JP4987845B2 - クロロプレンゴム組成物の製造方法、クロロプレンゴム組成物、及びそれを用いた接着剤 - Google Patents

クロロプレンゴム組成物の製造方法、クロロプレンゴム組成物、及びそれを用いた接着剤 Download PDF

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本発明は、クロロプレンゴム組成物の製造方法、クロロプレンゴム組成物、及びそれを用いた接着剤に関するものである。
クロロプレンゴムは、耐熱性、耐候性、耐オゾン性、耐薬品性、難燃性等に優れることから様々な用途に用いられている。溶剤型接着剤も、その代表例の一つであり、被着体適応性の広さや接着特性のバランスの良さから種々の用途で使用されている。
近年、環境や健康への配慮から、溶剤型接着剤に使用される溶剤は非芳香族溶剤への転換が望まれている。しかしながら、この転換に伴って、溶剤型接着剤を貯蔵している際に有機溶剤に溶解する成分と不溶な成分に分離するいわゆる層分離が発生しやすくなっており、改良が望まれていた。
また、溶剤型接着剤の用途では、接着物性と使い勝手の点から、比較的高分子量タイプのクロロプレンゴムが使用されている(例えば、非特許文献1参照)。しかし、高分子量タイプのクロロプレンゴムは、低分子量タイプのものに較べ、それ自体の貯蔵安定性が劣るという課題もあった。
溶剤型接着剤の層分離を改良する手段としては、クロロプレンを重合させる際に特定のエチレン性不飽和スルホン酸やその塩を特定の範囲で共重合させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この技術によって得られるクロロプレンゴム組成物は、高分子鎖中に共重合体があることから結晶加速度の低下を引き起こし、接着強度を著しく損なうという問題があった。また、接着剤の層分離は改善されるものの、それ自体の貯蔵安定性は改善されず、貯蔵条件によっては、ゲル化してしまって溶剤型接着剤とすることができなくなってしまうという問題もあった。
接着の技術Vol.21,No.4(2002)通巻65号(第16頁;2.2.2.1項) 特開2007−177198
本発明は、接着物性を損なうことなく、層分離安定性に優れた溶剤型接着剤を作製可能であり、さらにそれ自体の貯蔵安定性に優れたクロロプレンゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、クロロプレンをロジン酸塩の存在下で乳化重合させた後、重合が終了したポリクロロプレンラテックス中に、特定のエチレン性不飽和スルホン酸化合物を添加して得られたクロロプレンゴム組成物により、上述の課題を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、クロロプレンをロジン酸塩の存在下で乳化重合させ、その重合率が50〜90%となった後に重合禁止剤を添加して乳化重合を停止させ、得られたポリクロロプレンラテックスに一般式(化4)〜(化6)式で表されるエチレン性不飽和スルホン酸化合物のうち少なくとも1種類を添加するクロロプレンゴム組成物の製造方法である。
Figure 0004987845
(ここで、Rは水素またはアルキル基、Mは水素、ナトリウム、カリウム、第四級アンモニウムを、nは0を含む整数を表す)
Figure 0004987845
(ここで、RおよびR’は水素またはアルキル基、Mは水素、ナトリウム、カリウム、第四級アンモニウムを表す)
Figure 0004987845
(ここで、Rは水素またはアルキル基、Mは水素、ナトリウム、カリウム、第四級アンモニウムを、Yは水素、アルキル基、水酸基、ハロゲンを、nは0を含む整数を表す)
ここで、エチレン性不飽和スルホン酸化合物の添加量は、ポリクロロプレンラテックスの固形分100質量部に対して、0.05〜10質量部であることが望ましく、より好ましくは0.1〜5質量部、さらに好ましくは0.2〜2質量部である。これは、添加量が0.05質量部以下のときは、効果が不十分であり、10質量部以上のときは製造コストにおいて不利になるためである。また、ポリクロロプレンラテックス中への分散性の点から、濃度5〜60%の水溶液として重合が終了した反応液中に添加することが望ましい。
また、エチレン性不飽和スルホン酸化合物は、一般式(化4)で表され、かつRが炭素数1〜3のアルキル基、nが1〜3、Mがナトリウムまたはカリウムであるものや、一般式(化5)で表され、かつRおよびR’が水素または炭素数1〜3のアルキル基、Mがナトリウムまたはカリウムであるもの、一般式(化6)で表され、かつRが炭素数1〜3のアルキル基、nが0〜3、Mがナトリウムまたはカリウムであるものが好ましい。
また、乳化重合を停止させた後のポリクロロプレンラテックスに、不飽和エチレン性スルホン酸化合物を添加する際には、重合が終了したポリクロロプレンラテックス中に残存する未反応のクロロプレンを除去する前に、かつポリクロロプレンラテックスの温度が30℃以下の状態で添加することが望ましい。
