JP5585368B2 - クロロプレンラテックス及びその製造方法 - Google Patents
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(式中、Xは追加する2,3−ジクロロブタジエン単量体の重量部を表し、Cは重合転化率を表す。)
これらの条件を外れると、100〜120℃の間には吸熱ピークが存在しない。
ラテックスをメタノールに混合してゴムを析出させ、ろ過、真空乾燥によりゴムを取り出した。そのゴムを25℃以下で72時間以上保管して一旦結晶化させた後に、60℃で30分間保持し、DSC(SEIKO I&E製 示差操査熱量計DSC200)の測定を行った。測定は−100℃から200℃まで、5℃/分の昇温速度で行った。
9号帆布2枚(約150mm×60mm)それぞれの片面に刷毛で接着剤組成物を約250g/m2塗布した後に70℃で3.5分乾燥し、ハンドローラーを用いて圧着した。150mm×25mmのサイズに切り出したものを測定用の試験片とした。
試験片を貼り合わせ直後に80℃の雰囲気下にて5分間状態調整を実施し、300gの錘をぶら下げた。30分後に剥離した長さを測定した。
試験片を貼り合わせ直後に80℃の雰囲気下にて5分間状態調整を実施し、テンシロン型引っ張り試験機を用いて80℃の雰囲気下にて100mm/minの剥離速度で180°方向の引っ張りにて行った。
表1で示した割合のクロロプレン単量体、2,3−ジクロロブタジエン単量体、n−ドデシルメルカプタン、ロジン酸カリウム(商品名:ロンヂスK−25、荒川化学工業(株))、ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物(商品名:デモールN、花王(株))、ハイドロサルファイトナトリウム、及び純水を攪拌機付き10Lオートクレーブ中15℃で重合を行った。重合は窒素雰囲気下で0.35重量%の過硫酸カリウム水溶液を連続的に滴下して行い、重合転化率が90%となった時点で重合停止剤として2,6−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール0.05重量部を添加し重合を停止した。その後、減圧下で未反応単量体の除去及び濃縮によりラテックスの固形分を55%に調整し、ラテックスAを得た。
使用するクロロプレン単量体、2,3−ジクロロブタジエン単量体、n−ドデシルメルカプタン、ロジン酸カリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物、ハイドロサルファイトナトリウム、及び純水を表1に示す量に変更した以外は、実施例1に従って重合を実施してラテックスBを得て、DSC測定と、高温接着保持力および耐熱接着強度の測定を行った。結果を表3に示す。表3の結果より、高温接着保持力および耐熱接着強度は良好な値であった。
表1で示した割合のクロロプレン単量体、n−ドデシルメルカプタン単量体、ロジン酸カリウム(商品名:ロンヂスK−25、荒川化学工業(株))、ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物(商品名:デモールN、花王(株))、ハイドロサルファイトナトリウム、及び純水を攪拌機付き10Lオートクレーブ中15℃で重合を行った。重合は窒素雰囲気下で0.35重量%の過硫酸カリウム水溶液を連続的に滴下して行い、重合転化率が63%となった時点で、2,3−ジクロロブタジエン単量体をクロロプレン単量体100重量部に対し50重量部、n−ドデシルメルカプタンをクロロプレン単量体100重量部に対し0.2重量部追加した。2,3−ジクロロブタジエンも含めた全体の重合転化率が90%となった時点で重合停止剤として2,6−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール0.05重量部を添加し重合を停止した。その後、減圧下で未反応単量体の除去及び濃縮によりラテックスの固形分を55%に調整しラテックスCを得て、DSC測定と、高温接着保持力および耐熱接着強度の測定を行った。結果を表3に示す。表3の結果より、高温接着保持力および耐熱接着強度は良好な値であった。
2,3−ジクロロブタジエン単量体を追加する量をクロロプレン単量体100重量部に対し65重量部に、n−ドデシルメルカプタンの追加量をクロロプレン単量体100重量部に対し0.25重量部に変更した以外は実施例3に従って重合を実施してラテックスDを得て、DSC測定と、高温接着保持力および耐熱接着強度の測定を行った。結果を表3に示す。表3の結果より、高温接着保持力および耐熱接着強度は良好な値であった。
