隙S4に相当する引張変形量を生じる引張軸力(第二補剛管60に対しては圧縮軸力)に対して、第二補剛管60の全体座屈を拘束するために必要な断面に設計される。
(実施例3の2)
図3の(b)において、制振耐震複合部材301は、制振耐震複合部材300の連結棒70を、高張力鋼鋼管である連結管90に変更したものである。すなわち、連結管90は軸力材当接板42を包囲した状態で、一方の端部90aが補剛管連結板22に固定され、他方の端部90bに連結管ストッパー91が設けられている。
このとき、軸力材当接板42と軸力材当接板42との間に間隙S3が形成され、軸力材当接板42と連結管ストッパー91との間に間隙S4が形成されているから、制振耐震複合部材301は、制振耐震複合部材300と同様の作用効果を奏する。
(実施例3の3)
図3の(c)において、制振耐震複合部材302は、制振耐震複合部材300における部材の内外方向の配置を逆にしたものであって、最も内側に、補剛管20を、補剛管20の外側にこれを包囲するように第二補剛管60を、さらに、第二補剛管60の外側にこれを包囲するように軸力材10を配置したものである。
したがって、制振耐震複合部材302の各部材には、制振耐震複合部材300の各部材におけるものと同様に軸力(圧縮力または引張力)が伝達されるから、制振耐震複合部材302は、制振耐震複合部材300と同様の作用効果を奏する。
(その他の形態)
以上、実施の形態1、2、3において説明したように、本発明は、所定の変形量に達するまでは、軸力材10によって地震エネルギーを吸収し、かつ、所定の変形量に達した後は、補剛管20に軸力が伝達されることを特徴とするものであるから、これを具現化する機構は、前記図示された形態に限定されるものではない。
[実施の形態4]
図4は本発明の実施の形態4に係る建物を模式的に説明する側面視の断面図である。なお、実施の形態1〜3と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図4において、建物400は、複数の柱1と、柱1同士を連結する梁2とから形成された主架構3とを有している。そして、主架構3の構面内に、一対の制振耐震複合部材100がハ字状(逆V字状)に設置されている。
したがって、制振耐震複合部材100が前記作用効果を奏し、大型化を抑え、また、製造コストおよび施工コストの上昇を抑えているから、建物400の施工部材コストおよび施工コストの上昇を抑えることができる。また、制振耐震複合部材100は、従来と同等の設置スペースで済むことから、建物400内の設置の自由が増し、建物400の外からの景観や内部の景観を阻害するおそれが減少する。
さらに、主架構3(柱1および梁2)を高強度部材によって構成し、耐震部分の「水平力分担率」を適切に設定することによって、巨大地震等の過大な地震荷重に対しても、主架構3を弾性範囲内にとどめつつ、建物400の過大な変形を抑えることが可能になる。
すなわち、主架構3の健全性が維持されることから、制振耐震複合部材100を新品に取り替えるだけで、制振性能および耐震性能は地震発生前と略同等までに回復し、建物400の継続使用が可能になる。
なお、制振耐震複合部材100の設置形態はハ字状に限定されるものではなく、主架構3の構面内にV字状あるいは斜めに設置してもよい。また、制振耐震複合部材100を設置する主架構3の構面は図示する形態に限定するものではなく、全ての構面に設置してもよいし、縦方向で、交互に設置するようにしてもよい。
また、制振耐震複合部材100に代えて、制振耐震複合部材101、200、201、300、301、302の何れを設置してもよい。
本発明によれば、軸力材10が主に制振機能を発揮し、軸力材10と補剛管20とが協働して主に耐震機能を発揮するということができるから、軸力材10に生じる歪みを過剰に大きくすることなく、地震エネルギーを吸収した上、これに追加する形で、補剛管20がさらに地震エネルギーを吸収することができる。したがって、大型化を抑え、また、製造コストおよび施工コストの上昇を抑えた制振耐震部材として、また、これを用いた建物として広く利用することができる。
1 柱
2 梁
3 主架構
10 軸力材
10a 端部
10b 端部
20 補剛管
20a 端部
20b 端部
21 補剛管当接板
22 補剛管連結板
30 共通端板