本発明の製造方法によって製造されたクロロプレンゴム組成物は、好ましい接着物性を保ちつつ層分離安定性に優れた溶剤型接着剤を作製可能であり、さらにそれ自体の貯蔵安定性に優れるものである。クロロプレンゴム組成物は、溶剤型接着剤の原材料として好適に使用することができる。
本発明は、クロロプレンを単独でロジン酸塩の存在下で乳化重合した後、重合が終了したポリクロロプレンラテックスに特定のエチレン性不飽和化合物の少なくとも1種類を添加することを特徴としたクロロプレンゴム組成物の製造方法である。
ここで、クロロプレンとは、2−クロロ−1,3−ブタジエンである。なお、工業的に合成されたクロロプレンは、通常1−クロロ−1,3−ブタジエンやメチルビニルケトンを不純物として3%未満含有しているものである。
本発明の製造方法で得られたクロロプレンゴム組成物は、一般のクロロプレンゴム組成物と比較して、その結晶化速度が高〜中程度のものとなる。このため、これを接着剤として利用した際には、最終接着強度が高い接着剤が得られる。
ロジン酸塩としては、ウッドロジン酸、ガムロジン酸、トール油ロジン酸、またはこれらを不均化した不均化ロジン酸などの塩類が使用可能である。乳化安定性や取り扱いやすさを考慮するとナトリウム塩またはカリウム塩の使用が好ましい。ロジン酸塩の添加量は、用いる全単量体100質量部に対し、ロジン酸として0.5〜10質量部が好ましく、2〜6質量部がより好ましい。ロジン酸塩の添加量をこの範囲に設定することによって、乳化重合を安定して行うことができ、かつ、その制御が容易になる。また、得られたクロロプレンゴム組成物を溶剤型接着剤とした場合に、その耐水強度が低下することがない。
乳化重合を行う際の重合温度は特に限定するものではないが、好ましくは0〜55℃である。重合温度をこの範囲に設定することによって、反応液中の水が凝固することなく、また、クロロプレン単量体が揮発することもない。
さらには、重合温度を30℃以下、より好ましくは20℃以下の範囲に設定することによって、結晶化速度が高いクロロプレンゴム組成物が得られる。このクロロプレンゴム組成物を接着剤として利用した際には、最終接着強度が高い接着剤が得られる。
また、重合温度を、30〜55℃、好ましくは35〜50℃の範囲に設定することによって、結晶化速度を中程度から低程度のクロロプレンゴム組成物が得られる。このクロロプレンゴム組成物を接着剤として利用した際には、粘着保持時間を向上させた接着剤が得られる。
クロロプレンゴムの分子量の調節は、連鎖移動剤の添加量によって調節できる。つまり、連鎖移動剤の添加量を増やすとクロロプレンゴムの分子量を小さくすることができ、添加量を減らすと分子量を大きくすることができる。連鎖移動剤は、特に制限されるものではなく、クロロプレンの重合に一般的に用いられる連鎖移動剤が使用可能である。連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタンやt−ドデシルメルカプタン等の長鎖アルキルメルカプタン類、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドやジエチルキサントゲンジスルフィド等のジアルキルキサントゲンジスルフィド類、ヨードホルム等が例示できる。
クロロプレンゴムの分子量は、特に限定するものではないが、クロロプレンゴム組成物を接着剤として用いる場合には、23℃での10%トルエン溶液粘度が、50〜30,000mPa・sとなる範囲に調整するとよい。さらに、接着剤がスプレー用である場合は、50〜500mPa・sがより好ましく、100〜300mPa・sが更に好ましい。刷毛塗り用やロールコーティング用の場合は、300〜30,000mPa・sがより好ましく、500〜5,000が更に好ましい。
乳化重合を行う際の単量体の最終重合率は、特に限定するものではないが、生産性と接着物性の観点から、全単量体に対し50〜90%の範囲とすることが好ましい。より好ましくは55〜85%であり、更に好ましくは60〜80%である。
乳化重合を終了させるためには、定法に従い重合禁止剤を添加すればよい。重合禁止剤としては、クロロプレンゴムの製造に一般的に用いられるものであれば特に制限は無く、例えば、フェノチアジン、ジエチルヒドロキシルアミン、ハイドロキノン、t−ブチルカテコール、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、ハイドロキノンメチルエーテル等が使用できる。
これらのうち、非水溶性のものを使用する場合は、クロロプレン単量体や有機溶剤に溶解後、界面活性剤を共存させて水性乳濁液として用いればよい。
本発明では、乳化重合終了後に、一般式(化7)〜(化9)式で表されるエチレン性不飽和スルホン酸化合物の少なくとも1種類を添加することが必須である。
Figure 0004987845
(ここで、Rは水素またはアルキル基、Mは水素、ナトリウム、カリウム、第四級アンモニウムを、nは0を含む整数を表す)