2,3−ジクロロブタジエン単量体を追加する重合転化率を80%に、追加する量をクロロプレン単量体100重量部に対し28重量部に、n−ドデシルメルカプタンの追加量をクロロプレン単量体100重量部に対し0.15重量部に変更した以外は実施例3に従って重合を実施してラテックスEを得て、DSC測定と、高温接着保持力および耐熱接着強度の測定を行った。結果を表3に示す。表3の結果より、高温接着保持力および耐熱接着強度は良好な値であった。
2,3−ジクロロブタジエン単量体を追加する重合転化率を80%に、追加する量をクロロプレン単量体100重量部に対し35重量部に、n−ドデシルメルカプタンの追加量をクロロプレン単量体100重量部に対し0.05重量部に変更した以外は実施例3に従って重合を実施してラテックスFを得て、DSC測定と、高温接着保持力および耐熱接着強度の測定を行った。結果を表3に示す。表3の結果より、高温接着保持力および耐熱接着強度は良好な値であった。
2,3−ジクロロブタジエン単量体を追加する重合転化率を88%に、追加する量をクロロプレン単量体100重量部に対し17重量部に、n−ドデシルメルカプタンの追加量をクロロプレン単量体100重量部に対し0.15重量部に変更した以外は実施例3に従って重合を実施してラテックスGを得て、DSC測定と、高温接着保持力および耐熱接着強度の測定を行った。結果を表3に示す。表3の結果より、高温接着保持力および耐熱接着強度は良好な値であった。
2,3−ジクロロブタジエン単量体を追加する重合転化率を88%に、追加する量をクロロプレン単量体100重量部に対し21重量部に、n−ドデシルメルカプタンの追加量をクロロプレン単量体100重量部に対し0.27重量部に変更した以外は実施例3に従って重合を実施してラテックスHを得て、DSC測定と、高温接着保持力および耐熱接着強度の測定を行った。結果を表3に示す。表3の結果より、高温接着保持力および耐熱接着強度は良好な値であった。
ラテックスAとラテックスDを50:50の比でブレンドしてラテックスを調製し、DSC測定と、高温接着保持力および耐熱接着強度の測定を行った。結果を表3に示す。表3の結果より、高温接着保持力および耐熱接着強度は良好な値であった。
使用するクロロプレン単量体、2,3−ジクロロブタジエン単量体、n−ドデシルメルカプタン、ロジン酸カリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物、ハイドロサルファイトナトリウム、及び純水を表4に示す量に変更した以外は、実施例1に従って重合を実施してラテックスaを得て、ラテックスaとラテックスEを50:50の比でブレンドしてラテックスを調製し、DSC測定と、高温接着保持力および耐熱接着強度の測定を実施した。結果を表3に示す。表3の結果より、高温接着保持力および耐熱接着強度は良好な値であった。
表4に示すように、2,3−ジクロロブタジエン単量体を追加しない以外は、実施例1に従い重合を行いラテックスbを得て、ラテックスbとラテックスFを50:50の比でブレンドしてラテックスを調製し、DSC測定と、高温接着保持力および耐熱接着強度の測定を実施した。結果を表3に示す。表3の結果より、高温接着保持力および耐熱接着強度は良好な値であった。
ラテックスa単独についてDSC測定と、高温接着保持力および耐熱接着強度の測定を実施した。結果を表5に示す。DSC測定の結果、100〜120℃の間にピークは無く、高温接着保持力は弱く、錘が落下した。
ラテックスb単独についてDSC測定と、高温接着保持力および耐熱接着強度の測定を実施した。結果を表5に示す。DSC測定の結果、ピークは無く、高温接着保持力は弱く、錘が落下し、耐熱接着強度も低かった。
使用するクロロプレン単量体、2,3−ジクロロブタジエン単量体、n−ドデシルメルカプタン、ロジン酸カリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物、ハイドロサルファイトナトリウム、及び純水を表4に示す量に変更した以外は、実施例1に従って重合を実施してラテックスcを得て、DSC測定と、高温接着保持力および耐熱接着強度の測定を行った。結果を表5に示す。DSC測定の結果、100〜120℃の間にピークは無く、高温接着保持力は弱く、錘が落下した。
使用するn−ドデシルメルカプタンの量を表4に示す量に変更した以外は、実施例1に従って重合を実施してラテックスdを得て、DSC測定と、高温接着保持力および耐熱接着強度の測定を行った。結果を表5に示す。DSC測定の結果、高温接着保持力は弱く、錘が落下し、耐熱接着強度も低かった。