37 補剛管端板
38 建物設置用孔
39 建物設置用板
40 軸力材端板
41 軸力材連結部
42 軸力材当接板
43 軸力材連結管
44 軸力材当接孔
48 建物設置用孔
49 建物設置用板
51 緩衝材
52 緩衝材
60 第二補剛管
60a 端部
60b 端部
70 連結棒
70a 端部
70b 端部
71 連結棒ストッパー
80 共通端板
90 連結管
90a 端部
90b 端部
91 連結管ストッパー
100 制振耐震複合部材(実施例1の1)
101 制振耐震複合部材(実施例1の2)
200 制振耐震複合部材(実施例2の1)
201 制振耐震複合部材(実施例2の2)
300 制振耐震複合部材(実施例3の1)
301 制振耐震複合部材(実施例3の2)
302 制振耐震複合部材(実施例3の3)
400 建物(実施の形態4)

Claims (12)

  1. 軸力材と、
    該軸力材を包囲する補剛管と、
    前記軸力材の一方の端部と前記補剛管の一方の端部とが接続された共通端板と、
    前記軸力材の他方の端部と前記補剛管の他方の端部との間に形成された間隙と、を有し、
    前記間隙は、
    前記軸力材の軸方向において前記軸力材の伸び方向及び縮み方向の両方に形成され、
    前記軸力材が単独で軸方向に所定の変形量だけ変形したところで、前記間隙のうち一方が消滅し、前記間隙が消滅した後は、前記軸力材および前記補剛管の両方が軸方向にさらに変形することを特徴とする制振耐震複合部材。
  2. 前記補剛管の他方の端部に設置された補剛管当接板と、
    前記軸力材の他方の端部が接続された軸力材端板と、
    該軸力材端板に軸力材連結部を介して接続された軸力材当接板と、
    前記共通端板および前記軸力材当接板にそれぞれ固定された建物設置用手段と、を有し、
    前記軸力材端板と前記補剛管当接板との間、および前記補剛管当接板と前記軸力材当接板との間に、それぞれ前記間隙が形成され、
    前記建物設置用手段を経由して軸方向の荷重が作用した際、前記間隙の大きさが変動し、前記軸力材が所定の変形量以上に変形したところで、前記間隙のうちの一方の前記間隙が消滅することを特徴とする請求項1記載の制振耐震複合部材。
  3. 前記補剛管の他方の端部に一方の端部が固定された連結棒と、
    該連結棒の他方の端部に設置された連結棒ストッパーと、
    前記軸力材の他方の端部が接続された軸力材端板と、
    該軸力材端板に軸力材連結部を介して接続された軸力材当接板と、
    前記共通端板および前記軸力材当接板にそれぞれ固定された建物設置用手段と、を有し、
    前記補剛管の他方の端部と前記軸力材当接板との間、および前記軸力材当接板と前記連結棒ストッパーとの間にそれぞれ前記間隙が形成され、
    前記建物設置用手段を経由して軸方向の荷重が作用した際、前記間隙の大きさが変動し、前記軸力材が所定の変形量以上に変形したところで、前記間隙のうちの一方の前記間隙が消滅することを特徴とする請求項1記載の制振耐震複合部材。
  4. 軸力材と、
    該軸力材を包囲する補剛管と、
    前記軸力材の一方の端部と前記補剛管の一方の端部とが接続された共通端板と、
    前記補剛管の他方の端部に設置された補剛管当接板と、
    前記軸力材の他方の端部が接続された軸力材端板と、
    該軸力材端板に軸力材連結部を介して接続された軸力材当接板と、
    前記共通端板および前記軸力材当接板にそれぞれ固定された建物設置用手段と、を有し、
    前記軸力材端板と前記補剛管当接板との間、および前記補剛管当接板と前記軸力材当接板との間に、それぞれ間隙が形成され、
    前記建物設置用手段を経由して軸方向の荷重が作用した際、前記間隙の大きさが変動し、前記軸力材が所定の変形量以上に変形したところで、前記間隙のうちの一方の間隙が消滅することを特徴とする制振耐震複合部材。
  5. 軸力材と、
    該軸力材を包囲する補剛管と、
    前記軸力材の一方の端部と前記補剛管の一方の端部とが接続された共通端板と、
    前記補剛管の他方の端部に一方の端部が固定された連結棒と、
    該連結棒の他方の端部に設置された連結棒ストッパーと、
    前記軸力材の他方の端部が接続された軸力材端板と、