Figure 0004987845
(ここで、RおよびR’は水素またはアルキル基、Mは水素、ナトリウム、カリウム、第四級アンモニウムを表す)
Figure 0004987845
(ここで、Rは水素またはアルキル基、Mは水素、ナトリウム、カリウム、第四級アンモニウムを、Yは水素、アルキル基、水酸基、ハロゲンを、nは0を含む整数を表す)
これらのエチレン性不飽和スルホン酸化合物を重合開始前や重合途中に添加した場合には、得られるクロロプレンゴム組成物の貯蔵安定性に悪影響を及ぼす可能性があるばかりでなく、クロロプレンと共重合してしまい、その結晶化速度を目的の速度よりも遅くしてしまう場合がある。
クロロプレンゴムの結晶化速度が遅くなってしまうと、得られたクロロプレンゴム組成物を接着剤とした際に、接着剤の最終接着強度が低下してしまう。
これらのエチレン性不飽和スルホン酸化合物としては、特に限定するものではないが、アリルスルホン酸アルカリ金属塩、イソプレンスルホン酸アルカリ金属塩、p−スチレンスルホン酸アルカリ金属塩などがある。これらの中でも、p−スチレンスルホン酸ナトリウムを用いると、得られるクロロプレンゴム組成物により作製した接着剤の層分離安定性が特に優れるため好ましい。
エチレン性不飽和スルホン酸化合物の添加量は、特に限定するものではないが、好ましくは0.05〜10質量部であり、より好ましくは0.1〜5質量部、更に好ましくは0.2〜2質量部である。エチレン性不飽和スルホン酸化合物の添加量をこの範囲にすることによって、乳化液の安定性が低下することなく、本発明の目的を十分に達成できる。
エチレン性不飽和スルホン酸化合物の添加方法は限定されるものではないが、水溶液としてから重合終了後の反応液中に添加する方法がポリクロロプレンラテックス中への分散性の点からも簡便であり好ましい。さらに、乳化重合終了後、ポリクロロプレンラテックス中に残存する単量体を除去する前までに添加する方法が最も好ましい。
この際の水溶液濃度は、5〜60%、より好ましくは10〜50%とすると、取り扱いや、添加後の反応液の調整が簡便となるため好ましい。
また、エチレン性不飽和スルホン酸化合物添加時のポリクロロプレンラテックスの温度は30℃以下である方が本発明の効果がより顕著であり好ましい。
本発明のクロロプレンゴム組成物を用いて溶剤型接着剤を調製する場合は、一般的なクロロプレンゴム接着剤と同様に調製すればよい。特に限定するものではないが、クロロプレンゴム組成物をオープンロールなどの混練機を用いて素練りし、金属酸化物等の薬品の混合を行ういわゆる「混練法」、混練機を用いることなく、クロロプレンゴム組成物と配合薬品を直接有機溶剤に溶解するいわゆる「直溶法」の何れの方法でもよい。
溶剤型接着剤を調製する際には、粘着付与樹脂を添加することが好ましい。この際に用いる粘着付与樹脂としては、特に限定するものではなく、溶剤型接着剤に一般的に使用される何れの粘着付与樹脂も使用可能である。具体的には、アルキルフェノール樹脂、ロジン樹脂、ロジンエステル、重合ロジン樹脂、水添ロジン樹脂、ポリテルペン樹脂、α−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂、テルペンフェノール樹脂、C5留分系石油樹脂、C9留分系石油樹脂、C5/C9留分系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂、キシレン樹脂、
クマロン樹脂、クマロン−インデン樹脂などが例示される。
接着物性の観点からは、特にアルキルフェノール樹脂の使用が好ましい。
粘着付与樹脂の配合量は、特に限定するものではないが、クロロプレンゴム100質量部に対し、10〜100質量部が好ましく、20〜80質量部がより好ましい。更に好ましくは、30〜70質量部である。
また、溶剤型接着剤には、クロロプレンゴムが経年劣化する際に発生する塩酸を捕捉する目的や、アルキルフェノール樹脂とキレート化反応を起こさせる目的で金属酸化物を配合することも好ましい。
金属酸化物としては、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化カルシウム等が例示されるが、これらに限定するものではない。一般的には酸化マグネシウムと酸化亜鉛を併用することが多い。
金属酸化物の配合量も、特に限定されるものではないが、クロロプレンゴム100質量部に対して0.5〜15質量部が好ましく、2〜10質量部がより好ましい。
クロロプレンゴム系接着剤には、上述した以外にも、要求性能に合わせて、充填剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、シランカップリング剤、塩素化ゴム、塩素化ポリエチレン、着色剤、硬化剤等を任意に添加することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明の効果を詳しく説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものではない。なお、以下の説明において特に断りのない限り、部、及び%は質量基準で表す。