使用するn−ドデシルメルカプタンの量を表4に示す量に変更した以外は、実施例2に従って重合を実施してラテックスeを得て、DSC測定と、高温接着保持力および耐熱接着強度の測定を行った。結果を表5に示す。DSC測定の結果、高温接着保持力は弱く、大きく剥がれた。
2,3−ジクロロブタジエン単量体を追加する重合転化率、追加する2,3−ジクロロブタジエン単量体の量、および追加するn−ドデシルメルカプタンの量を表4に示す値に変更した以外は実施例3に従って重合を実施してラテックスfを得た。その結果反応器内部にスケーリングが発生した。
2,3−ジクロロブタジエン単量体を追加する重合転化率、追加する2,3−ジクロロブタジエン単量体の量、および追加するn−ドデシルメルカプタンの量を表4に示す値に変更した以外は実施例3に従って重合を実施してラテックスgを得て、DSC測定と、高温接着保持力および耐熱接着強度の測定を行った。結果を表5に示す。DSC測定の結果、100〜120℃の間にピークは無く、高温接着保持力は弱く、大きく剥がれた。
2,3−ジクロロブタジエン単量体を追加する重合転化率、追加する2,3−ジクロロブタジエン単量体の量、および追加するn−ドデシルメルカプタンの量を表4に示す値に変更した以外は実施例3に従って重合を実施してラテックスhを得て、DSC測定と、高温接着保持力および耐熱接着強度の測定を行った。結果を表5に示す。DSC測定の結果、100〜120℃の間にピークは無く、高温接着保持力は弱く、錘が落下した。
2,3−ジクロロブタジエン単量体を追加する重合転化率、追加する2,3−ジクロロブタジエン単量体の量、および追加するn−ドデシルメルカプタンの量を表4に示す値に変更した以外は実施例3に従って重合を実施してラテックスiを得た。その結果反応器内部にスケーリングが発生した。
追加するn−ドデシルメルカプタンの量を表1に示す量に変更した以外は、実施例3に従って重合を実施してラテックスjを得て、DSC測定と、高温接着保持力および耐熱接着強度の測定を行った。結果を表5に示す。DSC測定の結果、高温接着保持力は弱く、大きく剥がれた。
n−ドデシルメルカプタンを追加しなかった以外は、実施例4に従って重合を実施してラテックスkを得て、DSC測定と、高温接着保持力および耐熱接着強度の測定を行った。結果を表5に示す。DSC測定の結果、高温接着保持力は弱く、大きく剥がれた。
ラテックスaとラテックスbを50:50の比でブレンドしてラテックスを調製し、DSC測定と、高温接着保持力および耐熱接着強度の測定を行った。結果を表5に示す。DSC測定の結果、100〜120℃の間にピークは無く、高温接着保持力は弱く、錘が落下した。
Claims (7)
- クロロプレン100重量部に対して2,3−ジクロロブタジエン13.5〜180重量部である、クロロプレンと2,3−ジクロロブタジエンの共重合体を含有し、該共重合体のDSC測定曲線において、45℃以下に吸熱ピークが存在せず、100〜120℃の間に一本以上の吸熱ピークが存在することを特徴とするクロロプレンラテックス。
- アニオン系乳化剤を含有することを特徴とする請求項1に記載のクロロプレンラテックス。
- アニオン系乳化剤が、ロジン酸のアルカリ金属塩であることを特徴とする請求項2に記載のクロロプレンラテックス。
- クロロプレン単量体100重量部、2,3−ジクロロブタジエン単量体135重量部を超えて180重量部以下、およびn−ドデシルメルカプタン0.25〜0.6重量部を用いて共重合を開始することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの項に記載のクロロプレンラテックスの製造方法。
- クロロプレン単量体100重量部を用いて重合を開始し、その後重合転化率が60〜90%において、n−ドデシルメルカプタンをクロロプレン100重量部に対して0.01〜0.3重量部追加し、2,3−ジクロロブタジエン単量体13.5〜72重量部を下式を満たすように追加することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの項に記載のクロロプレンラテックスの製造方法。
(100−C)×1.35<X≦(100−C)×1.8
(式中、Xは追加する2,3−ジクロロブタジエン単量体の重量部を表し、Cは重合転化率を表す。) - 請求項1〜請求項3のいずれかの項に記載のクロロプレンラテックスを含有することを特徴とするクロロプレンラテックス組成物。
- 請求項1〜請求項3のいずれかの項に記載のクロロプレンラテックスを含有することを特徴とする接着剤組成物。
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