    該軸力材端板に軸力材連結部を介して接続された軸力材当接板と、
    前記共通端板および前記軸力材当接板にそれぞれ固定された建物設置用手段と、を有し、
    前記補剛管の他方の端部と前記軸力材当接板との間、および前記軸力材当接板と前記連結棒ストッパーとの間にそれぞれ間隙が形成され、
    前記建物設置用手段を経由して軸方向の荷重が作用した際、前記間隙の大きさが変動し、前記軸力材が所定の変形量以上に変形したところで、前記間隙のうちの一方の間隙が消滅することを特徴とする制振耐震複合部材。
  6. 前記補剛管を包囲する第二補剛管を有することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の制振耐震複合部材。
  7. 軸力材と、
    該軸力材を包囲する第二補剛管と、
    該第二補剛管を包囲する補剛管と、
    前記軸力材の一方の端部と前記第二補剛管の一方の端部とが接続された共通端板と、
    前記第二補剛管の他方の端部と前記補剛管の他方の端部とが接続された補剛管連結板と、
    前記軸力材の他方の端部と前記補剛管連結板との間に形成された間隙と、を有し、
    前記軸力材、前記補剛管および前記第二補剛管が所定の変形量だけ、軸方向に変形したところで、前記間隙が消滅し、前記間隙が消滅した後は、前記補剛管が単独で軸方向にさらに変形することを特徴とする制振耐震複合部材。
  8. 前記補剛管の一方の端部に固定された補剛管端板と、
    前記軸力材の他方の端部に軸力材連結管を介して接続された軸力材当接板と、
    前記補剛管連結板の他方の端部に一方の端部が固定された連結棒と、
    該連結棒の他方の端部に設置された連結棒ストッパーと、
    前記補剛管端板および前記軸力材当接板にそれぞれ固定された建物設置用手段と、を有し、
    前記補剛管連結板と前記軸力材当接板との間、および前記軸力材当接板と前記連結棒ストッパーとの間にそれぞれ間隙が形成され、
    前記建物設置用手段を経由して軸方向の荷重が作用した際、前記間隙の大きさが変動し、前記軸力材が所定の変形量以上に変形したところで、前記間隙のうちの一方の前記間隙が消滅することを特徴とする請求項記載の制振耐震複合部材。
  9. 軸力材と、
    該軸力材に包囲された第二補剛管と、
    該第二補剛管に包囲された補剛管と、
    前記補剛管の一方の端部に固定された補剛管端板と、
    前記補剛管の他方の端部と前記第二補剛管の他方の端部とを連結する補剛管連結板と、
    前記第二補剛管の一方の端部と前記軸力材の一方の端部とを連結する共通端板と、
    前記軸力材の他方の端部に固定された軸力材当接板と、
    前記補剛管連結板と前記軸力材当接板との間に形成された間隙と、を有し、
    前記軸力材、前記補剛管および前記第二補剛管が所定の変形量だけ、軸方向に変形したところで、前記間隙が消滅し、前記間隙が消滅した後は、前記補剛管が単独で軸方向にさらに変形することを特徴とする制振耐震複合部材。
  10. 前記軸力材の他方の端部に軸力材連結管を介して接続された軸力材当接板と、
    前記補剛管連結板の他方の端部に一方の端部が固定された連結棒と、
    該連結棒の他方の端部に設置された連結棒ストッパーと、
    前記補剛管端板および前記軸力材当接板にそれぞれ固定された建物設置用手段と、を有し、
    前記補剛管連結板と前記軸力材当接板との間、および前記軸力材当接板と前記連結棒ストッパーとの間にそれぞれ間隙が形成され、
    前記建物設置用手段を経由して軸方向の荷重が作用した際、前記間隙の大きさが変動し、前記軸力材が所定の変形量だけ軸方向に変形したところで、前記間隙のうちの一方の前記間隙が消滅することを特徴とする請求項記載の制振耐震複合部材。
  11. 前記間隙に緩衝材が配置されていることを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の制振耐震複合部材。
  12. 複数の柱と、柱同士を連結する梁とから形成された主架構と、該主架構の構面内に設置された請求項1〜11の何れか一項に記載の制振耐震複合部材と、を有する建物。
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