表1および表2中、単量体を乳化重合させた後に添加した化合物とは、次のエチレン性不飽和スルホン酸化合物(A〜C)、およびその他のスルホン酸化合物(D、E)である。
A:p−スチレンスルホン酸ナトリウム
B:アリルスルホン酸ナトリウム
C:イソプレンスルホン酸ナトリウム
D:ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドの縮合物のナトリウム塩
E:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
[実施例1]
[クロロプレン系重合体の重合]
内容積5リットルの反応器を用いて、窒素雰囲気下、純水120部に、不均化ロジン酸(ハリマ化成社製)4部、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドの縮合物のナトリウム塩(商品名デモールN:花王製)0.5部、水酸化カリウム0.4部、水酸化ナトリウム0.4部を溶解した。この溶液中にクロロプレン単量体100部、ドデシルメルカプタン0.1部を加え乳化した後、過硫酸カリウムを開始剤として用い、窒素雰囲気下40℃で乳化重合を行った。単量体の重合率が70%に達したところで、フェノチアジン乳濁液を加え重合を停止させ、p−スチレンスルホン酸ナトリウム1部(クロロプレンゴム100部に対する部数)を10%水溶液として加えた。次いで、減圧下で加熱し、未反応の単量体を回収した。得られたクロロプレン系重合体ラテックスを希酢酸によりpH7に調整後、定法の凍結凝固法によりシートとし、乾燥後にクロロプレンゴム組成物を得た。
[溶液粘度測定]
得られたクロロプレンゴム組成物を、10%トルエン溶液とし、ブルックフィールド型粘度計を用い、20℃における粘度を測定した。
[クロロプレンゴム組成物の貯蔵安定性試験]
クロロプレンゴム組成物を、70℃に調整したギヤーオーブン中で表1に示した期間貯蔵した。その後、クロロプレンゴム組成物を取り出して10%トルエン溶液とし、ブルックフィールド型粘度計を用いて20℃における粘度を測定した。貯蔵前後における10%トルエン溶液粘度の変化が少ないほど、クロロプレンゴム組成物の貯蔵安定性が優れることを示す。
[接着剤の調製]
アルキルフェノール樹脂(タマノル526:荒川化学社製)50部と酸化マグネシウム(キョウワマグ#150:協和化学社製)3部をシクロヘキサン100部に加え、一晩室温でキレート化反応させた。その後、クロロプレンゴム100部、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(ノクラック200:大内新興化学社製)1部、酸化マグネシウム3部、酸化亜鉛1部、シクロヘキサン180部、n−ヘキサン75部、アセトン120部、酢酸イソプロピル55部を加え、混合撹拌した。クロロプレンゴムが完全に溶解するまで混合撹拌し、接着剤とした。
[接着剤の粘度測定]
接着剤を作成後、ブルックフィールド型粘度計を用いて25℃における粘度を測定した。
[接着剤の耐層分離性試験]
接着剤をガラス製容器に入れ、遮光下、60℃の恒温水槽中に貯蔵した。4週間にわたり接着剤の外観観察を実施した。1週間以内で層分離を生じたものを×、1〜3週間で層分離を生じたものを△、3〜4週間で層分離を生じたものを○、4週間後に層分離を生じていなかったものを◎とした。
[接着試験]
接着強度試験は、被着体として帆布を用い、JIS K 6854−3:1999に規定
された方法に準じて行った。得られた接着剤を、帆布に約300g/mの塗布量となる
ように3回に分けて刷毛にて塗布し、最終塗布から30分間放置した後、帆布の接着剤塗布面同士を貼り合わせて圧着した。貼り合わせたサンプルを、23℃で7日間養生した後、200×25mmのサイズに裁断し、23℃雰囲気下で200mm/分の速度でT型剥離試験を行った。
[実施例2〜12]
実施例1における単量体を乳化重合する際の温度、あるいは乳化重合させた後に添加した化合物の種類および添加量、添加時期、添加温度を表1または表2に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様に試験を実施し、実施例2〜12とした。
[比較例1〜5]
実施例1における単量体を乳化重合させた後に添加した化合物の種類や添加量および添加時期を表2に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様に試験を実施し、比較例1〜5とした。比較例5では、さらに重合率30%の段階でエチレン性不飽和化合物Aを添加している。
[比較例6]
実施例1においてクロロプレンにDCBdを表2に示す通りの割合で共重合させた以外は、実施例1と同様に試験を実施し、比較例6とした。DCBdとは2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンである。
本発明の製造方法によって得られるクロロプレンゴム組成物は、木工・建材、製靴、自動車用途等、種々の分野で使用される接着剤の原材料として好適に用いることができる。
Figure 0004987845
Figure 0004987845

Claims (13)

  1. クロロプレンをロジン酸塩の存在下で乳化重合させ、重合率が50〜90%で重合禁止剤を添加し、一般式(化1)〜(化3)式で表されるエチレン性不飽和スルホン酸化合物のうち少なくとも1種類を、ポリクロロプレンラテックスの固形分100質量部に対して、0.1〜5質量部添加するクロロプレンゴム組成物の製造方法。
    Figure 0004987845
    (ここで、Rは水素またはアルキル基、Mは水素、ナトリウム、カリウム、第四級アンモニウムを、nは0を含む整数を表す)
    Figure 0004987845
    (ここで、RおよびR’は水素またはアルキル基、Mは水素、ナトリウム、カリウム、第四級アンモニウムを表す)
    Figure 0004987845
    (ここで、Rは水素またはアルキル基、Mは水素、ナトリウム、カリウム、第四級アンモニウムを、Yは水素、アルキル基、水酸基、ハロゲンを、nは0を含む整数を表す)
  2. エチレン性不飽和スルホン酸化合物の総添加量が、ポリクロロプレンラテックスの固形分100質量部に対して、0.2〜2質量部であることを特徴とする請求項1に記載のクロロプレンゴム組成物の製造方法。
  3. エチレン性不飽和スルホン酸化合物を、濃度5〜60%の水溶液として添加することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のクロロプレンゴム組成物の製造方法。
  4. エチレン性不飽和スルホン酸化合物を添加した後に、重合が終了したポリクロロプレンラテックス中に残存する未反応のクロロプレンを除去することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のクロロプレンゴム組成物の製造方法。
  5. エチレン性不飽和スルホン酸化合物を、重合が終了したポリクロロプレンラテックスの温度を30℃以下に調整した後に添加することを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか一項に記載のクロロプレンゴム組成物の製造方法。
  6. クロロプレンの乳化重合を20℃以下の温度で行うことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか一項に記載のクロロプレンゴム組成物の製造方法。
  7. エチレン性不飽和スルホン酸化合物の少なくとも一種が、一般式(化1)で表され、かつRが炭素数1〜3のアルキル基、nが1〜3、Mがナトリウムまたはカリウムであることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか一項に記載したクロロプレンゴム組成物の製造方法。
  8. エチレン性不飽和スルホン酸化合物の少なくとも一種が、一般式(化2)で表され、かつRおよびR’が水素または炭素数1〜3のアルキル基、Mがナトリウムまたはカリウムであることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか一項に記載のクロロプレンゴム組成物の製造方法。
  9. エチレン性不飽和スルホン酸化合物の少なくとも一種が、一般式(化3)で表され、かつRが炭素数1〜3のアルキル基、nが0〜3、Mがナトリウムまたはカリウムであることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか一項に記載のクロロプレンゴム組成物の製造方法。
  10. エチレン性不飽和スルホン酸化合物が、アリルスルホン酸ナトリウム、イソプレンスルホン酸ナトリウム、p−スチレンスルホン酸ナトリウムから選ばれた少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか一項に記載のクロロプレンゴム組成物の製造方法。
  11. エチレン性不飽和スルホン酸化合物が、p−スチレンスルホン酸ナトリウムであることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか一項に記載のクロロプレンゴム組成物の製造方法。
  12. 請求項1〜請求項11の何れか一項に記載のクロロプレンゴム組成物の製造方法によって得られたクロロプレンゴム組成物。
  13. 請求項1〜請求項11の何れか一項に記載のクロロプレンゴム組成物の製造方法によって得られたクロロプレンゴム組成物と、粘着付与樹脂、および金属酸化物を含有してなる溶剤型接着剤。
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